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西部せいぶ邁

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西部せいぶ 邁（にしべ　すすむ）
生誕せいたん (1939-03-15) 1939年ねん3月15日にち
日本の旗 日本にっぽん・北海道ほっかいどう山越やまぐい郡ぐん長万部おしゃまんべ町まち
死没しぼつ (2018-01-21) 2018年ねん1月がつ21日にち（78歳さい没ぼつ）
日本の旗 日本にっぽん・東京とうきょう都と大田おおた区く田園調布でんえんちょうふ5丁目ちょうめ
入水じゅすい自殺じさつ
時代じだい 20世紀せいきの哲学てつがく
21世紀せいきの哲学てつがく
地域ちいき 日本にっぽん思想しそう
出身しゅっしん校こう 東京大学とうきょうだいがく
学派がくは 保守ほしゅ主義しゅぎ
表現ひょうげん者しゃグループ
研究けんきゅう分野ぶんや 社会しゃかい経済けいざい学がく、社会しゃかい哲学てつがく、西欧せいおう思想しそう史し
主おもな概念がいねん TEAM図式ずしき
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西部せいぶ 邁（にしべ すすむ、1939年ねん〈昭和しょうわ14年ねん〉3月15日にち[1] - 2018年ねん〈平成へいせい30年ねん〉1月がつ21日にち[2]）は、日本にっぽんの評論ひょうろん家か、経済けいざい学者がくしゃ、保守ほしゅ思想家しそうか。東京大学とうきょうだいがく大学院だいがくいん卒業そつぎょう。秀明ひであき大学だいがく教授きょうじゅ・学頭がくとう、東京大学とうきょうだいがく教養きょうよう学部がくぶ教授きょうじゅ、隔月かくげつ刊かん誌し『表現ひょうげん者しゃ』顧問こもんを歴任れきにん。

北海道ほっかいどう出身しゅっしん。東大とうだい入学にゅうがく後ごにブントのメンバーとなり、東大とうだい自治じち会かい委員いいん長ちょうとして安保あんぽ闘争とうそうに参加さんかした。安保あんぽ闘争とうそうから離脱りだつ後ごは東大とうだい大学院だいがくいんで近代きんだい経済けいざい学がくを専攻せんこうし、横浜国立大学よこはまこくりつだいがく助教授じょきょうじゅ、東大とうだい助教授じょきょうじゅ、英えい米べいへの留学りゅうがくを経へて東大とうだい教授きょうじゅとなる。1980年代ねんだいから保守ほしゅの論客ろんかくとして活躍かつやくし、東大とうだい駒場こまんば騒動そうどうの際さいに東大とうだい教授きょうじゅを辞職じしょく。それ以後いごは在野ざいやの評論ひょうろん家かとして評論ひょうろん活動かつどうを行おこなった。2018年ねんに多摩川たまがわにて自決じけつする。

経歴けいれき[編集へんしゅう]

出生しゅっしょう[編集へんしゅう]

1939年ねん（昭和しょうわ14年ねん）、北海道ほっかいどうの南部なんぶに位置いちする山越やまぐい郡ぐん長万部おしゃまんべ町まちに生うまれる[3]。父ちちは夕張ゆうばり郡ぐん長沼ながぬま町まち[4]の浄土真宗じょうどしんしゅう派はの末寺まつじの末男すえおで農協のうきょう職員しょくいん。札幌さっぽろ郡ぐん白石しらいし村むら厚別あしべつの信濃しなの小学校しょうがっこう、札幌さっぽろ市立しりつ柏かしわ中学校ちゅうがっこう、北海道札幌南高等学校ほっかいどうさっぽろみなみこうとうがっこうに進学しんがく。高校こうこう卒業そつぎょうまではマルクスもレーニンもスターリンも毛沢東もうたくとうも知しらぬノンポリであった[5]。18歳さいまで重症じゅうしょうの吃音きつおんであり、ほとんど何なにも喋しゃべらずに生いきていた[6]。1957年ねん（昭和しょうわ32年ねん）、東京とうきょう大学だいがくを受験じゅけんするが不合格ふごうかくとなり、一いち年間ねんかんの浪人ろうにん生活せいかつを送おくる[7]。

東大とうだい時代じだい[編集へんしゅう]

1958年ねん（昭和しょうわ33年ねん）4月がつ、東京とうきょう大学だいがくに入学にゅうがく、三鷹みたか寮りょうに入寮にゅうりょう。同年どうねん6月がつ、和歌山わかやまの被ひ差別さべつ部落ぶらくに入はいって子供こどもに勉強べんきょうを教おしえる[8][9]。同年どうねん12月がつに結成けっせいされた共産きょうさん主義しゅぎ者しゃ同盟どうめい（ブント）に加盟かめい。1959年ねん（昭和しょうわ34年ねん）から同どう大学だいがく教養きょうよう学部がくぶで自治じち会かい委員いいん長ちょうを務つとめる。同どう委員いいん長ちょうの選挙せんきょのとき、西部せいぶはブントのメンバーたちとともに投票とうひょう用紙ようしを偽造ぎぞうしてすり替かえ、共産きょうさん党員とういんの候補こうほを落選らくせんさせた[10]。全学ぜんがく連れんの中央ちゅうおう執行しっこう委員いいんも務つとめ、60年ねん安保あんぽ闘争とうそうに参加さんか[11]。

1961年ねん（昭和しょうわ36年ねん）3月がつ、左翼さよく過激かげき派はと訣別けつべつ。1964年ねん（昭和しょうわ39年ねん）3月がつ、東京大学とうきょうだいがく経済学部けいざいがくぶ卒業そつぎょう。当時とうじ、ブントの活動かつどう家かであった青木あおき昌彦まさひこの勧すすめにより、東京大学とうきょうだいがく大学院だいがくいんに進学しんがく、経済けいざい学がくを専攻せんこう。指導しどう教官きょうかんは嘉治よしはる元もと郎ろう。1971年ねん（昭和しょうわ46年ねん）3月がつ、東京大学とうきょうだいがく大学院だいがくいん経済けいざい学がく研究けんきゅう科か理論りろん経済けいざい学がく専攻せんこう修士しゅうし課程かてい修了しゅうりょう。経済けいざい学修がくしゅう士し。1972年ねん（昭和しょうわ47年ねん）、連合赤軍れんごうせきぐんによる群馬ぐんま県けん榛名山はるなさんでの集団しゅうだんリンチ殺人さつじん事件じけん（山岳さんがくベース事件じけん）の報道ほうどうを目めにして、多少たしょうとも左翼さよくに共感きょうかんしていたことへの道徳どうとく的てき反省はんせいをせざるをえなくなる[12][13]。

横浜国立大学よこはまこくりつだいがく経済学部けいざいがくぶ助教授じょきょうじゅ、東京大学とうきょうだいがく教養きょうよう学部がくぶ助教授じょきょうじゅを歴任れきにん。1975年ねん（昭和しょうわ50年ねん）出版しゅっぱんの処女しょじょ作さく『ソシオ・エコノミックス　集団しゅうだんの経済けいざい行動こうどう』では社会しゃかい学がくなどの方法ほうほう論ろんを導入どうにゅうして旧来きゅうらいの経済けいざい学がくを批判ひはん。その後ご渡米とべいしカリフォルニア大学だいがくバークレー校こうに在籍ざいせき。引ひき続つづき渡わたり英すぐるしケンブリッジ大学けんぶりっじだいがくに在籍ざいせき。1979年ねん、米べい英えい滞在たいざい記き『蜃気楼しんきろうの中なかへ　遅おくればせのアメリカ体験たいけん』を発表はっぴょう。帰国きこく後ご、1980年代ねんだいから保守ほしゅの論客ろんかくとして高度こうど大衆たいしゅう社会しゃかい、アメリカニズムを批判ひはんし、西欧せいおう流りゅう保守ほしゅ思想しそうを擁護ようごした。また、サントリー学芸がくげい賞しょう選考せんこう委員いいんを務つとめる。1986年ねん（昭和しょうわ61年ねん）、東京大学とうきょうだいがく教養きょうよう学部がくぶ教授きょうじゅ（社会しゃかい経済けいざい学がく専攻せんこう）に就任しゅうにん。放送大学ほうそうだいがく客員きゃくいん教授きょうじゅも務つとめる。

東大とうだい辞職じしょく[編集へんしゅう]

詳細しょうさいは「東大とうだい駒場こまんば騒動そうどう」を参照さんしょう

1988年ねん（昭和しょうわ63年ねん）、中沢なかざわ新一しんいち（当時とうじ東京外国語大学とうきょうがいこくごだいがくアジア・アフリカ言語げんご文化ぶんか研究所けんきゅうじょ助手じょしゅ）を東京大学とうきょうだいがく教養きょうよう学部がくぶ助教授じょきょうじゅに推薦すいせん。委員いいん会かいでは通とおったが教授きょうじゅ会かいの採決さいけつで否決ひけつされる。これに抗議こうぎして同年どうねん3月がつ、東京とうきょう大学だいがくを辞任じにん[要よう出典しゅってん]。西部せいぶ曰いわく「東大とうだいの馬鹿ばか騒さわぎ」。西部せいぶ支持しじに回まわったのは、蓮實はすみ重彦しげひこ、佐藤さとう誠まこと三郎さぶろう、公文くもん俊平しゅんぺい、村上むらかみ泰やすし亮あきら、村上むらかみ陽一郎よういちろう、芳賀はが徹とおる、平川ひらかわ祐ゆう弘ひろし、鳥海とりうみ靖やすし、舛添ますぞえ要一よういち、松原まつばら隆一郎りゅういちろう、大森おおもり彌わたるなどである。逆ぎゃくに反対はんたいした教官きょうかんは、船ふね曳建夫おっと、谷嶋たにしま喬たかし四郎しろう、折原おりはら浩ひろし、見田みた宗はじめ介かい。

東大とうだい辞職じしょく後ご[編集へんしゅう]

東大とうだい辞職じしょく後ごは評論ひょうろん活動かつどうを続つづけるとともに鈴鹿国際大学すずかこくさいだいがく客員きゃくいん教授きょうじゅ、2009年ねん（平成へいせい21年ねん）3月がつまで秀明ひであき大学だいがく教授きょうじゅ・学頭がくとうを歴任れきにん。テレビ朝日てれびあさひ系列けいれつの討論とうろん番組ばんぐみ、「朝あさまで生なまテレビ!」に出演しゅつえんし[14]、保守ほしゅ派は論客ろんかくとして知しられた[14]。1994年ねん（平成へいせい6年ねん）から2005年ねん（平成へいせい17年ねん）3月がつまで、真正しんしょう保守ほしゅ思想しそうを標榜ひょうぼうする言論げんろん月刊げっかん誌し『発言はつげん者しゃ』を刊行かんこうしていたが、財政ざいせい上じょうの理由りゆうで廃刊はいかん。後継こうけいの隔月かくげつ刊かん誌し『表現ひょうげん者しゃ』の顧問こもんを務つとめた。

新あたらしい歴史れきし教科書きょうかしょをつくる会かいに参加さんかし理事りじの任にんを引ひき受うけたものの、当初とうしょから会かいの運動うんどうとは一定いっていの距離きょりを置おいており理事りじ会かいなどへは出席しゅっせきしなかった[15]。

2001年ねん（平成へいせい13年ねん）8月がつ、船橋ふなばし市立しりつ西にし図書館としょかんのある司書ししょが同館どうかん所蔵しょぞうの西部せいぶらの多数たすうの著書ちょしょを廃棄はいき基準きじゅんに該当がいとうしないにもかかわらず除籍じょせき・廃棄はいきした（船橋ふなばし市し西にし図書館としょかん蔵書ぞうしょ破棄はき事件じけん）。

2002年ねん（平成へいせい14年ねん）、小林こばやしよしのりとともに「つくる会かい」を脱退だったい。同年どうねん、西部せいぶは東京とうきょう西麻布にしあざぶの裏通うらどおりにある土地とちの所有しょゆう者しゃとなり、イタリアンレストラン「ゼフィーロ」という店名てんめいで息子むすこ西部にしべ一明いちめいをオーナー兼けん支配人しはいにんとして経営けいえいさせた[16]。同店どうてんは2007年ねん（平成へいせい19年ねん）4月がつに営業えいぎょう終了しゅうりょう。

雑誌ざっし『WiLL』の2011年ねん（平成へいせい23年ねん）4月がつ号ごうでは大相撲おおずもうの八百長やおちょうを擁護ようごした[17]。

2013年ねん（平成へいせい25年ねん）3月がつ1日にち、佐伯さえき啓あきら思おもえ・西田にしだ昌司しょうじ・富岡とみおか幸一郎こういちろうとの座談ざだん会かいで「自分じぶんの咽頭いんとう部ぶに癌がんができていると最近さいきん知しった」と述のべた[18]。同年どうねん4月がつ22日にち、首相しゅしょう公邸こうていで内閣ないかく総理そうり大臣だいじんの安倍晋三あべしんぞう、参議院さんぎいん議員ぎいんの西田にしだ昌司しょうじ、評論ひょうろん家かの西村にしむら幸さいわい祐ゆうと会食かいしょくをした[19]。

2014年ねん（平成へいせい26年ねん）3月がつ17日にち、妻つまが死去しきょ[20][21]。のちに西部せいぶの息子むすこは「父ちちの文章ぶんしょうの大だい部分ぶぶんは母ははあってのものだと思おもいます。母親ははおやの意見いけんとかフィードバックが父ちちの文章ぶんしょうにかなりの程度ていど反映はんえいされていました」[22]と述のべた。

2017年ねん（平成へいせい29年ねん）11月、『表現ひょうげん者しゃ』の顧問こもんを退しりぞき、執筆しっぴつ活動かつどうから引退いんたい。西部せいぶの執筆しっぴつ活動かつどうの実務じつむを担当たんとうしていた西部せいぶの娘むすめも引退いんたいした。『表現ひょうげん者しゃ』は2018年ねん1月がつ号ごう（2017年ねん12月発売はつばい）をもって第だい一いち期きを終了しゅうりょう。2018年ねん3月がつ号ごう（2018年ねん2月がつ発売はつばい）より第だい二に期き『表現ひょうげん者しゃ』として『表現ひょうげん者しゃクライテリオン』に改題かいだい・新しん創刊そうかんするとともに編集へんしゅう体制たいせいを変更へんこう。藤井ふじい聡さとし内閣ないかく官房かんぼう参与さんよ・京都大学きょうとだいがく大学院だいがくいん教授きょうじゅが新しん編集へんしゅう長ちょうに就任しゅうにんした[23]。

自殺じさつの準備じゅんび[編集へんしゅう]

西部せいぶは、50代だいの時ときから自分じぶんの生いき方かたの結末けつまつを考かんがえていた。55歳さいの頃ころには自じ死しへの構かまえがおおよそ定さだまり、2014年ねんに妻つまと死別しべつして以降いこうは、更さらにその決意けついを固かためていった。以降いこうは、息子むすこにも自殺じさつを口くちにするようになり、電話でんわで息子むすこに「お父とうさんは自殺じさつをすることに決きめた」と告つげた[24]。健康けんこう面めんでは、背中せなかに持病じびょうを抱かかえていた事ことから、激はげしい痛いたみに襲おそわれることもあり[25]、皮膚ひふ炎えんや神経痛しんけいつうに悩なやまされており[24]、重度じゅうどの頚椎けいつい症しょう性せい脊髄せきずい症しょうのため、細こまかな作業さぎょうや重量じゅうりょうのある物ものを持もつことができず、執筆しっぴつ活動かつどうが困難こんなんになっていた[26][27]。自殺じさつするまでの数すう年ねん、親したしい人ひとには「死しにたい」と漏もらしていた。周囲しゅういに「ウソじゃないぞ。俺おれは本当ほんとうに死しぬつもりなんだぞ」とも語かたっていた。また娘むすめや息子むすこに迷惑めいわくがかからないように人生じんせいを終おえるといつも言いっていた。自殺じさつするまでの数すう年ねん、木村きむら三さん浩ひろし（一水会いちすいかい代表だいひょう）に対たいしては「自分じぶんの意思いしもわからない状態じょうたいで看取みとられるのは耐たえられない」「もうそろそろ限界げんかいだ」と言いっていた。著書ちょしょなどでは「自然しぜん死しといわれるものの実態じったいは『病院びょういん死し』にすぎない」「生なまの最期さいごを他人たにんに命令めいれいされたりいじり回まわされたくない」「死しに方かたは生いき方かたの総そう仕上しあげだ」と記しるし、自みずから命いのちを絶たつ「自じ裁たっ死し」の意思いしがあることを述のべていた[28][29][30][31][32][33][34][35][36]。

2017年ねん夏なつごろ、西部せいぶは自分じぶんが司会しかいを務つとめるTV番組ばんぐみ『西部せいぶ邁ゼミナール』（TOKYO MX）の編集へんしゅう担当たんとうプロデューサーだったMXエンターテインメント株式会社かぶしきがいしゃ社員しゃいんKに自殺じさつについての具体ぐたい的てきな計画けいかくを知しらせ、協力きょうりょくを求もとめた。Kは東京とうきょうMXテレビから子会社こがいしゃのMXエンターテインメントに出向しゅっこうし、同どう番組ばんぐみのディレクターも務つとめていた。Kは自分じぶんにとって大切たいせつな人物じんぶつからの頼たのみを断ことわるのは人道じんどうに反はんすると考かんがえてその依頼いらいを了承りょうしょうした。同年どうねん9月がつごろからKはのちに西部せいぶが自殺じさつするときに使つかうロープ、重おもり、重おもり用ようベルト、懐中かいちゅう電灯でんとうなどを購入こうにゅうし始はじめた[27][37][38]。同年どうねん10月がつ、西部せいぶは自分じぶんが主催しゅさいしていた私塾しじゅく「表現ひょうげん者しゃ塾じゅく」の塾頭じゅくとうを務つとめたAにも「体からだがどうにも言いうことをきかない。多摩川たまがわで自殺じさつするつもりだ。手伝てつだってくれるか」と依頼いらいした[24]。依頼いらいを受うけた2人ふたりは、ともに西部せいぶの熱心ねっしんな信奉しんぽう者しゃとして知しられていた[39]。元もと塾頭じゅくとうAは西部せいぶを師しと仰あおぎ深ふかく尊敬そんけいしていた。同年どうねん11月がつ、西部せいぶ、A、Kの3人にんは都内とないのホテルで西部せいぶが自殺じさつをする日時にちじ、場所ばしょ、方法ほうほうなどについて具体ぐたい的てきな打合うちあわせを行おこなった[27]。自殺じさつ現場げんばには東京とうきょうの西にしの端はし、東急東横とうきゅうとうよこ線せん多摩川たまがわ駅えき近傍きんぼうである大田おおた区く田園調布でんえんちょうふ5丁目ちょうめの多摩川たまがわ左岸さがんの河川敷かせんしきが選えらばれた[27][40][41]。同月どうげつ4日にち、西部せいぶはAに「1月がつ20日はつかに決行けっこうする」と告つげた[42]。西部せいぶから依頼いらいを受うけた2人ふたりは西部せいぶの自殺じさつのための道具どうぐの購入こうにゅうや現場げんばの下見したみなどの準備じゅんびをした。Aは西部せいぶがのちに自殺じさつする際さいに使つかう工事こうじ現場げんば用ようのハーネスを購入こうにゅうして準備じゅんびした。Aはそのハーネスを勤務きんむ先さきから持もち出だし、西部せいぶは自殺じさつするときにそのハーネスを着用ちゃくようした。またAは遺書いしょを作成さくせいするのに使つかう中古ちゅうこパソコンも購入こうにゅうした[27][42]。Kは手ての不自由ふじゆうな西部せいぶのためにパソコンで遺書いしょを代筆だいひつした[37]。酒井さかい孝太郎こうたろう（産経新聞さんけいしんぶん社会しゃかい部ぶ次長じちょう）はのちに「『助太刀すけだち』の依頼いらいは、手てが不自由ふじゆうとなっていたため避さけがたかったに違ちがいない」と述のべた[36]。木村きむら三さん浩ひろしによると、2人ふたりは「西部せいぶ先生せんせいと非常ひじょうに近ちかく、思想しそう的てきにも共鳴きょうめいしていた」[43]。富岡とみおか幸一郎こういちろう（文芸ぶんげい評論ひょうろん家か）はのちに「2人ふたりは西部せいぶ先生せんせいの死生しせい観かんに共鳴きょうめいしていた、それだけは間違まちがいありません[37]」と述のべた。2人ふたりについて西部せいぶの娘むすめはのちに「（父ちちと）Aさんは20年ねん以上いじょう、Kくんは10年ねん以上いじょうの付つき合あいでした」、「生前せいぜん本当ほんとうによくして下くださった方々かたがた」、「2人ふたりとも真面目まじめで、父ちちが頼たのまなければ犯罪はんざいとは関係かんけいの無ない人ひとたちでした」と述のべた[37][44][45]。警視庁けいしちょう捜査そうさ1課かによると、西部せいぶは自殺じさつする前まえ、2人ふたりに「ガスで自殺じさつしたい」などと話はなしていた[46]。同年どうねん12月がつ上旬じょうじゅんごろ、AとKの2人ふたりは自殺じさつ現場げんばである多摩川たまがわの河川敷かせんしきまでの道みちを下見したみした。同月どうげつ、2人ふたりは自殺じさつ現場げんば付近ふきんの下見したみもした[40][47][48]。西部せいぶの息子むすこによると、多摩川たまがわの河川敷かせんしきは西部せいぶと西部せいぶの妻つまが気きにいっていた場所ばしょだった。のちに息子むすこは「愛あいする妻つまとの思おもい出でが残のこる川辺かわべで死しにたかったのだろう」と話はなした[22]。同月どうげつ、西部せいぶは雑誌ざっし『AERA』（2017年ねん12月18日にち号ごう）で村本むらもと大輔だいすけ（芸人げいにん）と対談たいだんをした。その際さい西部せいぶは村本むらもとと意気投合いきとうごうし、予定よてい時間じかんを延長えんちょうし3時じ間あいだに及およぶ政治せいじ談義だんぎに花はなを咲さかせた[25][49][50]。同月どうげつの暮くれに木村きむら三さん浩ひろしが西部せいぶの自宅じたくで話はなしていたとき、西部せいぶは「本当ほんとうは俺おれはいないんだよ。実じつは10月がつ22日にちにやろうと思おもったんだ。ところが選挙せんきょになっちゃったもんだから、世よの中なかが騒さわいでいてできなかった。でも来年らいねんになったら、間まもなくいなくなると思おもうよ」と述のべた。木村きむらが「先生せんせい、そんなこと言いわないでくださいよ」と言いうと西部せいぶは「俺おれは覚悟かくごを決きめてるんだから、君きみが覚悟かくごを決きめろよ。受うけ入いれなきゃだめだよ」と述のべた[43]。同月どうげつ末まつ、遺作いさく『保守ほしゅの遺言ゆいごん』（平凡社へいぼんしゃ新書しんしょ、2018年ねん2月がつ末まつ刊かん）の最後さいごとなった打うち合あわせの席せきで、西部せいぶは担当たんとう編集へんしゅう者しゃの金澤かなざわ智之としゆき（平凡社へいぼんしゃ新書しんしょ編集へんしゅう部ぶ）に「1月がつ下旬げじゅんにはそう（自殺じさつ）するつもりだ。この本ほんは死後しごの出版しゅっぱんになる」と述のべた[51][52]。さらに同月どうげつ末まつ、西部せいぶは知人ちじんの一人ひとりに「私わたしがいなくなったあとは家族かぞくをよろしく」と言いった[25]。

2018年ねん（平成へいせい30年ねん）1月がつ10日とおか、元もと塾頭じゅくとうAはTV番組ばんぐみ『西部せいぶ邁ゼミナール』の収録しゅうろくで西部せいぶと対談たいだんをし、同どう番組ばんぐみ最後さいごの対談たいだん相手あいてを務つとめた。その対談たいだんの際さい、西部せいぶは「（人間にんげんにとって）本当ほんとうに幸さいわいなのは死しねること。お願ねがいですから死しなせてください」と述のべた。さらに西部せいぶはその対談たいだんで、番組ばんぐみのスタッフやゲストと酒さけを酌くみ交かわし議論ぎろんすることの大切たいせつさを説といた[38][53][54][55][56]。同月どうげつ15日にち、西部せいぶと木村きむら三さん浩ひろしは駐ちゅう日にちロシア大使館たいしかんを表敬ひょうけい訪問ほうもんし、日本にっぽんとロシアの友好ゆうこうについてロシア代理だいり大使たいしと意見いけん交換こうかんをした。その後ご、西部せいぶと木村きむらはテレビ局てれびきょくのスタッフも交まじえて新宿しんじゅくで24時半じはんごろまで酒さけを飲のんだ。そのとき西部せいぶは「僕ぼくはもういなくなるから、会あうのは今日きょうでおしまいになるかもしれない」と述のべた。翌よく16日にち、木村きむらが西部せいぶに「昨日きのうはご馳走ちそうさまでした」と電話でんわをすると西部せいぶは「昨日きのうは会あえて楽たのしかったよ。でも、もう会あえないからね」、「君きみと知しり合あえて楽たのしかったよ」と述のべた[35][43]。同月どうげつ20日にち夜よる、Aは西部せいぶとKを現場げんばに連つれて行いくためにレンタカー店てんでトヨタのヴェルファイアを借かりてKと合流ごうりゅうした[37][42]。同日どうじつ夜よる、西部せいぶは新宿しんじゅくの行いきつけの文壇ぶんだんバーに娘むすめとともに来店らいてんし、酒さけを飲のんだ[57]。そのバーを出でたあと、同日どうじつ午後ごご11時じ50分ふんごろ、西部せいぶは新宿しんじゅく御苑ぎょえん付近ふきんで「これから会あう人ひとがいるから先さきに帰かえりなさい」と言いって娘むすめを帰宅きたくさせた。

自殺じさつの実行じっこう[編集へんしゅう]

多摩川たまがわ河川敷かせんしき (田園調布でんえんちょうふ5丁目ちょうめ)[58]
入水じゅすい地点ちてん付近ふきんと思おもわれる水面すいめん
(川かわが蛇行だこうして岸きしが迫せり出だしている地点ちてんであり、岸きし近ちかくでもかなりの水深すいしんが認みとめられる。)

娘むすめと別わかれた直後ちょくごの21日にち未明みめい、西部せいぶと社員しゃいんKが新宿しんじゅく区内くないを一緒いっしょに歩あるいている姿すがたがのちに防犯ぼうはんカメラで確認かくにんされた[53][59]。自殺じさつするまでの一連いちれんの過程かていで、複数ふくすうの防犯ぼうはんカメラに彼かれらの姿すがたが映うつっていた[37]。同日どうじつ未明みめい、元もと塾頭じゅくとうAとKの2人ふたりは、娘むすめと別わかれた西部せいぶと待まち合あわせ場所ばしょである新宿しんじゅく2丁目ちょうめ付近ふきん路上ろじょうで合流ごうりゅうした。Aは新宿しんじゅくから自殺じさつ現場げんばの多摩川たまがわ付近ふきんにある大田おおた区く田園調布でんえんちょうふのバス停留所ていりゅうじょ付近ふきんまで西部せいぶとKを乗のせてレンタカーを運転うんてんした。Aは、防犯ぼうはんカメラに写うつったり警察けいさつにばれたりしないよう幹線かんせん道路どうろを避さけて車くるまを運転うんてんした。移動いどう中ちゅうの車内しゃないでは西部せいぶが好すきだった「ダンチョネ節ぶし」を流ながしていた。その車中しゃちゅうで西部せいぶはAとKに11万まん円えんずつ渡わたした。またその車中しゃちゅうでKは西部せいぶがハーネスを身体しんたいに装着そうちゃくするのを手伝てつだった[27][37][38][42]。21日にち午前ごぜん0時じ50分ふんごろ、自殺じさつ現場げんば近ちかくのバス停留所ていりゅうじょ付近ふきんに到着とうちゃくするとAは西部せいぶとKを見送みおくった。車くるまを降おりるとKは現場げんばの多摩川たまがわ左岸さがんまで西部せいぶが歩あるいていくのに付つき添そった。現場げんばに着つくとKは西部せいぶがロープを立木たちきに繋つなぐのを手伝てつだい、そのロープを西部せいぶの身体しんたいに装着そうちゃくされているハーネスに繋つなぐのも手伝てつだい、重おもりと重おもり用ようベルトを西部せいぶの身体しんたいに装着そうちゃくするのも手伝てつだい、川かわに流ながされないように固定こていした[27][37][39][42][60]。西部せいぶは粉末ふんまつ状じょうの薬くすりのような物質ぶっしつを持参じさんしていた。西部せいぶはその物質ぶっしつは「毒どくだ」とKに説明せつめいした。Kはフィルムケース大だいの瓶びんを用意よういしていた。Kは西部せいぶからその物質ぶっしつを受取うけとり、その物質ぶっしつをその瓶びんに入いれて西部せいぶに渡わたした[33][40][46][47][48][53][61][62][63][64]。そうしてKは西部せいぶが歩あるいて多摩川たまがわに入水じゅすいするのを見届みとどけた[27][65]。KはAに余あまった薬くすりを「処分しょぶんしてください」と依頼いらいし、Aはその薬くすりを保管ほかんした[66][67]。21日にち午前ごぜん2時じすぎに娘むすめの携帯けいたい電話でんわに西部せいぶから着信ちゃくしんがあったがメッセージが残のこされていなかった。普段ふだん西部せいぶは携帯けいたい電話でんわを使つかっていなかった上うえ、メッセージもなかったことから不審ふしんに思おもい、娘むすめは警察けいさつに通報つうほうした[68]。同日どうじつ未明みめい、娘むすめは息子むすこにも西部せいぶが自宅じたくにいないことを知しらせ、2人ふたりで捜さがし歩あるいた。同日どうじつ朝あさ、息子むすこは現場げんばの多摩川たまがわの川面かわもに浮うかんだ状態じょうたいの西部せいぶを発見はっけんした[36]。同日どうじつ午前ごぜん6時じ40分ふん頃ごろ、息子むすこは「父親ちちおやが川かわに飛とび込こんだ」と110番ばん通報つうほうし、駆かけつけた田園調布でんえんちょうふ警察けいさつ署しょ員いんが救出きゅうしゅつしたが、そのときには既すでに意識いしきがなかった。発見はっけんされたとき西部せいぶは身体しんたいに工事こうじ現場げんば用ようのハーネスを装着そうちゃくし、腰こし付近ふきんにロープを巻まいていた。ハーネスに接続せつぞくしたロープのもう片方かたがたは川かわべりの樹木じゅもくに結むすびつけられていた[37]。また西部せいぶの遺体いたいの眼めと口くちにはヘアバンドとタオルが巻まかれており、顔かおは毛糸けいとのネックウオーマーで覆おおわれていた[36][39]。これは顔かおを鳥とりや魚さかなにつつかれないようにするためだったとみられている。さらに口くちの内うちにはフィルムケース大だいの小ちいさな瓶びんを入いれていた。発見はっけん時じその瓶びんは空そらだった[33][40][48][61][69]。のちに息子むすこは「多分たぶん、姉あねのことを思おもって綺麗きれいに死しんだんだと思おもいます。ロープを木きに繋つなげていたのは、海うみまで流ながされて発見はっけんが遅おくれるのを嫌きらったからでしょう」と話はなした[22]。現場げんばの河川敷かせんしきには家族かぞく、Kなどの知人ちじん、警察けいさつなどに宛あてたワープロ打うちの複数ふくすうの遺書いしょが残のこされていた[31][55][70][71]。娘むすめ宛あての遺書いしょには次つぎのように書かかれていた[72]。

わが娘むすめSよ

僕ぼくは、穏おだやかな自然しぜん死しなどは望のぞむべくもないので、また…おける無益むえきな孤独こどくと無効むこうの治療ちりょうを忌いむものですから、君くんにこれ以上いじょうの迷惑めいわくをかけたくないので、ここに自分じぶんの「生いき方かたとしての死しに方かた」たる自じ裁たっ死しを選えらぶことにしました。そうした考かんがえ方かたについては僕ぼくの書物しょもつ群ぐんに何なん度ども説明せつめいしている通とおりなので、君きみは、たとえ同意どういされなくても、僕ぼくの気持きもちは分わかってくれると信しんじております。出来できうれば、僕ぼくのことは早はやめに失念しつねんして、楽々らくらく悠々ゆうゆうたる人生じんせいを送おくって下ください。お母かあさんへの世話せわのことを含ふくめ、君きみの両親りょうしんへの助力じょりょくに深ふかく感謝かんしゃしております。B君くん〔息子むすこ〕、Cさん〔息子むすこの嫁よめ〕と仲良なかよくやって下ください。

なお、僕ぼくのことにかんし葬儀そうぎや墓標ぼひょうなどは一切いっさい不要ふようですのでご承知しょうちおき下ください。ただし、僕ぼくの知人ちじんや友人ゆうじんから「飲食いんしょくの催もよおし」などの誘さそいがあれば受うけてやって下ください。

最後さいごにもう一度いちど、有難ありがとう、左様さようなら

平成へいせい30年ねん1月がつ21日にち 西部せいぶ邁

警察けいさつ宛あての遺書いしょには「すみません、お手てを煩わずらわせます」という気遣きづかいと配慮はいりょが記しるされていた[43]。同日どうじつ午前ごぜん8時じ37分ふん、東京とうきょう都内とないの搬送はんそう先さきの病院びょういんで死亡しぼうしていることが確認かくにんされた。西部せいぶの亡なくなった夜よるが明あけると、娘むすめと息子むすこのもとには西部せいぶから自じ死しを告つげる手紙てがみが速達そくたつで届とどいた。手紙てがみには死しに場所ばしょが記しるされていた[22]。78歳さい没ぼつ[70][73][74][75][76]。司法しほう解剖かいぼうなどの結果けっか、死因しいんは「溺死できしとして矛盾むじゅんない」というものだった[48]。目立めだった外傷がいしょうはなく、生前せいぜんの言動げんどうや遺書いしょから当初とうしょ、単独たんどくで自殺じさつを実行じっこうしたものと見みられていた。

死去しきょ後ごの経緯けいい[編集へんしゅう]

同日どうじつ社員しゃいんKは新聞しんぶん記者きしゃに対たいし、2017年ねん12月に発売はつばいされた西部せいぶの著書ちょしょ『保守ほしゅの真髄しんずい』を「読よんでもらえれば、先生せんせいの死生しせい観かんを理解りかいしてもらえる」と語かたっていた[31]。三原みはら朝彦あさひこ（衆議院しゅうぎいん議員ぎいん）は「自みずから準備じゅんびをして命いのちを断ことわった著者ちょしゃ（西部せいぶ）の死生しせい観かんはこれ迄までの著者ちょしゃの思想しそう同様どうよう、世よに一いち石せきを投とうじたと私わたしは思おもいます」と述のべた[77]。金澤かなざわ智之としゆき（平凡社へいぼんしゃ新書しんしょ編集へんしゅう部ぶ）は「医療いりょう技術ぎじゅつの進歩しんぽによって『死しの先さき延のばし』が可能かのうになった現代げんだいにあって、それらに対たいするアンチテーゼという意味いみで西部せいぶさんの自じ死しが投なげかけたものはあまりにも大おおきい」と述のべた[52]。自殺じさつの数日すうじつ後ご、渋谷しぶや区く幡はたヶ谷だにの代々だいだい幡はた斎場さいじょうに遺体いたいが棺かんに納おさめられて安置あんちされ、遺族いぞくと近親きんしん者しゃは最後さいごのお別わかれをした。法名ほうみょうは「慧海えかい院いん釋しゃく誥邁」[72]。木村きむら三さん浩ひろしは出棺しゅっかん前まえに西部せいぶが好このんで歌うたっていた「蒙こうむ古こ放浪ほうろう歌か」を餞はなむけ(はなむけ)に高唱こうしょうし、棺かんの中なかに歌詞かしが書かかれた歌集かしゅうを納おさめた。その後ご火葬かそうが行おこなわれ、遺族いぞくと近親きんしん者しゃは骨揚こつあげをした[35]。Kは西部せいぶの通夜つやや密葬みっそうにずっと付つき添そっていた[45]。その後ご間あいだもなく、警視庁けいしちょう捜査そうさ1課かは西部せいぶ発見はっけん時じの状況じょうきょうに不可解ふかかいな点てんがあり、西部せいぶの死しに第三者だいさんしゃが関与かんよした可能かのう性せいがあるとみて事件じけん性せいを疑うたがい再さい捜査そうさに入はいった。警視庁けいしちょうは西部せいぶがロープを結むすぶことなどを1人ひとりで実行じっこうした可能かのう性せいは低ひくいと見みて、西部せいぶと交友こうゆうのあった関係かんけい者しゃから事情じじょうを聴取ちょうしゅするなど氏名しめい不ふ詳しょう者しゃによる自殺じさつ幇助ほうじょの容疑ようぎで当時とうじの状況じょうきょうを調しらべた。警視庁けいしちょうが防犯ぼうはんカメラを捜査そうさしたことなどからAとKの容疑ようぎが浮上ふじょうした[47]。2人ふたりは逮捕たいほ前まえに任意にんいの取とり調しらべを受うけた。2人ふたりは取とり調しらべに全面ぜんめん的てきに応おうじた。2人ふたりとも捜査そうさに協力きょうりょくし、彼かれらには逃亡とうぼうする意思いしが見みえなかった。2月にAは関係かんけい先さきに保管ほかんしていた毒物どくぶつとみられる粉末ふんまつ状じょうの薬くすりを警視庁けいしちょうへ任意にんい提出ていしゅつした。その粉末ふんまつからは青酸せいさん化合かごう物ぶつの反応はんのうが出でた[35][66][67]。同年どうねん2月がつ10日とおか、TV番組ばんぐみ『追悼ついとう・西部せいぶ邁と日本にっぽん』（チャンネル桜さくら）の一部いちぶの出演しゅつえん者しゃが多摩川たまがわで発見はっけんされたときの西部せいぶの様子ようすについて話はなした。その出演しゅつえん者しゃによると、晩年ばんねん西部せいぶは手てが不自由ふじゆうで両手りょうてに白しろい手袋てぶくろを装着そうちゃくして公おおやけの場ばに出でており、日常にちじょう生活せいかつにおいても周囲しゅういの助たすけが必要ひつような状態じょうたいであり、1人ひとりでは自殺じさつを実行じっこうし得えなかったため、幇助ほうじょ者しゃがいたと予想よそうされるとのことだった。同年どうねん3月がつ1日にち発売はつばいの月刊げっかん誌しで浜崎はまざき洋介ようすけ（文芸ぶんげい批評ひひょう家か）は「生前せいぜんワープロを使つかわなかった先生せんせいがどうやってワープロで遺書いしょを用意よういしたのか」、「ハーネスやロープと遺書いしょを先生せんせいがどこに隠かくし、それらをどう運はこび、さらにあまり自由じゆうの利きかない手てでどうやって木きにロープを括くくりつけたのか」と疑問ぎもん点てんを挙あげた[68][78][79]。同年どうねん3月がつ15日にち、マスコミ各社かくしゃは警察けいさつが西部せいぶの死しについて再さい捜査そうさしていると報ほうじた[80][81][82][83]。Kは同年どうねん4月がつ24日にちに予定よていされていた西部せいぶを偲しのぶ会かいのとりまとめ役やくもしていた[45][84]。同年どうねん4月がつ5日にち、警視庁けいしちょう捜査そうさ１課かはAとKの2人ふたりを自殺じさつ幇助ほうじょの容疑ようぎで逮捕たいほした。それに対たいし2人にんとも容疑ようぎを認みとめたと報ほうじられたが、のちにKは容疑ようぎを一部いちぶ否認ひにんしていると報ほうじられた[65]。2人ふたりが逮捕たいほされたことについて娘むすめは「父ちちの自殺じさつにお2人ふたりを巻まき込こんでしまい本当ほんとうに申もうし訳わけない」、「父ちちがご迷惑めいわくをおかけして本当ほんとうに申もうし訳わけない気持きもちです。…父ちちからの依頼いらいを断たってくれればよかったのにと思おもいます」「本ほんにも書かいているし、友達ともだちにもよく言いっていたことなので、（父ちちが）そういう気持きもちでいることは分わかっていました」「（父ちちは）自殺じさつということで片付かたづくと思おもっていたのではないかと思おもいます」「父ちちが頼たのんだことだと思おもいます…報道ほうどうで（2人ふたりの）顔かおも名前なまえも出でてしまって…」「両手りょうてが縛しばられていたなんてことが報道ほうどうされていましたけれど、もし本当ほんとうにそうなら最初さいしょから自殺じさつとは出でないはず。そんな間あいだ違ちがった報道ほうどうが出でるので本当ほんとうに困こまっていました」「（父ちち）は安やすらかな死しに顔がおでした」「父ちちの死しに顔がおはおやすみなさい、と言いった時ときとまったく一緒いっしょで、本人ほんにんは満足まんぞくして死しんだようです」と述のべた[30][37][43][45][53][54][61][84][44][85][86]。長尾ながお和宏かずひろ（医師いし）は、「自殺じさつや自殺じさつほう助じょを擁護ようごするつもりは無ないが…もし自殺じさつほう助じょをお願ねがいするのであれば、

  • ほう助じょしてくれる人ひとが逮捕たいほされないために一いち筆ぴつ手紙てがみを記しるしておくべき。
  • 残のこされた家族かぞくがPTSDにならないために事前じぜんにメッセージを送おくるべき。
  • 川かわで死しぬことは消防しょうぼうや警察けいさつに多大ただいな迷惑めいわくをかけるので、やめるべき。」

「今いま、自じ裁たっを真剣しんけんに考かんがえている人ひとは、西部にしべさん騒動そうどうの展開てんかいに学まなぶべき。もしも西部せいぶさんが私わたしの前まえに登場とうじょうして、『持続じぞく的てき鎮静ちんせい』を希望きぼうしたら。家族かぞくもみんな同意どういしていたら、医者いしゃは持続じぞく的てき鎮静ちんせいや安楽あんらく死しをほう助じょできるか。答こたえは、100％、NOである。しかし、西部にしべさんの願ねがいは、心情しんじょう的てきには分わかる」と述のべた[87]。落合おちあい洋司ようじ（弁護士べんごし）は2人ふたりが逮捕たいほされたことについて「違法いほうなことではあるが、酌くむべき事情じじょうもあると思おもう」と述のべた[88]。小林こばやしよしのり（漫画まんが家か）は「西部せいぶ邁氏の自殺じさつほう助じょで2名めいが逮捕たいほされた。無粋ぶすいな話はなしだ。警察けいさつは見逃みのがしてやることが出来できんのか? わしがまだ交際こうさいしてたら手伝てつだったかもしれない」、「安楽あんらく死しが許可きょかされればいいのに」と述のべた[89]。木村きむら三さん浩ひろしは「私わたしの友人ゆうじんであるK氏しとA氏しが、西部せいぶ先生せんせいの死生しせい観かんに共鳴きょうめいし、自じ裁たっを手助てだすけするまでに至いたったことに驚おどろきはしたものの、理解りかいはできた。…2人ふたりとも尊敬そんけいする西部せいぶ先生せんせいの思おもいを尊重そんちょうし、覚悟かくごを決きめての行動こうどうではなかったかと思おもう…『やむにやまれず』『自分じぶんたちが何なにとかしなければ本懐ほんかいが遂とげられない』との逡巡しゅんじゅん、葛藤かっとう、苦悩くのうから来くる行動こうどうだったのではないだろうか…主従しゅうじゅう関係かんけいの問題もんだいではなく、優やさしさや人情にんじょうの問題もんだいであり、自分じぶん自身じしんを勘定かんじょうに入いれない振ふる舞まいの意識いしきの発露はつろだろう…西部せいぶ先生せんせいに忠誠ちゅうせいを誓ちかい、葛藤かっとうしながらも手助てだすけをした両氏りょうしやその家族かぞくまで巻まき込こみ、皆みながある意味いみで本意ほんいでない展開てんかいになってしまったことは、西部せいぶ先生せんせい自身じしんが予想よそうしたものでもなかったはずだ」と述のべた[35]。藤井ふじい靖やすし（明星大学めいせいだいがく准じゅん教授きょうじゅ）は「個人こじんの尊厳そんげんを重視じゅうしする観点かんてんに立たてば、西部にしべさんのように自分じぶんで死しぬことを決きめ、そして他者たしゃに幇助ほうじょを依頼いらいすること自体じたいは、善悪ぜんあくでいうと完全かんぜんに悪わるいとはいえない。安楽あんらく死しの議論ぎろんも、日本にっぽんにおいてももっと進すすむべきなのかもしれない」と述のべた[90]。西田にしだ昌司しょうじ（参議院さんぎいん議員ぎいん）は「西部せいぶ先生せんせいも親したしかった人間にんげんが罪つみを被こうむることは望のぞむところではなかったと思おもう」と述のべた[91]。同年どうねん4月がつ7日にち、警視庁けいしちょうは2人ふたりを送検そうけんした[48]。同月どうげつ24日にち、「西部せいぶ邁先生せんせいを偲しのぶ会かい」が都内とないのホテルで開催かいさいされた。会かいには西部せいぶが主宰しゅさいしていた発言はつげん者しゃ塾じゅく・表現ひょうげん者しゃ塾じゅくの関係かんけい者しゃを中心ちゅうしんに約やく300人にんが出席しゅっせきした。富岡とみおか幸一郎こういちろう（文芸ぶんげい評論ひょうろん家か）、黒くろ鉄てつヒロシ（漫画まんが家か）、伊吹いぶき文明ふみあき（元もと衆議院しゅうぎいん議長ぎちょう）、脇わき雅史まさし（元もと参議院さんぎいん議員ぎいん）、中山なかやま恭子きょうこ（参議院さんぎいん議員ぎいん）、佐藤さとう正久まさひさ（参議院さんぎいん議員ぎいん）、丸川まるかわ珠代たまよ（参議院さんぎいん議員ぎいん）、西田にしだ昌司しょうじ（参議院さんぎいん議員ぎいん）、東谷ひがしたに暁あきら（ジャーナリスト）、上島うえしま嘉郎よしろう（ジャーナリスト）、佐さ高信たかのぶ（評論ひょうろん家か）、寺脇てらわき研けん（京都きょうと造形ぞうけい芸術げいじゅつ大学だいがく教授きょうじゅ）、荒井あらい晴彦はるひこ（映画えいが監督かんとく）、阪本さかもと順治じゅんじ（映画えいが監督かんとく）、水島みずしま総そう（日本にっぽん文化ぶんかチャンネル桜さくら社長しゃちょう）、中森なかもり明夫あきお（コラムニスト）、藤井ふじい聡さとし（京都きょうと大学だいがく大学院だいがくいん教授きょうじゅ）、柴山しばやま桂かつら太ふとし（京都きょうと大学だいがく大学院だいがくいん准じゅん教授きょうじゅ）らもこの会かいに出席しゅっせきした。司会しかいは立川たちかわ談だん四よん楼ろう（落語らくご家か）が務つとめた。遺影いえいの前まえには自殺じさつ幇助ほうじょの疑うたがいで逮捕たいほされた2人ふたりの減刑げんけい嘆願たんがん書しょが用意よういされ、出席しゅっせき者しゃが署名しょめいをした。会かいでは故人こじんへの献杯けんぱいが終おわると出席しゅっせき者しゃが順番じゅんばんに登壇とうだんし、西部せいぶへの想おもいを話はなした[91][92]。同月どうげつ26日にち、東京とうきょう地検ちけんはAとKを自殺じさつ幇助ほうじょの罪つみで起訴きそした[93]。同年どうねん5月がつ1日にち、東京とうきょう地裁ちさいは自殺じさつ幇助ほうじょの罪つみで起訴きそされたAとKの保釈ほしゃくを認みとめる決定けっていをした。保釈ほしゃく保証ほしょう金きんはAが250万まん円えん、Kが200万まん円えんだった。Kは即日そくじつ納付のうふした[94]。同年どうねん7月がつ12日にち、自殺じさつ幇助ほうじょの罪つみで起訴きそされたAとKの初はつ公判こうはんが東京とうきょう地裁ちさい（守もり下か実じつ裁判官さいばんかん）で開ひらかれた[95][96]。その公判こうはんに両りょう被告ひこくはスーツ姿すがたで出廷しゅっていし、神妙しんみょうな表情ひょうじょうで冒おかせ陳ひねを聞きいていた[42]。守まもり下か裁判官さいばんかんは両りょう被告ひこくの公判こうはんを分離ぶんりした[26]。

元もと塾頭じゅくとうA[編集へんしゅう]

元もと塾頭じゅくとうAは西部せいぶと約やく20年ねんにわたり親交しんこうがあった[45]。Aはバルブ関連かんれんの会社かいしゃに勤つとめるかたわら、西部せいぶの私塾しじゅく「表現ひょうげん者しゃ塾じゅく」の塾頭じゅくとうも務つとめた[65]。2018年ねん1月がつ10日とおかに収録しゅうろくされたTV番組ばんぐみ『西部せいぶ邁ゼミナール』で、西部せいぶはAを「色々いろいろな世話せわ役やくをやってくれていた」と紹介しょうかいした。同どう番組ばんぐみで西部せいぶが「（Aは）自動車じどうしゃの運転うんてんが好すきで、よく乗のっけてもらう」などと私的してきなエピソードを明あかすとAは笑顔えがおでうなずいていた[55]。同年どうねん4月がつ5日にちに逮捕たいほされたときAは「20年ねん以上いじょうお世話せわになった先生せんせいのためにやらなくてはならないと思おもった」と供述きょうじゅつした[53]。富岡とみおか幸一郎こういちろうは、「Aさんは（西部せいぶ）先生せんせいと古ふるい付つき合あいでした。表現ひょうげん者しゃ塾じゅくの前身ぜんしんの発言はつげん者しゃ塾じゅくのころ、90年代ねんだいからのメンバーです。ほかの塾生じゅくせいのように侃々諤々かんかんがくがくの議論ぎろんをするタイプではなく、我がを出だしませんが、いつも一いち歩ほ引ひいたところで先生せんせいのそばにいました」[37]と述のべた。木村きむら三さん浩ひろしはAについて「西部せいぶ先生せんせいの政治せいじ的てきスタンスや問題もんだい意識いしき、哲学てつがくにいたるまで、深ふかく理解りかいし共有きょうゆうしていた人物じんぶつだと思おもう」と述のべた[35]。Aは初はつ公判こうはんが開ひらかれる前まえに息子むすこらと示談じだんが成立せいりつした[24]。同年どうねん7月がつ12日にちに開ひらかれた初はつ公判こうはんでAは「間違まちがいありません」と述のべ、起訴きそ内容ないようを認みとめた。Aは同どう公判こうはんの被告人ひこくにん質問しつもんで、西部せいぶから「最期さいごは病院びょういんではなく自殺じさつを選えらびたい」と聞きかされていたと述のべた。同どう公判こうはんでは「先生せんせいの意志いしは固かたかった。ただただ、先生せんせいに安心あんしんして逝いってもらいたいだけだった」とも述のべた。閉廷へいてい前まえには「西部せいぶ先生せんせいはいたずらに世間せけんを騒さわがせ、迷惑めいわくをかけることを好このまなかった。何なによりも家族かぞくを大切たいせつにしろ、とおっしゃっていた。…（西部せいぶの遺族いぞくには私わたしの）妻つまや娘むすめのことまで気遣きづかって頂いただき、感謝かんしゃのしようがありません」と述のべた。その公判こうはんでは西部せいぶの息子むすこが証言しょうげん台だいに立たち、西部せいぶが常々つねづね自殺じさつ願望がんぼうを話はなしていたことを明あかし、「Aが話はなしてくれたことは真実しんじつだと信しんじた」と述のべた[42]。検察けんさつは懲役ちょうえき2年ねんを求刑きゅうけいした。弁護べんご側がわは遺族いぞくの処罰しょばつ感情かんじょうが緩和かんわしていることを考慮こうりょして執行しっこう猶予ゆうよ付つきの判決はんけつとするよう求もとめた。Aは即日そくじつ結審けっしんした[24][38][42][96]。同月どうげつ30日にち、Aの判決はんけつ公判こうはんが東京とうきょう地裁ちさいで開ひらかれた。守まもり下か実じつ裁判官さいばんかんは懲役ちょうえき2年ねん、執行しっこう猶予ゆうよ3年ねん（求刑きゅうけい懲役ちょうえき2年ねん）の有罪ゆうざい判決はんけつをい渡いわたした。守まもり下か裁判官さいばんかんが判決はんけつを執行しっこう猶予ゆうよ付つきとした理由りゆうは、「被告ひこくが協力きょうりょくしたのは、かねてから自殺じさつすることを公言こうげんしていた西部にしべ氏しからの働はたらきかけが大おおきかったからである」ことだった[60][97]。

社員しゃいんK[編集へんしゅう]

2018年ねん1月がつ10日とおかに収録しゅうろくされたTV番組ばんぐみ『西部せいぶ邁ゼミナール』で、西部せいぶは番組ばんぐみの編集へんしゅう担当たんとう者しゃである社員しゃいんKの名前なまえを挙あげて「立派りっぱな人ひと」だと述のべた。Kは最後さいごまで西部せいぶのそばにいた。娘むすめによると、西部せいぶとKは親したしい間柄あいだがらだった。東京とうきょうMXテレビの関係かんけい者しゃによると、Kは「西部せいぶさんをとても慕したっていた」。寺脇てらわき研けん（京都きょうと造形ぞうけい芸術げいじゅつ大学だいがく教授きょうじゅ）によると、Kは「西部せいぶ先生せんせいに心酔しんすいしており、お世話せわ係がかりとして常つねに寄より添そっていた」。また寺脇てらわきや関係かんけい者しゃによると、西部せいぶもKの家族かぞくを気きにかけるなど彼かれらは厚あつい信頼しんらい関係かんけいにあった。木村きむら三さん浩ひろしによると、西部せいぶは酒席しゅせきでも何なにかあると「Kくんを呼よんでくれ」と言いって頼たよりにしていた。木村きむらはKについて「とても礼儀れいぎ正ただしい人物じんぶつで、優やさしさとともに強つよい正義せいぎ感かんを持もった好こう青年せいねんである。…（西部せいぶ）先生せんせいはよく『おい、K君くんを呼よんでくれ! 』と言いって電話でんわをかけ、K氏しも時間じかんが折おり合あう時ときにはその場ばに駆かけつけていた。西部せいぶ先生せんせいがK氏しをとても頼たよりにしていたのがよくわかった。K氏しは、口数くちかずは少すくないが、自身じしんの立場たちばをわきまえた振ふる舞まいができる人ひとであり、西部せいぶ先生せんせいが使つかう独特どくとくの表現ひょうげんや形容けいようを、自身じしんでかみ砕くだいて体得たいとくしていた。また、西部せいぶ先生せんせいの考かんがえ方かたや生いき方かたに強つよく惹ひかれているように見みえた…酒さけを飲のんでいる時とき、究極きゅうきょく的てきに信頼しんらいできる人間にんげんとはどんな人間にんげんかという話題わだいになった。西部せいぶ先生せんせいは戦後せんごの高度こうど成長せいちょうを支ささえ『電力でんりょくの鬼おに』と呼よばれた財界ざいかい人じん、松永まつなが安やすし左ひだりエ門もんの言葉ことばを借かりて『刑務所けいむしょに入はいったことがある人ひと』『大病たいびょうをしたことがある人ひと』『放蕩ほうとうしたことがある人ひと』であると答こたえると、K氏しが深ふかくうなづきながら『そうですね』と共感きょうかんしていたことが印象いんしょうに残のこっている」と述のべた。富岡とみおか幸一郎こういちろうはKについて、「塾生じゅくせいではなかったものの、シンポジウムなどにはよく参加さんかしていました。先生せんせいの人間にんげん力りょく、存在そんざい感かんに共鳴きょうめいしていたんだと思おもいます」と述のべた[30][33][35][37][43][55][71]。同年どうねん4月がつ5日にちに逮捕たいほされたときKは「先生せんせいの死生しせい観かんを尊重そんちょうし、力ちからになりたいと思おもった」と供述きょうじゅつした[61][98]。同月どうげつ12日にちには、Kの勾留こうりゅう理由りゆう開示かいじ手続てつづきが東京とうきょう地裁ちさいで開ひらかれた。Kは「隠滅いんめつする証拠しょうこは持もっていません。寛容かんような判断はんだんをお願ねがいします」と早期そうき釈放しゃくほうを求もとめた[99]。同月どうげつ26日にちに東京とうきょう地検ちけんにより起訴きそされて以降いこう、KはMXエンターテインメント株式会社かぶしきがいしゃを出勤しゅっきん停止ていしとなった[65]。またKは、刑事けいじ裁判さいばんでは争あらそう構かまえを示しめした[65]。その後ご、西部せいぶとK双方そうほうに親交しんこうがあった西田にしだ昌司しょうじ（参議院さんぎいん議員ぎいん）や佐さ高だか信しんじ（評論ひょうろん家か）ら5、6人にんの有志ゆうしが中心ちゅうしんになってKを救すくう会かいを設立せつりつした。Kは代理人だいりにんの弁護士べんごしを立たてており、刑事けいじ裁判さいばんの弁護士べんごし費用ひようも工面くめんしなければならないため会かいが周囲しゅういにカンパを呼よびかけた[65]。同年どうねん7月がつ12日にちに開ひらかれた初はつ公判こうはんで、Kは「時間じかんの経過けいかは事実じじつだが、入水じゅすいはご自分じぶんのご意志いしで動うごいた」「（自殺じさつは）私わたしが働はたらきかけたものではありません」「（私わたしの行為こういは）自殺じさつを幇助ほうじょしたものではありません」と述のべ、起訴きそ内容ないようを否認ひにんして無罪むざいを主張しゅちょうし、争あらそう構かまえをみせた。また西部せいぶが体からだにハーネスや重おもりを装着そうちゃくするのを手伝てつだったことについてKは「あくまで遺体いたいが流ながされないようにして発見はっけんを早はやめるために用意よういした」と述のべた。弁護べんご側がわは「単たんに西部せいぶさんに同行どうこうしただけに過すぎない」と主張しゅちょうした[38][42][96]。同月どうげつ31日にちにはKの第だい2回かい公判こうはんが開ひらかれた[42]。同年どうねん9月がつ12日にち、MXエンターテインメント株式会社かぶしきがいしゃはKを懲戒ちょうかい解雇かいこした[100][101]。同月どうげつ14日にち、東京とうきょう地裁ちさいでKの判決はんけつ公判こうはんが開ひらかれた[102]。同どう公判こうはんで守もり下か実じつ裁判官さいばんかんは「自殺じさつを心理しんり的てき、物理ぶつり的てきに容易よういにした」として懲役ちょうえき2年ねん、執行しっこう猶予ゆうよ3年ねん（求刑きゅうけい懲役ちょうえき2年ねん）をい渡いわたした[102]。守まもり下か裁判官さいばんかんは、執行しっこう猶予ゆうよ付つき判決はんけつが相当そうとうとした理由りゆうとして「被告ひこくが協力きょうりょくしたのは西部せいぶさんからの働はたらきかけが大おおきかった」からであることと「西部せいぶさんの自殺じさつの意思いしが固かたかった」ことを挙あげた[102][103]。長尾ながお和宏かずひろ（医師いし）は「執行しっこう猶予ゆうよがついたことで、私わたしは少すこし安心あんしんした」と述のべた[104]。

元もと塾頭じゅくとうAと社員しゃいんKへの判決はんけつ確定かくてい後ご[編集へんしゅう]

2019年ねん1月がつ19日にちには星陵会館せいりょうかいかん（東京とうきょう都と千代田ちよだ区く）で「シンポジウム 西部せいぶ邁氏を偲しのぶ」が開ひらかれた[105]。このシンポジウムでは宮崎みやざき正弘まさひろが冒頭ぼうとうの挨拶あいさつをし、富岡とみおか幸一郎こういちろう、西村にしむら幸さいわい祐ゆう、三浦みうら小太郎こたろうが講演こうえんをした。また歌手かしゅの紀伊國屋きのくにや美智子みちこがオペラを披露ひろうした。

2021年ねん1月がつ21日にち、一水会いちすいかいは西部せいぶの命日めいにちを「ファシスタ忌き」と命名めいめいし、青年せいねん有志ゆうしとともに多摩川たまがわ河川敷かせんしきで献花けんかをした。彼かれらは生前せいぜんに西部せいぶから受うけた指導しどうに感謝かんしゃし、日本にっぽんの対たい米べい自立じりつを改あらためて誓ちかった[106]。

人物じんぶつ[編集へんしゅう]

  • 西部せいぶは自分じぶんの好すき嫌きらいについて次つぎのように述のべている[107]。
好すき 嫌きらい
人物じんぶつ 自分じぶん 自分じぶん
言葉ことば 保守ほしゅ 革新かくしん
食たべ物もの うどん 幕まくの内うち弁当べんとう
学問がくもん ある種しゅの哲学てつがく あらゆる種類しゅるいの経済けいざい学がく
芸術げいじゅつ ある種しゅの絵画かいが 最近さいきんの文学ぶんがく
スポーツ なし なし
動物どうぶつ 猫ねこ 人間にんげんと言いいたいところだが、なし
宗教しゅうきょう すべての旧きゅう宗教しゅうきょうと言いいたいところだが、なし すべての新興しんこう宗教しゅうきょうと言いいたいところだが、なし
国くに（人種じんしゅ） まずイタリア、次つぎにイギリスと言いいたいが、やはり日本にっぽん まずアメリカ、次つぎに韓国かんこくと言いいたいが、やはり日本にっぽん

主張しゅちょう[編集へんしゅう]

大衆たいしゅう社会しゃかい批判ひはん[編集へんしゅう]

ホセ・オルテガ・イ・ガセットに影響えいきょうを受うけた大衆たいしゅう社会しゃかい論ろんを展開てんかいした。

天皇てんのう論ろん[編集へんしゅう]

皇位こうい継承けいしょう問題もんだい[編集へんしゅう]

皇室こうしつの皇位こうい継承けいしょうについて、日本にっぽん国家こっかを統合とうごうするための象徴しょうちょう機能きのうは皇室こうしつにおいて、つまり「血ち」統みつるよりも「家いえ」系けいを重視じゅうしする方向ほうこうにおいて、よりよく維持いじされると思おもわれるということを理由りゆうに、「女系じょけい」にも「女子じょし」にも皇位こうい継承けいしょうが可能かのうなように皇室こうしつ典範てんぱん第だい二に条じょうの「継承けいしょうの順位じゅんい」を変更へんこうしたほうがよいと述のべた[112]。これに対たいし、一部いちぶから「左ひだりに回帰かいきした」との反発はんぱつが起おこった。西部せいぶは天皇てんのうについてたびたび論ろんじている[113][114][115][116][117][118][119][120][121][122][123][124][125][126]。

政治せいじ家か及および政党せいとうに対たいする評価ひょうか[編集へんしゅう]

安倍晋三あべしんぞう[編集へんしゅう]

2017年ねん10月がつ、週刊しゅうかんダイヤモンドのインタビュー中ちゅう、安倍晋三あべしんぞうを名指なざしして「陋習とそうでないものを峻別しゅんべつしながら伝統でんとうを守まもるのが保守ほしゅ。故ゆえに保守ほしゅではない」「戦後せんごの日本人にっぽんじんの愚おろかさ加減かげんがにじみ出でていると言いえる」と評ひょうした[127]。

小沢おざわ一郎いちろう[編集へんしゅう]

『小沢おざわ一郎いちろうは背広せびろを着きたゴロツキである。』（2010年ねん）では、ポピュリストであると罵倒ばとうしている。

民主党みんしゅとう[編集へんしゅう]

民主党みんしゅとう政権せいけんができる前まえから「必かならずや日本にっぽんを解体かいたいに導みちびきます」と述のべていた[128]。しかし雑誌ざっし『時局じきょく』2006年ねん（平成へいせい18年ねん）6月がつ号ごうでは民主党みんしゅとうへのかすかな期待きたいについて論ろんじた[129]。尖閣諸島せんかくしょとう情勢じょうせいが緊迫きんぱく化かするのにともない、中国ちゅうごくで不買ふばい運動うんどうや工場こうじょうの破壊はかいがおきると以前いぜんから予測よそくしていた。その後ご、結果けっか的てきにその通とおりの事態じたいが生しょうじている[130]。

アメリカ批判ひはん[編集へんしゅう]

イラク戦争せんそう[編集へんしゅう]

2003年ねんのイラク戦争せんそうについて、木村きむら三さん浩ひろしと共ともに「これはアメリカの間違まちがいである」、「アメリカのアグレッション、侵略しんりゃくである」、「国際こくさい法ほうなんて大たいしたもんじゃないんだけれども、まがりなりにもあるルールをアメリカのように極きわめて意図いと的てきに策略さくりゃく的てきに踏ふみにじって、国連こくれん決議けつぎまでも蹂躙じゅうりんしながら行いくというのは、どういうことなのか」、「こういう侵略しんりゃくを許ゆるすわけにはいかない」と声こえをあげた[131]。また木村きむらと共ともに2003年ねん、論文ろんぶん集しゅう『鬼畜きちく米べい英えい がんばれサダム・フセインふざけんなアメリカ！！』を鹿砦ろくさい社しゃから上梓じょうしした。『産経新聞さんけいしんぶん』、『正論せいろん』、『諸君しょくん!』などを中心ちゅうしんとする日本にっぽんの親米しんべい保守ほしゅの知識ちしき人じんたちと一線いっせんを画かくし彼かれらを批判ひはんした[132]。

安全あんぜん保障ほしょう[編集へんしゅう]

国家こっかの自立じりつと自尊じそんの確保かくほを目指めざす立場たちばから[133]日本にっぽんの核かく武装ぶそう、徴兵ちょうへい制せいの導入どうにゅう、防衛ぼうえい費ひの倍増ばいぞう、尖閣諸島せんかくしょとうの実効じっこう支配しはい強化きょうかを主張しゅちょうしていた。

経済けいざい理論りろん[編集へんしゅう]

消費しょうひ税ぜい[編集へんしゅう]

税ぜいの応益おうえき説せつと能力のうりょく説せつについて、次つぎのように解説かいせつしている。「なんらかの公共こうきょう支出ししゅつにたいする負担ふたんを論ろんじる場合ばあい、その公共こうきょう施策しさくから利益りえきを得える者ものがそれを負担ふたんせよといういわゆる応益おうえき説せつに対たいし、それを負担ふたんする能力のうりょくのある者ものが支払しはらえといういわゆる能力のうりょく説せつが依然いぜんとして人々ひとびとに訴求そきゅうする力ちからをもっている」[134]

その上うえで、税制ぜいせいにおける能力のうりょく説せつ（累進るいしん課税かぜい）と応益おうえき説せつ（消費しょうひ税ぜいなど）との併用へいようを主張しゅちょうしている。この点てんについて次つぎのように述のべている。「社会しゃかいは「共同きょうどうの企くわだて」と「個別こべつの企くわだて」の二に重じゅう的てき構成こうせいになっている。現実げんじつの公共こうきょう施設しせつ・サービスはそれら両りょう層そうに及およぶであろうから、実際じっさいの税制ぜいせいにあっては能力のうりょく説せつと応益おうえき説せつとを併用へいようするほかない。」[135]

能力のうりょく説せつと応益おうえき説せつの考かんがえ方かたの原則げんそくについては次つぎのように述のべている。「私わたしのいいたいのは「共同きょうどうの企くわだて」に深ふかくかかわる公共こうきょう支出ししゅつを目的もくてきにするときには、能力のうりょく説せつにもとづいて累進るいしん課税かぜいを手段しゅだんとしたらどうか、そして、人々ひとびとの「個別こべつの企くわだて」において発生はっせいするものとしての「市場いちばの失敗しっぱい」を矯正きょうせいするための公共こうきょう支出ししゅつを目的もくてきとする場合ばあいには、人頭じんとう税ぜいなり応おう益税えきぜいなりを手段しゅだんとすべきではないか、というものである。…もちろん、これは考かんがえ方かたの原則げんそくであって、実際じっさいの税制ぜいせいを（税収ぜいしゅうの支出ししゅつ先さきを特定とくていしたものとしての）目的もくてき税ぜいにせよということではない。そんなことをすれば税制ぜいせいの伸縮しんしゅく性せいが損そこなわれてしまう」[136]

雑誌ざっしの刊行かんこう[編集へんしゅう]

1994年ねん（平成へいせい6年ねん）4月がつ、真正しんしょう保守ほしゅ思想しそうを標榜ひょうぼうする月刊げっかん誌し『発言はつげん者しゃ』（西部せいぶ邁事務所じむしょ、秀明ひであき出版しゅっぱん会かい）を創刊そうかんし主幹しゅかんを務つとめていたが2005年ねん（平成へいせい17年ねん）3月がつ、財政ざいせい上じょうの理由りゆうにより廃刊はいかん。

1997年ねん（平成へいせい9年ねん）の創刊そうかんから1998年ねん（平成へいせい10年ねん）の休刊きゅうかんまで英文えいぶん雑誌ざっし『JAPAN CURRENTS』（日本にっぽん国民こくみん文化ぶんか研究所けんきゅうじょ）の総合そうごう監修かんしゅうを務つとめた。

2003年ねん（平成へいせい15年ねん）7月がつ、『北きたの発言はつげん』を創刊そうかんするがその後ご財政ざいせい上じょうの理由りゆうにより廃刊はいかん。

2005年ねん（平成へいせい17年ねん）6月がつより『発言はつげん者しゃ』の後継こうけい誌し『表現ひょうげん者しゃ』（MXエンターテインメント）を刊行かんこう。西部せいぶはその顧問こもんを務つとめた。

受賞じゅしょう[編集へんしゅう]

西部せいぶ邁を取とり上あげた作品さくひん[編集へんしゅう]

書籍しょせき[編集へんしゅう]

  • 西村にしむら幸さいわい祐ゆう、富岡とみおか幸一郎こういちろう、三浦みうら小太郎こたろう『西部せいぶ邁 日本人にっぽんじんへの警告けいこく わが国くににとって「保守ほしゅvs.革新かくしん」とは何なにだったのか』〈知的ちてき発見はっけん！BOOK 029〉、イースト・プレス、2018年ねん6月がつ。ISBN 9784286199238。
  • 高澤たかさわ秀次しゅうじ『評伝ひょうでん 西部せいぶ邁』毎日新聞まいにちしんぶん出版しゅっぱん、2020年ねん1月がつ。ISBN 9784620326160。
  • 渡辺わたなべ望のぞむ『西部せいぶ邁：「非行ひこう保守ほしゅ」の思想家しそうか』論ろん創そう社しゃ、2021年ねん3月がつ。ISBN 9784846016142。
  • 寺脇てらわき研けん『西部せいぶ邁が支持しじしたアメリカ映画えいが論ろん』鹿砦ろくさい社しゃ、2021年ねん7月がつ。ISBN 9784846314156。
  • 保阪ほさか正ただし康やすし『Nの廻廊かいろう : ある友ともをめぐるきれぎれの回想かいそう』講談社こうだんしゃ、2023年ねん3月がつ。ISBN 9784065306932。 - タイトルにある「N」とは西部せいぶ邁のことである。
  • 森田もりた実みのる、藤井ふじい聡さとし『「西部せいぶ邁」を語かたる』論ろん創そう社しゃ、2024年ねん1月がつ。ISBN 978-4-8460-2359-1。

雑誌ざっし特集とくしゅう[編集へんしゅう]

  • 2018年ねん4月がつ16日にち発売はつばいの隔月かくげつ刊かん誌し『表現ひょうげん者しゃcriterion』は「西部せいぶ邁 永訣えいけつの歌うた」という特集とくしゅうを組くんだ[141]。
  • 同月どうげつ28日にち発売はつばいの雑誌ざっし『映画えいが芸術げいじゅつ』463号ごうは「追悼ついとう 西部せいぶ 邁」という特集とくしゅうを組くんだ[142]。
  • 隔月かくげつ刊かん誌し『表現ひょうげん者しゃクライテリオン』2022年ねん1月がつ号ごうは「通巻つうかん一いち〇〇号ごう記念きねん　回想かいそう・西部せいぶ邁」という特集とくしゅうを組くんだ[143]。

新聞しんぶん[編集へんしゅう]

  • 佐伯さえき啓あきら思おもえ「The考こう 死生しせい観かんを失うしなった日本人にっぽんじん 寄稿きこう 西部せいぶ邁の死しから4年ねん」『産経新聞さんけいしんぶん』2022年ねん1月がつ9日にち

TV番組ばんぐみ[編集へんしゅう]

  • 同年どうねん12月がつ27日にちにはNHK総合そうごうテレビでTV番組ばんぐみ「事件じけんの涙なみだ 死しにたいと言いった父ちちへ～西部せいぶ邁 自殺じさつほう助じょ事件じけん～」が放映ほうえいされた。同どう番組ばんぐみでは西部せいぶの娘むすめと息子むすこがNHKの取材しゅざいに応おうじた[72]。

インターネット配信はいしん番組ばんぐみ[編集へんしゅう]

  • 2018年ねん2月がつ10日とおか、チャンネル桜さくらで「討論とうろん 追悼ついとう・西部せいぶ邁と日本にっぽん」が放映ほうえいされた。上島うえしま嘉郎よしろう（元もと産経新聞さんけいしんぶん社しゃ『月刊げっかん正論せいろん』編集へんしゅう長ちょう・ジャーナリスト）、クライン孝子こうし（ノンフィクション作家さっか）、佐藤さとう健志たけし（評論ひょうろん家か）、富岡とみおか幸一郎こういちろう（文芸ぶんげい評論ひょうろん家か・関東学院大学かんとうがくいんだいがく教授きょうじゅ）、西田にしだ昌司しょうじ（参議院さんぎいん議員ぎいん）、浜崎はまざき洋介ようすけ（文芸ぶんげい批評ひひょう家か）、藤井ふじい聡さとし（京都きょうと大学だいがく大学院だいがくいん教授きょうじゅ・内閣ないかく官房かんぼう参与さんよ）、脇わき雅史まさし（前ぜん参議院さんぎいん議員ぎいん）が出演しゅつえんし、水島みずしま総そうが司会しかいを務つとめた[144]。
  • 2022年ねん1月がつ21日にち、チャンネル桜さくら北海道ほっかいどうで「北海道ほっかいどう人じん 西部せいぶ邁を偲しのんで」が放映ほうえいされた。沢田さわだ英一ひでかず（一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん 北海道ほっかいどう歴史れきし伝統でんとう文化ぶんか環境かんきょう保全ほぜん機構きこう理事りじ）、川田かわたただひさ（札幌さっぽろ市議会しぎかい議員ぎいん）、本間ほんま奈々なな（国守くにもり衆しゅう北海道ほっかいどう代表だいひょう・新党しんとうくにもり代表だいひょう）が出演しゅつえんした。

連載れんさい[編集へんしゅう]

新聞しんぶん[編集へんしゅう]

  • 2006年ねん（平成へいせい18年ねん）4月がつ5日にちから2007年ねん（平成へいせい19年ねん）3月がつ28日にちまで、『産経新聞さんけいしんぶん』に「保守ほしゅ再考さいこう」（全ぜん44回かい）を連載れんさいした。
  • 2010年ねん（平成へいせい22年ねん）4月がつ21日にちから2013年ねん（平成へいせい25年ねん）3月がつ6日にちまで、『毎日新聞まいにちしんぶん』の「異論いろん反論はんろん」欄らんを他たの3名めいの寄稿きこう者しゃとの持もち回まわりで担当たんとうした。

雑誌ざっし[編集へんしゅう]

  • 『時局じきょく』（時局じきょく社しゃ）に1994年ねん（平成へいせい6年ねん）4月がつ号ごうから2014年ねん（平成へいせい26年ねん）10月がつ号ごうまで「平成へいせい哲学てつがく指南しなん」を連載れんさいした。
  • 『表現ひょうげん者しゃ』（MXエンターテインメント）で「巻末かんまつオピニオン」を連載れんさいしていた。
  • 『言げん志こころざし』（ブクログ）に2012年ねん（平成へいせい24年ねん）8月がつの創刊そうかん号ごうから「今いま号ごうのコラム」を連載れんさいしていた。
  • 『まこも草子ぞうしNEO』（企画きかく制作せいさく : デラフィック）に123号ごう（2015年ねん（平成へいせい27年ねん）7月がつ発行はっこう）から「マコモ党とう宣言せんげん」を連載れんさいしていた。

出演しゅつえん[編集へんしゅう]

TV[編集へんしゅう]

レギュラー
2005年ねん4月がつ、立川談志たてかわだんし、野末のずえ陳平ちんぺい、吉村よしむら作治さくじ、毒どく蝮まむし三太夫さんだゆうと「談だんシング5（ファイブ）」を結成けっせい。立川談志たてかわだんしの喉のどの治療ちりょうのため、2008年ねん8月がつ30日にちに放送ほうそうを一時いちじ休止きゅうし。
2008年ねん10月がつ、『談だん志こころざし・陳平ちんぺいの言いいたい放ひだい』の後のち番組ばんぐみとして『続ぞく・言いいたい放ひだい』を開始かいしし司会しかいを務つとめる。2009年ねん1月がつより番組ばんぐみ名めいを『西部せいぶ邁ゼミナール〜戦後せんごタブーをけっとばせ〜』と改題かいだい。一時期いちじき過去かこの放送ほうそう分ぶんも公式こうしきサイトから視聴しちょうすることができた。
ゲスト出演しゅつえん
一時期いちじきは準じゅんレギュラーでもあった[要よう出典しゅってん]。
2008年ねん以降いこう頻繁ひんぱんに出演しゅつえん[要よう出典しゅってん]。
日本にっぽん文化ぶんかチャンネル桜さくら開局かいきょく以降いこう不定期ふていき出演しゅつえん[要よう出典しゅってん]。

映画えいが[編集へんしゅう]

タイトル 監督かんとく 公開こうかい年ねん
LEFT ALONE 井土いど紀州きしゅう 2005年ねん
ベオグラード1999 金子かねこ遊ゆう 2009年ねん

著書ちょしょ[編集へんしゅう]

単たん著ちょ[編集へんしゅう]

  • 『ソシオ・エコノミックス 集団しゅうだんの経済けいざい行動こうどう』中央公論社ちゅうおうこうろんしゃ、1975年ねん。ISBN 978-4-12-000592-3。NDLJP:11940856。 
  • 『蜃気楼しんきろうの中なかへ 遅おくればせのアメリカ体験たいけん』日本にっぽん評論ひょうろん社しゃ、1979年ねん6月がつ。ISBN 978-4-535-57465-6。NDLJP:12181369。 
  • 『経済けいざい倫理りんり学がく序説じょせつ』中央公論社ちゅうおうこうろんしゃ、1983年ねん3月がつ。ISBN 978-4-12-001172-6。NDLJP:11941243。 
    • 『経済けいざい倫理りんり学がく序説じょせつ』中央公論社ちゅうおうこうろんしゃ〈中公ちゅうこう文庫ぶんこ〉、1991年ねん11月。ISBN 4-12-201854-4。 
    • 『経済けいざい倫理りんり学がく序説じょせつ』（改版かいはん）中央公論ちゅうおうこうろん新しん社しゃ〈中公ちゅうこう文庫ぶんこ〉、2014年ねん7月がつ。ISBN 978-4-12-205983-2。 
  • 『ケインズ』岩波書店いわなみしょてん〈20世紀せいき思想家しそうか文庫ぶんこ 7〉、1983年ねん4月がつ。ISBN 978-4-00-004407-3。 
    • 『ケインズ』明月めいげつ堂どう書店しょてん、2005年ねん7月がつ。ISBN 4-903145-02-6。 
    • 『ケインズ』中野なかの剛志たけし 解説かいせつ、佐伯さえき啓あきら思おもえ 解説かいせつ、明月めいげつ堂どう書店しょてん、2021年ねん9月がつ。ISBN 9784903145730。 
  • 『大衆たいしゅうへの反逆はんぎゃく』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう、1983年ねん7月がつ。ISBN 978-4-16-338090-2。 
  • 『生なままじめな戯じゃれ 価値かち相対そうたい主義しゅぎとの闘たたかい』筑摩書房ちくましょぼう、1984年ねん7月がつ。ISBN 978-4-480-85231-1。NDLJP:12237678。 
    • 『生なままじめな戯じゃれ 価値かち相対そうたい主義しゅぎとの闘たたかい』筑摩書房ちくましょぼう〈ちくま文庫ぶんこ〉、1992年ねん1月がつ。ISBN 4-480-02594-4。 
  • 『幻像げんぞうの保守ほしゅへ』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう、1985年ねん7月がつ。ISBN 978-4-16-339870-9。NDLJP:12240017。 
  • 日本にっぽん放送ほうそう協会きょうかい 編へん『大衆たいしゅう社会しゃかいのゆくえ』日本にっぽん放送ほうそう出版しゅっぱん協会きょうかい〈NHK市民しみん大学だいがく〉、1986年ねん7月がつ。 
  • 『六ろく〇年ねん安保あんぽ センチメンタル・ジャーニー』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう、1986年ねん10月がつ。ISBN 4-16-340990-4。 
    • 『六ろく〇年ねん安保あんぽ センチメンタル・ジャーニー』洋よう泉いずみ社しゃ〈MC新書しんしょ 17〉、2007年ねん6月がつ。ISBN 978-4-86248-149-8。 
    • 『六ろく〇年ねん安保あんぽ センチメンタル・ジャーニー』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう〈文春ぶんしゅん学藝がくげいライブラリー 思想しそう 19〉、2018年ねん6月がつ。ISBN 978-4-16-813074-8。 
  • 『大衆たいしゅうの病理びょうり 袋小路ふくろこうじにたちすくむ戦後せんご日本にっぽん』日本にっぽん放送ほうそう出版しゅっぱん協会きょうかい〈NHKブックス 518〉、1987年ねん1月がつ。ISBN 4-14-001518-7。 
  • 『近代きんだい経済けいざい思想しそう』放送大学ほうそうだいがく教育きょういく振興しんこう会かい〈放送大学ほうそうだいがく教材きょうざい〉、1987年ねん3月がつ。ISBN 978-4-14-531941-8。 
    • 『西部せいぶ邁の経済けいざい思想しそう入門にゅうもん』左右さゆう社しゃ〈放送大学ほうそうだいがく叢書そうしょ019〉、2012年ねん6月がつ。ISBN 978-4-903500-77-5。  - 西部せいぶ (1987b)に加筆かひつ・訂正ていせいを行おこなった。
  • 『批評ひひょうする精神せいしん』PHP研究所けんきゅうじょ、1987年ねん6月がつ。ISBN 4-569-22038-X。NDLJP:12234232。 
    • 『続ぞく 批評ひひょうする精神せいしん』PHP研究所けんきゅうじょ、1989年ねん8月がつ。ISBN 4-569-52542-3。NDLJP:12240374。 
    • 『批評ひひょうする精神せいしん 3』PHP研究所けんきゅうじょ、1992年ねん1月がつ。ISBN 4-569-53524-0。NDLJP:12240380。 
    • 『批評ひひょうする精神せいしん 4』PHP研究所けんきゅうじょ、1993年ねん2月がつ。ISBN 4-569-53894-0。NDLJP:12240054。 
  • 『貧困ひんこんなる過剰かじょう ビジネス文明ぶんめいを撃うつ』日本経済新聞社にほんけいざいしんぶんしゃ、1987年ねん9月がつ。ISBN 4-532-09450-X。 
    • 『貧困ひんこんなる過剰かじょう ビジネス文明ぶんめいを撃うつ』PHP研究所けんきゅうじょ〈PHP文庫ぶんこ〉、1991年ねん12月。ISBN 4-569-56435-6。 
  • 『大だい錯覚さっかく時代じだい』新潮社しんちょうしゃ、1987年ねん10月がつ。ISBN 4-10-367501-2。 
  • 『剥はがされた仮面かめん 東大とうだい駒場こまんば騒動そうどう記き』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう、1988年ねん7月がつ。ISBN 4-16-342480-6。 
  • 『大衆たいしゅう民主みんしゅ主義しゅぎを疑うたがう』自由民主党じゆうみんしゅとう調査ちょうさ局きょく政治せいじ資料しりょう研究けんきゅう会議かいぎ〈情報じょうほう資料しりょう 368号ごう〉、1988年ねん11月。https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001982244-00。 
  • 『新しん・学問がくもん論ろん』講談社こうだんしゃ〈講談社こうだんしゃ現代新書げんだいしんしょ 936〉、1989年ねん2月がつ。ISBN 4-06-148936-4。 
  • 『学者がくしゃ この喜劇きげき的てきなるもの』草くさ思おもえ社しゃ、1989年ねん6月がつ。ISBN 4-7942-0345-4。 
  • 『サンチョ・キホーテの眼め』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう、1989年ねん6月がつ。ISBN 4-16-343340-6。 
  • 『ニヒリズムを超こえて』日本文芸社にほんぶんげいしゃ、1989年ねん10月がつ。ISBN 4-537-04986-3。 
    • 『ニヒリズムを超こえて』佐伯さえき啓あきら思おもえ 解説かいせつ、角川かどかわ春樹はるき事務所じむしょ〈ハルキ文庫ぶんこ〉、1997年ねん11月。ISBN 4-89456-362-2。 
  • 『マスコミ亡国ぼうこく論ろん 日本にっぽんはなぜ“卑いやしい国くに”になったのか』光文社こうぶんしゃ〈カッパ・ブックス〉、1990年ねん4月がつ。ISBN 4-334-00494-6。 
    • 『マスコミ亡国ぼうこく論ろん 日本にっぽんはなぜ“卑いやしい国くに”になったのか』新野しんの哲也てつや 解説かいせつ（き手きて）、青あお志こころざし社しゃ、2018年ねん6月がつ。ISBN 978-4-86590-064-4。 新装しんそう選書せんしょ版ばん
  • 『白昼はくちゅうへの意志いし 現代げんだい民主みんしゅ政治せいじ論ろん』中央公論社ちゅうおうこうろんしゃ、1991年ねん1月がつ。ISBN 4-12-001988-8。 
  • 『マスメディアを撃うて』PHP研究所けんきゅうじょ、1991年ねん2月がつ。ISBN 4-569-52976-3。 
  • 『戦争せんそう論ろん 絶対ぜったい平和へいわ主義しゅぎ批判ひはん』日本文芸社にほんぶんげいしゃ、1991年ねん6月がつ。ISBN 4-537-05003-9。 
    • 『戦争せんそう論ろん 暴力ぼうりょくと道徳どうとくのあいだ』角川かどかわ春樹はるき事務所じむしょ〈ハルキ文庫ぶんこ〉、2002年ねん2月がつ。ISBN 4-89456-957-4。 
  • 『思想しそう史しの相貌そうぼう 近代きんだい日本にっぽんの思想家しそうかたち』世界文化社せかいぶんかしゃ、1991年ねん6月がつ。ISBN 4-418-91511-7。 
    • 『思想しそう史しの相貌そうぼう』徳間書店とくましょてん〈徳間とくま文庫ぶんこ〉、1997年ねん12月。ISBN 4-19-890809-5。 
    • 『日本にっぽんの保守ほしゅ思想しそう』角川かどかわ春樹はるき事務所じむしょ〈ハルキ文庫ぶんこ〉、2012年ねん5月がつ。ISBN 978-4-7584-3662-5。  - 西部せいぶ (1997f)を改題かいだい。
  • 『私わたしの憲法けんぽう論ろん 日本国にっぽんこく憲法けんぽう改正かいせい試案しあん』徳間書店とくましょてん、1991年ねん6月がつ。ISBN 4-19-554590-0。 
    • 『私わたしの憲法けんぽう論ろん 真正しんせい保守ほしゅによる改正かいせい試案しあん』徳間書店とくましょてん〈徳間とくま文庫ぶんこ〉、1999年ねん5月がつ。ISBN 4-19-891110-X。 
    • 『わが憲法けんぽう改正かいせい案あん 「大切たいせつな心しん」を忘わすれた日本人にっぽんじん』ビジネス社しゃ、2004年ねん4月がつ。ISBN 4-8284-1115-1。  - 西部せいぶ (1999b)を改訂かいてい。追加ついかの文章ぶんしょうを随処ずいしょに挿入そうにゅう。
    • 『わが憲法けんぽう改正かいせい案あん 思考しこう停止ていしの日本人にっぽんじんを撃うつ！ 新版しんぱん』ビジネス社しゃ、2020年ねん5月がつ。ISBN 4-8284-2180-7。 
  • 『人間にんげん論ろん』日本文芸社にほんぶんげいしゃ、1992年ねん4月がつ。ISBN 4-537-05012-8。 
    • 『人間にんげん論ろん』PHP研究所けんきゅうじょ〈PHP文庫ぶんこ〉、1996年ねん3月がつ。ISBN 4-569-56837-8。 
  • 『「成熟せいじゅく」とは何なにか 新しん政経せいけい学がくのすすめ』講談社こうだんしゃ、1993年ねん4月がつ。ISBN 4-06-206429-4。 
  • 『リベラルマインド 歴史れきしの知恵ちえに学まなび、時代じだいの危機ききに耐たえる思想しそう』学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ、1993年ねん7月がつ。ISBN 4-05-105638-4。 
    • 『再刊さいかん リベラル マインド 歴史れきしの智恵ちえに学まなび、時代じだいの危機ききに耐たえる思想しそう』西部にしべ智子さとこ 再刊さいかんあとがき、中島なかじま岳志たけし 再刊さいかんのための解説かいせつ、エイアンドエフ、2021年ねん4月がつ。ISBN 978-4909355249。 
  • 『歴史れきし感覚かんかく 何なにが保守ほしゅ政治せいじの神髄しんずいか』PHP研究所けんきゅうじょ、1994年ねん6月がつ。ISBN 4-569-54318-9。 
  • 『歴史れきしの復権ふっけん 「文明ぶんめい」と「成熟せいじゅく」の構図こうず』東洋経済新報社とうようけいざいしんぽうしゃ〈日本にっぽんを考かんがえる〉、1994年ねん7月がつ。ISBN 4-492-08554-8。 
  • 『死生しせい論ろん』日本文芸社にほんぶんげいしゃ、1994年ねん11月。ISBN 4-537-05035-7。 
    • 『死生しせい論ろん』角川かどかわ春樹はるき事務所じむしょ〈ハルキ文庫ぶんこ〉、1997年ねん5月がつ。ISBN 4-89456-311-8。 
  • 『世人せじんに言上ごんじょうしたきことあり』新潮社しんちょうしゃ、1996年ねん1月がつ。ISBN 4-10-367502-0。 
  • 『現在げんざいへの証言しょうげん 平成へいせいの世よと切きり結むすぶ』廣済堂こうさいどう出版しゅっぱん、1996年ねん2月がつ。ISBN 4-331-50519-7。 
  • 『破壊はかい主義しゅぎ者しゃの群むれ その蛮行ばんこうから日本にっぽんをいかに守まもるか』PHP研究所けんきゅうじょ、1996年ねん3月がつ。ISBN 4-569-54969-1。 
  • 『思想しそうの英雄えいゆうたち 保守ほしゅの源流げんりゅうをたずねて』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう、1996年ねん4月がつ。ISBN 4-16-350900-3。 
    • 『思想しそうの英雄えいゆうたち 保守ほしゅの源流げんりゅうをたずねて』角川かどかわ春樹はるき事務所じむしょ〈ハルキ文庫ぶんこ〉、2012年ねん1月がつ。ISBN 978-4-7584-3629-8。 
  • 『知性ちせいの構造こうぞう』角川かどかわ春樹はるき事務所じむしょ、1996年ねん7月がつ。ISBN 4-89456-025-9。 
    • 『知性ちせいの構造こうぞう』角川かどかわ春樹はるき事務所じむしょ〈ハルキ文庫ぶんこ〉、2002年ねん11月。ISBN 4-7584-3014-4。 
  • 『知識ちしき人じんの生態せいたい』PHP研究所けんきゅうじょ〈PHP新書しんしょ〉、1996年ねん11月。ISBN 4-569-55365-6。 
  • 『「国柄くにがら」の思想しそう』徳間書店とくましょてん、1997年ねん1月がつ。ISBN 4-19-860634-X。 
  • 『日本人にっぽんじんと武士ぶし道どう』角川かどかわ春樹はるき事務所じむしょ、1997年ねん12月。ISBN 4-89456-045-3。 スティーヴン・ナッシュ名義めいぎ。
    • 『日本人にっぽんじんと武士ぶし道どう』角川かどかわ春樹はるき事務所じむしょ〈ハルキ文庫ぶんこ〉、2004年ねん5月がつ。ISBN 4-7584-3104-3。 スティーヴン・ナッシュ名義めいぎ。
  • 『恐慌きょうこう前夜ぜんやの独ひとり言ごと』新潮社しんちょうしゃ、1998年ねん2月がつ。ISBN 4-10-367503-9。 
  • 『なぜ「日本にっぽん売うり」は起おきたのか 愚おろかなるかな、改革かいかく論ろん者しゃよ』PHP研究所けんきゅうじょ、1998年ねん3月がつ。ISBN 4-569-55977-8。 
  • 『国家こっかと歴史れきし 状況じょうきょうの中なかで』秀明ひであき出版しゅっぱん会かい〈発言はつげん者しゃ双書そうしょ 1〉、1998年ねん4月がつ。ISBN 4-915855-11-2。 
  • 『寓ぐう喩たとえとしての人生じんせい』徳間書店とくましょてん、1998年ねん6月がつ。ISBN 4-19-860864-4。 
  • 『西部せいぶ邁の論争ろんそうの手引てびき』日刊工業新聞社にっかんこうぎょうしんぶんしゃ〈B&Tブックス〉、1998年ねん9月がつ。ISBN 4-526-04242-0。 
  • 『虚無きょむの構造こうぞう』飛鳥新社あすかしんしゃ、1999年ねん4月がつ。ISBN 4-87031-366-9。 
    • 『虚無きょむの構造こうぞう』中央公論ちゅうおうこうろん新しん社しゃ〈中公ちゅうこう文庫ぶんこ〉、2013年ねん8月がつ。ISBN 978-4-12-205830-9。 
  • 『西部せいぶ邁の論争ろんそうふたたび 対たい米べい属国ぞっこくからぬけでる方法ほうほう』日刊工業新聞社にっかんこうぎょうしんぶんしゃ〈B&Tブックス〉、1999年ねん11月。ISBN 4-526-04470-9。 
    • 『アメリカの大罪だいざい』小学しょうがく館かん〈小学館しょうがくかん文庫ぶんこ〉、2003年ねん7月がつ。ISBN 4-09-405711-0。  - 西部せいぶ (1999c)を再編さいへん。
  • 『福澤ふくさわ諭吉ゆきち その武士ぶし道どうと愛国心あいこくしん』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう、1999年ねん12月。ISBN 4-16-355800-4。 
    • 『福澤ふくさわ諭吉ゆきち その報国ほうこく心しんと武士ぶし道どう』中野なかの剛志たけし 解説かいせつ、中央公論ちゅうおうこうろん新しん社しゃ〈中公ちゅうこう文庫ぶんこ〉、2013年ねん6月がつ。ISBN 978-4-12-205799-9。 
  • 新あたらしい歴史れきし教科書きょうかしょをつくる会かい 編へん『国民こくみんの道徳どうとく』産経新聞さんけいしんぶんニュースサービス、2000年ねん10月がつ。ISBN 978-4-594-02937-1。 
  • 『ナショナリズムの仁ひとし・義よし』PHP研究所けんきゅうじょ、2000年ねん12月。ISBN 4-569-61428-0。 
  • 『エコノミストの犯罪はんざい 「失うしなわれた10年ねん」を招まねいたのは誰だれか』PHP研究所けんきゅうじょ、2002年ねん4月がつ。ISBN 4-569-62063-9。 
  • 『保守ほしゅ思想しそうのための39章しょう』筑摩書房ちくましょぼう〈ちくま新書しんしょ〉、2002年ねん9月がつ。ISBN 4-480-05966-0。 
  • 『人生じんせいの作法さほう』飛鳥新社あすかしんしゃ、2002年ねん10月がつ。ISBN 4-87031-521-1。 
  • 『獅子ししたりえぬ超ちょう大国たいこく なぜアメリカは強迫きょうはく的てきに世界せかい覇権はけんを求もとめるのか』日本にっぽん実業じつぎょう出版しゅっぱん社しゃ、2003年ねん4月がつ。ISBN 4-534-03569-1。 
  • 『学問がくもん』講談社こうだんしゃ、2004年ねん4月がつ。ISBN 4-06-212369-X。 
  • 『人生じんせい読本とくほん』ダイヤモンド社だいやもんどしゃ、2004年ねん7月がつ。ISBN 4-478-70311-6。 
  • 『友情ゆうじょう ある半はんチョッパリとの四よん十じゅう五ご年ねん』新潮社しんちょうしゃ、2005年ねん4月がつ。ISBN 4-10-367504-7。 
    • 『友情ゆうじょう ある半はんチョッパリとの四よん十じゅう五ご年ねん』筑摩書房ちくましょぼう〈ちくま文庫ぶんこ〉、2011年ねん5月がつ。ISBN 978-4-480-42827-1。 
    • 『友情ゆうじょう ある半はんチョッパリとの四よん十じゅう五ご年ねん』青あお志こころざし社しゃ、2018年ねん10月がつ。ISBN 9784865900712。 
  • 『無念むねんの戦後せんご史し』講談社こうだんしゃ、2005年ねん8月がつ。ISBN 4-06-213057-2。 
  • 『核かく武装ぶそう論ろん 当あたり前まえの話はなしをしようではないか』講談社こうだんしゃ〈講談社こうだんしゃ現代新書げんだいしんしょ 1884〉、2007年ねん3月がつ。ISBN 978-4-06-149884-6。 
  • 『教育きょういく 不可能ふかのうなれども』ダイヤモンド社だいやもんどしゃ、2007年ねん7月がつ。ISBN 978-4-478-00200-1。 
  • 『「日本国にっぽんこく憲法けんぽう」を読よむ（上うえ）』イプシロン出版しゅっぱん企画きかく、2007年ねん8月がつ。ISBN 978-4-903145-20-4。 
    • 『「日本国にっぽんこく憲法けんぽう」を読よむ（下した）』柴山しばやま桂かつら太ふとし 解説かいせつ、イプシロン出版しゅっぱん企画きかく、2008年ねん9月がつ。ISBN 978-4-903145-21-1。 
  • 『妻つまと僕ぼく 寓話ぐうわと化かす我われらの死し』飛鳥新社あすかしんしゃ、2008年ねん7月がつ。ISBN 978-4-87031-851-9。 
    • 『妻つまと僕ぼく 寓話ぐうわと化かす我われらの死し』西部にしべ智子さとこ 特別とくべつ寄稿きこう 父ちちと母ははの風景ふうけい、青あお志こころざし社しゃ、2018年ねん7月がつ。ISBN 978-4-86590-066-8。 
  • 『サンチョ・キホーテの旅たび』新潮社しんちょうしゃ、2009年ねん3月がつ。ISBN 978-4-10-367505-1。 
  • 『陥没かんぼつする世界せかいのなかでの「しあわせ」論ろん』ジョルダン〈ジョルダンブックス〉、2009年ねん1月がつ。ISBN 978-4-915933-07-3。 
  • 『だからキミの悩なやみは黄金おうごんに輝かがやく 西部せいぶ邁の人生じんせい相談そうだん』ジョルダン〈ジョルダンブックス〉、2009年ねん4月がつ。ISBN 978-4-915933-20-2。 
  • 『14歳さいからの戦争せんそう論ろん』ジョルダン〈ジョルダンブックス〉、2009年ねん10月がつ。ISBN 978-4-915933-25-7。 
  • 『昔むかし、言葉ことばは思想しそうであった 語源ごげんからみた現代げんだい』時事通信じじつうしん出版しゅっぱん局きょく、2009年ねん11月。ISBN 978-4-7887-0974-4。 
  • 『焚書坑儒ふんしょこうじゅのすすめ エコノミストの恣意しいを思惟しいして』ミネルみねるヴァ書房ぁしょぼう、2009年ねん11月。ISBN 978-4-623-05621-7。 
  • 『小沢おざわ一郎いちろうは背広せびろを着きたゴロツキである。 私わたしの政治せいじ家か見み験けん録ろく』飛鳥新社あすかしんしゃ、2010年ねん7月がつ。ISBN 978-4-86410-029-8。 
  • 『文明ぶんめいの敵てき・民主みんしゅ主義しゅぎ――危機ききの政治せいじ哲学てつがく』時事通信じじつうしん出版しゅっぱん局きょく、2011年ねん3月がつ。ISBN 978-4-7887-1166-2。 
  • 『そろそろ子供こどもと「本当ほんとうの話はなし」をしよう』ベストブック〈Big birdのbest books〉、2012年ねん8月がつ。ISBN 978-4-8314-0176-2。 
  • 『「世論せろん」の逆ぎゃくがおおむね正ただしい――西部せいぶ邁ゼミナール』産經新聞さんけいしんぶん出版しゅっぱん、2012年ねん10月がつ。ISBN 978-4-8191-1188-1。 
  • 『金銭きんせん（かね）の咄噺（はなし）』NTT出版しゅっぱん、2012年ねん11月。ISBN 978-4-7571-5084-3。 
  • 『どんな左翼さよくにもいささかも同意どういできない18の理由りゆう』幻まぼろし戯おどけ書房しょぼう、2013年ねん1月がつ。ISBN 978-4-86488-012-1。 
  • 『実存じつぞんと保守ほしゅ 危機ききが炙あぶり出だす「人ひとと世せい」の真実しんじつ』角川かどかわ春樹はるき事務所じむしょ、2013年ねん4月がつ。ISBN 978-4-7584-1216-2。 
  • 『保守ほしゅの辞典じてん』幻まぼろし戯おどけ書房しょぼう、2013年ねん5月がつ。ISBN 978-4-86488-022-0。 
  • 『中江なかえ兆民ちょうみん 百ひゃく年ねんの誤解ごかい』黒くろ鉄てつヒロシ 絵え、時事通信じじつうしん出版しゅっぱん局きょく、2013年ねん11月30日にち。ISBN 978-4-7887-1310-9。 
  • 『生なまと死し、その非凡ひぼんなる平凡へいぼん』新潮社しんちょうしゃ、2015年ねん4月がつ。ISBN 978-4-10-367506-8。 
  • 『ファシスタたらんとした者もの』中央公論ちゅうおうこうろん新しん社しゃ、2017年ねん6月がつ。ISBN 978-4-12-004986-6。 
  • 『保守ほしゅの真髄しんずい――老ろう酔狂すいきょうで語かたる文明ぶんめいの紊乱びんらん』講談社こうだんしゃ〈講談社こうだんしゃ現代新書げんだいしんしょ 2455〉、2017年ねん12月。ISBN 978-4-06-288455-6。 
  • 『保守ほしゅの遺言ゆいごん――JAP.COM衰滅すいめつの状況じょうきょう』平凡社へいぼんしゃ〈平凡社へいぼんしゃ新書しんしょ 872〉、2018年ねん3月がつ。ISBN 978-4-582-85872-3。 
  • 富岡とみおか幸一郎こういちろう 編へん『西部せいぶ邁 自じ死しについて』アーツアンドクラフツ、2018年ねん5月がつ。ISBN 978-4-908028-28-1。 
  • 『流言りゅうげん流行りゅうこうへの一撃いちげき : 西部せいぶ邁18年ねんの軌跡きせき I』千葉ちば弘志ひろし（株式会社かぶしきがいしゃベストブック代表だいひょう取締役とりしまりやく） はじめに、ベストブック、2018年ねん10月がつ。ISBN 9784831402240。 
    • 『流言りゅうげん流行りゅうこうへの一撃いちげき : 西部せいぶ邁18年ねんの軌跡きせき II』ベストブック、2018年ねん10月がつ。ISBN 9784831402257。 
    • 『流言りゅうげん流行りゅうこうへの一撃いちげき : 西部せいぶ邁18年ねんの軌跡きせき III』ベストブック、2018年ねん10月がつ。ISBN 9784831402264。 
    • 『流言りゅうげん流行りゅうこうへの一撃いちげき : 西部せいぶ邁18年ねんの軌跡きせき IV』西部にしべ智子さとこ ご挨拶あいさつ、ベストブック、2018年ねん10月がつ。ISBN 9784831402271。 [注ちゅう 1]

共著きょうちょ[編集へんしゅう]

一部いちぶ執筆しっぴつ／インタビュー書籍しょせき[編集へんしゅう]

翻訳ほんやく[編集へんしゅう]

  • ミルトン・フリードマン『価格かかく理論りろん』内田うちだ忠夫ただお・深谷ふかや昌弘まさひろ 訳やく、好学こうがく社しゃ、1972。ISBN 978-4-7690-1111-8。 
  • A・ヒアチェ 編へん『シュムペーターのヴィジョン 『資本しほん主義しゅぎ・社会しゃかい主義しゅぎ・民主みんしゅ主義しゅぎ』の現代げんだい的てき評価ひょうか』西部せいぶ邁 他た訳やく、HBJ出版しゅっぱん局きょく、1983-08。ISBN 4-8337-5002-3。 

音声おんせい・動画どうが作品さくひん[編集へんしゅう]

  • 『真正しんしょう保守ほしゅ思想しそうを求もとめて』 2巻かん、エピック・ソニー、1989。 
  • 『西部せいぶ邁の「反論はんろんを待まつ」』 2巻かん、エピック・ソニー、1990。 
  • 『西部せいぶ邁の「反論はんろんを待まつ」』 3巻かん、エピック・ソニー、1990。 
  • 中京ちゅうきょうテレビ 編へん『メディアが世界せかいを変かえる』 第だい16巻かん、丸善まるぜん。 NCID BA39435719。 

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 会員かいいん制せい情報じょうほう誌し『ベルダ』に18年ねんに渡わたり連載れんさいしたコラム。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

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  3. ^ 西部せいぶ (2008a)の巻末かんまつに西部せいぶの詳細しょうさいな経歴けいれきが掲載けいさいされている。また西部せいぶは『寓ぐう喩たとえとしての人生じんせい』（徳間書店とくましょてん、1998年ねん）という自伝じでんを公表こうひょうしている。
  4. ^ 西部せいぶ 1984a
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  93. ^ 「西部せいぶ邁さん自殺じさつ幇助ほうじょ MX子会社こがいしゃ社員しゃいんら2人にん起訴きそ 東京とうきょう地検ちけん」『産経新聞さんけいしんぶん』2018-04-26、2018-09-23閲覧えつらん。 
  94. ^ 「MX子会社こがいしゃ社員しゃいんら保釈ほしゃく決定けってい 西部せいぶ邁さん自殺じさつ幇助ほうじょ」『産経新聞さんけいしんぶん』2018-05-01、2018-09-23閲覧えつらん。 
  95. ^ 「西部せいぶ邁さん自殺じさつほう助じょ、知人ちじん男性だんせいら7月がつ初はつ公判こうはん」『産経新聞さんけいしんぶん』2018-06-05、2018-09-23閲覧えつらん。 
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  98. ^ 「「先生せんせいの死生しせい観かん尊重そんちょう」と供述きょうじゅつ 西部せいぶ邁さん自殺じさつ幇助ほうじょで逮捕たいほのテレビ局てれびきょく子会社こがいしゃ社員しゃいん」『産経新聞さんけいしんぶん』2018-04-06、2018-09-06閲覧えつらん。 
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  100. ^ 「元もと東京とうきょうMX系けい社員しゃいんに有罪ゆうざい判決はんけつ 西部せいぶ邁さんの自殺じさつほう助じょ」『日本経済新聞にほんけいざいしんぶん』2018-09-14、2018-09-26閲覧えつらん。 
  101. ^ 「東京とうきょうMXテレビ、元もと社員しゃいんの有罪ゆうざい判決はんけつで謝罪しゃざい「重おもく受うけ止とめております」 西部にしべさん自殺じさつほう助じょ」『スポニチ』2018-09-15、2018-09-26閲覧えつらん。 
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  103. ^ 「西部にしべさん自殺じさつほう助じょで有罪ゆうざい 元もとMX子会社こがいしゃ社員しゃいんに」『共同通信きょうどうつうしん』2018-09-14、2018-09-26閲覧えつらん。 
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参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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