毛利もうり元もと鎮

凡例はんれい 毛利もうり元もと鎮
時代じだい	安土あづち桃山ももやま時代じだい - 江戸えど時代じだい前期ぜんき
生誕せいたん	天正てんしょう17年ねん（1589年ねん）
死没しぼつ	寛文ひろふみ10年ねん2月がつ26日にち（1670年ねん4月がつ15日にち）
改名かいめい	小早川こばやかわ才ざい菊丸きくまる（幼名ようみょう）→毛利もうり元もと好このみ→元もと鎮
別名べつめい	別名べつめい：元もと綱つな、元信もとのぶ、号ごう：柳やなぎ庵あん 通称つうしょう：市し正ただし、式部しきぶ、左ひだり馬ば、民みん部ぶ、伊賀いが
戒名かいみょう	大だい初はつ道みち一いち大だい居士こじ
霊れい名めい	フランシスコ
墓所はかしょ	黄き龍山たつやま玄げん済ずみ寺てら（山口やまぐち県けん山口やまぐち市し吉敷よしき）
官位かんい	式部しきぶ少しょう輔、左ひだり馬ば助すけ、民みん部ぶ少しょう輔、伊賀いが守まもる
主君しゅくん	毛利もうり輝元てるもと→秀しゅう就
藩はん	長州ちょうしゅう藩はん
氏族しぞく	（小早川こばやかわ氏し→）毛利もうり氏し
父母ちちはは	父ちち：小早川こばやかわ秀しげる包つつみ 母はは：大友おおとも宗麟そうりんの娘むすめ・桂かつら姫ひめ（ドナ・マセンシア）
兄弟きょうだい	元もと鎮、女おんな（井原いはら元もと以室しつ）、女おんな（毛利もうり元もと景けい室しつ）、 元げん貞さだ、女おんな（桂かつら繁しげる政せい室しつ、井原いはら元もと栄さかえ室しつ）、 於佐手しゅ（吉田よしだ重成しげなり室しつ）、小早川こばやかわ能久よしひさ、 女おんな（臼杵うすき統みつる尚なお娘むすめ、益田ますだ景けい祥さち室しつ）
妻つま	正室せいしつ：穂ほ井田いだ元もと清きよしの娘むすめ（毛利もうり秀しげる元もとの妹いもうと）
子こ	元もと包つつみ、就正 養女ようじょ：女おんな（阿曽沼あそぬま元郷もとごうの娘むすめ）

毛利もうり 元もと鎮（もうり もとしげ）は、安土あづち桃山ももやま時代じだいから江戸えど時代じだい前期ぜんきにかけての武将ぶしょう。毛利もうり氏しの一門いちもん家老がろう・吉敷よしき毛利もうり家かの祖そ。小早川こばやかわ秀しげる包つつみの嫡男ちゃくなん。

生涯しょうがい

天正てんしょう17年ねん（1589年ねん）、小早川こばやかわ秀しげる包つつみの子ことして生うまれる。

慶長けいちょう5年ねん（1600年ねん）の関ヶ原せきがはらの戦たたかいの際さいには父ちち・秀しゅう包つつみの居城きょじょうである久留くる米べい城じょうにいたが、同年どうねん10月14日にちに黒田くろだ如水じょすいと鍋島なべしま直ただし茂しげるらの攻撃こうげきを受うける。城中じょうちゅうには家老がろうの桂かつら広ひろ繁しげると白井しらい景けい俊しゅん以下いかわずか500の兵へいしか残のこっておらず、数日すうじつ持もちこたえたものの開城かいじょう勧告かんこくに応おうじて城しろを明あけ渡わたし、妹いもうとの於佐手しゅが黒田くろだ家かの人質ひとじちに、桂かつら広ひろ繁しげるの四よん男なん・黒くろ寿ことぶき丸まる（後ごの桂かつら包つつみ政せい）が鍋島なべしま家かの人質ひとじちとされた。元もと鎮は母ははの桂かつら姫ひめや幼少ようしょうの弟妹ていまいたちと共ともに長門ながと国こく豊浦とようら郡ぐん川棚かわたなへと移うつった。

慶長けいちょう6年ねん（1601年ねん）3月22日にちに父ちち・秀しゅう包つつみが死去しきょすると、毛利もうり秀しげる元もとの毛利もうり輝元てるもとへの言上ごんじょうによって即時そくじに元服げんぷくし、7,000石せきを与あたえられて長州ちょうしゅう藩はん内うちで長門ながと国こく豊浦とようら郡ぐんの阿川あがわ・滝部たきべ・殿居とのいを領りょうした。後見こうけん役やくには家老がろうの白井しらい包つつみ俊しゅん（景けい俊しゅんの子こ）が秀しゅう元もとによって指名しめいされている。

慶長けいちょう12年ねん（1607年ねん）1月がつ、長門ながと国こく豊浦とようら郡ぐん阿川あこうにおいて毛利もうり輝元てるもとの仲介ちゅうかいによって毛利もうり秀しげる元もとの妹いもうとを娶めとり、同年どうねん11月がつに嫡男ちゃくなん・元もと包つつみが生うまれる。

慶長けいちょう14年ねん（1609年ねん）、毛利もうり輝元てるもと・秀しゅう就父子こに対たいして忠節ちゅうせつを誓ちかう起請文きしょうもんを提出ていしゅつ。また、慶長けいちょう20年ねん（1615年ねん）4月がつ14日にちの、毛利もうり元就もとなりの遺訓いくんに従したがい毛利もうり家かへ別べつ心しんを抱いだかない旨むねを誓ちかった連署れんしょ起請文きしょうもんでは「毛利もうり伊賀いが守まもる元もと鎮」と署名しょめいしている。

寛永かんえい2年ねん（1625年ねん）、周防すおう国こく吉敷よしき郡ぐん吉敷よしきに領地りょうち替がえとなり、1万まん1,000石せき余あまりに加増かぞうされる。以後いご一族いちぞくは吉敷よしき毛利もうりと称しょうし、一門いちもん家老がろう吉敷よしき毛利もうり家かとなった。後のちに2万まん石せきへの加増かぞうが内示ないじされたが、断ことわったという。同年どうねん、病やまいにより嫡男ちゃくなんの元もと包つつみに家督かとくを譲ゆずって隠居いんきょするが、この時ときまだ元もと包つつみは幼年ようねんだったため、元もと包つつみの伯父おじにあたる毛利もうり秀しげる元もとに後見こうけんを依頼いらいしている。

寛文ひろふみ10年ねん（1670年ねん）2月がつ26日にち、長門ながと国こく豊浦とようら郡ぐん殿居とのいで没ぼっした。享年きょうねん82。

逸話いつわ

• 幼少ようしょう時じの近松ちかまつ門左衛門もんざえもんを保護ほご・養育よういくしたとも伝つたわる。

系譜けいふ

• 父ちち：小早川こばやかわ秀しげる包つつみ（1567-1601）
• 母はは：桂かつら姫ひめ（1570-1648） - 大友おおとも義鎮よししげ（大友おおとも宗麟そうりん）の娘むすめ。
• 正室せいしつ：地徳ちとく院生いんせい和わ順じゅん長ちょう（?-1649） - 穂ほ井田いだ元もと清きよしの娘むすめ。慶安けいあん2年ねん6月がつ20日はつか（1649年ねん7月がつ29日にち）没ぼつ。
  • 長男ちょうなん：毛利もうり元もと包つつみ（1607-1676） - 吉敷よしき毛利もうり家か3代だい当主とうしゅ。
• その他たの子こ
  • 次男じなん：毛利もうり就正（1626-1650） - 通称つうしょうは治郎じろう、左ひだり兵衛ひょうえ。慶安けいあん3年ねん7月がつ21日にち（1650年ねん8月がつ18日にち）没ぼつ。享年きょうねん25。法名ほうみょうは超ちょう勝英かつひで全ぜん。母ははは家いえ女房にょうぼう。
  • 養女ようじょ：一いち月がつ妙みょう春はる（?-1613） - 父ちちは阿曽沼あそぬま元郷もとごう、母ははは穂ほ井田いだ元もと清きよしの娘むすめ。父ちち・元郷もとごうの死後しご、母ははが元もと鎮に再嫁さいかしたため養女ようじょとなる。慶長けいちょう18年ねん1月がつ24日にち（1613年ねん3月15日にち）没ぼつ。

参考さんこう文献ぶんけん

• 防長新聞社ぼうちょうしんぶんしゃ山口やまぐち支社ししゃ編へん 編へん『近世きんせい防ぼう長ちょう諸家しょか系図けいず綜覧そうらん』三坂みさか圭けい治ち監修かんしゅう、防長新聞社ぼうちょうしんぶんしゃ、1966年ねん3月がつ。 NCID BN07835639。OCLC 703821998。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:73004060。 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション