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上方 かみがた から入 はい ってきた光 ひかり の道筋 みちすじ が、散乱 さんらん によって見 み えている様子 ようす 。(米国 べいこく のアンテロープ・キャニオン にて)
光 ひかり ( ひかり ) は広義 こうぎ には電磁波 でんじは を意味 いみ し, 狭義 きょうぎ には電磁波 でんじは のうち可視 かし 光 こう (波長 はちょう が380 nmから760 nmのもの)をいう[ 1] 。狭義 きょうぎ の光 こう は非 ひ 電離 でんり 放射線 ほうしゃせん の一 ひと つ[ 2] 。
レーザー光 こう
直進 ちょくしん
反射 はんしゃ ・屈折 くっせつ
光 ひかり は異 こと なる媒質 ばいしつ の境界 きょうかい 面 めん で反射 はんしゃ あるいは屈折 くっせつ する[ 1] 。屈折 くっせつ 率 りつ も参照 さんしょう 。
凸凹 おうとつ の無 な い平面 へいめん 鏡 きょう に当 あ たった光 ひかり は、鏡 かがみ に当 あ たったときと同 おな じ角度 かくど で反射 はんしゃ する(エウクレイデスの「光 ひかり の反射 はんしゃ の法則 ほうそく 」)。
光 ひかり の屈折 くっせつ の際 さい は、スネルの法則 ほうそく が成立 せいりつ する。
透過 とうか ・吸収 きゅうしゅう [要 よう 曖昧 あいまい さ回避 かいひ ]
光 ひかり が透明 とうめい な媒質 ばいしつ の境界 きょうかい 面 めん に当 あ たったとき、その一部 いちぶ は境界 きょうかい 面 めん で反射 はんしゃ するが、残 のこ りは媒質 ばいしつ の内部 ないぶ を通過 つうか する現象 げんしょう を透過 とうか という[ 1] 。
光 ひかり が透明 とうめい な媒質 ばいしつ の内部 ないぶ を通過 つうか するとき、その内部 ないぶ へ吸収 きゅうしゅう 変換 へんかん される現象 げんしょう を吸収 きゅうしゅう という[ 1] 。
干渉 かんしょう ・回折 かいせつ
二 ふた つの光波 こうは (位相 いそう 差 さ が時間 じかん とともに変化 へんか しない同 どう 一 いち 周波数 しゅうはすう のコヒーレント な二 ふた つの光 ひかり )が重 かさ なり合 あ うことで光 ひかり が強 つよ くなったり弱 よわ くなったりする現象 げんしょう を干渉 かんしょう という[ 1] 。
光 ひかり が伝搬 でんぱん するときに障害 しょうがい 物 ぶつ の後方 こうほう に回 まわ り込 こ む現象 げんしょう を回折 かいせつ という[ 1] 。
自然 しぜん 光 こう と偏 へん 光 こう
光 ひかり は様々 さまざま な思想 しそう や宗教 しゅうきょう において、超越 ちょうえつ 的 てき 存在 そんざい 者 しゃ の属性 ぞくせい を示 しめ すものとされた。古 ふる くから宗教 しゅうきょう に光 ひかり は登場 とうじょう しており、より具体 ぐたい 的 てき には太陽 たいよう と結 むす びつけられることも多 おお かった。古代 こだい エジプト の神 かみ 、アメン ・ラー などはその一 いち 例 れい である(太陽 たいよう 神 しん も参照 さんしょう 可 か )。プラトン の有名 ゆうめい な「洞窟 どうくつ の比喩 ひゆ 」では、光 ひかり の源 みなもと である太陽 たいよう と最高 さいこう 原理 げんり 「善 ぜん のイデア 」とを結 むす びつけている。
新 しん プラトン主義 しゅぎ では、光 ひかり に強弱 きょうじゃく や濃淡 のうたん があることから、世界 せかい の多様 たよう 性 せい を説明 せつめい しようとしており、哲学 てつがく と神秘 しんぴ 主義 しゅぎ が融合 ゆうごう している。例 たと えばプロティノス は「一 いち 者 しゃ 」「叡智 えいち (ヌース )」「魂 たましい 」の3原理 げんり から世界 せかい を説明 せつめい し、「一 いち 者 しゃ 」は、それ自体 じたい 把握 はあく され得 え ないものであり光 ひかり そのもの、「叡智 えいち (ヌース)」は「一 いち 者 しゃ 」を映 うつ し出 だ しているものであり太陽 たいよう であり、「魂 たましい 」は「叡智 えいち 」を受 う けて輝 かがや くもので月 つき や星 ほし であるとし、光 ひかり の比喩 ひゆ で世界 せかい の説明 せつめい を論理 ろんり 化 か した。この新 しん プラトン主義 しゅぎ は魔術 まじゅつ 、ヘルメス主義 しゅぎ 、グノーシス主義 しゅぎ にまで影響 えいきょう を及 およ ぼした、とも言 い われている。
『新約 しんやく 聖書 せいしょ 』ではイエスにより「私 わたし は、世 よ にいる間 あいだ 、世 よ の光 ひかり である」(ヨハネ福音 ふくいん 書 しょ 9:5)と語 かた られる。またイエスは弟子 でし と群集 ぐんしゅう に対 たい して「あなたたちは世 よ の光 ひかり である」(地 ち の塩 しお 、世 よ の光 ひかり )と語 かた る。ディオニュシオス・アレオパギテース においては、父 ちち なる神 かみ が光源 こうげん であり、光 こう がイエス であり、イエスは天上 てんじょう 界 かい のイデア を明 あ かし、人々 ひとびと の魂 たましい を照 て らすのであり、光 ひかり による照明 しょうめい が人 ひと に認識 にんしき を与 あた えるのだとされた。この思想 しそう はキリスト教 きりすときょう 世界 せかい の思想 しそう に様々 さまざま な形 かたち で影響 えいきょう を与 あた えた。しばしば光 ひかり =正義 まさよし 、闇 やみ =悪 あく の二元 にげん 対立 たいりつ としてたとえて語 かた られた。
グノーシス主義 しゅぎ では光 ひかり と闇 やみ の二元 にげん 的 てき 対立 たいりつ によって世界 せかい を説明 せつめい した。
仏教 ぶっきょう では、光 ひかり は、仏 ふつ や菩薩 ぼさつ などの智慧 ちえ や慈悲 じひ を象徴 しょうちょう するものとされる。
「光 ひかり は粒子 りゅうし なのか? それとも波 なみ なのか?」 この問題 もんだい は20世紀 せいき 前半 ぜんはん まで、学者 がくしゃ たちを大 おお いに悩 なや ませた。なぜなら、光 ひかり が波 なみ であるとしなければ説明 せつめい できない現象 げんしょう (たとえば光 ひかり の干渉 かんしょう 、分光 ぶんこう など)と、光 ひかり が粒子 りゅうし であるとしなければ説明 せつめい できない現象 げんしょう (たとえば光 ひかり 電 でん 効果 こうか など)が存在 そんざい していたからである(詳細 しょうさい は後述 こうじゅつ )。
この問題 もんだい は、20世紀 せいき に量子力学 りょうしりきがく が確立 かくりつ していく中 なか でようやく解決 かいけつ することになった。不 ふ 確定 かくてい 性 せい 原理 げんり によって生 しょう じた問題 もんだい を説明 せつめい するため、1927年 ねん にニールス・ボーア が、一方 いっぽう を確定 かくてい すると他方 たほう が不 ふ 確定 かくてい になるような2つの量 りょう は、互 たが いに補 おぎな い合 あ いあうことにより対象 たいしょう の完全 かんぜん な記述 きじゅつ が得 え られるとする、相補 そうほ 性 せい という概念 がいねん を提唱 ていしょう したのである。この考 かんが え方 かた が受 う け入 い れられ、「光 ひかり は〈粒子 りゅうし 性 せい 〉と〈波動 はどう 性 せい 〉を併 あわ せ持 も つ」と表現 ひょうげん されるようになった。
ニュートン によって、光 ひかり は粒子 りゅうし だとする説 せつ が唱 とな えられた(粒子 りゅうし 説 せつ )。アインシュタイン は光子 こうし の概念 がいねん を提唱 ていしょう し、これは現在 げんざい まで用 もち いられている。
粒子 りゅうし (量子 りょうし )としての光 ひかり を光子 こうし (光量子 こうりょうし )という。光子 こうし は電磁場 でんじば の量子 りょうし 化 か によって現 あらわ れる量子 りょうし の1つで、電磁 でんじ 相互 そうご 作用 さよう を媒介 ばいかい する。
E
=
h
ν にゅー
{\displaystyle E=h\nu }
... 光 ひかり のエネルギーE は振動 しんどう 数 すう
ν にゅー
{\displaystyle \nu }
に比例 ひれい する(比例 ひれい 定数 ていすう h はプランク定数 ていすう )
p
=
h
λ らむだ
{\displaystyle p={\frac {h}{\lambda }}}
... 光 ひかり の運動 うんどう 量 りょう の大 おお きさp は波長 はちょう
λ らむだ
{\displaystyle \lambda }
に反比例 はんぴれい する
このため波長 はちょう の短 みじか いX線 せん などにおいて、光 ひかり の粒子 りゅうし 性 せい は特 とく に顕著 けんちょ となる。
光 ひかり は波動 はどう として振 ふ る舞 ま い反射 はんしゃ ・屈折 くっせつ ・回折 かいせつ などの現象 げんしょう を起 お こす。
ヤングの実験 じっけん (1805年 ねん )により光 ひかり の波動 はどう 説 せつ として証明 しょうめい され、その後 ご マクスウェル らにより光波 こうは は電磁波 でんじは であることが示 しめ された。厳密 げんみつ にはマクスウェルの方程式 ほうていしき で記述 きじゅつ されるベクトル 波 なみ であり偏 へん 光 こう を持 も つが、波動 はどう 光学 こうがく では簡略 かんりゃく 化 か のためにスカラー 波 なみ として扱 あつか うことが多 おお い。
波動 はどう としての光 ひかり を光波 こうは と呼 よ ぶ。
理論 りろん
応用 おうよう
機能 きのう
光 ひかり 物理 ぶつり 機能 きのう
光化学 こうかがく 機能 きのう
光波 こうは 機能 きのう