確定かくてい給付きゅうふ年金ねんきん

確定かくてい給付きゅうふ年金ねんきん（かくていきゅうふねんきん、DB制度せいど：Defined Benefit Plan）は、給付きゅうふ額がくが制度せいど資産しさんの利回りまわりに直接ちょくせつ基もとづかず、加入かにゅう者しゃの勤務きんむ期間きかんや給与きゅうよなどの要素ようそに基もとづく計算けいさん式しきによって規定きていされる年金ねんきん制度せいどのことである。日本にっぽんにおいては、確定かくてい給付きゅうふ企業きぎょう年金ねんきん法ほうに基もとづく確定かくてい給付きゅうふ企業きぎょう年金ねんきん（Defined Benefit Corporate Pension）を指さすものとして用もちいられることがある。また、支払しはらい方法ほうほうが年金ねんきんであるものに限かぎられるものではなく、一時いちじ金きん制度せいどであっても、DB制度せいどとされる。DB制度せいどには、制度せいど資産しさんを積つみ立たてる場合ばあいと積つみ立たてない場合ばあいがあるが、積つみ立たてる場合ばあいには、掛金かけきんは数理すうり的てきな（actuarial）方法ほうほうに基もとづいて設定せっていされることが、国際こくさい的てきには通例つうれいである。確定かくてい給付きゅうふ企業きぎょう年金ねんきんでは、適切てきせつな年金ねんきん数理すうりに基もとづいた積立つみたてが必要ひつようとされる。この場合ばあい、予定よてい通どおりに制度せいど資産しさんの利回りまわりが確保かくほできない、長寿ちょうじゅにより予定よていした額がくよりも多おおくの資金しきんが必要ひつようとなる、といったように、年金ねんきん数理すうりで用もちいた各種かくしゅの予定よていと実際じっさいの状況じょうきょうが異ことなる場合ばあいや、予定よていの変更へんこうをした場合ばあいには、追加ついかの掛金かけきんを拠出きょしゅつする必要ひつようがある場合ばあいや、逆ぎゃくに、掛金かけきんの引下ひきさげが可能かのうな場合ばあいがある。

対たいになるものとして、確定かくてい拠出きょしゅつ年金ねんきんがある。確定かくてい拠出きょしゅつ年金ねんきん（DC制度せいど：Defined Contribution Plan）では、掛金かけきんを規約きやくに定さだめ、拠出きょしゅつされた掛金かけきんを運用うんようし、運用うんようの結果けっかが年金ねんきん額がくとなる。拠出きょしゅつするべき掛金かけきんがあらかじめ定さだめられている制度せいどであり、制度せいど変更へんこうをしない限かぎり、企業きぎょうは追加ついか的てきな拠出きょしゅつをしない（したがって、DB制度せいどとは異ことなり、企業きぎょう会計かいけい上じょう、退職たいしょく給付きゅうふ債務さいむに基もとづく会計かいけい処理しょりは適用てきようされない）。詳細しょうさいは確定かくてい拠出きょしゅつ年金ねんきんの記事きじを参照さんしょう。

概説がいせつ

確定かくてい給付きゅうふ年金ねんきんは、給付きゅうふの額がくの算定さんてい方法ほうほうが、制度せいど資産しさんの利回りまわりに直接ちょくせつ基もとづかず、加入かにゅう者しゃの勤務きんむ期間きかんや給与きゅうよなどの要素ようそに基もとづく計算けいさん式しきが定さだめられている年金ねんきん制度せいどのことをいう。DB制度せいど（Defined Benefit Plan）の訳語やくごとして用もちいられる。厚生こうせい年金ねんきん基金ききん、及および、2002年ねん（平成へいせい14年ねん）4月がつから施行しこうされている確定かくてい給付きゅうふ企業きぎょう年金ねんきん法ほうに基もとづく確定かくてい給付きゅうふ企業きぎょう年金ねんきんは、それぞれが採用さいよう可能かのうとされている給付きゅうふ額がくの規定きてい方法ほうほうからみて、これに該当がいとうする。また、公的こうてき年金ねんきんである厚生こうせい年金ねんきん保険ほけんや国民こくみん年金ねんきんも、現状げんじょうの給付きゅうふ額がくの規定きてい内容ないようは、これに該当がいとうする。かつて、企業きぎょう年金ねんきんの中核ちゅうかくの一翼いちよくを担になっていた税制ぜいせい適格てきかく退職たいしょく年金ねんきん（2012年ねん（平成へいせい24年ねん）3月31日にちで廃止はいし）も、採用さいよう可能かのうとされていた給付きゅうふ額がくの規定きてい方法ほうほうから見みて、これに含ふくまれる。退職たいしょく一いち時じ金きん制度せいども、DB制度せいどに含ふくまれる給付きゅうふ算定さんてい式しきが多おおく採用さいようされている。キャッシュバランスプラン（仮想かそう的てきな拠出きょしゅつ額がくについて、あらかじめ定さだめられた指標しひょうにより再さい評価ひょうかした額がくの累計るいけい額がくに基もとづいて給付きゅうふ額がくを規定きていする方法ほうほう）は、DB制度せいどとDC制度せいどの特徴とくちょうを併あわせ持もつハイブリッド制度せいどと呼よばれることがあるが、これは、DB制度せいどの給付きゅうふ算定さんてい式しきのひとつとされる。

本来ほんらい、DB制度せいどは、これらの制度せいどを広ひろく指さすものであるが、日本にっぽんでは、確定かくてい給付きゅうふ企業きぎょう年金ねんきん法ほうに基もとづく確定かくてい給付きゅうふ企業きぎょう年金ねんきんを指さして使用しようされることがあるので、注意ちゅういを要ようする。また、確定かくていと訳やくされたために、給付きゅうふの金額きんがくが、あらかじめ、確定かくていされているとの誤解ごかいが広ひろく見みられる点てんにも注意ちゅういを要ようする。確定かくてい給付きゅうふ企業きぎょう年金ねんきんや、厚生こうせい年金ねんきん基金ききんは、企業きぎょう年金ねんきんといわれ、サラリーマンなど国民こくみん年金ねんきんの第だい2号ごう被ひ保険ほけん者しゃに対たいして、公的こうてき年金ねんきんに上乗うわのせする形かたちで設もうけられるものである。企業きぎょう年金ねんきんは、個人こじん年金ねんきん等とうとあわせて、私的してき年金ねんきんとも呼よばれる。

• 以下いかでは特とくに断ことわらない限かぎり、日本にっぽんの確定かくてい給付きゅうふ企業きぎょう年金ねんきん法ほうに基もとづく確定かくてい給付きゅうふ企業きぎょう年金ねんきんについて述のべる。

確定かくてい給付きゅうふ企業きぎょう年金ねんきん法ほうの目的もくてき

確定かくてい給付きゅうふ企業きぎょう年金ねんきん法ほうは、少子しょうし高齢こうれい化かの進展しんてん、産業さんぎょう構造こうぞうの変化へんか等とうの社会しゃかい経済けいざい情勢じょうせいの変化へんかにかんがみ、事業じぎょう主ぬしが従業じゅうぎょう員いんと給付きゅうふの内容ないようを約やくし、高齢こうれい期きにおいて従業じゅうぎょう員いんがその内容ないように基もとづいた給付きゅうふを受うけることができるようにするため、確定かくてい給付きゅうふ企業きぎょう年金ねんきんについて必要ひつような事項じこうを定さだめ、国民こくみんの高齢こうれい期きにおける所得しょとくの確保かくほに係かかる自主じしゅ的てきな努力どりょくを支援しえんし、もって公的こうてき年金ねんきんの給付きゅうふと相あいまって国民こくみんの生活せいかつの安定あんていと福祉ふくしの向上こうじょうに寄与きよすることを目的もくてきとする（同どう法ほう第だい1条じょう）。確定かくてい拠出きょしゅつ年金ねんきんと最終さいしゅう的てきな目的もくてきを同おなじくするものの、そこに至いたるアプローチに違ちがいがあり、例たとえば企業きぎょう年金ねんきんという建前たてまえから給付きゅうふを受うける者ものを「従業じゅうぎょう員いん」としている点てん等とうが異ことなっている。

確定かくてい給付きゅうふ企業きぎょう年金ねんきんの種類しゅるい

確定かくてい給付きゅうふ企業きぎょう年金ねんきんには、規約きやく型がた（Contract type）と基金ききん型がた（Fund type）の2通とおりがある。厚生こうせい年金ねんきん保険ほけんの適用てきよう事業じぎょう所しょ等とうの事業じぎょう主ぬしがその事業じぎょう所しょの従業じゅうぎょう員いんたる厚生こうせい年金ねんきん被ひ保険ほけん者しゃ（厚生こうせい年金ねんきん第だい1号ごう被ひ保険ほけん者しゃ、厚生こうせい年金ねんきん第だい4号ごう被ひ保険ほけん者しゃに限かぎる）を対象たいしょうとして実施じっしする。確定かくてい給付きゅうふ企業きぎょう年金ねんきんを実施じっししようとするときは、労使ろうし合意ごういのもと、次つぎのいずれかの手続てつづきをとらなければならない。

• 規約きやく型がた：労使ろうし合意ごういの年金ねんきん規約きやくを作成さくせいし、掛金かけきんは、社外しゃがいに拠出きょしゅつし、その管理かんり・運用うんようは、信託しんたく会社かいしゃ、生命せいめい保険ほけん会社かいしゃ、投資とうし顧問こもん業者ぎょうしゃ等とうに委託いたくすることとされている。開始かいしに当あたっては厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんによる規約きやくの承認しょうにんが必要ひつようとなる。
• 基金ききん型がた：常時じょうじ300名めい以上いじょうの加入かにゅう者しゃが見込みこまれる場合ばあいに認みとめられる形態けいたいで、事業じぎょう主ぬしが、企業きぎょう年金ねんきん基金ききん（Corporate Pension Fund）を設立せつりつする。企業きぎょう年金ねんきん基金ききんは、法人ほうじんであり、設立せつりつに当あたっては、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんによる認可にんかが必要ひつようとされる。
  • 基金ききんの加入かにゅう者しゃは、事業主じぎょうぬし及およびその事業じぎょう所しょに使用しようされる加入かにゅう者しゃたる資格しかくを得えた者ものとされる。事業じぎょう所しょに使用しようされる厚生こうせい年金ねんきん被ひ保険ほけん者しゃは原則げんそくとして全員ぜんいん加入かにゅう者しゃとなるが、規約きやくで一定いっていの資格しかくを定さだめた場合ばあいは当該とうがい資格しかくを有ゆうさない者ものは加入かにゅう者しゃとならない。ただし当該とうがい資格しかくは特定とくていの者ものについて不当ふとうに差別さべつ的てきなものであってはならない。
  • 厚生こうせい年金ねんきん基金ききんとは異ことなり、厚生こうせい年金ねんきんの代行だいこう部分ぶぶんは有ゆうさない。それゆえ、代行だいこう返上へんじょうして解散かいさんした公営こうえい年金ねんきん基金ききんの移行いこう先さきとしてその選択肢せんたくしの一ひとつとなりうる。
  • 基金ききん型がたの中なかでも実質じっしつ的てきな運営うんえい主体しゅたいによって「単独たんどく・連合れんごう型がた」と「総合そうごう型がた」の2つのタイプに分わけることができます。単独たんどく・連合れんごう型がたは主おもに大だい企業きぎょうやそのグループ企業きぎょうにおいて独自どくじに運営うんえいされる制度せいどで、企業きぎょうは社員しゃいんに約束やくそくした退職たいしょく金きんを支払しはらうために定期ていき的てきに掛金かけきんを積つみ立たて、資産しさんの運用うんようを行おこないます。総合そうごう型がたは外部がいぶの年金ねんきん基金ききんが運営うんえい主体しゅたいとなり、不ふ特定とくてい多数たすうの企業きぎょうが共同きょうどうで運営うんえいする制度せいどです。単独たんどくで退職たいしょく金きん制度せいどを持もつことが難むずかしい中小ちゅうしょう企業きぎょうが加入かにゅうしていることが多おおいです。

（代表だいひょう的てきな基金ききん型がたの例れい）

単独たんどく・連合れんごう型がた	旭化成あさひかせい企業きぎょう年金ねんきん基金ききん、日本にっぽんシティ銀行ぎんこう企業きぎょう年金ねんきん基金ききん、ふくおかフィナンシャルグループ企業きぎょう年金ねんきん基金ききん
総合そうごう型がた	福祉ふくしはぐくみ企業きぎょう年金ねんきん基金ききん、ベネフィット・ワン企業きぎょう年金ねんきん基金ききん、ぜんこくDB企業きぎょう年金ねんきん基金ききん、全国ぜんこくそうごう企業きぎょう年金ねんきん基金ききん

確定かくてい給付きゅうふ企業きぎょう年金ねんきんは、事業じぎょう主ぬしの倒産とうさん等とうにより継続けいぞく不能ふのうとなった場合ばあいに、厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんの承認しょうにん・認可にんかによって終了しゅうりょう（基金ききんの場合ばあいは解散かいさん）する。終了しゅうりょうにあたって、その財産ざいさんは、原則げんそくとして、事業じぎょう主ぬしには分配ぶんぱいされず、加入かにゅう者しゃ等とうにすべて分配ぶんぱいされる（終了しゅうりょう時じの財産ざいさんが、最低さいてい積立つみたて基準きじゅん額がくに足たりない場合ばあい、事業じぎょう主ぬしは不足ふそく額がくを一括いっかつして拠出きょしゅつすることが求もとめられる）。加入かにゅう者しゃ等とうへの情報じょうほう提供ていきょう、事業じぎょう主ぬし、又または、企業きぎょう年金ねんきん基金ききんは、毎まい事業じぎょう年度ねんど終了しゅうりょう後ご4月がつ以内いないに決算けっさん報告ほうこく書しょを作成さくせいし厚生こうせい労働ろうどう大臣だいじんに提出ていしゅつしなければならない、などの多おおくの規制きせいがある。

確定かくてい給付きゅうふ企業きぎょう年金ねんきんの給付きゅうふ

給付きゅうふを受うける権利けんりは、受給じゅきゅう権けん者しゃの請求せいきゅうに基もとづいて、規約きやく型がたでは事業じぎょう主ぬしが、基金ききん型がたでは企業きぎょう年金ねんきん基金ききんが裁定さいていする。年金ねんきんたる給付きゅうふの支払しはらい期間きかん及および支払しはらい期日きじつは以下いかの基準きじゅんに従したがい規約きやくで定さだめるが、終身しゅうしん又または5年ねん以上いじょうにわたり、毎年まいとし1回かい以上いじょう定期ていき的てきに支給しきゅうするものでなければならない。

• 保証ほしょう期間きかん（受給じゅきゅう権けん者しゃが死亡しぼうした場合ばあいに、遺族いぞくに対たいして、受給じゅきゅう権けん者しゃが生存せいぞんしていたならば支給しきゅうされた年金ねんきん給付きゅうふを支給しきゅうすることを保証ほしょうする期間きかん）を定さだめる場合ばあい、20年ねんを超こえない範囲はんいで定さだめること。
• 年金ねんきん給付きゅうふの支払しはらい期日きじつは、毎年まいとし一定いっていの時期じきであること。

老齢ろうれい給付きゅうふ金きん

以下いかの要件ようけん（支給しきゅう開始かいし要件ようけん）を満みたす規約きやくで定さだめる老齢ろうれい給付きゅうふ金きんの受給じゅきゅう要件ようけんを満みたしたものに支給しきゅうされる。規約きやくにおいて、20年ねんを超こえる加入かにゅう者しゃ期間きかんを老齢ろうれい給付きゅうふ金きんを受うけるための要件ようけんとして定さだめてはならない（つまり「定年ていねん退職たいしょく者しゃのみに支給しきゅうする」といった定さだめはできない）。

• 60歳さい以上いじょう65歳さい以下いかの規約きやくで定さだめる年齢ねんれいに達たっしたときに支給しきゅうされるものであること
• 50歳さい以上いじょうの規約きやくで定さだめる年齢ねんれいに達たっした日ひ以後いごに実施じっし事業じぎょう所しょに使用しようされなくなったときに支給しきゅうされるものであること

一定いっていの要件ようけんを満みたしている場合ばあいには、老齢ろうれい給付きゅうふ金きんを年金ねんきんとして支給しきゅうする代かわりに、その全部ぜんぶまたは一部いちぶを一時いちじ金きんとして支給しきゅうすることができるよう、規約きやくに定さだめることができる。

脱退だったい一いち時じ金きん

老齢ろうれい給付きゅうふ金きんを受うけるための要件ようけんを満みたさない者ものが死亡しぼう以外いがいの事由じゆうにより中途ちゅうと脱退だったいした場合ばあいに、規約きやくで定さだめる要件ようけんを満みたすときに支給しきゅうされる。規約きやくにおいて3年ねんを超こえる加入かにゅう者しゃ期間きかんを脱退だったい一いち時じ金きんを受うけるための要件ようけんとして定さだめてはならない。

加入かにゅう20年ねん未満みまんの中途ちゅうと脱退だったい者しゃについては、脱退だったい一いち時じ金きん相当そうとう額がくを確定かくてい給付きゅうふ年金ねんきん・確定かくてい拠出きょしゅつ年金ねんきんに資産しさん移管いかんできる。

障害しょうがい給付きゅうふ金きん、遺族いぞく給付きゅうふ金きん

規約きやくに定さだめることにより、年金ねんきん又または一いち時じ金きんとして支給しきゅうを行おこなうことができる。

給付きゅうふは、減額げんがくの要件ようけんを満みたせば、減額げんがくされることもある。

確定かくてい給付きゅうふ企業きぎょう年金ねんきんの掛金かけきん

事業じぎょう主ぬしは、年とし1回かい以上いじょう、定期ていき的てきに掛金かけきんを拠出きょしゅつしなければならない。加入かにゅう者しゃは、政令せいれいで定さだめる基準きじゅん（現在げんざいは、額がくが2分ぶんの1を超こえないこと、掛金かけきん拠出きょしゅつについて加入かにゅう者しゃの同意どういを得えること等とう）に従したがい、規約きやくの定さだめにより掛金かけきんの一部いちぶを負担ふたんすることができる。

確定かくてい給付きゅうふ企業きぎょう年金ねんきんにおいて、掛金かけきんには次つぎの種類しゅるいがある。

• 標準ひょうじゅん掛金かけきん：給付きゅうふに関かんする規定きてい、及および、基礎きそ率りつ（予定よてい利率りりつ、予定よてい死亡しぼう率りつ、予定よてい脱退だったい率りつ、予定よてい昇給しょうきゅう率りつなど）などに基もとづいて、適切てきせつな年金ねんきん数理すうりによって決きめられる。適切てきせつな年金ねんきん数理すうりには、国際こくさい的てきには幾いく通とおりかの考かんがえ方かたがあり得えるが、日本にっぽんにおける確定かくてい給付きゅうふ企業きぎょう年金ねんきんの場合ばあいには、掛金かけきんの額がくは、将来しょうらいにわたって財政ざいせいの均衡きんこうが保たもたれるように計算けいさんされたものでなければならない、ということで基本きほん的てきな考かんがえ方かたが示しめされている。また、少すくなくとも5年ねんごとに掛金かけきんの額がくを再さい計算けいさんしなければならないとされている。
• 特別とくべつ掛金かけきん：給付きゅうふを行おこなうために標準ひょうじゅん掛金かけきんでは足たりない部分ぶぶんを補おぎなう掛金かけきん。制度せいど発足ほっそく時じに発足ほっそく以前いぜんの勤務きんむ期間きかんについても通算つうさんして給付きゅうふを行おこなう場合ばあいの（狭義きょうぎの）過去かこ勤務きんむ債務さいむ、標準ひょうじゅん掛金かけきん計算けいさん時じに使用しようした基礎きそ率りつと実績じっせきの差さ、制度せいど変更へんこうを行おこなった際さいの積立つみたて不足ふそくなどを補おぎなう。
• 特例とくれい掛金かけきん：非ひ継続けいぞく基準きじゅんの財政ざいせい検証けんしょうにおける積立つみたて不足ふそくなどを補おぎなうための掛金かけきん。
• その他たの掛金かけきん：事務じむ費ひを補おぎなう掛金かけきん（基金ききん型がたの場合ばあい）など。

また事業じぎょう主ぬし（基金ききん型がたの場合ばあいは基金ききん）は、毎まい事業じぎょう年度ねんどの末日まつじつにおいて、給付きゅうふに充あてるべき積立つみたて金きんを積つみ立たてなければならない。また当該とうがい積立つみたて金きんの額がくは、加入かにゅう者しゃ等とうに係かかる責任せきにん準備じゅんび金きんの額がく及および裁定さいてい積立つみたて基準きじゅん額がくを下回したまわらない額がくでなければならない。

税制ぜいせい

• 掛金かけきん拠出きょしゅつ時じは、事業主じぎょうぬし拠出きょしゅつは全額ぜんがく損金そんきん算入さんにゅうできる。加入かにゅう者しゃ拠出きょしゅつについては生命せいめい保険ほけん料りょう控除こうじょの対象たいしょうとなる。
• 老齢ろうれい給付きゅうふの年金ねんきん受給じゅきゅうの際さいには公的こうてき年金ねんきん等とう控除こうじょ、一時いちじ金きんの場合ばあいは退職たいしょく所得しょとく控除こうじょが適用てきようされる。

確定かくてい給付きゅうふ企業きぎょう年金ねんきんの加入かにゅう者しゃ数すうの推移すいい

• 727万まん人にん（2010年ねん（平成へいせい22年ねん）度ど末まつ現在げんざい）

関連かんれん項目こうもく

• 確定かくてい拠出きょしゅつ年金ねんきん
• 厚生こうせい年金ねんきん基金ききん
• 企業きぎょう年金ねんきん
• 社会しゃかい保険ほけん労務ろうむ士し

外部がいぶリンク

• 確定かくてい給付きゅうふ企業きぎょう年金ねんきん法ほうの概要がいよう、厚生こうせい労働省ろうどうしょう
• 確定かくてい給付きゅうふ企業きぎょう年金ねんきん制度せいどについて教おしえて下ください。、企業きぎょう年金ねんきん連合れんごう会かい（旧きゅう：厚生こうせい年金ねんきん基金ききん連合れんごう会かい）