野宮のみや家か

野宮のみや家か
	陰かげ菖蒲しょうぶ菱ひし（かげあやめびし）
本姓ほんせい	藤原ふじわら北きた家か花山院かさんのいん流りゅう庶流
家いえ祖そ	野宮のみや定じょう逸いっ
種別しゅべつ	公家くげ（羽林はばやし家か）; 華族かぞく（子爵ししゃく）
出身しゅっしん地ち	山城やましろ国こく
主おもな根拠地こんきょち	山城やましろ国こく; 東京とうきょう府ふ
	凡例はんれい / Category:日本にっぽんの氏族しぞく

野宮のみや家か（ののみやけ）は、藤原ふじわら北きた家か師し実み流りゅう花山院かさんのいん家かの庶流にあたる公家くげ・華族かぞくだった家いえ。公家くげとしての家格かかくは羽林はばやし家か、華族かぞくとしての家格かかくは子爵ししゃく家いえ^[2]。

歴史れきし

左大臣さだいじん花山院かさんのいん定じょう熙の子こ忠長ただながの子こ野宮のみや定じょう逸いっを祖そとする^[3]^[4]。後水尾天皇ごみずのおてんのうの叡あきら旨むねにより別べつに一家いっかを起おこすことが許ゆるされて野宮のみや姓せいを賜たまわった^[3]^{[注釈ちゅうしゃく 1]}。

公家くげとしての家格かかくは羽林はばやし家か、新家しんや^[4]。江戸えど時代じだいの家いえ禄ろくははじめ150石せき、後のちに200石せき^{[注釈ちゅうしゃく 2]}。

明治維新めいじいしん後ごの明治めいじ2年ねんに公家くげと大名だいみょう家かが華族かぞくとして統合とうごうされると野宮のみや家かも公家くげとして華族かぞくに列れっし、明治めいじ17年ねん（1884年ねん）7月がつ7日にちの華族かぞく令れいの施行しこうで華族かぞくが五ご爵制になると、同どう8日にちに大納言だいなごん直ちょく任にんの例れいがない旧きゅう堂上どうじょう家か^{[注釈ちゅうしゃく 3]}として野宮のみや定じょう穀こくが子爵ししゃくを授さづけられた^[2]。定てい穀こくは貴族きぞく院いんの子爵ししゃく議員ぎいんに当選とうせんして務つとめた^[3]。

系譜けいふ

実線じっせんは実子じっし、点線てんせん（縦たて）は養子ようし、点線てんせん（横よこ）は婚姻こんいん関係かんけい。

定てい縁えん²^{[注釈ちゅうしゃく 4]}

定雄さだお

定基さだもと³^{[注釈ちゅうしゃく 5]}

定てい俊しゅん⁴^{[注釈ちゅうしゃく 6]}

定之さだゆき⁵

定てい晴はれ⁶

定じょう業ぎょう

定てい顕あらわ⁷

定じょう業ぎょう⁸

定てい静せい⁹

定てい祥さち¹⁰

定てい功こう¹¹

定平さだへい

定美さだみ^{[注釈ちゅうしゃく 7]}

定てい允まこと^{[注釈ちゅうしゃく 8]}

定てい穀こく¹²^{[注釈ちゅうしゃく 9]}

定てい茂しげる¹³

綾小路あやのこうじ護まもる

進すすむ

定道さだみち¹⁴^{[注釈ちゅうしゃく 10]}

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

^ 花山院かさんのいん忠長ただながが猪熊いのくま事件じけんによって配流はいるとなったために弟おとうとの花山院かさんのいん定じょう好このみが花山院かざんいん家かを継ついだが、事件じけんの翌年よくねんに忠長ただながの男子だんし（後ごの野宮のみや定じょう逸いっ）が生うまれた。このため、後水尾天皇ごみずのおてんのうはその子こを定てい熙の養子ようしとして育そだてさせ、成長せいちょう後ごは独立どくりつして一家いっかを創設そうせつさせることにした^[5]。こうした事情じじょうから、野宮のみや定じょう逸いっの墓はかは後世こうせいに野宮のみや家かの菩提寺ぼだいじとして知しられる廬いおり山寺やまでらではなく、花山院かさんのいん家かの菩提寺ぼだいじである十輪寺じゅうりんじにあった^[6]。なお、廬いおり山寺やまでらは定てい逸いっの娘むすめを娶めとって養子ようしに迎むかえられた2代目だいめの野宮のみや定じょう縁えんの実家じっか・中院ちゅういん家かの菩提寺ぼだいじであった^[7]。
^ 国立こくりつ歴史れきし民俗みんぞく博物館はくぶつかんの『旧きゅう高こう旧領きゅうりょう取調とりしらべ帳ちょうデータベース』より算出さんしゅつした幕末ばくまつ期きの野宮のみや家か領りょうは山城やましろ国こく相楽さがら郡ぐん菅井すがい村むらのうち50石せき、山城やましろ国こく相楽さがら郡ぐん千せん童子どうじ村むらのうち100石せきで合計ごうけい2村むら・150石せき。
^ 中納言ちゅうなごんからそのまま大納言だいなごんになることを直ちょく任にんといい、中納言ちゅうなごんを一度いちど辞じしてから大納言だいなごんになるより格かく上じょうの扱あつかいと見みなされていた。叙爵じょしゃく内規ないきは歴代れきだい当主とうしゅの中なかにこの大納言だいなごん直ちょく任にんの例れいがあるか否ひかで平ひら堂上どうじょう家かを伯爵はくしゃく家かか子爵ししゃく家かかに分わけていた^[8]。
^ 中院なかのいん通とおる純じゅんの子こ。
^ 中院なかのいん通茂みちしげの2男なん、先代せんだい・定てい縁えんの甥おい。
^ 正親町おおぎまち公こう通どおりの2男なん。
^ 久我くが建けん通どおりの子こ。
^ 竹屋たけや光ひかり有ゆうの2男なん。
^ 竹屋たけや光ひかり有ゆうの3男なん、定てい允まことの実弟じってい。
^ 死後しご女系じょけいの津幡つばた家かが谷中たになか霊園れいえんの墓所はかしょを継承けいしょう。

出典しゅってん

^ 御ご祭神さいじん・由緒ゆいしょ | 三峯みつみね神社じんじゃ
^ ^a ^b 小田部おたべ雄次ゆうじ 2006, p. 335.
^ ^a ^b ^c 華族かぞく大鑑たいかん刊行かんこう会かい 1990, p. 298.
^ ^a ^b 太田おおた 1934, p. 4618.
^ 佐竹さたけ 2024, p. 61.
^ 佐竹さたけ 2024, pp. 61–62.
^ 佐竹さたけ 2024, pp. 34–35.
^ 浅見あさみ雅男まさお 1994, p. 118.

参考さんこう文献ぶんけん

浅見あさみ雅男まさお『華族かぞく誕生たんじょう名誉めいよと体面たいめんの明治めいじ』リブロポート、1994年ねん（平成へいせい6年ねん）。
太田おおた, 亮あきら著ちょ「国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション野宮のみやノノミヤ」、上田うえだ, 萬まん年ねん、三上みかみ, 参さん次じ監修かんしゅう編へん『姓氏せいし家系かけい大だい辞典じてん』第だい1巻かん、姓氏せいし家系かけい大だい辞典じてん刊行かんこう会かい、1934年ねん、4617頁ぺーじ。 NCID BN05000207。OCLC 673726070。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:47004572。
小田部おたべ雄次ゆうじ『華族かぞく近代きんだい日本にっぽん貴族きぞくの虚像きょぞうと実像じつぞう』中央公論ちゅうおうこうろん新しん社しゃ〈中公新書ちゅうこうしんしょ1836〉、2006年ねん（平成へいせい18年ねん）。ISBN 978-4121018366。
華族かぞく大鑑たいかん刊行かんこう会かい『華族かぞく大鑑たいかん』日本にっぽん図書としょセンター〈日本人にっぽんじん物ぶつ誌し叢書そうしょ7〉、1990年ねん（平成へいせい2年ねん）。ISBN 978-4820540342。
小和田こわだ哲男てつお『日本にっぽん史し諸家しょか系図けいず人名じんめい辞典じてん』講談社こうだんしゃ、2003年ねん。
近藤こんどう敏さとし喬たかし編へん『宮廷きゅうてい公家くげ系図けいず集しゅう覧らん』東京とうきょう堂どう出版しゅっぱん、1994年ねん。
霞かすみ会館かいかん華族かぞく家系かけい大成たいせい編輯へんしゅう委員いいん会かい『平成へいせい新しん修おさむ旧きゅう華族かぞく家系かけい大成たいせい』下巻げかん、霞かすみ会館かいかん、1996年ねん。
佐竹さたけ朋子ともこ「近世きんせい公家くげ社会しゃかいにおける葬送そうそう儀礼ぎれい」『国立こくりつ歴史れきし民俗みんぞく博物館はくぶつかん研究けんきゅう報告ほうこく』141号ごう、2008年ねん。 /所収しょしゅう:佐竹さたけ朋子ともこ『近世きんせい公家くげ社会しゃかいと学問がくもん』吉川弘文館よしかわこうぶんかん、2024年ねん。ISBN 978-4-642-04357-1。

表ひょう話はなし編へん歴れき堂上どうじょう家か
摂関せっかん家か	近衛このえ家か鷹司たかつかさ家か九きゅう条じょう家か二に条じょう家か一条いちじょう家か
清華せいか家か	花山院かさんのいん家か大炊おおい御門みかど家か三条さんじょう家か（転てん法輪ほうりん家か）西園寺さいおんじ家か菊亭きくてい家か（今出川いまでがわ家か）徳大寺とくだいじ家か醍醐だいご家か久我くが家か広幡ひろはた家か
大臣だいじん家か	嵯峨さが家か（正親おうぎ町まち三条さんじょう家か）三条西さんじょうにし家か（西三条にしさんじょう家か）中院なかのいん家か
羽林はばやし家か	中山なかやま家か難波なんば家か飛鳥井あすかい家か野宮のみや家か今城いましろ家か（中山なかやま冷泉れいせん家か）松木まつき家か（中御門なかみかど家か）持明院じみょういん家か園えん家か石野いしの家か高野たかの家か六ろく角かく家か壬生みぶ家か（葉は川かわ家か）石山いしやま家か東園ひがしぞの家か冷泉れいせん家か（上うえ冷泉れいせん家か）冷泉れいせん家か（下しも冷泉れいせん家か）藤谷ふじたに家か入江いりえ家か水無瀬みなせ家か町尻まちじり家か桜井さくらい家か山井やまい家か七なな条じょう家か滋野しげの井い家か河鰭かわはた家か阿野あの家か橋本はしもと家か梅園うめぞの家か清水谷しみずたに家か（一条いちじょう家か）正親町おおぎまち家か小倉こくら家か室町むろまち家か（四辻よつつじ家か）園池そのいけ家か花園はなぞの家か押小路おしこうじ家か武者小路むしゃのこうじ家か高松たかまつ家か（西にし郊家）姉あね小路こうじ家か風早かざはや家か山本やまもと家か大宮おおみや家か裏うら辻つじ家か西にし四辻よつつじ家か高倉たかくら家か（藪やぶ家か）中園なかその家か高丘たかおか家か堀河ほりかわ家か樋口ひぐち家か四条しじょう家か鷲尾わしお家か西大路にしおおじ家か油小路あぶらのこうじ家か山科やましな家か櫛笥くしげ家か八はち条じょう家か岩倉いわくら家か六ろく条じょう家か梅溪ばいけい家か久世くぜ家か東ひがし久世くせ家か千種ちくさ家か植松うえまつ家か愛宕あたご家か庭田にわた家か綾小路あやのこうじ家か大原おおはら家か
名家めいか	甘露かんろ寺家じけい（吉田よしだ家か）清閑寺せいかんじ家か勧修寺かんしゅうじ家か坊ぼう城じょう家か中御門なかみかど家か万里小路まりこうじ家か葉室はむろ家か堤つつみ家か（中川なかがわ家か）池尻いけじり家か梅小路うめこうじ家か穂波ほなみ家か芝山しばやま家か岡崎おかざき家か日野ひの家か烏丸からすま家か柳原やなぎはら家か広橋ひろはし家か竹屋たけや家か日野西ひのにし家か外山とやま家か豊岡とよおか家か裏うら松まつ家か勘解由小路かげゆこうじ家か三さん室しつ戸と家か北小路きたこうじ家か平松ひらまつ家か長谷ながたに家か交野かたの家か
半家はげ	富小路とみこうじ家か高倉たかくら家か白川しらかわ家か五辻いつつじ家か慈光寺じこうじ家か竹内たけうち家か西洞院にしのとういん家か石井いしい家か高辻たかつじ家か五条ごじょう家か東坊城ひがしぼうじょう家か唐橋からはし家か清岡きよおか家か桒原家か北小路きたこうじ家か舟橋ふなばし家か伏原ふしはら家か澤さわ家か藤波ふじなみ家か吉田よしだ家か萩原はぎはら家か錦織にしきおり家か藤井ふじい家か土御門つちみかど家か倉橋くらはし家か錦にしき小路こうじ家か