こうしゅうべん

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大津おおつえきまえ設置せっちされていた方言ほうげん看板かんばん
彦根ひこね土産物みやげものてん包装ほうそうぶくろられる方言ほうげんきょう言葉ことば類似るいじしているが、2ぎょうの「やで(=だから)」の用法ようほう京都きょうとことなる。

こうしゅうべん(ごうしゅうべん)は、滋賀しがけんきゅう近江おうみこく)でもちいられる日本語にほんご方言ほうげんである。近江おうみべん(おうみべん)、滋賀しがべん(しがべん)、近江おうみことば(おうみことば)などともばれる。方言ほうげんがくでは滋賀しがけん方言ほうげん(しがけんほうげん)や滋賀しが方言ほうげん(しがほうげん)というが、「滋賀しが方言ほうげん」は「滋賀しがぐん方言ほうげん」を場合ばあいもある。近畿きんき方言ほうげん(いわゆる関西かんさいべん)の一種いっしゅであり、とりわけきょう言葉ことば共通きょうつうする要素ようそおおいが[ちゅう 1]地域ちいきごとのちがいもあり、とく湖北こほく地方ちほう方言ほうげん湖北こほくべん)は特殊とくしゅである。

概要がいよう[編集へんしゅう]

滋賀しがけん上方かみがた京都きょうと大阪おおさか)と東国とうごく北国きたぐにむす交通こうつう要衝ようしょう位置いちし、街道かいどう沿線えんせん中心ちゅうしんに、街道かいどうむすばれる周辺しゅうへん地域ちいき方言ほうげん共通きょうつうするものがおおい。とりわけ京阪けいはんとく京都きょうと)との文化ぶんかてき人的じんてき交流こうりゅうふるくからさかんで、京阪けいはん方言ほうげんきょう言葉ことば大阪おおさかべん)と共通きょうつうせいたかい。たとえば近世きんせいから戦前せんぜんにかけて、おおくの県内けんない出身しゅっしんしゃ京阪けいはん商業しょうぎょう活動かつどうおこない(近江おうみ商人しょうにん)、湖西こさい地方ちほうではむすめ息子むすこ京都きょうと女中じょちゅう奉公ほうこう丁稚でっち奉公ほうこう習慣しゅうかんがあった[1]現在げんざいでは京阪けいはん通学つうがく通勤つうきんけんともない、一層いっそう京阪けいはん方言ほうげん関西かんさい共通きょうつう)が都市とし中心ちゅうしんすすんでいる。また、学校がっこう教育きょういくやメディア、交通こうつう機関きかん発達はったつなどによって、県民けんみんおおくは方言ほうげん共通きょうつうじゅう生活せいかついとなんでおり、とく語彙ごいめんでの共通きょうつういちじるしい[2]

司馬しばりょう太郎たろうが「近江おうみはことばのいい土地とちで、とくに彦根ひこね町方まちかたことばは、きょうことばにちかい。彦根ひこねで、ろう婦人ふじん立話たちばなしをしているのをみみにして、音楽おんがくのようにかんじたことがある。[3]」としるすなどこのましい方言ほうげんひょうされることもあるが、きょう言葉ことばくらべて田舎いなかふうあるいはあらっぽい方言ほうげんひょうされることがおおく、県民けんみんにもそういった意識いしきつよ[ちゅう 2][ちゅう 3][ちゅう 4][ちゅう 5]大津おおつなどでは、きょう言葉ことば大阪おおさかべんたいしてわらず、滋賀しがけん特有とくゆう方言ほうげんはないという意識いしきもある[ちゅう 6]。1996ねんNHK放送ほうそう文化ぶんか研究所けんきゅうじょおこなった県民けんみん意識いしき調査ちょうさでは、滋賀しが県民けんみんには「自分じぶんたち方言ほうげんにそれほど愛着あいちゃくはないが、ずかしいともおもわない」という傾向けいこうられ、千葉ちばけん埼玉さいたまけん奈良ならけんなど大都市だいとし近郊きんこう県民けんみん意識いしきちかいものであった[4]

方言ほうげん区画くかく[編集へんしゅう]

かけい大城おおしろ区画くかく(1982ねん)にもとづく滋賀しがけん方言ほうげん区画くかく薄茶うすちゃしょくせん近世きんせい主要しゅよう街道かいどう

滋賀しが県内けんない一般いっぱんてき琵琶湖びわこはさんで以下いかの4地方ちほう区分くぶんされ、方言ほうげん区分くぶんおおむねそれにそくしたものが提唱ていしょうされている。ただし、研究けんきゅうしゃによって呼称こしょう範囲はんいれはあり、たとえばかけい大城おおしろ大津おおつ北端ほくたん高島たかしまぐん全域ぜんいきを「湖西こさい方言ほうげん」としているが[2]、2009ねん琵琶湖びわこ博物館はくぶつかん方言ほうげん調査ちょうさ区分くぶんでは大津おおつ唐崎からさきから高島たかしまマキノまち百瀬川ももせがわまでを「けん西部せいぶ方言ほうげん」としている。

京都きょうと隣接りんせつする湖南こなん必然ひつぜんてき京都きょうと方言ほうげんしょくく、湖西こさい湖東ことう北上ほくじょうするにつれてそれがうすれ、京都きょうとからもっとはなれた湖北こほく音声おんせい語法ごほうともに独特どくとく方言ほうげんけん形成けいせいしている。湖北こほく方言ほうげんけん特色とくしょく一部いちぶは、湖西こさい高島たかしま湖東ことう彦根ひこね犬上いぬかみぐんにもおよんでいる。湖東ことう湖北こほくにかけて、近江おうみ最大さいだい雄藩ゆうはん彦根ひこねはん城下町じょうかまちであった彦根ひこね中心ちゅうしんとする方言ほうげんけんられ、助詞じょし「ほん」「なーし」「とさいが」などの使用しようがその典型てんけいとされる[5]湖南こなんのうち、三重みえけんせっする甲賀こうが地方ちほう甲賀こうが湖南こなみ)は、伊賀いがべんとの共通きょうつうてんられるなど、湖南こなんとは一線いっせんかくしている(とくふる甲南こうなんまち甲賀こうがまち)。また、湖東ことう湖北こほくとく彦根ひこね犬上いぬかみぐんから長浜ながはま南部なんぶ)では美濃みのべん湖西こさいとくふる今津いまづまち)では若狭わかさべんとの共通きょうつうてんられる。[1][2]

以下いか音声おんせい表現ひょうげん語彙ごいなどのおおまかな使用しよう地域ちいき説明せつめいでは湖東ことう湖西こさい湖南こなん湖北こほく甲賀こうがの5区分くぶん記述きじゅつする(湖南こなみきゅう湖北こほくまちなど地方ちほうめい自治体じちたいめいおなじものがあるが、自治体じちたいめいに「」「まち」を明記めいきすることで区別くべつする)。「きゅう○○ぐん」は昭和しょうわだい合併がっぺい以前いぜんかくぐんすこととする。

なお、方言ほうげん区画くかくとはべつに、交通こうつう事情じじょうわるかった山村さんそん集落しゅうらくなどではふる表現ひょうげん特殊とくしゅ表現ひょうげんのこっている(言語げんごとう)。そのれいとしてかけいは、伊吹いぶきたにとく甲津原こうづはら)、梓河内あんさかわち以上いじょう米原まいばら)、武奈ぶな男鬼おうり以上いじょう彦根ひこね)、大君おおきみはたけ保月ほうづき以上いじょう多賀たがまち)、きみはたけ甲津畑こうづはた以上いじょうひがし近江おうみきゅう永源寺えいげんじまち)、葛川くずかわ大津おおつ)、雲洞谷うとうだにはりはたけ以上いじょう高島たかしまきゅう朽木くつきむら)、沖島おきのしま近江八幡おうみはちまん)をげている[6]

様々さまざま滋賀しがけん方言ほうげん区画くかく対応たいおうひょう[ちゅう 7]
井之口いのくち有一ゆういちによる区画くかく(1951ねん 奥村おくむら三雄みつおによる区画くかく(1964ねん かけい大城おおしろによる区画くかく(1982ねん 琵琶湖びわこ博物館はくぶつかん方言ほうげん調査ちょうさ
での区画くかく(2009ねん[7]
A B C
湖北こほく特異とくい方言ほうげんけん 湖北こほく高島たかしま方言ほうげんけん 湖東ことう湖北こほく方言ほうげんけん
彦根ひこねはんりょうけん
湖北こほくしき 伊香いかしき 特異とくい湖北こほく方言ほうげん 伊香いか方言ほうげん けん北部ほくぶ


長浜ながはましき 長浜ながはま浅井あさい方言ほうげん
坂田さかたしき 坂田さかた方言ほうげん
湖南こなん湖西こさい湖東ことう
京都きょうとてき方言ほうげんけん
湖東ことう湖南こなん滋賀しが方言ほうげんけん 近江おうみしき 彦根ひこねしき きょう

てき
湖東ことう方言ほうげん 彦根ひこね犬上いぬかみ方言ほうげん けん東部とうぶ
八日市ようかいち方言ほうげん
湖南こなん湖西こさい方言ほうげんけん

草津くさつしき 湖南こなん方言ほうげん 甲賀こうが方言ほうげん けん南東なんとう
異質いしつ甲南こうなん方言ほうげん
大津おおつ方言ほうげん けん南部なんぶ
湖北こほく高島たかしま方言ほうげんけん 高島たかしましき 湖西こさい方言ほうげん みなみ高島たかしま方言ほうげん けん西部せいぶ
北高島きたたかしま方言ほうげん

音声おんせい[編集へんしゅう]

こうしゅうべん音声おんせい近畿きんき方言ほうげんとほとんどわらない。母音ぼいんをはっきりと発音はつおんし、1はく長音ちょうおんれい→かー)、特定とくてい表現ひょうげんでの長音ちょうおんぶし短音たんおんれいはよこうか→はよいこか)がさかんである。「ぬくとい←→のくとい」「すくない←→すけない」「みみず←→めめず」など特定とくてい語彙ごい母音ぼいん交替こうたいこるが、規則きそくてき音声おんせい現象げんしょうではない。子音しいん母音ぼいんくらべてかる発音はつおんし、様々さまざま交替こうたいこりやすい。ガぎょう鼻濁音びだくおん湖西こさい[ちゅう 8]甲賀こうがのぞ県内けんないひろ地域ちいき発音はつおんされるが、鼻濁音びだくおんたいする規範きはん意識いしきはなく(むしろきらきすらある[8])、ぜんけんてき衰退すいたいしつつある。

こうしゅうべんこる子音しいん交替こうたいには、マゆきとバぎょうれいさむい→さぶい、ともす→とぼす、つめたい→つべたい・ちべたい・ちびたい)、サゆきとハぎょうれい:すみません→すんまへん、しつ→ひち、ひと→しと)、ダゆきとザゆきとラぎょうれいくぞ→くど、イサザ→イサダ、来年らいねん→だいねん)、ワぎょう撥音はつおんとガぎょうれい苗代なわしろ→なガしろ、棺桶かんおけ→かゴけ)などがある。サゆきとハぎょう交替こうたい指示しじ語頭ごとう「そ」で顕著けんちょである(#指示しじ参照さんしょう)。ダぎょう・ザぎょう・ラぎょう交替こうたい頻度ひんど地区ちくごとのちがいがおおきく、大津おおつ下田しもだのぼるなどで顕著けんちょである。[1]

近畿きんき方言ほうげんでは一般いっぱんれん母音ぼいん変化へんかまれであり、滋賀しが県内けんないでもおおくの地域ちいきでは「さかい/はかい→さけ/はけ」や「おしえる→おせる」など特定とくてい語彙ごいでしかこらないが、湖北こほく中心ちゅうしんとする地域ちいきでは、アイ・オイのイがおくりのエ(ちゅうした母音ぼいん)にてんずることがある(れいあかい→あかェ、しろい→しろェ、い→こおェ)。特殊とくしゅれん母音ぼいん融合ゆうごう方言ほうげんとのなかあいだてき現象げんしょうといえる。東京とうきょうほどではないが、湖東ことうから湖北こほくにかけて、無声むせい子音しいんつづ文節ぶんせつまつのウが無声むせいする傾向けいこうがあり、これも近畿きんき方言ほうげんではめずらしい音声おんせい現象げんしょうである。[9]

東京とうきょう方言ほうげん京阪けいはん方言ほうげんすたれたふる発音はつおんが、しゅうべん一部いちぶのこっていることがある。県内けんない各地かくちでシェ・ジェがのこり、とく湖南こなん湖西こさいおおい(れい:しぇんしぇー=先生せんせい、じぇじぇ=膳所ぜぜ)。草津くさつ常盤ひたちではティ・トゥ・ディ・ドゥが確認かくにんされている(れい:てぃから=ちから、みどぅ=みず)。1905ねんの『音韻おんいん調査ちょうさ報告ほうこくしょ』では高島たかしまぐんごう拗音ようおんクヮがあると報告ほうこくされているが、現在げんざいではほとんどみとめられないとされる。[10]

湖東ことうから湖北こほくにかけて、かく助詞じょし「を」をウォで発音はつおんすることがあり、ウ・イにつづく「お」がウォにてんずることもある(れいしお→しうぉ、おう→ぬうぉ)。きゅう蒲生がもうぐんきゅう坂田さかたぐんではウにつづくエがウェとなることがある(れいつえ→つうぇ、植木うえき→ううぇき)。[1]

  • その
    • くだりおんつづ語頭ごとうのイがユとなることがある。「いわし→ユわし」「わん→ユわん」「いわ→ユわ」など。
    • 湖東ことうから湖北こほくにかけて、ツァ・ツォが促音そくおんとともにあらわれることがある。「御馳走ごちそう→ごッツォ」「おとうさん→おとッツァん」「かつお→かッツォ」など。
    • 特定とくてい語彙ごい口蓋こうがいゆうこえ無声むせいこることがある。「さぼてん→シャぼてん」「草履ぞうり→ジョうり」「洗濯せんたく→せんダく」「とかげ→とかケ」など。
    • 湖北こほくから湖東ことうにかけての一部いちぶで、ダぎょうおん無声むせいすることがある。「仏壇ぶつだん→ぶっタん」「鉄道てつどう→てっト」「2あいだ→にチかん」など。
    • 濁音だくおん鼻音びおんまえ撥音はつおん添加てんかされることがある。「ごぼう→ごンぼ」「とんび→とンび」「昨日きのう→きンのー/きンにょ」など。
    • かたりちゅう語尾ごび撥音はつおん撥音はつおん省略しょうりゃくこることがある。「小刀こがたな→こがたン」「幽霊ゆうれい→ゆーれン」「甲良こうらまち在士ざいじ→ざンじ」など。
    • 清音せいおんだけでなく、濁音だくおんまえでも促音そくおん添加てんかされることがある(とく湖南こなん)。「手伝てつだう→てッたう」「鍛冶屋かじや→かッじゃ」「るぞ→あッど」など。
    • 北陸ほくりく方言ほうげん特徴とくちょうてきあいだとうイントネーション湖北こほく湖西こさい一部いちぶでもかれる。

アクセント[編集へんしゅう]

京阪けいはんしきアクセントひろ分布ぶんぷするが、湖北こほくには京阪けいはんしき変種へんしゅアクセントが複雑ふくざつ分布ぶんぷする。おおむ長浜ながはまには垂井たるいしきアクセント米原まいばらには曖昧あいまいアクセント分布ぶんぷするが、きゅう伊香いかぐんおよびきゅう東浅井ひがしあざいぐん北部ほくぶ中心ちゅうしん京阪けいはんしき点在てんざいする。米原まいばら曖昧あいまいアクセントは「おな個人こじんおな單語たんごなんかいかくりかえして発音はつおんしてもらってもかた一定いっていしないし、その方言ほうげんぞくする個人こじんあいだにおいても、おな單語たんごについてかた一定いっていしない[1]」とされる。湖北こほく以外いがい京阪けいはんしき分布ぶんぷするとされるが、能登川のとがわまち北部ほくぶきゅうぐりみるむらげんひがし近江おうみ)に垂井たるいしきたアクセントが孤立こりつてき存在そんざいするとの報告ほうこくが1990ねんている(1990ねん時点じてん京阪けいはんしきへの同化どうかいちじるしく、特徴とくちょうめる高齢こうれい話者わしゃでも会話かいわ相手あいて場面ばめんおうじて京阪けいはんしきちかいアクセントを併用へいようしていたという)[11]

下表かひょう滋賀しが県内けんない名詞めいし動詞どうし形容詞けいようしのアクセントの比較ひかくで、栗見新田くりみしんでんのデータは1990ねん服部はっとりただし報告ほうこくしたもの(調査ちょうさ対象たいしょうは1911ねんまれの話者わしゃ[11]、そののデータは1951ねん生田いくた早苗さなえ報告ほうこくしたもの(調査ちょうさ対象たいしょうおも若年じゃくねんそう[12]もとづく(服部はっとり生田いくた調査ちょうさ語彙ごい調査ちょうさ対象たいしょう世代せだい差異さいがあることに留意りゅういされたい)。以下いか、アクセントの表記ひょうきかんしては、アクセントのたか部分ぶぶんうえせんすこととする。ひょうちゅうの「○るい」についてはるい (アクセント)参照さんしょう

京阪けいはんしき 栗見新田くりみしんでん 大浦おおうら 木之本きのもと 長浜ながはま 醒井さめがい上丹生かみにゅう 榑ヶはたけ 梓河内あんさかわち 柏原かしわばら
1はく名詞めいし など(1るい えぇ(が)
めいなど(2るい ぇ(が) ぇ(が) ぇ(が) ぇ、けぇ ぇ(が) ぇ(が) ぇ(が)
など(3るい 、えぇ えぇ(が) 、え えぇ(が)
2はく名詞めいし あめうしはななど(1るい あめ(が)
木之本きのもとでは「すな」は「な(が)」
いしきょうはな(2るい
あしいけいぬなど(3るい
し(が)
木之本きのもとでは「いけ」は「いけぇ」「いが」
いしぃ、い し、い
※「いけ」は「いぇ」とも発音はつおん
し(が)
あといとはしなど(4るい 、あと と(が) あと(が) あと(が)
※「そら」「よる」は「○(が)」
、あと
※「よる」は「よぅ」「よが」
と、あと あと(が)
※「よる」は「よる」「よるが」
あかあめはるなど(5るい ぁ、あ あかあか あかぁ、あ か(が)
※「」は「つゆ(が)
ぁ、あ あかあか
2はく動詞どうし く・る・るなど(1るい ○○ ○○ ○○ ○○ ○○
く・る・るなど(2るい
※「る」は「ーる」と3はく発音はつおん
○○
(お)る(3るい
3はく動詞どうし ける・げる・てるなど(一段いちだん1るい ○○○ ○○○ ○○○
ける・きる・ちるなど(一段いちだん2るい ○○ ○○
※「れる」は「○○○
○○ ○○
※「れる」は「○○○
がる・たる・うたうなど(だん1るい ○○○[ちゅう 9] ○○○ ○○○ ○○○
あまる・うごく・おもうなど(だん2るい ○○ ○○ ○○
あそぶ・あるく・かくす・はいる(だん3るい ○○ あるく」は「○○○
かくす」「はいる」「まいる」は「○○」
※「あそぶ」のデータはないが、「あそんだ」は「あんだ」
○○○ あそぶ」「あるく」は「○○○
かくす」「はいる」は「○○
あるく」は「○○○
そのは「○○
あそぶ」「あるく」は「○○○
かくす」「はいる」は「○○○」
○○○
4はく動詞どうし まれる・かさねる・ならべるなど(1るい ○○○○ 以下いかの3形式けいしき確認かくにんされている。
○○○○あつめる・わせる・おさえる・おぼえる・かぞえる・あづける・よろこぶ)
○○○(かかえる・かくれる・ささげる・とらえる・れる・こたえる)
○○○○(ささえる)
○○○○ ○○○○ ○○○○ ○○○○ ○○○○
あつめる・調しらべる・たおれるなど(2るい あつめる」「調しらべる」は「○○○○
そのは「○○○○」
○○○○
こたえる(3るい ○○○ ○○○○ ○○○
2はく形容詞けいようし い・ ○○ ○○
3はく形容詞けいようし あかい・あつい・あまいなど(1るい
あつい・つらい・しろいなど(2るい
○○
※「とおい」「おおい」は「○○」
○○ ○○ ○○
4はく形容詞けいようし あぶない・すくない・あやしい・くわしい ○○○○ ○○○
調査ちょうさ語彙ごいは「やさしい」「おおきい」の2
○○○○ ○○ ○○○○

表現ひょうげん[編集へんしゅう]

特定とくてい助動詞じょどうし助詞じょし以外いがいぜんけん共通きょうつうするものがおおい。

活用かつようなど[編集へんしゅう]

用言ようげん活用かつようなどはおおむきょう言葉ことばおなじである。仮定かていがたは「んだら」「あかかったら」のような「連用れんよう+たら」であらわすことがおおい(形容詞けいようしかんしては、湖北こほくでは仮定かていがた一定いってい勢力せいりょくたもつ)。形容詞けいようし未然みぜんがたも、推量すいりょうは「あかいやろ」のような「終止しゅうし+やろ」であらわすことがおおい。

  • 動詞どうし
特殊とくしゅ活用かつようは「おます」「おす」「わす」の3(「#待遇たいぐう」も参照さんしょう)。「る」「る」「む」などはだん活用かつようかたち比較的ひかくてきたもっている。また「る」のしたいちだん活用かつようが「けます」「けう」などかぎられた用法ようほうのこっており、きゅう朽木くつきむらなど一部いちぶ地域ちいき高齢こうれいそうでは「ぬる」のようなナへん活用かつようのこる。
うた」「うて」のようなア・ワぎょうだん動詞どうし連用形れんようけいウ音便うおんびんしゅうべんでもさかんである。3音節おんせつでは「おもうた→おもた」「わらうて→わろて」のように音便おんびん短音たんおんすることがおおい。
一部いちぶ高齢こうれいそうでは、中世ちゅうせい近世きんせいさかんだった「といた」「かしいてくれ」のようなサぎょうだん動詞どうし連用形れんようけいイ音便いおんびん現在げんざいもちいる。また、湖東ことうから湖南こなんにかけて、サぎょうだん動詞どうし連用形れんようけいが「とイサ」「かしイセくれ」と特殊とくしゅおと変化へんかこすことがある。同様どうようおと変化へんかは「明日あした→あイサ」「あのひと→あのシと→あのイソ」のように特定とくてい語彙ごいでもこる。近畿きんき地方ちほうかぎられた地域ちいきにのみ点在てんざいする、全国ぜんこくてきにもめずらしいおと変化へんかである。
未然みぜん 未然みぜん意志いし 連用れんよう 連用れんよう音便おんびん 終止しゅうし連体れんたい 仮定かてい 命令めいれい
だん よま-ん よも-(ー) よみ-ます よん-だ よむ よみゃ(ー) よめ
うえいちだん み-ん み-よ(ー) み-ます みる みりゃ(ー) みよ、みい
したいちだん ね-ん ね-よ(ー) ね-ます ねる ねりゃ(ー) ねよ、ねえ
へん こ-ん、き-やはる こ-(ー)、こ-よ(ー) き-ます くる くりゃ(ー) こい
サ変さへん する せ-ん、さ-す、し-やはる しょ-(ー)、し-よ(ー) し-ます する すりゃ(ー) せよ、せー
特殊とくしゅ おます おませ-ん、おまへ-ん おまし-た おます おましゃ※
おす おせ-ん、おへ-ん おし-た おす おしゃ※
わす わせ-ん わし-た わす わしゃ※
※はまれ用法ようほう
  • 形容詞けいようし
特殊とくしゅ活用かつようは「い」「い」「うれい」の3京都きょうと同様どうよう連用形れんようけいウ音便うおんびんがあり、詠嘆えいたんには「あー、こわー」「あっつー!」のような語幹ごかん用法ようほうと「さっむいさむい」「さっむさむい」のような畳語じょうご多用たようする。「さびしない/さぶしない(さびしい)」「いとしげない(あいおしい)[ちゅう 10]」のような一見いっけん否定ひていがたおもえる形容詞けいようしがいくつかあるが、これは「せわしない」などの「ない」にるいするものである。
未然みぜん 連用れんよう促音便そくおんびん 連用れんようウ音便うおんびん 終止しゅうし連体れんたい 仮定かてい
通常つうじょう あか あかかろ-(ー) あかかっ-た あこ(ー)-て あかい あかけりゃ(ー)、あかけら
しい ほしかろ-(ー) ほしかっ-た ほしゅ(ー)て、ほし(ー)て ほしい ほしけりゃ(ー)、ほしけら
特殊とくしゅ なかろ-(ー) なかっ-た のー-て ない なけりゃ(ー)、なけら
よかろ-(ー) よかっ-た よー-て よい、ええ よけりゃ(ー)、よけら
うーかろ-(ー) うーかっ-た うー-て うい うーけりゃ(ー)、うーけら
  • 形容動詞けいようどうし
終止しゅうしがたの「だ」が「や/じゃ」にわるほか、「いつも達者たっしゃな(=達者たっしゃだなあ)」のようなかる詠嘆えいたんあらわ連体れんたい終止しゅうしほうがある。「しずかやのに」と「しずかなのに」の併用へいようなど、終止しゅうしがた連体れんたいがた使つかけが明確めいかく場合ばあいがある。
未然みぜん推量すいりょう 連用れんよう 連用れんよう音便おんびん 終止しゅうし 連体れんたい 仮定かてい
しずかや しずかやろ-(ー) しずか-で
しずか-に
しずかやっ-た しずかや しずかな しずかなら

存在そんざい動詞どうし[編集へんしゅう]

存在そんざい動詞どうしとしては、生物せいぶつには「ある」、生物せいぶつには「いる」と「おる」を併用へいようする。西日本にしにほんで「いる」を常用じょうようするのは、福井ふくいけんみねきた京都きょうと南部なんぶ大阪おおさかなどとともにめずらしいれいである。「いる」と「おる」には待遇たいぐう表現ひょうげんてき使つかけがある。「いる」は中立ちゅうりつてき表現ひょうげんであり、人物じんぶつたいしては通常つうじょうこちらを多用たようする。たいして「おる」は見下みさげた表現ひょうげんであり、動物どうぶつ目下めした人物じんぶつたいして多用たようする。同輩どうはい以上いじょう人物じんぶつに「おる」をもちいる場合ばあい心安こころやす間柄あいだがらでないかぎり、軽蔑けいべつてき批判ひはんてきなニュアンスがともなう。ただし、「おります」のかたちはな身内みうちたいしてもちいると謙譲けんじょうあらわし、また共通きょうつうとして「おられる」を尊敬そんけいもちいる。

アスペクト[編集へんしゅう]

西日本にしにほん各地かくちに「はなりよる(=いまはなっている)」と「はなっとる(=はなってしまっている)」のように「-よる」と「-とる」によって進行しんこう継続けいぞくわざ結果けっかたい区別くべつする方言ほうげんがある。滋賀しが県内けんないでも米原まいばら醒井さめがいなど一部いちぶ集落しゅうらく区別くべつすることが報告ほうこくされているが、その大半たいはんでは共通きょうつう京阪けいはん方言ほうげんおなじく区別くべつしない[13]

おおくの地域ちいきで、存在そんざい動詞どうしに「て」をえたかたち進行しんこう継続けいぞく結果けっかあらわす。「-てある→-た(ー)る」「-ている→-てる」「-ておる→-と(ー)る」とする。共通きょうつうでは「-てある」は他動詞たどうしにしかもちいないが、しゅうべんの「-た(ー)る」は自動詞じどうしにももちいる(れい:あの場所ばしょにはむかしぞうったーった)。「-たる」は「-てやる」のちぢみやくかたち同形どうけいだが、アクセントによる区別くべつがあり、たとえば「おけいたる」の場合ばあい、「いたる」と発音はつおんすると「いてやる」、「たる」と発音はつおんすると「いてある」をあらわす。「-てる」と「-と(お)る」の使つかけは「いる」と「おる」の使つかけにじゅんずる。

待遇たいぐう[編集へんしゅう]

補助ほじょ動詞どうし助動詞じょどうし中心ちゅうしんとする待遇たいぐう表現ひょうげん体系たいけい発達はったつしており、日常にちじょうてきに、はなはなしちゅう第三者だいさんしゃ素材そざい待遇たいぐう第三者だいさんしゃ待遇たいぐう)またははなとききてたいしゃ待遇たいぐう、ききて待遇たいぐう)の上下じょうげ親疎しんそ関係かんけいによって複数ふくすう表現ひょうげん使つかける。一般いっぱん近畿きんき方言ほうげん待遇たいぐう表現ひょうげん第三者だいさんしゃ待遇たいぐう偏重へんちょうしているが、しゅうべんとく顕著けんちょであり、その特質とくしつ若年じゃくねんそうにもよく保持ほじされている。また待遇たいぐう表現ひょうげん使用しようには地域ちいき世代せだいがあり、どの表現ひょうげん多用たようするかが話者わしゃおおまかな出身しゅっしん年齢ねんれいそう指標しひょうとなる。

以下いか敬意けいいめてもちいる待遇たいぐう表現ひょうげん尊敬そんけい、ききてへの敬意けいいめてもちいるものを丁寧ていねいしたしみや可愛かわいがる気持きもちをめてもちいるものを親愛しんあい見下みさげる気持きもちをめてもちいるものを軽侮けいぶとする。親愛しんあい共通きょうつうにはない概念がいねんであり、適切てきせつ共通きょうつうやく存在そんざいしない。

もっと上品じょうひん敬意けいいたか尊敬そんけい湖東ことう湖北こほくでは語頭ごとうの「お」を省略しょうりゃくすることがある。きゅう今津いまづまちでは「みやすか→めすけ」のような変形へんけいもある。ぜんけん丁寧ていねい命令めいれい表現ひょうげん挨拶あいさつ多用たようされ、はたらいているひとには「おきばりやす」、他家たけおとずれたさいには「ごめんやす」、それにたいして「おいでやす」、夕暮ゆうぐかえ仕度したくをするひとには「おしまいやす」、仕事しごと家路いえじにつくひとゆかにつくひとには「おやすみやす」、というように「-やす」は滋賀しがけん言語げんご文化ぶんかかせない言葉ことばであった[14]。「んでやす」のように補助ほじょ動詞どうしとしてももちいる(「-ていやす」のりゃく)。
  • ござる
「いる」「る」の尊敬そんけい現在げんざいではおも高齢こうれいそう古風こふう表現ひょうげんとしてもちいる。「んでござる」のように補助ほじょ動詞どうしとしてももちいる。
  • わす、おます、おす
「わす」は「おわす」のてんで、「る」の尊敬そんけいしたいちだんがた「わせる」とも。「おます」と「おす」は「ある」の丁寧ていねいで、共通きょうつうの「ございます」と同様どうよう、「よろしゅーおます/おす」のように形容詞けいようし丁寧ていねいったり、「ここでおます/おす」のように丁寧ていねい断定だんていあらわしたりする。「おます」は湖南こなん湖東ことう、「おす」は湖北こほくおおい。いずれも衰退すいたいしつつあり、とくに「わす」は高齢こうれいそうでもほとんどかれなくなっている。
  • 連用れんよう+)ます
丁寧ていねい推量すいりょうがたは「-ますやろ/まっしゃろ」とし、意志いしがた「-ましょ(ー)」は「-まひょ(ー)」となることがある。
  • 連用れんよう+)なはる
「なさる」のてん命令めいれいがたには「-なされ/なはい/ない」の3種類しゅるいがあり、「-ない」にはやわらかでけたニュアンスがある。「んでなはる」のように補助ほじょ動詞どうしとしてももちいる(「-ていなはる」のりゃく)。
  • だん未然みぜん+)はる/(その未然みぜん+)やはる
みなはる→みゃはる→まはる」のてん。かつてはくだけた尊敬そんけいとされていた[ちゅう 11]が、「-なはる」や「-やす」が衰退すいたいした現在げんざいではもっと一般いっぱんてき尊敬そんけいとなっており、ぜん地方ちほうぜん世代せだい多用たようする。同輩どうはい以上いじょうへの親愛しんあいのようにもちいることもあり、とく大津おおつ中心ちゅうしんでは尊敬そんけい親愛しんあいともに「-はる/やはる」でませる傾向けいこうがある(京都きょうとてき)。現在げんざいだん以外いがいも「未然みぜん+やはる」から「未然みぜん+はる」にうつりつつあり(れい:しやはる→しはる、やはる→きはる、やはる→はる)、湖南こなん都市としでは大阪おおさかのように「だん連用れんよう+はる」というかたちかれる。「んではる/やはる」のように補助ほじょ動詞どうしとしてももちい(「-ていやはる」のりゃく)、湖南こなん湖西こせいでは京都きょうとのように「んではる→んだはる」とすることがある。
  • だん未然みぜん+)ーる/(その未然みぜん+)やーる
湖北こほく湖東ことう甲賀こうがでは「-はる/やはる」を「-ーる/やーる」と変化へんかさせることがあり、湖東ことうではさらに「-る/やる」と短音たんおんさせることがおおい。サ変さへんは「しゃーる」や「さーる」、カへんは「きゃーる」、また「る」は「やーる」になる。「んでやーる」のように補助ほじょ動詞どうしとしてももちいる(「-ていやーる」のりゃく)。
  • だん未然みぜん+)る/(その未然みぜん+)らる
ぜんけん農村のうそん中心ちゅうしんかれるが、とく湖南こなん湖西こせいもちいるやや古風こふう尊敬そんけい親愛しんあい古語こご「-る/らる」がだん活用かつようしたものとされる。湖北こほくにはしたいちだんがたもある。「んでらる」のように補助ほじょ動詞どうしとしてももちいる(「-ていらる」のりゃく)。
  • だん未然みぜん+)れる/(その未然みぜん+)られる
農村のうそん中心ちゅうしんに、共通きょうつうにはない特殊とくしゅ用法ようほうがある。はなにとってはなしちゅう人物じんぶつしたしい目上めうえ父親ちちおやおっと年上としうえ友人ゆうじんなど)で、かつはなとききてあいだあらたまったかんじがある場合ばあいにおいて、「(おっとは)さっきまでもどってきられましたが、すぐまた余所よそかれまして」のような身内みうち敬語けいご用法ようほうがあり、湖東ことう湖南こなん一部いちぶでは「(学校がっこう先生せんせいたいして)うちの学校がっこうわるいことをしられましてすみまへん」のように自分じぶん子供こどもについてはなさいにももちいる。これらははなしちゅう人物じんぶつへの敬意けいいというよりも、文中ぶんちゅうあらたまった雰囲気ふんいきの「-れる/られる」をまじえることでききてへの敬意けいいめているのである。
  • だん未然みぜん+)っさる/(その未然みぜん+)さっさる
ぜんけん点在てんざいするが、とく伊賀いが隣接りんせつする甲賀こうが(とりわけきゅう甲南こうなんまち甲賀こうがまち)でもちいる尊敬そんけい。「-っしゃる/さっしゃる」とも。もとは近世きんせい上方かみがたで、共通きょうつうの「いらっしゃる」の「っしゃる」とどうみなもとである。
  • みえる
米原まいばらで「んでみえる」のように補助ほじょ動詞どうしとしてもちいる尊敬そんけい東海とうかい地方ちほうてき表現ひょうげん
  • だん未然みぜん+)んす/(その未然みぜん+)やんす
    「きゃんす」をもじった商業しょうぎょう施設しせつ長浜ながはま
ぜんけん点在てんざいするが、とく湖北こほく湖西こせいもちいる同輩どうはい以下いかへの親愛しんあい。もとは近世きんせい上方かみがた尊敬そんけいで、現在げんざい高齢こうれいそうではかる尊敬そんけいとしてもちいることがある。サ変さへんは「しゃんす」や「さんす(やや田舎いなかふう)」、カへんは「きゃんす」や「こんす」や「ごんす(やや敬意けいいたかく、田舎いなかふう)」、また「る」は「やんす」となる。長浜ながはま中心ちゅうしんなどで「だん連用れんよう+やんす」、きゅう新旭しんあさひまちでは「まんす→めんす」、きゅう朽木くつきむらでは「しやんす→しえんす」とすることがある。「んでやんす」のように補助ほじょ動詞どうしとしてももちい(「-ていやんす」のりゃく)、湖西こさい一部いちぶでは「んでやんす→んだんす」とすることがある。湖北こほくべん代表だいひょうてき表現ひょうげんとしてられ、公共こうきょうぶつ名称めいしょうなどにもよく利用りようされる[15]時代じだいげきなどでみみにする「あっしは○○でやんす」のような丁寧ていねいとしての用法ようほうはない。
  • 連用れんよう+)やる
湖東ことう甲賀こうがもちいる同輩どうはい以下いかへの親愛しんあい。「ある」のてんで、もと近世きんせい上方かみがた尊敬そんけい。「-よ(ー)る」と対照たいしょうてきに、女性じょせい多用たようする。中年ちゅうねんそう以上いじょうでは、アぎょう・ワぎょうのぞだん動詞どうしのあとでは「みやる→みゃる」と拗音ようおんさせることがおおい。「-やある」の短音たんおんがた「-やる」と同形どうけいになることがあるが、アクセントによる区別くべつがあり、たとえば「やる」の場合ばあい、「やる」と発音はつおんすると親愛しんあい「-やる」、「やる」と発音はつおんすると尊敬そんけい「-やる」となる。「んでやる」のように補助ほじょ動詞どうしとしてももちいる(「-ていやる」のりゃく)。
  • 連用れんよう+)よ(ー)る
軽侮けいぶ。「おる」のてんで、軽蔑けいべつ比較的ひかくてきかるく、男性だんせいそうでは親愛しんあいちくだけたかたりとしても多用たようする。サ変さへんは「しょーる」、カへんは「きょーる」、「る」は「よーる」となることがあるほか、だん接続せつぞくする場合ばあい、「きよる→しょっきょる」「びよる→とべっびょる/んびょる」などと変形へんけいすることがあり、湖北こほくではさらに「しょっこる」「とべっぼる/んぼる」と直音ちょくおんする。「んでよ(ー)る」のように補助ほじょ動詞どうしとしてももちいる(「-ていよ(ー)る」のりゃく)。
  • 連用れんよう+)やがる、(連用れんよう+)くさる、(連用れんよう+)さらす
軽侮けいぶ。「んでやがる」「んでくさる」「んでさらす」のように補助ほじょ動詞どうしとしてももちいる。また「さらす」は単独たんどくで「する」の軽侮けいぶあらわす。湖北こほくなどでは「-やがる」のさらに敵意てきいある表現ひょうげんとして「-やあんぐ」がある[16]
  • けつかる
「いる」の軽侮けいぶ軽蔑けいべつ罵倒ばとうきわめてつよく、日常にちじょうではあまりもちいない。「んでけつかる」のように補助ほじょ動詞どうしとしてももちいる。湖東ことうでは「けっこなる」とも[17]

断定だんてい[編集へんしゅう]

断定だんていは「や」をもちいる。かつては湖北こほく山間さんかん高齢こうれいそう中心ちゅうしんに「じゃ」(永源寺えいげんじなどでは「ざ」とも)をもちいたが、現在げんざいは「なにするんじゃい!」のような粗野そや物言ものいいや「そのー、なんじゃー」のような会話かいわのつなぎなど、かぎられた場面ばめんでしかもちいない。丁寧ていねい断定だんていには京都きょうとおなじく「どす」をもちいる(「-でおす」のてん)が、共通きょうつう「です」にされ、現在げんざいではほぼ高齢こうれいそうかぎられる。大阪おおさかべんの「だす」は滋賀しがけんでは通常つうじょうもちいない。

けし[編集へんしゅう]

ぜんけんで「未然みぜん+ん」と「だん未然みぜん+へん/その未然みぜん+やへん」をもちいる。「-へん/やへん」は「みはせぬ→みゃせん・みゃへん→ません/まへん」とてんじたもの。大阪おおさかてきな「めへん」のかたちすくない(京都きょうとなどとおなじく、「めへん」は「めない」という意味いみになる)。地域ちいき世代せだい個人こじんによって古形こけいの「-せん/やせん」(湖北こほくおおい)、変形へんけいの「-しん/やしん」(きゅう蒲生がもうぐんおおい)や「-ひん/やひん」(けん南部なんぶ一帯いったいおおい)を併用へいようする(いずれも接続せつぞく用法ようほうは「-へん/やへん」とおなじ)。現在げんざいでは「-やへん」が衰退すいたいし、下記かきかたち一般いっぱんてきとなりつつある。

  • うえいちだん・・・連用れんよう(+長音ちょうおん)+ひん (れいきやへん→きひん、やへん→いひん、きょやへん→いひん
  • したいちだん・・・連用れんよう(+長音ちょうおん)+へん (れいべやへん→べへん、やへん→えへん、だしやへん→えへん
  • サ変さへん・・・しやへん→せえへん/しいひん
  • へん・・・きやへん→こおへん[ちゅう 12]/きいひん

「-ん」の過去かこがたは「未然みぜん+なんだ」、「-へん/ひん」の過去かこがたは「-へなんだ」「-へんだ/へんた」「-ひんだ/ひんた」とするが、現在げんざいしん方言ほうげんの「-んかった」「-へんかった」「-ひんかった」が勢力せいりょくばしている。丁寧ていねいがたには「未然みぜん+まへん」と「(「-へん/やへん」の接続せつぞくおなじ)+しまへん/やしまへん」がある。

命令めいれい禁止きんし[編集へんしゅう]

京都きょうと同様どうよう、「せよ/せー」「め」のような命令めいれいがたとともに、「しー(な/や)」「みー(な/や)」のような「連用れんよう+長音ちょうおん」のやわらかな命令めいれい表現ひょうげん多用たようする(「連用れんよう+なさい」のてん)。「み(な/や)」のような短音たんおんがたもちいる。「ー」「きー」など命令めいれいがた連用れんよう命令めいれい同形どうけいになることがあるが、アクセントによって区別くべつし、たとえば「ー」の場合ばあい、「ー」と発音はつおんした場合ばあい命令めいれいがた命令めいれい、「みー」と発音はつおんした場合ばあい連用形れんようけい命令めいれいとなる。

中年ちゅうねんそう以上いじょうもちいるしたしみをめた命令めいれい表現ひょうげんとして、湖南こなん湖東ことうでは「だん未然みぜん+い/その未然みぜん+やい」、湖北こほくでは「命令めいれいがた+いや」がある。前者ぜんしゃ親愛しんあい「-やる」の命令めいれいがたからてんじたものとされる(みやれ→みやい→まい)。 (れい)これまい。 ゆっくりしやいな。 これまさいね(=ませなさいね)。 阿呆あほうなことせんとかい(=しないでおきなさい)。 これめいや。 ゆっくりせよいや。

禁止きんしがたには、サ変さへん古形こけい「すな」がのこるほか、だん以外いがいでは「な(いや)」「な(いや)」「こな(いや)」「せな(いや)」のような「未然みぜん+な(いや)」とすることがある。また京都きょうと同様どうよう、「連用れんよう+なさるな」からてんじた「しない(な)」「みない(な)」「しゃべってな」のようなやわらかな「連用れんよう+ない(な)」「-て+ない(な)」もある。

授受じゅじゅ[編集へんしゅう]

自分じぶんから相手あいてへは「やる」「あげる」をもちい、補助ほじょ動詞どうしとしてもちいる場合ばあいは「-たる」「-たげる」とちぢめる。「-たる」は湖東ことう甲賀こうが一部いちぶでは「-ちゃる」とも。相手あいてから自分じぶんへは共通きょうつうおなじく「もらう」「くれる」で、「くれる」の丁寧ていねいは「くださる/くだはる」と「おくれる」をもちいる(「おくれる」のほうがやや一般いっぱんてき)が、現在げんざいは「くれはる」(「くれる」+「はる」)にされている。「くだはる」の命令めいれいがたは「くだはい」で、くだけた表現ひょうげんには「くだい」や「くらい」がある。命令めいれいがたのみであるが、「おろしおかれよ」のてん「くだしかれ」や「たまわれ」のてん「たも(れ)」が各地かくち高齢こうれいそうかれる。また湖北こほく湖東ことう湖南こなんにかけて、「一緒いっしょに……してほしい」というの「-て+かし(て)」があり、「ってかして」「てかし」のようにもちいる。

助詞じょし[編集へんしゅう]

かく助詞じょし
京阪けいはん同様どうよう、「が」「と」「へ」「を」などは省略しょうりゃくすることがおおい。また多賀たがまち保月ほうづきでは「あがいえ」のように所有しょゆうかく「が/がの」をもちいる。
接続せつぞく助詞じょし
原因げんいん理由りゆうには「さかい(に)」を多用たようし、大阪おおさかでは死語しごとなりつつある現在げんざいも、滋賀しがけんでは比較的ひかくてき勢力せいりょくたもっている。「さけ(に)」「はかい(に)」「はけ(に)」などとも(「さけ(に)」は湖西こさい、「はかい(に)」は湖北こほくおお傾向けいこうがある)。くわえて湖北こほく湖東ことう甲賀こうがでは「で」を併用へいようする。「で」は近世きんせい多用たようされた表現ひょうげんで、現代げんだいでは滋賀しがけんのほかに福井ふくいけん三重みえけん東海とうかい地方ちほうなどでさかん。大阪おおさかてきな「よって(に)」、京都きょうとてきな「し」をもちいることもあり、とくに「し」は湖南こなん湖東ことうなどで女性じょせいおわり助詞じょしてき余情よじょうふくませて多用たようする。
逆接ぎゃくせつとしては、共通きょうつう「ても」にたる「かて」(「でさえ」のふく助詞じょしとしてももちいる)があるほか、「けれど」は「けど」や「けんど」とてんずる。「けど」と「けんど」は接続詞せつぞくしとしてももちいる。
湖東ことう湖北こほくには東海とうかい地方ちほう共通きょうつうして「とさいが」がある(「と最後さいご」のてんか)。接続せつぞく助詞じょし「と」をつよめたもので、「さいが」自体じたいにはとく意味いみはない。「とさい」や「とさぇが」「とさぇご」「とさいな/とさぇにゃ」などとも。 (れい)そうするとさいが。 こうあついとさいが、やるんわいな。
このほか、「しゃべりもってめしうな」のような「ながら」にたる「もって(もって)」、「きしなにうた」のような「がけに」「途中とちゅうに」にたる「しな/しま/し」、「どうなっとせー(=どうにでもきにしろ)」のような「なりと」のてん「なっと」を多用たようする。
ふく助詞じょし
「どこぞ」「だれぞ」のような疑問ぎもんつよめる「ぞ」をぜんけんてきもちいる。また湖北こほく湖東ことう甲賀こうが中心ちゅうしんに「くらい」を「当然とうぜん……とも」または「……とする(なら)」ので、「そんなもん、だれかてできるくらい」「だれかてできるくらいなら苦労くろうせんわ」のようにもちいる。また甲賀こうがなどではかかむす「こそあれ」が「おやならこされ(=おやならばこそ)」「それこされ(=それだよそれ)」など、「こされ」のかたち慣用かんようてきのこされている。
おわり助詞じょし
京阪けいはん同様どうよう「ぜ/で」「ぞ/ど(おも男性だんせい)」「がな」「わ」「ねや/ねん/ね/にゃ」「やんか/やんけ(おも男性だんせい)/やん」「え(おも女性じょせい)」を多用たようするが、近江八幡おうみはちまんなど県内けんない各地かくちで「ぞ」を「じょ」とすることがあり、また「がな」に相当そうとうする表現ひょうげんとして「が」(ぜんけんてき)や「がね」(湖北こほく)、「がえ」(高島たかしま)などがある。そのほか、特徴とくちょうてきおわり助詞じょしにはつぎのものがある。
  • ほん
やわらかなねんしや主張しゅちょう意志いし強調きょうちょうあらわす。彦根ひこね中心ちゅうしんに、湖東ことうから湖北こほくきゅうマキノまちにかけてもちいる。副詞ふくしほんに」からてんじたとされ、多賀たがまち保月ほうづきには「ほに」というかたちがある。ある程度ていど確証かくしょう自信じしんともな表現ひょうげんであり、確定かくてい確実かくじつ主張しゅちょう意志いしにはもちいない。あいだとう助詞じょし「な」をうしろにけることもある。 (れい)えーほんえーほん(=いいよいいよ、いいっていいって)。 明日あしたれるほん(=明日あしたはきっとれるよ)。 そろそろってこほんな(=そろそろってこようかね)。
西日本にしにほん各地かくち疑問ぎもん・(連用れんよう命令めいれい助詞じょしなどをつよめるのに「いな」「いや」(エおんつづ場合ばあいは「えな」「えや」)をもちいるが、湖南こなん甲賀こうが湖東ことうなどではそれにくわえて「いさ」(エおんつづ場合ばあいは「えさ」)ももちいる。「いな」「いや」にくらべると女性じょせいてきひびきがある。甲賀こうがなどでは三重みえけんのように「さ」単独たんどくや「わさ」のかたち強調きょうちょうおわり助詞じょしとしてももちいる。 (れいなにいさー(=なによ)。 んでーさ(=んでよ)。 はよしーさー(=はやくしなさいってば)。 ええやんかいさ(=いいじゃないのよ)。 くわさ(=くよ)。
  • にー
相手あいて同意どういもとめ、さそ表現ひょうげん三重みえけん共通きょうつうする表現ひょうげんであり、伊賀いが隣接りんせつする甲賀こうがもちいる。 (れいこにー(=こうよ)。 どーしょーにー(=どうしようか)。
疑問ぎもん反語はんごあらわす。「か」にくらべて粗野そや表現ひょうげんで、おも湖北こほく以外いがい男性だんせいしたしい間柄あいだがらでの会話かいわもちいる。きゅう朽木くつきむらなど湖西こせい一部いちぶでは「こ」とも。「かい」または「かえ」のてん。なお、反語はんご表現ひょうげんにおいて、「かい(な/や)」および「け」は終止しゅうしがた接続せつぞくする場合ばあい未然みぜんがた接続せつぞくする場合ばあいがある。未然みぜんがた接続せつぞくれいとしては、「あろかい(=あるだろうか、いやないだろう)」や「あこかい/あっかい/あっけ(=あくだろうか、いやアカンだろう)」など。
  • 丁寧ていねい+おわり助詞じょし
「どす」「です」「ます」「おます」「おす」に特定とくていおわり助詞じょしつづ場合ばあい、「どすえ→どっせ」「ですさかい→でっさかい」「ますな→まんな」「おますわ→おまっさ」のように促音そくおん撥音はつおんすることがある。大阪おおさかべんちがって疑問ぎもんおわり助詞じょし「か」での促音そくおんれい:さいですか→さいでっか)はこりにくい。また大阪おおさかべんでは「どないだす→どないだ」「これでおます→これでおま」のように「す」を脱落だつらくさせることがあるが、しゅうべんでは普通ふつう脱落だつらくさせない。
あいだとう助詞じょし
京阪けいはん同様どうよう「な(ー)」を多用たようし、現在げんざい共通きょうつうの「ね(ー)」も一般いっぱんてきである。「のー」をもちいることもあり(おも男性だんせい)、とく湖西こせいさかんである。きゅう野洲やすぐんなどでは「のー」を「にょー」ともう。湖北こほくでは「な(ー)」や「ね(ー)」のまえ撥音はつおん添加てんかされることがある。そのほか、特徴とくちょうてきおわり助詞じょしにはつぎのものがある。
  • よ(ー)
湖東ことう湖南こなん甲賀こうがにかけて、農村のうそん中心ちゅうしんもちいる表現ひょうげん接続せつぞく助詞じょしとくに「で」と「し」)にさかんにける。体言たいげんなどには東京とうきょう女性じょせいのように直接ちょくせつけることがおおい。つよめて「よい(な)」とも。 (れい)あのよー、こないだうてたはなしやけんどよー。 ほやでよ/ほやしよ(=だからさ)。 ほうよいな(=そうだともさ)。
  • なーし
彦根ひこねはん武家ぶけ言葉ことば「なあもうし」に由来ゆらいするとされる上品じょうひんあらたまった表現ひょうげん彦根ひこね中心ちゅうしんきゅう野洲やすぐん湖東ことう湖北こほくもちいる。湖北こほくでは短音たんおんさせて「なし」とも。現在げんざいおも高齢こうれい女性じょせいもちいる。 (れい)ほんでなーし。 すんまへんなーし。
  • なーへ(ー)、なーえ
おも女性じょせい同輩どうはい以下いかもちいるやや丁寧ていねい表現ひょうげん京都きょうとてき表現ひょうげんであり、湖南こなみもちいる。短音たんおんして「なへ」「なえ」とも。草津くさつでは、「なーへ」よりも丁寧ていねい表現ひょうげんとして「なんた」ももちいた(「なああんた」のてんか)。「なーえ」は湖北こほくでももちいるが、湖北こほくでは「え」はちゅうしたおんである。 (れい)ようたなーえ。
  • かい
きゅう蒲生がもうぐんから甲賀こうがにかけてもちいる。「つい」の副詞ふくしにももちいる。
  • その
湖南こなん甲賀こうがの「わえ(ー)」、大津おおつ膳所ぜぜの「へ」(女性じょせいてき)、湖南こなみの「なーよ」、甲賀こうがきゅう甲南こうなんまち甲賀こうがまちのぞく)の「ねーな」など。いずれも共通きょうつうの「ね(ー)」に相当そうとうする。

その[編集へんしゅう]

  • 使役しえきは、だん活用かつようがたの「-す/さす」をもちいる。カへん「こさす」を「きさす」、サ変さへん「さす」を「しさす」などとすることがある。
  • 受身うけみ可能かのうは「-れる/られる」をもちいるが、カへんは「こられる」と「きられる」、サ変さへんは「される」と「しられる」を併用へいようする。また可能かのう可能かのう動詞どうしや「むことができる/でける」、「ようむ」であらわすことがおおい。
  • 推量すいりょうで「こまい」「よまい」のように「-まい/よまい」をもちいることがある。共通きょうつうちがって未然みぜんがた接続せつぞくする(「こう」「よう」と「くまい」「まい」の混合こんごう)。また湖南こなん以外いがいでは「一緒いっしょこまいか」のように「-まい」を勧誘かんゆうもちいることがあり、丁寧ていねいがたとして「連用れんよう+ましょまいか」がある。「か」は省略しょうりゃくしたり「け」とすることもある。

語彙ごいなど[編集へんしゅう]

滋賀しが県内けんない全般ぜんぱんひろもちいる語彙ごいはほとんどが近隣きんりん府県ふけん(とりわけ京都きょうと)と共通きょうつうするが、それぞれの地域ちいき特有とくゆう語彙ごい存在そんざいする。京阪けいはん周縁しゅうえん同様どうよう中世ちゅうせいから近世きんせい上方かみがた語彙ごいがよくたもたれ、湖北こほく中心ちゅうしん中世ちゅうせい以前いぜん古語こご由来ゆらいするものもすくなくない(方言ほうげんしゅうけんろん)。浄土真宗じょうどしんしゅうさかんな地域ちいきであることから、浄土じょうど思想しそう仏教ぶっきょう用語ようご由来ゆらいする語彙ごいもよくられる。以下いか、《》に漢字かんじ表記ひょうきを、〔〕におおまかな使用しよう地域ちいきめいぜんけんひろ分布ぶんぷ点在てんざいするものは省略しょうりゃく)をしるす。

名詞めいし[編集へんしゅう]

あおぢ
不明ふめい〕あおたん。内出血ないしゅっけつ
いじこ
湖東ことうわらつくられたもっこ。穀物こくもつはこんだり、どもをれてあそばせておいたりする。
いっけ
不明ふめい〕《一家いっか分家ぶんけ日本にっぽん各地かくちもちいられる語彙ごいだが、滋賀しがけん以外いがいおおくでは「親類しんるい」や「親戚しんせき」をあらわす。
うみ
うみみずうみ単純たんじゅん方言ほうげんとはがたいが、滋賀しがけんにおいては琵琶湖びわこを「うみ」としたしむことがある。「うみのこ」のように公共こうきょうぶつにもよくもちいられる。
おーやけ
大宅おおたく》〔湖東ことうだい家族かぞく反対はんたいに、しょう人数にんずう家族かぞくのことを「こやけ」という。
おが
湖南こなん湖西こさい?〕カメムシ。「あおむし」のてんか。
おがまなとーさん/おがみのとーさん/おがみとーろ
湖北こほく湖東ことうカマキリ前肢ぜんしおが姿すがたえることから、「はいまなどおりさん(=おがまねばとおさぬ)」→「おがみのとうさん」「おがみの蟷螂かまきり」などと変化へんか地域ちいきによって様々さまざま語形ごけいがある。
おっさん
ぼうさん。「和尚おしょうさま」のてん。「おっさん」(=おじさん)ではなく、「おっさん」と発音はつおんする。
れい)そろそろおっさんらいやはるで(そろそろおぼうさんがきたられるよ)
がお(ー)
湖東ことうもの。おばけ。うことをかないどもをしつけるのにう。「蒲生がもう」がてんじたものという(民間みんかん語源ごげん)。現在げんざい八日ようか妖怪ようかい」というまちおこしにも活用かつようされている。
れい)ほんなわるさばっかししてたらガオがるほん!(そんなわるさばっかりしていたらおばけがるぞ)
かたうま/かたんま
かた肩車かたぐるま湖南こなみでは「かたくま/かたこま/かたこんまかたこま)」とも。
かばた
川端かわばた水路すいろもうけられた作業場さぎょうば。「かわと川戸かわど)」とも。2004ねんにNHKのドキュメンタリー番組ばんぐみ高島たかしま新旭しんあさひまち針江はりえ川端かわばた紹介しょうかいされ、注目ちゅうもくあつめた。
針江はりえのかばた
れい)やっぱしかばたでやしといたスイカは最高さいこうやな(やっぱりカバタでやしておいたスイカは最高さいこうだね)
げべ/げべった/げべっちゃ
湖西こさい湖北こほく湖東ことう最下位さいかい。びり。
れい)またはしりごくでげべになってもた(またけっこで最下位さいかいになってしまった)
ごえんさん
いんさま》〔湖北こほく〕ご住職じゅうしょくさん。和尚おしょうさん。おぼうさん。
彦根ひこねにて。
こびる/こーびる
小昼こひる農作業のうさぎょう合間あいまにとる軽食けいしょく・おやつ。とく昼食ちゅうしょく夕食ゆうしょくあいだるものをいい、地域ちいきによっては午前ごぜんちゅうるものを「まえこびる」や「あさこびる」とう。同義語どうぎごとして「けんずい」や「いっぷく一服いっぷく)」など。
れい)ほな、そろそろ小昼こひるにしょーか(それでは、そろそろ軽食けいしょくにしようか)
ごもく/ごもくた
ゴミ。五目飯ごもくめし五目並ごもくならべの「五目ごもく」ではなく、「ごみあくた」のてんとされる。
こんめ/おこんめ
手玉てだま語源ごげんとしては、「べい」をぬのめてお手玉てだまつくることから、または材料ざいりょうを「め」てつくることからか。「おじゃみ」とも。「おじゃみ」は西日本にしにほん各地かくち分布ぶんぷするが、「こんめ・おこんめ」は滋賀しがけんとその周辺しゅうへんにしか分布ぶんぷしない。
さいぜん
最前さいぜん先程さきほど
れい最前さいぜん田中たなかさんにうてきたわ(さっき田中たなかさんにってきたよ)
じしん
地震じしん》〔不明ふめい〕「じ」にアクセントがくる。
したまわり
下働したばたらきののほか、湖北こほくでは「したがる」毒草どくそうということからヒガンバナを、湖東ことうではぜんの「下回したまわり」ということから料理りょうりものをもす。
じゅんじゅん
すきふうなべ料理りょうりえるおとから。
れいうなぎのじゅんじゅん(うなぎ使つかったすきふうなべ湖北こほく地方ちほうなどの郷土きょうど料理りょうり
すいばら/すいばり/すじばら
湖北こほく湖東ことう甲賀こうが〕(材木ざいもくの)トゲ。
れいゆびにすいばらがさりよった!(ゆびにトゲがさりやがった)
ぞーさ
造作ぞうさく雑作ぞうさ》〔湖北こほく湖東ことう面倒めんどう難儀なんぎ
れい)ぞうさをおかけしてすんまへん(面倒めんどうをおかけしてすみません)
ちょか/おちょか
軽率けいそつあわてたり、調子ちょうしったりすること、ひと。またそうしたことで失敗しっぱいすること。おっちょこちょい。軽率けいそつしゃのことは「ちょかすけ」とも。動詞どうしがたは「ちょかる/ちょかつく」(後述こうじゅつ)。「ちょかちょか」できのない様子ようすあらわす(湖東ことう)。
れい)おちょかせんとき(バタバタしないの)
つりぼし・つりんぼし・つりんぼ・つるんぼ・つるしんぼ・つるしぼし
し・るしし》〔湖西こさい湖北こほくがき。「ぼ」には「ぼう」もかっている。地域ちいきによって様々さまざま語形ごけいがある。
どろず
どろ》〔湖東ことう酢味噌すみそ
れいこいのあらいにはどろつけてうのが一番いちばんやで(こいのあらいには酢味噌すみそをつけてべるのが一番いちばんだよ)
どんつき
《どんき》たり。よく「ドンとたるところだからどんつき」とほぐされるが、たんに「たり」を接頭せっとう「どん」で強調きょうちょうしたものともいう。
れい)どんつきをがったとこがえきですわ(あたりをがったところがえきですよ)
なんぞ/なんど
ぞ・なにど》〔湖西こさい甲賀こうが〕おやつ。おやにおやつをねだるさいの「なんぞええもんおくれ」を省略しょうりゃくしたもの。
れい)なんぞやったらちゃぶだいうえいといたで(おやつだったらちゃぶだいうえいておいたよ)
なんば/なんばん
南蛮なんばん》〔湖南こなん湖東ことう湖西こさいトウモロコシ。「南蛮なんばんきび」のりゃく湖北こほくではトウモロコシのことは「こうらい」とう。「なんば」は近畿きんき地方ちほうひろ分布ぶんぷし、「こうらい(きび)」は濃尾平野のうびへいやひろ分布ぶんぷする表現ひょうげんである[18]
れい夕飯ゆうはんのおかずはなんばやうさかいたのしみにしてたのに、唐辛子とうがらしのことかいな(夕飯ゆうはんのおかずはトウモロコシだとうからたのしみにしていたのに、唐辛子とうがらしのことかい)
なんば
南蛮なんばん》〔湖北こほくトウガラシまたはシシトウガラシおも天野川あまのがわ以北いほく表現ひょうげん南蛮なんばん辛子からしまたは南蛮なんばん胡椒こしょうりゃく。トウガラシを「なんば」とうのは、北陸ほくりく地方ちほう共通きょうつうする特徴とくちょう[19]
ねき
根際ねぎわ》〔湖北こほく湖東ことう湖南こなん甲賀こうががわわきちかく。(れい)もっとねきよせってはなしけや(もっとちかくにってはなしけよ)
にゅー
湖西こさい湖北こほくわらくさんだもの。いねむら。古語こご「にほ」のてん
ひんず
湖北こほく不意ふい
れい)ひんずの費用ひようたくわえとこか(なにかあったときのための費用ひようとしてたくわえておこうか)
ぶげんしゃ/ぶえんしゃ
分限者ぶげんしゃ金持かねもち。
れい田中たなかさんとこはぶげんしゃや(田中たなかさんのいえ金持かねもちだ)
ぶんど
湖北こほく〕エンドウなどのまめ
へんねし
湖北こほく湖東ことう甲賀こうが嫉妬しっと派生はせい動詞どうしへんねしがる」がある(湖東ことう)。
れい)へんねしこしてはるわ(嫉妬しっとをされているよ)
ほたれ/ほだれ
湖北こほく湖西こさい湖東ことう〕つらら。「ほんだら」や「ほんだれ」などとも。『ものるい称呼しょうこ』にも近江おうみ方言ほうげんとして記録きろくがある。
れいどもの時分じぶんはほだれねぶったりしてたなあ(どものころはつららをめたりしていたなあ)
みざら
くつきかえる場所ばしょいた。すのこ。学校がっこうなど公的こうてき場面ばめんでももちいられる。
れい掃除そうじするで、みざらを一旦いったんあげてー(掃除そうじをするから、すのこを一旦いったんあげて)
め(ー)ぼ
いぼ麦粒腫ばくりゅうしゅ。ものもらい。大阪おおさかなどの「めばちこ」はほとんどもちいない。
れいあさきたらめいぼ出来できたった(あさきたらものもらいが出来できていた)
やまいき
やまき》〔甲賀こうがやま仕事しごとくこと。とく共有きょうゆうりん奉仕ほうし作業さぎょうのこと。
もんどり
かわぎょかご一度いちどっかかるとげられないつくりになっている。「もどり」のてん
よけのまい/よけまい
湖北こほく湖東ことう甲賀こうが余計よけい余分よぶん。「余計よけいべい」が語源ごげんか。
れい)あのはなしはちょっとよけのまいやったな(あのはなしはちょっと余計よけいだったな)
よさり
よるり》〔湖西こさい湖南こなん湖東ことうよる古語こご由来ゆらい
れい)よさりにせてもらうでな(夜分やぶんせてもらうからね)

人称にんしょう代名詞だいめいし[編集へんしゅう]

滋賀しが県内けんないもちいられてきた人称にんしょう代名詞だいめいしにはつぎのようなものがある[20]複数ふくすうがたはいずれも接尾せつび「ら」をけるが、かならずしも複数ふくすう意味いみせず、謙譲けんじょうふくんで単数たんすうもちいることもある。

一人称いちにんしょう
一般いっぱんてきなのは「わし」で、おも男性だんせいもちいるが、高齢こうれいそうでは女性じょせいもちいる。「わし」のくだけたかたちに「わい」があり、都市とし以外いがい男性だんせいもちいる。中年ちゅうねん以下いか女性じょせいでは「うち」や「わたし」の勢力せいりょくつよく、男性だんせいあらたまったときには「わたし」をもちいる。このほか、「わたし」のくだけたかたちおも都市とし女性じょせいもちいる「わて/あて」、「おら」のてん下品げひんとされる「うら」などがある。「わい」と「うら」は粗野そや二人称ににんしょうにももちいる。各地かくち特殊とくしゅなものとして、「あ(多賀たがまち保月ほうづき)」「ここら(彦根ひこね複数ふくすうがたでのみ使用しよう)」「のし(長浜ながはま木之本きのもとまち川合かわい)」「らあ(近江八幡おうみはちまんたけたすく)」「わはい(湖南こなみ下田しもだ)」などがある。
二人称ににんしょう
一般いっぱんてきなのは「おまえ/おまい」と「あんた」で、前者ぜんしゃ男性だんせい後者こうしゃ女性じょせいさかんにもちいる。丁寧ていねいなものとして「あんたさん」や「おまはん」または「おまん」がある。このほか「てまえ/てまい」「われ」「おのれ/おどれ」「わごりょ」などがあり、いずれも下品げひん表現ひょうげんとされる。「てまえ/てまい」「われ」「おのれ/おどれ」は一人称いちにんしょうからのてんで、「われら」は「わんら/わんだ(大津おおつ真野まの)」、「おのれら」は「おのんら/おんら」などとも。「わごりょ」は古語こご由来ゆらいするもので、地域ちいきによって「わごら/わごん/わごんら/わごんじょ/わんじょ」など様々さまざま語形ごけいがある。各地かくち特殊とくしゅなものとして、「おれ(米原まいばら甲津原こうづはら)」「そち(高島たかしま朽木くつき雲洞谷うとうだに長浜ながはまきゅう西浅井にしあざいまち長浜ながはまきゅうびわまち)」「そなた(米原まいばらきゅう米原まいばらまち彦根ひこね高島たかしま朽木くつき雲洞谷うとうだに)」などがある。
三人称さんにんしょう
一般いっぱんてきなのは「あのひと」で、したしい同輩どうはい以下いかには「あのこ」とも(大人おとなであっても「」)。やや下品げひんではあるが、「あいつ」「そいつ」「こいつ」も男性だんせいがよくもちいる。このほか、下品げひんとされる表現ひょうげんとして「あのじん」「(あの)てき」「あのごれ」などがある。

指示しじ[編集へんしゅう]

めずらしいものはすくないが、「そ」からはじまる中称ちゅうしょう指示しじが「それ→ホれ」「そこ→ホこ」「そして→ホして」「そんな→ホんな」などとさかんに「ほ」に転訛てんかし、とく湖東ことう顕著けんちょである。もっとも、「そ」がただしいおとという意識いしきはあり、ききかえされると「そ」となお[21]。「あそこ」を「あっこ/あこ」ともうが、湖北こほくではあまりもちいない。連体詞れんたいし形容動詞けいようどうしとして、ぜんけんで「こない(な)」「そない(な)」「あない(な)」「どない(な)」をもちいるほか、米原まいばら甲津原こうづはらに「こがな」「そがな」「あがな」「どがな」がある。

動詞どうし[編集へんしゅう]

いぬ
ぬ・ぬ》かえる。古語こご由来ゆらい。「いんでくる」(「いぬ」+「る」)とも。
れい)ほな、いんでこほん(それでは、かえるよ。辞去じきょ挨拶あいさつとして慣用かんよう表現ひょうげんしている)
えがむ
湖東ことう甲賀こうが〕「いがむ」のてん「いがむ」がさらにてんじたもの。がる。かたむく。
れい)このはしらだいぶえがんどんなあ(このはしら、だいぶかたむいているなあ)
おいねる
いねる》〔湖北こほく湖東ことう甲賀こうが背負せおう。おんぶする。
れいちいさいころねえちゃんによういねてもろたわ(ちいさいころあねによくおんぶしてもらったよ)
かす
ひたす・淅す》まいぐ、ゆすぐ。
れいべいごんごー、かしといてや(こめごういでおいてよ)
げこする
下向げこうする》〔湖東ことうてら仏事ぶつじからかえる。
れいみなげこしてやるで、法事ほうじわったみたいやな(みんな帰宅きたくされているから、法事ほうじわったみたいだね)
こぼつ
こぼつ》〔湖北こほく湖東ことう甲賀こうがこわす。古語こご由来ゆらい彦根ひこね一部いちぶでは「こぼる」とも。
しまえる
仕舞しまいえる》〔湖北こほく湖東ことう〕「しまう」の自動詞じどうしがた。なくなる。きる。
れい灯油とうゆしまえたで、いにかんと(灯油とうゆれたから、いにかないと)
ちびる
摩耗まもうしていくこと。ラぎょうだん活用かつよう[よう出典しゅってん]
ちょかる
湖東ことう調子ちょうしる。かるはずみをする。「ちょかつく」とも(ぜんけん)。名詞めいしがたは「ちょかり」。2010ねん11月におこなわれた『3月のライオン』の「全国ぜんこく47都道府県とどうふけんえきりポスター「ライオンのたび」キャンペーン」で、滋賀しがけん方言ほうげんとして採用さいようされた[22]
れい)ちょかってんなや(調子ちょうしってんなよ)
といれる
取入とりいれる》〔湖北こほく湖東ことうしておいたものをむ。
れい洗濯せんたくもん、といれといてえ(洗濯せんたくぶつんでおいて)
なぶる
なぶる》れる。いじる。れる・修理しゅうりする(甲賀こうが)。共通きょうつうにあるようなマイナスの意味合いみあいをたずにもちいることがある。
れいなぶったのちは、ようあらわなあかんで(さわったのちは、よくあらわないといけないよ)
びちかく/びちがく
《びちく》〔湖西こさい湖北こほく甲賀こうが指先ゆびさきでつねる。つねりながらく。
ふてる
湖北こほく湖東ことう湖南こなんてる。「ほかす」「ほる」とともに併用へいよう
れい)ほんなもんふてとけ!(そんなものてておけ)
ほたえる
さわぐ。ふざける。
れい部屋へやなかでほたえたらあかんがな!(部屋へやなかさわいだら駄目だめでしょうが)
ももける
セーターなどにもうたま出来できる。毛羽立けばだつ。
れい背中せなかのとこの生地きじ、ももけてるで(背中せなかのところの生地きじ毛羽立けばだっているよ)
もらう
もらう》〔湖北こほく湖東ことうどもをさずかる。
れい)まあ可愛かわいらしいぉもらわって(あらまあ可愛かわいさずかられて)
もりこす
す》湯水ゆみずなどが容器ようき容量ようりょうえてあふれること。
れい)うわ、お風呂ふろのおりこしたるで!(うわ、お風呂ふろのおあふれているよ)
もんる
かえる。もどる。「もどる」のてん。「もんてくる/もんでくる」(「もんる」+「る」)のかたちでよくもちいる。2005とし開業かいぎょうした長浜ながはまえきまえ商業しょうぎょう施設しせつ「モンデクール長浜ながはま」の名称めいしょう由来ゆらいひと[23]
れいぼんにはもんてきいや(ぼんにはかえってきなさいよ)
れい)あいつはまだもんらんのけ(あいつはまだもどらないのか)
よばれる
御馳走ごちそうばれる」から用法ようほう拡大かくだいし、「う」の丁寧ていねいとしてもちいることがある。さらに派生はせいして「よぶ」を「御馳走ごちそうする」「(飲食いんしょくぶつなどを)やる」などのもちいることがある。
れい)こんなんしかあらへんけんど、なんなっとよばれて(こんなのしかないけど、なんなりとがれ)
れい夕飯ゆうはんよんでもろた(夕飯ゆうはん御馳走ごちそうしてもらった)
れい)たばこよんで(たばこをちょうだい)

形容詞けいようし[編集へんしゅう]

あじない/あんない
あじい》美味おいしくない。あじうすい。
れい)この味噌汁みそしる、ちょっとあんないな(この味噌汁みそしる、ちょっとあじうすいな)
いかい/いがい
いむい》〔湖西こさい湖北こほく湖東ことうおおきい。大変たいへんな。大層たいそう古語こご「いかし」に由来ゆらい近畿きんき地方ちほうとその周辺しゅうへんでは滋賀しがけん福井ふくいけん岐阜ぎふけん一部いちぶ分布ぶんぷする[24]
れい)しばらくんまにいこうなってえ(しばらくないあいだおおきくなってまあ)
れい)いかいなりして、そんなんもからんのか(大人おとなのくせして、そんなこともからないのか)
うい
うれい》ずかしい。憂鬱ゆううつだ。可愛かわいらしい。(世話せわになって・面倒めんどうをかけて)もうわけない。古語こごし」に由来ゆらい派生はせい動詞どうしうれうがる」がある。
れい)ほんなことしてもろてうれいこっちゃ(そんなことをしてもらってもうわけないねえ)
うたてい/うたとい
てんてい・てんとい》〔湖東ことう甲賀こうが鬱陶うっとうしい。古語こご「うたてし」のてん形容動詞けいようどうしがたうたて」とも。
えらい
えらい」「とても」「とんでもない」のほかに、「しんどい」「つらい」の多用たようする。
れい)えらい風邪かぜいて、えらいわ(ひどく風邪かぜいて、しんどいよ)
おーさらしい
湖東ことう大袈裟おおげさだ。仰々ぎょうぎょうしい。同義語どうぎごに、形容動詞けいようどうしおおさな/おおさわな湖北こほく湖東ことう湖西こさい)」がある。
れい)おおさらしいはなしやなあ(おおげさなはなしだなあ)
きんまい
立派りっぱだ。うつくしい。愉快ゆかいだ。「かねまい」のてんとされる。
れい)きんまいはなやなあ(立派りっぱはなだなあ)
けなるい/けなりい
うらやましい。古語こごことなり」に由来ゆらい普通ふつうとはことなっている→際立きわだっている→ひいでている→そのようであるのがうらやましい)。
れい)あんたとこのよめさん、えらいべっぴんでけなりいわ(あなたのおくさんはとても美人びじんうらやましいよ)
ずつない
術無じつない》つらい。くるしい。古語こご「ずちなし」に由来ゆらい。「ずつない」で「ずかしさやもうわけなさなどで滅入めいる、心苦こころぐるしい」の
れい)ようけべたさかい、ずつないわ(たくさんべたから、はらくるしいよ)
れい人前ひとまえでヘマしてもて、ずつなかったわ(人前ひとまえでヘマをしてしまって、心苦こころぐるしかったよ)
なまずけない
なまけている。不精ぶしょうだ。だらしがない。『にち葡辞しょ』に記録きろくがある。
れい部屋へやちっとも片付かたづけんと! なまずけないやっちゃなあ!(部屋へやをちっともかたづけないで! だらしないやつだなあ!)
はしかい
すすきい》(こまかいトゲなどがたって)ちくちくといたい。風邪かぜなどでのどおくがひりひりする。「はしか」とは、病気びょうきの「麻疹ましん」ではなく、いねむぎにある突起とっきのこと。
れい風邪かぜひいたんかしらん、のぞがはしかいわ(風邪かぜいたのかな、のどがいたいよ)
ひどい
ひどい》わる意味いみだけでなく、ひどい条件下じょうけんかはたらひとたいするねぎらいの挨拶あいさつ言葉ことばとしてももちいる。とく湖東ことうで、「おきばりやす」とほぼ同義どうぎで「おひどいな」や「おひどうすな」とう。
れい)こんなあついなか、ひどいなあ(こんなあついなか、大変たいへんだね)
ほえない
湖西こさい〕あっけない。「い」のてんか。
むっかい
不明ふめい〕「むつかしい」のくだけたかたち滋賀しがけん若者わかもの言葉ことば
れい今日きょうのテスト、めっちゃむっかかった(今日きょうのテスト、とてもむずかった)
よぞい
湖北こほく湖東ことう甲賀こうがいやだ。不快ふかいだ。毛嫌けぎらいすべきさま。おぞましい。甲賀こうが一部いちぶでは鬱陶うっとうしいの
れい)えらいよぞいばなしやで(ひどく気持きもわるはなしだよ)

形容動詞けいようどうし副詞ふくし[編集へんしゅう]

あくしょーな
悪性あくしょうな》〔甲賀こうが随分ずいぶんな。
れい悪性あくしょうわれようやな(随分ずいぶんわれようだな)
えんやらやっと
湖東ことう湖西こさい〕やっとのことで。
がいっと
湖北こほく湖東ことうちかられていきおいよくおこな様子ようす
れい)もっとがいっとして(もっとぐっとして)
かなな
湖西こさい湖南こなん〕《仮名かめいな》たやすい。簡単かんたんな。甲賀こうがでは形容詞けいようしがたかなるい」。
れい)こうするほうがかなな方法ほうほうやな(こうするほう簡単かんたん方法ほうほうだな)
かにここ
湖西こさい〕やっとこのことで。大津おおつ北部ほくぶでは「かなり」または「もうすこし」の
ごんぎりめ
湖東ことう湖北こほく一生懸命いっしょうけんめい
れい)ごんぎりめに頑張がんばっとるな(一生懸命いっしょうけんめい頑張がんばっているね)
せんど
せんなんも。さんざん。ながあいだ。「せんどする」で「(さんざん作業さぎょうをさせられて)きる・くたびれる」(湖北こほく湖東ことう湖南こなん)。「おせんどさん」で「おつかれさん」という挨拶あいさつ言葉ことば湖西こさい湖北こほく湖東ことう)。
高月たかつきえきにて
れい)ああ、せんどした(ああ、くたびれた)
ちゅんちゅん
湖東ことうなど〕などがいている様子ようすあらわ擬態語ぎたいご
れい風呂ふろ、ちゅんちゅんにいといてな(風呂ふろ熱々あつあついておいてね)
どーで
湖東ことう〕どうして。何故なぜ
れい)どうでほんなことうにゃ(どうしてそんなことをうんだ)
とっと
まったくもって。十分じゅうぶんに。いかにも。
れい)とっとらちがあかん(まったくもってらちがあかない)
れい)とっと頂戴ちょうだいいたしました(たしかに頂戴ちょうだいいたしました)
どぼどぼ
ずぶれな様子ようすあらわ擬態語ぎたいご。びしょびしょ。「どぼ」とも。
れい)にわかあめふくがどぼどぼになってもたがな(にわかあめふくがびしょびしょになってしまったよ)
にごはち
はち》〔湖北こほく湖東ことう甲賀こうが〕ちょうどではないこと。いい加減かげん大体だいたい。まあまあ。「じゅう」にたないことから。
れい)にごはちな仕事しごとやな(いい加減かげん仕事しごとだな)
はい
はやくも。「はや」のてん。「もうはい」「はいから」「もうはいから」のかたちでよくもちいる。
れい)もうはいよるか、はよかえらんと(もうよるか、はやかえらないと)
れい)はいからかえるんかいな、だしかいね(もうかえるのかい、まだいいじゃないか)
はんちゃらけ・はんちらけ
仕事しごとなどを中途半端ちゅうとはんぱすこと。同義語どうぎごに「なまはんじゃく・なまりはんじゃく」などがある。
れい)あいつ、仕事しごとはんちゃらけでかえりよったんや(あいつ、仕事しごと中途半端ちゅうとはんぱしてかえりやがったんだ)
ほっこり
ほっこりする」で「(いち仕事しごとえて)ほっとつかれる」。「ほっこりせん」で「ぱっとしない」(湖北こほく湖東ことう)。「ほっこりや」で「うんざりだ」(湖北こほく)。湖北こほくなどでは「おせんどさん」とわせた「ほっこりおせんどさん」という挨拶あいさつもある。
めめくそ/まめくそ/まねくそ
目糞めくそ》ほんのすこし。ほんのわずか。「―かす」とも。
れい)まだお茶碗ちゃわんべいつぶがまめくそほどのこったあるがな(まだお茶碗ちゃわんべいつぶがちょっとのこっているよ)
りんちょく
湖北こほく湖東ことう甲賀こうが几帳面きちょうめん。「凜+率直そっちょく」ということか。
れい)あのひとはほんまにりんちょくなひとやわいな(あのひと本当ほんとう几帳面きちょうめんひとだよ)

感動かんどう連語れんごなど[編集へんしゅう]

かなん
てきん》いやだ。つらい。「かなわぬ」のてん
れい)こうもあつつづくとかなんな(こうもあつつづくとやってられないね)
げなげなばなし
《げなげなはなしうわさばなしつたえ。伝聞でんぶん助動詞じょどうし「げな」から。
れい)げなげなはなしうそじゃげな(いい加減かげんうわさばなし洒落しゃれめかしていましめる言葉ことば
ごーがわく
ぎょうく》〔湖北こほく湖東ことう湖南こなんぎょうやす。はらつ。
れい)あいつはごうくやっちゃ(あいつははらやつだ)
こつきがわるい
《こつきがわるい》〔湖東ことう愛想あいそわるい。「きがわるい」のてんか。
れい)こつきのわるかおしとる(愛想あいそわるかおをしている)
-したらわ
湖東ことう?〕勧誘かんゆう提案ていあんあらわ女性じょせい。-してはどうかしら。
れいってみたらわ?(ってみたらどう?)
-しとー/しとん
湖南こなん〕-しておくれ。-して。京都きょうと共通きょうつうする表現ひょうげん
れい)ちょっとっとお!(ちょっとってちょうだい)
-しとみない/しとむない
湖東ことう〕-するのはける。-するのはなんとなくいやだ。
れいきとみないなあ(がしないなあ)
じゃこももろこも
雑魚ざこ諸子しょしも》玉石混交ぎょくせきこんこう。なんでもかんでも。「もろこ」とは、美味びみさかなとして珍重ちんちょうされる琵琶湖びわこ固有こゆうしゅホンモロコのこと。
しらんてる/しらんとる
らんてる・らんとる》らないでいる。
れいらんてるまにわっとった(らないあいだわっていた)
れい)あのひと、ほんまになんもらんてはったんや(あのひと本当ほんとうなにらずにおられたんだ)
そこそーば/そこそーばい
湖北こほくなど〕そんな場合ばあいでは。それどころでは。
れい)そこそうばやないがな!(それどころじゃないってば)
そこよかろよーに
《其処かろように》〔湖東ことう甲賀こうが〕その上手うまくように、適当てきとうませるさま。
れい)そのけんはまあ、そこよかろようにやっといてんか(そのけんについては上手うま具合ぐあいにやっておいてくれ)
そこらそこらに
《其処とう其処とうに》〔湖東ことう適当てきとうなところで。大概たいがいのところで。「そこよかろように」とほぼ同義どうぎ
たい/たえ
湖東ことうください。頂戴ちょうだい古語こごべ」のてん
れい)ほれかしいせたい(それをしておくれ)
れい)たばこ1ほんたい(たばこを一本いっぽんおくれ)
だしかいな/だしかいね
湖北こほく相手あいて辞去じきょめる挨拶あいさつ。まだまだいじゃないか。遠慮えんりょしなさんな。
だんない/だじない/だしない
つかえない。大丈夫だいじょうぶだ。どうもない。「大事無だいじない」のてん
れい)なんやえらい物音ものおとしたけど、だんないか?(なにやらすごい物音ものおとがしたけど、大丈夫だいじょうぶか?)
どーなろ
たんに「どうなろうか」のだけでなく、湖東ことうではつよ否定ひてい拒否きょひ表現ひょうげんもちいることがある。
れい)ほんなことしてどうなろ(そんなことをしてなにになろうか)
ないない
湖東ことう〕はい。承知しょうち承諾しょうだくあらわす。かつて彦根ひこね城下町じょうかまち特有とくゆう表現ひょうげんとして有名ゆうめいだった(参考さんこうリンク)。
-ね/ねん
「-のいえ」のちぢまったもの。同義語どうぎごに「とこ」。
れい)うちねあそびにきいな(あそびにきなよ)
れい田中たなかさんねは立派りっぱや(田中たなかさんのいえ立派りっぱだ)
のどへつり
のどへずり》〔甲賀こうが〕おやつたずねて相伴しょうばんをあずかったさい挨拶あいさつとく土山つちやまう。「へつる」とはけずる・らすの
れい)えらいのどへつりしましたなあ(大層たいそうおやつをご相伴しょうばんさせていただきました)
はいらこ/わいらこ
湖東ことうまつりのごえ
ほどのよい
ほどい》〔湖東ことう万事ばんじ調子ちょうしいことをって、その程々ほどほどにやりごすこと。
れい)あのひとはほんまにほどひとやで(あのひと本当ほんとう調子ちょうしひとだよ)
ほんでに
接続詞せつぞくし。それだから。そうだから。
れい最近さいきんあめらへんやろ、ほんでに野菜やさいれてしまいよったんや(最近さいきんあめらないだろう、だから野菜やさいれてしまったんだ)
まいらしてもらう
まいらしてもらう》たん神仏しんぶつ参詣さんけいするのだけでなく、とく湖東ことう湖北こほくで、極楽往生ごくらくおうじょうにももちいる。
れい)わしもええとしやでな、はよまいらしてもらわな(わたしもいいとしだからね、はや往生おうじょうさせてもらわないと)
むしろうりこもにねる
むしろこもる》〔湖北こほく自分じぶん専門せんもん分野ぶんやかぎって、かえって自分じぶん自身じしんにはかえりみないこと。紺屋こんやしろはかま
よーあんた(さん)/よーおまえさん
「おおきに」「おきばりやす」などとこえけられたときかえ言葉ことば農村のうそんおお表現ひょうげん。「ようこそあなた」のてんか。どういたしまして。こちらこそ。
よーかよーか
湖東ことう可能かのうせいつよ否定ひていする表現ひょうげん。よくもよくもそんなことができようか、いやできっこない。
れいあるいて琵琶湖びわこ一周いっしゅうて、ようかようか(あるいて琵琶湖びわこ一周いっしゅうだなんて、とてもとても)
よー -して
湖東ことう〕「よう -してくれた」のりゃく相手あいて行為こういへの感謝かんしゃ歓迎かんげいあらわす。
れい)よううて(よくぞってくれた)
れい)ようてやほん(よくてくれたねえ)
よーゆーとくれる
湖東ことう自分じぶんのことをよくってくれたことにたいする感謝かんしゃあらわ言葉ことば。またはひどいことをってきたことにたいする皮肉ひにくてきかえ言葉ことば
よーそーやろぞ
甲賀こうが〕「よくそうであろうぞ」のてん相手あいて謝意しゃい挨拶あいさつたいする反語はんごてきかえ言葉ことば。とんでもない。
れい)「うちのもの色々いろいろ迷惑めいわくをおかけするかとぞんじます。どうぞよろしくおねがいたします」「ようそうやろぞ、こちらこそよろしくおねがもうげます」
よーな/よーね
湖北こほく湖東ことう〕ありがとう。「おおきに」よりも古風こふう物言ものいいとされる。甲賀こうがでは「よーえ」や「よーや」。湖西こせいでは「よーよー」。
れい)お結構けっこうなものいただいて、ようなやほん(結構けっこうなものをいただいて、どうもありがとう)

接頭せっとう接尾せつび[編集へんしゅう]

強調きょうちょう
接頭せっとうには「ど/どん」「どか」、接頭せっとうには「くさい」「たれ(め)」「らしい/たらしい」などがあり、また接頭せっとう接尾せつび兼用けんように「くそ」がある。罵倒ばとういやしめ、不満ふまんあらわすのに男性だんせいがよくもちいてものあら印象いんしょうあたえるが、かたり自体じたいしゅうべん特有とくゆうといえるようなめずらしいものではない。
れい)ど阿呆あほ、どえらい/どいらい、どじらしい(=ずるい)、どすこい(=こすい)、どんじり、どんびゃくしょう(=百姓ひゃくしょう)、阿呆あほうくさい、おそくさい、邪魔じゃまくさい、くそいそがしい、ぼろくそ、げんくそ(=縁起えんぎ)、ごくたれ、貧乏びんぼうたれ、ったらしい(=ったふうな)、馬鹿ばかげたらしい
敬称けいしょう
「さん」を多用たようする。「さん」はしたしみをめて「はん」「つぁん」「やん」「ちゃん」とくだけることがある。愛称あいしょうやあだには「ぼん(「ぼう」のてん)」や「べい」などももちいた。(れいねえさん→ねえやん、あに(あに)さん→あんやん/あんにゃん、幸夫ゆきお→さちぼん、けい→けいべい
くろしい
くるしい」のてん特定とくてい形容詞けいようし語尾ごびけて、嫌悪けんお不満ふまん気持きもちをつよめる。あつくろしい(暑苦あつくるしい)、よぞくろしい(とても気持きもちがわるい)など。
べら/べた
「-がわ」をあらわ接尾せつび。「ほっぺた」の「ぺた」とどうみなもとおもわれる。あっちべら(あちらがわ)、こっちべら(こちらがわ)、こうべら(こうがわ)、みなべら(南側みなみがわ)など
一般いっぱんには「ばかめ」や「わたくしめ」のように罵倒ばとう卑下ひげもちいる接尾せつびだが、湖北こほくなどでは特定とくてい動物どうぶつめいにつけて親愛しんあい接尾せつびとする(福井ふくいべん共通きょうつう)。あいめ(あゆ)、がにめ(かに)、へるめ(ひる)、とりめ(にわとり)、うしめ(うし)など。
一般いっぱんには「ここら」「こちら」のように場所ばしょをぼやかす表現ひょうげんもちいる接尾せつびだが、湖北こほく湖東ことう一部いちぶでは「方角ほうがく+ら」で「方角ほうがく+となり(のいえ)」という意味いみあらわす。また湖北こほくには「きたら」のてんとされる「きとろ」という名詞めいしがある(「きたかた」または「近所きんじょ」の)。
れいひがしらはこん留守るすにしてはるわ(東側ひがしがわのおとなりさんはこん留守るすにされているよ)

備考びこう[編集へんしゅう]

  • 森川もりかわ許六きょろく彦根ひこねはん俳人はいじん)がまとめた俳文はいぶんしゅう風俗ふうぞく文選ぶんせん』に「うぐいすに きとろはさぶい みなべらの うららがとこの のきにけよやれ」といううた(よみじんしらず)が「鄙歌ひなうた」「あふみぶり」として収録しゅうろくされている。
  • 県内けんない各地かくち特徴とくちょうてき俚言りげんならべた「大津おおつソヤガサ(またはソヤガナ[25]小松こまつのウラ言葉ことば 彦根ひこねナイナイ 高島たかしまソヤケンド 栗太くりたグライは 野洲やすのカイ 神崎かんざきなまりは トットホラホーヤ」というじゃがある[26]
  • 彦根ひこね特徴とくちょうてき俚言りげんならべたじゃとして、「ウラ ワゴン ホーヤサカイニ クダシカレ ナイナイ ナーシ トントホッコリ」[27]や「うら わごれ そうじゃさかいに かいも はい ないないねーに こまり ほっこり ほん」[28]がある。
  • 2000ねんにNHKが『ふるさと日本にっぽんのことば』でおこなったアンケート調査ちょうさによると、「21世紀せいきのこしたい滋賀しがのことば」として滋賀しが県民けんみんからの支持しじあつめた言葉ことばは、「おきばりやす」「おおきに」「おしまいやす」「おせんどさん」「うい」「だんない」「にごはち」「きんまい」「きゃんす」であった。
  • はじめさせていただきます」のような「させてもらう/させていただく」敬語けいごは、近江おうみ浄土真宗じょうどしんしゅう信徒しんとが「他力本願たりきほんがん」の思想しそうからもちし、近江おうみ商人しょうにんによって全国ぜんこくひろまった言葉ことばであるとするせつがある[29]
  • 暴露ばくろウイルスによる個人こじん情報じょうほう漏洩ろうえいあらわインターネットスラング「つこうた」は、草津くさつ市議しぎ息子むすこ漏洩ろうえい事件じけんこしたさい市議しぎが「息子むすこがウィニーをつこうた」と発言はつげんしたことに由来ゆらいする[30][31]
  • 出身しゅっしんかる! づかない方言ほうげん』では、東京とうきょう在住ざいじゅう滋賀しがけん出身しゅっしんしゃへのアンケート調査ちょうさからかる滋賀しが県民けんみんの「づかない方言ほうげん」として、「水臭みずくさい(=塩気しおけうすい)」をその代表だいひょうとしてげ、ほかに「えらい(=しんどい)」「かしわ(=鶏肉とりにく)」「大学だいがく回生かいせい」「マクド」などをげている。いずれの言葉ことば滋賀しがけんだけにかぎられる表現ひょうげんではないが、とくに「えらい」の地元じもと使用しよう東京とうきょう使用しようぜん都道府県とどうふけん滋賀しがけん出身しゅっしんしゃがトップクラスであったという[32]
  • 京阪神けいはんしんでは「なんぼ」を個数こすうたずねる場合ばあい値段ねだんたずねる場合ばあい両方りょうほうもちいるが、滋賀しがけんでは値段ねだんたずねる場合ばあいにしかもちいない地域ちいきおお[33][34]
  • 京阪神けいはんしんでは「かたづける」のことを「なおす」と地域ちいきおおいが、滋賀しがけんではもちいる地域ちいき比較的ひかくてきすくない[35]

作品さくひんなど[編集へんしゅう]

彦根ひこね「おいでやす商店しょうてんがい」にある喫茶店きっさてん「もんて」。商店しょうてんがいめい商店しょうてんめい方言ほうげんかしている。

文芸ぶんげい作品さくひんにおいて、登場とうじょう人物じんぶつ台詞せりふなどにその作品さくひんかかわりのある地域ちいき方言ほうげんもちいられることがある。しゅうべんをよく描写びょうしゃした作品さくひんとしては、小説しょうせつでは外村とのむらしげるの『くさいかだ』や『澪標みおつくし』、姫野ひめのカオルコの『ツ、イ、ラ、ク』や『ハルカ・エイティ』、加藤かとう吉治郎よしじろうの『みずうみねこなみを奔る』[36]瀧上たきのうえこうの『青春せいしゅんぱんだバンド』[37]映画えいがでは『おとこはつらいよ 拝啓はいけいしゃ寅次郎とらじろうさま』、漫画まんがではゴツボ×リュウジの『ササメケ』や『もののけもの』などがある。また、しゅうべんぜたうたとして、岡林おかばやし信康のぶやす近江八幡おうみはちまん出身しゅっしん)の「チューリップのアップリケ」、MONKEY KEN(長浜ながはま出身しゅっしん)の「長浜ながはまうた[38]Family〜おかだ兄弟きょうだい米原まいばら出身しゅっしん)の「ほやほん」などがある。

  • 外村とのむらしげる澪標みおつくし』の一節いっせつ(1960ねん[39]
    あかぼうはなあし、かみさんがさづけておくれやすのどす」
    「ふうん、だれにでもさづけておくれやすのか」
    「いんえ、およめくと、おいに、さづけておくれやすのどす」
    「ほんでも、かねはおよめになんか、おこなってやはらへなんだやないか」
    「あれは、わるかみさんどしたんどす」
    「ふうん、ほすと、わるかみさんはおよめかんおんな(ひと)にもさづけやすんか」
    「へえ、うっかりしてると、さづけやすのどす」
    わるかみさんやな。とよもうっかりせんといてな」
    「ほんなもん、わたしら、大丈夫だいじょうぶどす」

方言ほうげん日本にっぽん全国ぜんこく観光かんこうPRや企画きかく公共こうきょう施設しせつ名称めいしょうなどに活用かつようされている。滋賀しが県内けんないではこれまで「おいでやす○○」の看板かんばんえきなどにかれる程度ていどで、積極せっきょくてき活用かつようおこなわれてこなかったが、近年きんねんになって、先述せんじゅつの「やんす」のれいのようにすこしずつ活用かつようれいえつつある。2000年代ねんだいまつから、滋賀しが県内けんないでは守山もりやまのアニメ制作せいさく会社かいしゃまちおこし藤井ふじいぐみ)の滋賀しがけん当地とうちネタアニメが好評こうひょうはくしているが、そのなかに方言ほうげんをネタにするものもあり、滋賀しがけんはつ方言ほうげんヒット作品さくひんぐんとなっている[40]以下いかはそのれい

例文れいぶん[編集へんしゅう]

資料しりょうによって例文れいぶん表記ひょうきがまちまちであるが、ここではみやすいように漢字かんじひらがなじり表記ひょうきとし、句読点くとうてん追加ついかしている。またあいづちなどは一部いちぶ省略しょうりゃくしている。

  • 1957ねん収録しゅうろくされた多賀たがまち萱原かいはら老人ろうじん男女だんじょ2にん会話かいわ一部いちぶ[41]
おとこ:ほーや、ほや、うん、もー、わしらの子供こども時分じぶんにはやなー、あー、はよ、おかさんがうのにはや、べいの、われ、1ひょうも2ひょうも、おー、おどいいてらっで、よさり毎晩まいばん。どういうのやったで、「やがて[ちゅう 13]むと、ハッ、はらおおきなったり、んだらけん」ゆて。ほらほーだわい。
そうだ、そうだ、うん、もう、わたしたち子供こども時分じぶんにはだね、おかあさんがうことには、べいの、あなた、1ひょうも2ひょうも、たくさんいておられるから、夜毎よごとばん。どういうわけかとくと、「いま子供こどもむと、はらおおきくなったり、んだりしてけない」とって。そりゃそうだよ。
おんな:ほりゃー、ほーやったくらい(笑)
そりゃあ、そうだったでしょうよ。
おとこ:(笑)ほいて(笑)、こめきしといてー。
そして、こめきしておいて。
おんな:うん、せんだくもんしきして。
うん、洗濯せんたくぶつをしきして。
おとこ:ほして、ほのー、子供こども[ちゅう 14]おやというものはかしこいでよ、ほら、ほんまになー、ほんなもの、われ、えー、ちゃーんとこめをさーんといて、可笑おか[ちゅう 15]。ぎょーさん毎晩まいばんついてるが、ともあや、やーこーまえで「も、けんよーになんのや」ちゅーてる。
そしてその、おやというものはかしこいからさ、それは本当ほんとうにねえ、そんなもの、あなた、えー、ちゃんとこめをさっといて、ああ可笑おかしい。たくさん毎晩まいばんいているよ、とおもえば、あかぼうまえで「もうけなくなるのよ」とっている。
  • 1958ねん収録しゅうろくされたきゅう朽木くつきむら市場いちば老人ろうじん男女だんじょ2にん会話かいわ一部いちぶ[41]
おとこ:なんとおばさん、めずらしのー[ちゅう 16]
おやおばさん、めずらしいねえ。
おんな:おいの、せんどわなんだのー。
あら、ながあいだわなかったねえ。
おとこ:おー、まー、せんどっちゅーこともないけんどー、わしもはたんだん(=地名ちめいはたけたに)のやまゆくてきて。わりゃー、わりゃーんぼか。
おお、まあ、ながあいだってこともないけれど、わたしもはたんだんのやまってきて。おまえは、おまえんぼか。
おんな:あー、うらー、はたのした[ちゅう 17](=地名ちめいはたけした)のー、ーから、いまちゅうやしー。
ああ、わたしははたのしたのから。いまひるだし。
おとこ:あー、なるほど、そーか。や、わし[ちゅう 18]も、つい(=じきに)ひるーまらしさけ、もーってたんじゃがー。
ああ、なるほど、そうか。いや、わたしも、じきに昼間ひるまらしいから、もどってきたんだよ。
おんな今日きょうはえーお天気てんきあつかったのー。
今日きょういお天気てんきあつかったねえ。
おとこ:おー、のくとて、もうあってあって[ちゅう 19]、もうにがしてしゃーなぇーのー。
おお、あたたかくて、もうあつくてあつくて、もうくるしくて仕方しかたないねえ。
おんな:そやのー、けどまー、お天気てんき結構けっこうや。
そうだねえ、けどまあ、お天気てんき結構けっこうだ。
おとこ:おー、こまったこっちゃー、こら、まー、んでも、みずしいわい。
おお、こまったことだ、これはまあ、それでも、雨水あまみずしいよ。
  • 甲良こうらまちあたりの方言ほうげん会話かいわうつしろく一部いちぶ[42]
A:こないわるうてふさっていたんやが、今日きょうはちょぼっと気持きもちがええで、ちっとない仕事しごとがつくやろとおもえてるとこへ、まえのべっちゃらこいがおのおばあがはいってくるなり、のっけからなんやかや、はちいえきゅうむね(はっけくしゅう)しゃべくりまわした挙句あげく、おまけにしんやんとこのおじいのことをあるだけ曝けだし、あくぞもんぞうて、つっきりにけり、ひとつも仕事しごとをささんと、ひんなかぼうってしもたが、ほんまにんだりったりや。
このあいだ、体調たいちょうわるくてよこになっていたんだが、今日きょうはちょっと気分きぶんがいいから、すこしくらい仕事しごとがつくだろうとおもっているところへ、まえひらたいかおのおばあがはいってくるなり、のっけからなんだかんだ、ことごとくしゃべりまくった挙句あげく、おまけにしんやんのいえのおじいのことをあるだけさらして、すみからすみまでって、最後さいごまでひとつも仕事しごとをさせずに、昼間ひるまずっとぼうってしまったが、本当ほんとうんだりったりだ。
B:ほうやほうや、なんせあのおばあときたら、ひとかおさえたら、となり悪口わるぐちいたいしょうやで、いっぱしはあのおばあにゃ、なんぞきつねでもひょういとるやろってうとったくらいやもん。うてうて、ひゃくまん陀羅しゃべってしゃべってしもたら、けろんこんとしてらるが、まあどうやろ、ようまああっこのおにいがだまっとるとおもえてさ。
そうだそうだ、なんせあのおばあときたら、ひとかおさえたら、となり悪口わるぐちいたいせいだから、一時いちじはあのおばあには、なにきつねでもひょういているだろうとっていたくらいだもの。ってって、たくさんしゃべってしまったら、けろっとしておられるが、まあどうだろう、よくまああそこのおにいがだまっているとおもってさ。
  • 1983ねん収録しゅうろくされたきゅう甲賀こうがまちしん老人ろうじん男女だんじょ会話かいわ一部いちぶ[43]
おんな:なあおとっつぁん、こんなはよから、どこきどすねな。こんなにまあそらわるいのに、もしってきたら、どうしやはるな。
ねえおとうさん、こんなにはやくから、どこきですか。こんなにまあ空模様そらもようわるいのに、もしあめってきたら、どうなさるの。
おとこ:そうやなあ。あめるかもわからんけど、まあことおもえて。みの、どこにあるねやな。
そうだねえ。あめるかもしれないけど、まあこうとおもって。みのはどこにあるんだい。
おんなみの、どこへしもたやろ。わからんけど、いっぺん調しらべてみるわ。さがしてみるわ。そんでまあどこのかわかはるねな。
みの、どこへしまっただろう。わからないけど、一度いちど調しらべてみるよ。さがしてみるよ。それでまあどこのかわかれるの。
おとこ:そうやなあ。かわがええとおもえて、ぬめりがわへこかしらんとおもえてんねわ。
そうだねえ。かわがいいとおもって、ぬめりがわへこうかなあとおもっているんだよ。
おんな:そんなもん、ぬめりがわみたいなところにくてよ。すべらんといとくれや。こんなそらによ。あんなぬめりがわあたりにゆくてよ、ほんまにいまにもってくるのによ。をつけてゆくて。
そんな、ぬめりがわみたいなところへくなんてさ。すべらないでよ。こんな空模様そらもようときにさ。あんなぬめりがわあたりにくなんてさ、本当ほんとういまにもってくるのにさ。けてって。
おとこ大丈夫だいじょうぶや。そんなに心配しんぱいするけど、くもったほうがようれるさかいにな。
大丈夫だいじょうぶだ。そんなに心配しんぱいするけど、くもったときほうがよくれるからね。
おんな:そうやろか。ふーん。まああてにせんとってるけんどよ。られにかんといとくれや。ほやまん、きばってってきとくれ。
そうだろうか。ふーん。まああてにせずにっているけどさ。られにかないでよ。それじゃあまあ、頑張がんばってってきてね。
  • 1985ねん収録しゅうろくされたきゅう甲賀こうがぐん男子だんし中学生ちゅうがくせい会話かいわ[44]
B:ほんで、れてなー、そのおかねでなー、ジュースとかケーキってくえててん、とか、うそばっかりいよんね。あ、ほんでからなー、あの、長浜ながはまほうでよー、つららがってくるやつがよー、ある、ひ、一人ひとりのやつがあるいとってよー、友達ともだちか。ほんで、こうやって、つららがってきてあたまさってよー、あたまうえさってよー、そのままいえかえってよー、ほんで、おかあさんがやってなー、つららがあたまさったって、うわー、てなってなー。そんなんうとった。うとらへんた?
それで、れてねえ、そのおかねでねえ、ジュースとかケーキをってってたんだ、とか、うそばかりうんだ[ちゅう 20]。あ、それからねえ、あの、長浜ながはまほうでさあ、つららがちてくるやつがさあ、ある一人ひとりのやつがあるいていてさあ[ちゅう 20]友達ともだちか。それで、こうやって、つららがちてきてあたまさってさあ、あたまうえさってさあ、そのままいえかえってさあ、そしておかあさんがてねえ[ちゅう 21]、つららがあたまさったって、うわーってなってねえ。そんなことっていた[ちゅう 20]ってなかった?[ちゅう 20]
A:らん。
らない。
B:うそや、うとったで。
うそだ、っていたよ[ちゅう 20]
A:うそや。
うそだ。
B:ほんま。つららがさったままかえってなー、おかあさんがびっくりしゃった、うて。
本当ほんとう。つららがさったままかえってねえ、おかあさんがびっくりした[ちゅう 21]、とって。
A:なんかなあ。
なんだかなあ。
B:そんなもん、気付きづくにまったる。つららがぼこってあたまさってよ。
そんなもの、気付きづくにまっている。つららがぼこってあたまさってさ。
  • 2002ねん収録しゅうろくされたきゅう能登川のとがわまち乙女浜おとめはま老人ろうじん調査ちょうさしゃ大橋おおはし)の会話かいわ一部いちぶ[45]
大橋おおはしなにかー、へん天気てんきんなってきましたねー。
ろうおとこほーよー。のくい よいー やったけんど。
そうそう。あたたかいだったけど。
大橋おおはし:もーそろそろーお仕事しごとみなさんはじまるんですか。
ろうおとこ:いわしろやがな。
いま苗代なわしろだよ。
大橋おおはし:あー。苗代なわしろねー。あー。
ろうおとこえー⤵。でー 蒔えてー⤵。 だしやえてー⤵。
ええ。いて。させて。
ほれーんえ もてってー。
それをんぼへってって。
の、ま、けでー、ー、あのー、え もってくが なとりやけんど。ー、もーちょっウスがあるさけーに。ウスえ もっおけえなー⤵。おらー まー⤵ もー ーさん(=つまのこと)とでも やれるさけえに、つめにらうてもええんど。
わけ不明ふめい)で、まあ、あの、っていくのがなえりだけれど。まあ、もうちょっとハウスがあるから。ハウスへってこうかな。わたしはまあもうつまとでもできるから、つとめになくてもいいけれど。
のー 曜日ようびにちの あいだにー でんわ やっかんとなー⤴。
この土曜日どようび日曜日にちようびあいだんぼへすのはやっておかないとねえ。
調査ちょうさ世話人せわにん:そーですねー。
大橋おおはし:じゃー、明日あしたは かきれで。明日あした大変たいへんだ。
ろうおとこー、ー おにも かんじょー わえんしー⤴。(わらい
ええ、それで、まあわたしにも勘定かんじょうわないといけないし。
ながなが ほー もうーに かんなー。ー。へへ。
なかなかそうおもうようにいかないよ。ええ、へへ。

こうしゅうべんゆかりの著名ちょめいじん[編集へんしゅう]

  • 伊藤いとう忠兵衛ちゅうべえ (だい) - 犬上いぬかみぐん豊郷とよさとまち出身しゅっしん実業じつぎょう言葉ことばへの関心かんしんたかく、昭和しょうわ30年代ねんだい初頭しょとう郷里きょうり方言ほうげん調査ちょうさ発願ほつがんしたことがある。これをけて藤谷ふじたにいちうみらが方言ほうげん調査ちょうさおこない、1975ねんに『滋賀しがけん方言ほうげん調査ちょうさ』が刊行かんこうされた。
  • 田中たなかようたち - 彦根ひこねきゅうみなみ青柳あおやぎむら出身しゅっしん政治せいじしゅうべん丸出まるだしの毒舌どくぜつまじえた演説えんぜつられた[46]
  • 田中たなか理紗りさ - 近江八幡おうみはちまん出身しゅっしんのNHKアナウンサー。新潟放送にいがたほうそう時代じだい新潟にいがたけんのローカル番組ばんぐみ『NEXT!』で「いますぐ使つかえる滋賀しがべん講座こうざ」コーナーを担当たんとうしていた。
  • 西村にしむら頼子よりこ - 女優じょゆう。NHK連続れんぞくテレビ小説しょうせつスカーレット』で滋賀しがことば指導しどう担当たんとう
  • 野村のむらただしいく - 草津くさつ出身しゅっしんのNHKアナウンサー。NHK教育きょういく番組ばんぐみことばおじさんのナットク日本語にほんごじゅく』の「アナウンサーの方言ほうげんファイル」コーナーで「いこう(=「いかい」の連用形れんようけい)」「ほやほや」「三方さんぽうよし」を紹介しょうかいしたことがある。
  • 橋本はしもと奈穂子なおこ - 長浜ながはまきゅう木之本きのもとまち出身しゅっしんのNHKアナウンサー。『ことばおじさんのナットク日本語にほんごじゅく』の「アナウンサーの方言ほうげんファイル」コーナーで「だんない」「うい」「きゃんす」を紹介しょうかいしたことがある。
  • 松居まつい一代かずよ - 近江八幡おうみはちまん出身しゅっしん女優じょゆう。NHKの番組ばんぐみ『ふるさと日本にっぽんのことば』で滋賀しがけんのゲストに登場とうじょうし、ずっと使つかわれてほしい滋賀しがけん方言ほうげんとして「ごきげんさん」を紹介しょうかいした。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ #かけい1982に「滋賀しがけん方言ほうげん京都きょうと言語げんご文化ぶんかけんぞくし、京都きょうと共通きょうつう特徴とくちょうをもっていることは、いまさられいをあげるまでもない。」とある。
  2. ^ #井之口いのくち1961に「大津おおつむすめに、大津おおつことばときょうことばとの相違そういいたら、『大津おおつ京都きょうと田舍いなかべんですよ』とこたえてくれた。」とある。
  3. ^ 京都きょうと市内しないはたら滋賀しがけん出身しゅっしん女性じょせいへのインタビュー(廣戸ひろとあつし特集とくしゅうかべとしての敬語けいご 方言ほうげん敬語けいごから共通きょうつうへ」『言語げんご生活せいかつ』1982ねん4がつごう筑摩書房ちくましょぼう
    郷里きょうり言葉ことば京都きょうとのことばのちがいは。
    そうですね。京都きょうとのことばが滋賀しが言葉ことばよりやわらかいですね。滋賀しがけんほうきたない。
    ―どんなところですか。
    きゅうにはおもせませんけども、京都きょうとひとは、ソーエとわはるところが、エは最後さいごにつけるでしょう。そういうところを滋賀しがけんではげんウテハッタデなど、しなわるいのではと。
    語尾ごびですか。
    ええ、語尾ごび
  4. ^ キョートベンガシ キナク ナッガー ゴーシューベント ユーノカ。イ。ホーイニ イワレマス ネー⤵。(京都きょうとべんすこきたなくなったのがあしゅうべんというのか。はい。そのようにわれますねえ。)<ろうおとこ>」
    とう地点ちてん地元じもとひとのこのげんが、よくとう方言ほうげんはな調子ちょうし一般いっぱん代弁だいべんしてくれている。(#大橋おおはし2003
  5. ^ 滋賀しがのことばは、きょうことばにていますが、単刀直入たんとうちょくにゅうはなし、行動こうどうてきでことばがあらくてつよかんじをけます。しかし、そこにおもいやりがあり、あたたかみがあります。(後略こうりゃく)」(#NHK2005松居まつい一代かずよのコメント)
  6. ^ NHK『ふるさと日本にっぽんのことば・滋賀しがけんないのインタビューで、滋賀しがけん方言ほうげんについてたずねられた大津おおつ市民しみんつぎのようにこたえている。(#熊谷くまがい2003
    サーファー「滋賀しがけん方言ほうげんなんて、ありまへんで」
    女子じょし高校生こうこうせい滋賀しが方言ほうげんなんて、ないな」
    漁師りょうし一人ひとり「ひどう、かわりまへんで」
  7. ^ 琵琶湖びわこ博物館はくぶつかん区画くかくのぞき、#かけい1982によった。
  8. ^ 日本語にほんご方言ほうげん辞典じてん別巻べっかん> ―全国ぜんこく方言ほうげん会話かいわ集成しゅうせい―』(2002ねん藤原ふじわら与一よいち東京とうきょうどう出版しゅっぱん)によると、1955ねん朽木くつきむらでの方言ほうげん調査ちょうさでガぎょう鼻濁音びだくおん確認かくにんされている。
  9. ^ #服部はっとり1990によると、湖東ことう地方ちほう3地点ちてんの60だい以上いじょう話者わしゃへの調査ちょうさで、以下いかかたりで「○○」という発音はつおん観察かんさつされたという。
    近江八幡おうみはちまん沖島おきしま話者わしゃ - 「いごく(=うごく)」
    彦根ひこね河原かわはら能登川のとがわまち垣見かきみ話者わしゃ - 「(かねが)かかる」「(これに)かぎる」「(に)あまる」「たのむ(つよ依頼いらい口調くちょう)」「(あれだけはたらいたらかねが)のこる」「(おまえうことはう)わかる」「(わしはそう)おもう」「(そんなことされたら)こまる」(話者わしゃによっては一部いちぶのみ)
  10. ^ 「いとしげい」ということで「にくらしい」などのもちいる地域ちいきすくなくない。
  11. ^ 外村とのむらしげる小説しょうせつ澪標みおつくし』につぎのような一節いっせつがある。
    しかしその翌朝よくあさから、たつはははしかられどおしである。まづ言葉ことばひがわるいといつてしかられる。
    目上めうえのおかたに、『やはつた』とはなんや。『なさつた』とか、『おでやした』とかげんふもんや」
  12. ^ 現在げんざい関西かんさいいちえん使つかわれる「こーへん」は共通きょうつうの「ない」に影響えいきょうされたしん方言ほうげんとされるが、それとはべつ湖北こほくでは高齢こうれいそうでも「こーへん」をもちいる。
  13. ^ 「あがて」にちか発音はつおん
  14. ^ 間違まちがい。
  15. ^ 詠嘆えいたん語幹ごかん用法ようほう
  16. ^ 「どー」にちか発音はつおん
  17. ^ 「ひた」にちか発音はつおん
  18. ^ 「わひ」にちか発音はつおん
  19. ^ あつあつて」の「つ」が無声むせいしている。
  20. ^ a b c d e かる見下みくだ気持きもちがめられている
  21. ^ a b かる敬意けいいめられている

出典しゅってん[編集へんしゅう]

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参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

全般ぜんぱん
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  • 宮治みやじ弘明ひろあき滋賀しがけん甲賀こうがぐん水口みずぐちまち八田はった方言ほうげんにおける待遇たいぐう表現ひょうげん実態じったい--動作どうさ主体しゅたいたいする表現ひょうげんをめぐって」『かたりぶんだい46ごう大阪大学おおさかだいがく国文学こくぶんがく研究けんきゅうしつ、1985ねん12月、33-49ぺーじISSN 03874494NAID 120006467172 
  • 村木むらき新次郎しんじろう「『滋賀しがけん湖東ことう方言ほうげん動詞どうし形態けいたいろん素描そびょう」、『国文学こくぶんがく解釈かいしゃく鑑賞かんしょう』49かん1ごう至文しぶんどう、1984ねん
  • 井之口いのくち有一ゆういち滋賀しがけん方言ほうげん調査ちょうさ研究けんきゅう』1961ねん
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  • かけい大城おおしろ滋賀しがけん方言ほうげん」、飯豊いいとよ毅一きいち日野ひのじゅん佐藤さとう亮一りょういちへん講座こうざ方言ほうげんがく7 ―近畿きんき地方ちほう方言ほうげん―』国書刊行会こくしょかんこうかい、1982ねん
  • 熊谷くまがい直孝なおたか滋賀しがけん」、佐藤さとう亮一りょういちへん都道府県とどうふけんべつ全国ぜんこく方言ほうげん辞典じてん CDき』三省堂さんせいどう、2009ねん
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語彙ごい
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  • 中山なかやま敬一けいいち北東ほくとう近江おうみ方言ほうげんりん工房こうぼう、1994ねん
  • 増井ますいきむのりへん滋賀しがけん方言ほうげん語彙ごい用例ようれい辞典じてんサンライズ出版しゅっぱん、2000ねん
  • 増井ますいきむのりへん滋賀しがけんことば語源ごげん辞典じてん滋賀しがことばのかい、2001ねん
その
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  • 大橋おおはし勝男かつお日本にっぽんしょ方言ほうげんについての記述きじゅつてき研究けんきゅう(43)滋賀しがけん神崎かんざきぐん能登川のとがわまち乙女浜おとめはま方言ほうげんについて」『新潟大学にいがただいがく教育きょういく人間にんげん科学かがく紀要きよう 人文じんぶん社会しゃかい科学かがくへんだい5かんだい2ごう新潟大学にいがただいがく、2003ねんISSN 13442953NAID 110004463560 
  • 滋賀しがけん文化ぶんか振興しんこう事業じぎょうだんみずうみこく文化ぶんか だい103ごうサンライズ印刷いんさつ出版しゅっぱん、2003ねん
    • 増井ますいきむのり日本語にほんご滋賀しが言葉ことば
    • 熊谷くまがい直孝なおたか地域ちいきにみる、滋賀しが方言ほうげん特徴とくちょう
  • NHK放送ほうそう文化ぶんか研究所けんきゅうじょ柴田しばたみのる監修かんしゅう『NHK 21世紀せいきのこしたい ふるさと日本にっぽんのことば④近畿きんき地方ちほう学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ、2005ねん

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

  • ぼてじゃこ物語ものがたり』 - 1971ねん放送ほうそうされたはなとう大津おおつ出身しゅっしん脚本きゃくほんのドラマ。滋賀しがけん舞台ぶたいであり、題名だいめいの「ぼてじゃこ」とは「はらがぼてっとしたるにらぬしょうさかな(そこからてんじて、ぼてはらにん)」を意味いみする俚言りげんである。
  • 滋賀しが県立けんりつ彦根ひこねひがし高等こうとう学校がっこう - 1970年代ねんだいなかば「方言ほうげん研究けんきゅうクラブ」が存在そんざいし、熊谷くまがい直孝なおたか指導しどうもとで、おも湖東ことう地方ちほう滋賀しがけん方言ほうげん調査ちょうさ活発かっぱつっていた。
  • Axis powers ヘタリア』 - ベルギーを擬人ぎじんさせたキャラクターの口調くちょうが「滋賀しがべん」と設定せっていされている。

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]