ひろば　研究けんきゅう室しつ別室べっしつ

　地方ちほう自治じち総合そうごう研究所けんきゅうじょが発行はっこうしている雑誌ざっし「自治じち総研そうけん」の485号ごう（2019年ねん３月がつ号ごう）に掲載けいさいされている「所有しょゆう者しゃ不明ふめい土地とちの利用りようの円滑えんかつ化か等とうに関かんする特別とくべつ措置そち法ほう（平成へいせい30年ねん6月がつ13日にち法律ほうりつ第だい49号ごう）」（地方ちほう自治じち関連かんれん立法りっぽう動向どうこう研究けんきゅう27）を書かいた者ものとして、この話題わだいを取とり上あげない訳わけにはいかないでしょう。そういうことで、今回こんかいは、共同通信社きょうどうつうしんしゃの2024年ねん７月がつ４日にち21時じ18分ふん付づけ記事きじ「国交こっこう省しょう、空あき地ち荒廃こうはい防止ぼうしへ新しん制度せいど　自治体じちたいに是正ぜせい勧告かんこく権けん」（https://nordot.app/1181569572272013565?c=39550187727945729 ）を取とり上あげます。

　この記事きじは短みじかいものなので、あまり詳くわしいことは書かかれていません。もっとも、それは今後こんごの動うごき次第しだいかもしれません。2025年ねん１月がつに召集しょうしゅうされるはずの通常つうじょう国会こっかいにおける法律ほうりつ案あんの提出ていしゅつを目指めざすということですし、既存きそんの空あき家や対策たいさく特別とくべつ措置そち法ほう（正式せいしき名称めいしょうは空家あきや等とう対策たいさくの推進すいしんに関かんする特別とくべつ措置そち法ほう）を参考さんこうにして検討けんとうを進すすめるとのことですから。

　これまで、政府せいふは空あき家やや所有しょゆう者しゃ不明ふめい土地とちについて法ほう整備せいびを進すすめてきました。とくに所有しょゆう者しゃ不明ふめい土地とちの場合ばあい、所有しょゆう者しゃ不明ふめい土地とち法ほう（正式せいしき名称めいしょうは所有しょゆう者しゃ不明ふめい土地とちの利用りようの円滑えんかつ化か等とうに関かんする特別とくべつ措置そち法ほう）の制定せいていおよび改正かいせい、民法みんぽう、不動産ふどうさん登記とうき法ほうなどの法律ほうりつの改正かいせいという形かたちで、複数ふくすう年度ねんどにわたる取とり組くみを進すすめています。ただ、空あき地ちとなると、空あき家やや所有しょゆう者しゃ不明ふめい土地とちと重かさなる部分ぶぶんがあるものの、別物べつものということにもなります。既すでに、国土こくど交通省こうつうしょうに置おかれている有識者ゆうしきしゃ会議かいぎは空あき地ちについての法ほう整備せいびを提言ていげんしますし、問題もんだいは深刻しんこくですので、法ほう整備せいびが全まったくなされないよりもなされるほうがよいということになります。、

　人口じんこうの減少げんしょうにより、個人こじんが所有しょゆうしている空あき地ち（所有しょゆう者しゃが明確めいかくになっているという点てんに注意ちゅういしてください）は、2008年ねんで延のべ632平方へいほうキロメートルであったのに対たいし、2018年度ねんどで延のべ1364平方へいほうキロメートルになったそうです（国土こくど交通省こうつうしょうによります）。実じつに２倍ばい超ちょうとなった訳わけです。しかも、今後こんごも増加ぞうかする可能かのう性せいが高たかいということです。そこで国土こくど交通省こうつうしょうが新あらたな制度せいどを検討けんとうするということになりました。上記じょうき記事きじによると「管理かんりが行いき届とどかず、ごみの不法ふほう投棄とうきなど周辺しゅうへん環境かんきょうに悪影響あくえいきょうを及およぼす恐おそれがある場合ばあい、自治体じちたいが所有しょゆう者しゃに是正ぜせいを勧告かんこく・命令めいれいできる権限けんげんを与あたえるのが柱はしら」であり、「有効ゆうこう活用かつようを促うながす仕組しくみも整ととのえる」とのことです。