ひろば　川崎かわさき高津たかつ公法こうほう研究けんきゅう室しつ別室べっしつ

　いつもの日曜日にちようびの夜よるはNHKのＥテレですが、昨日きのう（2024年ねん４月がつ７日にち）の21時じからはNHKスペシャルを見みました。タイトルに示しめした「Last Days　坂本さかもと龍一りゅういち　最期さいごの日々ひび」です。

　妻つまと一緒いっしょに、一気いっきに見通みとおしたという感かんじです。

　坂本さかもと龍一りゅういちの日記にっきなどを基もとにして構成こうせいされており、ナレーション、坂本さかもと龍一りゅういちの肉声にくせい、生前せいぜんの画像がぞうを時とき系列けいれつに並ならべたようになっています。ニューヨークの自宅じたく、東京とうきょうの仮住かりずまい、往年おうねんの名な機きであるProphet-5、東北とうほくユースオーケストラ、2023年ねん１月がつに亡なくなった高橋たかはし幸宏ゆきひろ……。

　余計よけいなものが一切いっさい入はいっておらず、さすがNHKだと感かんじます。静しずかながら迫力はくりょくのある番組ばんぐみでした。こういう番組ばんぐみは、民放みんぽうでは作つくれないでしょう（余計よけいなものを足たすからです）。

2011年ねん３月がつ25日にちに歩あるいてから約やく13年ねんぶりに、東急とうきゅう砧きぬた線せん中耕地なかごうち駅えきの跡あとを歩あるきました。今回こんかいは、その時ときに撮影さつえいした写真しゃしんを掲載けいさいしておきます。

　実じつは、中耕地なかごうち駅えき跡あとについてはこのブログの「再さい掲載けいさい：東急とうきゅう大井おおい町まち線せん途中とちゅう下車げしゃ（１）二子ふたご玉川たまがわ駅えき（その４）」にて取とり上あげており、砧きぬた線せんの歴史れきしについても少すこしばかり記しるしました。今回こんかい、若干じゃっかんの事柄ことがらを追加ついかするつもりです。

　上うえの写真しゃしんに「砧きぬた線せん中耕地なかごうち駅えき跡あと」の石碑せきひが登場とうじょうしています。「人知ひとしれず、世田谷せたがや区く東玉川ひがしたまがわ２丁目ちょうめに」に登場とうじょうした「新しん奥沢おくさわ駅えき跡あと」の石碑せきひと同様どうようのもので、設置せっち者しゃが同おなじであることは容易よういに推察すいさつできます。手前てまえには隣となりの駅えきを示しめしたタイルが埋うめ込こまれていることがわかります。右みぎのほうに向むかうと二に子し玉川たまがわ駅えき（砧きぬた線せん廃止はいし時じは二に子し玉だま川園かわその駅えき）、左ひだりのほうに歩あるくと吉沢よしざわ駅えきです。二子ふたご玉川たまがわ駅えきは歩あるいて５分ふんくらいで到着とうちゃくすると思おもわれますが、吉沢よしざわ駅えき跡あとまでは歩あるいて10分ふん以上いじょうかかるでしょう。

　砧きぬた線せんの跡あとは「花はなみず木き通どおり（砧きぬた線せん跡あと）」と名付なづけられています。単線たんせんの路線ろせんであったためか、道幅みちはばは狭せまく、一方いっぽう通行つうこうでないのが不思議ふしぎなくらいです。ただ、歩道ほどうの幅はばは広ひろく取とられています。道みちの手前てまえは玉川たまがわ３丁目ちょうめ、奥おくは玉川たまがわ４丁目ちょうめです。ちなみに、砧きぬた線せんの代替だいたいバスである玉たま06系統けいとう（何故なぜか高津たかつ営業えいぎょう所しょの所管しょかん路線ろせん）は、この道路どうろのすぐ南みなみ、玉川たまがわ高島屋たかしまや本館ほんかんのすぐ北側きたがわの道路どうろを通とおります。

　歩道ほどうにはこのようなタイルも埋うめ込こまれています。当時とうじの中耕地なかごうち駅えきの様子ようすということでしょう。ただ、イメージによるのか、残のこされた写真しゃしんなどに忠実ちゅうじつであるのかはわかりません。車両しゃりょうはおそらくデハ60形かたちでしょう。砧きぬた線せんの晩年ばんねんにはこのデハ60形かたちのみが使用しようされていたそうです。私わたしは、小学生しょうがくせい時代じだいにこどもの国くにで静態せいたい保存ほぞんされていたデハ60形かたちを見みたことがあります。ただ、早はやくも荒廃こうはいしてしまい、解体かいたいされています。

　（なお、東急とうきゅうのホームページに「鉄てつ軌道きどう事業じぎょう　歴代れきだい車両しゃりょう」が紹介しょうかいされており、デハ60形がたの写真しゃしんも掲載けいさいされています。）

　石碑せきひの側面そくめんには設置せっち者しゃとして世田谷せたがや区くと「玉川たまがわ地ち団だん協きょう」の名なが彫ほられています。「玉川たまがわ地ち団だん協きょう」は「新しん奥沢おくさわ駅えき跡あと」の石碑せきひの設置せっち者しゃでもある玉川たまがわ地域ちいき活動かつどう団体だんたい連絡れんらく協議きょうぎ会かいのことです。ただ、いつ設置せっちされたのかについての説明せつめいは何なにもありません。

　ここで、東急とうきゅう砧きぬた線せんの歴史れきしについて「再さい掲載けいさい：東急とうきゅう大井おおい町まち線せん途中とちゅう下車げしゃ（１）二子ふたご玉川たまがわ駅えき（その４）」への補充ほじゅうをしておきましょう。

　砧きぬた線せんは、玉川たまがわ電気でんき鉄道てつどうにより、1924年ねんに開業かいぎょうします。玉川たまがわ線せんと同様どうように多摩川たまがわで採取さいしゅされた砂利じゃりを運搬うんぱんするために建設けんせつされた路線ろせんであり、当初とうしょは軌道きどうであったようです。1938年ねん、玉川たまがわ電気でんき鉄道てつどう（玉たま電でん）が東京とうきょう横浜よこはま電鉄でんてつに合併がっぺいされ、その数すう年ねん後ごには東京急行電鉄とうきょうきゅうこうでんてつの一いち路線ろせんとなります。1945年ねんに軌道きどうから鉄道てつどうに変更へんこうされましたが、実態じったいは軌道きどうのままであり、玉たま電でんの車両しゃりょうが使用しようされ続つづけました。廃止はいしされたのは1969年ねん５月がつのことで、玉川たまがわ線せんと同時どうじでした（世田谷線せたがやせんは残のこりました）。玉川たまがわ線せんの場合ばあいは首都高しゅとこう速そく３号線ごうせんおよび東急とうきゅう新玉川線しんたまがせん（現在げんざいの東急とうきゅう田園都市線でんえんとしせん渋谷しぶや〜二子ふたご玉川たまがわ間あいだ。なお、この区間くかんについても実じつは様々さまざまな経緯けいいがありました）の建設けんせつのために廃止はいしされたのですが、砧きぬた線せんについては詳細しょうさいがよくわかりません。全線ぜんせんが単線たんせんであって距離きょりも短みじかく、あまり需要じゅようがなかったのかもしれませんし、玉川たまがわ線せんの車両しゃりょうが使つかわれていたために車庫しゃこの関係かんけいがあって廃止はいしされたのかもしれません。

　少すこしばかり「花はなみず木き通どおり（砧きぬた線せん跡あと）」を歩あるきました。吉沢よしざわ橋きょう付近ふきんまで真まっ直すぐに伸のびています。桜さくら並木なみきも続つづきます。かつて、砧きぬた線せんの電車でんしゃはここを進すすんで吉沢よしざわ駅えきおよび砧きぬた本村ほんそん駅えきまで走はしっていました。私わたしは砧きぬた本村ほんそん駅えき跡あとを訪おとずれたことがあるのですが、吉沢よしざわ駅えき跡あとはありません。玉たま06系統けいとうのバスで通過つうかしただけです。吉沢よしざわ橋きょうの近ちかくに吉沢よしざわ駅えき跡あとがあるという話はなしを耳みみにしたので、機会きかいがあったら訪おとずれてみたいと考かんがえています。

　同おなじ「花はなみず木き通どおり（砧きぬた線せん跡あと）」ですが、方向ほうこうが逆ぎゃくになります。奥おくに進すすむと中耕地なかごうち駅えき跡あと、そして二に子し玉川たまがわ駅えきに向むかいます。砧きぬた線せんの電車でんしゃは、中耕地なかごうち駅えきを出でると、現在げんざいの新しん二に子し橋きょうの下したを通とおって国道こくどう246号ごう（二子ふたご玉川たまがわ駅前えきまえを通とおる道路どうろも国道こくどう指定していがなされています）を横切よこぎると右みぎに大おおきくカーブし、現在げんざいの玉川たまがわ高島屋たかしまや東館ひがしたて駐車ちゅうしゃ場じょうの裏うらを通とおって玉川たまがわ線せんに合流ごうりゅうしていたようです。そのカーブの痕跡こんせきは田園都市線でんえんとしせんの車窓しゃそうからでもわかります。