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フランク・オーシャン

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
（Frank Oceanから転送てんそう）
フランク・オーシャン
Frank Ocean
2012年ねん
基本きほん情報じょうほう
出生しゅっしょう名めい Christopher Edwin Breaux
別名べつめい Christopher Breaux
Lonny Breaux
Christopher Francis Ocean
生誕せいたん (1987-10-28) 1987年ねん10月28日にち（36歳さい）
出身しゅっしん地ち アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく ルイジアナ州しゅうニューオーリンズ
ジャンル R&B、Pop
職業しょくぎょう シンガーソングライター、プロデューサー、ラッパー、写真しゃしん家か
活動かつどう期間きかん 2005年ねん – 現在げんざい
レーベル Warner Chappell Music、blonded、Def Jam、The Island、Odd Future Records
共同きょうどう作業さぎょう者しゃ OFWGKTA、Tyler, the Creator、Earl Sweatshirt、André 3000、Kanye West、Malaym、Om'Mas Keith、Jay-Z、James Blake
公式こうしきサイト blonded.co

クリストファー・エドウィン・ブロー (Christopher Edwin Breaux、1987年ねん10月28日にち - ), 専門せんもん的てきにはフランク・オーシャン (Frank Ocean) としてよく知しられている, は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくルイジアナ州しゅう出身しゅっしんのシンガーソングライター、音楽おんがくプロデューサー、写真しゃしん家か。ソングライターとして音楽家おんがくかのキャリアを始はじめ、2010年ねんからヒップホップコレクティブのOdd Futureに加入かにゅう。その後ごはソロシンガーとして活動かつどうしている。

2011年ねんのデビューミックステープ『Nostalgia, Ultra』で大おおきく評価ひょうかされ、2012年ねんのデビューアルバム『Channel Orange』と楽曲がっきょく「Thinkin Bout You」のヒットで世界せかい的てきに知しられるようになる。グラミー賞しょうでは主要しゅよう3部門ぶもんを含ふくむ6部門ぶもんにノミネート、アーバン・コンテンポラリー・アルバム賞しょうとラップ／サング・コラボレーションを受賞じゅしょうする[1]。2016年ねんにはビジュアルアルバム『Endless』と2作さく目めのスタジオアルバム『Blonde』を発表はっぴょう。『Blonde』はBillboard 200で1位いを記録きろく、批評ひひょう家かから絶賛ぜっさんされ音楽おんがくメディアのピッチフォーク・メディアは2010年代ねんだいのベストアルバム1位いに選えらんだ[2]。

音楽おんがく以外いがいの活動かつどうでは、フォトグラファーとしてメットガラの写真しゃしんをVogueに提供ていきょうした他ほか、イギリスのファッション誌しi-Dで2度ど表紙ひょうしとビジュアルエッセイを寄稿きこうしている[3]。

生おい立たち

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1987年ねん10月28日にち、クリストファー・エドウィン・ブローとして、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくカリフォルニア州しゅうロングビーチに生うまれる[4]。オーシャンが5歳さいの時ときに家族かぞくと共ともにルイジアナ州しゅうニューオリンズに移うつった[5]。

オーシャンの最初さいしょの音楽おんがく体験たいけんは母親ははおやがカーステレオで流ながしていたジャズや、セリーヌ・ディオン、アニタ・ベイカー、オペラ座ざの怪人かいじんのサウンドトラックだった。その後ご、ニューオリンズのジャズバーに頻繁ひんぱんに出入でいりするようになり、自分じぶんの演奏えんそうを録音ろくおんするようになる。オーシャンは録音ろくおん機材きざいを買かうために、洗車せんしゃや芝刈しばかり、犬いぬの散歩さんぽなどのバイトをした[6]。

2005年ねんにニューオーリンズのジョンエレット高校こうこうを卒業そつぎょう後ご、英語えいご学がくを学まなぶためにニューオーリンズ大学だいがくに入学にゅうがくする[7]。しかし、2005年ねん8月がつにハリケーンカトリーナがニューオーリンズを襲おそい、自宅じたくと録音ろくおん機材きざいを失うしない、ルイジアナ大学だいがくラファイエット校こうへの転校てんこうを余儀よぎなくされる[8]。オーシャンは少すこしの間あいだ在学ざいがくしていたが、まもなく中退ちゅうたいした[9]。

経歴けいれき

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2006年ねん - 2011年ねん : キャリア初期しょき、Odd Future、Nostalgia, Ultra

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LAのパーティーでのフランク・オーシャン（2011年ねん）

2006年ねん、フランク・オーシャンは音楽おんがくのキャリアを追求ついきゅうするためにロサンゼルスに移うつり、生計せいけいを立たてるためにファーストフード店みせやサービス業ぎょうの仕事しごとに就つく。3年ねんも経たたないうちにソングライターとしての地位ちいを確立かくりつし、レーベルとソングライティング契約けいやくを結むすぶことができた[10]。匿名とくめいで楽曲がっきょくを提供ていきょうしたアーティストは、ジャスティン・ビーバー、ジョン・レジェンド、ブランディなど多岐たきにわたる[11]。

2009年ねんにはロサンゼルスを拠点きょてんにするヒップホップコレクティブのOdd Futureと出会であい、翌よく2010年ねんに加入かにゅうした[12]。Odd Futureのメンバーであるタイラー・ザ・クリエイターとの交流こうりゅうは、オーシャンのソングライティングに深ふかく影響えいきょうを与あたえた[13]。

2009年ねん後半こうはん、オーシャンは音楽おんがくプロデューサーのトリッキー・スチュワートに出会であい、彼かれの助たすけを借かりてDef Jamと契約けいやくする[14]。しかしオーシャンはDef Jamに不満ふまんを抱いだき、自分じぶんのミックステープの制作せいさくを始はじめる[15]。

2011年ねん2月がつ16日にち、フランク・オーシャンはデビューミックステープ『Nostalgia, Ultra』（ノスタルジア、ウルトラ）を自主じしゅリリースした。このミックステープはオーシャンの対人たいじん関係かんけい、内省ないせい、社会しゃかい的てき主張しゅちょうに焦点しょうてんをあてた作品さくひんで、批評ひひょう家かから高たかく評価ひょうかされた[16]。Rolling Stone誌しはオーシャンの楽曲がっきょくを「天才てんさい的てきでスムージーのようなアヴァンギャルドR&B」と評ひょうした[17]。ミックステープの発表はっぴょう以降いこうDef Jamとの関係かんけいが改善かいぜんされ、Def JamからミックステープがEPとして公式こうしきにリリースされることになる。5月にはミックステープからシングル「Novacane」がリリースされた[18]。

Odd Futureでのパフォーマンス

4月がつ、オーシャンにとって初はじめてのライブパフォーマンスとなる、コーチェラ・フェスティバルのOdd Futureのライブに出演しゅつえんし、そのままOdd Futureの東海岸ひがしかいがんツアーに帯同たいどうした。6月にはオーシャンはタイラー・ザ・クリエイターのデビューアルバム『Goblin』に参加さんかし、フィーチャリングボーカルを務つとめたシングル「She」のミュージックビデオに登場とうじょうした[19]。

6月がつ、オーシャンはカニエ・ウェストとジェイZのコラボレーションアルバム『Watch the Throne』の制作せいさくに携たずさわり「No Church in the Wild」「Made in America」の2曲きょくにフィーチャリングゲストで参加さんかした[20]。

7月がつ28日にち、「Thinkin Bout You」というタイトルの楽曲がっきょくがインターネットに流出りゅうしゅつし話題わだいとなる[21]。後のちにこの歌うたがロックネイションのアーティスト、ブリジット・ケリーのデビューアルバム用ように作つくられたフランク・オーシャンによるデモトラックだと判明はんめいする。ブリジット・ケリーは曲名きょくめいを「Thinking About Forever」に変更へんこうし、彼女かのじょのEP『Every Girl』に収録しゅうろくした[22]。9月にはフランク・オーシャン・バージョンの「Thinkin Bout You」のミュージックビデオが公開こうかいされた[23]。

2012年ねん - 2014年ねん : Channel Orange

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Coachellaで歌唱かしょうするフランク・オーシャン（2012年ねん）

2012年ねん4月がつ10日とおか、フランク・オーシャンは、デビューアルバムのリードシングル「Thinkin Bout You」をリリースする[24]。7月がつ10日とおかにはデビューアルバム『Channel Orange』（チャンネル・オレンジ）をリリースした。アルバムはR&Bを挑戦ちょうせん的てきに進化しんかさせた作風さくふうで、ストーリーテリングとソーシャルコメンタリーで注目ちゅうもくされていた型破かたやぶりなソングライティングと、ヒップホップ、ソウル、R&B、ファンクやエレクトリックの濃密のうみつなサウンドが融合ゆうごうしていた[25]。

フランク・オーシャンはアルバムのリリース直前ちょくぜんに初恋はつこいの相手あいてが男おとこだったことを明あきらかにした。同性愛どうせいあい嫌悪けんおが強つよく残のこっていた当時とうじのヒップホップカルチャーの中なかでのカミングアウトは前代未聞ぜんだいみもんで、世界せかい的てきな話題わだいとなった[26]。片思かたおもいについての楽曲がっきょくは特とくに注目ちゅうもくを集あつめ、一部いちぶの批評ひひょう家かはその文化ぶんか的てき影響えいきょうをデヴィッド・ボウイが1972年ねんに両りょう性愛せいあい者しゃであると明あきらかにしたときと比較ひかくした[27]。英国えいこくのジャーナリストのAlexis Petridisは「おそらくこれはR&Bのジギー・スターダストであり、彼かれのセクシュアリティとこの作品さくひんの輝かがやきをめぐる論争ろんそうが宣伝せんでんとなり、もはや彼かれのキャリアを止とめられない勢いきおいにしている」と評ひょうした[28]。

アルバムは初はつ週しゅうにアメリカで131,000枚まいを販売はんばいし、Billboard 200で2位いを記録きろくする[29]。アルバムはアメリカレコード協会きょうかいからゴールドディスクに認定にんていされた。アルバムは批評ひひょう家かから大だい絶賛ぜっさんされ、音楽おんがくメディアが発表はっぴょうする年間ねんかんベストアルバムのランキングでは、Paste、Slant、Entertainment Weekly、Consequence of Sound、The Guardian、SPINが1位いに、Rolling Stone、Pitchfork、Stereogum、Complex、MOJO、BBCが2位いに、TIME、NME、Clashが3位いに選えらんだ[30]。第だい55回かいグラミー賞しょうでは主要しゅよう3部門ぶもんを含ふくむ6部門ぶもんにノミネートされ、アーバン・コンテンポラリー・アルバム賞しょうとラップ／サング・コラボレーション賞しょうを受賞じゅしょうする。また、ブリット・アワードでは国際こくさい男性だんせいソロアーティスト賞しょうを受賞じゅしょうした。

Lollapaloozaでのフランク・オーシャン（2012年ねん）

2012年ねん夏なつには小規模しょうきぼのアルバムツアーを行おこない、CoachellaとLollapaloozaに出演しゅつえんする[31]。テレビ番組ばんぐみにも出演しゅつえんし、レイト・ナイト・ウィズ・ジミー・ファロンでは「Bad Religion」、サタデー・ナイト・ライブでは「Thinkin Bout You」「Pyramids」を披露ひろうした。また、MTV Video Music Awardsの授賞じゅしょう式しきでは「Thinkin Bout You」を、第だい55回かいグラミー賞しょうの授賞じゅしょう式しきではヒロ・ムライによるステージプロダクションで「Forrest Gump」を披露ひろうした[32]。

2013年ねんはYou're Not Dead Tourを開催かいさいするが、小ちいさな声帯せいたい損傷そんしょうのためにいくつかのライブをキャンセルした[33]。この年としは、Bråvalla Festival、Martini Art Love、Rock Werchter、Wireless、T in the Park、Camp Flog Gnawなどのフェスティバルに出演しゅつえんした。

2014年ねんのライブは、5月にMet Galaでのスペシャルパフォーマンスと、6月がつにBonnarooとPembertonの2つのフェスに出演しゅつえんしたのみで、その後ごライブが行おこなわれなくなった。

2014年ねん - 現在げんざい : Endless、Blonde

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Wirelessフェスティバルでのフランク・オーシャン（2013年ねん）

2014年ねん3月がつ10日とおか、ミック・ジョーンズ、ポール・サイモン、ディプロとのコラボレーション楽曲がっきょく「Hero」がコンバースのOne Songシリーズの一環いっかんでリリースされる[34]。

4月がつにフランク・オーシャンはセカンドアルバムがほぼ完成かんせいしたと発表はっぴょうした。アルバムの制作せいさくは2013年ねん2月がつから始はじまり、タイラー・ザ・クリエイター、ファレル・ウィリアムス、デンジャー・マウスらが参加さんかし、ザ・ビーチ・ボーイズとビートルズの影響えいきょうを受うけていると明あきらかにしていた[35][36]。2014年ねん6月がつにビルボードは、Happy Perez、Charlie Gambetta、Kevin Ristro、Hit-Boy、Rodney Jerkins、Danger Mouseなどがアルバムに参加さんかしていると報ほうじた[37][38]。11月29日にちにオーシャンはTumblrで「Memrise」という呼よばれる楽曲がっきょくの一部いちぶを公開こうかいした。

2015年ねん4月がつ6日にち、オーシャンは7月がつに次つぎの作品さくひんを「2つのバージョン」と出版しゅっぱん物ぶつとしてリリースすると発表はっぴょうしたが、詳細しょうさいは明あかされなかった。アルバムは最終さいしゅう的てきに7月がつにリリースされず、その遅延ちえんについてのアナウンスも行おこなわれなかった。この出版しゅっぱん物ぶつは『Boys Don't Cry』と呼よばれており、アルバムは前述ぜんじゅつの「Memrise」をフィーチャーする予定よていだったと報ほうじられている[39][40][41]。

翌よく2016年ねん7月がつ、セカンドアルバムのリリース日びを示唆しさする画像がぞうがオフィシャルサイトで公開こうかいされる[42]。8月がつ1日にちにはブルックリンの倉庫そうこで撮影さつえいされたライブ配信はいしんが特設とくせつウェブサイト「boysdontcry.co」で始はじまった。配信はいしんで公開こうかいされたインストゥルメンタルは後日ごじつリリースされるビジュアルアルバム『Endless』のものであった[43]。同日どうじつ、多おおくの報道ほうどう機関きかんは8月がつ5日にちが『Boys Don't Cry』のリリース日びになると報ほうじた[44]。ニューアルバムに参加さんかしている音楽おんがくプロデューサーのMalayはredditで、オーシャンは完璧かんぺき主義しゅぎ者しゃで未いまだ作品さくひんを微ほろ調整ちょうせいしており、リリース日びは確定かくていしていないと述のべた[45]。

8月がつ18日にちの深夜しんや、突如とつじょApple Music限定げんていでビジュアルアルバム『Endless』（エンドレス）が発表はっぴょうされた[46]。『Endless』はオーシャンとレコードレーベルDef Jamの最後さいごのアルバムとなり、このリリースをもってDef Jamとの契約けいやくを満了まんりょうした。オーシャンはこのビジュアルアルバムの発売はつばい前まえにDef Jamとの交渉こうしょうを進すすめており、その過程かていで代理人だいりにんの多おおく（弁護士べんごしとマネージャーを含ふくむ）を替かえるだけでなく、Def Jamからマスターレコードをすべて買かい戻もどす必要ひつようがあった。オーシャンはレーベルとの交渉こうしょうを「7年間ねんかんのチェスゲーム」と説明せつめいしており、難航なんこうしたことがうかがえる[47]。

2日にち後ごの8月がつ20日はつか深夜しんや0時じ、突如とつじょ「Nikes」という曲きょくのミュージックビデオがApple Musicにアップロードされ、後のちにオーシャンのWebサイトにもアップロードされる。同日どうじつ、ロサンゼルス、ニューヨーク、シカゴ、ロンドンで雑誌ざっし『Boys Don't Cry』のポップアップストアがオープンし、2作さく目めのスタジオアルバム『Blonde』（ブロンド）が自主じしゅレーベルからリリースされた。『Blonde』は、米国べいこくや英国えいこくなどで初はつ登場とうじょう1位いを記録きろくし、アメリカでは最初さいしょの週しゅうに232,000枚まい（アルバム相当そうとうのユニットで275,000枚まい）の売上うりあげを記録きろくした。アルバムは後のちにアメリカレコード協会きょうかいからプラチナディスクに認定にんていされた。

blondeのヴァイナルカバー

アルバム『Blonde』は前作ぜんさくに比くらべて抽象ちゅうしょう的てきな雰囲気ふんいきのあるサウンドを特徴とくちょうとしており、多おおくの曲きょくにビートが無ないなど型破かたやぶりな音楽おんがくスタイルが採用さいようされていた。会話かいわ、奇妙きみょうなエフェクト、ギター、長ちょう尺しゃくのビートレスメロディーがサンプルカットされ、シュールな夢ゆめの風景ふうけいに迷まよい込こむような構成こうせいとなっている。音楽おんがくメディアThe ObserverのKate Mossmanはアルバムを「知的ちてきで、ノンマッチョな、境界きょうかいのないR&B」と紹介しょうかいした[48]。またThe Guardianはゆるいスケッチのような実験じっけん的てきなアルバムの構成こうせいについて、Radioheadの『Kid A』やBig Starの『Third』との類似るいじ性せいを指摘してきした[49]。

アルバム『Blonde』は批評ひひょう家かから前作ぜんさく以上いじょうに大だい絶賛ぜっさんを受うけ、2010年代ねんだいを代表だいひょうする作品さくひんとなった[50]。多おおくの音楽おんがくメディアが年間ねんかんベストアルバムの一ひとつに選えらんだ他ほか、2010年代ねんだいのベストアルバムのランキングでは、Pitchforkが1位いに、Noiseyが3位いに、Stereogumが5位いに選出せんしゅつした[51]。

この年としフランク・オーシャンは、アルバムのプロモーションは特とくに行おこなわず、プライベートで中国ちゅうごく、日本にっぽん、フランスなどに旅行りょこうするなどして過すごしていた。また、翌年よくねんのグラミー賞しょうの選考せんこう対象たいしょう作品さくひんとしてアルバムを立候補りっこうほしないことに決きめ、グラミーの姿勢しせいについて批判ひはんする声明せいめいを発表はっぴょうした[52]。オーシャンは「グラミー賞しょうが僕ぼくが生うまれてきたシーンにいる人々ひとびとを、代表だいひょうしているものとは、とても思おもえない。エントリーシステムも授賞じゅしょう式しきも、審査しんさも全部ぜんぶ時代遅じだいおくれだ。僕ぼくはコリン・キャパニックみたいにグラミーをボイコットした方ほうが、観客かんきゃくたちと一緒いっしょに座すわっているよりマシさ」と述のべている。[53]

Flow Festivalでのフランク・オーシャン（2017年ねん）

2017年ねん2月がつ、カルヴィン・ハリスの楽曲がっきょく「Slide」にフィーチャリングボーカルで参加さんかする[54]。このシングルはアメリカレコード協会きょうかいからダブルプラチナディスクに認定にんていされ、BIllboad Hot 100では最高さいこう9位いを記録きろくした。フランク・オーシャンはApple MusicのBeats 1 Radioで不定期ふていきの冠かんむり番組ばんぐみ『Blonded Radio』をスタートし、第だい一いち回かいの放送ほうそうで「Slide」が繰くり返かえしオンエアされた。その後ごのBlonded Radioでは放送ほうそうの度たびに新曲しんきょくを発表はっぴょうし「Chanel」「Biking」「Lens」「Biking (Solo)」「Provider」のシングルがリリースされた[55]。

2017年ねんは約やく3年ねんぶりにライブ活動かつどうに復帰ふっきし、夏なつにFYF Fest、Panorama NYCなど8つのフェスティバルを含ふくむ10公演こうえんを行おこなった。FYF Festのステージではライブカメラマンをスパイク・ジョーンズが務つとめ、ステージ演出えんしゅつの一ひとつとしてブラッド・ピットが登場とうじょうするなど、斬新ざんしんなステージセットが話題わだいになった[56]。しかしこの夏なつ以降いこう、再ふたたびライブ活動かつどうを行おこなわなくなってしまう。

2018年ねん2月がつ14日にち、オーシャンは1961年ねんの映画えいが『ティファニーで朝食ちょうしょくを』でオードリー・ヘプバーンが歌うたった主題歌しゅだいかのカバー「Moon River」をリリースする。 5月にはエイサップ・ロッキーのアルバム『Testing』に2曲きょくで参加さんか、8月がつにはトラヴィス・スコットのアルバム『Astroworld』に参加さんかした。

2019年ねん10月17日にち、オーシャンは自身じしんが主宰しゅさいするナイトパーティー「PrEP+」を開催かいさいし、いくつかの新曲しんきょくがDJプレイされた[57]。10月19日にち、オーシャンはBlonded Radioで新曲しんきょく「DHL」を公開こうかいする[58]。また「Dear April (Justice Remix)」「Cayendo (Sango Remix)」の2つの7インチシングルをウェブサイトで発売はつばいした。11月1日にちにはBlonded Radioで新曲しんきょく「In My Room」が公開こうかいされる。11月3日にちには7インチシングル「Little Demon (Arca Remix)」がウェブサイトで予よ約やく開始かいしされたが、翌年よくねん2月がつ25日にちに「Little Demon」は別べつの未み発表はっぴょう曲きょくに差さし替かえると発表はっぴょうされた[59]。

2020年ねん4月がつ、約やく3年ねんぶりのライブとなるCoachellaでのヘッドライナー公演こうえんが予定よていされていたが、新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで中止ちゅうしとなった[60]。

人物じんぶつ

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家族かぞく

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2020年ねん8月がつ2日にち、フランク・オーシャンの実みの弟おとうとであるライアン・ブロウ（Ryan Breaux）が車くるまの事故じこで亡なくなった[61]。わずか18歳さいだった。翌日よくじつ撮影さつえいされたニュース映像えいぞうには、愛車あいしゃのポルシェで駆かけ付つけたフランク・オーシャンと思おもわれる人物じんぶつが縁石えんせきに座すわり込こみ事故じこ現場げんばを見みつめている姿すがたが捉とらえられている[62]。

セクシュアリティ

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2012年ねん7月がつ4日にち、フランク・オーシャンは『Channel Orange』のライナーノーツを兼かねたオープンレターをTumblrに投稿とうこうし、初恋はつこいの相手あいてが男性だんせいだったと告白こくはく、自身じしんのセクシュアリティを公表こうひょうした[63]。ただし自身じしんがゲイかバイセクシャルかは明言めいげんしていない[64]。このことは同性愛どうせいあいに対たいして差別さべつ的てきな発言はつげんも多おおかった当時とうじのヒップホップカルチャーの中なかで大おおきな意義いぎのある出来事できごとであった。

オーシャンのカミングアウトは大おおきな話題わだいとなり、ビヨンセとジェイZをはじめ多おおくの有名人ゆうめいじんが支持しじを表明ひょうめいした[65]。タイラー・ザ・クリエイターらOdd Futureのメンバーはオーシャンへの支持しじをツイートし、ラッセル・シモンズは「今日きょうはヒップホップにとって重要じゅうような日ひです。私わたしたちが本当ほんとうに誰だれであるかを定義ていぎする日ひです。セクシュアリティを公表こうひょうするというあなたの決定けっていは、恐怖きょうふに生いきているとても多おおくの若者わかものに希望きぼうと光ひかりを与あたえるだろう。」と述のべた[66]。

2016年ねん6月がつ、49人にんが亡なくなったオーランドのゲイナイトクラブでの銃撃じゅうげき事件じけんを受うけて、オーシャンはエッセイを発表はっぴょうした[67]。彼かれは同性愛どうせいあい嫌悪けんおをはじめて経験けいけんしたのが6歳さいのときの実みの父親ちちおやからであったことを明あきらかにした[68]。2017年ねんにオーシャンの父親ちちおやは名誉めいよ毀損きそんで彼かれを訴うったえ1450万まんドルを要求ようきゅうしたが、オーシャンと両親りょうしんが出廷しゅっていした後のち、裁判さいばん長ちょうは証拠しょうこ不十分ふじゅうぶんで父親ちちおやの訴うったえを退しりぞけた[69][70]。

改名かいめい

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出生しゅっしょう時じの本名ほんみょうはChristopher Edwin Cookseyであったが、オーシャンは2011年ねんのインタビューで23歳さいの誕生たんじょう日びに本名ほんみょうをChristopher Francis Oceanに変更へんこうしようとしたと明あかした[71]。 この名前なまえは1960年ねんの映画えいが『オーシャンと十じゅう一いち人にんの仲間なかま』に影響えいきょうを受うけたものだと報ほうじられている[72]。2014年ねん3月、オーシャンは法的ほうてきに名前なまえをFrank Oceanに変更へんこうしていると述のべたが、同年どうねん11月がつにスピード違反いはんで捕つかまった際さいに変更へんこうの認可にんかが下おりていないことが判明はんめいした[73][74]。 2015年ねん4月がつ23日にちにようやく認可にんかされ、晴はれて法的ほうてきにフランク・オーシャンになることができた[75]。

オーシャンと日本にっぽん

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日本にっぽんのアニメ『ドラゴンボールZ』のファンであり、楽曲がっきょく『Pink Matter』では「この大おおきくて灰色はいいろの物質ぶっしつ/先生せんせいは訊きいた。『君きみの女性じょせいは何なに？』/『ただの子供こども用ようの入いれ物もの？』/ピンクのこと/綿めん飴あめみたいな魔ま人じんブウ」と歌うたっている[76]。楽曲がっきょく『Intro』、『Start』では、ゲーム『ストリートファイター』のbgm・効果こうか音おんがサンプリングされている[77]。

また、オーシャンの無料むりょう配布はいふマガジン『Boys Don't Cry』に「好すきな曲きょく50曲きょく」が発表はっぴょうされているが、その中なかで唯一ゆいいつの日本人にっぽんじん、冨田とみた勲いさおの『Claire De Lune（邦題ほうだい:月つきの光ひかり）』が挙あげられている[78]。その他たには、XXLマガジンがオーシャンの「好すきな映画えいが100本ほん」を掲載けいさいしており、黒澤くろさわ明あきらの『羅生門らしょうもん』、『七人しちにんの侍さむらい』、『蜘蛛くも巣す城じょう』、深作ふかさく欣二きんじの『バトル・ロワイアル』、北野きたの武たけしの『ソナチネ』などの日本にっぽん映画えいがが挙あげられている[79]。

ディスコグラフィ

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詳細しょうさいは英語えいご版ばん「en:Frank Ocean discography」を参照さんしょう

スタジオアルバム

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年とし タイトル アルバム詳細しょうさい チャート最高さいこう位い 認定にんてい
US
[80] 		AUS
[81] 		CAN
[82] 		DEN
[83] 		IRL
[84] 		NLD
[85] 		NOR
[86] 		NZ
[87] 		UK
[88]
2012 Channel Orange
  • 発売はつばい日び: 2012年ねん7月がつ10日とおか
  • レーベル: Def Jam
  • フォーマット: CD, digital download
 2 9 3 2 14 13 1 14 2
2016 Blonde
  • 発売はつばい日び: 2016年ねん8月がつ20日はつか
  • レーベル: Boys Don't Cry
  • フォーマット: CD, digital download, streaming
 1 1 2 1 2 2 1 1 1
  • US: プラチナ
  • UK: ゴールド
  • DEN: プラチナ

ミックステープ

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  • Nostalgia, Ultra (2011)

ビジュアルアルバム

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  • Endless (2016)

受賞じゅしょう歴れき

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詳細しょうさいは英語えいご版ばん「en:List of awards and nominations received by Frank Ocean」を参照さんしょう

出典しゅってん

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ “Grammys 2013: Complete list of nominees” (英語えいご). Los Angeles Times (2012年ねん12月6日にち). 2020年ねん3月がつ19日にち閲覧えつらん。
  2. ^ Pitchfork. “The 200 Best Albums of the 2010s” (英語えいご). Pitchfork. 2020年ねん3月がつ19日にち閲覧えつらん。
  3. ^ Team, Frank Ocean,i-D. (2017年ねん10月がつ23日にち). “exclusive: "it came to me in a dream" – frank ocean creates a visual essay and pens personal letter” (英語えいご). i-D. 2020年ねん3月がつ19日にち閲覧えつらん。
  4. ^ Wallace, Amy. “Frank Ocean: GQ's Men of the Year 2012 Interview” (英語えいご). GQ. 2020年ねん3月がつ19日にち閲覧えつらん。
  5. ^ (日本語にほんご) Frank Ocean: BBC News interview - BBC Sound of 2012, https://www.youtube.com/watch?v=hOVrXdCWIuU 2020年ねん3月がつ19日にち閲覧えつらん。 
  6. ^ “Frank Ocean | Biography & History” (英語えいご). AllMusic. 2020年ねん3月がつ19日にち閲覧えつらん。
  7. ^ Digital, D. J.. “Frank Ocean Attended UL Lafayette In The Fall of 2005, But Somehow No One Really Noticed” (英語えいご). HOT 107.9. 2020年ねん3月がつ19日にち閲覧えつらん。
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外部がいぶリンク

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