酔 いどれ小 籐 次 留 書
『
「
あらすじ
[酔 いどれ小 籐 次 留 書 豊後 国 森 藩 の下屋敷 の厩 番 ・赤目 小 籐 次 は、酒 でしくじり奉公 を解 かれた。しかし、それは表向 きのことで、小 籐 次 の真意 は城中 で辱 めを受 けた主君 ・久留島 通 嘉 のため、大名 4家 を相手 にたった1人 で戦 いを挑 むことにあった。4家 の大名 行列 を襲 い、御 鑓 を奪 った小 籐 次 は、見事 主君 の恥 を雪 ぐことに成功 した。奉公 を辞 した小 籐 次 は、周囲 の人達 の支援 を受 け、父 から教 わった研 ぎ仕事 を生業 に市井 で暮 らすようになった。しかし、御 鑓 を奪 われた大名 家 からの刺客 が差 し向 けられたり、江戸 の町 で起 こる様々 な事件 に巻 き込 まれたり、自 ら解決 のために戦 いに身 を投 じたりと、小 籐 次 の行 く先 には常 に風雲 が渦巻 いているのであった。新 酔 いどれ小 籐 次 留 書 旧 酔 いどれ小 籐 次 留 書 「状箱 騒動 」より、数 年 が経過 した文政 6年 5月 16日 に営 まれた三河蔦屋十二代目染左衛門の三 回忌 法要 より再 び物語 は始 まる。
登場 人物
[赤目 小 籐 次 (あかめ ことうじ)本 作 の主人公 。物語 開始 時点 で49歳 。元 は豊後 森 藩 の下屋敷 で厩 番 をしていたが、主君 の久留島 通 嘉 が江戸城 中 で受 けた辱 めを雪 ぐべく、酒 の上 での失態 を名目 に藩 を辞 し、大名 4家 を相手 に「御 鑓 拝借 騒動 」を起 こす。この事件 により江 都 (江戸 )中 にその名 が知 られ、御 鑓 を奪 われた藩 からの刺客 に命 を狙 われるようになる。奉公 を辞 した後 、裏長屋 に住 まいし、父親 に教 え込 まれた研 ぎ仕事 を生業 とするようになる。その腕前 は熟練 の職人 達 でさえ一目 置 くほどで、多 くの得意 客 を獲得 するに至 る。また、下屋敷 での内職 仕事 をして得 た経験 から、竹細工 を作 る腕 もかなりのもので、後 に水戸 藩 名物 となる「ほの明 かり久慈 行灯 」を制作 する。亡 き父 ・伊 造 (いぞう)から5歳 の時 から叩 き込 まれた来島 水軍 流 で、多 くの敵 を打 ち倒 す。大 酒飲 みで、当人 は「外道 飲 み」と謙遜 するが、芸 の域 に達 しているとして周囲 の人 を楽 しませる。酒 の味 を知 ったのは、32歳 の秋 に父 が亡 くなった日 で、その弔 いの席 で酒 を飲 んだのが最初 。母親 は勝手 女中 のさい。さいは小 籐 次 を産 んだ後 、まもなく亡 くなる。身長 は低 く、頭 は禿 げ上 がり、顔 は「もくず蟹 」と揶揄 され、決 して美男 子 とは言 えないが、笑 うと愛嬌 がある。安心 感 を与 えるのか、小 籐 次 に心 を開 く女性 も多 い。赤目 駿 太郎 (あかめ しゅんたろう)小 籐 次 の養子 。かつて小 籐 次 の命 を狙 った刺客 の1人 ・須藤 平八郎 と、老中 青山 家 の係累 ・小 出家 のお英 との間 に産 まれた子 。登場 当時 は赤子 で、その後 、少 しずつ成長 していく姿 が描 かれる。「新 酔 いどれ小 籐 次 留 書 」では若 き少年 剣士 として修業 に明 け暮 れており、その腕前 は既 に悪党 と渡 り合 うほどである。- おりょう
旗本 ・水野 家 の女中 。小 籐 次 の憧 れの女性 。後 に水野 家 を辞 し、歌道 で身 を立 てると決意 する。その際 に、小 籐 次 と久慈 屋 の尽力 で「望 外川 荘 」という屋敷 に住 まうことになる。久慈 屋 のやえと浩 介 の婚礼 が行 われた日 に、芝 神明 社 にて、小 籐 次 と夫婦 の誓 いをなす。当初 は「歌 女 (うため)」と名乗 っていた雅号 を後 に「里 桜 」と改 め、「芽 柳 (めやなぎ)派 」と呼 ばれる和歌 の集 いを主宰 する。
豊後 森 藩
[高堂 伍 平 (たかどう ごへい)豊後 森 藩 の下屋敷 用人 。何 かと口煩 い小 籐 次 の上司 。御 鑓 拝借 騒動 の後 、小 籐 次 を見 かける度 に、何 かと理由 をつけて下屋敷 に寄 るよう促 す。巷 に流 れる小 籐 次 の武勇 伝 を全 く信 じていない。久留島 通 嘉 (くるしま みちひろ)豊後 森 藩 の第 8代目 当主 。城 持 ち大名 でないために江戸城 中 で辱 めを受 けたことを涙 ながらに小 籐 次 に語 り、それが御 鑓 拝借 事件 のきっかけとなる。久留島 通 同 (くるしま みちとも)豊後 森 藩 の第 7代目 当主 。物語 開始 時点 では故人 。酒 で失態 を犯 し、そのまま手打 ちにされるところだった小 籐 次 を許 してくれる。小 籐 次 は、その時 の恩義 を忘 れずにいた。宮内 積雲 豊後 森 藩 の江戸 家老 。当主 久留島 氏 の縁戚 で、通 嘉 の叔父 にあたる。創 玄 一 郎 太 (そうげん いちろうた)、田淵 代 五 郎 (たぶち よごろう)江戸 藩邸 勤番 の、徒士 組 の下級 藩士 。藩主 の許 しを得 て小 籐 次 の剣術 の門弟 になる。
新 兵衛 長屋
[勝五郎 小 籐 次 が暮 らす新 兵衛 長屋 の、隣 の部屋 に住 む版木 職人 。小 籐 次 が関 わった事件 を、ネタとして版元 に自 ら売 り込 みに行 くことも多 い。新 兵衛 新 兵衛 長屋 の差配 。後 に認知 症 を患 う。その姿 は小 籐 次 からは「生 きながらにして仏 になった」と評 されることも。「新 酔 いどれ小 籐 次 留 書 」では自分 を小 籐 次 と思 い込 み研 ぎの真似事 をしていることが多 い。- お
麻 新 兵衛 の娘 。認知 症 となった父 に代 わり、長屋 の差配 を務 める。桂 三郎 - お
麻 の夫 。飾 り職 人 。 - お
夕 - お
麻 と桂 三郎 の娘 。認知 症 となり子供 のような精神 状態 となった新 兵衛 と遊 んだり、小 籐 次 が仕事 をしている間 、駿 太郎 の面倒 を見 たりする。そのため駿 太郎 とは姉 弟 同然 の仲 。「新 酔 いどれ小 籐 次 留 書 」では父 である桂 三郎 に職人 として弟子 入 りする。
久慈 屋
[昌 右 衛門 (まさえもん) /五 十 六 (いそろく)紙 問屋 「久慈 屋 」の主人 。小 籐 次 に危難 を救 われて以来 、その人柄 に惚 れ込 み、彼 の強力 な庇護 者 となる。隠居 後 は元 の「五 十 六 」の名 に戻 る。観 右 衛門 (かんえもん)- 「
久慈 屋 」の大 番頭 。昌 右 衛門 とは縁戚 関係 で、やえの叔父 にあたる。昌 右 衛門 と2人 で久慈 屋 を取 り仕切 る。 - やえ
昌 右 衛門 の一人娘 。浩 介 (こうすけ)- 「
久慈 屋 」の手代 。『祝言 日和 』にて、やえと結婚 し、久慈 屋 を継 ぐこととなる。 国三 (くにぞう)- 「
久慈 屋 」の小僧 。小 籐 次 への使 いをしたり、供 をしたりと、小 籐 次 との接触 が多 い。芝居 見物 したさに仕事 が疎 かになり、大 きな失態 をしたため、久慈 屋 本家 での修行 のし直 しを命 じられる。後 に小 籐 次 と再会 した時 には、以前 よりもずっと落 ち着 いた性格 になっている。 喜多 造 - 「
久慈 屋 」の荷 運 び頭 で船頭 。 梅吉 国 三 の代 わりに「久慈 屋 」に入 って働 く小僧 。細貝 忠左衛門 久慈 屋 の本家 にあたる細貝 家 の当主 。角次 久慈 屋 本家 の紙漉 きを司 る職人 頭 。- おまつ
- 「
久慈 屋 」の女中 頭 。 正一郎 - やえと
浩 介 の間 に生 まれた子供 。
幕府 関係 者
[- おしん
御 庭 番 。老中 ・青山 忠裕 の命 を受 けて動 くことが多 い。水野 監 物 大 御 番頭 を務 める5700石 の旗本 。おりょうの主人 。青山 下野 守 忠裕 (あおやましもつけのかみただやす)幕府 老中 。丹波 篠山 藩 6万 石 の大名 。中田 新八 御 庭 番 。小 籐 次 の助力 を得 て、おしんと共 に仕事 を果 たしたことがある。後 に青山 家 の目付 組頭 に昇進 。間宮 林蔵 幕府 密偵 。水戸 藩 に潜入 した際 に、小 籐 次 と邂逅 する。九条 保次郎 寺社 奉行 付 きの吟味 物 調 役 。有能 で腕 も立 つが、外見 や言動 にとぼけたところが多 いため、朋輩 からは「とぼけの九 条 」と呼 ばれている。寺社 奉行 ・松平 右近 将監 武 厚 の命 で寺社 奉行 所 の役人 の不正 を探索 している時 に、ひょんなことから小 籐 次 と知 り合 う。
町奉行 所 の関係 者
[秀次 南 町奉行 所 の同心 から鑑札 を預 る御用聞 き。通称 「難波 橋 の秀次 」。- おみね
秀次 の女房 磯崎 華 次郎 秀次 に十 手 を預 ける南 町奉行 所 の定 町 廻 り同心 。近藤 精 兵衛 の教育 係 でもある。近藤 精 兵衛 南 町奉行 所 の定 町 廻 り同心 。磯崎 と共 に秀次 を御用聞 きとして使 う。小 籐 次 と共 に事件 の解決 に動 くこともある。
御 鑓 拝借 事件 の藩 関係 者
[黒崎 小弥太 (くろさき こやた)讃岐 丸亀 藩 の道中 目付 支配 下 。物語 開始 時点 で21歳 。鑓 先 を奪 った小 籐 次 を追跡 するが、己 の腕 では太刀打 ちできないと判断 し、事件 を起 こした動機 を知 るべく小 籐 次 に単身 接触 する。古田 寿三郎 播州 赤穂 藩 の、鉄砲 、鑓 、弓 組 を束 ねる御先 組 番頭 。後 に目付 に昇進 。東 軍 新 当流 の遣 い手 。小 籐 次 との折衝 役 となり、4藩 の折衝 役 のまとめ役 を務 める。藩主 忠敬 が、馬 で遠乗 りをする際 に随行 した藩士 の1人 で、その時 より深 い信頼 を寄 せられている。忠敬 より10歳 年長 。新渡戸 勘兵衛 播州赤穂 藩 の大目 付 兼 道中 奉行 。松田 派 新 陰 流 薙刀 免許 の腕前 。御 鑓 拝借 騒動 の際 に小 籐 次 と対決 し敗 れる。村瀬 朝 吉郎 豊後 臼杵 藩 の用人 見習 。江戸 家老 ・村瀬 次 太夫 の縁戚 。小 籐 次 との折衝 役 を務 める。伊丹 唐 之 丞 (いたみ とうのじょう)肥前 小城 藩 の江戸 屋敷 中小 姓 。留守居 役 ・伊丹 権 六 の実弟 。小 籐 次 との折衝 役 となり、御 鑓 騒動 や、その後 の小 籐 次 へ差 し向 けられた刺客 達 の問題 を解決 するために尽力 する。京極 長門 守 高 朗 (きょうごく ながとのかみ たかあきら)讃岐 丸亀 藩 5万 1千 石 の6代目 藩主 。森 忠敬 (もり ただよし)播州赤穂 藩 2万 石 の9代目 藩主 。稲葉 雍通(いなば てるみち)豊後 臼杵 藩 5万 石 の11代目 藩主 。久留島 通 嘉 を城 なし大名 として辱 めたことが、御 鑓 拝借 騒動 の原因 となる鍋島 直 堯(なべしま なおたか)肥前 小城 藩 7万 3千 石 の9代目 藩主 。
小 籐 次 への刺客 ・敵対 者
[須藤 平八郎 光 寿 (すどう へいはちろう)元 ・丹波 篠山 藩 青山 家 の馬廻 り役 113石 の陪臣 で新 陰 流 の免許 持 ち。赤穂 藩 の新渡戸 白 堂 に雇 われ、小 籐 次 に挑 むが敗 れる。死 に際 に一 子 ・駿 太郎 を小 籐 次 に託 す。新渡戸 白 堂 赤穂 藩 江戸 屋敷 中老 。御 鑓 拝借 騒動 の際 に小 籐 次 に討 たれた新渡戸 勘兵衛 の叔父 。追腹 組 や丸亀 藩 ・臼杵 藩 の人間 と共 に小 籐 次 への刺客 を雇 い命 を狙 う。副 嶋 勢 源 佐賀 藩 剣術 師範 でタイ捨流の遣 い手 。追腹 組 の1人 として小 籐 次 に挑 む。村上 平内 俊 貫 (むらかみ へいない としつら)麹 町 に道場 を開 く円明 流 の遣 い手 。娘 の嫁入 り資金 のため、小 籐 次 の首 にかかった1000両 の賞金 を目当 てに立会 いを挑 むが敗 れる。立田 修理 太夫 肥前 鍋島 藩 長柄 槍 組 足軽 組頭 で心 形 刀 流 の遣 い手 。川 の上 で小 籐 次 に挑 むが、水 に落 とされ来島 水軍 流 「水中 串刺 し」で討 たれる。北堀 五郎 兵衛 天真 円光 流 の遣 い手 。小城 藩 の分家 ・鍋島 直 篤 の命 を受 け、小 籐 次 の名 を騙 って悪事 を行 い、窮地 に陥 れようとするが失敗 。偽 の呼 び出 し状 におびき出 された後 、小 籐 次 と対決 し、敗 れる。祭文 高 道 (さいもん たかみち)徳川 家 に恨 みを抱 く津田 高 勝 の子孫 。京都 の公卿 三 条 中 納言 禎 布留 (よしふる)家 の人間 と偽 り、高家 肝煎 ・畠山 家 の養子 となり畠山 頼近 (はたけやま よりちか)と名乗 る。馬上 太刀 四方 流 剣術 の達人 で山城 祭文 衆 を率 い、また妖術 を使 っておりょうを拐 かす。
水戸 藩
[徳川 斉脩 水戸 徳川 家 藩主 。鞠 姫 (きくひめ)水戸 藩 前之 寄合 ・久坂 華 栄 の娘 。後 に太田 静 太郎 に嫁 ぐ。太田 静 太郎 水戸 藩 家老 格 ・太田 家 の嫡男 。佐々 主 水 水戸 藩 町奉行 。竹中 正蔵 水戸 藩 目付 。額 賀 草 伯 水戸 藩 御用 絵師 。小 籐 次 の考案 した「ほの明 かり久慈 行灯 」に絵 を描 く。
松野 藩
[松平 能登 守 保 雅 信州 松野 藩 6万 石 の当主 。妾腹 の三男 坊 で、若 いころは小 籐 次 らと共 に徒党 を組 み、大和 小路 若衆 組 と名乗 っていたが、天明 7年 (1787年 )4月 の品川 の騒動 をきっかけに解散 。2人 の兄 が相次 いで亡 くなったことから当主 の座 に就 き、善政 を施 し領民 に慕 われる。古林 欣也 松平 保 雅 の近習 。
その他
[- うづ
小舟 で野菜 を売 り歩 く百姓 家 の娘 。研 ぎ仕事 を始 めたばかりの小 籐 次 に商売 の仕方 を教 え、以来 お互 いに助 け合 う関係 となる。清 琴 (すがこと)吉原 の太夫 。五 代目 岩井 半四郎 - 「
眼 千 両 」と謳 われた女形 。小 籐 次 を舞台 に招 き、その模様 は「眼 千 両 と一 首 千 両 」と称 され江戸 で評判 となった。 北村 舜 藍 (きたむら しゅんあい)- おりょうの
父 。御歌 学者 ・北村 季吟 の分家 で、幕府 御歌 学者 の御用 を務 める。 - お
紅 - おりょうの
母 。 三河 蔦 屋 染 左衛門 (みかわつたやそめざえもん)深川 の地 で惣 名主 を務 めてきた名家 の元 11代目 当主 。隠居 の身 ではあるが、いまだに江戸 の地 に影響 力 を持 つ、底 の知 れない人物 。家族 の危難 を小 籐 次 に救 われて以来 、深 い交誼 を結 ぶことになる。深川 界隈 の酒 の卸 業 を一 手 に引 き受 け、また多 くの家作 を持 っている。息子 の藤四郎 は蔦 屋 の12代 当主 で、他 に嫁 の佐保 と孫 の小太郎 がいる。深川 の蔦 屋 は慶長 8年 に徳川 家康 が関東 に入国 するのに従 って江戸 入 りした分家 。本家 は三河 の地 に残 ったが、この時代 には零落 している。- おさき
門前 町 の魚 料理 屋 「歌仙 楼 」の女将 。小 籐 次 の研 ぎの腕 を気 に入 り、得意 先 となる。五郎八 - 「
歌仙 楼 」の亭主 。 美 造 (よしぞう)- 「
竹藪 蕎麦 」の亭主 。小 籐 次 の研 ぎ仕事 の得意 先 。 縞 太郎 美 造 の息子 備前屋 梅 五郎 浅草寺 御用達 の畳 職人 の親方 。小 籐 次 の研 ぎ仕事 の得意 先 。神 太郎 備前屋 梅 五郎 の息子 。万作 (まんさく)黒江 町 の曲 物 師 。小 籐 次 の研 ぎ仕事 の得意 先 。太郎 吉 (たろきち)万作 の息子 。うづに惚 れており、所帯 を持 つ。菊蔵 (きくぞう)足袋 問屋 ・京屋 の番頭 。小 籐 次 の研 ぎ仕事 の得意 先 。円 太郎 足袋 問屋 京屋 の職人 頭 。小 籐 次 を気 に入 り、特製 の皮 足袋 を贈 る。根岸 屋 安兵衛 経 師 職人 。小 籐 次 の研 ぎ仕事 の得意 先 。伊豆 助 勝五郎 の仕事 先 の版木 屋 の番頭 。空 蔵 (そらぞう)読売 の版元 で「ほら蔵 」の異名 を持 つ。小 籐 次 にまつわる事件 を読 み物 として売 り出 し、事件 解決 のために助力 することもある。- あい
高輪 薬種 問屋 の娘 。水野 家 に行儀 見習 いに入 っていたが、おりょうが水野 家 の奉公 を辞 する際 に、望 外川 荘 で働 くことになる。百 助 (ももすけ)- おりょうの
住 む「望 外川 荘 」の下男 。 - クロスケ
駿 太郎 が拾 ってきた犬 。
用語
[来島 水軍 流 (くるしますいぐんりゅう)赤目 家 の一子相伝 の兵法 。元 は伊予 水軍 に伝 わる独特 の技 。不安定 な船上 での戦 いを想定 して編 み出 されたもので、剣 技 だけでなく、棹 や槍 などの長柄 の武器 の使用 も含 まれ、水上 を想定 した技 もある。久慈 屋 芝口 橋 近 くに店 を構 える紙 問屋 。本家 である細貝 家 の差配 で生産 される西野内 村 の西ノ内 紙 をはじめ様々 な紙 の商 いを手 がけている。主 も奉公人 も、西野内 村 の本家 と江戸 の店 を何 度 も往復 し、商 い修業 を教 え込 まれるのが慣習 となっている。多 くの大名 家 に金 を貸 しており、その影響 力 は大 きい。主人 の昌 右 衛門 が旅先 での危難 を救 われて以来 、小 籐 次 の強力 な擁護 者 となる。店先 で小 籐 次 が研 ぎ仕事 をすることも多 い。初代 の久慈 屋 が延 宝 3年 に西ノ内 紙 を江戸 に売 りに来 たのが店 の起 こり。水戸 の光圀 公 が『大 日本 史 』の製作 に際 し西ノ内 紙 を使用 し、その丈夫 さが喧伝 されたことが西ノ内 紙 の名 が知 られた始 まり。芝口 橋 に店舗 を構 えたのは3代目 の時 。新 兵衛 長屋 脱藩 後 に小 籐 次 が住 まいする長屋 。芝口 新町 にあり、危難 を救 ってくれた小 籐 次 への礼 として久慈 屋 がここに住 めるよう手配 してくれた。大家 の新 兵衛 は後 に認知 症 となり、代 わって娘 のお麻 が差配 となる。備中 国次 直 (びっちゅうのくに つぐなお)赤目 家 伝来 の刀 。2尺 1寸 3分 。赤目 家 の先祖 が、戦国 時代 に戦場 で得 た物 とされる。長曾根 虎 徹 入道 興 里 (ながそねこてつにゅうどうおきさと)小 籐 次 の脇差 。1尺 6寸 7分 。孫 六 兼 元 (まごろく かねもと)芝 神明 社 の宮司 ・西東 正 継 から、事件 を解決 した礼 として貰 った刀 。2尺 2寸 1分 。茎 には「濃 州 赤坂 住 兼 元 」の銘 があり、裏 銘 には「臨兵闘 者 皆 陣列 在 前 」とある。追腹 組 佐賀 藩 と支 藩 3藩 の者 達 で組織 された、小 籐 次 への刺客 集団 。小 籐 次 に御 鑓 を奪 われた小城 藩 とその本 藩 に当 たる佐賀 藩 、および佐賀 藩 の支 藩 ・蓮池 藩 と鹿島 藩 の、『葉隠 』を信奉 する有志 の者 によって組織 されている。後 に鍋島 家 から放逐 されるが、丸亀 藩 ・赤穂 藩 ・臼杵 藩 の有志 の者 達 と結託 し、なおも小 籐 次 の命 を狙 う。望 外川 荘 (ぼうがいせんそう)歌人 として独立 するおりょうのために、久慈 屋 が用意 した邸宅 。須崎 村 のはずれにあり、隅田川 が近 くを流 れ、浅草寺 の五重塔 が望 める。元 は大身 旗本 ・秋本 信濃 守 の別邸 だった。この邸宅 にある茶室 は、小 籐 次 にちなんで「不 酔 庵 (ふすいあん)」と名 づけられる。
来島 水軍 流
[正 剣 十 手
[序 の舞 流 れ胴 斬 り漣 波頭 波 返 し荒波 崩 し波 しぶき波 雲 波 颪 (なみおろし)波 小舟
脇 剣 七 手
[竿 突 き竿 刺 し飛 び片手 水車 水中 串刺 し継竿 竿 飛 ばし
作品 リスト
[酔 いどれ小 籐 次 シリーズ、全 19巻 御 鑓 拝借 (おやりはいしゃく) (2004年 2月 発売 、ISBN 4-344-40484-X)意地 に候 (2004年 8月 発売 、ISBN 4-344-40548-X)寄 残花 恋 (のこりはなよするこい) (2005年 2月 発売 、ISBN 4-344-40600-1)一 首 千 両 (2005年 8月 発売 、ISBN 4-344-40681-8)孫 六 兼 元 (2006年 2月 発売 、ISBN 4-344-40751-2)騒乱 前夜 (2006年 8月 発売 、ISBN 4-344-40826-8)子育 て侍 (2007年 2月 発売 、ISBN 978-4-344-40905-7)竜 笛 嫋々 (りゅうてきじょうじょう)(2007年 9月 発売 、ISBN 978-4-344-41010-7)春雷 道中 (2008年 2月 発売 、ISBN 978-4-344-41082-4)薫風 鯉幟 (くんぷうこいのぼり)(2008年 8月 発売 、ISBN 978-4-344-41170-8)偽 小 籐 次 (2009年 2月 発売 、ISBN 978-4-344-41255-2)杜若 艶姿 (とじゃくあですがた)(2009年 8月 発売 、ISBN 978-4-344-41341-2)野分 一過 (のわきいっか)(2010年 2月 発売 、ISBN 978-4-344-41432-7)冬日 淡々 (ふゆびたんたん)(2010年 8月 5日 発売 、ISBN 978-4-344-41530-0)新春 歌会 (2011年 2月 9日 発売 、ISBN 978-4-344-41633-8)旧主 再会 (2011年 8月 4日 発売 、ISBN 978-4-344-41729-8)祝言 日和 (2012年 2月 9日 発売 、ISBN 978-4-344-41819-6)政 宗 遺訓 (2012年 8月 4日 発売 、ISBN 978-4-344-41911-7)状箱 騒動 (2013年 2月 7日 発売 、ISBN 978-4-344-41987-2)
品川 の騒 ぎ〈青雲 篇 〉 (2010年 8月 2日 発売 、ISBN 978-4-344-41531-7)
新 ・酔 いどれ小 籐 次 シリーズ神隠 し(2014年 8月 4日 発売 、ISBN 978-4-16-790156-1)願 かけ(2015年 2月 6日 発売 、ISBN 978-4-16-790294-0)桜 吹雪 (はなふぶき)(2015年 8月 4日 発売 、ISBN 978-4-16-790417-3)姉 と弟 (2016年 2月 10日 発売 、ISBN 978-4-16-790544-6)柳 に風 (2016年 8月 4日 発売 、ISBN 978-4-16-790669-6)- らくだ(2016
年 9月 2日 発売 、ISBN 978-4-16-790693-1) 大晦 り(2017年 2月 10日 発売 、ISBN 978-4-16-790783-9)夢 三 夜 (2017年 7月 6日 発売 、ISBN 978-4-16-790879-9)船 参宮 (2017年 8月 4日 発売 、ISBN 978-4-16-790899-7)- げんげ(2018
年 2月 9日 発売 、ISBN 978-4-16-791011-2) 椿 落 つ(2018年 7月 10日 発売 、ISBN 978-4-16-791096-9)夏 の雪 (2018年 8月 3日 発売 、ISBN 978-4-16-791114-0)鼠 草紙 (2019年 2月 8日 発売 、ISBN 978-4-16-791218-5)旅 仕舞 (2019年 7月 10日 発売 、ISBN 978-4-16-791306-9)鑓 騒 ぎ(2019年 8月 6日 発売 、ISBN 978-4-16-791325-0)酒 合戦 (2020年 2月 5日 発売 、ISBN 978-4-16-791434-9)鼠 異聞 上 (2020年 7月 8日 発売 、ISBN 978-4-16-791520-9)鼠 異聞 下 (2020年 7月 8日 発売 、ISBN 978-4-16-791521-6)青田 波 (2020年 11月 10日 発売 、ISBN 978-4-16-791587-2)三 つ巴 (2021年 2月 9日 発売 、ISBN 978-4-16-791637-4)雪見 酒 (2021年 11月9日 発売 、ISBN 978-4-16-791775-3)光 る海 (2022年 2月 8日 発売 、ISBN 978-4-16-791823-1)狂 う潮 (2022年 6月 7日 発売 、ISBN 978-4-16-791886-6)八丁 越 (2022年 7月 6日 発売 、ISBN 978-4-16-791901-6)御 留山 (2022年 8月 3日 発売 、ISBN 978-4-16-791914-6)恋 か隠居 か(2024年 1月 4日 発売 、ISBN 978-4-16-792152-1)
酔 いどれ小 籐 次 決定 版 御 鑓 拝借 (2016年 3月 10日 発売 、ISBN 978-4-16-790573-6)意地 に候 (2016年 4月 8日 発売 、ISBN 978-4-16-790592-7)寄 残花 恋 (2016年 5月 10日 発売 、ISBN 978-4-16-790607-8)一 首 千 両 (2016年 6月 10日 発売 、ISBN 978-4-16-790633-7)孫 六 兼 元 (2016年 7月 8日 発売 、ISBN 978-4-16-790653-5)騒乱 前夜 (2016年 10月 7日 発売 、ISBN 978-4-16-790710-5)子育 て侍 (2016年 11月 10日 発売 ISBN 978-4-16-790727-3)竜 笛 嫋々 (2016年 12月1日 発売 、ISBN 978-4-16-790752-5)春雷 道中 (2017年 1月 6日 発売 、ISBN 978-4-16-790772-3)薫風 鯉幟 (2017年 3月 10日 発売 、ISBN 978-4-16-790810-2)偽 小 籐 次 (2017年 4月 7日 発売 、ISBN 978-4-16-790833-1)杜若 艶姿 (2017年 5月 10日 発売 、ISBN 978-4-16-790853-9)野分 一過 (2017年 6月 8日 発売 、ISBN 978-4-16-790870-6)冬日 淡々 (2017年 9月 5日 発売 、ISBN 978-4-16-790926-0)新春 歌会 (2017年 10月 6日 発売 、ISBN 978-4-16-790943-7)旧主 再会 (2017年 11月9日 発売 、ISBN 978-4-16-790963-5)祝言 日和 (2017年 12月5日 発売 、ISBN 978-4-16-790983-3)政 宗 遺訓 (2018年 1月 4日 発売 、ISBN 978-4-16-790999-4)状箱 騒動 (2018年 3月 9日 発売 、ISBN 978-4-16-791033-4)
小 籐 次 青春 抄 品川 の騒 ぎ・野 鍛冶 (2016年 3月 10日 発売 、ISBN 978-4-16-790572-9)
テレビドラマ
[ジャンル | ドラマ |
---|---|
| |
| |
| |
| |
NHK | |
![]() | |
2013 | |
19:30 - 20:58 | |
88 | |
1 | |
2013 | |
BS | |
43 | |
13 | |
『
正月 時代 劇 『御 鑓 拝借 〜酔 いどれ小 籐 次 留 書 〜』
[キャスト
[赤目 小 籐 次 :竹中 直人 古田 寿三郎 :藤木 直人 - お
菊 :国仲 涼子 黒崎 小弥太 :辻本 祐樹 能見 五郎 兵衛 :石丸 幹 二 森 伍 平治 :温水 洋一 平野 初五郎 :三宅 弘 城 糸魚川 寛 五郎 :小林 勝也 新渡戸 勘兵衛 :川野 太郎 手代 直吉 :田鍋 謙一郎 - お
文 :みやなおこ 奥 女中 :増子 倭 文江 五助 :松本 実 明 庵 和尚 :岩崎 ひろし二子 屋 の主人 :森山 米 次 古田 市 之 進 :青木 淳 耶稲森 藩士 :木崎 浩之 万 八 楼 の客 :竹井 亮介 、津田 タカシゲ柳太郎 :羽柴 誠 - おやえ:
藤本 泉 鯉 屋 利兵衛 :スギちゃん波 蔵 :花王 おさむ今村 種 三 :青山 草 太 浦賀 弁 蔵 :四方堂 亘 名 留 島 通 久 :川口 覚 茂木 直義 :少路 勇 介 稲森 暉 通 :松尾 諭 満島 尚 尭 :川野 直輝 水町 蔵人 :小野寺 昭 田尻 藤次郎 :本田 博太郎 武石 文左衛門 :若林 豪 磯村 主 馬 :加藤茶 藤堂 伍 平 :北見 敏之 - おこう:
鶴田 真由 久慈 屋 昌 右 衛門 :津川 雅彦 村瀬 次 太夫 :高橋 英樹 語 り:滝川 クリステル
スタッフ
[BS時代 劇 『酔 いどれ小 籐 次 』
[キャスト(酔 いどれ小 籐 次 )
[赤目 小 籐 次 :竹中 直人 - おりょう:
比嘉 愛 未 須藤 平八郎 :上地 雄輔 勝五郎 :阿南 健治 - おきみ:
松本 明子 能見 五郎 兵衛 :石丸 幹 二 田尻 藤次郎 :本田 博太郎 水町 蔵人 :小野寺 昭 万 八 楼 おこう:鶴田 真由 久慈 屋 昌 右 衛門 :津川 雅彦 水野 監 物 :大浦 龍 宇一 - おうづ:
大 後 寿 々花 秀次 :山田 純大 空 蔵 :山崎 一 越前屋 伝次郎 :小杉 幸彦 萱 蔵 :春田 純一 - お
英 :寺島 咲 駿 太郎 :荒川 槙 菊 造 :忍 成 修吾 高田屋 甚左衛門 :佐野 史郎 - お
花 :水崎 綾 女 稲村 右 源 太 :鶴見 辰吾 田村 兵衛 :小沢 和義 - おさん:
京野 ことみ 銀 太郎 :住吉 晃 典 浩 吉 :渡辺 大 - おやえ:
藤本 泉 泉 蔵 :マギー北 堀 五郎 兵衛 :片岡 鶴太郎 - おぬい:
中島 ひろ子 太郎 吉 :内田 滋 槙野 源 左衛門 :山本 學
スタッフ(酔 いどれ小 籐 次 )
[放送 日程
[サブタイトル | ||
---|---|---|
6月21 |
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6月28 |
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7 |
||
7 |
おとうと | |
7 |
||
7 |
||
8 |
||
8 |
||
8 |
かたき | |
8 |
かなわぬ | |
8 |
||
9月 |
6||
9月13 |
NHK BSプレミアム BS |
||
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関連 項目
[酒 合戦 -物語 冒頭 の万 八 楼 での大 酒飲 みの大会 は、実際 に行 われたものである。
脚注
[- ^
舞台 設定 を文化 ・文政 時代 にして史料 を読 み漁 ったところ、この時期 の特徴 を表 すイベントとして「大 食 い・大酒 の大会 が開 かれていた」とあり、これを元 に「大 酒飲 み」という設定 が考 えられた。 - ^ 『
新 ・酔 いどれ小 籐 次 留 書 』1巻 「神隠 し」あとがきより。 - ^
番組 エピソード描 き方 も題材 もさまざま!【時代 劇 特集 】-NHKアーカイブス - ^ “
竹中 直人 主演 ! BS時代 劇 「酔 いどれ小 籐 次 」” (2013年 2月 4日 ). 2013年 2月 15日 閲覧 。
外部 リンク
[御 鑓 拝借 〜酔 いどれ小 籐 次 留 書 〜 - ウェイバックマシン(2012年 12月29日 アーカイブ分 ) - NHK正月 時代 劇 公式 サイト酔 いどれ小 籐 次 - ウェイバックマシン(2013年 6月 9日 アーカイブ分 ) - NHK BS時代 劇 公式 サイト新 ・酔 いどれ小 籐 次 シリーズ特設 サイト - ウェイバックマシン(2014年 7月 17日 アーカイブ分 ) -文藝春秋 正月 時代 劇 御 鑓 拝借 〜酔 いどれ小 藤 次 留 書 〜 - NHK放送 史 - BS
時代 劇 酔 いどれ小 籐 次 - NHK放送 史