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プラモデル - Wikipedia

プラモデル

しき模型もけいひと

プラモデルとは、しき模型もけい一種いっしゅ適度てきど分割ぶんかつして成形せいけいされたプラスチックせい部品ぶひんぐん(ランナー)と、説明せつめいしょなどをセットにしたキットのかたち販売はんばいされる。

プラモデルに塗装とそうをする少年しょうねん

名称めいしょう

編集へんしゅう

プラモデル」という用語ようごは、日本にっぽんはつしょうしてプラモデルを発売はつばいしたマルサン商店しょうてん考案こうあんした登録とうろく商標しょうひょうであるが、現在げんざいではより広義こうぎにメーカーをわずプラスチックモデルキット全般ぜんぱん意味いみする言葉ことばとして使つかわれている。プラモばれることもある[注釈ちゅうしゃく 1]英語えいごではプラスチック・モデル (Plastic Model) またはコンストラクションキット (Construction Kitおもイギリス英語えいご)などと呼称こしょうされる。

商標しょうひょうとしてのプラモデル

編集へんしゅう

プラモデルという商標しょうひょうは、「プラスチックせい模型もけいおもちゃおよびその組立くみたてキットそののおもちゃ、人形にんぎょう」(だい555762ごう、1960ねん9がつ登録とうろく)、「新聞しんぶん雑誌ざっし、その定期ていき刊行かんこうぶつ」(だい731152ごう、1967ねん1がつ登録とうろく)および「模型もけい」(だい1846016ごう、1986ねん2がつ登録とうろく)にかんして日本にっぽんプラモデル工業こうぎょう協同きょうどう組合くみあい権利けんり所有しょゆうし、組合くみあいいん自由じゆう使用しようできる。キヤノン株式会社かぶしきがいしゃべつのものを対象たいしょうプラモデルという商標しょうひょうっていた時期じきがある。

プラモデルという名称めいしょうは、マルサン1959ねん昭和しょうわ34ねん)に商標しょうひょう登録とうろくしたもので、のメーカーは「プラ模型もけい」「プラキット」などかたえるか、一般いっぱん名称めいしょうである「プラスチックモデル」をもちいる必要ひつようがあった[注釈ちゅうしゃく 2]。ただし、一般いっぱん消費しょうひしゃ小売こうりてんのレベルでは、マルサン商店しょうてん権利けんり所有しょゆうしていた時期じきから、プラモデルはプラスチックモデル全般ぜんぱんあらわ用語ようごとしてひろ使用しようされていた。

商標しょうひょうけん1968ねん昭和しょうわ43ねん)の倒産とうさんこう再建さいけんされたマルサンから1974ねん昭和しょうわ49ねん)に大手おおて問屋とんや三ツ星みつぼし商店しょうてん売却ばいきゃくされ、1975ねん昭和しょうわ50ねん日本にっぽんプラスチックモデル工業こうぎょう協同きょうどう組合くみあい移譲いじょうされた[注釈ちゅうしゃく 3]現在げんざいは、加盟かめいする各社かくしゃ自由じゆう使つかってかまわないことになっている[注釈ちゅうしゃく 4]。また、日本にっぽんプラモデル工業こうぎょう協同きょうどう組合くみあい組合くみあいいんであるわらわともしゃ[1]は、「日本にっぽんプラモデル工業こうぎょう協同きょうどう組合くみあい加盟かめい模型もけいメーカーは『プラモデル』という言葉ことば自社じしゃ製品せいひん紹介しょうかい使用しようできない」むね説明せつめいおこなっている[2]

日本にっぽんではプラスチックせいてキットのうち、一般いっぱんてき模型もけいてんあつかわれるものをプラモデルとし、ほぼ同様どうよう製品せいひんであってもそれ以外いがい玩具おもちゃ、(菓子かしのおまけとして)菓子かし鉄道てつどう模型もけいてんあつかわれるものは玩具おもちゃ食玩しょくがん鉄道てつどう模型もけいなどと区別くべつされることもおおい。一般いっぱんてき模型もけいてんあつかわれる狭義きょうぎのプラモデルとそれ以外いがいのプラモデルがた商品しょうひんは、あつかっている問屋とんやことなる場合ばあいおおく、流通りゅうつうじょう別個べっことしてあつかわれており、玩具おもちゃてん模型もけいてんべつなど小売こうりレベルでも一定いってい線引せんひきがなされているが、厳密げんみつではない。とくにキャラクターモデル・玩具おもちゃにおいては区別くべつ渾然こんぜんとしており、げんタカラトミーのゾイドやプラクションのように、てるたのしみをれたりコスト削減さくげんのために、プラモデルと同様どうようてキットの形態けいたいをとる玩具おもちゃ存在そんざいする。ぎゃく模型もけい区分くぶんであっても、ガンプラに代表だいひょうされる、顧客こきゃくへのハードルをげるためにスナップフィットや塗装とそう不要ふようなどの配慮はいりょがなされた商品しょうひんもある。またSDガンダムや上述じょうじゅつのゾイドなど、どうシリーズに玩具おもちゃ模型もけい混在こんざいするれいもあり、エンドユーザーレベルからは模型もけい玩具おもちゃなかあいだてき区分くぶんがはっきりしないものもすくなくない。[よう出典しゅってん]

製品せいひん構成こうせい

編集へんしゅう

基本きほんてきには、ランナーばれるわくつながった状態じょうたい部品ぶひん説明せつめいしょふくまれる[3]。そのにも接着せっちゃくざい、マーキングようデカールてるさい必要ひつようとなるもの(ネジめが必要ひつようなプラモデルには簡易かんいドライバーなど)が付属ふぞくする場合ばあいもある。これらが商品しょうひんのイラストや完成かんせい写真しゃしんとう印刷いんさつしたル紙るがみはこ箱詰はこづめされ、出荷しゅっかされている。小型こがたのものについてはブリスターパックやビニールぶくろれてられている場合ばあいもある。

説明せつめいしょ
インスト(インストラクション)ともばれる。手順てじゅん以外いがい塗装とそうする場合ばあいいろ指定してい塗装とそう模型もけいかんする情報じょうほうなどが併記へいきされていることもおおい。ソリッドモデルライトプレーン説明せつめいしょ図面ずめん中心ちゅうしん設計せっけいともばれていた名残なごりであるが、設計せっけい呼称こしょうされることもある。また小型こがたのプラモデルでは説明せつめいしょはこ裏面りめんとう印刷いんさつされている場合ばあいもある。
接着せっちゃくざい
 
付属ふぞく接着せっちゃくざい
近年きんねんでは組立くみたてに必要ひつよう場合ばあいでも付属ふぞくしないことがおおいが、1980年代ねんだいごろまではほとんどのキットに小型こがたのチューブや平行四辺形へいこうしへんけいのパックにはいったものが付属ふぞくしていた[注釈ちゅうしゃく 5]接着せっちゃくざい使用しようせずにてられる、スナップフィットキットとばれるプラモデルもえている。
デカール
ガンプラひとし初心者しょしんしゃけの製品せいひんではシールやドライデカール(インスタントレタリング)が付属ふぞくする場合ばあいもあるが、スライドマークともばれるみず転写てんしゃ(スライド)方式ほうしきのものが付属ふぞくすることがおおい。

プラモデルの分類ぶんるい

編集へんしゅう

動力どうりょく装置そうち有無うむによる分類ぶんるい

編集へんしゅう

動力どうりょく装置そうちけないことを前提ぜんていとするプラモデルをディスプレイキット(またはディスプレイモデル[3])という。完成かんせいひん展示てんじ(ディスプレイ)することを目的もくてきとすることからこうばれる。

てるさい付属ふぞくもしくは別売べつばい駆動くどう装置そうちけ、走行そうこう駆動くどうさせることを目的もくてきとしたプラモデルもある。電動でんどうモーターけ、乾電池かんでんちなどを動力どうりょくげんとして駆動くどうするものをモーターライズキットモーターライズモデル[3])という。またゼンマイ駆動くどうするプラモデルもある。

製法せいほうによる分類ぶんるい

編集へんしゅう
 
射出しゃしゅつ成形せいけいされたプラモデルのいちれい
 
バキュームフォームキットのいちれい
インジェクションキット(射出しゃしゅつ成形せいけいキット)
かねがたなかねつけたプラスチックをこうあつながんで成形せいけいされたキット。大量たいりょう生産せいさんき、パーツの精度せいどたかい。製造せいぞうには精密せいみつかねがたと、大掛おおがかりな射出しゃしゅつ成形せいけい設備せつび必要ひつようとなるためにイニシャルコストがたかいのが難点なんてん製法せいほうじょう、パーツにかねがたわせであるパーティングラインしょうじる欠点けってんもある。樹脂じゅしとおみちであるランナーがあるのが射出しゃしゅつ成形せいけいひん特徴とくちょうである。ランナーと部品ぶひんむすぶゲートはピンゲートにすることでちいさくなるが、樹脂じゅしとおみちちいさくなるため、生産せいさんせい犠牲ぎせいとなる。かねがた定期ていきてき整備せいびつづければ長持ながもちし、事実じじつ40ねん以上いじょう生産せいさんされつづけているキットもある。一般いっぱんてきなインジェクションキットのほか樹脂じゅしでんけい合金ごうきんによる簡易かんいきんがたによる「簡易かんいインジェクションキット」というものもあり、これはかた寿命じゅみょうみじかわりにコストをげることができるため、マニアけの少数しょうすう生産せいさんキット製造せいぞう手段しゅだんとしてもちいられることがおおい。通常つうじょうのインジェクションキットより部品ぶひん精度せいどおとものおおいが、MPMのような一部いちぶのチェコせい合金ごうきんがたのものは通常つうじょうのインジェクションキットにせま出来できものもある。
バキュームフォームキット(真空しんくう成形せいけいキット)
ねつでやわらかくしたシートじょうのプラスチックを、かたけて成形せいけいしたキット。通称つうしょう「モナカ」。単純たんじゅんける手法しゅほうをヒートプレスとび、プラスチックシートとかたあいだ空気くうきして密着みっちゃくさせる手法しゅほうをバキュームフォームとぶ。(れいたまご透明とうめいプラスチックケース)がたが1まいむのですくない設備せつび投資とうし成形せいけいできるが、大量たいりょう生産せいさんにはあまりかない。ゆうがた使つか場合ばあいゆうがた成形せいけい(ドレープフォーミング)、めすがた使つか場合ばあいめすがた成形せいけい(ストレートフォーミング)という。めすがた使用しようする場合ばあいには表面ひょうめん細部さいぶモールド再現さいげん可能かのうである。比較的ひかくてき流線型りゅうせんけい成形せいけいくこともあり、マイナーな航空機こうくうきがこのバキュームキットで販売はんばいされる傾向けいこうにあるほか、RCカーのポリカーボネートせいボディはほぼこの製法せいほうもちいる。成型せいけいひんはかなりにくあつうすくなるため補強ほきょう必要ひつようであるなど製作せいさく難易なんいたかい。また細部さいぶなど真空しんくう成形せいけい困難こんなん部品ぶひんはインジェクションやレジン、メタル、エッチングとうのパーツがわされる場合ばあいおおい。バキュームフォームキットはガレージキットとしてあつかわれることがおおいが、インジェクションキットのなか簡易かんいジオラマベースや帆船はんせん簡易かんいインジェクションキットのキャノピーパーツなどのかたち真空しんくう成形せいけいパーツがふくまれる場合ばあいもある。
押出おしだし成形せいけい
ねつけたプラスチックをダイとばれるノズルからトコロテンのようにして成形せいけいする。断面だんめんかたちおなじものを無限むげん成形せいけいできる。プラモデルのキットが押出おしだし成形せいけいされることはまずありえないが、各種かくしゅプラ素材そざいがこの成形せいけい方法ほうほうである。
3Dプリント
3Dプリンタ普及ふきゅうとともに、3Dプリンタ による出力しゅつりょくバキュームフォームかた簡易かんいインジェクションがた出力しゅつりょく、レジンキットの原型げんけいあるいは製品せいひんそのものをガレージキットひとし少量しょうりょう生産せいさんけに出力しゅつりょくする事例じれいられるようになってきている。背景はいけいには高性能こうせいのう3DCADてい価格かかく無料むりょう、3Dプリンタをはじめとする出力しゅつりょく環境かんきょう高性能こうせいのうてい価格かかくげられ、あらたな潮流ちょうりゅうとなりつつある。3Dデータをもとに3Dプリント出力しゅつりょくせんもん業者ぎょうしゃもある。
ブロー成形せいけい
ペットボトルポリタンク製造せいぞう同様どうよう溶融ようゆうした樹脂じゅし内圧ないあつくわえて加工かこうするブロー成形せいけい一部いちぶ製品せいひん導入どうにゅうされている。1/12スケールのガンダムのように細部さいぶ再現さいげんせい射出しゃしゅつ成形せいけいひんおとるものの、かねがた製造せいぞう費用ひようが1けたからものによっては2けたひくいので初期しょき投資とうし費用ひようがかからず、少量しょうりょう生産せいさんてきする。

対象たいしょう分野ぶんやによる分類ぶんるい

編集へんしゅう

実在じつざい飛行機ひこうき艦艇かんてい戦車せんしゃ自動車じどうしゃ建築けんちくぶつとう、もしくは実在じつざいするにはいたらなかった計画けいかく兵器へいきとうあつかった「スケールモデル」と、SFやアニメとうあつかった「架空かくうのもの」に大別たいべつされる。スケールモデルにはディフォルメされたものもふくめる場合ばあいがある。アニメ・ゲームとう登場とうじょうするくるま戦車せんしゃふねなどでは、スケールモデル(一部いちぶパーツ変更へんこうやキャラクターグッズが追加ついかされることもある)がキャラクターのパッケージで販売はんばいされている。

スケールモデル

編集へんしゅう

実物じつぶつ存在そんざいするもの、または設計せっけい企画きかくされたもの縮小しゅくしょうした模型もけいスケールモデル[3]。プラモデルが最初さいしょ普及ふきゅうしたえいべいでは、ヤード・ポンドほうもちいていたため縮尺しゅくしゃくは「1フィート(12インチ)をなんインチに縮小しゅくしょう」するかが基本きほんであり[3]たとえば1/4インチ(または1/4”)スケールといえば1フィートを1/4インチに縮小しゅくしょうすることで1/48スケールあらわす。したがって「国際こくさい標準ひょうじゅんスケール」には分母ぶんぼが12の倍数ばいすうのものがおおい。しかし、鉄道てつどう模型もけいのようにフィートをミリメートルに換算かんさんした縮尺しゅくしゃく(1フィートを4 mmとするもの=4 mmスケール(1/76))を採用さいようするものや、メーカーの都合つごうはこのサイズや、走行そうこうギミックのためのギアボックスや電池でんち内蔵ないぞう)のために決定けっていされ、積極せっきょくてきなシリーズ展開てんかいのために自然しぜんに「標準ひょうじゅん」になってしまったものもあり、後者こうしゃ代表だいひょうがタミヤの1/35である[3]。またバイクのスケールである1/9は、イタリアのプロターしゃからはじまったものである。1/50は航空機こうくうきソリッドモデルの標準ひょうじゅんスケールである。

  • 艦船かんせん 1/72、1/144、1/200、1/350、1/400、1/500、1/600、1/700、1/720、1/800、1/1000、1/1200 などのスケールがあり、もっと種類しゅるいおおいのは静岡しずおかのメーカーよんしゃ共同きょうどう展開てんかいしたウォーターラインシリーズ採用さいようされた1/700である。近年きんねんはハセガワの三笠みかさ皮切かわきりに1/350スケールしん製品せいひんのラッシュがつづいている。また日本にっぽん模型もけいの30センチシリーズは1/700〜1/1100程度ていど相当そうとうする。民間みんかんせんは(日本にっぽん国内こくないメーカーではとくに)すくない。帆船はんせんはスケールの統一とういつすくなく、レベルの1/96、エレールの1/100、1/150、イマイ(アオシマ)の1/350などでそれぞれ数種類すうしゅるいふねがそろえられる。一部いちぶメーカーの製品せいひんにはモーターと電池でんちにより水上みずかみ走行そうこう可能かのうなモーターライズキットが存在そんざいする。
  • 陸上りくじょう兵器へいき戦車せんしゃ大砲たいほう装甲車そうこうしゃ兵士へいしなど)1/15、1/16、1/24、1/25、1/30、1/32、1/35、1/48、1/50、1/72、1/76、1/87、1/144、1/350、1/700 などのスケールがある。現代げんだい主流しゅりゅうは1/35、1/48、1/72、1/144であり、そのなかでも、タミヤが採用さいよう日本にっぽん国内こくないメーカーが追従ついしょう以後いごイタレリエッシー、エレールなど日本にっぽん国外こくがいのメーカーもしたがった1/35が圧倒的あっとうてきなアイテムすうほこる。このためべいえいのメーカーが展開てんかいしていた1/32(メタルフィギュアの54 mmスケール)ミリタリーぶつ少数しょうすうになってしまった。
  • 航空機こうくうき固定こていつばさ回転かいてんつばさなど)1/24、1/32、1/35、1/48、1/50、1/72、1/100、1/144、1/200、1/350、1/700 などのスケールがあり、ディテールアップがたのしめる1/48、コレクションせいたかい1/72が主流しゅりゅうである。1/24や1/32といった大型おおがたキットは、中国ちゅうごくメーカーの参入さんにゅう契機けいき近年きんねん[いつ?]はキットすうえつつある。また一部いちぶのヘリコプターは、陸上りくじょう兵器へいき標準ひょうじゅんスケールにわせて1/35でモデルされている。コレクションモデルとして1/144や1/100スケールも人気にんきである。なお航空機こうくうきのプラモデルというと軍用ぐんようがメインとおもわれがちだが、民間みんかんとくに旅客機りょかくき豊富ほうふでデカールえなどで多数たすう航空こうくう会社かいしゃのカラーリングを再現さいげんしている。スペシャルマーキングなどの特別とくべつ塗装とそうほどこした機体きたいのキットも人気にんきである。
  • 宇宙うちゅう開発かいはつロケット宇宙船うちゅうせん探査たんさなど)スペースシャトルなどは航空機こうくうきちかいスケールだが、探査たんさから巨大きょだい宇宙うちゅうステーションまでふくむため、スケールに統一とういつせいし。
  • 自動車じどうしゃ 1/8、1/12、1/16、1/20、1/24、1/32、1/43などがあり、市販しはんしゃ高級こうきゅうしゃふくむ)、レーシングカーとも1/24が主流しゅりゅうであるが、フォーミュラカー近年きんねんは1/20が主流しゅりゅうである。日本にっぽんのトラックやバスなどは1/32スケールがおおい。1/43はミニカー主要しゅようスケールであり、ホワイトメタルやレジンキャストせいガレージキットおおい。一部いちぶ、ミリタリーモデルの派生はせいとして 1/35もえつつある。
  • オートバイ 1/6、1/8、1/9、1/12などがあり、レースよう市販しはんようとも1/12が主流しゅりゅうである。
  • 鉄道てつどう車両しゃりょう(ディスプレイキットもしくは、電池でんちとう動力どうりょくげん内蔵ないぞうしたモーターライズキットで、鉄道てつどう模型もけいへの流用りゅうよう考慮こうりょしていないもの)1/35、1/50、1/76、1/80、1/150などがある。日本にっぽんにおいても鉄道てつどう車両しゃりょうのプラモデルは、かつて鉄道てつどう模型もけい金属きんぞく製品せいひん主流しゅりゅうだった時代じだいいちジャンルをきずいたが、Nゲージを中心ちゅうしんとしたプラスチック製品せいひん発展はってんとともに、鉄道てつどう模型もけいかげかくれた存在そんざいになってしまい、1980年代ねんだい後半こうはん以降いこう2010年代ねんだいまでしん製品せいひんのほとんどない時期じきつづいた[注釈ちゅうしゃく 6]。その一方いっぽうで、一般いっぱんのプラモデルとは流通りゅうつう経路けいろ購入こうにゅうしゃそうことなる鉄道てつどう模型もけいなかには実質じっしつてきなプラモデルであるプラスチックせいてキットがあり、こちらは1970年代ねんだい後半こうはん以降いこう製品せいひん充実じゅうじつさせた。日本にっぽん以外いがいのメーカーでは、ミリタリーモデル一部いちぶとしてぐん使用しようされた機関きかんしゃ貨車かしゃなどのプラモデルが製品せいひんされている。
  • 鉄道てつどう模型もけいよう建築けんちくぶつ(ストラクチャー)1/22.5(G)、1/43.5(O)、1/76(OO)、1/87(HO)、1/120(TT)、1/148(イギリスのN)、1/150(日本にっぽんのN)、1/160(欧米おうべいのN)、1/220(Z)などがあり、おも鉄道てつどう模型もけいのスケールにわせているが、1/100前後ぜんこうとしてTTとHOの両方りょうほうで、1/200前後ぜんこうとしてNとZの両方りょうほう使つかえるようにしている製品せいひん存在そんざいする。これらは通常つうじょう鉄道てつどう模型もけいのアクセサリーとしてあつかわれるため一般いっぱんのプラモデルとは流通りゅうつう経路けいろことなっているが、ジオラマ製作せいさくなどに流用りゅうようされる場合ばあいおおい。
  • アクションフィギュアとそのアクセサリー(つくえ椅子いす、ぶらんこ、トイレなど)1/12スケール程度ていど
  • 建築けんちくぶつ姫路城ひめじじょう五重塔ごじゅうのとうなど)1/700、1/350、1/200がおおいがスケールに統一とういつせいし。
  • 甲冑かっちゅうかたな 1/3、1/4スケール。
  • 箱庭はこにわ農家のうかなどのモデルに、付属ふぞくたねえてそだてることができる)スケールに統一とういつせいし(どうシリーズの店舗てんぽなどは1/60、屋台やたいは1/25)。
  • 拳銃けんじゅうルガー・スーパーブラックホークコルト・パイソンなど)手榴弾しゅりゅうだん など 原則げんそくとして1/1。ギミックづけのキットも存在そんざいする。
  • 動物どうぶつ人体じんたい模型もけいアリイコアララッコエリマキトカゲタミヤの1/35恐竜きょうりゅうなど)実物じつぶつすうばい昆虫こんちゅうや、1/1の小鳥ことりから1/76程度ていど恐竜きょうりゅうまでスケールは様々さまざま日本にっぽん国外こくがいのメーカーに比較的ひかくてき製品せいひんおおい。
  • その楽器がっきドラムセットなど)、家電かでん扇風機せんぷうき、オーディオなど)扇風機せんぷうきはモーターを内蔵ないぞうし、実際じっさい扇風機せんぷうきとしての機能きのうたす。ある意味いみでは模型もけいではなく1/1の扇風機せんぷうきそのものであるとえる。オーディオは小型こがたスピーカーを内蔵ないぞうし、ヘッドホンステレオなどに接続せつぞくして実際じっさいらすことが可能かのう製品せいひん存在そんざいした。おおくは国内こくないメーカーの実在じつざい製品せいひんを1/3 - 1/10程度ていどにそのままスケールダウンさせたものである。

架空かくうのもの

編集へんしゅう

アニメーション特撮とくさつといった映像えいぞう作品さくひんや、漫画まんが小説しょうせつ家庭かていようゲームひとし登場とうじょうする架空かくう兵器へいき登場とうじょう人物じんぶつなどをあつかったもの[3]。そのおおくはSF設定せってい作品さくひんである。キャラクターモデルしょうされる場合ばあいおおい。通常つうじょう設定せってい資料しりょう寸法すんぽうから縮尺しゅくしゃく見合みあった寸法すんぽう設計せっけいされるが、初期しょきにはパッケージに収容しゅうよう可能かのう寸法すんぽうから縮尺しゅくしゃくはこスケールものもおお存在そんざいした。 バンダイのガンダムシリーズの成功せいこうから1/144、1/100などのものが主流しゅりゅうだが、スケールモデル同様どうよう縮尺しゅくしゃく多彩たさいである。いちれいげると1/20、1/35、1/60、1/72、1/220などがある。

過去かこには オバケのQ太郎たろうがんばれ!!ロボコンDr.スランプうるせいやつらなど、おおくのキャラクターのキットがあった。2000年代ねんだい以降いこうは、しきアクションフィギュアとべる商品しょうひんえている。
カーモデルや航空機こうくうきなどスケールキットと同様どうようのフォーマット、ディテールで設計せっけいされた商品しょうひんおおい。
  • ロボットぶつ(ガンダム、マクロス、ボトムズなど)
1980年代ねんだいくらいまでは合体がったい変形へんけいなどがセールスポイントであったが、ガンダム以降いこうひろ可動かどうによるアクションポージングや、内部ないぶ構造こうぞうディテールにもこだわったアイテムが登場とうじょうしている。
実写じっしゃ作品さくひんでは、撮影さつえい使つかわれたプロップにたいするスケールモデルとしての解釈かいしゃくもある。

プラモデルの誕生たんじょう普及ふきゅう

編集へんしゅう

世界せかい最初さいしょ発売はつばいされたプラモデルは、フロッグのブランドで動力どうりょくきの木製もくせい模型もけい飛行機ひこうき販売はんばいしていたイギリスのIMAしゃ (International Model Aircraft Ltd.) が、1936ねん発売はつばいしたフロッグ・ペンギンシリーズ[1]である。

当時とうじしん素材そざいであったプラスチックで模型もけいつく技術ぎじゅつは、イギリスぐん教育きょういく使用しようする航空機こうくうき軍用ぐんよう車両しゃりょうとう識別しきべつようモデルをプラスチックでつく技術ぎじゅつ応用おうようしたものである。 フロッグ・ペンギンシリーズは1/72統一とういつされた航空機こうくうきのキットで、だい世界せかい大戦たいせんにより中断ちゅうだんされるまでに英国えいこく中心ちゅうしんに30てんほどが発売はつばいされた。

だい世界せかい大戦たいせんちゅうにはアメリカ国内こくないでもプラスチックせい識別しきべつようモデルは多数たすう作成さくせいされ、大戦たいせん終結しゅうけつすると、ホーク、レンウォールとう複数ふくすうのメーカーがアメリカでもプラモデルの製造せいぞうはじめた。 1950年代ねんだいはいると、オーロラ、リンドバーグ、レベルモノグラムひとしのさらにおおくのアメリカのメーカーがプラモデルの生産せいさんはじめ、ヨーロッパでもイギリスのエアフィックスやフランスのエレールひとし活動かつどう開始かいしし、プラモデルは急速きゅうそく普及ふきゅうしていった。

フロッグやエアフィックスといったイギリスのメーカーの航空機こうくうきキットが最初さいしょから1/72で統一とういつされていたのにたいし、アメリカのメーカーの初期しょきのキットははこのサイズにわせたはこスケールのものがおおかったが、1950年代ねんだい後半こうはん以降いこうスケールの統一とういつうごきがすすみ、おおくのメーカーが1/72とともに1/48 (1/4インチスケール) を航空機こうくうき統一とういつスケールとして採用さいようし、むしろ1/48のほうをメインとした。 また、初期しょきのプラモデルメーカーのおおくが木製もくせい模型もけい飛行機ひこうきのメーカーであったこともあり、初期しょきのプラモデルは航空機こうくうき中心ちゅうしんであったが、1950年代ねんだいなか以降いこう艦船かんせん戦車せんしゃ自動車じどうしゃとうのモデルも徐々じょじょ増加ぞうかしていった。 そして1960年代ねんだいは、欧米おうべいおおくのメーカーがすうおおくの名作めいさくキットをす、プラモデルの黄金おうごん時代じだいとなる。

1990年代ねんだいから今世紀こんせいき以降いこうは、ドラゴンをはじめとしたひがしアジアけいと、チェコのエデュアルド、ウクライナのICMなどをはじめとする東欧とうおうけいのメーカーからおおくのしん製品せいひん発売はつばいされている。

日本にっぽんにおける歴史れきし

編集へんしゅう

日本にっぽんにプラモデルがわたってきたのはアメリカでプラモデルが普及ふきゅうはじめた1950年代ねんだいはじめで、おも在日ざいにちまいぐん関係かんけいしゃによってまれた[4]が、日本にっぽん木製もくせい模型もけいメーカーの注目ちゅうもくるにはいたらなかった。1956 - 57ねんになると少数しょうすうではあるが外国がいこくせいのプラモデルを輸入ゆにゅうして販売はんばいするみせあらわれ、玩具おもちゃメーカーのマルサン商店しょうてん模型もけいメーカーの日本にっぽん模型もけいなどがプラモデル国産こくさんへの模索もさく開始かいしした。1955ねんごろから海外かいがいメーカーのプラモデルの下請したう製造せいぞう開始かいししていた日本にっぽんプラスチックは1956ねん10がつごろ日本にっぽんはつのプラモデルの「ゼロせん」を発売はつばい、その1957ねんはるにはゴム動力どうりょくの「原子力げんしりょく潜水せんすいかんノーチラスごう」を発売はつばいした、また「こう樹脂じゅし」は1958ねん10がつごろ、「ダットサン1000」のプラモデルを発売はつばいした。その2ヶ月かげつ、マルサン商店しょうてんは「原子力げんしりょく潜水せんすいかんノーチラスごうとう4てんのキットを発売はつばいした。なお、同時どうじ発売はつばいした「ダットサン1000」のキットは「こう樹脂じゅし」の製品せいひんにマルサンのロゴマークのシールをったものである。

1950年代ねんだい後期こうきから1960年代ねんだいは、戦記せんき映画えいが人気にんき雑誌ざっし出版しゅっぱんぶつでのだい世界せかい大戦たいせん戦記せんき特集とくしゅう後押あとおしされた軍艦ぐんかん飛行機ひこうきなどの実物じつぶつ縮尺しゅくしゃく模型もけいおもだったが、1960年代ねんだい後半こうはん今井いまい科学かがくのイマイ)による「サンダーバード」シリーズのだいヒットによりキャラクターモデルという分野ぶんや確立かくりつ。そのスーパーカーブームでもプラモデルはブームの一端いったんになった。

1980年代ねんだい前半ぜんはんガンプラ(ガンダムのプラモデル)ブームでプラモデルはブームの主役しゅやくた。ガンプラのだいヒットをけてきたリアルロボットアニメブームでは、プラモデルは主力しゅりょく商品しょうひん位置付いちづけられて積極せっきょくてき製品せいひん開発かいはつおこなわれたが、ガンプラブームを再現さいげんするにはいたらなかった。一方いっぽう、1960 - 1970年代ねんだいのプラモデル市場いちばささえてきたスケールカーモデルも市場いちばから撤退てったいするメーカーもあった。また、改造かいぞうしゃブームが背景はいけいにあり、きゅうくるま中心ちゅうしんとしたぞくしゃのキットが発売はつばいされたものの、自動車じどうしゃをはじめとしたスケールモデルはまだ玩具おもちゃ領域りょういきからだっすることはできなかった。そんななか、1980年代ねんだい後半こうはんミニよんブームでプラモデルはふたた脚光きゃっこうびたが、そのあたらしい分野ぶんやでのプラモデルブームはきていない。

1990年代ねんだいすえごろから模型もけい業界ぎょうかいにもファクトリーオートメーション(FA)の導入どうにゅうすすみ、プラモデル製品せいひん開発かいはつ労力ろうりょくおおきく縮減しゅくげんされた。それまで設計せっけい原型げんけい試作しさくかねがた製作せいさくと、ときもどしもあるかく工程こうてい専門せんもん技術ぎじゅつしゃたより、多大ただい時間じかんとコストをようしていたものが、3DCADきゃどによりコンピュータじょう最初さいしょから立体りったいとして設計せっけいおこない、自動じどう制御せいぎょ3Dプリンタにより原型げんけい製品せいひんきんがた製作せいさくまでおこなえるシステムが確立かくりつしたことで大幅おおはば工程こうてい短縮たんしゅくした。また、スライドきんがた導入どうにゅう複雑ふくざつ形状けいじょう成形せいけい可能かのうにし、設計せっけい容易ようい部品ぶひん点数てんすう削減さくげん一役ひとやくった。それらの恩恵おんけいにより、コトブキヤウェーブのように資本しほんりょくちいさいガレージキットメーカーからプラモデル事業じぎょう新規しんき参入さんにゅうした会社かいしゃ牽引けんいんするかたちで、とくにキャラクターモデルの分野ぶんやではそれまで採算さいさんラインにたっしなかったマイナー作品さくひんからの商品しょうひん飛躍ひやくてき増加ぞうかした。

2000年代ねんだい以後いごは、経済けいざい産業さんぎょうしょう工業こうぎょう統計とうけいひょうによると「プラスチックモデルキット」全体ぜんたい出荷しゅっかがくは、1998ねんの199おくえんたいして2007ねんは113おくえん大幅おおはば減少げんしょうしている[5]。ガンプラは安定あんていしたげを記録きろくつづけるものの近年きんねん漸減ぜんげん傾向けいこうにあり、飛行機ひこうきやAFVなどスケールモデルは大幅おおはば衰退すいたい傾向けいこうにある。プラモデル市場いちば衰退すいたいについては、急激きゅうげきいきおいですす少子化しょうしか[6]と、縮小しゅくしょうする市場いちばのパイをめぐってのテレビゲームひとしほか玩具おもちゃとの競争きょうそう[6]製品せいひんめんではマニアックな商品しょうひんえて初心者しょしんしゃ近寄ちかよがたくなったてん[注釈ちゅうしゃく 7]部品ぶひん点数てんすう増加ぞうかなどからモデルのてに高度こうど要求ようきゅうする傾向けいこう目立めだつこと[注釈ちゅうしゃく 8]などが要因よういんとしてあげられている。またこう品質ひんしつてい価格かかくすす食玩しょくがんなどの塗装とそう完成かんせいひん模型もけい[6]や、1990年代ねんだいまつから市場いちば活性かっせいしたミニチュアカー[注釈ちゅうしゃく 9]がプラモデル市場いちば圧迫あっぱくしているとの指摘してきもある。ミニチュアカーや食玩しょくがんとう完成かんせいひん市場いちばにはきょうしょう青島文化教材社あおしまぶんかきょうざいしゃなどの模型もけい専門せんもんメーカーも参入さんにゅうしているほか、タミヤかんしても完成かんせいひんミニカーやミニよん、ダンガンレーサー、RCカーとう完成かんせいひん販売はんばいすることがある。

2006ねんころからプラモデル市場いちば縮小しゅくしょう影響えいきょう原油げんゆ価格かかく高騰こうとうのため、プラモデルや塗料とりょうなどが値上ねあげされる傾向けいこうにある。老舗しにせメーカーでは上記じょうき製品せいひん開発かいはつシステムの刷新さっしんがうまくいかなかったり、製造せいぞう部門ぶもんにおいても射出しゃしゅつ成型せいけい品種ひんしゅ少量しょうりょう生産せいさんむけのしょう容量ようりょうがた移行いこうすすんだことにより、きゅう製品せいひんかねがた使用しようできなくなり不良ふりょう資産しさんするおそれがてきており、老朽ろうきゅうによるメンテナンスコストの上昇じょうしょうおもくのしかかるひとし業界ぎょうかいがりかどかっている。

2000年代ねんだい後半こうはんからは、カーモデルにキャラクターデカールをセットした「やめしゃ」や、「ガールズ&パンツァー」に登場とうじょうする戦車せんしゃ、「艦隊かんたいこれくしょん -かんこれ-」や「あおはがねのアルペジオ」の艦船かんせんキット(ウォーターラインシリーズベース)など、キャラクターとコラボレーションしたスケールキットがブームとなった。また、1980年代ねんだいから1990年代ねんだいフォーミュラ1ロードレースバイクのキットが新規しんき開発かいはつされるなど、当時とうじ製品せいひんされなかった車種しゃしゅ補完ほかんするような展開てんかいられる。先述せんじゅつしたてのむずかしさをらすために、塗装とそうみや部品ぶひん点数てんすうえてらしたキットも登場とうじょうするようになった。

2015ねんには、コトブキヤが展開てんかいしているフレームアームズもと擬人ぎじんした可動かどうがたプラモデルシリーズ「フレームアームズ・ガール」が発売はつばいされブームとなり、これをはしに「美少女びしょうじょプラモデル」が日本にっぽんおよびアジアけんかくメーカーで積極せっきょくてき制作せいさくされるようになった。

近年きんねん模型もけい雑誌ざっしでは通常つうじょうのプラモデルを「インジェクションキット」とんで完成かんせいひんやガレージキットと区別くべつすることもある。

静岡しずおかとプラモデル

編集へんしゅう

静岡しずおかけん静岡しずおか中心ちゅうしんとする地域ちいきはプラモデルやラジコンを代表だいひょう玩具おもちゃ産業さんぎょうさかんで、タミヤ静岡しずおか駿河するが)やバンダイ静岡しずおかあおい)、アオシマ静岡しずおかあおい)、ハセガワ焼津やいづ)など大手おおて玩具おもちゃ模型もけいメーカーが本社ほんしゃ工場こうじょう静岡しずおか県内けんないにおいている[8]とくにプラモデルにかんしては全国ぜんこく売上うりあげシェアやく90%である(2010ねん統計とうけいで92%[9])。

駿河するがこく現在げんざい静岡しずおかけん一部いちぶ)には徳川とくがわゆかりの富士山ふじさん本宮ほんぐう浅間あさま大社たいしゃ富士宮ふじのみや)と、静岡しずおか浅間あさま神社じんじゃ静岡しずおか)などの浅間あさま神社じんじゃ多数たすう所在しょざいし、とき将軍しょうぐん指示しじにより、寛永かんえい年間ねんかん文化ぶんか年間ねんかんにわたり静岡しずおか浅間あさま神社じんじゃだい造営ぞうえいおこなった[4]。そのさい全国ぜんこくから様々さまざま職人しょくにんたち駿府すんぷ現在げんざい静岡しずおか付近ふきん)へあつめられたが、造営ぞうえい長期ちょうきわたったため造営ぞうえい終了しゅうりょう職人しょくにんたちおおくがそのまま駿府すんぷ定住ていじゅうし、その木工もっこう技術ぎじゅつ活用かつようして家具かぐやひな人形にんぎょう仏壇ぶつだん蒔絵まきえなどの生産せいさんはじめた[4]

その木工もっこう技法ぎほう代々だいだいがれ、1932ねん昭和しょうわ7ねん)に、アオシマの創業そうぎょうしゃである青島あおしま次郎じろうが、伝統でんとう技法ぎほう利用りようして木製もくせい動力どうりょく模型もけい飛行機ひこうき製造せいぞう販売はんばいしたことを契機けいきに、県内けんないおおくの木製もくせい模型もけいメーカーが誕生たんじょうした[4]。そのだい世界せかい大戦たいせんなかは、原料げんりょう不足ふそくからけん木工もっこう産業さんぎょう生産せいさん不能ふのうおちいるなか、静岡しずおかけんくにから『重要じゅうよう木工もっこうけん』という指定していけていたことで、おも学校がっこう教材きょうざいようとして木製もくせい模型もけい生産せいさんつづけられた。

戦後せんご1950ねん昭和しょうわ25ねん以降いこう欧米おうべいのプラモデルが輸入ゆにゅうされはじめても静岡しずおか模型もけいメーカーの反応はんのうにぶかったが、国産こくさんプラモデルが発売はつばいされプラモデルの人気にんき上昇じょうしょうすると、静岡しずおかかくメーカーも1960ねん以降いこうプラモデルの生産せいさん順次じゅんじ参入さんにゅうし、木製もくせい模型もけいからプラモデルへの転換てんかん急速きゅうそくすすんだ。1970年代ねんだい静岡しずおか4しゃ共同きょうどう企画きかくにより実現じつげんしたウォーターラインシリーズや、その1980だいには社会しゃかい現象げんしょうにもなったガンプラブーム、ミニよんブームいずれも、静岡しずおか企業きぎょうからの発信はっしん生産せいさん出荷しゅっか)であり、現在げんざいの「静岡しずおか=プラモデル」の構図こうずつこととなった。

2010ねん7がつ24にちから2011ねん3月27にちまでの期間きかん、「模型もけい世界せかい首都しゅと 静岡しずおかホビーフェア」を静岡しずおか開催かいさいし、実物じつぶつだいガンダム展示てんじするなど、模型もけい(プラモデル)のまち静岡しずおか全国ぜんこくにPRした。入場にゅうじょうしゃすうは160まん7485にんだった。この人気にんきけて、2011ねん6がつには日本にっぽんはつ模型もけい専門せんもん博物館はくぶつかんである静岡しずおかホビースクエア開館かいかんした。

模型もけい製作せいさくもちいる工具こうぐ材料ざいりょう

編集へんしゅう
 
タミヤせいニッパー

模型もけい製作せいさくにはさまざまな工具こうぐもちいる。もちろん、すべてを利用りようしなくても製作せいさく可能かのうであるが、基本きほんちゅう基本きほんとしてプラモデルようのニッパーとカッターはあるほうのぞましい。なおニッパーなどの切断せつだん工具こうぐぼうさび保護ほごようのメンテナンスキットもある。

ニッパー
ランナーから部品ぶひんはなすのにもちいる。ゲートと部品ぶひんあいだせまくキットなどもあり、通常つうじょうのニッパーでは部品ぶひん直接ちょくせつきずがつくのをけるためにうすいプラモデルようのニッパーがのぞましい。模型もけいよううす製品せいひんつよにぎるといたむので丁寧ていねいあつかうとい。真鍮しんちゅうせんエッチングパーツなど金属きんぞく切断せつだんする場合ばあいこぼれをふせぐため、金属きんぞくようのニッパーをもちいる。また、一部いちぶガンプラは、ニッパーを使用しようしなくても簡単かんたんにランナーから部品ぶひんはなせるものがある。
カッター(Pカッター[注釈ちゅうしゃく 10]、デザインナイフ、けがきはりひとしふくむ)
おもにニッパーで切断せつだんしたあとのゲート処理しょり、パーティングラインの除去じょきょ部品ぶひん切断せつだん加工かこうやモールドを彫刻ちょうこくするためなどにもちいる。使用しようするさいはカッターマットをもちいたほうがよい。カッターナイフは本体ほんたい内蔵ないぞうするタイプで、すうまいをまとめたブレードになっておりってあたらしい交換こうかんする。おもおおきなもの、直線ちょくせん作業さぎょうけの製品せいひんである。デザインナイフ(アートナイフ)はがえいちまいずつ交換こうかんするタイプで、曲線きょくせんるなどのこまかい作業さぎょう製品せいひんである。両者りょうしゃとも刃先はさき角度かくどことなったがあり、用途ようとおうじてえらべるようになっている。Pカッター(厚手あつでのプラスチックばんなどの切断せつだん使つか製品せいひん)やラインチゼルとけがきはりおもすじりに使用しようされる。
ピンセット
ちいさい部品ぶひんつかんだり、あぶら付着ふちゃくするのをさけるため、シールやデカールとうさいもちいる。ピンセットはオランダ由来ゆらい外来がいらい。ツイーザー、トゥイーザーなどの英語えいごみの名称めいしょう市販しはんされている場合ばあいもある。基本きほんてきには金属きんぞくせいだが、特殊とくしゅなプラスチックでつくられたピンセットもある。
金属きんぞくやすりかみやすり、そののやすりるい
ニッパーやカッターで処理しょりしきれないゲートあとなど綺麗きれいにするためにもちいる。やすりは元々もともと金属きんぞくせいであり、本来ほんらい金属きんぞくやすりというかたいが、かみやすりと区別くべつするため模型もけい用語ようごとして一般いっぱんしている。かみやすりは「サンドペーパー」、たい水性すいせいのものは「(たいみずペーパー」ともばれるが、りゃくして「ペーパー」とばれることがおおい。部品ぶひん表面ひょうめんけずったりととのえたりするためにもちいる。最近さいきんはラッピングフィルム(研磨けんまざいきのプラスチックフィルム)やスポンジ研磨けんまざい使用しようされる。また、金属きんぞく部品ぶひんなどの加工かこうダイヤモンドやすり使用しようすることもある。
なおすじりにとくした非常ひじょううすはばつ"スジボリヤスリ"という製品せいひんもある。
ピンバイス
パーツにあなをあけるためのほそいドリル(0.1 mm - 3 mm程度ていど)を保持ほじした状態じょうたいのものをピンバイスとぶことがおおい。本来ほんらいピンバイスは小径しょうけい棒状ぼうじょうのものを保持ほじする固定こていバイス)でドリルの部分ぶぶんふくまないのだが、模型もけいではドリルでのあなあけ以外いがいではあまりもちいられない。
プラモデルよう(ホビーよう)のこぎり・レザーソー・いとのこぎり
部品ぶひん切断せつだんするためにもちいる薄刃うすばののこぎり。改造かいぞうするさい使つかわれることがおおい。かつては米国べいこくエグザクトしゃのレザーソーが代表だいひょうてきなブランドだった。のちにエッチングでつくられたうすこまかいノコギリであるハセガワ(トライツール)のモデリングソーや、タミヤの薄刃うすばクラフトのこ、シモムラアレック(プラッツ)のハイパーカットソーなど、ホビー専用せんようのものが登場とうじょうしている。
接着せっちゃくざい(セメント)
元来がんらいふた以上いじょう物質ぶっしつ接着せっちゃくもちいられるものだが、後述こうじゅつパテとして使用しよう可能かのうなものもある。最近さいきん後述こうじゅつよう強固きょうこ接着せっちゃくためではなく、かりめや完成かんせいひん耐震たいしん安定あんてい展示てんじよう一時いちじかり接着せっちゃく目的もくてきとしたものも出回でまわはじめている。
プラスチックセメント
部品ぶひん同士どうし接着せっちゃくするためにもちいる。材料ざいりょうかし、溶剤ようざい蒸発じょうはつして硬化こうかすることで接着せっちゃくされる。以前いぜん接着せっちゃく必要ひつようなプラモデルにはチューブとう接着せっちゃくざい付属ふぞくしている場合ばあいおおかったが、現在げんざいでは一部いちぶ外国がいこくせいキットをのぞいて付属ふぞくしておらず、別途べっと購入こうにゅうしておく必要ひつようがある。樹脂じゅしぶんふくむ「トロトロがたあわがた)」と溶剤ようざいぶんだけの「サラサラがたなががた)」とに大別たいべつされる。前者ぜんしゃはセメダインしゃびんりの製品せいひんやタミヤ、グンゼ産業ぐんぜさんぎょう(現在げんざいGSIクレオス)とう模型もけいメーカー製品せいひんなどふるくから販売はんばいされている。後者こうしゃはタカラのプロセメントなど少数しょうすうであったが、1990年代ねんだいになってから種類しゅるいえ、2000年代ねんだいには石油せきゆけい溶剤ようざいふくまないリモネン主成分しゅせいぶんにしたものえており、有機ゆうき溶剤ようざいにおいがきつくないなどの利点りてんがあるため、使用しようするモデラーもえてきている。また、最近さいきんのガンプラとうのプラモデルでは接着せっちゃくざい使用しようしなくても製作せいさく可能かのうなスナップフィット・キットがほとんどであるが、パーツをわせたときに出来でき"わせ"すためにもちいることもおおい。ただし、スケールモデルではパーツ自体じたい非常ひじょううすくなっている場合ばあいおおくあり、接着せっちゃくざいではパーツの変形へんけいなどのトラブルがきやすいため、こすわせで密着みっちゃくげてわせくす。
瞬間しゅんかん接着せっちゃくざい
「シアノアクリレート」という特殊とくしゅ樹脂じゅし主成分しゅせいぶん接着せっちゃくざいであり、空気くうきちゅうなどの水分すいぶん急速きゅうそく反応はんのうし、すうびょうからすうふん硬化こうかする。金属きんぞくとの接着せっちゃくのように、溶剤ようざいおかされない材質ざいしつや、ことなる材質ざいしつ同士どうし接着せっちゃくする場合ばあいもちいられる。近年きんねんはプラモデルでも再現さいげんせい向上こうじょうのためにエッチングパーツなどの素材そざい部品ぶひんふくものおおく、製作せいさく必需ひつじゅひんとなっている。ただし透明とうめいパーツなどに使つかったりちかくにおいてあると、接着せっちゃくざい成分せいぶんで"くもって"しまうこともある。こうしたしろ現象げんしょうける意味いみ効果こうか促進そくしんざい使つかう。また、ていしろタイプの製品せいひんもある。このほかにはたい衝撃しょうげきようなどもあり、使用しよう対象たいしょう強度きょうどねばたび硬化こうか時間じかんなどのことなる様々さまざま製品せいひんがある。また通常つうじょう無色むしょく透明とうめいなものがおおいが、白色はくしょく黒色こくしょくなどいろのついた商品しょうひん出回でまわしている。
一時いちじ接着せっちゃくざい
ってがせるさい剥離はくり可能かのうがた接着せっちゃくざいで、かりめや、完成かんせいした模型もけい地震じしんその不慮ふりょさいにもたおさないで(安定あんていして)展示てんじするため一時いちじてき固定こてい利用りようされる。当初とうしょかみとうにシールのよう粘着ねんちゃくせいさい剥離はくりせいあたえるため開発かいはつされ写真しゃしん製版せいはんとうからさい剥離はくり可能かのうがた粘着ねんちゃくざいスプレーが出回でまわはじめた。かつては安定あんてい展示てんじようには粘着ねんちゃくテープをようにして展示てんじひん台座だいざ双方そうほう接着せっちゃくしていたり完成かんせいひんあな真鍮しんちゅうせんとうんで固定こていしていたりしていたが、現在げんざいではおな表面ひょうめん特性とくせい粘着ねんちゃくがたぼうゲルととも耐震たいしん安全あんぜん展示てんじ用途ようとでの利用りようはじまっている。
パテ
部品ぶひんのへこみなどをめるためにもちいる充填じゅうてんざい。また、プラモデルの形状けいじょう変更へんこうやオリジナルの造形ぞうけいにももちいられる。硬化こうかしたのちにカッターなどで切削せっさく成形せいけいすること可能かのうだが、パテによっては切削せっさくせいわるいものもある。プラモデル製作せいさく使用しようされるのはラッカーパテ、エポキシパテ、ポリパテ(ポリエステルパテ)の3種類しゅるいおおい。最近さいきんではひかり硬化こうかがたパテや瞬間しゅんかん接着せっちゃくパテも発売はつばいされている。これは硬化こうかまでの時間じかんみじか用途ようとによっては非常ひじょう便利べんりである。
ラッカーパテ
文字通もじどおりラッカーけい溶剤ようざいふくみ、溶剤ようざい揮発きはつすることで硬化こうかする。このさい溶剤ようざい揮発きはつしたぶん体積たいせき減少げんしょうする(にくせ、あるいはヒケという)。したがって分厚ぶあつ場合ばあいにはかず、きず部品ぶひんのヒケの修正しゅうせいなどにもちいられることがおおい。プラパテと略称りゃくしょうされることもある。
エポキシパテ(エポパテ)
粘土ねんどじょうの2種類しゅるいもとざいをほぼどうりょう混和こんわしてもちいる。わせたのち作業さぎょう時間じかんはやくて1ふん - 5ふん通常つうじょうすうじゅうふんから数時間すうじかんで、おおむねいちにち程度ていど完全かんぜん硬化こうかする。ヒケはあまりきない。種類しゅるいによっては完全かんぜんかたまるとかなりかたくなるので、適度てきどかたさの段階だんかい切削せっさくすると加工かこうせいがよい。2種類しゅるいのパテが均一きんいつになるようわせるのが使用しようじょう注意ちゅういである。模型もけいようのほかに木工もっこうよう金属きんぞくようのものが市販しはんされている。エポキシパテの成分せいぶんエポキシ樹脂じゅし項目こうもく参照さんしょう皮膚ひふよわ場合ばあいには手袋てぶくろ必須ひっすである。日本にっぽん以外いがいではミリプットのブランドのものが使つかわれており、日本にっぽんではポリパテよりも導入どうにゅうおそかった。一般いっぱんけとしてセメダインしゃ製品せいひん模型もけいようとしてはタカラの「改造かいぞうくん」が1980年代ねんだい前半ぜんはんから存在そんざいし、その1980年代ねんだい後半こうはんからフィギュア制作せいさくなどに多用たようされ、各社かくしゃから模型もけいようしん製品せいひん発売はつばいされていった。
ポリパテ
主剤しゅざい硬化こうかざいんで使用しようする。硬化こうか時間じかん硬化こうかざい割合わりあい気温きおんによって変化へんかするが、すうふんからすうじゅうふんはやい。臭気しゅうきつよいので換気かんき必須ひっすである。1980年代ねんだい前半ぜんはんのガンプラブーム当時とうじスクラッチビルドのために自動車じどうしゃ修理しゅうり用品ようひんである「ニッペあつけパテ」が使用しようされ、その模型もけい専用せんようもの開発かいはつされていった。
紫外線しがいせん硬化こうかパテ(ひかり硬化こうかパテ、UV硬化こうかパテ)
太陽光たいようこう蛍光けいこうとう至近しきん距離きょりちかづけると紫外線しがいせん反応はんのうして短時間たんじかん硬化こうかする。硬化こうかはやく、作業さぎょう効率こうりつおおいに役立やくだつが、場合ばあいによってはってから1ふんとたたないうちにかたまってしまうため、手早てばや作業さぎょう必要ひつよう現在げんざいもっと高性能こうせいのうなパテといえるが、値段ねだん通常つうじょうのパテよりもたかい。ただし、最近さいきんでは少量しょうりょうがデコアートよう使つか分量ぶんりょう(5グラム程度ていど)でひゃくえん均一きんいつみせなどで販売はんばいされ、それまでのアクリルパテにわり主流しゅりゅうとなっている。なお一部いちぶ製品せいひん空気くうきれていると硬化こうかしない(嫌気いやけせいの)ものがある。
瞬間しゅんかん接着せっちゃくパテ
液剤えきざい粉末ふんまつ混合こんごうするとすうびょう - すうじゅうびょう硬化こうかするもので、作業さぎょうはや反面はんめん物性ぶっせいてきもろい(それでもスチレン樹脂じゅしよりは丈夫じょうぶである)。作業さぎょうせいたかめるため硬化こうか促進そくしんざいとその速度そくど調整ちょうせいする緩衝かんしょうざいとを併用へいようすることもある(GSIクレオスせい品等ひんとう)。
このほか元々もともと接着せっちゃくざいネイルアート方面ほうめん利用りようされていたアクリルパテがある。粉末ふんまつのパウダーと液体えきたいのリキッドの混合こんごうによるえき混合こんごうがたで、硬化こうか開始かいし時間じかん少々しょうしょうながく(それでも最短さいたんで1ふん以内いないには硬化こうか開始かいし)、また硬化こうか紫外線しがいせんらず安価あんかなのでUV硬化こうかパテよりは普及ふきゅうはやかった。現在げんざいはネイルアート方面ほうめんでは硬化こうかざいのいらないUV硬化こうかパテに主役しゅやくわたし、模型もけいやデコアートようマテリアルとしての利用りようおおくなってきている。接着せっちゃくざいとしても有用ゆうようであり、プラリペアなどの商品しょうひんめい流通りゅうつうしている。
塗料とりょう
プラモデルを塗装とそうするためにもちいる。ラッカーけい、アクリルけい、エナメルけいとういくつか種類しゅるいがある。塗料とりょうはその特質とくしつって使つかいこなすことが重要じゅうようである。なおびんりのほか常温じょうおん蒸発じょうはつ加圧かあつする液化えきかガスを圧力あつりょくげんとする"かんスプレー"があり、びんりの塗料とりょう同様どうよう塗装とそう加工かこうもちいるためのアイテム(ガイアノーツ"イージーペインター"とう)も存在そんざいする。
ラッカーけい塗料とりょう
日本にっぽん多用たようされている、乾燥かんそうはや強固きょうこ塗膜とまく形成けいせいできる利点りてん塗料とりょう通称つうしょうは「ラッカーけい」であるがただしくは水溶すいようせい有機ゆうき溶剤ようざいもちいた「アクリル樹脂じゅし塗料とりょう」(MR.HOBBYでは溶剤ようざいけいアクリル樹脂じゅし塗料とりょう記載きさい)である。溶剤ようざい蒸発じょうはつにより樹脂じゅし塗膜とまく形成けいせいするため、アクリルラッカーに分類ぶんるいされる。溶剤ようざい水溶すいようせいであることを強調きょうちょうするために「油性ゆせいアクリルけい塗料とりょう」とばれることもあるが、「油性ゆせい」は本来ほんらい動植物どうしょくぶつ由来ゆらい油脂ゆしあらわ用語ようごであり、石油せきゆ由来ゆらい有機ゆうき溶剤ようざい使用しようするのは厳密げんみつにはただしくない。ラッカーの一種いっしゅではあるが、昭和しょうわ30年代ねんだい模型もけいようとしてられていた「マメラッカー」などのプラスチックをかすほど溶剤ようざいつよい、本来ほんらいラッカー(ニトロセルロースラッカー)とは別物べつものである。トルエンなどがふくまれる業務ぎょうむよう塗料とりょうほどではないが、模型もけいよう塗料とりょうくら溶剤ようざいにおいや毒性どくせいつよく、換気かんきせずに長時間ちょうじかん吸入きゅうにゅうすると中毒ちゅうどくこす。また揮発きはつせい引火いんかせいつよいことにも注意ちゅうい。マルサンのプラカラーを皮切かわきりに、レベルカラー(のちMr.カラー)、モデルカラー、モノグラムカラー、ガイアカラーなど、おおくのブランドが存在そんざいした。なお、模型もけい専用せんよう塗料とりょう以外いがい模型もけいけの塗料とりょうにはトルエンなどをふくむものもあるため注意ちゅうい必要ひつようである。
水溶すいようせいアクリル樹脂じゅし塗料とりょう
アクリルけいともばれる。溶剤ようざいとしてアルコールけい水溶すいようせい有機ゆうき溶剤ようざいみず混入こんにゅうしたものを使用しようしている。みず希釈きしゃくすることも可能かのうだが、乾燥かんそう時間じかん光沢こうたくめんれなくなることもあるので、プラモデルに場合ばあい専用せんよう溶剤ようざい希釈きしゃくすることがおおい。においや毒性どくせいはラッカーけいよりおさえられている。引火いんかせいひく安全あんぜんせいたかいものの、塗膜とまくはラッカーけいよりよわく、うえからラッカーけい塗料とりょうるとおかされる。GSIクレオスの「水性すいせいホビーカラー」と「アクリジョン」、タミヤの「アクリルペイント」が代表だいひょうてき国産こくさん水溶すいようせいアクリル樹脂じゅし塗料とりょうであり、1980年代ねんだいはじめの発売はつばい以来いらい順次じゅんじ改良かいりょうされているが、使つか勝手がって塗膜とまく強度きょうどめん敬遠けいえんするモデラーもまだすくなくない。最近さいきんは、国産こくさんとはことなる性質せいしつすぐれた外国がいこく製品せいひん入手にゅうしゅしやすくなっており、スケールモデルではめずらしい存在そんざいではなくなった。なお国産こくさん商品しょうひん改良かいりょうすすみ、これまで希釈きしゃくせい問題もんだいでエアブラシ塗装とそう不向ふむきとされていた欠点けってん改善かいぜんされつつある[注釈ちゅうしゃく 11]。なおアクリジョンのため汎用はんよううすめえきみず専用せんよううすめえきとがあるが、専用せんよううすめえき後述こうじゅつの"リターダー"としてはたらため使つかぎるとなかなかかわかなくなる。なお、アクリジョンのうすえき生産せいさん終了しゅうりょうとなり、リターダーが販売はんばいされるようになった(エアブラシよううすえき改良かいりょうして継続けいぞく販売はんばい)。
エマルジョンけい
広義こうぎには水溶すいようせいアクリル塗料とりょうふくまれるてい溶剤ようざい塗料とりょう臭気しゅうきがほとんどなく、水性すいせいアクリル、水性すいせいホビーカラーはみずでも可能かのうだがアクリルシンナーが推奨すいしょうされるのにたいして、完全かんぜん水道すいどうみずのみで、希釈きしゃく洗浄せんじょう可能かのう(ただし、かわききった場合ばあいには水溶すいようせいでなくなるので専用せんようツールクリーナーが必要ひつよう)。乾燥かんそうはやく、塗膜とまくつよめ。代表だいひょうブランドは、シタデルカラーやアクリジョンなど。
エナメルけい塗料とりょう
専用せんよう溶剤ようざい工業こうぎょうガソリンけい)で希釈きしゃくする。上記じょうき2種類しゅるい塗料とりょうことなり、塗装とそう空気くうきれることで化学かがく反応はんのう固化こかする。エナメルけい塗料とりょう乾燥かんそうおそふでりでもムラができにくい利点りてんがある。乾燥かんそう塗膜とまく光沢こうたくすぐれる。多湿たしつ日本にっぽん気候きこうには不向ふむき<[注釈ちゅうしゃく 12]だが欧米おうべいでは一般いっぱんてき模型もけいよう塗料とりょうとしてもちいられている。またたね塗料とりょう塗膜とまくおかさないことからウェザリングもちいられることおおい。ただし下地したじがつやしの場合ばあい顔料がんりょういてれなくなることがある。しおビ(ソフトビニールせいキットやポリキャップなど)はおかされ劣化れっかするのでけたほうがよい。またスナップフィットなどでつねちからくわわっている部分ぶぶん使用しようすると、溶剤ようざい浸透しんとうによりパーツが破損はそんする場合ばあいもある。最近さいきん紫外線しがいせんをカットするクリアー塗料とりょううえ塗布とふした場合ばあいしろする現象げんしょう話題わだいとなった。「タミヤカラー」が事実じじつじょう唯一ゆいいつ国産こくさんエナメル塗料とりょうであるが、イギリスのハンブロールしゃせいのエナメル塗料とりょう塗料とりょう単体たんたい塗料とりょうづけキットとして輸入ゆにゅうされて一部いちぶ模型もけいてん入手にゅうしゅできる。
塗料とりょう模型もけいよう塗料とりょうだけでなく、絵画かいがようのアクリル絵具えのぐ油絵具あぶらえのぐパステルコピックなどももちいられる。
塗料とりょう添加てんかして性状せいじょう調節ちょうせつする添加てんかざい(メディウム)がいくつかある。光沢こうたくおさえるフラットベース乾燥かんそうおくらせ、ふでムラやかぶりをおさえるリターダー塗料とりょうねばたびおさえるうすめえきなどが典型てんけいてき。うすめえきそのものがリターダーや金属きんぞくしょく質感しつかん向上こうじょうする添加てんかざいふくんでいることもある。うすめえきはラッカーよう、エナメルようなど、使用しようする塗料とりょうったせん用品ようひん用意よういする必要ひつようがある。なお、フラットベースのぎゃく作用さようつものはなく、塗装とそう光沢こうたくつよい(ぜん光沢こうたくあるいははん光沢こうたくの)トップコートで調節ちょうせつする。
ふで
たいらひつまるひつ細部さいぶ塗装とそうよう面相めんそうひつがあると便利べんり学校がっこう授業じゅぎょうなどで使つかった水彩すいさいよう流用りゅうようすることもできるが、塗料とりょう溶剤ようざいによってたばねる接着せっちゃくざいし、最終さいしゅうてきにはバラバラになる可能かのうせいがあるため、模型もけいようのものを使用しようするのがのぞましい。
エアブラシ
ふでりではむずかしい、ムラの一様いちようぬりめんやグラデーション塗装とそう使つかう。かんスプレーとくらべて、自由じゆういろ使つかえる・りょう調整ちょうせい可能かのうというメリットがある。ある領域りょういき全体ぜんたい塗装とそうされるため、塗装とそうまえに、マスキングや塗装とそう順番じゅんばんかんがえた部品ぶひん改造かいぞう必要ひつようになる場合ばあいもある。以前いぜんはピースコンとう一部いちぶ製品せいひんのぞきイラスト・写真しゃしん修正しゅうせいよう高価こうかものおお一般いっぱんてきではなかったが、近年きんねん模型もけいメーカーから比較的ひかくてきてい価格かかく製品せいひん発売はつばいされるようになった。
塗料とりょう噴霧ふんむよう端末たんまつ器具きぐとしてはハンドピースがもちいられる。気体きたい加圧かあつげんとしてはこうあつ気体きたいのボンベをもちいる"スプレーかん(エアかん)"か電気でんき動力どうりょくげんとした"エアコンプレッサ"がもちいられる。通常つうじょう加圧かあつげん加圧かあつ気体きたい塗料とりょう双方そうほう吐出としゅつりょう制限せいげんされるため加圧かあつげん性能せいのう如何いかでは塗料とりょう吐出としゅつ影響えいきょうおよぼす場合ばあいがある。低圧ていあつがたのコンプレッサでは上手うまあつかえない塗料とりょう存在そんざいする。ハンドピースには加圧かあつ気体きたい塗料とりょう吐出としゅつりょうとも同時どうじ調整ちょうせい可能かのうなもの(ダブルアクション)のほか加圧かあつ気体きたい塗料とりょう吐出としゅつりょう同時どうじ調整ちょうせい不可能ふかのうなもの(シングルアクション)も存在そんざいする。ダブルアクションのハンドピースをもちいるとほそはば塗装とそう可能かのうとなる(加圧かあつげん吐出としゅつりょうひく調整ちょうせいする必要ひつようがある)。なおこの技法ぎほうすべての塗装とそう技法ぎほうちゅうもっと塗料とりょう消費しょうひりょうすくない。
塗装とそう作業さぎょうちゅうには塗料とりょうきりじょう微細びさい粉末ふんまつ溶剤ようざい揮発きはつ気体きたい周囲しゅうい飛散ひさんするので、作業さぎょうしゃはマスクなどでの防護ぼうご必要ひつようとなる。そのため飛散ひさんぶつ強制きょうせいてき装置そうち存在そんざい市販しはんされている。
マスキングテープ
塗装とそうさいけをおこなうためにいろをのせない部分ぶぶんおおっていろかないようにする粘着ねんちゃくざいつきのかみテープ。かりみなどのさい粘着ねんちゃくりょくひくいテープとしてももちいる。また同様どうよう目的もくてきために、塗布とふすることで柔軟じゅうなんなマスキングまく形成けいせいする液状えきじょうのマスキングゾル[注釈ちゅうしゃく 13]という商品しょうひんもある。
サーフェイサー
ヤスリがけでいた表面ひょうめん微細びさいきずなどをめるため塗料とりょうきをくするため使つかわれる。おも塗装とそうぜん段階だんかいとしてもちいる。ふでりのほかかんスプレーやエアブラシをもちいてきつけて使用しようする。市販しはんされているものおも成分せいぶん溶液ようえきいたラッカーけいパテ(きパテ)とほぼ同様どうようものである。きずやヘコミなどを見分みわけやすいグレーしょく一般いっぱんてきだが、フィギュアなどようにホワイトや肌色はだいろ製品せいひんもある。こまかい彫刻ちょうこくつぶれることをきらい、使用しようしないモデラーもいる[注釈ちゅうしゃく 14]
プライマー
金属きんぞく(メタルパーツやエッチングパーツ)、レジンなど塗料とりょうきがくない素材そざい塗装とそうする場合ばあい使用しようする下地したじ塗料とりょう通常つうじょう無色むしょく透明とうめい。プラモデルよう開発かいはつされたもの以外いがいは、プラスチックをおかおそれがある。上記じょうきサーフェイサーをねた"プライマーサーフェイサー(プラサフ)"もある。
トップコート
塗装とそうした個所かしょ表面ひょうめん保護ほご使用しようする、透明とうめい塗料とりょう。ステッカーやデカール、インスタントレタリング(インレタ)などの保護ほごにも有用ゆうよう光沢こうたくはんつや、つやしとがあり、塗物ぬりもの質感しつかん調節ちょうせつする場合ばあいにももちいられる。金属きんぞく光沢こうたくあたえるメタリックしょくは、これを塗布とふするとかぶりがしょうじる(しろっぽくくもる)ものもあり、代用だいようとしてプライマーをけることもあるが、こちらは金属きんぞく光沢こうたく顔料がんりょうながれてしまう[注釈ちゅうしゃく 15]ことがあるため、金属きんぞくらしい質感しつかん重要じゅうよう個所かしょ一切いっさい保護ほごしない場合ばあいもある。
デカール定着ていちゃくざい
デカールを軟化なんかさせ、模型もけい表面ひょうめん凹凸おうとつへの密着みっちゃくせいたかめるための補助ほじょざい。デカールをったうえから塗布とふして軟化なんかさせるものをデカール軟化なんかざい(マークソフター)、接着せっちゃくりょくさき塗布とふしたうえにデカールをセットするものをデカール定着ていちゃくざい(デカールフィッター、マークセッター)と区別くべつする場合ばあいもある。デカールの種類しゅるい定着ていちゃくざい相性あいしょうにより軟化なんか程度ていどがあり、しわひとししょうじるあるいはデカールが破損はそんする場合ばあいもあるので事前じぜん確認かくにん必要ひつよう
綿棒めんぼう
デカールを貼付ちょうふするさい余分よぶん水分すいぶん脱脂綿だっしめんわせる、デカール貼付ちょうふ位置いちほろ調整ちょうせい、あるいはウェザリングぼくほどこさいもちいられる。使つか勝手がってとしては化粧けしょうよう開発かいはつされたさきほそいものがため模型もけい専用せんようのものもこの形状けいじょうになっている。

製品せいひん

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よく使つかわれる素材そざい材質ざいしつ

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ポリスチレン (PS = Poly-Styrene)
プラモデルの材料ざいりょうとしてはもっとおお使用しようされる。プラモデルで「プラ」といった場合ばあい広義こうぎでは合成ごうせい樹脂じゅし一般いっぱん(ABSなどもふくめる)をさすが、狭義きょうぎではポリスチレンのみをす。エナメルけい溶剤ようざい侵食しんしょくされ、劣化れっかする性質せいしつがある。透明とうめいのものは飛行機ひこうきキットのキャノピーや自動車じどうしゃキットのまどガラスなどにもちいられるが、しなやかさがないため非常ひじょうくだけやすく、瞬間しゅんかん接着せっちゃくざいなどで白濁はくだくすることもおおい。タミヤエバーグリーン[よう曖昧あいまい回避かいひ]ブランドの各種かくしゅ素材そざいもポリスチレンである。ドイツであるスチロール (Styrol) とばれることもある。
ABS (ABS = Acrylonitrile-Butadiene-Styrene)
アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンぜたもの。配合はいごう比率ひりつによって物性ぶっせいはあるが、ポリスチレンよりもれにくく磨耗まもうすくない。このため、負荷ふかのかかるキャラクター模型もけい関節かんせつ動力どうりょく模型もけいのシャーシ(ミニよん電動でんどうRC)などのパーツがABSで成型せいけいされることがおおい。溶融ようゆう接着せっちゃくには専用せんようのABS樹脂じゅしよう接着せっちゃくざい必要ひつようとする。また切削せっさくせいもポリチスチレンよりもねばつよい。
ポリプロピレン (PP = Poly-Propylene)、ポリエチレン(PE=polyethene)
いわゆるポリキャップとしてロボットキットなどの関節かんせつヒンジ多用たようされる軟質なんしつ樹脂じゅし柔軟じゅうなんせいたか磨耗まもうすくない反面はんめん、ほとんどヤスリがけができない、そのままでは塗装とそうもできないといった欠点けってんもある。モーター走行そうこうする戦車せんしゃキットのベルトしきキャタピラとして、1970年代ねんだいからゴムせいのものにわっておお使つかわれるようになり、ディスプレイモデルようとしても使用しようされている。
その樹脂じゅし
  1. アサフレックス - スチレンけい合成ごうせい樹脂じゅしげると変形へんけいのこ程度ていど柔軟じゅうなんせいで、塗装とそう接着せっちゃくもできる。
  2. エラストマー - ゴムにちか性質せいしつだが、射出しゃしゅつ成型せいけい可能かのうなスチレンけい樹脂じゅし
  3. ポリアセタール (POM) - 軸受じくうけなどに使用しようされる。塗装とそう接着せっちゃく困難こんなん
金属きんぞくるい
 
1/350ホーネットようエッチングパーツ
エッチングパーツ自動車じどうしゃシャフトギアボックス、ネジなど各種かくしゅ金属きんぞく補助ほじょてき使用しようされる。

有名ゆうめいなシリーズ

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デカールの制限せいげん

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たばこ広告こうこく禁止きんし影響えいきょうれいスバル・インプレッサWRC(実車じっしゃ)の555仕様しようとノンタバコ仕様しよう
この実車じっしゃ同様どうように、模型もけいもロゴの削除さくじょえをいられる場合ばあいがある。

プラモデルにふくまれるデカールやはこには、社会しゃかいてき要因よういんによる制限せいげん一部いちぶくわえられている。そのために製品せいひんきゅう製品せいひんさい生産せいさん困難こんなんになったり、やむを一部分いちぶぶん完璧かんぺき再現さいげん断念だんねんせざるをなかったりといった問題もんだいしょうじている。

タバコ広告こうこく
1990年代ねんだい以降いこうおおくのくにタバコ広告こうこく規制きせい強化きょうかされた。そのため、おおくのF1WRCといったレースカーのキットにけられていたタバコメーカーのスポンサーロゴ規制きせい対象たいしょうとされ、その発売はつばいされたF1レースカー製品せいひんではデカールからタバコメーカーのロゴが削除さくじょされたり、べつのものにえられてしまっている。タバコメーカーがメインスポンサーだった一部いちぶ車種しゃしゅでは、削除さくじょえすらむずかしいためキット自体じたい生産せいさん困難こんなん状態じょうたいとなっているものもある。
その企業きぎょうロゴにかんする制限せいげん
2000年代ねんだい以降いこう企業きぎょう知的ちてき財産ざいさんけん管理かんり強化きょうか関係かんけいから、タバコ以外いがい企業きぎょうについてもロゴが削除さくじょあるいはえられたものがあらわれている。
ハーケンクロイツ
だい世界せかい大戦たいせんどきのドイツ垂直すいちょく尾翼びよくえがかれていたかぎじゅう(スワスティカ)は、ナチス・ドイツシンボルマークであり、現在げんざいドイツではおおやけでの使用しよう掲示けいじ法律ほうりつにより禁止きんしされている。その影響えいきょうで、1990年代ねんだい以降いこうおおくのメーカーでははことデカールからスワスティカや本来ほんらいナチスとは無関係むかんけいフィンランドハカリスティ削除さくじょしている。日本にっぽん国内こくないではスワスティカの使用しようまった制限せいげんはないが、輸出ゆしゅつ考慮こうりょして日本にっぽんメーカーのおおくもこれにならっている。一部いちぶ日本にっぽんメーカーでは日本にっぽん国内こくない出荷しゅっかぶんにのみスワスティカのデカールをけているが、おおくの場合ばあいはこ勿論もちろん組立くみた説明せつめいしょにも明示めいじく、オマケあつかいとなっている。また、スワスティカを十字じゅうじ字形じけいえたり、分割ぶんかつしてそのままではスワスティカにえないかたちでデカールにしているメーカーもある。

コピー製品せいひん

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プラモデルにおいては、部品ぶひん分割ぶんかつ方法ほうほうめん表現ひょうげん対象たいしょう立体りったいとしての解釈かいしゃくなど設計せっけい段階だんかい開発かいはつしゃ個性こせいつよあらわれる。ことなるメーカーが同一どういつ題材だいざい製品せいひんしたさいに、のメーカーの商品しょうひんをコピーしたと指摘してきされる場合ばあいる。これは前述ぜんじゅつ分割ぶんかつ方法ほうほう成型せいけいパーツの配列はいれつなどにおいて、他社たしゃ既存きそん製品せいひん比較ひかく同一どういつまたは酷似こくじしているものが対象たいしょうとなる。

ただし工業こうぎょう製品せいひんおなじく、かねがた製品せいひん他社たしゃ売却ばいきゃく、またはOEM供給きょうきゅうされてべつパッケージで発売はつばいされることがあり、これがコピーひん間違まちがわれやすい。また、1/72以下いかしょうスケールのキットでは、部品ぶひん分割ぶんかつ個性こせい発揮はっきできる余地よちすくないため、偶然ぐうぜん似通にかよった部品ぶひん分割ぶんかつとなる場合ばあいもある。

日本にっぽんのプラモデル黎明れいめいには、先行せんこうするアメリカやイギリスのキット製品せいひん原型げんけいとしてコピーしたものが存在そんざいした。原型げんけい製品せいひんとはことなるパーツ配列はいれつとしたり、原型げんけい製品せいひん比較ひかくしギミックやモールドをあたらしく追加ついかまたは省略しょうりゃくしたコピー製品せいひん存在そんざいした。部品ぶひん分割ぶんかつまったことなっていても、形状けいじょう特徴とくちょうから製品せいひん参考さんこうにしているのがあきらかなものもあった。

プラモデルのコピー製品せいひんでは、原型げんけい製品せいひんにおいて模型もけい雑誌ざっしやモデラーから問題もんだいてんとして指摘してきされた部分ぶぶん修正しゅうせいしたり、原型げんけいメーカーが発売はつばいしていない派生はせい製品せいひん発売はつばいする場合ばあいもある。ただし、だい部分ぶぶんのコピー製品せいひん精密せいみつにおいて原型げんけい製品せいひんおとっている。

ここでは具体ぐたいてきなコピー製品せいひんれいとして韓国かんこくアカデミー製品せいひんについて解説かいせつする[注釈ちゅうしゃく 16]

1/72 A-10 1/72 MiG-23/27 1/48 F-16
ハセガワ製品せいひん原型げんけい指摘してきされているアカデミー製品せいひん。A-10やMiG-23/27では開発かいはつ時期じきふる原型げんけいキットのとつモールドが凹モールドへ修正しゅうせいされた。F-16ではどういちパッケージで複数ふくすう形式けいしき対応たいおうすべくこまかい部品ぶひん分割ぶんかつ手法しゅほう変更へんこうされ、各種かくしゅ搭載とうさいひん追加ついかするなどの修正しゅうせいおこなわれた。
1/35 M113M60パットンメルカバセンチュリオン
タミヤ製品せいひん原型げんけい指摘してきされているアカデミー製品せいひん原型げんけい製品せいひんとはことなり、大量たいりょうのアクセサリーの追加ついか原型げんけいには改良かいりょうがた(M113)や発展はってんがた車両しゃりょう(メルカバ)、イスラエル国防こくぼうぐん仕様しよう(M113、M60)などが発売はつばいされた。たとえばメルカバIIIなどはうたてパーツ以外いがいはオリジナルとなっており、高価こうかガレージキット購入こうにゅうしたりスクラッチビルドをする必要ひつようくなったため、購入こうにゅうしゃからすれば恩恵おんけいほうおおきいともえる。なおセンチュリオンは日本にっぽんには輸入ゆにゅうされていないが、生産せいさん停止ていしとなったタミヤ製品せいひんわって欧米おうべい市場いちばではポピュラーな製品せいひんとなった。
1/48 Su-27
アカデミー製品せいひん原型げんけい指摘してきされているトランペッター製品せいひん原型げんけいキットの問題もんだいてんをそのままコピーしており工作こうさく精度せいど問題もんだいから原型げんけいおとる。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ (くらじたかし 2001)によればマルサン商店しょうてんはプラモデルと同時どうじに「プラスチックモデル」と「プラモ」も商標しょうひょう登録とうろくしたがすうねんげたとされ、どちらも1960年代ねんだい前半ぜんはんにはすで一般いっぱんてき名称めいしょうとして使用しようされている。はつ国産こくさんプラモデルの発売はつばいほうじた昭和しょうわ33ねん12月15にちづけの『日本にっぽん模型もけい新聞しんぶん』の記事きじでも、「プラスチック・モデル・キット」をマルサン商店しょうてん登録とうろく商標しょうひょうとしている。
  2. ^ 当時とうじマルサン商店しょうてん小売こうりてんたいしても他社たしゃ製品せいひんを「プラモデル」とばないようつよもとめていた。また「プラモデルとべるのはマルサンだけ」というキャッチフレーズは自社じしゃがプラモデルのパイオニアであることを誇示こじするとともに、「プラモデル」の普通ふつう名詞めいしをけんせいする意味合いみあいもつよかった。
  3. ^ (神永かみなが英司えいじ 2009, p. 175)には1975ねん三ツ星みつぼし商店しょうてん売却ばいきゃくされ、翌年よくねん日本にっぽんプラスチックモデル工業こうぎょう協同きょうどう組合くみあい移譲いじょうされたと解釈かいしゃくできる記述きじゅつがあるが、日本にっぽんプラモデル工業こうぎょう協同きょうどう組合くみあい公式こうしきサイトでは1975ねん権利けんりたとされている。
  4. ^ (日本にっぽんプラモデル工業こうぎょう協同きょうどう組合くみあい 2008, p. 179)には「日本にっぽんプラモデル工業こうぎょう協同きょうどう組合くみあい加盟かめい各社かくしゃ自由じゆう使用しようできる」むね記述きじゅつがある。一方いっぽう、(日本にっぽんプラモデル工業こうぎょう協同きょうどう組合くみあい 2008, p. 66)には「現在げんざいではプラスチックモデルの愛称あいしょうとしてだれでも自由じゆう使つかえるようになっている」との記述きじゅつもある。
  5. ^ 付属ふぞく接着せっちゃくざい短期間たんきかんでの使つかりを前提ぜんていとしていたため(キャップづけ存在そんざいする)、使つか勝手がってわるりょう十分じゅうぶんではなかったので、別売べつばいのビン接着せっちゃくざい使用しようするモデラーがおおかった。
  6. ^ ただし2002ねん鉄道てつどう模型もけい可能かのうしき鉄道てつどう玩具おもちゃBトレインショーティー発売はつばいされている。
  7. ^ いちれいとしてカーモデルでは、1990年代ねんだいまではセダンやコンパクトカー、軽自動車けいじどうしゃやワンボックスカーといった一般いっぱんてき現行げんこうしゃ製品せいひんされていたが、2000年代ねんだい以降いこうはスーパーカーやレーシングカー、きゅうくるまといった趣味しゅみせいつよ車種しゃしゅ製品せいひんえ、前述ぜんじゅつした車種しゃしゅ製品せいひん大幅おおはば減少げんしょうしている。
  8. ^ プロの自動車じどうしゃモデラーである北澤きたざわ志朗しろうは「クルマきのひとでも、スケールモデルは塗装とそうすることをらないひとおおい。複雑ふくざつ部品ぶひん成型せいけい可能かのうになったことにより、かえってパーツがこまかくなりすぎてどこからければいいのかからず、説明せつめいしょもアルファベットの記号きごうばかりでかりにくい。てにも様々さまざま道具どうぐ必要ひつようで、一式いっしきそろえるとなるとその価格かかくはプラモデル1てん以上いじょうになってしまう。そうした様々さまざま要因よういんがプラモばなれにつながっているのではないか」とべている。[7]
  9. ^ とりわけ、2010年代ねんだい以降いこうは1/18、1/24とスケールモデルと直接ちょくせつ競合きょうごうするビッグスケールのミニカーも多数たすう登場とうじょうしている。
  10. ^ Pカッターはオルファ商品しょうひんめいだが、同種どうしゅ工具こうぐ通称つうしょうとしても使用しようされる。
  11. ^ これまでのエアブラシよう調整ちょうせい簡便かんべんしたエアブラシ専用せんよううすめえきとのとうばい希釈きしゃく簡単かんたん使用しよう可能かのうとなった。
  12. ^ ただしエアブラシによる塗装とそうでは、ラッカーけいでは多湿たしつ環境かんきょうしろくもる(「かぶり」とう)が、エナメルけいではきない。
  13. ^ 実質じっしつはプラ素材そざい接着せっちゃくしない性質せいしつをもつ水性すいせい接着せっちゃくざいで、ゴム素材そざい有無うむ特性とくせい変化へんかする。
  14. ^ なおサーフェイサーをもちいないめん塗装とそうする技法ぎほうを"サフレス塗装とそう"とぶ。
  15. ^ これをふせ技法ぎほうとして、比較的ひかくてき遠方えんぽうから乾燥かんそう速度そくど調整ちょうせいしてはんかわきのきりじょう塗布とふしておこなう"すなき"があり、こののち出来でき梨地なしじ表面ひょうめん研磨けんま平滑へいかつする"みがみ"作業さぎょうを以って仕上しあげそれにって金属きんぞく光沢こうたくまもこと出来できる。この技法ぎほうはその塗装とそう光沢こうたく仕上しあげの場合ばあいにも応用おうようためおも自動車じどうしゃ(りんよんりん)模型もけい多用たようされる。
  16. ^ アカデミーをれいにしているが、1990年代ねんだいまでは韓国かんこく中国ちゅうごくのプラモデルメーカーのほとんどがコピー製品せいひんつくっており、とくにアカデミーが悪質あくしつとか、かずおおいということはない。

出典しゅってん

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  1. ^ 日本にっぽんプラモデル工業こうぎょう協同きょうどう組合くみあい紹介しょうかい”.  全日本ぜんにほん模型もけいホビーショー. 2022ねん5がつ4にち閲覧えつらん
  2. ^ (かぶ)わらわともしゃ 公式こうしきアカウント @@DOYUSHAofficial (2022ねん2がつ15にち). "にされるほうもいらっしゃるかもしれませんのでマジレスします。りょうブランドども製品せいひんなかで「プラモデル」の呼称こしょう使つかっていないので問題もんだいありません。雑誌ざっししゃ記事きじなかで「プラモデル」を使つかうのも問題もんだいありません。加入かにゅうのメーカーさまが、自社じしゃ製品せいひん紹介しょうかいに「プラモデル」の呼称こしょう使つかうのきんじています。". X(きゅうTwitter)より2022ねん5がつ4にち閲覧えつらん
  3. ^ a b c d e f g いん大栄おおえ 2012, p. 16.
  4. ^ a b c d いん大栄おおえ 2012, p. 14.
  5. ^ “ガンプラ、国産こくさん一筋ひとすじ30ねん 品質ひんしつこだわり4おく. 朝日新聞あさひしんぶん. (2010ねん4がつ19にち). オリジナルの2010ねん4がつ20日はつか時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100420230121/www.asahi.com/shopping/news/TKY201004180319.html 2010ねん4がつ19にち閲覧えつらん 
  6. ^ a b c いん大栄おおえ 2012, p. 17.
  7. ^ モデル・カーズ 2016ねん11がつごう』、ネコ・パブリッシング、119ぺーじ 
  8. ^ いん大栄おおえ 2012, p. 13-14.
  9. ^ プラモデルの出荷しゅっかがく日本一にっぽんいち”. 静岡しずおかけん. 2013ねん12月17にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2013ねん12月13にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 井田いだひろし日本にっぽんプラモデル興亡こうぼう -わたしの模型もけい人生じんせい-』文春ぶんしゅんネスコ。ISBN 4890361871 
  • 田宮たみや俊作しゅんさく田宮たみや模型もけい仕事しごと 木製もくせいモデルからミニよんまで』文春ぶんしゅんネスコ、1997ねんISBN 9784890369508 
  • 田宮たみや俊作しゅんさく田宮たみや模型もけいをつくった人々ひとびと文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう、2004ねんISBN 9784163662503 
  • いま柊二しゅうじ『プラモデル進化しんかろん―ゼロせんからPGガンダムまで』イーストプレス、2000ねんISBN 9784872572148 
  • 平野ひらの克己かつみこう義之よしゆき―プラモデル・パッケージの世界せかいだい日本にっぽん絵画かいが、1999ねんISBN 9784499227087 
  • 日本にっぽんプラモデル工業こうぎょう協同きょうどう組合くみあい へん日本にっぽんプラモデル50ねん文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう企画きかく出版しゅっぱん、2008ねんISBN 978-4-16-008063-8 
  • 神永かみなが英司えいじ『マルサン物語ものがたり 玩具おもちゃ黄金おうごん時代じだい伝説でんせつ朝日新聞あさひしんぶん出版しゅっぱん、2009ねんISBN 978-4-02-250550-7 
  • くらじたかし『マルサン―ブルマァクの仕事しごと』〈文春ぶんしゅん文庫ぶんこ〉2001ねんISBN 978-4-16-765607-2 
  • いん大栄おおえ「プラモデル産業さんぎょう」(PDF)『地域ちいきイノベーション』、法政大学ほうせいだいがく地域ちいき研究けんきゅうセンター、2012ねんdoi:10.15002/00008192 
  • 『ニッサン グラフ』 昭和しょうわ34ねん6がつごう
  • 『モーターファン』 昭和しょうわ34ねん1がつごう
  • 青木あおきかた 回顧かいころく日精樹脂工業にっせいじゅしこうぎょう 平成へいせい元年がんねん出版しゅっぱん
  • 日本にっぽん模型もけい新聞しんぶん[よう文献ぶんけん特定とくてい詳細しょうさい情報じょうほう]

模型もけいメーカー・業者ぎょうしゃ

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ほか

外部がいぶリンク

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映像えいぞう外部がいぶリンク
  THE MAKING (92) プラモデルができるまで - YouTube