郡 内 弁
概要
[発音
[語法
[意志 ・推量 の助動詞 に「行 くべー(=行 こう)」「降 るべー/降 るだんべー(=降 るだろう)」のように「べー」を用 いる(国 中 は「行 かず/行 かざー」「降 るずら/降 るら」)[1]。ただし、国 中 に近 づくにつれてナヤシ方言 の特徴 である「ら/ずら」を用 いる地域 が現 れる[4]。意志 ・推量 ともに「べー」を用 いるのは東京 都 と神奈川 県 に接 する上野原 市 ・北都留 郡 ・道志 村 の一部 で、大月 市 ・都留 市 以西 では推量 には「降 るら/降 るずら」のように「ら/ずら」を用 いる地域 が多 く、鳴沢 村 や富士 河口湖 町 の大 部分 では意志 も国 中 と同 じ「行 かず/行 かざー」を用 いる[1]。否定 の助動詞 に「書 かねー」「書 かにゃー」のように「ない」が変化 した「ねー」または「にゃー」を用 いる(国 中 は西日本 系 の「ん」)[5]。否定 の仮定 形 には「書 かなけりゃー」または「書 かにゃーじゃー」のような形 をとる[5]。南都留 地域 において過去 の助動詞 に「かっとー(=買 った)」のように「とー」を用 いることがある。これは国中 方言 や奈良田 方言 にも見 られる特徴 である[4]。挨拶 ことばなどで用 いられる丁寧 語 として「がす」や「ござんす」がある(国 中 は「やす」「いす」「ごいす」)[6]。仮定 形 と接続 助詞 「ば」は「起 きれば→おきりゃー」「来 れば→くりゃー」「寒 ければ→さぶけりゃー」のように融合 が顕著 に起 こる[9]。なお、断定 の助動詞 および形容動詞 の活用 語尾 「だ」の仮定 形 には「では」が融合 した「じゃー」を用 いることが多 い[10]。格 助詞 「が」「の」が「ん」になる傾向 や、格 助詞 「を」が前 の語 と合 わさって変化 する特徴 は国中 と共通 して郡 内 でも見 られる[9]。加 えて郡 内 では係 助詞 「は」も前 の語 との融合 が顕著 に起 こる[9]。- 「ばかり」に
相当 する副 助詞 として国中 では「ばか」を用 いるが、郡 内 では「ばっか/ばっかし」のほか「ばんべー」「べー」という独特 の表現 がある[9]。 逆接 の接続 助詞 「けんど」や原因 理由 を表 す接続 助詞 「で」は国 中 と郡 内 で共通 する[9]。特色 のある終 助詞 には、肯定 を表 す「かー」、確 かめや念 押 しを表 す「え」、軽 い決意 などを表 す「わな」、禁止 を表 す「なよ」などがあり、一部 の地域 では命令 形 に親愛 ・丁寧 の気持 ちを込 める「んな」や親愛 ・丁寧 を表 す「に」などもある[9]。
郡 内 弁 を話 す著名 人
[脚注
[- ^ a b c d e
飯豊 ほか(1983;1998)、101-104頁 - ^ a b
飯豊 ほか(1983;1998)、108-109頁 - ^
飯豊 ほか(1983;1998)、105頁 、112頁 - ^ a b [1]
- ^ a b
飯豊 ほか(1983;1998)、128頁 - ^
飯豊 ほか(1983;1998)、127頁 - ^
飯豊 ほか(1983;1998)、121頁 - ^
飯豊 ほか(1983;1998)、125頁 - ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q
飯豊 ほか(1983;1998)、132-136頁 - ^
飯豊 ほか(1983;1998)、122頁 、127頁
参考 文献
[飯豊 毅一 ・日野 資 純 ・佐藤 亮一 『講座 方言 学 6中部 地方 の方言 』国書刊行会 、初版 1983年 、第 3版 1998年 稲垣 正幸 ・清水 茂夫 「4山梨 県 の方言 」