(Translated by https://www.hiragana.jp/)
軍隊の編制 - Wikipedia コンテンツにスキップ

軍隊ぐんたい編制へんせい

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

軍隊ぐんたい編制へんせい(ぐんたいのへんせい)は軍隊ぐんたい装備そうび将兵しょうへい管理かんりし、戦闘せんとう能力のうりょく発揮はっきさせるために構成こうせいされた組織そしき構造こうぞうである。

近代きんだい陸軍りくぐん階層かいそう構造こうぞう

[編集へんしゅう]

現代げんだいまでつづ近代きんだい陸軍りくぐん編制へんせいは、根幹こんかんとなる部隊ぶたい名称めいしょううえでは、18世紀せいきナポレオンひきいたフランスぐんのものからあまりわっていない。しかしその中身なかみ複雑ふくざつ柔軟じゅうなんけて20世紀せいきおおきく様変さまがわりした。

兵科へいか

[編集へんしゅう]

括弧かっこない別名べつめい

など

部隊ぶたい単位たんい

[編集へんしゅう]

近代きんだい陸軍りくぐん部隊ぶたい単位たんいは、以下いかとおりである。小隊しょうたい複数ふくすう分隊ぶんたい構成こうせいされ、中隊ちゅうたい複数ふくすう小隊しょうたい構成こうせいされ……と階層かいそう構造こうぞうをなす。詳細しょうさいはそれぞれの単位たんいごとの項目こうもく参照さんしょうのこと。

20世紀せいきには、旅団りょだん - 連隊れんたい - 大隊だいたいのうちのどれかをはぶ編制へんせいひろまった(旅団りょだんがなく連隊れんたい師団しだん隷下れいかアメリカ海兵かいへいたいロシア陸軍りくぐんロシア空挺くうていぐんなど。連隊れんたいがなく大隊だいたい旅団りょだん隷下れいかアメリカ陸軍りくぐんドイツ連邦れんぽう陸軍りくぐんなど。大隊だいたいがなく中隊ちゅうたい連隊れんたい隷下れいかフランス陸軍りくぐん陸上りくじょう自衛隊じえいたいなど)。

NATOしき部隊ぶたい規模きぼ記号きごう 名称めいしょう 人数にんずう 従属じゅうぞく部隊ぶたい 指揮しきかん
XXXXXX そうぐん 多数たすう(10まん以上いじょう 複数ふくすうぐん集団しゅうだん以上いじょう部隊ぶたい 元帥げんすいから大将たいしょう
XXXXX ぐん集団しゅうだん 2〜4ぐん
XXXX ぐん 50,000から60,000ないしはそれ以上いじょう 2〜4軍団ぐんだんまたは師団しだん 元帥げんすいから中将ちゅうじょう
XXX 軍団ぐんだん 30,000以上いじょう 2〜4師団しだん 大将たいしょうまたは中将ちゅうじょう[ちゅう 1]
XX 師団しだん 10,000から20,000 2〜4旅団りょだんまたは連隊れんたい 中将ちゅうじょうまたは少将しょうしょう
X 旅団りょだん 2,000から8,000 2〜4連隊れんたいまたは大隊だいたい 少将しょうしょうまたはじゅんしょうまたは大佐たいさ
III 連隊れんたい 500から5,000 2〜4大隊だいたいまたは複数ふくすう中隊ちゅうたい 大佐たいさまたは中佐ちゅうさ
II 大隊だいたい 300から1,000 2〜4中隊ちゅうたい 中佐ちゅうさまたは少佐しょうさ
I 中隊ちゅうたい 60から250 3〜4小隊しょうたい 少佐しょうさから中尉ちゅうい
••• 小隊しょうたい 30から60 2〜3分隊ぶんたい 中尉ちゅういから軍曹ぐんそう
••または• 分隊ぶんたい(またははん 8から12 なし。複数ふくすうくみけられる場合ばあいもある 軍曹ぐんそうから兵長へいちょう
Ø はん(またはくみ 4〜6 伍長ごちょうから一等いっとうへい
なし くみ 1〜6 なし

小隊しょうたいまたは中隊ちゅうたいよりうえ単位たんいは、「司令しれい」または「本部ほんぶ」とばれる指揮しきせんもんしょう単位たんい編制へんせいないゆうすることがおおい。また、歩兵ほへい部隊ぶたい場合ばあいは、歩兵ほへい連隊れんたいの「歩兵ほへいほう中隊ちゅうたい」のような火力かりょく支援しえん担当たんとうしょう単位たんいゆうすることがおおい。

戦争せんそう遂行すいこうじょう、これらの部隊ぶたい単位たんいは、おおきく戦略せんりゃく単位たんい作戦さくせん単位たんい戦術せんじゅつ単位たんいけられる。だい世界せかい大戦たいせん前後ぜんごまでは、技術ぎじゅつてき教義きょうぎてき問題もんだいによって指揮しき統制とうせい十分じゅうぶん細密さいみつされていなかったことから作戦さくせん単位たんいという概念がいねんうすく、師団しだんよりうえ階梯かいてい戦略せんりゃく単位たんい旅団りょだんよりした階梯かいてい戦術せんじゅつ単位たんいとしてあつかうことがおおかった。その通信つうしん技術ぎじゅつ戦闘せんとう教義きょうぎ洗練せんれんされ、また限定げんてい戦争せんそう状況じょうきょうへの対処たいしょふたた重視じゅうしされるようになったことから、作戦さくせん単位たんいという概念がいねんさい創出そうしゅつされた。

戦略せんりゃく作戦さくせん単位たんいには、後方こうほう支援しえんのために必要ひつよう人員じんいん装備そうびそなわっており、単体たんたい完結かんけつしている。戦術せんじゅつ単位たんいは、通常つうじょうひとつの主力しゅりょく兵科へいか編成へんせいされており、上級じょうきゅう部隊ぶたい配属はいぞくされてその一部いちぶとなって補給ほきゅうまかなうか、必要ひつよう人員じんいん装備そうびおぎなってもらうか(増強ぞうきょう連隊れんたい(イギリス)や混成こんせい旅団りょだん戦闘せんとうだん(アメリカ)など)しないと、能力のうりょく継続けいぞくてき発揮はっきできない。戦略せんりゃく作戦さくせん戦術せんじゅつ単位たんい区分くぶん流動的りゅうどうてきであり、時代じだいくにによって多様たようである。現代げんだいアメリカぐんにおいては、戦略せんりゃく単位たんいとしてぐんが、作戦さくせん単位たんいとして軍団ぐんだん師団しだんが、戦術せんじゅつ単位たんいとして旅団りょだん戦闘せんとうだん設置せっちされている。

戦略せんりゃく単位たんいは、平時へいじには存在そんざいしない場合ばあいがあり、作戦さくせん必要ひつようおうじて自在じざい部隊ぶたい編成へんせいする。このレベルでは各国かっこくごとのかたちがいもおおきい。だい世界せかい大戦たいせん当時とうじには、きゅう日本にっぽん陸軍りくぐんには軍団ぐんだんがなく、ぐんうえ方面ほうめんぐん (area army)、そうぐん (general army)、ソ連それん戦線せんせん(front、東部とうぶ戦線せんせんなどの用語ようごとの混同こんどうふせぐため『方面ほうめんぐん』ともやくされる)、アメリカにぐん集団しゅうだん (army group)、またドイツにぐん集団しゅうだんそうぐんなどがあった。

また、伝統でんとうてきなこれらの単位たんい以外いがいにも、より柔軟じゅうなん部隊ぶたい編制へんせいとして、集団しゅうだん(「ぐん集団しゅうだん」ではない。「ぐん」はかんされない)やぐんおよびたいなどがある。

戦時せんじ編制へんせい単位たんい

[編集へんしゅう]

戦時せんじにおいて隷属れいぞく系統けいとう兵科へいかことなる部隊ぶたいみあわせ、独立どくりつした作戦さくせん行動こうどう出来できるようなひとつの単位たんい編成へんせいすることがある。具体ぐたいてき名称めいしょうくになどによってことなるが、れいとしては兵団へいだん複数ふくすう師団しだん旅団りょだんわせたもの)、支隊したいおおきさや構成こうせいわず、一時いちじてき編成へんせいされた独立どくりつ部隊ぶたい規模きぼ大隊だいたいきゅうから旅団りょだんきゅう)などがある。なお、「戦時せんじ編制へんせい」というかたりがあるが、これは「平時へいじ編制へんせい」とたいになる言葉ことばで、有事ゆうじさい常設じょうせつ師団しだんなどの規模きぼ大型おおがたした状態じょうたいのことをう。師団しだん隷下れいかしょう単位たんい構成こうせい人員じんいんやし、あるいはしょう単位たんい増設ぞうせつして戦時せんじ編制へんせい移行いこうする。戦時せんじ編制へんせい単位たんいのことではない。

作戦さくせん戦術せんじゅつじょう必要ひつようにより、常設じょうせつ編成へんせいとはべつに、臨時りんじ編成へんせいする組織そしきとして、戦闘せんとうだん連隊れんたいなどをかく支援しえん部隊ぶたい付加ふかしたもの)、増強ぞうきょう○○あるいは戦闘せんとうぐん戦闘せんとうだん小規模しょうきぼなもの。○○はかくとなる部隊ぶたい単位たんいとうがある。

特異とくいなもの

[編集へんしゅう]

現代げんだい軍事ぐんじ組織そしきにおいては上記じょうきのような区分くぶんのみならず英語えいご表記ひょうきGroupForce および Command などとあらわされる単位たんい存在そんざいする。これらはそれぞれの軍事ぐんじ組織そしきにおいて任務にんむかい指揮しきかん職位しょくい階級かいきゅうあるいは所属しょぞくする軍事ぐんじ組織そしき事情じじょうなどで区別くべつされる。これらは日本語にほんごでの(ぎゃくにその言語げんご場合ばあいでも)翻訳ほんやくれい様々さまざまである。

ぐん(Group)
ぐんとは、
  1. 複数ふくすう大隊だいたいから戦闘せんとう部隊ぶたいまたは支援しえん部隊ぶたい
  2. 特定とくてい任務にんむめいぜられた部隊ぶたいないいち組織そしき複数ふくすう航空機こうくうきまたは艦船かんせんをもって構成こうせい
とアメリカ国防総省こくぼうそうしょう用語ようご[1]定義ていぎされている。
コマンド(Command)
組織そしき用語ようごとしてのコマンドとは、ぐんことなり普遍ふへんてき適訳てきやくがなく、このため当該とうがい組織そしき性格せいかく機能きのう規模きぼなどにおうそうかんぐん集団しゅうだんぐん部隊ぶたいたいやくされる。このためおおくの場合ばあい、コマンドは司令しれいやくされない[1]

各国かっこく陸軍りくぐん編制へんせい

[編集へんしゅう]

大日本帝国だいにっぽんていこく陸軍りくぐん

[編集へんしゅう]

きゅう日本にっぽん陸軍りくぐんではおも編制へんせい単位たんいに「そうぐん」、「方面ほうめんぐん」、「ぐん」、「集団しゅうだん」、「師団しだん」、「旅団りょだん」、「だん」、「連隊れんたい」、「戦隊せんたい」、「大隊だいたい」、「中隊ちゅうたい」、「小隊しょうたい」、「分隊ぶんたい」があった。うち平時へいじにも設置せっちされているものは師団しだんから中隊ちゅうたいで、ぐん以上いじょう軍令ぐんれいなどにより設置せっちされる。小隊しょうたい分隊ぶんたい戦時せんじなど、動員どういんさい中隊ちゅうたいわか設置せっちされる。だん以上いじょう司令しれいもうけられ、連隊れんたい以下いか中隊ちゅうたいまでは本部ほんぶかれる。

集団しゅうだん」は師団しだんじゅんずる規模きぼのものと師団しだん統括とうかつする規模きぼものと2種類しゅるいあった。前者ぜんしゃ騎兵きへい集団しゅうだん挺進ていしん集団しゅうだん飛行ひこう集団しゅうだんなどがあり、飛行ひこう集団しゅうだんのち飛行ひこうだんへと改編かいへんされた。後者こうしゃ複数ふくすう師団しだん独立どくりつ混成こんせい旅団りょだん統括とうかつするもので、「パラオ地区ちく集団しゅうだん」、「北部ほくぶマリアナ地区ちく集団しゅうだん」、「南部なんぶマリアナ地区ちく集団しゅうだん」などがあった。同様どうよう師団しだん相当そうとうないしぐん相当そうとう部隊ぶたいとして「兵団へいだん」があり、「ささえ駐屯ちゅうとん兵団へいだん」、「東京湾とうきょうわん兵団へいだん」、「小笠原おがさわら兵団へいだん」、「航空こうくう兵団へいだん」などがれいである。ただし、兵団へいだん文字もじといった用法ようほうのように、師団しだん旅団りょだんなどことを総称そうしょうして「兵団へいだん」とぶこともあり、この場合ばあい正式せいしき編制へんせい単位たんいとしての用法ようほうではない。

師団しだんおも師団しだん司令しれいと2歩兵ほへい旅団りょだんかく2歩兵ほへい連隊れんたい)、砲兵ほうへい騎兵きへい工兵こうへい輜重しちょうへい連隊れんたい師団しだん通信つうしんたい衛生えいせいたい野戦やせん病院びょういん兵器へいき勤務きんむたい構成こうせいされた。歩兵ほへい旅団りょだんにはそれぞれ2歩兵ほへい連隊れんたいぞくしていた。これを4単位たんい編制へんせいあるいは4単位たんい師団しだんといい、にちちゅう戦争せんそうはじまったころまではこの編制へんせい基本きほんとなっていた。にちちゅう戦争せんそうから太平洋戦争たいへいようせんそうはじまるころには、それまでかく師団しだんに4歩兵ほへい連隊れんたいずつあったものを1個いっこ連隊れんたいずつ抽出ちゅうしゅつしそれをもってあらたな師団しだん編成へんせいした。師団しだんには歩兵ほへい連隊れんたいが3ずつ配置はいちされており、それまで歩兵ほへい連隊れんたい上位じょういであった歩兵ほへい旅団りょだんはいされ、歩兵ほへいだん編成へんせいされた。これを3単位たんい編制へんせいあるいは3単位たんい師団しだんという。これは作戦さくせん地域ちいき広範囲こうはんいになり、戦略せんりゃく単位たんいである師団しだんかずやして対応たいおうしたためである。歩兵ほへい戦力せんりょく減少げんしょうしたが、わりに砲兵ほうへい戦車せんしゃなどの部隊ぶたい増員ぞういんしたため、しょ外国がいこく師団しだんいては総合そうごうてき戦力せんりょく向上こうじょうしたとされる。また、日本にっぽんでは師団しだんちょうなが中将ちゅうじょうしょくで、さらとくおや補職ほしょくとしていたが、終戦しゅうせん間際まぎわ新設しんせつされた機動きどう打撃だげき師団しだんなどの師団しだんちょうおや補職ほしょくでは少将しょうしょう任命にんめいされた。その一部いちぶ教導きょうどう師団しだん飛行ひこう師団しだんなどでは少将しょうしょうが「師団しだんちょう心得こころえ」をつとめた。

にちちゅう戦争せんそう戦線せんせん拡大かくだいおうじて、治安ちあん維持いじには師団しだんより小規模しょうきぼ独立どくりつ混成こんせい旅団りょだんおお編成へんせいされる。独立どくりつ混成こんせい旅団りょだんは、1個いっこ旅団りょだん規模きぼ歩兵ほへい部隊ぶたい砲兵ほうへい戦車せんしゃ工兵こうへいなどのとく部隊ぶたいをあわせて独立どくりつした作戦さくせんおこなえるようにしたもの。おおくの独立どくりつ混成こんせい旅団りょだん歩兵ほへい連隊れんたいく、4または5独立どくりつ歩兵ほへい大隊だいたい旅団りょだんほう兵隊へいたい旅団りょだん工兵こうへいたい旅団りょだん通信つうしんたいなどで構成こうせいされやく5000にん規模きぼになる。独立どくりつ混成こんせい旅団りょだんはおおよそ100編成へんせいされたが、このうちいくつかは師団しだん改編かいへんされる。これとはべつに、「独立どくりつ」の名称めいしょうかんさない「混成こんせい旅団りょだん」という編制へんせいもあり、一般いっぱんには、師団しだん全部ぜんぶ動員どういんするわりに、師団しだんない歩兵ほへい旅団りょだん砲兵ほうへいなどを臨時りんじぶんぞくさせて動員どういんしたものである。ただし、だい世界せかい大戦たいせんちゅう師団しだん一部いちぶには、師団しだんない旅団りょだんとして歩兵ほへい旅団りょだんわりに最初さいしょから混成こんせい旅団りょだんれいがある。

なお、上記じょうき以外いがいに「たい」も使用しようされており、「○○師団しだん通信つうしんたい」、「○○師団しだん工兵こうへいたい」、「○○師団しだんほう兵隊へいたい」、「○○師団しだん戦車せんしゃたい」、「○○師団しだん捜索そうさくたい」、「○○師団しだん輜重しちょうたい」など多数たすう存在そんざいし、満州まんしゅうこくうち駐留ちゅうりゅうする部隊ぶたいには連隊れんたい同等どうとう規模きぼである国境こっきょう守備しゅびたい独立どくりつ守備しゅびたいなどが配置はいちされていた。

このほか、軍隊ぐんたい区分くぶんばれる作戦さくせんじょう都合つごうによる臨時りんじ組織そしきえをおこなうことがあった。支隊したいおおくはこの軍隊ぐんたい区分くぶん方式ほうしき編成へんせいされたほか、かく師団しだん患者かんじゃ収容しゅうようたい防疫ぼうえき給水きゅうすいなども軍隊ぐんたい区分くぶん設置せっちされることがある。

航空こうくう部隊ぶたい編制へんせい

[編集へんしゅう]

通称つうしょうごう兵団へいだん符号ふごう

[編集へんしゅう]

戦時せんじにおいて部隊ぶたいたいごう防諜ぼうちょうのため、新聞しんぶんなど一般いっぱん戦果せんか発表はっぴょうする場合ばあい指揮しきかんせい部隊ぶたい種別しゅべつわせて発表はっぴょうされた。独立どくりつ混成こんせい旅団りょだんおよび師団しだん以上いじょうは「兵団へいだん」、一般いっぱん旅団りょだん連隊れんたい大隊だいたいは「部隊ぶたい」、中隊ちゅうたい小隊しょうたい分隊ぶんたいは「たい」とし、「山田やまだ兵団へいだん」・「中川なかがわ部隊ぶたい」のように使用しようした。

この使用しようほう1940ねん昭和しょうわ15ねん)に改定かいていされ「兵団へいだん文字もじ」が制定せいていされた。これはかく兵団へいだんに1文字もじまたは2文字もじ漢字かんじからなる兵団へいだん文字もじ兵団へいだん符号ふごう通称つうしょうごう防諜ぼうちょうめいともう)をてた。当該とうがい兵団へいだん本体ほんたいぶには「兵団へいだん文字もじ+兵団へいだん」のかたちばれ、だい2師団しだんでは「いさむ兵団へいだん」だった。その隷下れいか部隊ぶたいには3けた〜5けた番号ばんごうられ、「いさむだい1339部隊ぶたいだい2師団しだん司令しれい」)、「いさむだい1301部隊ぶたい歩兵ほへいだい4連隊れんたい)」、「いさむだい1302部隊ぶたい歩兵ほへいだい16連隊れんたい)」のようにしょうした。師団しだん場合ばあい番号ばんごうられるのは歩兵ほへい旅団りょだんまたは歩兵ほへいだんおよび歩兵ほへい連隊れんたいならびに砲兵ほうへい工兵こうへい連隊れんたい師団しだん司令しれい師団しだん通信つうしんたい野戦やせん病院びょういん衛生えいせいたいなど。所属しょぞくしている兵団へいだんわると、勿論もちろん兵団へいだん文字もじわるが通常つうじょう番号ばんごうわらない。しかし、ぜん部隊ぶたいとおしての通番つうばんではなかったのでわることもあった。

軍隊ぐんたい符号ふごう

[編集へんしゅう]

軍隊ぐんたいにおいては部隊ぶたいなどのたいごう種類しゅるい兵種へいしゅなどを簡略かんりゃく表記ひょうきした符号ふごうとして、記号きごうである「たいしるべ」と文字もじである「略字りゃくじ」が使用しようされ、これらは軍隊ぐんたい符号ふごうしょうされる。このうち略字りゃくじ」はラテン文字もじおよびアラビア数字すうじローマ数字すうじによって構成こうせいされており、陸軍りくぐんではドイツ語どいつごないし日本語にほんご頭文字かしらもじ海軍かいぐんでは英語えいごないし日本語にほんご頭文字かしらもじおももちいられた。いちれいとして陸軍りくぐんにおいては「SA(そうぐん)」、「HA(方面ほうめんぐん)」、「A(ぐん、ドイツの Armee より)」、「D(師団しだん)」、「B(旅団りょだんだん)」、「R(連隊れんたい)」、「b(大隊だいたい)」、「K / c(中隊ちゅうたい)」などが使用しようされていた。航空こうくう部隊ぶたいにおいてはおおむね「F(ドイツの Flieger より)」をかんし、「FSA(航空こうくうそうぐん)」、「FA(航空こうくうぐん)」、「FD(飛行ひこう師団しだん) / KD(航空こうくう師団しだん)」、「FB(飛行ひこうだん)」、「FR(飛行ひこう戦隊せんたい)」、「Fc(飛行ひこう中隊ちゅうたい)」など、船舶せんぱく部隊ぶたいにおいてはおおむね「Se」をかんし、「SeC(船舶せんぱく司令しれい)」、「SeU(船舶せんぱく輸送ゆそう司令しれい)」、「SeH(船舶せんぱく兵団へいだん)」、「SeD(船舶せんぱくだん)」などとしょうした。

また、「独立どくりつ」の名称めいしょうかんする部隊ぶたいは「s(独立どくりつ)」を略字りゃくじ後尾こうびし、れいとして独立どくりつ歩兵ほへい大隊だいたいは「s(独立どくりつ)+i(歩兵ほへい)+b(大隊だいたい)」から「ibs」と、独立どくりつ飛行ひこう中隊ちゅうたいは「s(独立どくりつ)+Fc(飛行ひこう中隊ちゅうたい)」から「Fcs」としょうす。

たいごうはその数字すうじ略字りゃくじかんし、「1HA(だい1方面ほうめんぐん)」、「10A(だい10ぐん)」、「1TD / 1TKD(戦車せんしゃだい1師団しだん)」、「50FR(飛行ひこうだい50戦隊せんたい)」、「81Fcs(独立どくりつ飛行ひこうだい81中隊ちゅうたい)」などとしょうす。

しかしながら、これら軍隊ぐんたい符号ふごう略字りゃくじかならずしも固有こゆうのものではなく、れいとしてそうぐんす「SA」は兵種へいしゅたる野戦やせん重砲じゅうほうへいすものでもあり、またそうぐんたるささえ派遣はけんぐんは「CGA」、南方なんぽうぐんは「NA」と、だい大戦たいせん末期まっき編成へんせいされただい1そうぐん (1SA)・だい2そうぐん (2SA)・航空こうくうそうぐん (FSA)とことなり「SA」を使用しようしていない。

近代きんだい海軍かいぐん階層かいそう構造こうぞう

[編集へんしゅう]
アメリカ海軍かいぐんにおける指揮しき階梯かいてい
単位たんい名称めいしょう 艦艇かんてい種類しゅるい 艦艇かんてい規模きぼ 指揮しきかん
海軍かいぐん
Navy
海軍かいぐんないぜん艦艇かんてい 2艦隊かんたい以上いじょう 海軍かいぐん元帥げんすいから海軍かいぐん大将たいしょう
艦隊かんたい
Fleet
海洋かいようぜん艦艇かんていあるいは指定していされた海域かいいきべつ 2以上いじょう戦闘せんとう艦隊かんたい 海軍かいぐん大将たいしょう
戦闘せんとう艦隊かんたい
Battle Fleet または Task Force
ぜんかんしゅからだい多数たすう 2以上いじょう任務にんむ部隊ぶたい 海軍かいぐん中将ちゅうじょう
任務にんむ部隊ぶたい
Task Force
ぜんかんしゅから多数たすう 2以上いじょう戦隊せんたいしょう艦隊かんたい/たいぐんまたは任務にんむぐん 海軍かいぐん少将しょうしょう上級じょうきゅう)または海軍かいぐん少将しょうしょう
戦隊せんたいまたは任務にんむぐん
Squadron または Task group
通常つうじょう巡洋艦じゅんようかん以上いじょう大型おおがたかん 艦艇かんていすう少数しょうすう 海軍かいぐん少将しょうしょう海軍かいぐんじゅんはたあるいは海軍かいぐん代将だいしょう
しょう艦隊かんたい/たいぐんまたは任務にんむぐん
Flotilla または Task group
通常つうじょう中小ちゅうしょう艦艇かんてい 2以上いじょうたいまたは任務にんむたい 海軍かいぐん少将しょうしょう海軍かいぐんじゅんはた海軍かいぐん代将だいしょうまたは海軍かいぐん大佐たいさ
たいまたは任務にんむたい
Division または Task Unit
通常つうじょう中小ちゅうしょう艦艇かんてい 同一どういつまたは類似るいじかんしゅ少数しょうすう 海軍かいぐん大佐たいさまたは中佐ちゅうさ
任務にんむ分隊ぶんたい
Task Element
たんかん 1せき 海軍かいぐん大佐たいさ海軍かいぐん中佐ちゅうさ海軍かいぐん少佐しょうさまたは海軍かいぐん大尉たいい

補助ほじょ艦艇かんてい通常つうじょう海軍かいぐん大佐たいさ以下いか階級かいきゅう士官しかんちょうてられる。ここで補助ほじょ艦艇かんていにはコルベット砲艦ほうかん掃海そうかいてい哨戒しょうかいてい河川かせん舟艇しゅうていはしけおよび魚雷ぎょらいていふくまれる。一部いちぶ駆逐くちくかんとくにフリゲートみの小型こがた駆逐くちくかん(かつては護衛ごえい駆逐くちくかんとしてられる)は海軍かいぐん大佐たいさ以下いか士官しかんによって指揮しきされる。通常つうじょう艦艇かんていちいさいほど艦艇かんてい指揮しきかん階級かいきゅうがる。たとえば哨戒しょうかいていちょうには海軍かいぐん少尉しょうい指揮しきかんてられ、フリゲふりげト艦とかんちょうには海軍かいぐん中佐ちゅうさてられる。

歴史れきしじょう海軍かいぐん構造こうぞうについて厳格げんかくであった。艦艇かんていはまずぶん艦隊かんたい (divisions) ごとに集合しゅうごうさせられ、そしてそのつぎ番号ばんごうしょう艦隊かんたい (squadrons) が集合しゅうごうし、最後さいご番号ばんごう艦隊かんたい (fleet) で構成こうせいされた。

近代きんだい空軍くうぐん階層かいそう構造こうぞう

[編集へんしゅう]

空軍くうぐん編制へんせい構造こうぞうくににより変化へんかする。一部いちぶ空軍くうぐんアメリカ空軍くうぐんイギリス空軍くうぐん)はぐん集団しゅうだん・コマンド commands飛行ひこうぐん・グループ groupsおよび飛行ひこうたい・スコードロン squadronsけられている。には(たとえばソビエト連邦れんぽう空軍くうぐん)では陸軍りくぐんしき編制へんせい構造こうぞう採用さいようしている空軍くうぐんもある。現代げんだいカナダ統合とうごうぐん航空こうくうぐんでは航空こうくうぐん最高さいこう司令しれい機関きかん飛行ひこうだん[ちゅう 2]・ウィング wingsなかあいだ結節けっせつ航空こうくう師団しだん Air Divisionもう作戦さくせん系統けいとう教育きょういく訓練くんれん系統けいとうけて運用うんようされている。イギリス空軍くうぐん同様どうようにカナダ空軍くうぐん飛行ひこうたい中核ちゅうかくにしている。

べいしき空軍くうぐんおよびえいしき空軍くうぐん指揮しき階梯かいてい
シンボル
陸軍りくぐん階梯かいていとの比較ひかく
単位たんい名称めいしょう
英語えいごべい空軍くうぐん/えい空軍くうぐん
人員じんいん規模きぼ 航空機こうくうき規模きぼ 下位かい単位たんい 指揮しきかん
XXXXXX + 空軍くうぐん
(Air Force)
ぜん空軍くうぐん ぜん主要しゅようコマンドおよびコマンド 空軍くうぐん元帥げんすい空軍くうぐん大将たいしょう
XXXXX 主要しゅよう軍団ぐんだん (Major Command)
軍団ぐんだん (Command)
戦術せんじゅつ空軍くうぐん (Tactical Air Force)
不定ふてい 地域ちいき任務にんむにより下位かい単位たんいことなる 空軍くうぐん大将たいしょうから空軍くうぐん中将ちゅうじょう
XXX 航空こうくうぐん (Numbered Air Force)[ちゅう 3]
航空こうくう遠征えんせいぐん(Air Expeditionary Force)
えい空軍くうぐんには相当そうとうする単位たんい
指揮しき範囲はんいにより下位かい単位たんいことなる 不定ふてい 2だん以上いじょう 空軍くうぐん中将ちゅうじょうから空軍くうぐん少将しょうしょう
X 航空こうくうだん○○だん(Wing 、べい
飛行ひこう集団しゅうだん(Group、遠征えんせい飛行ひこう集団しゅうだん[ちゅう 4](EAGs)をふくむ、えい
1,000にんから5,000にん 運用うんようぐん規模きぼによる(べい
48から100えい
運用うんようぐん任務にんむ支援しえんぐん整備せいびぐん医療いりょうぐん編成へんせいべい
2飛行ひこうだん以上いじょうえい
空軍くうぐん少将しょうしょうから空軍くうぐん大佐たいさ
III 運用うんようぐん・○○ぐん(Group、だんないにおける機能きのう部門ぶもんべつ管理かんり組織そしきべい
飛行ひこうだん(Wing、遠征えんせい飛行ひこうだん(EAWs)をふくむ)またはStationえい
300にんから1,000にん 48から100べい
17から48えい
3から10飛行ひこうたい/たいべい
3から4飛行ひこうたい/たいえい
空軍くうぐん大佐たいさから空軍くうぐん中佐ちゅうさ
ここからうえは「司令しれい」が職名しょくめい
II 飛行ひこうたい飛行ひこう大隊だいたい) / 中隊ちゅうたい飛行ひこう中隊ちゅうたい) / たい
(Squadron)
100にんから300にん 7から16 3から4飛行ひこう中隊ちゅうたい/たい 空軍くうぐん中佐ちゅうさから空軍くうぐん少佐しょうさ[ちゅう 1]
••• 飛行ひこう中隊ちゅうたい / 小隊しょうたい
(Flight)
20にんから100にん 4から6 2分隊ぶんたい/はんおよび整備せいび支援しえん要員よういん 空軍くうぐん大尉たいいから空軍くうぐん中尉ちゅうい
•• 分隊ぶんたい / はん
(Element、Section または Detail)
2人ふたりから4にん 2から3 - 尉官いかんから下士官かしかん

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b ここまでは部隊ぶたいめいに「ちょう」が呼称こしょうばれる
  2. ^ 航空こうくうだんではないのはえい空軍くうぐんしきのため
  3. ^ だい1空軍くうぐんだい2空軍くうぐんだい3空軍くうぐんなど。
  4. ^ 現在げんざいだい83遠征えんせい飛行ひこう集団しゅうだん1個いっこ編成へんせいされている。

出典しゅってん

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b 高井たかい三郎さぶろう現代げんだい軍事ぐんじ用語ようご』アリアドネ企画きかく、2006ねん

参考さんこう文献ぶんけん

[編集へんしゅう]
  • 高井たかい三郎さぶろう現代げんだい軍事ぐんじ用語ようご』アリアドネ企画きかく2006ねん

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]