麻あさ名めい用水ようすい

麻あさ名めい用水ようすい
延長えんちょう	24.1km
灌漑かんがい面積めんせき	1,228ha
取水しゅすい元もと	吉野川よしのがわ
備考びこう	徳島とくしま県けん吉野川よしのがわ市し・石井いしい町まち・徳島とくしま市し

麻あさ名めい用水ようすい（あさなようすい）は、徳島とくしま県けん吉野川よしのがわ市し・石井いしい町まち・徳島とくしま市しを流ながれる用水路ようすいろ。

地理ちり

吉野川よしのがわ市しの鴨島かもじま地区ちく・名西めいせい郡ぐん石井いしい町まち・徳島とくしま市し国府こくふ地区ちくの平野へいや部ぶを流ながれる用水ようすいで、水路すいろ延長えんちょうは24.1km、受益じゅえき面積めんせき1,223haで徳島とくしま県けん下か屈指くっしの規模きぼを誇ほこる。

歴史れきし

用水ようすいの流域りゅういきは吉野川よしのがわ流域りゅういきの南岸なんがんに位置いちし、徳島とくしま藩はん政せい期きは藍あい作さくの中心ちゅうしん地帯ちたいであった。しかし、明治めいじに入はいり、洋よう藍あいさらに化学かがく染料せんりょうの輸入ゆにゅう等とうで藍あい作さくが打撃だげきを受うけ、この救済きゅうさいの方向ほうこうとして水稲すいとう栽培さいばいへの転換てんかんによって苦境くきょうから脱だっする案あんが検討けんとうされ、1899年ねん（明治めいじ32年ねん）に用水ようすい計画けいかくが具体ぐたい化かした。

旧きゅう麻植おえ郡ぐん山川やまかわ町まちの岩津いわつノ淵ふちから取水しゅすいし、麻植おえ郡ぐん・名西めいせい郡ぐんの2郡ぐん12ヶ町村ちょうそんの灌漑かんがいが計画けいかくされ、導水どうすい幹線かんせん用水路ようすいろの測量そくりょう等とうを終おえ、1990年ねん（明治めいじ33年ねん）に水利すいり組合くみあいの創立そうりつにこぎつけた。しかし、当初とうしょは多数たすうの反対はんたい者しゃが出でて計画けいかくは保留ほりゅうとなっていたが、1904年ねん（明治めいじ37年ねん）に再ふたたび用水ようすい組合くみあい結成けっせいの機運きうんが高たかまり、2回かいにわたる創立そうりつ総会そうかいで麻植おえ郡ぐん無理むり山村さんそん・牛島うしじま村むら・名西めいせい郡ぐん浦庄うらしょう村むら・石井いしい町まち・高原たかはる村むらの5か町村ちょうそん、関係かんけい区域くいき1,300haが定さだめられた。

1905年ねん（明治めいじ38年ねん）、関係かんけい町村ちょうそん長ちょうを創立そうりつ委員いいんとして日にち露ろ戦争せんそうの戦勝せんしょう記念きねんとして紀きの念ねん麻あさ名めい用水ようすい普通ふつう水利すいり組合くみあいが発足ほっそく。工事こうじは1908年ねん（明治めいじ41年ねん）4月がつに完了かんりょう、同年どうねん5月がつに幹線かんせん通どおり水すいをおこなった。

完成かんせい時じの水源すいげんは麻植おえ郡ぐん川島かわじま町まち岩いわの鼻はな地ち先さきで吉野川よしのがわから取水しゅすい、飯尾いのおで幹線かんせん水路すいろは南北なんぼくに分わかれ、中央ちゅうおうに流ながれる飯尾いのお川がわ、下流かりゅうの渡内わたうち川がわの余よ水すいを再さい利用りよう、あるいはこれら河川かせんへの排水はいすいを行おこない水量すいりょうの調整ちょうせいがなされた。

参考さんこう文献ぶんけん

• 『角川かどかわ日本にっぽん地名ちめい大だい辞典じてん 36 徳島とくしま県けん』（1986年ねん ISBN 4040013603）