福井 弁
概要 [編集 ]
アクセント | ||
---|---|---|
あまり | ||
たるき | つらら、なんりょー | |
め(ー)ろ | おなご | |
くどい | からい | |
-ん | -ん、-へん、-しぇん | |
-てる | -とる |
発音 [編集 ]
北陸 方言 特有 の間 投 イントネーションがあり、文節 末 や文末 がうねるようなイントネーションになる[1]。母音 の発音 は共通 語 とほぼ同 じだが、イに関 しては語頭 でエと混同 されることがあるほか、「飽 いた(飽 きた)」のようなアに後 接 するイは、エとの中 間 的 な発音 になる傾向 がある[1]。北陸 ・関西 およびその周辺 と共通 する特徴 として、1拍 の名詞 は「目 え」「手 え」のように長 く伸 ばして発音 するが、若年 層 (1990年代 )では衰退 している[1]。連 母音 の融合 には「エイ→エー」(共通 語 と同 じ)と「アイ・オイ→エー」があり、後者 は「いかい→いけー(大 きい)」や「遅 い→おせー」など形容詞 で起 こりやすい[1]。語 中 のガ行 音 は鼻濁音 で発音 されるが(嶺 北西 部 では非 鼻音 )[4]、若年 層 (1990年代 )では破裂 音 化 の傾向 がある[1]。嶺 北 北部 では一部 の単語 でカ行 ・タ行 の有 声 化 が見 られ、大野 市 ではカ行 の有 声 化 が規則 的 に現 れるとされる[1]。指示 語 に含 まれる「そ」は「ほ」になることが多 い[1]。「そんなもの→ほんなもん、んなもん」「その→ほの」「それで→ほれで」「そして→ほして」「そこ→ほこ」「そっち→ほっち」など。相 づちの言葉 として「そうや(=そうだ)」から転 じた「ほや」が多用 される(例 :ほやのー、ほやって、ほやざ)。「ほやほや」や「ほやほやほや」と2〜3回 重 ねて言 うことが多 いのが福井 弁 の特徴 である[4]。また「そうか」も「ほうか」となり、道 を尋 ねて教 えてもらった際 に「あー、ほうか(あー、そうか)」と言 って、「阿呆 か」に聞 き間違 われて県 外 の人 に怒 られることもある。指示 語 以外 にも「七 →ひち」「しつこい→ひつこい」など一部 の単語 でハ行 音 化 が見 られる[1]。老年 層 では、古 い日本語 の発音 であるシェ・ジェが現在 も残 っている[4]。「先生 」を「しぇんしぇー」、「千 円 札 」を「しぇんえんさつ」、「全部 」を「じぇんぶ」、「全然 」を「じぇんじぇん」など。ただし、「臭 い→くせー」「遅 い→おせー」など、連 母音 融合 によって生 じた「せ」「ぜ」は「しぇ」「じぇ」とは発音 されない(×くしぇー、おしぇー)[4]。破 擦 音 「つぁ」「つぉ」が「おっつぁ(父親 の卑称 )」「ごっつぉさん(ご馳走様 )」など特定 の単語 で現 れる[1]。奥 越 では「1円 →いっちぇん」「50円 →ごっじぇん」「100円 →ひゃっけん」のように発音 することがある。「勝山 」を「かっちゃま」と発音 する人 は相当 多 い[5]。稀 にダ行 とラ行 の混同 が起 こる(例 :ラジオ→ダジオ、来年 →だいねん)[1]。
重 子音 [編集 ]
- ク+ラ・レ・ロ・ワ・ア・エ・オ→
無声 唇 歯 摩擦音 :蔵 ・桑 ・鍬 →ッファ、隠 れる→カッフェル、黒 →ッフォ、たくあん→タッファン、食 え→ッフェ、食 おう→ッフォ 合 拗音 クヮ→無声 唇 歯 摩擦音 :火事 →ッファジ(このほかの例 なし)- フ+(ラ)・レ・ロ・(ワ)・ア・エ・(オ)→
無声 唇 歯 摩擦音 :あふれる(=子供 が暴 れる)→アッフェル、ふろ(=戸棚 )→ッフォ、増 える→ッフェル - ブ+ラ・レ・(ロ)→
有 声 両 唇 破裂 音 :こぶら(=ふくらはぎ)→コッバ、破 れる→ヤッベル - シ+ラ・(レ)・ロ→
無声 歯茎 摩擦音 :知 らん→ッサン、柱 →ハッサ、白 →ッソ、後 ろ→ウッソ- 「
白 」が連濁 する場合 は、色白 →イロッゾのように有 声 歯茎 摩擦音 が現 れる。
- 「
- ルで
終 わる動詞 +終 助詞 ワ→有 声 唇 歯 摩擦音 :居 るわ→オッヴァ、来 るわ→クッヴァ
アクセント[編集 ]
また
文法 [編集 ]
断定 - 「じゃ」と「や」が
用 いられ、高年 層 では「じゃ」、中年 ・若年 層 では「や」が優勢 で、形容動詞 の活用 語尾 も同様 である[1]。「静 かじゃ/や」を例 に取 ると、しずかじゃろー/やろー(静 かだろう)、しずかじゃったら/やったら(静 かだったら)、しずかでねー(静 かでない)、しずかんなる(静 かになる)、しずかなひと(静 かな人 )、しずかなら(静 かなら)、しずかなりゃこそ(静 かなればこそ)のように活用 する[1]。 動詞 の音便 五 段 動詞 の連用形 に過去 「た」および中止 「て」が続 く際 に音便 化 が起 こるが、共通 語 と異 なるものとして「こーた(買 った)」「もろた(貰 った)」のようなウ音便 と「ほいた(干 した)」「おといた(落 とした)」のようなサ行 イ音便 がある[1]。ただし、サ行 五 段 動詞 であっても「押 す・消 す・越 す・貸 す・足 す・試 す」などはイ音便 化 しない[1]。動詞 の否定 形 - 「ん」を
用 いる[1]。「かかん(書 かない)」「おきん(起 きない)」「やめん(やめない)」「しぇん(しない)」「こん(来 ない)」など[1]。 動詞 の意志 形 長音 形 よりも伸 ばさない形 が一般 的 [1]。「かこ(書 こう)」「おきよ(起 きよう)」「やめよ(やめよう)」「しよ/しょ(しよう)」「こ(来 よう)」など[1]。動詞 の仮定 形 - 「
書 けば」のような「ば」よりも「書 いたら」のような「たら」がよく用 いられる[1]。 動詞 の命令 形 - 「かけ(
書 け)」「みよ(見 ろ)」「ねよ(寝 ろ)」「しぇー(しろ)」「こい(来 い)」などの形 に加 え、女性 を中心 に柔 らかな表現 として「連用形 +ね(ー)」「連用形 +ねま」を用 いることが多 い[1]。「なさい」が変化 したもので、例 えば「しなさい」は「しね」、「来 なさい」は「きね」、「行 きなさい」は「行 きね」、「食 べなさい」は「食 べね」、「おくれ」は「おくんね」などとなる。否定 形 の場合 は「ねばん」と使 う(奥 越 )。「する」の命令 表現 「しね」は県 外 の者 には「死 ね」と聞 こえるため時折 トラブルになるが、「死 ぬ」の命令 表現 は「死 にね」。 存在 動詞 ・アスペクト北陸 では存在 動詞 に「おる」、アスペクトに「とる」を用 いる方言 が多 いが、福井 弁 では「いる」と「てる」を用 いる。共通 語 と同 じく、進行 態 と結果 態 の区別 をしない[1]。「いない」という意味 では「いん」の変形 「えん」が使 われ、「-ていない」という補助 動詞 の用法 も「-てえん」となる[4]。- (
例 )誰 もえんのか?(誰 もいないのか?) - (
例 )まだ宿題 やってえんのやって(まだ宿題 やっていないんだよ)
- (
完了 - 「-てしまった」「-ちゃった」に
相当 する表現 には関西 と同 じく「-てしも(ー)た」や「-ても(ー)た」が使 われるが、福井 弁 では「-ても(ー)た」が「-とぅんた」「-てんた」「-つんた」などと変化 して使 われることがある。- (
例 )やってしも(ー)た/やっても(ー)た/やっとぅんた/やってんた/やっつんた(やっちゃった)
- (
形容詞 - 「
赤 い」を例 に取 ると、い切 りの形 には「あかい」のような非 融合 形 と「あけー」のような融合 形 があり(#発音 節 参照 )、連用形 は「あこねー(赤 くない)」や「あこなる(赤 くなる)」のようにウ音便 形 となり、仮定 形 は「あかけりゃ」または「あかかったら」となる[1]。「面白 い」には「おもっしぇー(い切 り形 )」や「おもっしょなる(面白 くなる)」、「嬉 しい」には「うれっしゃ(い切 り形 )」のような形 もある[1]。 敬語 尊敬 語 には「なさる」「なはる」「なる」が広 く分布 する[1]。丁寧 語 には「です」のほか「ごぜんす」がある[1]。また、「-てください」に相当 する表現 には「-とくんなさい」や「-とくんなせー」がある[1]。
文末 表現 自分 が持 っている情報 をき手 に伝 える際 の表現 として、「やって」「ですって」という形 が使 われる。「天気 予報 で言 うてたけどー、明日 は雨 なんやって」のような伝聞 表現 と同 じ語形 だが、伝聞 表現 の「やって」「ですって」は「て」でアクセントが上 がるのに対 して、こちらは「て」でアクセントが下 がる[4]。そのほか、特徴 的 な文末 表現 として「だよ」に近 い意味 の「とこと」または「とこといや」がある[1]。- (
例 )「昨日 は風邪 で休 んだの?」「ほーなんやって(そうなんだよ)」 - (
例 )ほやとこと/ほやとこといや(そうだよ)[1]
- (
助詞 [編集 ]
格 助詞 「を」や目的 地 を表 す「に」は省略 されることが多 い[1]。「が」は前 の名詞 と融合 したり、省略 されたりすることがあり、「は」も前 の名詞 と融合 することが多 い[1]。準 体 助詞 は「の」または「ん」であり、金沢 弁 や富山 弁 で使 われる「が」「がん」などは使 われない。- 「から」「ので」を
意味 する接続 助詞 には「さかい」およびその変形 「さけ(ー)(に)」や「で」「し」が使 われる。「さかい」「さけ(ー)(に)」は関西 ・北陸 各地 と共通 し、「で」は東海 地方 や滋賀 県 と共通 する。かつては「さかい」「さけ(ー)」が優勢 だったが、現在 (1990年代 )では若年 層 を中心 に「で」の方 が盛 んで、共通 語 の影響 で「から」も使 われる[1]。 逆接 の接続 助詞 に「けど」、逆接 条件 の接続 助詞 に「かって」を用 いる[1]。共通 語 の「ね」や「な」に相当 する間 投 助詞 として、「の」が多用 される。表現 を柔 らかくするほか、相手 への呼 びかけにも使 われる。福井 弁 で特徴 的 な終 助詞 としては、相手 を誘 う「っさ」「っせ」、相手 への主張 を強 める「ざ」、共通 語 の「じゃないか」に相当 する「が」(男性 は「げ」とも言 う)、女性 を中心 に命令 表現 を優 しく強調 する「ま」(石川 ・富山 と共通 )、疑問 「け」(石川 ・富山 では男女 共用 だが、福井 では主 に男性 が使用 )などがある。
語彙 ・表現 [編集 ]
あ行 [編集 ]
- あいの
日 -平日 。 - あおたん - あざ。
- あかん【
連語 】 - いけない、駄目 。開 かない、空 かない、という意味 の場合 も。 - あける【
動 】 - (水 などを)こぼす。類義語 :「かやす」 - あたる【
動 】 - もらう。「ボーナスあたったけぇ?(ボーナスもらったの?)」 - あっぱ【
名 】 -糞 。偶然 であるが、南部 弁 (岩手 県 )や下北 弁 (青森 県 )で「あっぱ」というと「お母 さん」、仙台 弁 で「あっぱ」というと「唖 」を意味 する。 - あっぺ【
名 】-汚 いもの汚 れてる 「あっぺやでさわんな」など あっぺっぺと増 やして言 うことも。 - あっちゃこっちゃ - あちこち、あっちこっち。
- あなんぼ -
穴 。 - あばば -
溺 れる。 - あばさける【
動 】 ― ふざける。はしゃぐ。 - あや -
肖 る(アヤカリ) バカ、アホ - あやまち【
名 】 ―怪我 。「あやまちしたんけ?(ケガしたの?)」 - あんじる -
心配 する。「帰 ってこなんだで、なんかあったんでねんかとあんじたざ」(帰 ってこなかったから、何 かあったんじゃないかと思 って心配 したよ) - あんじょう -
完全 に。「味 良 く」の変形 。 - あんまし - あまり。
否定 形 とともに用 いられる。「あんまし使 えなんだわ」(=あんまり使 えなかったよ) - いけえ【
形 】 ―大 きい。「いっけぇ」「えけぇ」「えっけぇ」なども。 - いこる - (
粉末 等 が容器 の底 に)淀 んでいる。 - いしな【
名 】 ―石 。 - いっちょらい -
一張羅 。主 に県内 で開催 される例年 の恒例 行事 「福井 フェニックス祭 り」等 では、同 方言 を取 り入 れた福井 音頭 「イッチョライ節 」(よさこいイッチョライ)がある。 - いっぷく -
休憩 。「ちょっといっぷくしよっさ」(=休憩 しましょう)など。タバコを一服 する場合 にも使用 される。 - いっぺん - 1
回 。類義語 として「もっぺん」も。「もっぺんやってみ」(=もう1回 やってみて) - いもけ -
恥 ずかしがり屋 。引 っ込 み思案 で消極 的 なさま。「えもけ」とも。「あの子 いもけやで、よう一人 で遊 んでるわ」(あの子 は恥 ずかしがり屋 だから、よく一人 で遊 んでるよ) - いらんこと -
余計 なこと。「いらんことゆうなま」(=余計 なこと言 うなよ) - いらちか - パンツなどのゴムひも。
- うそうそ -
薄汚 い、小汚 い。「この服 うそうそんなってんた」(=この服 、なんだか薄汚 くなっちゃったよ) - うてえ【
形 】 - のくてえと同意 。 - うとい -
鈍 い、悪 い。「目 うとなってもた」(=目 が悪 くなってしまった) - うら【
人名 代名詞 】 ―僕 、俺 。複数 形 は「うらら」。主 に男性 が使 う。「うらの畑 」と言 われると「家 の裏 」なのか「自分 の」なのか分 からないが、後者 の意味 の場合 が多 い。 - うらかしま -
逆 、反対 、裏返 し。「さかしま」とも。 - えがむ -
歪 む。「いがむ」とも。 - えれえ【
形 】 - とても。つらい。「えらい長 いのう(すごく長 いなあ)」「今日 身体 えらいんやってえ(今日 は具合 が悪 いのだよ)」 - えん - いない。
応用 形 として、例 えば「してえん」(=していない)という補助 動詞 としての表現 方法 もよく用 いられる。 - えんめ【
名 】 -犬 。貶 めて言 った「犬 め」の変形 。 - おいや - そうだ。
最近 は「ほや」「ほーや」が主流 。 - おえ【
感動 詞 】 - おいおい(不満 )。おい(呼 びかけ)。うわー(驚 き)。 - おうきんのう - ありがとうね。
- お(お)ごっちゃ -
大変 だ。「入院 したんやってか?ほりゃ、おごっちゃのう」(=入院 したんだって?それは大変 だったね) - おぞい【
形 】 - 「おぜぇ」とも言 う。ぼろぼろである。質 が悪 い。古 い。岐阜 でも共通 して使 われる。 - おつけ -
味噌汁 。「おつゆ」とも。 - おっかあ - お
母 さん。奥 さんのことを指 す場合 も。 - おっつあ - お
父 さん。旦那 さんのことを指 す場合 も。 - おっけ -
下 さい。「ほの喉 飴 、1 つおっけの」(=その喉 飴 、1 つ下 さい)活用 形 として「〜しとっけ」(=〜してください)や「〜しとっけた」(〜してくれた)などの表現 方法 がある。 - おくんね -
上記 「おっけ」と同 じ意味 。活用 形 として「〜しとくんなった」などの表現 方法 もあるが、意味 は上記 「〜しとっけた」とほぼ同 じ。 - おちょきん【
名 】 -正座 。関西 の「ちんとする(しっかり座 る→正座 )」から変化 したもの。「おちょきんしねま(正座 しなさい)」 落 った -落 ちた。「ほこに落 ってるざ」(=そこに落 ちてるよ)- おっぱなし - やりっ
放 し。放置 状態 を表 す。 - おとましい【
形 】 - もったいない。 - おとろっしゃ、お(っ)とろしい【
形 】 -恐 ろしい。困 ったものだ(心配 の要素 も含 む)。 - おぼこい【
形 】 -純粋 無垢 。子供 っぽいという皮肉 にも使 われる。 - おぼてえ -
重 たい。「おぼたい」とも。 - おもっしぇえ【
形 】 -面白 い、訳 の分 からない。おかしい。「おもっせえ」と発音 することもある。 - おもいでな -
良 かった、楽 しかった、幸 せな。「温泉 旅行 おもいでなかったのう」(=温泉 旅行 、楽 しかったね) - おめえ【
人名 代名詞 】 - お前 。同格 以下 の相手 を呼 ぶ男性 語 。 - おんちゃん【
代 名 】 - おじさん。親 しみのこもった呼 び方 。 - おんさん【
代 名 】 - おっさん。関西 の「おっちゃん」に近 い。
か行 [編集 ]
- かいらしい -
可愛 らしい。 - かくし - ポケット。
- かざ -
臭 い。 - かしく【
動 】 -米 を研 ぐ。「米 かしいだでの(米 研 いたからね)」。語源 は調理 を意味 する古語 の「かしく」。「かしぐ」や「かせぐ」という語形 もある。加賀 弁 と共通 。 - かぜねつ【
名 】 -口内 炎 の一種 。「かざねつ」とも。風邪 や疲労 など体調 不良 のとき、口元 に出来 る赤 い発疹 。痛 みがある。標準 語 には対応 する語彙 が存在 しない。北陸 各地 で使 われる。「かぜ」も「ねつ」も一般 的 な語彙 のため、「かぜねつ」は共通 語 だと誤解 されていることが多 い。 - 〜がた… ‐ 〇〇よりも〜のほうが…だ。〇〇と〜を
比較 する表現 。「東京 より福井 がた住 みやすいがの?」(=東京 よりも福井 のほうが住 みやすいよね?) - かたい【
形 】 -元気 。健康 であるさま。「かたいけの?(元気 でいるか?)」「かたいもん(いい子 )」 - かたがる【
動 】 - (物 が)傾 く。 - がていかん - 「がてかん」などとも
言 う。不思議 だ、理解 できない。標準 語 の「合点 がいかない」が訛 ったもの。 - かど【
名 】 -家 ・建物 の外 。「角 」の意味 にあたる言葉 は、「角 っこ」「角 んとこ」(角 のところ)があるため、混同 しない。福井 市 旧 美山 町 の一部 で主 に使 われている。 - がぼる【
動 】 - (雪 や泥 の中 に足 が)はまる。「ごぼる」と言 う地区 もある。 - かやす【
動 】 - ひっくり返 す、倒 す。(容器 を倒 して)内容 物 を散乱 させる。「誤 って」という過失 の意味合 いが強 い。 - から【
名 】 -身体 。 - からげる【
動 】 -結 ぶ。 - かる【
動 】 -借 りる。「借 りた」は「かった」となる。逆 に返 すときは「なす」という。例 ―この本 、ないといて。(この本 、返 しておいて。) - かわおび - ズボンのベルト。「バンド」とも
言 う。 - がんど【
名 】 - のこぎり 汽車 【名 】 - JR(旧 国鉄 )。今 では北陸本線 を走 る気動車 (ディーゼル)はないが、永年 の名残 でそう呼 ぶ。越美北線 は非 電化 のため、現在 も気動車 。私鉄 は「電車 」。- ぎっちょさん【
名 】 -左利 きの人 。単 に「ぎっちょ」とも。 - ぎっとな【
形 】 -義理堅 い。 - きのどくな - ありがとう。
申 し訳 ない(感謝 の意味 で)すみません。気 に毒 (気 を遣 わせた)から変化 したものと思 われる。好意 や便宜 を受 けたとき、相手 の負担 を思 いやる言葉 。石川 とも共通 。- 「こんなにしてもろて、きのどくな(こんなにしていただいて、
本当 に大変 だったでしょう)」
- 「こんなにしてもろて、きのどくな(こんなにしていただいて、
- ぎりぎり【
名 】-頭 のつむじ。 - きんの【
名 】 -昨日 。 - くどい - 【
形 】しつこい、度 か過 ぎる。そこから「塩 くどい」となってその短縮形 。塩辛 い。逆 に塩辛 いでは通 じないことがある。 - 〜くさい - 「うつくさい」(=
美 しい)、「だらくさい」(=だらしない)など。さらに「〜くせえ」と転訛 することもある。 - けってな -
変 なの。おかしい。 - けなるい【
形 】 - うらやましい。 - ける【
動 】 -盗 む。万引 きをする。「けってきた」 - ごえんさん【
名 】 -寺院 の住職 。 - こうか(
校 下 )【名 】 -校区 。主 に小学校 の範囲 で用 いられる。 - こさえる - (
料理 等 を)調理 する、作 る。「こっしぇる」とも。 - こざにくい【
形 】 -生意気 な。 - ごしんさん【
名 】 -住職 の妻 。 - こべんたま【
名 】 - ひたい。おでこ。旧 清水 町 (現 ・福井 市 )で行 われていた「こべんたまつり」(合併 時 に廃止 )の由来 となった言葉 。 - こしょばい【
形 】 - くすぐったい。「こそばい」とも言 う。「こしょばす」「こそばす」は動詞 形 で「くすぐる」の意 。 - ごっつぉ【
名 】 - ご馳走 。ご馳走様 は「ごっつぉさん」 - こっぺな【
形 】 - (無理 に大人 ぶっていて)生意気 な。 - こっぺこっぺと【
動 】 -生意気 に。 - こんか【
名 】 -米糠 。 - こんじょよし - お
人好 し。悪 い意味 で使 う。「こんじょし」「こんじょよしまつ」などと転訛 することもある。 - こんじょわる -
性格 が悪 い。 - ごんばこ【
名 】 - ごみ箱 。 - こんだ -
今度 。 - こわい - (
食 感 などが)固 い。
さ行 [編集 ]
- 〜さ… -
意味 は不定 。特 に老年 層 の会話 の中 で、例 えば「東京 さ」など、地名 の後 に言 われる表現 として、時折 使 われることがある。 - ざいご【
名 】 -田舎 。在郷 。転 じて実家 を指 すこともある。「ざいごのもん」は「田舎 者 」。 - 〜(や)さけ(に)… - 「〜だから…」の
意 。理由 を表 す。語尾 の「に」は、しばしば省略 される。使 う人 によっては、言葉 の最初 に「ほやさけんてに〜」など変形 された表現 で使 われることもある。「雨 降 ってっさけ、傘 差 さんならん」(=雨 が降 ってるから、傘 を差 さなきゃいけない)など。同 じ意味 で理由 を表 す接続詞 として、ほかには「〜(や)で…」「〜(や)し…」が代表 的 である。 - ざっぱな -
大雑把 、大 まかな。適当 なさま。 - しかえる【
動 】 -取 り替 える、着替 える。 - しなあっと【
擬態 】 - ゆっくり、そーっと、慎重 に。あるいは、さりげなくの意 。 - 〜しなんな - 〜しないで、〜するな、やめてください。「やだしなんなって」(=いたずらしないで)
- 〜しま - 〜の
途中 で、〜までの間 に。「〜しな」の転訛 。「寝 しまに飲 みもん飲 んだら、はよおしっこ行 きとなってまうざ」(=寝 るまでの間 に飲 み物 飲 んだら、早 くおしっこ行 きたくなっちゃうよ) - しまう -
片付 ける。 - しめだる【
名 】 -結納 。 - じゃけらくせえ【
形 】 -子供 っぽい。幼稚 な行 いを諭 す際 使 う場合 が多 い。「わらびしい」とも。 - しゃっぱこき -
嘘 つき。「しゃっぱこく」で(=嘘 をつく)の意味 。「しゃっぱこいてんなま!」(=嘘 をつくんじゃないよ!) - しゃば -
世間 。 - しゃべりばち - お
喋 りな人 。口 が軽 い。「あの人 ひってしゃべりばちやで、どもならんわ」(=あの人 すごくお喋 りだから、どうしようもないよ) - じゃみじゃみ【
擬態語 】 - テレビの砂嵐 。もともと方言 で「目 が疲 れてしょぼしょぼしたり、かすんで見 えたりする様子 」をさした擬態語 「じゃみじゃみ」が、テレビの普及 後 に画面 の砂嵐 状態 を指 して使 われるようになった。英語 のJamming(妨害 電波 )に由来 するとの説 は俗説 に過 ぎない。 - じょうずな -
変 わっているさま。面白 おかしい。器用 だ。「なんたじょうずなんにゃ」(=なんて器用 なんだ) - じょろにしる【
動 】 -話 を無 しにする。始 めに戻 す(旧 清水 町 。特 に旧 三方 村 の世代 が使用 )。 - じょろ【
名 】 - あぐら。「じょろかく」(あぐらをかく)」、「ねまる」とも。 - ズック -
綿 や麻 で作 られたゴム底 の運動 靴 。上履 きのこと。内 履 きを内 ズック、外 履 きを外 ズックと言 う。学校 の運動会 等 のお便 り(持 ち物 欄 など)にも記載 されており、一般 的 に方言 と知 らずに日常 的 に使用 し、他 県 の人 に指摘 されて気付 くケースも多 い。オランダ語 が由来 で、東北 地方 (秋田 ・青森 ・岩手 など)でも言 われるが、全国 的 には使用 地域 が限 られる。 - すまし【
名 】 -醤油 。 - すらえる【
動 】 -触 れる。 - せわしねえ【
形 】 -落 ち着 きが無 い。 - ぜん、じぇん - お
金 。「銭 」の変形 。
た行 [編集 ]
- たいげえ【
名 】 - ほどほど。大概 。 - たく【
動 】 -煮 る。米 以外 にも、煮 ることを「炊 く」と表現 することが多 い。「おでんを炊 く」「魚 を炊 く」など。 - たいたの【
名 】 -煮物 。「煮 たの」とも言 う。「大根 の炊 いたの(大根 の煮物 )」「たくあんの煮 たの(福井 の郷土 料理 )」など。 - だいどこ -
台所 。「おかって」のこと。 - だたねえ【
形 】 - だらしない、きたない、醜 い。 - だちゃかん【
形 】 -駄目 だ。「埒 があかん」が訛 ったもの。 - たな、~(ん)たな【
連体 】 - ~みたいな。「この機械 、壊 れたんたなやな。(この機械 、壊 れたみたいだな。」 - だら、だわ【
形 】 -怠 けている様子 。「だわもん」で怠 け者 を指 す。あわら市 などでは馬鹿 、阿呆 の意味 でも使 われる。 - 〜たるく - 〜て
歩 く、〜で回 る。遊 んだるく(=遊 び歩 く)、踏 んだるく(=踏 んで歩 く)、「ほうたるく」(=うろつく)など。 - だんねえ -
別 にかまわない。気 にしなくて良 い。京都 弁 の「だんない」の変化 形 。丹南 地区 (福井 市 殿下 ・清水 地区 などを含 む)で用 いられる。殿下 地区 では「だんのね」とも言 う。 - だんべ -
男性 器 。 - たんまで【
形 】 -全然 、全 く。 - ちかっぺ【
形 】 -力一杯 。とっても。「ちゃらっぺ」とも言 う。 - ちっくりさす【
動 】 - (爪楊枝 など棒状 のものを)刺 す。 - ちぇえ【
形 】 -小 さい。「ちんちぇー」とも言 う。 - ちぶてえ -
冷 たい。「ちぶたい」「ちびてえ」などと転訛 することもある。 - ちゃう -
違 う。近畿 地方 と共通 。 - ちゃがちゃが - めちゃくちゃ。
散 らかっている様子 。 - ちゃまる【
動 】 - (警察 などに)捕 まる。能動 の「捕 まえる」の場合 は「ちゃまえる」「ちゃめる」などと言 う。 - 〜ちゃる - 〜てやる、〜してあげる。より
柔 らかい表現 で言 うと「〜たげる」となる。「ほの本 うら買 (こ)うちゃるぞ」(=その本 、俺 が買 ってやるよ) - ちゃんぺ【
名 】 -女性 器 、性交 。 - チューブ【
名 】 -輪 ゴム - ちゅんちゅん【
形 】 -物 が高温 になっているさま。水 がかかると「チュン」と音 を立 てて蒸発 する「焼 け石 に水 」状態 を指 す。「メカがチュンチュンでやばい(機械 が異状 に高温 でまずい)」 - ちょうだる -
頂 く。過去 形 は「ちょうだった」(=頂 いた)類義語 「(う)んだる、(う)んだった」とほぼ同 じ意味 だが、類義語 に対 して、こちらは謙譲 語 として使用 。 - ちょっきり【
形 】 - ちょうど。 - ちょっこし【
形 】 -少 し。「ちょっこり」とも言 う。 - つかがる【
動 】 - (手 すりや、人 の腕 などに)掴 まる。 - つばき【
名 】 -唾 - つまる【
動 】 -主 にノートなどを使 い切 ってしまった場合 に使 われる。 - つるつるいっぱい【
形 】 - コップやお椀 などに液体 が並々 とそそがれた様子 。液体 が表面張力 により器 から盛 り上 がって、あふれる寸前 の状態 を指 す。北陸 で広 く使用 されており、方言 だと知 らずに使用 している場合 が多 い。 - つんつん【
形 】 -鉛筆 が削 ったばかりで尖 っているさま。 - (や)っちゃ - あえて
言 うならば「〜だよ」「〜だってば」の意味 に近 いが、標準 語 へのい換 えが難 しい表現 の一 つで、正確 な意味 は不定 。語尾 に付 く。怒 っている時 などの不満 げな場面 や、伝 えたいことを強調 したり、仲 が良 い友人 同士 の気 さくな会話 などで、無意識 に使用 する場合 がある。使用 する人 が限 られており、比較的 若年 層 の男性 が使用 するが、女性 全般 や高齢 層 (男性 を含 む)の使用 は、あまり見 られない。「なんでやっちゃ!」(=なんでだよ!)、「はよせえっちゃ!」(=早 くしろよ!)など。 - 〜っぺ… -
意味 は不定 。単語 と単語 の間 に置 かれ、あえて言 うならば、場所 などを表 す助詞 の「〇〇へ行 く」「××に行 く」の“へ”“に”が該当 する。「トイレっぺ行 ってくるわ」(=トイレに行 ってくるね)など。よく発音 や字面 を見聞 きすると、他 の福井 弁 である「いっぺん」(=1回 )にも似 ており、「トイレに1回 行 ってくるね」という言葉 のニュアンスに近 いようにも感 じる。 - てっくりかえる - ひっくり
返 る。 - てきねえ【
形 】 -病気 ・体 の調子 が悪 いこと。「てきない」とも言 う。「てきねぇんけ?(具合 悪 いの?)」怪我 の場合 (痛 み、四肢 の不自由 など)には使用 しないが、怪我 に付随 する発熱 やだるさなど、病 と共通 する体調 不良 には使用 する。怪我 の場合 は「えらい」を使 うことが多 い。
- てな、~(ん)てな【
連体 】 - ~みたいな。 - 〜でねんか -
標準 語 では「〜ではないのか」に当 たる言葉 。語尾 は「け」に変化 することもある。「あこにあるんでねんけ?」(=あそこにあるんじゃないの?)など。 - 〜でのうて… -
標準 語 では「〜ではなくて…」の意 。文中 に用 いて「AでのうてBじゃ」(=AじゃなくてBだ)などと、Aを否定 してBを肯定 する表現 である。いささか古 い表現 のため、現代 では単 に「〜でなくて…」と言 う場合 も多 い。 - てなわん【
形 】 -気 がきつい。やんちゃな。抜 け目 が無 い。手 に負 えない。性格 の悪 い。嫌味 な。 - でんしんぼ -
電柱 - 〜てんでの - 〜てください。
依頼 表現 。「うらの分 も買 (こ)うてんでの」(=私 の分 も買 ってくださいよ) - とっしょり - お
年寄 り。 - どぼすずく【
形 】 - (滴 が落 ちるくらいに)濡 れている。ずぶ濡 れ。水 が大量 にどっぷり有 る様 をドボドボと言 う。すずくは「雫 (しずく)」のこと。 - どんけつ -
一番 最後 、ビリ。 - どんこ -
普通 列車 や各駅 停車 を表 す。標準 語 の「鈍行 」から来 ていると考 えられる。 - どんならん【
形 】 - どうにもならん、どうしようもない。「てなわん」の類義語 。「どーんならん」と伸 ばしたり、「どんなん」と略 したりすることもある。「どもならん」「どむならん」などとも言 う。例 「どんならんやっちゃな」(どうしようもない奴 だな)
な行 [編集 ]
- なおす -
片付 ける。 - ながたん【
名 】 -包丁 。「菜 刀 」の変形 。 - なきみそ -
泣 き虫 。主 に子 どもに対 して使 う。 - なげる【
動 】 -捨 てる。標準 語 と同 じ「(物 を)投 げる」という意味 でも使用 する。 - なぶる - (
物 などに)触 る。「水 なぶりしたらあかんざ」(=水遊 びしてはいけませんよ)のように「水遊 び」という意味 で用 いられることもある。人間 や動物 など生 き物 に対 しては使 われない。 - なも -
重 ねて使 うことも多 い。重 ねない場合 は「なぁも」と伸 ばし気味 になることが多 い。英語 の 「you are welcome」や「何 も~ない」、「別 に~ない」 に相当 する語 。「悪 いのう」「なもなも。だんねってぇ(別 にいいよ、気 にしないで)」 - ~なる - 「~なさる・なはる」が
変形 した尊敬 表現 。例 「てんしゃばのあんさん来 なったざあ」 - 〜なろ - 〜なさい。
軽 い命令 表現 。「はよしなろ〜」(=早 くしなさい)類 義 表現 として「〜ね」もある。 - なんきん【
名 】 - かぼちゃ。南京 。 - なんた - なんて。
例 えば、しばらく見 ないうちに、成長 して背 が伸 びた孫 の容姿 を見 て、祖母 が「なんた、いこなったんやろ〜」(=なんて大 きくなったんでしょう!)などと、ある状態 に対 して、意外 だったことを言葉 にする時 に使用 されることが多 い。 - 〜なんだ - 〜なかった。
過去 の打 ち消 し表現 。「知 らなんだ」(=知 らなかった)、「思 わなんだ」(=思 わなかった)など。近年 では、同 じ意味 で「〜んかった」の形 に取 って変 わりつつあり、特 に若年 層 では「知 らんかった」「思 わんかった」などと表現 することが多 い。 - なんちゃらかんちゃら - なんだかんだ。「なんやかんや」とも。
- なんぼ - どれだけ、どれほど。
- なんにゃ~よう(か)【
反語 】 -嫌味 交 じりの完全 否定 。「何 が~あろうか(しようか)」例 「なんにゃ役所 がほんな気 の利 いたことしようか」 - にんならん -
構 わない。関係 ない。「ほんね気 にせんときね。うら、なあもにんならんのやで」(=そんなに気 にしないでおきなさい。私 は別 に構 わないのだから) - ぬれんざ【
動 】 -濡 れないよ。濡 れない傘 【ヌレンザ(福井 洋傘 )】はここから来 ている。 - ねころばる -
寝 っ転 がる。 - ねぶてえ -
眠 い。「ねぶたい」が原形 。 - ねまる - (ベンチや
地面 などに)座 る、腰掛 ける。 - ねんね【
名 】-赤 ん坊 、幼 い子 どもを指 す - のくてえ【
形 】 -愚 かなさま。トロい。馬鹿 だ。「温 い(ぬくとい)」の音便 形 。「のくてえのう(バカだなあ)」「のくてえやっちゃ(馬鹿 なヤツだ)」 - のうなる【
動 】 - (物 が)無 くなる。(人 が)亡 くなる。 - のうのう -
相手 への呼 び掛 け表現 。標準 語 や関西 弁 の「ねえねえ」「なあなあ」に当 たる。英語 の「no, no」と勘違 いされるケースも。相手 に同意 を求 める表現 として、短 く「のう?」(=ねえ?)と言 う場合 もある。 - のんのさん【
名 】 -仏様 。「なんなさん」、「なんなんさん(ちゃん)」とも。語源 は「南無 」から。
は行 [編集 ]
- ばい【
名 】 -棒 。 - はえめ・はいめ【
名 】 -蠅 。 - はぐし【
名 】 - つっかえが外 されてガクっとするさま。「はぐしをくらう」「(ひざカックンをされ)はぐしこく」。 - はしかい - かゆい。
違和感 がある。イガイガする。「風邪 ひいて喉 はしけーんにゃ」(=風邪 ひいて、喉 イガイガするよ) 羽二重 餅 【名 】 -福井 の銘菓 。やわらかいもの、木目 が細 かい物 の例 えによく用 いられる。羽二重 は、薄 くて上質 の絹織物 のこと。正絹 の中 でも最上級 とされる。かつての繊維 王国 福井 ならではの表現 。- ばっちくそ -
罰当 たり。相手 に対 して「ざまあみろ」というようなニュアンスが含 まれている。 - はなんたま -
鼻先 。鼻 尖 あたりを差 す。 - ばんげ ‐
夜 、晩 。 - びい ‐
女子 - ひっで(もんに)【
副詞 】 - とても。甚 だしく。ひどく。【形容詞 】凄 まじい。ひどい。「しってぇ」「ひってもん」と発音 する場合 もある。 - ひにしばら【
動詞 】 - やっかみ - ひとこっぱ【
副 】 -一 まとまり。思 いっきり。たくさん。 - ぶたじる - とんじる。
豚汁 。 - へくさんぼ【
名 】 - カメムシのこと。主 に嶺 北 地方 (越前 国 )で用 いられる。 - べさ【
名 】 - 「女 」の蔑称 。貞操 感 やモラルがない女性 を「どすべさ」と表現 する。 - へしこ -
青 魚 に塩 を振 って塩漬 けにし、さらに糠漬 けにした郷土 料理 (若狭 ・京 丹後 )で越冬 保存 食 - へず
菓子 【名 】 -駄菓子 。 - べと【
名 】 -土 。泥 。「べとに ばいをちっくりさす」という表現 は「土 に棒 を突 き刺 す」という意味 である。 - へんもねえ -
大 したことない。物足 りない。腑 に落 ちない。 - ぼう -
男子 。 - ほんに - そんなに、それほど。
ま行 [編集 ]
- まんぽ【
名 】 - トンネル。 - まいど - いつも。「まいどおおきに」で「いつもありがとう」になる。
- まんま -
幼児 語 で「ご飯 」のこと。 - まんまんちゃん【
名 】 -仏様 。転 じて仏壇 や墓 。主 に福井 市 旧 清水 町 で使 われる。「まんまんさん」とも。 - むだかる -
絡 まる。「電源 コードむだかってるざ」(=電源 コードが絡 まってるよ) - むたくた - (
部屋 の中 などが)散 らかっている様子 。その程度 が甚 だしいさま。 - めもらい - ものもらい。
- めんぽ【
名 】 - カワハギ(魚類 )。 - ももた(ももたん)【
名 】 -太股 。 - もつけねえ 【
形 】 - かわいそうな。相手 への同情 を示 す間投詞 としても用 いられる。語呂 での覚 え方 は「もつけねえのはかわいそう」。 - ~もてら - ~ごと。「
箱 もてら持 ってきて(=箱 ごと持 ってきて)」 - ものごい【
形 】 -精神 的 に苦痛 を感 じること。大 きな不安 を感 じていること。病 による身体 的 苦痛 の場合 は「てきない」になる。 - 〜もん - もの、
物 、人 、者 。すべて「もん」と表現 する。「福井 のもん」(=福井 人 )、「食 べもん」(=食 べ物 )など。
や行 ・ら行 [編集 ]
- やだ【
名 】 - い掛 かり。悪意 のある嫌 がらせ。「やだをする」は「嫌 がらせをする。無理 難題 を押 し付 ける」、「やだを言 う」は「イチャモンをつける。い掛 かりをつける」という意味 。 - やっぱし - やはり。
- 〜やろいや - 〜でしょうが。
語尾 に付 く。「ほやでゆうたやろいや!」(=だから言 っただろうが!) - ゆうちゃん【
名 】 - Uチャン。県内 で唯一 UHF放送 を行 う福井 テレビジョン放送 のこと。 - よう【
副 】 - よく。 - ようけ【
形 】 - たくさん。大阪 弁 の「ようけ」と同 じ。「いっぺえ」「ぎょうさん」とも言 う。 - よさ・よさり【
名 】 -夜中 のこと。夜更 け(ヨフケ)。古語 の「夜 更 なり(ヨルサラナリ)」がつまったもの。「よんべ」とも言 う。 - よしかかる【
動 】 - よりかかること。「よっかかる」とも。 - よだがり【
名 】 -晩 御飯 。 - よばれる - ご
馳走 になる。 - よぼる -
呼 ぶ。「よばる」とも。 - よわみそ -
弱虫 。こちらも主 に子 どもに対 して使 われる。 - よわる -
疲 れる。「よう歩 いたで、よわってもた」(=よく歩 いたから、疲 れちゃった) - 〜らしい - 「うざくらしい」(=うっとうしい)、「あつくらしい」(=
暑 そうな)など。
わ行 ・ん[編集 ]
- わかいしゅ【
名 】 -若者 。「若 い衆 」のこと。 - わけなし -
馬鹿 、あほ、幼稚 。「き分 けのない」が語源 か。 - わせる -
忘 れる。「わっしぇる」とも言 う。 - わめ【
名 】 -私 、自分 。主 に女性 が使 う。 - わやくそ -
散 らかって収集 がつかない状態 。 - わらびしい【
形 】 -幼稚 な。悪 い意味 で幼 い。田舎 者 。語源 は「童 しい(ワラベシイ)」。反対 語 は「大人 しい」になるが、意味 的 には「大人 びた」{(幼稚 な行為 などせず)静 かな」「成熟 した」あたりになる。 - んだる、うんだる【
動 】 - くれる、くださる。「この本 、誰 が(う)んだったの?(この本 、だれがくれたの?)」 - 〜んならん - 〜なければならない。さらに
転訛 して「〜んなん」とも。世代 間 や地域 差 によって違 いはあるが、近年 では同 じ意味 の「〜な(あ)かん」というい方 のほうが優勢 である。「宿題 せんな(ら)ん」→「宿題 せな(あ)かん」(=宿題 しなければならない) - 〜(なん)じゃ - 〜(なの)だ。
語尾 に付 く。い切 る形 で、自己 主張 を強 めたい時 や言葉 を荒 げる時 などに使 うことがある。場面 によっては、若年 層 も普通 に使用 する。「今 のクラスが一番 じゃ!」(=今 のクラスが一番 だ!) - 〜んにゃ - 〜のだ。
福井 特有 のい回 しの一 つでもある。活用 形 としては「〜んにゃけど」「〜んにゃって」「〜んにゃわ」などいくつかある。かつては盛 んに使 われていたが、現代 では衰退 しつつある。ただ、主 に高齢 層 を中心 に依然 として使 っている世代 も多 い。「肩 痛 かったんにゃけど、マッサージしてもろたら楽 んなったんにゃ〜」(=肩 が痛 かったんだけど、マッサージしてもらったら楽 になったんだ) - んもねえ - まずい。「うもうない」の
転訛 。 - 〜んやと - 〜んだって。
伝聞 表現 として、福井 弁 の「〜んやって」とよく併用 される。「あの人 の家 、火事 んなっつんたんやと。もつけねえのう…」(=あの人 の家 、火事 になっちゃったんだってさ。かわいそうに…)など。標準 語 の「〜なんだよ」は、福井 弁 では「〜んやって」に該当 するが、発音 の際 のアクセントを除 いて、伝聞 の場合 でも字面 では同 じ表現 にしか見 えないことから、混同 を避 けるために、自然 と使 い分 けているネイティブ福井 人 も多 い。
使用 例 [編集 ]
会話 [編集 ]
会話 例 1- A「のー、この
靴下 あ、おぞなってもたんやけどー」- 【
訳 】「ねえ、この靴下 、ぼろぼろになっちゃったんだけど」
- 【
- B「あらあ、はよからおもっしぇとこに
穴 空 いてもてえ。どもならんで、もうなげてまいねのう。もつけねえ……」- 【
訳 】「あら、こんなに早 くから変 な所 に穴 が開 いちゃって。どうにもならないから、もう捨 てちゃったら?」(文末 の「もつけねぇ」は社交 辞令 的 に感情 を述 べるだけの働 き)
- 【
- A「のー、この
会話 例 2孫 「おじいちゃん、遅 いんやって!はよしねま!」- 【
訳 】「おじいちゃん、遅 いよ!早 くしなよ!」
- 【
爺 「ほんなこというなま。今 行 くで、もうちょっこし待 てや」- 【
訳 】「そんなこと言 うなよ。今 行 くから、もう少 し待 てよ」
- 【
会話 例 3[4]- A「まいどー。お
父 さん、いなるけのー?」- 【
訳 】「こんにちは。ご主人 、いらっしゃるかね?」
- 【
- B「あー、えんのやって。よんべ、
急 に熱 出 いてー、今 医者 行 ってるんにゃわのー。さっきまでいたんにゃけど、病院 っぺ行 ってくるっちゅーて、行 ったんにゃわの」- 【
訳 】「あー、いないんですよ。ゆうべ、急 に熱 を出 して、今 医者 に行 ってるんだよ。さっきまでいたんだけど、病院 でも行 ってくると言 って、行 ったんだよ」
- 【
- A「ほーか。ほりゃ、おごっちゃのー。
帰 んなったら、いっぺん、電話 してんでのーって、言 うてんで」- 【
訳 】「そうか。それは大 ごとだね。帰 られたら、一度 、電話 してくださいねって、言 ってください」
- 【
- A「まいどー。お
メディア・固有名詞 において[編集 ]
- タウン
誌 「月刊 URALA」 -私 たちという意味 の「うらら」とフランス語 の「Ouh la la」をかけている。 - NHK
総合 「ほやほや情報 」 -相槌 の「ほやほや」と「出来 立 てほやほや」の「ほやほや」をかけている。 福井 テレビ「ふくい浪漫 い~ざぁええDay」 - 「い~ざぁ」と「ええDay(デー)」。どちらも「良 いよ」という意味 。福井放送 「かたいけの」 - 「お元気 ですか」という意味 の福井 弁 をそのまま番組 名 にしていた。福井放送 「ちゅんちゅんサタデー」 -熱々 という意味 の福井 弁 「ちゅんちゅん」と朝 に鳥 がさえずるオノマトペをかけている。- AOSSA -
福井 駅 東口 再 開発 ビル(手寄 地区 再 開発 ビル)の愛称 。「会 おうよ」という意味 の福井 弁 「会 おっさ」に由来 する。 - みくにショッピングワールド・イーザ(iza) -
福井 県 坂井 市 三国 町 にあるショッピングセンター。「いいよ」という意味 の福井 弁 「いいざ」に由来 する。 越前 市 市民 バス「のろっさ」 -同市 を網羅 するコミュニティバス。「乗 ろうよ」の意 の福井 弁 「乗 ろっさ」に由来 する。- ICOUSA -
福井 市 のコミュニティーバスと提携 店舗 で使 える交通 系 ICカード。「行 こうよ」の意 の福井 弁 「行 こうさ(行 こっさ)」に由来 する。 金津 本陣 IKOSSA - あわら市 金津 図書館 ・郷土 歴史 資料 館 ・市民 文化 研修 センターが入居 する施設 。上記 と同 じく「行 こっさ」に由来 する。
福井 弁 に関連 した作品 など[編集 ]
福井 青春 物語 - ちりとてちん
舞 城 王 太郎 作品 蔵 の宿 - ちはやふる
大 怪獣 東京 に現 わる- ヘタリア − ヘタリアに
登場 するオランダが福井 弁 である。 - 47
都道 府 犬 - 2011年 に声優 バラエティー SAY!YOU!SAY!ME!内 で放映 された短編 アニメ。47匹 の郷土 の名産 をモチーフにした犬 たちが登場 する。福井 県 は、ラッキョウがモチーフの福井 犬 として登場 している。「絶賛 彼女 募集 中 やざぁ」などと話 す。声優 は、福井 県 出身 の石塚 運 昇 が担当 している。作中 で福岡 犬 と合体 した。 - GA
芸術 科 アートデザインクラス -芦原 ちかこが使用 する「中部 弁 」には「〜してえん(=〜していない)」など福井 弁 に似 た要素 がある。 - チア☆ダン〜
女子高 生 がチアダンスで全米 制覇 しちゃったホントの話 〜 天皇 の料理 番 - 2015年版 は劇 中 に出演 している日野 陽 仁 が方言 指導 もしている。- 2.43
清 陰 高校 男子 バレー部
その他 [編集 ]
福井 弁 を用 いた英単語 の覚 え方 「どっちでも『いいざあ(either:どちらも~)』」「どっちでも『ねえざあ(neither:どちらも~ない)』がある。文章 を音節 に区切 るとき、福井 弁 のように「の」(発音 は「のー」)をつけると分 けやすいという。共通 語 の「ね」に当 たる。例文 :「今日 、私 は家 で数学 の勉強 をした。」→「今日 の、私 はの家 での数学 のの勉強 をのしたの。」
脚注 [編集 ]
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as
加藤 (1992) - ^
飯豊 ほか編 (1983)、373頁 。 - ^ だんね、のくてー―は
死語 ?嶺 北 の若者 、福井 弁 より共通 語 、福井 新聞 、2011年 10月 5日 配信 ・閲覧 。 - ^ a b c d e f g
新田 (2003) - ^
飯豊 ほか編 (1983)、377頁 。 - ^
新田 哲夫 「福井 県 三国 町 安島 方言 におけるmaffa《枕 》等 の重 子音 について」『音声 研究 』第 15巻 第 1号 、日本 音声 学会 、2011年 、6-15頁 、doi:10.24467/onseikenkyu.15.1_6、ISSN 1342-8675、NAID 110008712313。 - ^ a b c
金田一 (1977)。 - ^
飯豊 ほか編 (1983)、377頁 。 - ^
飯豊 ほか編 (1983)、378頁 。 - ^ a b
佐藤 亮一 (1983)。 - ^
杉藤 美代子 監修 、佐藤 亮一 ほか編 (1997)『日本語 音声 1諸 方言 のアクセントとイントネーション』三省堂 、86頁 。 - ^
上野 善道 「日本語 のアクセント」杉藤 美代子 編 (1989)『講座 日本語 と日本語 教育 2日本語 の音声 ・音韻 』明治 書院 。 - ^
山口 幸洋 「準 二 型 アクセントについて」山口 幸洋 (2003)『日本語 東京 アクセントの成立 』港 の人 。 - ^
松倉 昂 平 「福井 県 あわら市 のアクセント分布 」『東京大学 言語 学 論集 』第 35巻 TULIP、東京大学 大学院 人文 社会 系 研究 科 ・文学部 言語 学 研究 室 、2014年 9月 、141-154頁 、doi:10.15083/00027471、ISSN 13458663、NAID 120005525792。 - ^
平山 (1953-1954)。
参考 文献 [編集 ]
飯豊 毅一 ・日野 資 純 ・佐藤 亮一 編 (1983)『講座 方言 学 6中部 地方 の方言 』国書刊行会 佐藤 茂 「福井 県 の方言 」
大野 晋 ・柴田 武 編 (1977)『岩波 講座 日本語 11方言 』岩波書店 金田一 春彦 「アクセントの分布 と変遷 」
井上 史雄 ほか編 (1996)『日本 列島 方言 叢書 12北陸 方言 考 2富山 県 ・石川 県 ・福井 県 』ゆまに書房 平山 輝男 (1953-1954)「福井 県 嶺 北 方言 の音調 とその境界 線 」
佐藤 亮一 「福井 市 ,および,その周辺 地域 のアクセント--調査 法 と型 の区別 の現 れ方 との関連 を中心 に」『国語 学 研究 』第 23号 、東北大学 文学部 国語 学 研究 刊行 会 、1983年 12月、86-68頁 、ISSN 02881209、NAID 40001288525。金田一 春彦 『金田一 春彦 著作 集 第 八 巻 』玉川大学 出版 部 加藤 和夫 「福井 県 方言 」『現代 日本語 方言 大 辞典 』第 1巻 、明治 書院 、1992年 1月 、159-163頁 。- 『
月刊 言語 』2003年 1月 号 、大修館書店 新田 哲夫 「〈小 辞典 〉ふるさとのことば 20福井 県 」
関連 項目 [編集 ]
北陸 方言 嶺 南 方言 間 投 イントネーション(ゆすり音調 )西村 まどか -福井 県 出身 のタレント。日本 テレビ系列 の毎週 日曜日 の朝 に生 放送 されている情報 番組 シューイチに出演 したときに福井 弁 を使 った東京 の天気 予報 を披露 したことがあった。
外部 リンク[編集 ]
福井 県 方言 集 、昭和 六 年 七 月 福井 県 福井 師範 学校 (福井大学 )北陸 地方 の間 投 イントネーションについて(国立 情報 学 研究所 )現代 福井 弁 講座 福井 県 に伝 わる民話 - おしゃべり
自販機 紹介 福井 弁 編 (ダイドードリンコ)