「砲丸ほうがん投とう」の版はん間あいだの差分さぶん

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2024年ねん5月がつ18日にち (土)ど 03:18時点じてんにおける版はん

砲丸ほうがん投とう（ほうがんなげ）は、陸上りくじょう競技きょうぎのうち、フィールド競技きょうぎに属ぞくし、投とうてき競技きょうぎの種目しゅもくで、砲丸ほうがんを遠とおくに投なげる能力のうりょくを競きそう競技きょうぎである。

陸上りくじょう競技きょうぎにおける正ただしい表記ひょうきは砲丸ほうがん投とうであるが、学校がっこう教育きょういくや新聞しんぶん記事きじなど陸上りくじょう競技きょうぎ関係かんけい者しゃ以外いがいが多おおく関かかわる場面ばめんでは砲丸投ほうがんなげと表記ひょうきされることもある。

規定きてい

砲丸ほうがんの重おもさは、性別せいべつ（男子だんし・女子じょし）と年齢ねんれい（一般いっぱん・高校こうこう・中学ちゅうがく）によって定さだめられている。2.135メートル（7フィート）の円えん内ないから前方ぜんぽうに投とうてきする。投とうてきの円えん内ないを中心ちゅうしんとする、34.92度どの扇形せんけいの内側うちがわの地面じめんに落下らっかしたものだけが有効ゆうこうな試技しぎとなり、それ以外いがいの場所ばしょに落おちた投とうてきは記録きろくなし（ファール）となる。線上せんじょうはファールである。またサークルの中心ちゅうしんから左右さゆうに横線おうせんが引ひかれており、その線せんの後うしろ以外いがいから出でるとファールとなる。

投とうてき方法ほうほう

規定きてい上じょう、砲丸ほうがんが両りょう肩かたを結むすぶ線せんより後方こうほうになってはならないため、砲丸ほうがんをあご若もしくは首くびの付近ふきんで固定こていし、片手かたてで押おし出だすように投なげる。いわゆる野球やきゅうのピッチャー投なげ、または投とうてきの手てを伸のばし円盤投えんばんなげの手法しゅほうで投とうてきするのは、ファウルとなる。

また、滑すべりにくくするために炭酸たんさんマグネシウム(陸上りくじょう用語ようごでは炭すみマグ(タンマグ))を砲丸ほうがんや首くびにつける選手せんしゅもいる^{[注ちゅう 1]}。

グライド投とう法ほう（オブライエン投とう法ほう）

パリー・オブライエン(アメリカ)によって1950年代ねんだいに考案こうあんされた投とう法ほうで、投とうてき方向ほうこうに背せを向むける形かたちで構かまえ、後うしろ向むきに助走じょそう（グライド）し、投とうてき方向ほうこうに半はん回転かいてんしながら砲丸ほうがんを突つき出だす。上体じょうたいの起おこしと捻ひねりから生うまれる力ちからをより長ながい時間じかん砲丸ほうがんに加くわえることで、それまでの投とう法ほうよりも飛ひ距離きょりを稼かせげることから1980年代ねんだいまでは世界せかい的てきに最もっとも用もちいられた投とうてき方法ほうほうだった。

グライド投とう法ほうは（回転かいてん投とう法ほうに比くらべ）習得しゅうとくしやすく、助走じょそうなしの場合ばあいより1ｍ～2.5mの飛ひ距離きょりアップが見込みこめることから、現在げんざいでも混成こんせい競技きょうぎやサブ種目しゅもくとして砲丸ほうがん投とうに取とり組くむ選手せんしゅに人気にんきの投とう法ほうである。

グライド投とう法ほうの最高さいこう記録きろくは1988年ねんのウルフ・ティンマーマン（旧きゅう東ひがしドイツ）による23m06cmである。

回転かいてん投とう法ほう

1970年代ねんだいにブライアン・オールドフィールド(アメリカ)、アレクサンドル・バリシニコフ(ソ連それん)などが用もちいて好こう記録きろくを樹立じゅりつしたことで注目ちゅうもくされ、現在げんざいでは砲丸ほうがん投とうの主流しゅりゅうな投とう法ほうである。2017年ねんの世界せかい陸上りくじょうでは決勝けっしょうに進出しんしゅつした全ぜん選手せんしゅが回転かいてん投とう法ほうを用もちいた。

円盤えんばん投とうと同おなじく、片足かたあしから片足かたあしへ体重たいじゅうを移動いどうさせながら投とうてき方向ほうこうに向むかって１回転かいてん半はんし、ターンによる体からだの加速かそくを砲丸ほうがんに加くわえながら突つき出だす。

グライド投とう法ほうと比較ひかくすると、回転かいてん投とう法ほうは要求ようきゅうされる動うごきが難むずかしいテクニックのため、自分じぶんに合あう最適さいてきな動うごきに調整ちょうせいするために多おおくの時間じかんが必要ひつようとされている。

国内こくないでの運用うんよう

日本にっぽんの陸上りくじょう競技きょうぎの円盤えんばん投とう及および砲丸ほうがん投とうは、実力じつりょくが世界せかいレベルに遠とおい。世界せかいでは、1980年代ねんだいの時点じてんで、男女だんじょ共どもにジュニア記録きろくでも20メートルを超こえているのに対たいし、日本にっぽんではまだ20メートルの壁かべを破やぶった選手せんしゅが居いない。

現在げんざい、日本にっぽんは高校生こうこうせいまではグライド投とう法ほうが主流しゅりゅうであるが、大学だいがくで回転かいてん投とう法ほうに移行いこうする選手せんしゅが多おおくなっている。（2023年ねん日本にっぽんインカレでは出場しゅつじょう選手せんしゅ19人にん中ちゅう17人にんが回転かいてん投とう法ほうである。）

しかし、安定あんていした記録きろくを出だせるまでに習熟しゅうじゅくするには時間じかんのかかる投とう法ほうであることから、敬遠けいえんする選手せんしゅがいることも事実じじつである。

起源きげん

砲丸ほうがん投とうの原型げんけいは、重おもい物ものを遠とおくに投なげる「力ちから比くらべ」である。その昔むかし、石いしや砲弾ほうだんを投なげるスポーツが行おこなわれていた。近代きんだい的てきな規定きていは19世紀せいきのスコットランドの競技きょうぎが原形げんけいである^[1]。19世紀せいき末まつ当時とうじのサークルは2メートル強きょうの大おおきさの四角しかくい囲がこいだったが、後のちに現在げんざいのような円形えんけいのものに変更へんこうされた^[2]。