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CoRoT-7b

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
CoRoT-7b
CoRoT-7bの想像図
CoRoT-7bの想像そうぞう図ず
星座せいざ いっかくじゅう座ざ
分類ぶんるい 太陽系たいようけい外がい惑星わくせい
スーパーアース[1]
発見はっけん
発見はっけん日び 2009年ねん2月がつ3日にち
発見はっけん者しゃ Roumanら
発見はっけん場所ばしょ 極ごく軌道きどう
発見はっけん方法ほうほう トランジット法ほう
位置いち
元もと期き:J2000.0[2]
赤あか経けい (RA, αあるふぁ)  06h 43m 49.470s[2]
赤あか緯ぬき (Dec, δでるた) −01° 03′ 46.92″[2]
固有こゆう運動うんどう (μみゅー) 赤あか経けい: 12.9 ミリ秒びょう/年とし[2]
赤あか緯ぬき: -4.0 ミリ秒びょう/年とし[2]
距離きょり 501 ± 15 光年こうねん
（153.7 ± 4.5 パーセク[3]）
軌道きどう要素ようそと性質せいしつ
軌道きどうの種類しゅるい 周回しゅうかい軌道きどう
軌道きどう長ちょう半径はんけい (a) 0.017016+1.7×10−4
−3.6×10−5 au[3]
離はなれ心しん率りつ (e) 0.137+0.094
−0.053[3]
公転こうてん周期しゅうき (P) 0.85359159 ± 5.7×10−7 日ひ[3]
軌道きどう傾斜けいしゃ角かく (i) 80.78+0.51
−0.23°[3]
近きん点てん引数ひきすう (ωおめが) 81 ± 30°[3]
通過つうか時刻じこく 2454398.07756+0.00045
−0.00074[3]
準じゅん振幅しんぷく (K) 3.94 ± 0.57 m/s[3]
CoRoT-7の惑星わくせい
物理ぶつり的てき性質せいしつ
直径ちょっけい 20,218 km
半径はんけい 1.585 ± 0.064 R⊕[3]
表面積ひょうめんせき 1.281×109 km2
体積たいせき 4.313×1012 km3
質量しつりょう 5.74 ± 0.86 M⊕[3]
平均へいきん密度みつど 7.5 ± 1.4 g/cm3[3]
表面ひょうめん重力じゅうりょく 20.2 m/s2
脱出だっしゅつ速度そくど 19.8 km/s
表面ひょうめん温度おんど 1,756 ± 27 K[3]
1,300 - 1,800 K[4]
年齢ねんれい 13.2 ± 7.5 億おく年ねん[3]
他たのカタログでの名称めいしょう
CoRoT-Exo-7b
■Template （■ノート ■解説かいせつ） ■Project

CoRoT-7b（以前いぜんはCoRoT-Exo-7bと呼よばれていた[4][5]）は地球ちきゅうからいっかくじゅう座ざの方向ほうこうにさらに約やく501±15光年こうねん離はなれた位置いちにある恒星こうせいCoRoT-7を公転こうてんしている太陽系たいようけい外がい惑星わくせいである。CoRoT-7bはフランスが率ひきいる太陽系たいようけい外がい惑星わくせい探査たんさプロジェクトCOROTによって発見はっけんされ、2009年ねん2月がつに報告ほうこくされた[6]。半径はんけいが地球ちきゅうの1.585倍ばいしかなく、2011年ねん1月がつにケプラー10bが発見はっけんされるまでは最もっとも小ちいさな太陽系たいようけい外がい惑星わくせいであった[7]。CoRoT-7bはわずか20.4時じ間あいだという極きわめて短みじかい公転こうてん周期しゅうきを持もっている[8]。

発見はっけん

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CoRoT-7bが太陽たいように似にた恒星こうせい、CoRoT-7の前まえを横切よこぎる想像そうぞう図ず。

CoRoT-7bは地球ちきゅうからみて主しゅ星ほしのCoRoT-7の前まえを通過つうかしたときの周期しゅうき的てきな視み等級とうきゅうの減少げんしょうから発見はっけんされた。視し等級とうきゅうが減少げんしょうする割合わりあいから惑星わくせいの半径はんけいを求もとめることができる。2007年ねん10月がつ15日にちから2008年ねん3月がつ3日にちの間あいだ、探査たんさ機きCOROTはLRa01というフィールドにある恒星こうせいCoRoT-7を観測かんそくした。この期間きかん中ちゅう、COROTは1.3時じ間あいだ毎ごとにCoRoT-7の視み等級とうきゅうが3.4×10−4だけ暗くらくなる現象げんしょうを153回かい観測かんそくした。その40日にち後ごにAlarm mode pipeline algorithmがCoRoT-7から惑星わくせいによる弱よわい信号しんごうを観測かんそくし、通過つうかしている惑星わくせいの組成そせいを明あきらかにするための観測かんそくを行おこなった。

この発見はっけんは1年ねん後ごの2009年ねん2月がつ3日にちにパリで行おこなわれた「COROT Symposium 2009」で公表こうひょうされた[6]。 また、その論文ろんぶんはAstronomy and Astrophysicsなどにも掲載けいさいされた[9]。

質量しつりょう

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CoRoT-7bの発見はっけん後ご、HARPSなどの地上ちじょう望遠鏡ぼうえんきょうによる視線しせん速度そくどの調査ちょうさで、CoRoT-7bが存在そんざいすることがほぼ確実かくじつとなった[8]。CoRoT-7は恒星こうせい活動かつどうが激はげしいため、惑星わくせいの質量しつりょうの測定そくていを困難こんなんにさせている。

Quelozらによる、発見はっけんを公表こうひょうした論文ろんぶんではCoRoT-7bは地球ちきゅうの4.8倍ばいの質量しつりょうを持もち、密度みつどは5.6 ± 1.3 g/cm-3と地球ちきゅうに類似るいじしていると見積みつもられた[10]。また、この論文ろんぶんでは公転こうてん周期しゅうき3.7日にちの当時とうじ未確認みかくにんであったCoRoT-7cの影響えいきょうで、CoRoT-7bに潮汐ちょうせき力りょくが生しょうじて、火山かざん活動かつどうが活発かっぱつになっていて、CoRoT-7bがスーパーイオである可能かのう性せいについても言及げんきゅうされている。

その後ごのHatzesらによる論文ろんぶんではCoRoT-7bは地球ちきゅうの6.9倍ばいの質量しつりょうを持もつとされている[11]。

Boisseらの論文ろんぶんでは非常ひじょうに不ふ確実かくじつ性せいがあるが、質量しつりょうを地球ちきゅうの5.7倍ばいと見積みつもった[12] 。

後のちにCOROTのミッションチームは視線しせん速度そくどのデータを解析かいせきし、恒星こうせいによるノイズの影響えいきょうを最小限さいしょうげんにまで減へらした[13]。その結果けっか、CoRoT-7bの質量しつりょうは地球ちきゅうの7.42倍ばい、密度みつどは10.4 ± 1.8 g/cm-3とした。密度みつどは地球ちきゅうよりもはるかに高密度こうみつどとなり、ケプラー10bと同どう程度ていどとなった。

Ferraz-Melloらの研究けんきゅうチームはさらに、視線しせん速度そくどを観測かんそくする分光ぶんこう器きの精度せいどを上あげ、惑星わくせいの視線しせん速度そくどの振幅しんぷくを小型こがた化かさせることに成功せいこうした[14]。CoRoTのミッションチームの発表はっぴょうとほぼ同どうじ、地球ちきゅうの8倍ばいという質量しつりょうを見出みいだした。また、CoRoT-7bは地球ちきゅうよりも水星すいせいのように、核かくが大おおきい可能かのう性せいも指摘してきされた。

スピッツァー宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうによる観測かんそく

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存在そんざいが確認かくにんされたCoRoT-7bはスピッツァー宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょうでも観測かんそくされた。COROTが記録きろくしたノイズが多おおい視線しせん速度そくどのデータを非常ひじょうに高たかい精度せいどにして観測かんそくした[15]。COROTが観測かんそくしたのとは別べつの波長はちょうを使つかって観測かんそくを行おこない、惑星わくせいの存在そんざいを改あらためて確認かくにんした。

特徴とくちょう

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大おおきさの比較ひかく
地球ちきゅう CoRoT-7b
地球 Exoplanet

CoRoT-7bの質量しつりょうにはまだ不ふ確実かくじつ性せいがあるが、地球ちきゅうの2倍ばいから8倍ばいと推測すいそくされている。半径はんけいと公転こうてん周期しゅうきはCOROTの観測かんそくにより正確せいかくな値ねが算出さんしゅつされた。半径はんけいは地球ちきゅうの1.58倍ばいと地球ちきゅうにかなり近ちかい[16]。公転こうてん周期しゅうきはわずか20時じ間あいだ29分ふん9.7秒びょうしかなく、主しゅ星ほしからの距離きょりは太陽たいようから水星すいせいまでの距離きょりの23分ぶんの1しかない[17]。これは現在げんざい、見みつかっている地球ちきゅうサイズの太陽系たいようけい外がい惑星わくせいのなかでは最もっとも主しゅ星ほしに近ちかいことを表あらわす[18]。

CoRoT-7bは最高さいこうで表面ひょうめん温度おんどが1800から2600℃にもなる[19]。CoRoT-7bは地球ちきゅうのような岩石がんせきで構成こうせいされた岩石がんせき惑星わくせいであるとされているが、あまりの高温こうおんで表面ひょうめんは溶岩ようがんに覆おおわれていると考かんがえられている。しかし、CoRoT-7bは主しゅ星ほしとの強つよい潮汐ちょうせき力りょくにより、常つねに同おなじ面めんを主おも星ぼしに向むけているとされており、その場合ばあい、主しゅ星ほしを向むいている面めんと向むいていない面めんとでは組成そせいが劇的げきてきに違ちがう可能かのう性せいがある。主しゅ星ほしに向むいていない面めんでは、温度おんどが-200℃にもなり[1]、約やく40%の確かく率りつで、水蒸気すいじょうきという形かたちで水みずが存在そんざいしている可能かのう性せいがある[19]。理論りろん的てきに推測すいそくすると、CoRoT-7bは元々もともと、氷こおりを主成分しゅせいぶんとした海王星かいおうせいのような巨大きょだい氷ごおり惑星わくせいであったが、徐々じょじょに主しゅ星ほしに近ちかづいていくにつれて大気たいきが剥はぎ取とられ、中心ちゅうしん部ぶの核かくが露出ろしゅつしたクトニア惑星わくせいである可能かのう性せいがある[20][21][22]。しかし、他たの研究けんきゅう者しゃの中なかにはCoRoT-7bは巨大きょだい氷ごおり惑星わくせいの核かくが露出ろしゅつした惑星わくせいではないと異議いぎを唱となえる者ものもいる[23]。

潮汐ちょうせき力りょくの影響えいきょうで、CoRoT-7bの表面ひょうめんは木星もくせいの衛星えいせい、イオと類似るいじした火山かざん活動かつどうがおきているかもしれない [24]。

CoRoT-7bの極きわめて極端きょくたんな特徴とくちょうを詳細しょうさいにまとめた論文ろんぶんが発表はっぴょうされている[25]。その論文ろんぶんでは不ふ確実かくじつ性せいはあるものの、CoRoT-7bの組成そせいは地球ちきゅうと同どうじ、岩石がんせきだと結論けつろんづけた。主しゅ星ほしに向むいている面めんで最もっとも主しゅ星ほしに近ちかい部分ぶぶんでは主しゅ星ほしが白熱はくねつ電球でんきゅうのタングステン・フィラメントと同おなじくらい強烈きょうれつな熱ねつと光ひかりが降ふり注そそぎ、溶岩ようがんの海うみの影響えいきょうで大気たいきが作つくられてない可能かのう性せいがある。研究けんきゅう者しゃはこのことからCoRoT-7bを「Lava Ocean Planets(溶岩ようがんの海うみの惑星わくせい)」と呼よんでいる。

内部ないぶ構造こうぞう[26]

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CoRoT-7bの質量しつりょうには不ふ確実かくじつ性せいがあるので、内部ないぶの正確せいかくな構造こうぞうを求もとめることは難むずかしい。そのため、内部ないぶ構造こうぞうはこれまでの観測かんそくの結果けっかから推測すいそくするしかない。仮かりに質量しつりょうが地球ちきゅうの5倍ばいと仮定かていした場合ばあい、中心ちゅうしんの核かくは全体ぜんたいの15%（地球ちきゅうの0.7倍ばいの質量しつりょう）の大おおきさしかなく、マントルには対流たいりゅうが生しょうじなくなる。しかし、強つよい圧力あつりょくでマントルと核かくの境界きょうかい付近ふきんにわずかに対流たいりゅうが生しょうじる可能かのう性せいもある。しかし、どちらにせよマントルの対流たいりゅうはほぼ皆無かいむのため、磁場じばはほとんどないとされている[27]。

関連かんれん項目こうもく

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  • CoRoT-7c - 後のちに存在そんざいが確定かくていした、CoRoT-7bの外側そとがわを公転こうてんする惑星わくせい
  • COROT - CoRoT-7bを発見はっけんした太陽系たいようけい外がい惑星わくせい探査たんさ衛星えいせい
  • スピッツァー宇宙うちゅう望遠鏡ぼうえんきょう
  • HARPS
  • GJ 1214 b - CoRoT-7bと同おなじサイズの太陽系たいようけい外がい惑星わくせい
  • ケプラー10b - 後のちに発見はっけんされた、CoRoT-7bと組成そせいが似にている太陽系たいようけい外がい惑星わくせい

出典しゅってん

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b “最小さいしょう系けい外がい惑星わくせいは、地球ちきゅうに似にた岩石がんせき惑星わくせいか”. AstroArts (2009年ねん9月がつ28日にち). 2017年ねん7月がつ29日にち閲覧えつらん。
  2. ^ a b c d e “SIMBAD Astronomical Database”. Result for CoRoT-7. 2017年ねん7月がつ29日にち閲覧えつらん。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m S. C. C. Barros; et al. (30 July 2014). "Revisiting the transits of CoRoT-7b at a lower activity level". arXiv:1407.8099v1 [astro-ph.EP]。
  4. ^ a b “COROT discovers smallest exoplanet yet, with a surface to walk on”. European Space Agency (2009年ねん2月がつ3日にち). 2016年ねん2月がつ12日にち閲覧えつらん。
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  6. ^ a b Rouan, D. (3 February 2009). “CoRoT-exo-7b Has CoRoT discovered the first transiting Super-Earth around a main sequence star?”. Corot Symposium – Paris. 2009年ねん5月がつ13日にち閲覧えつらん。
  7. ^ “最小さいしょうの系けい外がい惑星わくせいを発見はっけん”. AstroArts (2009年ねん2月がつ4日にち). 2017年ねん7月がつ29日にち閲覧えつらん。
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  19. ^ a b Queloz, D. (2009). “The CoRoT-7 planetary system: two orbiting Super-Earths”. Astronomy and Astrophysics 506: 303. Bibcode: 2009A&A...506..303Q. doi:10.1051/0004-6361/200913096. http://www.aanda.org/articles/aa/pdf/forth/aa13096-09.pdf.  Also available from exoplanet.eu
  20. ^ Schaefer, L.; Fegley, B. (2009). “Chemistry of Silicate Atmospheres of Evaporating Super-Earths”. Astrophysical Journal Letters 703 (2): L113–L117. arXiv:0906.1204. Bibcode: 2009ApJ...703L.113S. doi:10.1088/0004-637X/703/2/L113. 
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  27. ^ Wagner, F. W.; Sohl, F.; Rückriemen, T.; Rauer, H. (2011). “Physical State of the Deep Interior of the CoRoT-7b Exoplanet”. Proceedings of the International Astronomical Union 276: 193. arXiv:1105.1271. Bibcode: 2011IAUS..276..193W. doi:10.1017/S1743921311020175. 

外部がいぶリンク

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座標ざひょう: 星図 06h 43m 49.0s, −01° 03′ 46.0″

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