挫 くじけ 滅 めつ 症候群 しょうこうぐん (ざめつしょうこうぐん、クラッシュ症候群 しょうこうぐん 、 外傷 がいしょう 性 せい 横 よこ 紋 もん 筋 すじ 融解 ゆうかい 症 しょう [1] またはバイウォーターズ症候群 しょうこうぐん [2] とも)とは、骨格 こっかく 筋 すじ の挫 くじけ 滅 めつ 損傷 そんしょう (英語 えいご 版 ばん ) 後 ご の重度 じゅうど のショック と腎不全 じんふぜん を特徴 とくちょう とする病状 びょうじょう である。挫 くじけ 滅 めつ 損傷 そんしょう とは、腕 うで 、脚 あし 、または身体 しんたい の他 ほか の部位 ぶい が圧迫 あっぱく され、身体 しんたい の患部 かんぶ に筋肉 きんにく の腫脹 しゅちょう および/または神経 しんけい 学 がく 的 てき 障害 しょうがい を引 ひ き起 お こすものであり、挫 くじけ 滅 めつ 症候群 しょうこうぐん は全身 ぜんしん 症状 しょうじょう を伴 ともな う局所 きょくしょ 的 てき 挫 くじけ 滅 めつ 損傷 そんしょう である[3] 。この病状 びょうじょう は、地震 じしん などの大 だい 災害 さいがい で、倒 たお れたり動 うご いたりする石積 いしつ みの下敷 したじ きになった人 ひと によく起 お こる。救出 きゅうしゅつ まで患者 かんじゃ が比較的 ひかくてき 元気 げんき であっても、急変 きゅうへん の可能 かのう 性 せい がある[4] 。
挫 くじけ 滅 めつ 損傷 そんしょう のある人 ひと は、外傷 がいしょう 診療 しんりょう において最大 さいだい の難題 なんだい のひとつであり、負傷 ふしょう 現場 げんば で医師 いし の注意 ちゅうい が必要 ひつよう な場合 ばあい がある。負傷 ふしょう 者 しゃ の病態 びょうたい 生理学 せいりがく 的 てき に適切 てきせつ な救護 きゅうご が必須 ひっす である[5] 。挫 くじけ 滅 めつ 部位 ぶい の不用意 ふようい な除 じょ 圧 あつ により、挫 くじけ 滅 めつ 組織 そしき からミオグロビン やカリウム などが全身 ぜんしん に急激 きゅうげき に放出 ほうしゅつ され、ショック や腎不全 じんふぜん 、致死 ちし 的 てき な不整脈 ふせいみゃく による心 しん 停止 ていし すら生 しょう じることもある[6] 。
患部 かんぶ を切断 せつだん せずに患者 かんじゃ を解放 かいほう することが可能 かのう な場合 ばあい もあるが、極限 きょくげん 状況 じょうきょう では負傷 ふしょう 現場 げんば での切断 せつだん が必要 ひつよう になることもある。重症 じゅうしょう であることが見落 みお とされる場合 ばあい もあり、致死 ちし 率 りつ は比較的 ひかくてき 高 たか い。日本 にっぽん においては1995年 ねん の阪神 はんしん ・淡路 あわじ 大震災 だいしんさい において有名 ゆうめい となった。
日本 にっぽん の医師 いし である皆 みな 見 み 省吾 しょうご が、1923年 ねん に挫 くじけ 滅 めつ 症候群 しょうこうぐん を初 はじ めて報告 ほうこく した[5] [7] [8] [9] 。彼 かれ は、第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 中 なか に腎不全 じんふぜん で死亡 しぼう した3人 にん の兵士 へいし の病態 びょうたい を研究 けんきゅう した。腎 じん の変化 へんか は過剰 かじょう なミオグロビン の蓄積 ちくせき によるもので、酸素 さんそ 不足 ふそく による筋肉 きんにく の破壊 はかい が原因 げんいん であった。
皆 みな 見 み 省吾 しょうご はドイツ帝国 ていこく 留学 りゅうがく 中 ちゅう に論文 ろんぶん [10] を「Virchows Archiv 」誌 し [11] に寄稿 きこう している。これは第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん の戦傷 せんしょう の腎不全 じんふぜん による死者 ししゃ の病理 びょうり 学 がく 的 てき 検討 けんとう である[7] [8] [9] 。
皆 みな 見 み 省吾 しょうご の論文 ろんぶん 要旨 ようし
症例 しょうれい 1: 砲兵 ほうへい 上等 じょうとう 兵 へい 。受傷 じゅしょう 後 ご 13時 じ 間 あいだ 後 ご に収容 しゅうよう 。左 ひだり 大腿 だいたい 及 およ び下腿 かたい に受傷 じゅしょう 。受傷 じゅしょう 4日 にち 後 ご に尿 にょう が混濁 こんだく し、その日 ひ の夕方 ゆうがた 死亡 しぼう 。剖検 ぼうけん で左 ひだり 大腿 だいたい 上部 じょうぶ の筋肉 きんにく の壊死 えし が著 しる 明 あきら 。
症例 しょうれい 2: 塹壕 ざんごう の中 なか で砲弾 ほうだん が炸裂 さくれつ し両 りょう 下腿 かたい に受傷 じゅしょう 。受傷 じゅしょう 4日 にち 後 ご 濃 こ い血尿 けつにょう となり無 む 尿 にょう 。その夕刻 ゆうこく に死亡 しぼう 。
症例 しょうれい 3: 右 みぎ 上肢 じょうし 、腰部 ようぶ に鈍 どん 的 てき 打撲 だぼく 。5日 にち 後 ご 尿 にょう 量 りょう 減少 げんしょう 。7日 にち 後 ご 死亡 しぼう 。
腎 じん 実質 じっしつ の急性 きゅうせい 退行 たいこう 性 せい 変性 へんせい は急性 きゅうせい 自家 じか 中毒 ちゅうどく であり、これはメトヘモグロビン尿 にょう 、腎 じん のメトヘモグロビン梗塞 こうそく の像 ぞう が示 しめ している血球 けっきゅう 破壊 はかい によって証明 しょうめい される。これはすべての生 い き埋 う め例 れい で見 み られる多数 たすう の壊死 えし 部 ぶ の筋肉 きんにく 蛋白 たんぱく 崩壊 ほうかい に基 もと 因 いん している。
この症候群 しょうこうぐん は、後 のち にイギリスの医師 いし エリック・バイウォーターズ(Eric Bywaters) (英語 えいご 版 ばん ) によって、第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 中 なか の1941年 ねん のロンドン大 だい 空襲 くうしゅう (ザ・ブリッツ )の際 さい の患者 かんじゃ で報告 ほうこく された[12] [13] 。そこで、報告 ほうこく 者 しゃ の名 な にちなんで挫 くじけ 滅 めつ 症候群 しょうこうぐん はバイウォーターズ症候群 しょうこうぐん とも呼 よ ばれるようになった[12] [2] 。
原因 げんいん および症状 しょうじょう
編集 へんしゅう
この症候群 しょうこうぐん は再 さい 灌流障害 しょうがい (英語 えいご 版 ばん ) であり、挫 くじけ 滅 めつ 圧力 あつりょく の解放 かいほう 後 ご に生 しょう じる。その機 き 序 じょ は、横 よこ 紋 もん 筋 すじ 融解 ゆうかい 症 しょう (虚 きょ 血 ち 状態 じょうたい によって損傷 そんしょう した骨格 こっかく 筋 すじ の分解 ぶんかい )の産物 さんぶつ である筋 すじ 分解 ぶんかい 産物 さんぶつ 、特 とく にミオグロビン、カリウム およびリン が血 ち 流 りゅう に放出 ほうしゅつ されることであると考 かんが えられている。一方 いっぽう 、本 ほん 症 しょう の病態 びょうたい は筋肉 きんにく の直接的 ちょくせつてき な挫 くじけ 滅 めつ に限 かぎ らず、長時間 ちょうじかん の圧迫 あっぱく による血 ち 流 りゅう 、循環 じゅんかん 障害 しょうがい が本態 ほんたい であることから、英名 えいめい はCrush syndromeであっても、和名 わみょう はそれの直訳 ちょくやく である挫 くじけ 滅 めつ 症候群 しょうこうぐん ではなく、圧 あつ 挫 くじけ 症候群 しょうこうぐん と呼称 こしょう している学会 がっかい 組織 そしき もある[4] [15] 。
腎臓 じんぞう に対 たい する特異 とくい 的 てき な作用 さよう は完全 かんぜん には解明 かいめい されていないが、ミオグロビンの腎 じん 毒性 どくせい 代謝 たいしゃ 産物 さんぶつ によるところもあるかもしれない。
最 もっと も壊滅 かいめつ 的 てき な全身 ぜんしん への影響 えいきょう は、事前 じぜん の適切 てきせつ な準備 じゅんび なしに挫 くじけ 滅 めつ 部分 ぶぶん の圧 あつ が突然 とつぜん 解除 かいじょ され、再 さい 灌流症候群 しょうこうぐん を引 ひ き起 お こしたときに起 お こりうる。組織 そしき が直接的 ちょくせつてき な挫 くじけ 滅 めつ を受 う けるだけでなく、四肢 しし の組織 そしき が突然 とつぜん 再 さい 酸素 さんそ 化 か される。適切 てきせつ な準備 じゅんび がなければ、患者 かんじゃ は疼痛 とうつう コントロールにより、再 さい 還流 かんりゅう 前 まえ は元気 げんき であっても、その直後 ちょくご に突然 とつぜん 死亡 しぼう することがある。これは"smiling death"と呼 よ ばれる[16] 。
こうした全身 ぜんしん への影響 えいきょう は、外傷 がいしょう 性 せい 横 よこ 紋 もん 筋 すじ 融解 ゆうかい 症 しょう によって引 ひ き起 お こされる。横 よこ 紋 もん 筋 すじ 融解 ゆうかい 症 しょう では、患部 かんぶ に水分 すいぶん 、カルシウム とナトリウム が吸収 きゅうしゅう される一方 いっぽう 、カリウム、ミオグロビン、リン酸 さん 、トロンボプラスチン (英語 えいご 版 ばん ) 、クレアチン 、クレアチンキナーゼ が放出 ほうしゅつ される。
挫 くじけ 滅 めつ 症候群 しょうこうぐん は、患部 かんぶ を放置 ほうち すると、コンパートメント症候群 しょうこうぐん から直接 ちょくせつ 発症 はっしょう する可能 かのう 性 せい がある[17] 。症状 しょうじょう には、疼痛 とうつう (pain)、蒼白 そうはく (pallor)(英語 えいご 版 ばん ) 、パレステジア(paresthesia) (英語 えいご 版 ばん ) (ピンと針 はり が刺 さ すような痛 いた み)、麻痺 まひ (paralysis)、脈拍 みゃくはく 触 さわ 知 ち 不可 ふか (pulseless)という「5つのP」が含 ふく まれる[18] 。
クラッシュ症候群 しょうこうぐん の進行 しんこう の流 なが れ図 ず 。図 ず 中 ちゅう の略語 りゃくご は以下 いか の通 とお り。 MC:Most common(最多 さいた )、#: 骨折 こっせつ 、MODS: multiple organ dysfunction syndrome(多 た 臓器 ぞうき 不全 ふぜん 症候群 しょうこうぐん )、RTN: renal tubular necrosis(腎 じん 尿 にょう 細管 さいかん 壊死 えし ) 横 よこ 紋 もん 筋 すじ 融解 ゆうかい 症 しょう は壊死 えし であるため、横 よこ 紋 もん 筋 すじ 融解 ゆうかい 症 しょう の影響 えいきょう や損傷 そんしょう を元 もと に戻 もど すことができる明確 めいかく な治療 ちりょう 法 ほう はない[19] 。 しかし、早期 そうき に一貫 いっかん して行動 こうどう することで、より多 おお くの合併症 がっぺいしょう を引 ひ き起 お こす可能 かのう 性 せい のある病態 びょうたい の発生 はっせい 率 りつ を低下 ていか させることができる[20] 。 全体 ぜんたい 的 てき な治療 ちりょう は、患者 かんじゃ に水分 すいぶん を補給 ほきゅう することで行 おこな われる腎不全 じんふぜん (腎不全 じんふぜん )の予防 よぼう に依存 いぞん する。また、尿 にょう のpHをより塩基 えんき 性 せい にすること(尿 にょう のアルカリ化 か )にも依存 いぞん する[20] 。
治療 ちりょう を受 う けていない即時 そくじ の挫 くじけ 滅 めつ 症候群 しょうこうぐん による死亡 しぼう は、重度 じゅうど の頭部 とうぶ 損傷 そんしょう 、腹部 ふくぶ 臓器 ぞうき の損傷 そんしょう を伴 ともな う体 からだ 幹 みき 損傷 そんしょう 、および窒息 ちっそく (酸素 さんそ の極度 きょくど の不足 ふそく )によって引 ひ き起 お こされる。早期 そうき の未 み 治療 ちりょう の挫 くじけ 滅 めつ 症候群 しょうこうぐん は、高 こう カリウム血 ち 症 しょう および循環 じゅんかん 血液 けつえき 量 りょう 減少 げんしょう 性 せい ショック によって引 ひ き起 お こされる。未 み 治療 ちりょう の挫 くじけ 滅 めつ 症候群 しょうこうぐん の後期 こうき の死亡 しぼう は、腎不全 じんふぜん 、血液 けつえき 凝固 ぎょうこ 障害 しょうがい および出血 しゅっけつ 、敗血症 はいけつしょう によって引 ひ き起 お こされる[20] 。
挫 くじけ 滅 めつ 症候群 しょうこうぐん の危険 きけん 性 せい から、(英国 えいこく では)専門 せんもん 家 か 以外 いがい の初期 しょき 救護 きゅうご 者 しゃ に対 たい する現在 げんざい の推奨 すいしょう は、15分 ふん 以上 いじょう 閉 と じ込 こ められている挫 くじけ 滅 めつ 損傷 そんしょう (英語 えいご 版 ばん ) 患者 かんじゃ をすぐに圧 あつ から解放 かいほう しないことである[21] 。
受傷 じゅしょう 現場 げんば での管理 かんり
編集 へんしゅう
低 てい 血圧 けつあつ の許容 きょよう (制限 せいげん 的 てき 輸液療法 りょうほう )は賢明 けんめい ではない。慎重 しんちょう な輸液負荷 ふか と炭酸 たんさん 水素 すいそ ナトリウム の静脈 じょうみゃく 内 ない 投与 とうよ が賢明 けんめい であり、特 とく に挫 くじけ 滅 めつ 圧 あつ が4時間 じかん 以上 いじょう 患者 かんじゃ にかかった場合 ばあい 、多 おお くの場合 ばあい は1時間 じかん 以上 いじょう 持続 じぞく した場合 ばあい にも行 おこな う。サンフランシスコの救急 きゅうきゅう 隊 たい のプロトコールでは、成人 せいじん の基本 きほん 的 てき な投与 とうよ 量 りょう は、2Lの生理 せいり 食 しょく 塩水 えんすい のボーラス投与 とうよ に続 つづ いて500mL/hを投与 とうよ することであり、「小児 しょうに 患者 かんじゃ および心 しん 機能 きのう 障害 しょうがい または腎 じん 機能 きのう 障害 しょうがい の既往 きおう 歴 れき のある患者 かんじゃ については、この輸液量 りょう を制限 せいげん すること」、とある [22] 。
可能 かのう ならば、現場 げんば において水分 すいぶん 補給 ほきゅう (患者 かんじゃ が水 みず を飲 の める場合 ばあい のみ、誤 あやま 嚥 えん に十分 じゅうぶん 注意 ちゅうい して無理 むり に飲 の ませない)、毛布 もうふ 等 とう による保温 ほおん 、酸素 さんそ 投与 とうよ を行 おこな うことが望 のぞ ましい。
止血 しけつ 帯 たい の使用 しよう は、挫 くじけ 滅 めつ に関連 かんれん した傷害 しょうがい の生命 せいめい を脅 おびや かす合併症 がっぺいしょう の発生 はっせい を引 ひ き延 の ばすことができ、失 うしな われた水分 すいぶん を医学 いがく 的 てき に体内 たいない にすぐに戻 もど すことができない場合 ばあい の第 だい 二 に の選択肢 せんたくし となる。患者 かんじゃ が2時間 じかん 以上 いじょう 何 なに かに挟 はさ まれている場合 ばあい は、止血 しけつ 帯 たい の使用 しよう を考慮 こうりょ する[23] 。患部 かんぶ の心臓 しんぞう に近 ちか い側 がわ をゴムバンドなどで締 し めることで圧 あつ の解放 かいほう 直後 ちょくご に急激 きゅうげき にカリウム が心臓 しんぞう に回 まわ るのを防 ふせ ぐことができるが、あくまで応急 おうきゅう 処置 しょち であり、また締 し め付 つ けすぎでは悪化 あっか を招 まね くため、専門 せんもん 知識 ちしき がある医師 いし 等 とう が施行 しこう すべきである。
病院 びょういん での初期 しょき 治療 ちりょう
編集 へんしゅう
臨床 りんしょう 医 い は、低 てい 血圧 けつあつ 、腎不全 じんふぜん 、アシドーシス、高 こう カリウム血 ち 症 しょう 、低 てい カルシウム血 ち 症 しょう から患者 かんじゃ を保護 ほご しなければならない。集中 しゅうちゅう 治療 ちりょう 室 しつ 、できれば外傷 がいしょう 学 がく の経験 けいけん が豊富 ほうふ な集中 しゅうちゅう 治療 ちりょう 室 しつ への入室 にゅうしつ が適切 てきせつ であろう。元気 げんき そうな患者 かんじゃ でも経過 けいか 観察 かんさつ が必要 ひつよう である。開放 かいほう 創 そう は外科 げか 的 てき に適切 てきせつ な処置 しょち をし、デブリードマン (必要 ひつよう ならば)を行 おこな い、抗生 こうせい 物質 ぶっしつ 、破傷風 はしょうふう トキソイド を投与 とうよ する。呼吸 こきゅう と循環 じゅんかん をチェックし、必要 ひつよう であれば酸素 さんそ 吸入 きゅうにゅう を行 おこな う。電解 でんかい 質 しつ 、動脈血 どうみゃくけつ ガス 、筋 すじ 酵素 こうそ の測定 そくてい 結果 けっか に応 おう じて、経口 けいこう 補 ほ 液 えき または静脈 じょうみゃく 内 ない 輸液を行 おこな わなければならない[20] 。
ショック による低 てい 血圧 けつあつ を予防 よぼう するために、最大 さいだい 1.5L/hの細胞 さいぼう 外 がい 液 えき 補給 ほきゅう を継続 けいぞく する。生理 せいり 食塩 しょくえん 液 えき や乳酸 にゅうさん リンゲル液 りんげるえき (ラクテック注 ちゅう 、ソルラクト注 ちゅう など)、酢酸 さくさん リンゲル液 りんげるえき (ヴィーンFなど)を用 もち いる。1日 にち 輸液量 りょう は10 - 20Lを要 よう する場合 ばあい もある。輸液とマンニトール で尿 にょう 量 りょう を維持 いじ し、尿 にょう 量 りょう が維持 いじ できない場合 ばあい は血液 けつえき 透析 とうせき を考慮 こうりょ する。ミオグロビンや尿 にょう 酸 さん が腎臓 じんぞう に沈着 ちんちゃく するのを防 ふせ ぐため、炭酸 たんさん 水素 すいそ ナトリウムを静脈 じょうみゃく 内 ない 投与 とうよ して尿 にょう のpHを6.5以上 いじょう に保 たも つ。本 ほん 症 しょう は致死 ちし 的 てき な高 こう カリウム状態 じょうたい を引 ひ き起 お こす恐 おそ れがあるため、高 こう 濃度 のうど カリウムを含 ふく む輸液(細胞 さいぼう 内 ない 液 えき 、維持 いじ 液 えき など)は望 のぞ ましくない。
コンパートメント症候群 しょうこうぐん を併発 へいはつ した挫 くじけ 滅 めつ 症候群 しょうこうぐん 。減 げん 張 ちょう 切開 せっかい が行 おこな われている。
アシドーシス 、高 こう カリウム血 ち 症 しょう 、低 てい カルシウム血 ち 症 しょう を予防 よぼう ・治療 ちりょう するには、以下 いか の投与 とうよ を考慮 こうりょ する(成人 せいじん の場合 ばあい )[3] 。
それでも、不整脈 ふせいみゃく が発現 はつげん することがある。生体 せいたい 情報 じょうほう モニタ(心電図 しんでんず 、SpO2 、血圧 けつあつ )を行 おこな い、特定 とくてい の治療 ちりょう を速 すみ やかに開始 かいし することが望 のぞ ましい。また、圧 あつ 挫 くじけ された患部 かんぶ が腫脹 しゅちょう してコンパートメント症候群 しょうこうぐん を起 お こしている場合 ばあい など、状況 じょうきょう によっては医師 いし の判断 はんだん により、患部 かんぶ の減 げん 張 ちょう 切開 せっかい や切断 せつだん を行 おこな うこともある。
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