2014年ねんの西にしアフリカエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつ流行りゅうこう

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2014年ねんの西にしアフリカエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつ流行りゅうこう
CDCによる2015年ねん1月がつ2日にち時点じてんの流行りゅうこう状じょう況きょう[1]
日付ひづけ2013年ねん12月 - 2016年ねん1月がつ
場所ばしょリベリア、シエラレオネ、ギニア、ナイジェリア、セネガル、マリ、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく、スペイン、イギリス
死傷ししょう者しゃ
報告ほうこくされた 感染かんせん者しゃ数すう / 死者ししゃ数すう
（2015年ねん10月がつ18日にち現在げんざい）
合計ごうけい: 28512 / 11313 (39.7%)[2]
シエラレオネの旗 シエラレオネ – 14001 / 3955
リベリアの旗 リベリア – 10672 / 4808
ギニアの旗 ギニア – 3803 / 2535
ナイジェリアの旗 ナイジェリア – 20 / 8
セネガルの旗 セネガル – 1 / 0
マリ共和国の旗 マリ – 8 / 6
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく – 4 / 1
スペインの旗 スペイン – 1 / 0
イギリスの旗 イギリス - 1 / 0
イタリアの旗 イタリア - 2 / 0

2014年ねんの西にしアフリカエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつ流行りゅうこう（2014ねんのにしアフリカエボラしゅっけつねつりゅうこう）は、ギニアをはじめとする西にしアフリカにて2013年ねん12月ごろから、バイオセーフティーレベル4に属ぞくする最強さいきょうの感染かんせん性せいと毒性どくせいを持もつエボラウイルスによって引ひき起おこされるエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつが流行りゅうこうし始はじめた事象じしょうで、2014年ねん6月がつごろより感染かんせんが急きゅう拡大かくだいして深刻しんこくな事態じたいとなった。

2015年ねん10月18日にちまでにおける世界せかい保健ほけん機関きかん（WHO）の発表はっぴょうによると、感染かんせん疑うたがい例れいも含ふくめ28,512名めいが感染かんせんし、11,313名めいが死亡しぼう（死亡しぼう率りつ40%[2]）した[3]。

この対策たいさくにはWHOのほかに、アメリカ疾病しっぺい予防よぼう管理かんりセンター（CDC）、欧州おうしゅう委員いいん会かい（EU）、西にしアフリカ諸国しょこく経済けいざい共同きょうどう体たい（ECOWAS）、国境こっきょうなき医師いし団だん（MSF）、平和へいわ部隊ぶたい、赤十字せきじゅうじ社しゃ（IFRC）などが乗のり出だし、各種かくしゅ基金ききんや人的じんてき支援しえんを行おこなっている。流行りゅうこうは森林しんりん隣接りんせつ地帯ちたいが中心ちゅうしんであり、この地域ちいきの葬儀そうぎで死者ししゃに触ふれる習慣しゅうかんが流行りゅうこうを加速かそくさせていると国連こくれん代理人だいりにん[4]は述のべている[5][注ちゅう 1]。また、コウモリやサルなどの野生やせい動物どうぶつを食たべる習慣しゅうかんがリスクを高たかめているとの推測すいそくもある[6]。

患者かんじゃは急増きゅうぞうし、アメリカ人じんの感染かんせん・死亡しぼうと同国どうこく医療いりょう従事じゅうじ者しゃの感染かんせんがあり[7]、アメリカ途上とじょう国こく支援しえん団体だんたいの平和へいわ部隊ぶたいはボランティアの撤退てったいを決きめ[8]、CDCが渡航とこう自粛じしゅく勧告かんこくを行おこなった[9]。

2014年ねん8月がつ8日にち、WHOは西にしアフリカにおけるエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつの流行りゅうこうが「国際こくさい的てきに懸念けねんされる公衆こうしゅう衛生えいせい上じょうの緊急きんきゅう事態じたい（PHEIC）」であると宣言せんげんした[10]。2016年ねん3月がつ29日にち解除かいじょ[11]。

エボラ出血熱えぼらしゅっけつねつの感染かんせん者しゃ数すう・死亡しぼう者しゃ数すうともに過去かこ最多さいたに達たっし、2015年ねん10月がつ時点じてんでも指数しすう関数かんすう的てきに増加ぞうか中ちゅうであった。また、西にしアフリカにおける初はじめての流行りゅうこう[注ちゅう 2]、および史上しじょう初はじめての首都しゅと[注ちゅう 3]での流行りゅうこうとなった。

2015年ねん5月9日にち、WHOが終息しゅうそくの目安めやすとしている42日間にちかんで新あらたな感染かんせん者しゃが確認かくにんされなかったことから、リベリア政府せいふはエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつの終息しゅうそくを宣言せんげんをした[12]。

2016年ねん1月がつ14日にち、WHOは西にしアフリカで確認かくにんされた感染かんせんの終息しゅうそくを宣言せんげんした。しかし引ひき続つづき警戒けいかいを行おこない、もしもの時ときに対応たいおうできる態勢たいせいを整ととのえておくことが重要じゅうようだともコメントした[13]宣言せんげん翌日よくじつの1月がつ15日にち、シエラレオネで2015年ねん9月がつ以来いらいとなる感染かんせん者しゃが発見はっけんされた[14][15]。

経緯けいい[編集へんしゅう]

流行りゅうこうの始はじまり[編集へんしゅう]

流行りゅうこうは、2013年ねん12月にギニアで始はじまった[10]。最初さいしょの感染かんせん者しゃはゲケドゥに在住ざいじゅうしていた2歳さいの男児だんじ（12月6日にちに死亡しぼう）だとみられている。すぐに母親ははおや、姉あね（3歳さい）と祖母そぼが死亡しぼうしたが、誰だれもエボラだとは考かんがえなかった[16]。感染かんせん源げんとしてはウイルスに汚染おせんされた果物くだものを食たべたこと、汚染おせんされた針はりで注射ちゅうしゃされたこと、野生やせいのコウモリとの接触せっしょくの可能かのう性せいなどが疑うたがわれるが明確めいかくな原因げんいんは不明ふめいである[16][17]。またこの男児だんじを含ふくめ、最初さいしょ期きの感染かんせん者しゃの疑うたがいがあるとされている人ひとの居住きょじゅう県けんとして、コナクリ（4名めい）、ゲケドゥ（4名めい）、マセンタ（1名めい）、ダボラ（英語えいご版ばん）（1名めい）が挙あげられている。

感染かんせんが始はじまった場所ばしょはより正確せいかくにはメリアンドゥ村むらで、最初さいしょの犠牲ぎせい者しゃである2歳さい男児だんじがよく遊あそんでいた村むらにある大木たいぼくの洞ほらには、エボラの自然しぜん宿主しゅくしゅであるコウモリが生息せいそくしていた。このため、この木きがグラウンド・ゼロ（発生はっせい源げん）と疑うたがわれている。後述こうじゅつのように、公衆こうしゅう衛生えいせいの遅おくれや現地げんちの習慣しゅうかんのほか、呪術じゅじゅつ治療ちりょうへの信仰しんこうと外部がいぶから訪おとずれる医療いりょう関係かんけい者しゃへの不信ふしんなどが感染かんせんを広ひろげた[18]。

ギニア保健ほけん省しょうは翌よく2014年ねん3月がつ20日はつかに、2月がつ9日にちに初はつの発症はっしょう例れいが確認かくにんされた正体しょうたい不明ふめいの病気びょうきが36人にんで確認かくにんされ、うち少すくなくとも23人にんが死亡しぼうしたと発表はっぴょうした[19]。その症状しょうじょうには発熱はつねつ、下痢げり、嘔吐おうとが含ふくまれ、一部いちぶの患者かんじゃには出血しゅっけつもみられると報告ほうこくされており、ラッサ熱ねつ・黄き熱ねつ・エボラ出血熱えぼらしゅっけつねつの症状しょうじょうに似にていた[19]。3月22日にちにギニア政府せいふは、フランスのリヨンにある研究所けんきゅうじょから病気びょうきがエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつであるとの報告ほうこくを受うけ、その時点じてんでの感染かんせん被疑ひぎ者しゃは80人にん、死亡しぼう者しゃは59人にんだと発表はっぴょうした[20]。ギニア保健ほけん省しょうからの通告つうこくに基もとづき、WHOは3月がつ23日にちに第だい1報ほうを出だした[21]。

ギニア保健ほけん省しょうの3月がつ25日にちの報告ほうこくでは、ギニア南東なんとう部ぶのゲケドゥ、マセンタ、ンゼレコレ、キシドゥグでの発生はっせいが伝つたえられている[22]。その翌日よくじつ、フランスリヨンのパスツール研究所けんきゅうじょは、それがザイール株かぶであると発表はっぴょうした[22]。ただし、その後ごの全ぜん遺伝子いでんし解析かいせきによって、それが新株しんかぶであることが明あきらかになっている[23]。ギニアの首都しゅとコナクリでも感染かんせんが見みつかった[22]。NGOプラン・ギニアのイブラヒマ・トゥーレは「コナクリの大だい部分ぶぶんの人々ひとびとは貧まずしく、水みずと公衆こうしゅう衛生えいせいが不足ふそくしているため、流行りゅうこうが急速きゅうそくに拡大かくだいする危険きけんがある。水みずが不足ふそくしているため、手ても洗あらえません」と述のべている[24]。また、西にしアフリカには葬儀そうぎで遺体いたいに触ふれて哀悼あいとうするという習慣しゅうかんがあり、これがエボラ流行りゅうこうの原因げんいんの一ひとつになっているという指摘してきもある[25]。

初期しょきの対策たいさく[編集へんしゅう]

ギニア、シエラレオネ、リベリア各国かっこくの当局とうきょくは、国家こっか非常ひじょう事態じたい委員いいん会かいを立たち上あげ、エボラ対策たいさく計画けいかくを実行じっこうした[26]。また、西にしアフリカ諸国しょこく経済けいざい共同きょうどう体たい（ECOWAS）は3月がつ末まつ、国際こくさい的てき支援しえんが必要ひつようとの声明せいめいを発表はっぴょうした[27]。第だい44回かい西にしアフリカ政府せいふ長官ちょうかん会議かいぎ期間きかん中ちゅうの3月がつ30日にち、ECOWASは25万まんUSドルの支援しえんを発表はっぴょう[28]。シエラレオネ当局とうきょくは、ギニアおよびリベリアからの入国にゅうこく者しゃに対たいし、厳きびしい健康けんこうチェックを行おこなう規定きていを発表はっぴょうした[29]。

欧州おうしゅう委員いいん会かい（EC）は、ギニアとその近隣きんりん諸国しょこくでの流行りゅうこうを抑おさえるため、50万まんユーロを供出きょうしゅつした。ECは、状況じょうきょう評価ひょうかと地方ちほうへの情報じょうほう伝達でんたつのため、ギニアに専門せんもん家かも派遣はけんしている。EU委員いいんで国際こくさい協力きょうりょく・人道じんどう援助えんじょ・危機きき対応たいおう担当たんとうのクリスタリナ・ゲオルギエヴァ（英語えいご版ばん）は3月がつ28日にちのプレスリリースで「我々われわれはこの悪性あくせいの病気びょうきの蔓延まんえんに強つよい関心かんしんを持もっており、我々われわれの支援しえんは保健ほけん対策たいさくに即時そくじかつ効果こうか的てきとなるだろう。近隣きんりん諸国しょこくに流行りゅうこうが広ひろがるのを抑おさえるためには、我々われわれの素早すばやい対応たいおうが不可欠ふかけつである」と述のべている[30]。

ギニアの北きた隣となりセネガルの内務省ないむしょうは3月がつ末まつ、ギニア国境こっきょうからの入国にゅうこくを無む期限きげん停止ていしにした[31]。さらに2014年ねん3月がつ26日にち、モーリタニアは、セネガル川がわの上流じょうりゅうにギニアがあるため、セネガル川がわからの入国にゅうこく口こうをロッソとディアマの2か所しょに制限せいげんした。3月31日にち、アメリカ疾病しっぺい予防よぼう管理かんりセンターは、ギニア保健ほけん省しょうとWHOのサポートとして、5名めいのチームを派遣はけんしている[22]。2014年ねん4月がつ1日にち、サウジアラビアは、ギニアとリベリアからのメッカ巡礼じゅんれいを理由りゆうとしたビザの交付こうふを停止ていしした。さらに、モロッコは、西にしアフリカのハブ空港くうこうであるムハンマド5世せい国際こくさい空港くうこうの医学いがくチェックを強化きょうかした[32][33][34]。これとは対照たいしょう的てきに、ギニアとリベリアの国境こっきょうは大おおきな対応たいおうはなされなかった。リベリアのモンロビアに駐在ちゅうざいしているギニアの大使たいしは、国境こっきょうの封鎖ふうさではなく直接ちょくせつ病気びょうきと闘たたかう努力どりょくが効果こうか的てきだと主張しゅちょうした[35]。

EUが資金しきん提供ていきょうしている[36]ヨーロッパモバイル研究所けんきゅうじょ (European Mobile Laboratory) は、WHO/地球ちきゅう規模きぼ感染かんせん症しょうに対たいする警戒けいかいと対応たいおうネットワーク（GOARN）の流行りゅうこう対策たいさくの一環いっかんとして、リスクグループ4の病原びょうげん体たいを取とり扱あつかえる移動いどう実験じっけん室しつ（英語えいご版ばん）を派遣はけんした。この移動いどう実験じっけん室しつが採取さいしゅした患者かんじゃ20名めいの血液けつえきサンプルからウイルスRNAを抽出ちゅうしゅつ、配列はいれつ決定けっていし、2007年ねんにコンゴ民主みんしゅ共和きょうわ国こくで発見はっけんされたウイルスと97%一致いっちすることが確認かくにんされ、4月がつ16日にちに発表はっぴょうされた[37]。

4月がつ23日にちの時点じてんで感染かんせん者しゃ数すう242、そのうちの死者ししゃ142であり、致命ちめい率りつは58.7%となった[38]。

感染かんせんの拡大かくだい[編集へんしゅう]

シエラレオネ、マリ、ガーナでも疑うたがわしい患者かんじゃが見みつかったが、臨床りんしょうサンプルはエボラウイルス陰性いんせいだった[39]。5月には、ギニアの状態じょうたいも改善かいぜんに向むかっており、ゲケドゥを除のぞいて新あらたな感染かんせん者しゃは報告ほうこくされなかった。

ところが5月がつ23日にちから27日にちにかけて、ギニアのゲケドゥ、マセンタ、コクナリの3地区ちくに加くわえて、新あらたにボッファ、テリメレ（英語えいご版ばん）、ボケ、ドゥブレカ（英語えいご版ばん）の4地区ちく、さらにはギニアの南みなみにあるシエラレオネでも臨床りんしょう例れいが報告ほうこくされた[40]。6月5日にちにはギニアのクールーサ（英語えいご版ばん）でも感染かんせんが報告ほうこくされている[41]。

6月17日にち、リベリアのモンロビアでもエボラにより7名めいが死亡しぼうしたと報告ほうこくされた[42]。

6月23日にち、国境こっきょうなき医師いし団だんは「制御せいぎょできない状況じょうきょうだ」との声明せいめいを発表はっぴょうしている[43]。

7月がつ25日にち、ナイジェリアの最大さいだい都市とし・ラゴスにある西にしアフリカ地域ちいき最大さいだいのハブ空港くうこうにてリベリアから入国にゅうこくしたアメリカ国籍こくせきを持もつリベリア人じん、パトリック・ソーヤーの同市どうしでのエボラ感染かんせん・同日どうじつ中ちゅうの死亡しぼうが発表はっぴょうされた[44][注ちゅう 4]。

7月がつ27日にち、リベリアは、感染かんせんの拡大かくだいを防ふせぐために自みずから国境こっきょう封鎖ふうさを行おこなった[45]。

7月がつ31日にち、シエラレオネのアーネスト・バイ・コロマ大統領だいとうりょうは非常ひじょう事態じたい宣言せんげんを行おこなった[46]。

8月がつ6日にち、リベリアのエレン・ジョンソン・サーリーフ大統領だいとうりょうは非常ひじょう事態じたい宣言せんげんを行おこなった[47]。

8月がつ8日にち、世界せかい保健ほけん機関きかん（WHO）は専門せんもん家かによる緊急きんきゅうの委員いいん会かいを開ひらいたうえで、西にしアフリカにおけるエボラ拡大かくだいを、「国際こくさい的てきに懸念けねんされる公衆こうしゅう衛生えいせい上じょうの緊急きんきゅう事態じたい」であることを宣言せんげんした。ナイジェリアのグッドラック・ジョナサン大統領だいとうりょうは、国内こくないでエボラ感染かんせんが続発ぞくはつしている事態じたいを受うけ、国家こっか非常ひじょう事態じたい宣言せんげんを行おこなった。

8月がつ13日にち、ギニアのアルファ・コンデ大統領だいとうりょうは公衆こうしゅう衛生えいせい上じょうの非常ひじょう事態じたい宣言せんげんを行おこなった[48]。

8月がつ15日にち、国境こっきょうなき医師いし団だんは「（エボラ出血熱えぼらしゅっけつねつは）私わたしたちが対応たいおうしきれないほどの速はやさで悪化あっかし拡大かくだいしている」と発表はっぴょう。その声明せいめいに先立さきだって、WHOはエボラの流行りゅうこう規模きぼがこれまで「大幅おおはばに」過小かしょう評価ひょうかされてきており、拡大かくだい防止ぼうしのためには「異例いれいの措置そち」を講こうじる必要ひつようがあるとの見解けんかいを表明ひょうめいしていた[49]。

8月がつ28日にち、WHOはエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつ流行りゅうこうの最終さいしゅう的てきな感染かんせん者しゃ数すうは2万まん人にんに拡大かくだいする恐おそれがあると警告けいこくした[50]。

8月がつ29日にち、セネガルは同どう国内こくないで初はじめてエボラ感染かんせん者しゃを確認かくにんしたと発表はっぴょうした[51]。

9月2日にち、国境こっきょうなき医師いし団だんは「世界せかいの指導しどう者しゃたちはエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつへの対応たいおうに失敗しっぱいしつつある」との見解けんかいを緊急きんきゅう発表はっぴょうし、西にしアフリカ各地かくちの緊急きんきゅう仮設かせつ病院びょういんの増ぞう床ゆかへの資金しきん提供ていきょうと訓練くんれんされた要員よういんの派遣はけん、さらにギニア、シエラレオネ、リベリア全域ぜんいきへの移動いどう検査けんさ所しょの展開てんかいに対たいする援助えんじょを求もとめた[52]。

9月18日にち、国際こくさい連合れんごう安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かいは緊急きんきゅう会合かいごうを開ひらき、異例いれいの公衆こうしゅう衛生えいせいに関かんする決議けつぎを行おこなった[53]。

9月22日にち、WHOはエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつの流行りゅうこうを食くい止とめる劇的げきてきな抑制よくせい策さくが行おこなわれない限かぎり、11月までに感染かんせんが2万まん人にんに拡大かくだいすると警告けいこくした[54]。

9月23日にち、アメリカ疾病しっぺい対策たいさくセンターCDCは、適切てきせつな対処たいしょが取とられなかった場合ばあい、2015年ねん1月がつ中旬ちゅうじゅんには感染かんせん者しゃ数すうが55万まん人にん～140万まん人にんに拡大かくだいすると警告けいこくした[55]。

CDCは推計すいけいを9月26日にちに公表こうひょうし、2015年ねん1月がつ20日はつかまでに55万まん～140万まん人にんの感染かんせんのおそれとしている。その中なかでCDCは、WHO統計とうけいは実数じっすうの約やく40%ではないかとの推定すいていを示しめしており、9月26日にちころの実数じっすうは約やく2万まん人にんとしている。9月23日にち公表こうひょうのWHOエボラ対策たいさくチームによる2014年ねん11月2日にちまでの予想よそう感染かんせん者しゃ合計ごうけいはギニア5,740、リベリア9,890、シエラレオネ5,000、合計ごうけい約やく2万まん人にんである[56]。

2016年ねん3月がつ29日にち、「国際こくさい的てきに懸念けねんされる公衆こうしゅうの保健ほけん上じょうの緊急きんきゅう事態じたい（PHEIC）」解除かいじょ[11]。

各国かっこく・各かく団体だんたいの反応はんのう[編集へんしゅう]

地域ちいき内ない伝播でんぱが活発かっぱつな国々くにぐに[編集へんしゅう]

ギニア、シエラレオネおよびリベリア3か国こくの国家こっか当局とうきょくは、エボラウイルス疫病えきびょうの対応たいおう計画けいかくを立案りつあんし、ニーズ調査ちょうさを実施じっしし、国家こっか非常ひじょう事態じたい委員いいん会かいを発足ほっそくさせた[26]。

WHOのアフリカ地域ちいき事務じむ局長きょくちょうのルイス・サンボは、7月がつ21日にちから25日にちにかけて影響えいきょうした国々くにぐにを訪問ほうもんし、政治せいじリーダーや保険ほけん省しょう、NGO、ほかの政府せいふ機関きかんと面会めんかいを行おこなった。彼かれは「文化ぶんか的てき慣習かんしゅうを尊重そんちょうしながら行動こうどうの変化へんかを促うながす」ことの必要ひつよう性せいを強調きょうちょうした[57]。

ギニア[編集へんしゅう]

ギニアとリベリア間あいだの国境こっきょうは4月がつの間あいだ、閉鎖へいさなどの対策たいさくが取とられることはなく開放かいほうされていた。これについてギニア政府せいふはリベリアの首都しゅとモンロビア近ちかくのギニア大使館たいしかんの発表はっぴょうという形かたちで、国境こっきょうを閉とじることよりも、疫病えきびょうと直接ちょくせつ戦たたかう努力どりょくをする方ほうがより効果こうか的てきであると主張しゅちょうした[58]。

リベリア[編集へんしゅう]

リベリア保健ほけん省しょうは遅おそくとも7月がつ23日にちまでに、アクラにおけるエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつのアウトブレイクに対たいする対処たいしょ法ほうの改善かいぜんに向むけた会議かいぎにおける取とり決きめに従したがい、戦略せんりゃく的てきな封ふうじ込こめ作戦さくせんを開始かいしした[59]。

7月がつ27日にちにはリベリア大統領だいとうりょうのサーリーフが国境こっきょうの封鎖ふうさを宣言せんげんした。この封鎖ふうさにおいて主要しゅような空港くうこうなどいくつかのポイントについては例外れいがいとされているが、例外れいがいとされた場所ばしょについては検疫けんえき所しょが設もうけられた。さらに、国内こくないでもっとも感染かんせんが深刻しんこくとされる地域ちいきを隔離かくりすることを決定けっていした[60]。

流行りゅうこうに伴ともない、多おおくの人ひとが集あつまり感染かんせんのリスクが高たかまるという理由りゆうでサッカーのイベントは中止ちゅうしされた[61]。また、国境こっきょう封鎖ふうさから3日にち後ごにサーリーフはリベリア大学だいがくを含ふくむ国内こくないすべての学校がっこうを閉鎖へいさし[62]、さらにいくつかの自治体じちたいを隔離かくりした[63]。

8月がつ6日にちにはエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつによる医療いりょう体制たいせいの弱体じゃくたい化かによりリベリアにおける地域ちいき感染かんせん症しょう（マラリアなど）を治療ちりょうすることが困難こんなんになる可能かのう性せいがあることも一因いちいんとなり、非常ひじょう事態じたい宣言せんげんが出だされた。サーリーフは、この非常ひじょう事態じたい宣言せんげんにより一部いちぶの権利けんりについて停止ていしする可能かのう性せいがあると述のべている[64]。

またリベリアでは2014年ねん10月がつに特別とくべつ上院じょういん議員ぎいん選挙せんきょが予定よていされていたが、リベリア国家こっか選挙せんきょ委員いいん会かいは同日どうじつ、エボラ出血熱えぼらしゅっけつねつの流行りゅうこう下かで選挙せんきょを実施じっしすると選挙せんきょの原則げんそくである自由じゆう性せい、公正こうせい性せい、透明とうめい性せい、信頼しんらい性せいに影響えいきょうするとして選挙せんきょ自体じたいの実施じっしが困難こんなんであるとし、各かく政党せいとうの党首とうしゅに選挙せんきょの延期えんきを提案ていあんした[65][66]。

8月がつ16日にちに首都しゅとモンロビアにおいてエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつの患者かんじゃが隔離かくりされている施設しせつがスラム街がいの若者わかもの数すう百ひゃく人にんにより襲撃しゅうげきされ、患者かんじゃ17人にんが隔離かくり施設しせつから逃走とうそうしたが[67]、19日にちに全員ぜんいんの消息しょうそくが判明はんめいし、別べつの治療ちりょう施設しせつに移送いそうされたことが発表はっぴょうされた[68]。この事件じけんのほかにもエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつに感染かんせんした患者かんじゃが、自分じぶんに感染かんせんすることを恐おそれた他ほかの住人じゅうにんに放置ほうちされるといった状況じょうきょうが生しょうじている[69]。

8月がつ19日にち、リベリア政府せいふはエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつの拡大かくだいを防ふせぐため、夜間やかんの外出がいしゅつ禁止きんしと首都しゅとモンロビアの1地区ちくを含ふくむ2地域ちいきを隔離かくり下かとすることを発表はっぴょうした[70]。

9月8日にち、WHOはエボラが流行りゅうこうしている国くにの中なかで最悪さいあくの被害ひがいが出でているリベリアでの感染かんせん者しゃが向むこう3週間しゅうかんで数すう千せん人にん増ふえる見込みこみだと発表はっぴょうし、各国かっこくからの同国どうこくへの支援しえんのさらなる拡大かくだいを求もとめた[71]。リベリアのブラウニー・サムカイ国防こくぼう相しょうは、9月9日にちに国連こくれんの安保理あんぽりの会合かいごうで、「国家こっか存亡そんぼうをかけた深刻しんこくな脅威きょういに直面ちょくめん」していると訴うったえた[72]。

9月がつ10日とおか、リベリアのサーリーフ大統領だいとうりょうは、日本にっぽんの安倍晋三あべしんぞう首相しゅしょうに書簡しょかんを送おくり、自衛隊じえいたいなどからなる緊急きんきゅう医療いりょう隊たいの派遣はけんを要請ようせいした[73]。

シエラレオネ[編集へんしゅう]

シエラレオネは一時いちじ的てき措置そちとして、ギニアおよびリベリアからの入国にゅうこく者しゃに対たいして厳格げんかくな検疫けんえきを実施じっしすることを含ふくむ「監視かんし療法りょうほうプロトコル」を再さい導入どうにゅうした[74]。7月30日にちにシエラレオネ政府せいふは非常ひじょう事態じたいを宣言せんげんし、国内こくないにおいて流行りゅうこうの深刻しんこくな地域ちいきを隔離かくりするために軍隊ぐんたいを配置はいちした[75]。感染かんせん拡大かくだいの深刻しんこく化かに伴ともない、国連こくれんは8月がつ26日にちに「大だい規模きぼ農業のうぎょうに従事じゅうじする多数たすうの農民のうみんの活動かつどうが妨さまたげられている」と発表はっぴょう、食糧しょくりょう危機ききの発生はっせいの恐おそれがあるとした。シエラレオネ農業のうぎょう相しょう報道ほうどう官かんは「エボラの発生はっせいにより、農民のうみんたちは5月がつ以降いこうに植うえた農作物のうさくもつを収穫しゅうかくできなくなっている」との見解けんかいを示しめした[76]。

9月6日にち、シエラレオネ政府せいふはエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつの流行りゅうこうの封ふうじ込こめを目指めざし、19日にちから国民こくみんに72時じ間あいだの外出がいしゅつ禁止きんしを命めいじると発表はっぴょうした[77]。さらに外出がいしゅつ禁止きんし期間きかん中ちゅうにボランティア2万まん以上いじょうによる全ぜん世帯せたい訪問ほうもんを実施じっしし、エボラ感染かんせん者しゃの特定とくていや追跡ついせきおよび死者ししゃの回収かいしゅうに乗のり出だすことを計画けいかくしていると9月がつ8日にちに明あきらかにした[78]。

2015年ねん11月7日にちに、WHOはシエラレオネのエボラ流行りゅうこう終息しゅうそく宣言せんげんを出だした[79]。

ナイジェリア[編集へんしゅう]

2014年ねん8月がつ31日にち時点じてんのナイジェリアでのエボラ流行りゅうこう

ナイジェリアでは8月がつ5日にちの時点じてんで2件けんの感染かんせん例れいと6件けんの疑うたがい例れいが発生はっせいしている[80]。

ナイジェリアでの最初さいしょの発症はっしょうは7月がつ20日はつかに空路くうろで[注ちゅう 5]リベリアからロメ、アクラを経由けいゆしたあとにナイジェリアに入国にゅうこくしたアメリカ国籍こくせきのリベリア人じん、パトリック・ソーヤー[81]であり、ラゴスに到着とうちゃくすると同時どうじに発症はっしょうした。ソーヤーは5日にち後ごの7月がつ25日にちにラゴスで死亡しぼうしている。これを受うけてナイジェリア政府せいふはすべての入国にゅうこく地点ちてんにおいて、検疫けんえき官かんを配置はいちし入国にゅうこく者しゃの健康けんこう状態じょうたいを確認かくにんするなどして監視かんしを強つよめた。初期しょきの報告ほうこくによると、生前せいぜんのソーヤーと接触せっしょくしていた69人にんが、症状しょうじょうの有無うむにかかわらず厳きびしい監視かんしのもとに置おかれた。この数字すうじには空港くうこう職員しょくいんや航空機こうくうきの同乗どうじょう者しゃ、ソーヤーが入院にゅういんしていた病院びょういんの医療いりょう従事じゅうじ者しゃも含ふくまれる[82]。その後ご、ナイジェリアの主要しゅよう航空こうくう会社かいしゃであるアリクエアはリベリアおよびシエラレオネへの運航うんこうを中止ちゅうしした[60]。

8月がつ4日にちにはソーヤーの治療ちりょうにあたっていた医師いしがエボラウイルスに対たいし陽性ようせい反応はんのうを示しめし、治療ちりょうを受うけていると発表はっぴょうされた[83]。一方いっぽうで疑うたがい例れいとしてはギニアへ旅行りょこうしていたナイジェリア人じん男性だんせいが含ふくまれる[84]。

8月がつ6日にち、ナイジェリア政府せいふはソーヤーの治療ちりょうにあたっていた看護かんご師しがエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつにより死亡しぼうしたと発表はっぴょうした[85]。

8月がつ24日にち現在げんざい、医師いし2人にん、看護かんご婦ふ2人にん、運転うんてん手しゅ1人にんが死亡しぼうし、感染かんせん者しゃの配偶はいぐう者しゃ2人にんも2次じ感染かんせんし、合計ごうけい感染かんせん者しゃ18人にん、死亡しぼう者しゃ5人にんになった。この全員ぜんいんがソーヤーの1次じまたは2次じ接触せっしょく者しゃである。

セネガル[編集へんしゅう]

セネガルでは疫病えきびょうの拡大かくだいを防ふせぐため、内務ないむ大臣だいじんがギニアとの南みなみの国境こっきょうを通とおるすべての人ひとの往来おうらいを無む期限きげんに停止ていしするよう命めいじたとの声明せいめいが、3月29日にちに国営こくえいセネガル通信つうしん（APS）により発表はっぴょうされた[86]。この措置そちは5月にいったん解除かいじょされていたが、8月がつ21日にち、セネガルは感染かんせん拡大かくだい防止ぼうしを理由りゆうにギニアとの国境こっきょうを再ふたたび封鎖ふうさした[87]。

8月がつ29日にち、セネガル保健ほけん省しょうは同どう国内こくないで初はじめてエボラ感染かんせん者しゃを確認かくにんしたと発表はっぴょうした。行方ゆくえをくらませたギニア人じんの感染かんせん者しゃ1人にんがセネガルに行いったと27日にちにギニアから連絡れんらくを受うけたうえでの対応たいおうであるのこと[51]。

西にしアフリカ諸国しょこくでの問題もんだい意識いしき[編集へんしゅう]

エボラ感染かんせん西にしアフリカ4か国こくでは、エボラが公衆こうしゅう衛生えいせい上じょうの大だい問題もんだいではない[88]とされ、この認識にんしきが対策たいさくが後手ごてに回まわる原因げんいんとなっている。1日にちあたりの死者ししゃ数すうは4か国こく合計ごうけいで、エボラ4人にん、ラッサ熱ねつ14人にん、結核けっかく114人にん、下痢げり404人にん、マラリア502人にん、HIV/エイズ685人にんであり[89]、人材じんざい・資金しきん・設備せつびに乏とぼしいためエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつへの対策たいさくに資源しげんを投入とうにゅうできていない。特とくにエボラは空気くうき感染かんせんしないため、対策たいさくの必要ひつよう性せいが意識いしきされにくい。また対策たいさくが進すすんでいないのはエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつの症状しょうじょうを見分みわけることが難むずかしいことも一因いちいんとなっている。

国民こくみんも政府せいふの対策たいさくに従したがわない傾向けいこうがあり、その理由りゆうについてアメリカの外交がいこう問題もんだい評議ひょうぎ会かいのシニア・フェローのローリー・ギャレットは、「この地域ちいきには内戦ないせん、政府せいふによる搾取さくしゅ、テロが長ながい間あいだ続つづいており、それによって生うまれた恐怖きょうふ、貧困ひんこん、猜疑心さいぎしんなどがある。エボラは耐たえ難がたい騒音そうおんに付つけ加くわえられた一ひとつのざわめきに過すぎない」と述のべている[90]。

コンゴ民主みんしゅ共和きょうわ国こく（旧きゅうザイール）[編集へんしゅう]

2014年ねんコンゴ民主みんしゅ共和きょうわ国こくエボラ流行りゅうこう
2014年ねん9月がつ9日にち時点じてんでの流行りゅうこう状じょう況きょう
日付ひづけ2014年ねん8月がつ - 11月
死傷ししょう者しゃ
 コンゴ民主みんしゅ共和きょうわ国こく – 71 罹患りかん, 43 死亡しぼう

2014年ねん8月がつ20日はつか、中部ちゅうぶアフリカのコンゴ民主みんしゅ共和きょうわ国こくにおいて、首都しゅとキンシャサより1,200km北きたにある赤道あかみち州しゅうで4人にんの医療いりょう従事じゅうじ者しゃを含ふくむ数すう人にんがエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつに似にた症状しょうじょうにより死亡しぼうしたことが報告ほうこくされた。8月21日にち、コンゴ民主みんしゅ共和きょうわ国こく保健ほけん省しょうは13人にんがエボラと同様どうようの症状しょうじょうで死亡しぼうしたことを発表はっぴょうした[91]。8月22日にち、WHOと国境こっきょうなき医師いし団だんはこれらの症状しょうじょうはエボラによるものかどうかの判断はんだんは時期じき尚早しょうそうとの見解けんかいを出だし、検体けんたいは検査けんさ機関きかんに送おくられた。8月24日にち、送おくられた検体けんたいの8件けんのうち、2件けんからエボラウイルスが検出けんしゅつされたと同国どうこく保健ほけん省しょうから発表はっぴょうされた[92]。検体けんたいのうち1件けんはスーダンエボラウイルスと呼よばれる西にしアフリカで流行りゅうこうしているエボラウイルスとは別種べっしゅのウイルス株かぶであり、もう1件けんの方ほうはスーダン株かぶとザイール株かぶの混合こんごう種しゅであった。

8月がつ26日にち、WHOが赤道あかみち州しゅう保健ほけん局きょくに確認かくにんしたところによると、最初さいしょの患者かんじゃは夫おっとがとってきた野生やせい動物どうぶつを調理ちょうりしたしばらく後のちにエボラの症状しょうじょうが出でたイケナモンゴ村むらの妊にん婦ふで、彼女かのじょはイザカ村むらの民間みんかん診療しんりょう所しょに受診じゅしんしにいき、病名びょうめいが未み確認かくにんの出血しゅっけつ熱ねつで8月がつ11日にちに死亡しぼうした。彼女かのじょの死しの翌週よくしゅう、彼女かのじょの家族かぞくと治療ちりょうした診療しんりょう所しょの医療いりょう従事じゅうじ者しゃ数すう人にんおよびそれらと接触せっしょくした数すう名めいが同おなじように出血しゅっけつ熱ねつに罹患りかんして、結果けっか5人にんの医療いりょう従事じゅうじ者しゃがその後ご死亡しぼうした。WHOは、「7月がつ28日にちから8月がつ18日にちまでのエボラ感染かんせん者しゃは、これまで死亡しぼうした13人にんを含ふくめて全部ぜんぶで24人にんにのぼり、すでに感染かんせん者しゃの検体けんたいはキンシャサおよびガボンの研究所けんきゅうじょにエボラの確認かくにんおよびウイルス株かぶの確定かくていのために送付そうふされている。最初さいしょの患者かんじゃとそれに接触せっしょくした人間にんげんは、いずれもエボラが流行りゅうこうしている西にしアフリカ諸国しょこく（ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネ）への渡航とこう歴れきおよび西にしアフリカより渡航とこうしてきた人間にんげんとの接触せっしょく履歴りれきは存在そんざいせず、現時点げんじてんでは、コンゴ民主みんしゅ共和きょうわ国こくにおけるエボラの発生はっせいは西にしアフリカで現在げんざい進行しんこう中ちゅうのエボラ流行りゅうこうとは無関係むかんけいであると考かんがえられる」と発表はっぴょうした。

9月2日にち、WHOのコンゴ民主みんしゅ共和きょうわ国こくにおける広報こうほう部長ぶちょうを務つとめるユージン・カンバンビ氏しは、赤道あかみち州しゅうボエンデにおいて31人にんの死者ししゃが出でたことを明あきらかにし、さらに53人にんの感染かんせん疑うたがいを含ふくむ感染かんせん者しゃの存在そんざいと、それとは別べつの185人にんにものぼる感染かんせん者しゃに接触せっしょくした人間にんげんの感染かんせんの徴候ちょうこうを監視かんししていることを合あわせて発表はっぴょうした[93]。また国境こっきょうなき医師いし団だんは、コンゴ民主みんしゅ共和きょうわ国こくにおいても緊急きんきゅう医療いりょう施設しせつの設置せっち中ちゅうであることを9月1日にちに明あきらかにした。

中断ちゅうだんもしくは非ひ伝播でんぱな状態じょうたいの地域ちいき[編集へんしゅう]

エボラ流行りゅうこうによる感染かんせん者しゃの世界せかい分布ぶんぷの内訳うちわけ

ガンビア[編集へんしゅう]

8月がつ17日にち、ガンビアは各かく航空こうくう会社かいしゃに対たいし感染かんせん3カ国かこくで搭乗とうじょうさせないように指示しじした[94]。

ギニアビサウ[編集へんしゅう]

ギニアビサウは8月がつ12日にち、隣国りんごくギニア国境こっきょうを封鎖ふうさした[95]。

ベナン[編集へんしゅう]

ベナンは8月がつ7日にち、国内こくないにおいて2つの異ことなる病院びょういんで、エボラの可能かのう性せいのある2つのケースを報告ほうこくした。どちらの患者かんじゃも、ビジネスでベナンに来きたナイジェリア人じんであった。検体けんたいは、確認かくにんのためにセネガルに送おくられた[96]。

他たの西にしアフリカ諸国しょこく[編集へんしゅう]

  • トーゴとナイジェリアは、8月がつ18日にち現在げんざいエボラ感染かんせん3カ国かこくからの航空こうくう便びんを停止ていししている。
  • カメルーンは8月がつ19日にち現在げんざい、2,000kmのナイジェリア国境こっきょうを封鎖ふうさ中ちゅうである。飛行機ひこうきや船舶せんぱくでの入国にゅうこくも禁止きんししている。
  • コートジボワールは、8月がつ23日にち、隣国りんごくギニアとリベリアの国境こっきょうを封鎖ふうさした。

南みなみアフリカ[編集へんしゅう]

8月がつ16日にち、南みなみアフリカは感染かんせん3か国こくからの入国にゅうこくを禁止きんしし、ナイジェリアとケニアを中ちゅうリスク国こく、南みなみアフリカ自体じたいを低ていリスク国こくとした。

ケニア[編集へんしゅう]

8月がつ16日にち、ケニア政府せいふは感染かんせん3か国こくを経由けいゆする外国がいこく人じんの入国にゅうこくを禁止きんしした。

サウジアラビア[編集へんしゅう]

4月がつ1日にち、サウジアラビアはギニア・リベリア・シエラレオネの3か国こくから入国にゅうこくするイスラム教徒きょうとに対たいするメッカ巡礼じゅんれいのためのビザ発給はっきゅうを停止ていしした[97]。

このように感染かんせん拡大かくだい防止ぼうしの対策たいさくをとったにもかかわらず、8月がつ3日にち、エボラ感染かんせん疑うたがい例れいの男性だんせいがシエラレオネからサウジアラビアに帰国きこくし、到着とうちゃくから3日にち以内いないにジッダにおいて死亡しぼうした。これはエボラ感染かんせんの検査けんさ中ちゅうの死亡しぼうであり、この男性だんせいの死因しいんを確定かくていさせるべきであるというWHOの勧告かんこくに従したがい、組織そしきサンプルが国際こくさい的てきな参考さんこう検査けんさ室しつに送おくられた[98]。

スペイン[編集へんしゅう]

8月がつ5日にち、聖ひじりヨハネ病院びょういん修道しゅうどう会かいは構成こうせい員いんのミゲル・パハレスがリベリアにおけるボランティア活動かつどう中ちゅうにエボラに感染かんせんしたことを確認かくにんし、そのことをスペイン外務省がいむしょうおよび保健ほけん省しょうに報告ほうこくするとともに彼かれの帰国きこくを求もとめた[99]。彼かれの本国ほんごく送還そうかんはスペイン防衛ぼうえい省しょうの調整ちょうせいのもと、翌よく6日にちに実現じつげんした[100]。スペイン政府せいふは彼かれがマドリードの病院びょういんにおいて治療ちりょう中ちゅうであると発表はっぴょうしたが、アメリカの医療いりょう関係かんけい者しゃが投与とうよされて回復かいふくしていた治療ちりょう薬やくジーマップを投与とうよしたにもかかわらず、マドリード市内しないの病院びょういんで死亡しぼうが確認かくにんされた[100]。

アメリカ[編集へんしゅう]

7月がつ31日にち、アメリカ疾病しっぺい予防よぼう管理かんりセンター（CDC）は、ギニア、リベリア、シエラレオネへの不要ふよう不ふ急きゅうな旅行りょこうを控ひかえるように警告けいこくした[101]。

キリスト教きりすときょう救援きゅうえん団体だんたいサマリタン・パースのモンロビアの治療ちりょうセンターの医療いりょう局長きょくちょうとして活動かつどう中ちゅうであった医師いし、ケント・ブラントリーとその同僚どうりょう1人にんが同時どうじに感染かんせんし、エモリー大学だいがく病院びょういん（英語えいご版ばん）へと運はこばれた[102][103][104][105]。2014年ねん8月がつ21日にち、ケント・ブラントリー医師いしと同僚どうりょう1人にんは、ウイルス感染かんせんから回復かいふくしたため、エモリー大学だいがく病院びょういんを退院たいいんした[106]。

2014年ねん8月がつ6日にち、CDCは、流行りゅうこうへの対応たいおうを強化きょうかするため、対応たいおうを6段階だんかいのスケールの中なかで最高さいこうレベルであるレベル1に変更へんこうした[107]。

アメリカの保健ほけん当局とうきょくは、エボラのアメリカへの広ひろがりは避さけられないと警告けいこくしている[108]。

アメリカ国務省こくむしょうは次つぎの地域ちいきに勧告かんこくを出だした[109]。

  • 8月がつ8日にち、リベリア。渡航とこう自粛じしゅく勧告かんこくと大使館たいしかん員いん家族かぞくの退避たいひ命令めいれい（館員かんいんは残のこる）[110]。
  • 8月がつ8日にち、ナイジェリア北部ほくぶの一部いちぶ地域ちいき。強つよい渡航とこう自粛じしゅく勧告かんこく。ただし理由りゆうは地域ちいきの不安定ふあんていさ[111][注ちゅう 6]。
  • 8月がつ14日にち、シエラレオネ。渡航とこう自粛じしゅく勧告かんこくと大使館たいしかん員いん家族かぞくの退避たいひ命令めいれい（館員かんいんは残のこる）[112]。

8月がつ25日にち現在げんざい、アメリカ政府せいふは、感染かんせん4か国こくに95人にんの職員しょくいんを派遣はけんしてエボラ対策たいさくにあたっている。

イギリス[編集へんしゅう]

2014年ねん8月がつ28日にち、イギリス政府せいふは感染かんせん3か国こくへの渡航とこう自粛じしゅく勧告かんこくを出だした。12月29日にち、イギリス・スコットランドのグラスゴーにおいて初はつの発症はっしょう例れいが報告ほうこくされた。患者かんじゃはシエラレオネから帰国きこくした医療いりょう従事じゅうじ者しゃの女性じょせい[113]。

他たの国々くにぐに及および経済けいざい圏けん[編集へんしゅう]

西にしアフリカ諸国しょこく経済けいざい共同きょうどう体たい[編集へんしゅう]

44回かいめとなる西にしアフリカサミット開催かいさい中ちゅうの3月がつ30日にち、西にしアフリカ諸国しょこく経済けいざい共同きょうどう体たい（ECOWAS）はエボラのアウトブレイクへの対策たいさくのために25万まんドルを支出ししゅつした[28]。また、7月がつにはナイジェリア政府せいふがリベリア政府せいふに対たいし、エボラ対策たいさくを支援しえんするとして50万まんドルの資金しきん協力きょうりょくを行おこなった[114]。

7月がつ、WHOは11の国くにの保健ほけん大臣だいじんを集あつめてガーナのアクラにおいて緊急きんきゅう地域ちいき会議かいぎを開ひらいた[115]。7月3日にち、西にしアフリカ諸国しょこくは協調きょうちょう戦術せんじゅつをとること、そしてギニアに「技術ぎじゅつ支援しえんを協力きょうりょくして行おこなうための」WHO地域ちいきセンターを設立せつりつしたことを発表はっぴょうした[116]。この地域ちいきセンターはコナクリにおかれ、7月がつ24日にちに稼働かどうし始はじめた[117]。

7月がつ31日にち、WHOおよび西にしアフリカ諸国しょこくはエボラ対策たいさくのために100万まんドルを費ついやすことを発表はっぴょうした。これにより数すう百ひゃく人にんの医療いりょう従事じゅうじ者しゃを追加ついかで投入とうにゅうできるとみられている[118]。

EU[編集へんしゅう]

3月、欧州おうしゅう委員いいん会かい（EC）はギニア国内こくない及および近隣きんりん国こくでのエボラ感染かんせん拡大かくだい防止ぼうしのために50万まんユーロの資金しきん提供ていきょうを行おこなった。また、このほかにも現状げんじょうの把握はあくおよび現地げんち医師いしとの連絡れんらくを目的もくてきとして、ギニアに専門せんもん家かも派遣はけんした。欧州おうしゅう委員いいん会かいの国際こくさい協力きょうりょく・人道じんどう援助えんじょ・危機きき対応たいおう担当たんとうであるクリスタリナ・ゲオルギエヴァ（英語えいご版ばん）は「私わたしたちはエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつの感染かんせん拡大かくだいについて非常ひじょうに憂慮ゆうりょしており、私わたし達たちの支援しえんがエボラ感染かんせん者しゃへの早急そうきゅうな健康けんこう支援しえんにつながるだろう。私わたしたちが感染かんせん拡大かくだい、特とくに近隣きんりん国こくへのアウトブレイクを防ふせぐために迅速じんそくに行動こうどうすることが重要じゅうようである」と述のべた[119]。

4月がつには、リスクグループ3から4のウイルス病原びょうげん体たいを扱あつかうことが可能かのうである移動いどう実験じっけん室しつが、WHO/GOARNアウトブレイク対処たいしょの一環いっかんとして欧州おうしゅう移動いどう実験じっけん計画けいかく（EMLab）によりギニアに派遣はけんされた。初はじめのほうに得えられたサンプルはリヨンのジャン・メリューP4高度こうど安全あんぜん実験じっけん室しつにおいて分析ぶんせきされた[37]。

ドイツの外務省がいむしょうは7月がつ末まつに影響えいきょうを受うけているすべての国くにへの渡航とこう警告けいこくを出だした[120]。 8月2日にち、スペインも同様どうように渡航とこう警告けいこくを発令はつれいした[121]。

  • 8月がつ27日にち、フランス政府せいふは、シエラレオネとリベリアを回避かいひするよう国民こくみんに呼よびかけた。エールフランス・KLMに、シエラレオネの首都しゅとフリータウンへの運航うんこう停止ていしを求もとめた。なお、ナイジェリアとギニアへの運航うんこうは停止ていしする必要ひつようがないとした[122]。

香港ほんこん[編集へんしゅう]

7月がつ30日にち、香港ほんこんの保健ほけん機関きかんは、ケニアに訪おとずれた香港ほんこん人じん女性じょせいが高熱こうねつを発症はっしょうしたことにより、エボラウイルスに対たいする監視かんしを拡大かくだいした。彼女かのじょはエボラウイルス検査けんさでは陰性いんせいを示しめしており、隔離かくりされていたものの、健康けんこう状態じょうたいは安定あんていしていた[123]。

モロッコ[編集へんしゅう]

4月がつ初頭しょとう、モロッコは西にしアフリカとの往来おうらい便びんのための地域ちいき拠点きょてんであるカサブランカ空港くうこうにおいて医学いがく的てき監視かんしを強化きょうかした[124][125]。

8月がつ初旬しょじゅん、リベリアの内務ないむ大臣だいじんのモリス・ダックリー（英語えいご版ばん）はモロッコ国内こくないでのリベリア人じんがエボラ感染かんせんにより死亡しぼうしたことを発表はっぴょうした[126]。しかしモロッコの保健ほけん大臣だいじんは、そのリベリア人じんの死因しいんがエボラ感染かんせんによるものではなく心臓麻痺しんぞうまひであると発表はっぴょうした[127][128]。

フィリピン[編集へんしゅう]

フィリピン外務省がいむしょうはギニア、リベリア、シエラレオネに警報けいほうレベル2を掲かかげ、6月30日にちより影響えいきょうした国々くにぐにへのフィリピン人じん労働ろうどう者しゃの送おくり込こみを一時いちじ的てきに停止ていしした。また、フィリピンの船員せんいんは、エボラ出血熱えぼらしゅっけつねつの影響えいきょうを受うけた国々くにぐにの船ふねがドックに入はいった際さい、その船ふねがエボラウイルスに汚染おせんされており、それによりエボラウイルスが広ひろがることがないか、厳重げんじゅうに注意ちゅういを払はらっている[129]。保健ほけん省しょうは、エボラ出血熱えぼらしゅっけつねつの影響えいきょうを受うけた国々くにぐにに医療いりょう従事じゅうじ者しゃを派遣はけんし、アウトブレイクの阻止そしに協力きょうりょくしたいと述のべた[130]。

8月がつ14日にち現在げんざい、すべての外国がいこくからの入国にゅうこく者しゃに対たいし健康けんこう問診もんしんカードの提出ていしゅつを義務ぎむづけている。またサーモグラフィー検査けんさで37.5℃以上いじょうの場合ばあいには、問診もんしんを実施じっしし、隔離かくり措置そちを実行じっこうする場合ばあいがある[131]

日本にっぽん[編集へんしゅう]

ウィキニュースに関連かんれん記事きじがあります。
  • 2014年ねんFORTH（厚生こうせい労働省ろうどうしょう検疫けんえき所しょ）は、WHOアフリカ地域ちいき事務じむ局きょくの情報じょうほうを元もとに、ギニアでエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつが発生はっせいしたとの情報じょうほうを出だした[132]。また、成田空港なりたくうこうなどではパンフレットを置おき、サーモグラフィーで入国にゅうこく者しゃの検査けんさを実施じっししている。
  • 4月がつ、外務省がいむしょうはギニアでの対策たいさくとして国際こくさい連合れんごう児童じどう基金ききん（UNICEF）を介かいして約やく52万まんドルの緊急きんきゅう無償むしょう資金しきん協力きょうりょくを行おこなった[133][134]。
  • 8月がつ7日にち、厚生こうせい労働省ろうどうしょうは全国ぜんこくに、疑うたがい患者かんじゃの発生はっせい時じの対応たいおうについて再さい確認かくにんするように求もとめた[135][注ちゅう 7]。
  • 8月がつ8日にち、外務省がいむしょうは、ギニア、リベリア、シエラレオネに対たいし「渡航とこう延期えんき勧告かんこく」と「退避たいひ検討けんとう勧告かんこく」を出だした[136]。渡航とこう延期えんき勧告かんこくと退避たいひ検討けんとう勧告かんこくは、3か国こくの全域ぜんいきに対たいして出だされている。同どう時点じてんの外務省がいむしょうの発表はっぴょうによれば、
    • WHOによれば、ギニアでは8月がつ4日にち現在げんざい、495人にんが感染かんせん、うち363人にんが死亡しぼう。首都しゅとコナクリ、ボッファ県けん、テリメレ県けん、ダボラ県けん、クルーサ県けん、キシドゥグ県けんではエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつが確認かくにんされており、フリア県けん、デブレカ県けんでは疑うたがい例れいが報告ほうこくされている。
    • リベリアでは8月がつ4日にち現在げんざい、516人にんが感染かんせんし、うち282人にんが死亡しぼう。ボミ県けん、ボン県けん、ロファ県けん、マルギビ県けん、モンテセラード県けん（首都しゅとモンロビア所在しょざい）およびニンバ県けんで感染かんせん者しゃが確認かくにんされており、首都しゅとモンロビアにEVLA病院びょういんおよびJFK病院びょういん、ロファ県けんにフォヤ・ボーマ病院びょういん、ボン県けんにエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつ治療ちりょうユニットが設置せっちされており、エボラ出血熱えぼらしゅっけつねつ患者かんじゃが収容しゅうようされている。
    • シエラレオネでは8月がつ4日にち現在げんざい、691人にんが感染かんせん、うち286人にんが死亡しぼうしている。5月以降いこう、カイラフン県けん、カンビア県けん、ボートロコ県けん、ケネマ県けん、ボ県けんおよび西にし県けん（首都しゅとフリータウンを含ふくむ）で感染かんせん者しゃが確認かくにんされている。カイラフン県けんとケネマ県けんにエボラ出血しゅっけつ治療ちりょうセンター（EOC）として隔離かくり病棟びょうとうが設置せっちされており、エボラ出血熱えぼらしゅっけつねつ患者かんじゃが収容しゅうようされている。
  • 8月がつ11日にち、JICAは3か国こく駐在ちゅうざいの20人にんを隣接りんせつ国こくに一時いちじ的てきに撤退てったいさせた。
  • 8月がつ11日にち、厚生こうせい労働省ろうどうしょうは、「エボラ出血熱えぼらしゅっけつねつに関かんするQ&A」という情報じょうほうを公開こうかい、エボラ出血熱えぼらしゅっけつねつに関かんする基本きほん的てきな知識ちしきや、流行りゅうこうの状況じょうきょう、日本にっぽんの水際みずぎわ対策たいさくについて説明せつめいしている。
  • 8月がつ15日にち、日本にっぽん政府せいふはWHOなどの3機関きかんを介かいし、医薬品いやくひんの供給きょうきゅうや感染かんせん予防よぼうに充あてるための150万まんドルの無償むしょう資金しきん協力きょうりょくを決定けっていした[133]。
  • 9月がつ10日とおか、リベリアのサーリーフ大統領だいとうりょうは、安倍晋三あべしんぞう首相しゅしょうに対たいして、自衛隊じえいたいなどからなる緊急きんきゅう医療いりょう隊たいの派遣はけんを要請ようせいした[73]。
  • 9月25日にち、安倍晋三あべしんぞう首相しゅしょうは感染かんせん対策たいさくとして新あらたに4,000万まんドル（約やく43億おく6,000万まん円えん）相当そうとうの支援しえんを行おこなう方針ほうしんを表明ひょうめいした[137]。
  • 10月27日にち、リベリアに8月がつから2か月げつ間あいだ滞在たいざいしていたカナダ国籍こくせきのジャーナリストの男性だんせいが午後ごご4時じに羽田空港はねだくうこうに到着とうちゃくした際さいに37.8℃の発熱はつねつが確認かくにんされ、国立こくりつ国際こくさい医療いりょう研究けんきゅうセンターに搬送はんそう。採取さいしゅした血液けつえきなどを国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょに送おくり感染かんせんの可能かのう性せいを検査けんさしていたが、翌よく28日にち、厚生こうせい労働省ろうどうしょうはこの男性だんせいからエボラウイルスは検出けんしゅつされなかったと発表はっぴょうした[138]。
  • 12月6日にち、航空こうくう自衛隊じえいたいのKC-767空中くうちゅう給油きゅうゆ輸送ゆそう機きに、現地げんちの医療いりょう関係かんけい者しゃのための2万まん着ちゃくの防護ぼうご服ふくが積つみ込こまれ、小牧こまき基地きちからガーナに向むけて出発しゅっぱつした。日本にっぽん政府せいふは、最終さいしゅう的てきに70万まん着ちゃくを提供ていきょうする[139]。

各かく団体だんたいの反応はんのう[編集へんしゅう]

航空こうくう業界ぎょうかい[編集へんしゅう]

  • 2014年ねん8月がつ5日にち (2014-08-05)現在げんざい、ブリティッシュ・エアウェイズは、8月がつ末まつまでリベリアとシエラレオネを発着はっちゃくする全便ぜんびんを停止ていしする[140]と発表はっぴょう。8月26日にち、さらに運航うんこう停止ていし期間きかんを2015年ねんにまで延長えんちょうするとした。
  • 8月がつ18日にち - 国際こくさい航空こうくう運送うんそう協会きょうかい（IATA）は、感染かんせん流行りゅうこう国こくへの運航うんこうを停止ていしすべきでないとの声明せいめいを発表はっぴょうした[141]。
  • 8月がつ上旬じょうじゅん - アラブ首長しゅちょう国こく連邦れんぽうのエミレーツ航空こうくうは、ドバイとコナクリを結むすぶ路線ろせん（週しゅう56便びん）を当分とうぶんの間あいだ欠航けっこうとした。ダカールへの便びんは引ひき続つづき運航うんこうする[142]。
  • 8月がつ19日にち - アフリカの主要しゅような航空こうくう会社かいしゃのケニア航空こうくうは、リベリアとシエラレオネへの便びん（週しゅう70便びん）を停止ていしした。
  • 8月がつ20日はつか - 大韓航空だいかんこうくうは、仁川にがわ=ナイロビ直行ちょっこう便びんを2014年ねん8月がつ20日はつか～10月がつ24日にちの間あいだ、運休うんきゅうする[143]。
  • 8月がつ20日にち頃ごろ - トーゴのロメを拠点きょてんとする地域ちいき航空こうくう会社かいしゃASKY航空こうくう[注ちゅう 8]はナイジェリアへの飛行ひこう（週しゅう70便びん）を停止ていしする。
  • 8月がつ27日にち、フランス政府せいふは、シエラレオネとリベリアを回避かいひするよう国民こくみんに呼よびかけた。エールフランス・KLMに、シエラレオネの首都しゅとフリータウンへの運航うんこう停止ていしを求もとめた。なお、ナイジェリアとギニアへの運航うんこうは停止ていしする必要ひつようがないとした[122]。
  • 8月がつ28日にち現在げんざい、ベルギーのブリュッセル航空こうくうとモロッコのロイヤル・エア・モロッコは、運航うんこうを停止ていしすることなく、コナクリ、フリータウン、およびモンロビアへの運航うんこうを続つづけている。ブリュッセル航空こうくうはエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつの感染かんせん地域ちいきへの運航うんこう経験けいけんが豊富ほうふである[144]。
  • 11月27日にち - ルフトハンザドイツ航空こうくうはドイツ外務省がいむしょうの要望ようぼうに応おうじ、エボラ患者かんじゃ搬送はんそう用ように改修かいしゅうしたエアバスA340をドイツ政府せいふに引ひき渡わたした。機体きたいから航空こうくう会社かいしゃのロゴは消けされ、ドイツ国旗こっきのみが表示ひょうじされているものの、運航うんこうもルフトハンザが担当たんとうし会社かいしゃぐるみで人道じんどう支援しえんを行おこなうという。この専用せんよう機きの機内きないには隔離かくり施設しせつを含ふくむさまざまな医療いりょう機器ききが装備そうびされており、これまで患者かんじゃの搬送はんそうに利用りようしていた小型こがたのビジネスジェット機じぇっときよりも総合そうごう的てきに集中しゅうちゅう治療ちりょうが可能かのうだとされている[145][146]。

アメリカ[編集へんしゅう]

8月がつ初頭しょとうに[要よう出典しゅってん]、アメリカ疾病しっぺい予防よぼう管理かんりセンター（CDC）は、現地げんち保健ほけん省しょうと、WHO主導しゅどうの流行りゅうこうへの対応たいおうを支援しえんするため、ギニア、シエラレオネ、リベリア、ナイジェリアにスタッフを配置はいちした[147]。8月6日にちには、CDCはエボラへの対応たいおう優先ゆうせん度どを6段階だんかいのスケールの中なかで最高さいこうレベルであるレベル1に変更へんこうした[107]。8月25日にちまでに、ギニア、シエラレオネ、リベリア、ナイジェリアの4カ国かこくに、CDC（74人にん）、USAID（国際こくさい援助えんじょ局きょく）（19人にん）、DOD（国防省こくぼうしょう）（2人ふたりをリベリアに）の3機関きかん、合計ごうけい95人にんを派遣はけんしている。

9月16日にち、アメリカのオバマ大統領だいとうりょうは、西にしアフリカにおけるエボラ感染かんせん拡大かくだいに対たいしてアメリカ軍ぐんから3,000人にんを現地げんちに派遣はけんし大だい規模きぼな医療いりょう訓練くんれんと衛生えいせい管理かんりプログラムに着手ちゃくしゅすることを発表はっぴょうした[148]。

国境こっきょうなき医師いし団だん[編集へんしゅう]

人道じんどう援助えんじょ団体だんたいであり、ギニア、シエラレオネ、リベリアで活動かつどうする300のチームを持もっている国境こっきょうなき医師いし団だんは、人々ひとびとに医療いりょうケアを与あたえるスペシャリストセンターを組織そしきし、40トンの備品びひんと供給きょうきゅう品ひんを送おくっている[149]。サマリタンズパースも、リベリアの複数ふくすうの場所ばしょで直接ちょくせつ患者かんじゃのケアを提供ていきょうしている[150]。

WHO[編集へんしゅう]

ルイス・サンボWHOアフリカ地域ちいき事務じむ局長きょくちょうは、7月がつ21日にちから25日にちにかけて影響えいきょうした国々くにぐにを訪問ほうもんし、政治せいじリーダーや保健ほけん省しょう、NGO、ほかの政府せいふ機関きかんと面会めんかいを行おこなった。彼かれは「文化ぶんか的てき慣習かんしゅうを尊重そんちょうしながら行動こうどうの変化へんかを促うながす」ことの必要ひつよう性せいを強調きょうちょうした[57]。

7月がつ24日にち、WHOの陳ちん馮富珍めずらし事務じむ局長きょくちょうは、エボラの流行りゅうこうへの対応たいおうのための資金しきんと人手ひとでを増ふやすことを促進そくしんするために、ジュネーブの政府せいふ機関きかんや提供ていきょう者しゃと面会めんかいした[57]。その後ご、総額そうがく2億おくドルの資金しきん提供ていきょうが決定けっていされた。

8月がつ18日にち、WHOは、「国際こくさい空港くうこう・港みなと、主要しゅような国境こっきょう検問けんもん所しょで、出国しゅっこく者しゃ全員ぜんいんを対象たいしょうに検査けんさを実施じっしするよう感染かんせん国こくに要請ようせい」「感染かんせんの疑うたがいがある場合ばあいは、適切てきせつな治療ちりょうを目的もくてきとする退避たいひでない限かぎり、旅行りょこうを許可きょかすべきではない」との声明せいめいを発表はっぴょうした。同時どうじに、旅客機りょかくき内ないでエボラに感染かんせんするリスクは低ひくいとして、感染かんせん国こくへの渡航とこうや通商つうしょうの制限せいげんを拡大かくだいする必要ひつようはないとの見解けんかいをあらためて示しめした[151]。また、エボラ出血熱えぼらしゅっけつねつの国際こくさい的てきな感染かんせん拡大かくだいを阻止そしするために、航空こうくうおよび観光かんこうの各かく国際こくさい団体だんたいと協力きょうりょくして対策たいさく本部ほんぶを設置せっちしていたことを発表はっぴょうした。参加さんか団体だんたいは、国際こくさい民間みんかん航空こうくう機関きかん（ICAO）、世界せかい観光かんこう機関きかん（UNWTO）、国際こくさい空港くうこう評議ひょうぎ会かい（ACI）、国際こくさい航空こうくう運送うんそう協会きょうかい（IATA）、世界せかい旅行りょこうツーリズム協議きょうぎ会かい（英語えいご版ばん）（WTTC）の5つの国際こくさい団体だんたい[152]。

8月がつ26日にち、シエラレオネ東部とうぶにあるカイラフンのエボラ検査けんさ施設しせつでWHO職員しょくいんであるセネガル人じん疫学えきがく者しゃが感染かんせんしたことを受うけ、検査けんさ施設しせつを閉鎖へいさし職員しょくいんを待避たいひさせた。この段階だんかいで提携ていけい機関きかんからの応援おうえん職員しょくいんを含ふくめ、WHOの西にしアフリカ派遣はけん職員しょくいんは約やく400人にんである。

国連こくれん[編集へんしゅう]

2014年ねん8月がつ、国際こくさい連合れんごうの潘はん基はじめ文ぶん（パンギムン）事務じむ総長そうちょうは、デビッド・ナバロ博士はかせ[注ちゅう 9]を国連こくれんのエボラ問題もんだい上級じょうきゅう調整ちょうせい官かん（新設しんせつ）に任命にんめいした。

9月18日にち、国連こくれん安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かいは緊急きんきゅう会合かいごうを開ひらき、エボラ流行りゅうこうを「国際こくさい平和へいわと安全あんぜんに対たいする脅威きょうい」とする決議けつぎ案あんを採択さいたくし、特とくに被害ひがいの大おおきい西にしアフリカ3か国こくに特別とくべつチームを派遣はけんすると表明ひょうめいした[153]。

支援しえん体制たいせい[編集へんしゅう]

  • 3月31日にち、アメリカ疾病しっぺい予防よぼう管理かんりセンターは、ギニア保健ほけん省しょうとWHOのサポートとして、5名めいのチームを派遣はけん[22]。
  • 4月がつ、世界せかい保健ほけん機関きかん（WHO）がギニア首都しゅとコクナリに派遣はけんするため職員しょくいん70名めいの緊急きんきゅう訓練くんれんの実施じっしを表明ひょうめい[154]。
  • 4月がつ、飢餓きがに対たいする行動こうどう（英語えいご版ばん）がギニアの家庭かていや学校がっこうに消毒しょうどく薬やくや手洗てあらい場じょうの設置せっちに着手ちゃくしゅ[154]。
  • 4月がつ、国連こくれん児童じどう基金ききん（UNICEF）がエボラについて解説かいせつしたラジオ・テレビ番組ばんぐみへのリンクを携帯けいたい電話でんわに送信そうしんするサービスを開始かいし[154]。
  • 4月がつ、フランス赤十字せきじゅうじがギニア南東なんとう部ぶに対策たいさくチームを派遣はけんすると発表はっぴょう[154]。
  • 7月がつ2-3日にち、WHOアフリカ地域ちいき局きょくがガーナのコナクリに西にしアフリカ11か国こくの保健ほけん相しょうなどを呼よび、一致いっちして緊急きんきゅうに対策たいさくにあたることを確認かくにんした。一定いっていのめどがつくまでの期間きかんは数すう週間しゅうかんから数すうか月げつであるとした。
  • 7月がつ、国境こっきょうなき医師いし団だんはエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつ流行りゅうこう地域ちいきへの対策たいさく基金ききんとして約やく5,000万まん円えんを準備じゅんびすると発表はっぴょう、不足ふそく分ぶんである約やく4,000万まん円えんを募金ぼきんによって補おぎなうとしている。
  • 7月がつ31日にち、WHOは国境こっきょう地帯ちたいの監視かんし強化きょうかによる近隣きんりん諸国しょこくへの蔓延まんえん防止ぼうしを目的もくてきとして、1億おくドルの追加ついか支援しえん策さくを表明ひょうめいした[9]。

ウイルスの種類しゅるいと確定かくてい診断しんだん[編集へんしゅう]

患者かんじゃ20名めいから採取さいしゅしたサンプルの全長ぜんちょうゲノム配列はいれつと系統けいとう分類ぶんるいを行おこなった結果けっか、このウイルスはいわゆるエボラのザイール株かぶと97%一致いっちするものの[37]、系統けいとう群ぐんは異ことなると推測すいそくされている[23]。

なお、エボラの感染かんせんは、可能かのう性せいが高たかい順じゅんに「確定かくてい」、「疑うたがい」、「可能かのう性せい」に分類ぶんるいされ、PCR法ほうなどを使つかって確定かくてい診断しんだんが行おこなわれる。「疑うたがい」の患者かんじゃでも、PCR法ほうで陰性いんせいとなり退院たいいんした例れいもある[155]。

治療ちりょう法ほう[編集へんしゅう]

現在げんざいエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつに対たいする効果こうか的てきな治療ちりょう薬やく、ワクチンはともにない。

  • 2014年ねん8月がつ6日にち、中央ちゅうおうアフリカで感染かんせんが拡大かくだいしているエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつの医療いりょうチームで感染かんせんしたアメリカ人じん2人にんに対たいして投与とうよされた実験じっけん用ようの抗体こうたい治療ちりょう剤ざい「ZMapp」の効果こうかがあったことから、この未み承認しょうにん薬やくのエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつ患者かんじゃへの投与とうよ承認しょうにんを求もとめる申請しんせいがWHOになされた[156]。
  • 2014年ねん8月がつ7日にち、アメリカ国防総省こくぼうそうしょう当局とうきょく者しゃは富士ふじフイルムホールディングスの傘下さんか企業きぎょう富山化学工業とやまかがくこうぎょうが開発かいはつしたインフルエンザ治療ちりょう薬やく『ファビピラビル』を、富士ふじフイルムのアメリカでの提携ていけい相手あいてであるメディベクターがエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつ感染かんせん者しゃの治療ちりょうに使つかえるよう申請しんせいする意向いこうで、FDAと協議きょうぎしていると述のべた[157]。承認しょうにんされれば、エボラ出血熱えぼらしゅっけつねつの感染かんせん者しゃ治療ちりょうでアメリカ当局とうきょくが承認しょうにんする初はつの医薬品いやくひんの一ひとつとなる見通みとおし[158][159][160]。
  • 2014年ねん8月がつ7日にち、新薬しんやく「TKMエボラ」を開発かいはつしているカナダのテクミラ・ファーマシューティカルズ社しゃが、臨床りんしょう試験しけんを差さし止とめていたFDAの措置そちが変更へんこうされ、患者かんじゃへの部分ぶぶん的てきな利用りようが可能かのうになったと発表はっぴょう[160]。
  • 2014年ねん8月がつ12日にち、WHO専門せんもん家か委員いいん会かいは、西にしアフリカで感染かんせんが拡大かくだいするエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつをめぐり、開発かいはつ段階だんかいの治療ちりょう薬やくやワクチンを使用しようすることの是非ぜひについて議論ぎろんした結果けっか、使用しようは倫理りんり的てきとの認識にんしきで一致いっちした[161]。

経済けいざいへの影響えいきょう[編集へんしゅう]

  • 4月がつ4日にちの報道ほうどうによると、ギニアの首都しゅとコナクリのパームカマイエネホテルは稼働かどう率りつが3分ぶんの1になった。また、ある日ひのブリュッセル航空こうくうの利用りよう者しゃは、コナクリに来くる人ひと55名めいに対たいし、コナクリから出でる人ひと200名めいだった[162]。
  • 6月3日にちの報道ほうどうによると、イギリスの企業きぎょうロンドンマイニングは、シエラレオネに最低限さいていげんのスタッフのみを残のこし、それ以外いがいのスタッフを帰国きこくさせた[163]。
  • アルセロール・ミタルは、年産ねんさん500万まんトンの鉄鉱てっこう石せき生産せいさんを2015年ねん末まつまでに1,500万まんトンに高たかめる予定よていだったが、拡張かくちょう工事こうじを停止ていしした。
  • 雲南うんなん鋁業（アルミ）はギニアでのボーキサイト鉱山こうざんの生産せいさんの一部いちぶを停止ていし。
  • 総合そうごう商社しょうしゃ各社かくしゃとJX日鉱にっこう日石にっせきエネルギーが感染かんせん3か国こくへの出張しゅっちょうを停止ていしした。
  • 英えいBAはリベリアとシエラレオネへの運航うんこうを停止ていし、大韓航空だいかんこうくうは仁川にがわ・ナイロビ直行ちょっこう線せん（週しゅう3回かい）を停止ていしした。
  • 8月がつ25日にち、ボツワナ政府せいふは世界せかい有数ゆうすうの鉱山こうざん国こくであるコンゴからのすべての人ひとの入国にゅうこくを禁止きんしした。そのため、コンゴからの（ザンビア経由けいゆのトラックによる）銅どうとコバルトの輸出ゆしゅつが滞とどこおっている[164]。

スポーツへの影響えいきょう[編集へんしゅう]

2015年ねん1月がつ17日にち～2月がつ8日にちに、モロッコで開催かいさいされる予定よていのアフリカネイションズカップ2015について、エボラ出血熱えぼらしゅっけつねつ流行りゅうこうを理由りゆうとしてモロッコ政府せいふが大会たいかいの開催かいさい延期えんきを要請ようせいしていると伝つたえられた[165]。

これを受うけてアフリカサッカー連盟れんめいが2014年ねん10月がつ11日にちに「大会たいかいは予定よてい通どおり開催かいさいする」として、大会たいかい延期えんきを現時点げんじてんで考かんがえていないことを表明ひょうめいしたが[166]、2014年ねん11月にモロッコがエボラ出血熱えぼらしゅっけつねつ拡大かくだいを危惧きぐする観点かんてんから大会たいかい開催かいさいの延期えんきを希望きぼうしていることをアフリカサッカー連盟れんめいに申もうし出でており、アフリカサッカー連盟れんめいが大会たいかい開催かいさいに関かんして11月11日にちの連盟れんめい理事りじ会かいで重要じゅうような決定けっていを行おこなう方向ほうこうであると、BBCなどが報道ほうどうした[167][168][169]。

11月11日にちのアフリカサッカー連盟れんめいの会合かいごうで、2015年ねんアフリカネイションズカップ開催かいさい国こく問題もんだいが討議とうぎされ、『モロッコは大会たいかい開催かいさいを拒否きょひしたことにより、モロッコの大会たいかい開催かいさい権けんおよび出場しゅつじょう資格しかくを剥奪はくだつし、新あらたな開催かいさい国こくを選定せんていする』ことが決定けっていされ、連盟れんめいオフィシャルサイトで告知こくちされた[170][171]。

その後ご、11月14日にちにアフリカサッカー連盟れんめいは新あらたな開催かいさい国こくとして赤道せきどうギニアを選出せんしゅつしたことを発表はっぴょうした[172][173]。

患者かんじゃ数すうの推移すいい[編集へんしゅう]

アメリカ疾病しっぺい予防よぼう管理かんりセンターとWHOの情報じょうほうをまとめると、患者かんじゃ数すうの推移すいいは次つぎの通とおり[174][175]。6月18日にちの時点じてんでWHOは、「患者かんじゃ数すうの増加ぞうかは、エボラに対たいするチェック体制たいせいの高たかまりも意味いみしており、必かならずしも感染かんせんの急速きゅうそくな拡大かくだいを意味いみしない」と述のべた[176]。一方いっぽうで、シエラレオネでは検査けんさ体制たいせいが遅おくれており[注ちゅう 10]、実数じっすうが報告ほうこく数すうよりも上回うわまわっている可能かのう性せいがある[5]。また、リベリアで医療いりょう崩壊ほうかいが起おこるなどの諸しょ問題もんだいが発生はっせいしており[177]、8月がつ14日にちにWHOは把握はあくされている発生はっせい件数けんすうや死者ししゃ数すうが、実態じったいよりもかなりの過小かしょう評価ひょうかされたものである可能かのう性せいを指摘してきしている[178]。WHOは8月がつ22日にちに、エボラ出血熱えぼらしゅっけつねつがなぜ過小かしょう評価ひょうかされているかについての分析ぶんせき結果けっかを発表はっぴょうした[179]。WHOは8月がつ13日にち、追跡ついせき調査ちょうさについてギニア・ナイジェリア・シエラレオネの3か国こくでは94〜98%進すすみ、特とくにリベリアでは支援しえんが必要ひつようだとした[180][注ちゅう 11]。

  • 感染者数（赤）と死亡者数（黒）の変化
    感染かんせん者しゃ数すう（赤あか）と死亡しぼう者しゃ数すう（黒くろ）の変化へんか
  • 感染者数と死亡者数の変化（対数目盛）
    感染かんせん者しゃ数すうと死亡しぼう者しゃ数すうの変化へんか（対数たいすう目盛めもり）
  • 日毎の新しい感染者数と死亡者数の変化（WHOの発表毎に増分と日数から換算）
    日毎ひごとの新あたらしい感染かんせん者しゃ数すうと死亡しぼう者しゃ数すうの変化へんか（WHOの発表はっぴょう毎ごとに増分ぞうぶんと日数にっすうから換算かんさん）
  • 国別の感染者数の変化
    国くに別べつの感染かんせん者しゃ数すうの変化へんか
  • 国別の感染者数の変化（対数目盛）
    国くに別べつの感染かんせん者しゃ数すうの変化へんか（対数たいすう目盛めもり）
日付ひづけ 累計るいけい患者かんじゃ数すう 累計るいけい死者ししゃ数すう ギニア
（感染かんせん/死亡しぼう）		 リベリア
（感染かんせん/死亡しぼう）		 シエラレオネ
（感染かんせん/死亡しぼう）		 ナイジェリア
（感染かんせん/死亡しぼう）		 セネガル
（感染かんせん/死亡しぼう）		 アメリカ
（感染かんせん/死亡しぼう）		 マリ
（感染かんせん/死亡しぼう）		 スペイン
（感染かんせん/死亡しぼう）		 イギリス
（感染かんせん/死亡しぼう）		 イタリア
（感染かんせん/死亡しぼう）
2015年ねん6月がつ28日にち 27550 11235 3729/2482 10666/4806 13119/3932 20/8 1/0 4/1 8/6 1/0 4/1 1/0
2015年ねん5月がつ31日にち 27145 11147 3652/2429 10666/4806 12827/3912 20/8 1/0 4/1 8/6 1/0 1/0
2015年ねん4月がつ26日にち 26312 10899 3584/2377 10322/4608 12371/3899 20/8 1/0 4/1 8/6 1/0 1/0
2015年ねん3月がつ22日にち 24907 10326 3429/2263 9602/4301 11841/3747 20/8 1/0 4/1 8/6 1/0 1/0
2015年ねん2月がつ22日にち 23729 9604 3155/2091 9238/4037 11301/3461 20/8 1/0 4/1 8/6 1/0 1/0
2015年ねん1月がつ25日にち 22092 8810 2917/1910 8622/3686 10518/3199 20/8 1/0 4/1 8/6 1/0 1/0
2014年ねん12月31日にち 20206 7905 2707/1708 8018/3423 9446/2758 20/8 1/0 4/1 8/6 1/0 1/0
2014年ねん11月26日にち 15935 5689 2134/1260 7168/3016 6599/1398 20/8 1/0 4/1 8/6 1/0
2014年ねん10月がつ29日にち 13567 4951 1667/1018 6535/2413 5338/1510 20/8 1/0 4/1
2014年ねん10月がつ27日にち 13703 4922 1906/997 6535/2413 5235/1500 20/8 1/0 4/1
2014年ねん10月がつ23日にち 10141 4922 1553/926 4665/2705 3896/1281 20/8 1/0 4/1
2014年ねん10月がつ19日にち 9936 4877 1540/904 4665/2705 3706/1259 20/8 1/0 3/1
2014年ねん10月がつ17日にち 9693 4811 1501/886 4607/2689 3560/1227 20/8 1/0 3/1
2014年ねん10月がつ14日にち 9216 4555 1519/862 4262/2484 3410/1200 20/8 1/0 3/1
2014年ねん10月がつ12日にち 8997 4493 1472/843 4249/2458 3252/1183 20/8 1/0 2/1
2014年ねん10月がつ7日にち 8399 4033 1350/778 4076/2316 2950/930 20/8 1/0 1/1
2014年ねん10月がつ5日にち 8033 3865 1298/768 3924/2210 2789/879 20/8 1/0 1/0
2014年ねん10月がつ1日にち 7492 3439 1199/739 3834/2069 2437/623 20/8 1/0 1/0
2014年ねん9月がつ28日にち 7192 3286 1157/710 3696/1998 2317/570 20/8 1/0 1/0
2014年ねん9月がつ25日にち 6808 3159 1103/668 3564/1922 2120/561 20/8 1/0
2014年ねん9月がつ23日にち 6574 3043 1074/648 3458/1830 2021/557 20/8 1/0
2014年ねん9月がつ21日にち 6263 2900 1022/635 3280/1707 1940/550 20/8 1/0
2014年ねん9月がつ17日にち 5762 2746 965/623 3022/1578 1753/537 21/8 1/0
2014年ねん9月がつ14日にち 5339 2586 942/601 2720/1461 1655/516 21/8 1/0
2014年ねん9月がつ10日とおか 4846 2375 899/568 2415/1307 1509/493 22/7 3/0
2014年ねん9月がつ7日にち 4366 2177 861/557 2081/1137 1424/476 22/7 3/0
2014年ねん9月がつ3日にち 4001 2089 823/522 1863/1078 1292/452 22/7 1/0
2014年ねん8月がつ31日にち 3707 1808 771/494 1698/871 1216/436 21/7 1/0
2014年ねん8月がつ25日にち 3071 1552 648/430 1378/694 1026/422 19/6
2014年ねん8月がつ20日はつか 2615 1427 607/406 1082/624 910/392 16/5
2014年ねん8月がつ18日にち 2473 1350 579/396 972/576 907/374 15/4
2014年ねん8月がつ16日にち 2240 1229 543/394 834/466 848/365 15/4
2014年ねん8月がつ13日にち 2127 1145 519/380 786/413 810/348 12/4
2014年ねん8月がつ11日にち 1975 1069 510/377 670/355 783/334 12/3
2014年ねん8月がつ9日にち 1843 1013 506/373 599/323 730/315 13/2
2014年ねん8月がつ6日にち 1779 961 495/367 554/294 717/298 13/2
2014年ねん8月がつ4日にち 1711 932 495/363 516/282 691/286 9/1
2014年ねん8月がつ1日にち 1603 887 485/358 468/225 646/273 4/1
2014年ねん7月がつ27日にち 1323 729 460/339 329/156 533 /233 1/1
2014年ねん7月がつ20日はつか 1093 660 415/314 224/127 454/219
2014年ねん7月がつ17日にち 1048 632 410/310 196/116 442/206
2014年ねん7月がつ12日にち 964 603 406/304 172/105 386/194
2014年ねん7月がつ8日にち 888 539 409/309 142/88 337/142
2014年ねん7月がつ6日にち 844 518 408/307 131/84 305/127
2014年ねん7月がつ2日にち 779 481 412/305 115/75 252/101
2014年ねん6月がつ30日にち 759 467 413/303 107/65 239/99
2014年ねん6月がつ22日にち 567 350 390/267 41/25 136/58
2014年ねん6月がつ17日にち 528 337 398/264 33/24 97/49
2014年ねん6月がつ10日とおか 474 252 372/236 13/9 89/7
2014年ねん6月がつ5日にち 438 231 344/215 13/9 81/7
2014年ねん6月がつ2日にち 354 208 291/193 13/9 50/6
2014年ねん5月がつ27日にち 309 200 281/186 12/9 16/5
2014年ねん5月がつ23日にち 270 183 258/174 12/9
2014年ねん5月がつ14日にち 245 166 233/157 12/9
2014年ねん5月がつ5日にち 243 164 231/155 12/9
2014年ねん4月がつ30日にち 233 155 221/146 12/9
2014年ねん4月がつ23日にち 220 145 208/136 12/9
2014年ねん4月がつ21日にち 215 138 203/129 12/9
2014年ねん4月がつ17日にち 209 131 197/122 12/9
2014年ねん4月がつ10日とおか 169 110 157/101 12/9
2014年ねん4月がつ7日にち 163 102 151/95 12/7
2014年ねん4月がつ2日にち 135 88 127/83 8/5
2014年ねん4月がつ1日にち 130 82 122/80 8/2
2014年ねん3月がつ31日にち 114 70 112/70 2/0
2014年ねん3月がつ27日にち 103 66 103/66
2014年ねん3月がつ26日にち 86 60 86/60
2014年ねん3月がつ25日にち 86 59 86/59
2014年ねん3月がつ22日にち 49 29 49/29

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ エボラの感染かんせんは空気くうき感染かんせんではなく、皮膚ひふが直接ちょくせつ接触せっしょくすることが必要ひつようとされている。
  2. ^ 1回かい単独たんどくの感染かんせん者しゃが出でたことがある。
  3. ^ リベリアのモンロビア、ギニアのコナクリ、シエラレオネのフリータウン。
  4. ^ エボラに感染かんせんしているかもしれないと判明はんめいしていた患者かんじゃであり、搭乗とうじょう機きの航空こうくう会社かいしゃであるASKY航空こうくうは男性だんせいがエボラ疑うたがい例れいとして観察かんさつ下かにあり、搭乗とうじょう時じに具合ぐあいが悪わるかったことを知しらなかった。
  5. ^ ASKY航空こうくうを利用りようした。
  6. ^ ナイジェリア北部ほくぶ地域ちいきで感染かんせんが広ひろがったら、政府せいふなどの把握はあくが難むずかしいという意味いみで掲載けいさいしている。
  7. ^ このような第だい1類るい感染かんせん症しょうの対応たいおう手順てじゅんは法律ほうりつなどで決きまっているが、担当たんとう部ぶ署しょによっては定期ていき異動いどうなどのため責任せきにん者しゃや事務じむ担当たんとう者しゃが通常つうじょう専門せんもん家かではなく何なんらかの流行りゅうこうの経験けいけん者しゃでない場合ばあいもあるため、再さい確認かくにんを求もとめた。
  8. ^ 西にしアフリカ地域ちいき全体ぜんたいを代表だいひょうする航空こうくう会社かいしゃである。
  9. ^ 前まえはsenior UN System Coordinator for Avian and Human Influenza（国連こくれん食料しょくりょう安全あんぜん保障ほしょう危機ききハイレベル・タスクフォース調整ちょうせい官かん兼けん国連こくれんインフルエンザ対策たいさく上級じょうきゅう調整ちょうせい官かん）
  10. ^ 西にしアフリカ諸国しょこくはフランスのリヨンにあるパスツール研究所けんきゅうじょに検体けんたいを空輸くうゆすることで検査けんさを依頼いらいする状態じょうたいになっている。2014年ねん3月がつに西にしアフリカのセネガルのダカールに分室ぶんしつが、同おなじくギニアに移動いどう検査けんさ室しつが設置せっちされ状況じょうきょうが改善かいぜんされた。
  11. ^ MSF等とうの報告ほうこくによると、路上ろじょうに捨すてられた死体したい、誰だれも入はいらない家屋かおく、感染かんせんしたのに逃にげ出だした看護かんご師し等とうがいる。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

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参考さんこう資料しりょう[編集へんしゅう]

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