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禁錮きんこ

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禁錮きんこ(きんこ)とは、自由じゆうけい作業さぎょう義務ぎむとうによる区分くぶんもうけているほう制度せいどにおいて作業さぎょう義務ぎむさない刑罰けいばつのうち長期ちょうきのものである。作業さぎょう義務ぎむのある懲役ちょうえき作業さぎょう義務ぎむさず短期たんき拘留こうりゅう区分くぶんする。

なお、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくイギリスフランスなど自由じゆうけい区分くぶんもうけないほう制度せいどけいしゅについて公的こうてき資料しりょうなどでは「拘禁こうきんけい」と表現ひょうげんされている[1]。これらのくにでは長期ちょうき禁錮きんこ短期たんき拘留こうりゅうのようにけいしゅべつ区分くぶんになっていない。また、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくやイギリスなどの拘禁こうきんけいには刑務けいむ作業さぎょうさだめられている場合ばあいがあるものの、日本にっぽんなどの懲役ちょうえきけい刑務けいむ作業さぎょう刑罰けいばつ内容ないようとしているのにたいし、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくやイギリスなどの拘禁こうきんけい刑務けいむ作業さぎょう刑罰けいばつ内容ないようとして位置いちづけているものではない[2]後述こうじゅつ)。

概説がいせつ

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けい区分くぶん

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禁錮きんこ日本にっぽんなど自由じゆうけい作業さぎょう義務ぎむ区分くぶんがあるほう制度せいどにおいて所定しょてい作業さぎょう義務ぎむさない刑罰けいばつのうち長期ちょうきのものである。作業さぎょう義務ぎむ有無うむにより懲役ちょうえき区分くぶんする(禁錮きんこ場合ばあいでも申請しんせいにより作業さぎょうおこなうことはできる)[1]。また、作業さぎょう義務ぎむさない刑罰けいばつのうち禁錮きんこよりも短期たんきのものは拘留こうりゅうという。

なお、自由じゆうけい区分くぶんもうけないほう制度せいどけいしゅについては公的こうてき資料しりょうなどでは「拘禁こうきんけい」と表現ひょうげんされている[1]日本語にほんごやくでは便宜べんぎてき重罪じゅうざい自由じゆうけいに「懲役ちょうえき」や「禁錮きんこ」のわけけいざい自由じゆうけいに「拘禁こうきんけい」のわけてられることもあるが、いずれもほう制度せいどじょう作業さぎょう強制きょうせいとうともなうものではない場合ばあいがありほう制度せいどかんする資料しりょうでは「拘禁こうきんけい」とやくされている[1]アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく自由じゆうけいであるImprisonmentやイギリスの自由じゆうけいであるCustodial Sentenceなどのけい公的こうてき資料しりょうなどでは「拘禁こうきんけい」とやくされる[3]。これらの自由じゆうけいには刑務けいむ作業さぎょうさだめられている場合ばあいがあるため便宜べんぎてきに「懲役ちょうえき」とやくされることもあるが、日本にっぽんなどの懲役ちょうえきけい刑務けいむ作業さぎょう刑罰けいばつ内容ないようとしているのにたいし、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくやイギリスなどの拘禁こうきんけい刑務けいむ作業さぎょう刑罰けいばつ内容ないようとして位置いちづけているわけではない[2]

漢字かんじ表記ひょうき

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一般いっぱんでの表記ひょうき

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代用だいよう表記ひょうきわれると、戦前せんぜん禁固きんこ」という表記ひょうきまった使つかわれなかったかのようにおもわれがちだが、けっしてそうではない。明治めいじ発行はっこうされた書籍しょせきにも極少きょくしょうすうながら「禁固きんこ」の表記ひょうき確認かくにんできる[4]。「禁固きんこ」は、それほど一般いっぱんてき表記ひょうきでなかっただけのはなしにすぎない。2010ねん平成へいせい22ねん11月30にち内閣ないかく告示こくじされたあたらしい常用漢字じょうようかんじひょうでは「錮」のふくまれたので、以後いご戦前せんぜんおなじように、ルビなしで使つかうことが許容きょようされることになった。マスメディアでも「禁錮きんこ」がもちいられるようになっている。

日本にっぽん禁錮きんこ

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法令ほうれいでの表記ひょうき

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法令ほうれいでの表記ひょうき時代じだいによって変遷へんせんがある。制定せいてい時期じき改正かいせい時期じきちがいにより、同一どういつ法律ほうりつない複数ふくすう表記ひょうき混在こんざいしているものもある[5][注釈ちゅうしゃく 1]

禁錮きんこ
単純たんじゅん漢字かんじ表記ひょうきしたもの。戦前せんぜんから1947ねん昭和しょうわ22ねんごろまで、およ2010ねん平成へいせい22ねんごろ以降いこう制定せいていされた法令ほうれい検察庁けんさつちょうほう20じょうなど。
きん
「こ」を平仮名ひらがなきして、傍点ぼうてんしたもの。1948ねん昭和しょうわ23ねん) - 1954ねん昭和しょうわ29ねんごろ制定せいていされた法令ほうれい電波でんぱほう107じょうなど。戦後せんご政府せいふ国語こくご国字こくじ改革かいかく推進すいしんし、当用漢字とうようかんじ常用漢字じょうようかんじさだめるなど、法令ほうれい公文書こうぶんしょ新聞しんぶん雑誌ざっしおよび一般いっぱん社会しゃかい使用しようすべき漢字かんじ限定げんていした。そのなかには「錮」はれられなかったため、平仮名ひらがなえられた。
きん
「錮」に、ルビしたもの。1955ねん昭和しょうわ30ねんごろ - 2010ねん平成へいせい22ねんごろ制定せいていされた法令ほうれいひょうがい漢字かんじであっても、きするとみづらいとされたことから。法令ほうれいないふくすうかい禁錮きんこ」がてくるときは、すべてにルビをっている法令ほうれいと、最初さいしょの1かいだけにルビをっている法令ほうれいがある。
禁固きんこ
「錮」を「かた」で代用だいよう表記ひょうきしたもの。改正かいせい刑法けいほう草案そうあん1974ねん昭和しょうわ49ねん))で使用しようされたが、実際じっさい成立せいりつした法令ほうれいでの使用しようれいはない。マスメディア一般いっぱん社会しゃかいではひろもちいられてきた。

内容ないよう

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禁錮きんこは、自由じゆうけい一種いっしゅであり、受刑じゅけいしゃ刑事けいじ施設しせつ拘置こうちする刑罰けいばつである(刑法けいほう13じょう)。

おなじく自由じゆうけいである懲役ちょうえきとの制度せいどじょうちがいは、懲役ちょうえきが「所定しょてい作業さぎょう刑務けいむ作業さぎょう)」をおこなわなければならないのにたいし、禁錮きんこ刑務けいむ作業さぎょう義務ぎむいことにある。このため、けい軽重けいちょうは「懲役ちょうえき禁錮きんこ」であるが、刑務けいむ作業さぎょういからといって自由じゆううごまわることはゆるされず、起床きしょうから就寝しゅうしんまでいちにちちゅう監視かんしされ、不用意ふよういうごくと刑務けいむかんからきびしく叱責しっせきされる。このため、きわめて過酷かこく精神せいしんてき苦痛くつうともなうことからとらかたによっては懲役ちょうえきよりきびしいとされる。

刑務けいむ作業さぎょう義務ぎむいが、みずか志願しがんして刑務けいむ作業さぎょう従事じゅうじすることも可能かのうである[注釈ちゅうしゃく 2]上述じょうじゅつ理由りゆう精神せいしんてき負担ふたんおもいため、禁錮きんこけいけた受刑じゅけいしゃだい部分ぶぶん作業さぎょうへの従事じゅうじのぞむのが実情じつじょうである。事実じじつ2019ねん平成へいせい31ねん)3がつ31にち時点じてん禁錮きんこ受刑じゅけいしゃのうち81.4%が作業さぎょう従事じゅうじしている[6]。このため、懲役ちょうえき禁錮きんこ区別くべつする意義いぎうすいとする議論ぎろん自由じゆうけい単一化たんいつかろんなど)も存在そんざいする[7]

ふるくは、禁錮きんこ政治せいじはん過失かしつはんされるもので、懲役ちょうえき破廉恥はれんちつみ殺人さつじん窃盗せっとうなど道徳どうとくてき非難ひなんされるべき動機どうきによりおこなわれる犯罪はんざい)にたいしてされるものとする理解りかいがあった。その名残なごりとして、政治せいじはんてき性質せいしつ内乱ないらんざい法定ほうていけいには懲役ちょうえきがない。しかし、現代げんだいにおいてはかならずしもこのように解釈かいしゃくされているわけではなく、たとえば、過失かしつはん破廉恥はれんちざいであるが懲役ちょうえきけいされることもある。 なお、けん懲役ちょうえき禁錮きんこともにおなじである。

種類しゅるい

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禁錮きんこ無期むき有期ゆうきとがある。

無期むき禁錮きんこ
無期むき禁錮きんこは、死刑しけい無期むき懲役ちょうえきいでおもけいである。日本にっぽんこく刑事けいじほうにおいて法定ほうていけいとして無期むき禁錮きんこさだめられているつみは、内乱ないらんざい首謀しゅぼうしゃおよ謀議ぼうぎ参与さんよしゃとう)、ならびに爆発ばくはつぶつ使用しようざい爆発ばくはつぶつ取締とりしまり罰則ばっそくだい1じょうおよ爆発ばくはつぶつ使用しよう未遂みすいざい爆発ばくはつぶつ取締とりしまり罰則ばっそくだい2じょう)のみである[8]。なお、1974ねん昭和しょうわ49ねん)の改正かいせい刑法けいほう草案そうあんでは、外国がいこくたいするわたしせん行為こういたいして無期むき禁錮きんこ最高さいこうけいとする(短期たんきは1ねん)あんされたが、これは否決ひけつされた。
なお、死刑しけいげんけいする場合ばあいは、無期むき懲役ちょうえきしくは禁錮きんこまたは10ねん以上いじょう30ねん以下いか懲役ちょうえきしくは禁錮きんことなっているが、これは禁錮きんこたるつみ同質どうしつつみについて、死刑しけいげんけいする場合ばあい無期むきまたは10ねん以上いじょう30ねん以下いか禁錮きんこにするとされるとかんがえられるため、懲役ちょうえきたるつみ同質どうしつつみれい殺人さつじん外患がいかん誘致ゆうちなど)について、死刑しけいげんけいする場合ばあい無期むきまたは10ねん以上いじょう30ねん以下いか懲役ちょうえきとなり、無期むきまたは10ねん以上いじょう30ねん以下いか禁錮きんこにすることはできないとかんがえられる。同様どうように、無期むき禁錮きんこげんけいする場合ばあいは、7ねん以上いじょう30ねん以下いか禁錮きんことして処断しょだんする(刑法けいほう68じょう刑法けいほう71じょうなど)。
有期ゆうき禁錮きんこ
有期ゆうき禁錮きんこは、原則げんそくとして1ヶ月かげつ以上いじょう20ねん以下いかである(ただし、けい加重かじゅうする場合ばあいおよ死刑しけい無期むき禁錮きんこげんけいする場合ばあいには30ねんまで、有期ゆうき禁錮きんこげんけいする場合ばあいは1ヶ月かげつ未満みまんにすることができる)。したがって、たとえば「無期むきまたは3ねん以上いじょう禁錮きんこしょする」ざい場合ばあい有期ゆうき禁錮きんこおもけいとして選択せんたくした場合ばあいには、裁判所さいばんしょは、原則げんそくとして「3ねん以上いじょう20ねん以下いか」の範囲はんいない量刑りょうけいおこなうこととなる。
有期ゆうき懲役ちょうえきけい軽重けいちょう比較ひかくするときは、「有期ゆうき禁錮きんこ長期ちょうき有期ゆうき懲役ちょうえき長期ちょうきばいえるとき」は禁錮きんこのほうがおもけいであるとされている(刑法けいほう10じょう)。
3ねん以下いか禁錮きんこけいをいいわた場合ばあいにおいては、情状じょうじょうによって、そのけい全部ぜんぶまた一部いちぶ執行しっこう猶予ゆうよすることができる(執行しっこう猶予ゆうよ)。

けい状況じょうきょう

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禁錮きんこ判決はんけつ確定かくていした件数けんすうつぎのとおりである[9]。95パーセント以上いじょう執行しっこう猶予ゆうよされており、実刑じっけい判決はんけつでも大半たいはんは3ねん以下いか無期むき禁錮きんこは、すくなくとも1947ねん昭和しょうわ22ねん以降いこうにはいいわたされていない[10]2016ねん平成へいせい28ねん)6がつけい一部いちぶ執行しっこう猶予ゆうよ制度せいど導入どうにゅうされたが、2019ねんれい元年がんねん)12がつまでには一部いちぶ執行しっこう猶予ゆうよをいいわたされていない。

とし 総数そうすう 有期ゆうき実刑じっけい 一部いちぶ執行しっこう猶予ゆうよ 全部ぜんぶ執行しっこう猶予ゆうよ
2000ねん 2,887 179 2,708
2001ねん 3,003 198 2,805
2002ねん 3,510 233 3,277
2003ねん 4,017 254 3,763
2004ねん 4,215 214 4,001
2005ねん 3,904 249 3,655
2006ねん 3,696 237 3,459
2007ねん 3,547 211 3,336
2008ねん 3,367 187 3,179
2009ねん 3,362 193 3,169
2010ねん 3,351 148 3,203
2011ねん 3,229 118 3,111
2012ねん 3,227 105 3,122
2013ねん 3,174 116 3,058
2014ねん 3,124 73 3,051
2015ねん 3,141 73 3,068
2016ねん 3,193 56 0 3,137
2017ねん 3,065 68 0 2,997
2018ねん 3,159 60 0 3,099
2019ねん 3,076 55 0 3,021
2020ねん 2,738 47 0 2,691
2021ねん 2,670 46 0 2,624
2022ねん 2,630 50 0 2,580

禁錮きんこ以上いじょうけいかんする欠格けっかく条項じょうこう

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禁錮きんこ以上いじょう死刑しけい懲役ちょうえき禁錮きんこ)のけいしょせられた場合ばあいについて、法律ほうりつ法令ほうれい欠格けっかく事由じゆうとしているれいがあり、ぞくにいう「前科ぜんかもの」も「禁錮きんこ以上いじょうけいしょせられたもの」(または執行しっこう猶予ゆうよなかもの)をすことがおおいが、より厳格げんかくれいとして「罰金ばっきん以上いじょうけいしょせられたもの」(交通こうつう違反いはんなど)までふくまれることもある。

禁錮きんこ以上いじょうけいかんする欠格けっかく事由じゆう
禁錮きんこ以上いじょうけいしょせられて刑期けいき満了まんりょう 禁錮きんこ以上いじょうけい
しょせられたもの[注釈ちゅうしゃく 3]
になっていないもの から2ねん経過けいかしないもの から3ねん経過けいかしないもの から5ねん経過けいかしないもの
国家こっか公務員こうむいん 国家こっか公務員こうむいん一般いっぱんしょく
外務がいむ公務員こうむいん
行政ぎょうせい執行しっこう法人ほうじん職員しょくいん
国会こっかい職員しょくいん
裁判所さいばんしょ職員しょくいん
自衛じえいかん
人権じんけん擁護ようご委員いいん
国会こっかい議員ぎいん[注釈ちゅうしゃく 4]
検察官けんさつかん
国家こっか公安こうあん委員いいんかい委員いいん
裁判さいばんいん
裁判官さいばんかん
人事じんじかん
精神せいしん保健ほけん審判しんぱんいん
電波でんぱ監理かんり審議しんぎかい委員いいん
土地とち鑑定かんてい委員いいんかい委員いいん
公害こうがい健康けんこう被害ひがい補償ほしょう不服ふふく審査しんさかい委員いいん
運輸うんゆ安全あんぜん委員いいんかい委員いいん長又ながまた委員いいん
保護司ほごし
検察けんさつ審査しんさいん[注釈ちゅうしゃく 5]
地方ちほう公務員こうむいん 地方ちほう公務員こうむいん一般いっぱんしょく
特定とくてい地方ちほう独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん職員しょくいん
収用しゅうよう委員いいんかい委員いいん
地方自治体ちほうじちたい首長しゅちょう[注釈ちゅうしゃく 4]
地方ちほう議会ぎかい議員ぎいん[注釈ちゅうしゃく 4]
うみ漁業ぎょぎょう調整ちょうせい委員いいんかい公選こうせん委員いいん[注釈ちゅうしゃく 4]
固定こてい資産しさん評価ひょうか審査しんさ委員いいんかい委員いいん 教育きょういく委員いいんかい委員いいん
都道府県とどうふけん公害こうがい審査しんさかい委員いいん
都道府県とどうふけん公安こうあん委員いいんかい委員いいん
公務員こうむいん以外いがい 株式会社かぶしきがいしゃ取締役とりしまりやく[注釈ちゅうしゃく 4]
商工しょうこう会議かいぎしょ会員かいいん
労働ろうどう金庫きんこ役員やくいん[注釈ちゅうしゃく 4]
農業のうぎょう協同きょうどう組合くみあい役員やくいん[注釈ちゅうしゃく 4]
宗教しゅうきょう法人ほうじん役員やくいん
農林中央金庫のうりんちゅうおうきんこ役員やくいん[注釈ちゅうしゃく 4]
社会しゃかい福祉ふくし法人ほうじん役員やくいん
医療いりょう法人ほうじん役員やくいん
特定とくてい営利えいり活動かつどう法人ほうじん理事りじ
特定とくてい営利えいり活動かつどう法人ほうじん監事かんじ
商工会しょうこうかい役員やくいん
適格てきかく消費しょうひしゃ団体だんたい役員やくいん
日本にっぽんスポーツ振興しんこうセンター役員やくいん
日本中央競馬会にっぽんちゅうおうけいばかい経営けいえい委員いいんかい委員いいんおよ役員やくいん
地方競馬全国協会ちほうけいばぜんこくきょうかい役員やくいん
地方競馬全国協会ちほうけいばぜんこくきょうかい運営うんえい委員いいんかい委員いいん
公益社こうえきしゃだん法人ほうじん理事りじ
公益社こうえきしゃだん法人ほうじん監事かんじ
公益社こうえきしゃだん法人ほうじん評議ひょうぎいん
公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん理事りじ
公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん監事かんじ
公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん評議ひょうぎいん
港湾こうわん運営うんえい会社かいしゃ役員やくいん
銀行ぎんこうとう保有ほゆう株式かぶしき取得しゅとく機構きこう役員やくいん
国民こくみん生活せいかつセンター紛争ふんそう解決かいけつ委員いいんかい委員いいん
警備けいびいん
日本銀行にっぽんぎんこう役員やくいん
日本にっぽん放送ほうそう協会きょうかい経営けいえい委員いいんかい委員いいん
校長こうちょう
教員きょういん
学校がっこう法人ほうじん役員やくいん
国家こっか資格しかく 郵便ゆうびん認証にんしょう 介護かいご福祉ふくし
海事かいじ代理だいり
技術ぎじゅつ
情報処理じょうほうしょり安全あんぜん確保かくほ支援しえん
社会しゃかい福祉ふくし
精神せいしん保健ほけん福祉ふくし
保育ほいく
税理士ぜいりし
社会しゃかい保険ほけん労務ろうむ
行政ぎょうせい書士しょし
公認こうにん会計士かいけいし
司法しほう書士しょし
土地とち家屋かおく調査ちょうさ
中小ちゅうしょう企業きぎょう診断しんだん
建築けんちく
水先みずさきじん
宅地たくち建物たてもの取引とりひき
貸金かしきん業務ぎょうむ取扱とりあつかい主任しゅにんしゃ
弁護士べんごし
弁理べんり
教育きょういく職員しょくいん免許めんきょ

きゅう刑法けいほうにおける禁錮きんこ

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1882ねん明治めいじ15ねん施行しこうのいわゆるきゅう刑法けいほうにおいては、禁錮きんこは、現在げんざいことなるものとしてさだめられていた。現在げんざい禁錮きんこ作業さぎょう義務ぎむさない自由じゆうけい名称めいしょうであるが、当時とうじじょうやくふくする「じゅう禁錮きんこ」とふくさない「けい禁錮きんこ」(当時とうじ表記ひょうきは「けい禁錮きんこ」)の両方りょうほうがあった(きゅう刑法けいほう8じょうおよび24じょう1こう)。

期間きかん

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じゅう禁錮きんこけい禁錮きんこのどちらも11にち以上いじょう5ねん以下いかとされ、おおくの場合ばあいは「さんがつ以上いじょうさんねん以下いかじゅう禁錮きんこしょス」というようにそれぞれの条文じょうぶんさら長期ちょうき短期たんきさだめられた(きゅう刑法けいほう24じょう2こう)。

一定いってい条件じょうけんした加重かじゅう理由りゆうがあるときは7ねんまで延長えんちょうすることができ(きゅう刑法けいほう70じょう2こう但書ただしがき)、げんけいするときは拘留こうりゅう当時とうじ拘留こうりゅうは1にち以上いじょう10日とおか以下いか)にしょすることができた(きゅう刑法けいほう71じょう)。

される場合ばあい

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じゅう禁錮きんこは、傷害しょうがいのうち比較的ひかくてきかる様態ようたいのもの(きゅう刑法けいほう300じょう2こう以下いか)や窃盗せっとうきゅう刑法けいほう366じょう以下いか)などの幅広はばひろつみたいする刑罰けいばつとしてさだめられていた。また、けい禁錮きんこは、中立ちゅうりつ命令めいれい違反いはんきゅう刑法けいほうでは134じょう)や自殺じさつ関与かんよおよ同意どうい殺人さつじんきゅう刑法けいほう320じょう)のつみなどでさだめられていた。

このほか、よりおもけいでありじょうやくふくするけい懲役ちょうえきげんけいする場合ばあいには2ねん以上いじょう5ねん以下いかじゅう禁錮きんこに、じょうやくふくさないけい禁獄きんごくげんけいする場合ばあいには2ねん以上いじょう5ねん以下いかけい禁錮きんこしょすることとされていた(きゅう刑法けいほう69じょう)。

さらに、罰金ばっきん完納かんのうできないものは、現在げんざいではろう役場やくば留置りゅうちするとされているが、当時とうじ罰金ばっきんわりにけい禁錮きんこしょするものとされていた(きゅう刑法けいほう27じょう1こう)。

付随ふずい効果こうか

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じゅう禁錮きんこまたけい禁錮きんこしょせられたものは、現在げんざい官職かんしょくうしない、刑期けいき満了まんりょうまでのあいだ公権こうけん停止ていしされた(きゅう刑法けいほう33じょう)。

現在げんざいにおける適用てきよう

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1908ねん明治めいじ41ねん)にきゅう刑法けいほう廃止はいし現行げんこう刑法けいほう施行しこうされ、上記じょうきじゅう禁錮きんこおよけい禁錮きんこ廃止はいしされた。通貨つうか及証けん模造もぞう取締とりしまりほう決闘けっとうざいせきスルけんなど、当時とうじじゅう禁錮きんこまたは「けい禁錮きんこ」としてさだめられて現在げんざい有効ゆうこう刑罰けいばつ規定きていがあるが、じゅう禁錮きんこ有期ゆうき懲役ちょうえきけい禁錮きんこ有期ゆうき禁錮きんことして適用てきようされる(刑法けいほう施行しこうほうだい19じょう1こうおよび2じょう)。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 電波でんぱほう1950ねん昭和しょうわ25ねん制定せいてい)では107じょうに「きん」がある。改正かいせい追加ついかされた99じょうの3にはルビきの「きん」があったが、さい改正かいせいでルビがのぞかれて「禁錮きんこ」となった。
  2. ^ 請願せいがん作業さぎょう」あるいは「名誉めいよ拘禁こうきん」などといわれる。刑事けいじ収容しゅうよう施設しせつおよ収容しゅうようしゃとう処遇しょぐうかんする法律ほうりつ93じょう刑事けいじ施設しせつおよ収容しゅうようしゃ処遇しょぐうかんする規則きそく56じょう
  3. ^ 刑法けいほうだい34じょうの2により、刑期けいき満了まんりょう満期まんきでの出所しゅっしょ)に、「罰金ばっきん以上いじょうけい」にしょせられないまま10ねん以上いじょう経過けいかしたときは、欠格けっかく事由じゆう対象たいしょうがいとなる。そのため、かならずしも一生いっしょうにわたって欠格けっかく事由じゆうゆうするともかぎらない。
  4. ^ a b c d e f g h けい執行しっこう猶予ゆうよちゅうもののぞく。
  5. ^ 自由じゆうけいについては刑期けいきが1ねん以上いじょうもののみ。

出典しゅってん

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  1. ^ a b c d しょ外国がいこく制度せいど概要がいよう資料しりょう6)”. 法制ほうせい審議しんぎかい. 2020ねん9がつ19にち閲覧えつらん(268KB
  2. ^ a b だい2かい行刑ぎょうけい改革かいかく会議かいぎ”. 法務省ほうむしょう. 2020ねん9がつ19にち閲覧えつらん(5.73MB
  3. ^ しょ外国がいこく制度せいど概要がいよう資料しりょう1)”. 法制ほうせい審議しんぎかい. 2020ねん9がつ19にち閲覧えつらん(770KB
  4. ^ 絵本えほん石山いしやま軍記ぐんき. だい2へん まき6 - 10憲法けんぽうこころざしりょう. 5へん まき1(1877ねん明治めいじ10ねん) - 1884ねん明治めいじ17ねんかん)など。
  5. ^ 法制ほうせい執務しつむコラムしゅう - 参議院さんぎいん法制ほうせいきょく 2020ねんれい2ねん)4がつ
  6. ^ れい元年がんねんばん 犯罪はんざい白書はくしょだい3へん だい1しょう だい4せつ - 法務省ほうむしょう
  7. ^ 法務省ほうむしょう法制ほうせい審議しんぎかい 少年しょうねんほう刑事けいじほう少年しょうねん年齢ねんれい犯罪はんざいしゃ処遇しょぐう関係かんけい部会ぶかい
  8. ^ 法定ほうていけいとして禁錮きんこさだめられているつみ (PDF, 52.8 KB) - 法務省ほうむしょう 法制ほうせい審議しんぎかい 少年しょうねんほう刑事けいじほう少年しょうねん年齢ねんれい犯罪はんざいしゃ処遇しょぐう関係かんけい部会ぶかい だい1分科ぶんかかい だい6かい会議かいぎ 2018ねん平成へいせい30ねん)3がつ7にち
  9. ^ 検察けんさつ統計とうけい年報ねんぽう・「しんきゅうべつ確定かくてい裁判さいばんけたもの裁判さいばん結果けっかべつ人員じんいん - 法務省ほうむしょう
  10. ^ 犯罪はんざい白書はくしょ

関連かんれん項目こうもく

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