河合良成

日本にっぽんの政治せいじ家か 河合かわい 良成よしなり かわい よしなり
生年月日せいねんがっぴ	1886年ねん5月がつ10日とおか
出生しゅっしょう地ち	日本にっぽん 富山とやま県けん福光ふくみつ町まち
没ぼつ年月日ねんがっぴ	1970年ねん5月14日にち（84歳さい没ぼつ）
出身しゅっしん校こう	東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく
前ぜん職しょく	農林のうりん次官じかん 農のう商務しょうむ官僚かんりょう
所属しょぞく政党せいとう	自由党じゆうとう
称号しょうごう	富山とやま県けん高岡たかおか市し名誉めいよ市民しみん
第だい15代だい 厚生こうせい大臣だいじん
内閣ないかく	第だい1次じ吉田よしだ内閣ないかく
在任ざいにん期間きかん	1946年ねん5月22日にち - 1947年ねん5月24日にち
衆議院しゅうぎいん議員ぎいん
選挙せんきょ区く	旧きゅう富山とやま2区く
当選とうせん回数かいすう	1回かい
在任ざいにん期間きかん	1952年ねん - 1953年ねん
貴族きぞく院いん議員ぎいん
選挙せんきょ区く	勅みことのり選せん議員ぎいん
在任ざいにん期間きかん	1946年ねん3月12日にち - 1947年ねん5月2日にち

河合かわい 良成よしなり（かわい よしなり、明治めいじ19年ねん（1886年ねん）5月がつ10日とおか - 昭和しょうわ45年ねん（1970年ねん）5月14日にち）は、日本にっぽんの農のう商務しょうむ官僚かんりょう、政治せいじ家か、実業じつぎょう家か。富山とやま県けん高岡たかおか市し名誉めいよ市民しみん。

第だい1次じ吉田よしだ内閣ないかくの厚生こうせい大臣だいじん、小松製作所こまつせいさくしょ会長かいちょう、経団連けいだんれん常任じょうにん理事りじ。

経歴けいれき

生おい立たち

富山とやま県けん福光ふくみつ町まち（現げん南みなみ砺市）の酒造しゅぞう家かに生うまれた。隣家りんかは、政治せいじ家かの松村まつむら謙三けんぞう宅たくだった。父ちち･藤吉ふじよしは若わかい時ときから伏木ふしき（現げん高岡たかおか市し）で汽船きせん会社かいしゃを経営けいえいし直江津なおえつ、能登のと、伏木ふしき間あいだなどの汽船きせんの仕事しごとをしていた。そのため少年しょうねん期きは伏木ふしきで育そだった。

学生がくせい時代じだい

明治めいじ44年ねん（1911年ねん）東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく卒業そつぎょう

農のう商務省しょうむしょうへ

農のう商務省しょうむしょうに入省にゅうしょう。大正たいしょう7年ねん（1918年ねん）8月がつ外米がいまい課長かちょうのとき、郷里きょうりの富山とやま県けんで米べい騒動そうどうが起おき全国ぜんこくに波及はきゅうし、寺内てらうち正毅まさき内閣ないかくが総そう辞職じしょくしたのを受うけて引責いんせき辞任じにんした。

東ひがし株かぶ時代じだい

郷ごう誠之助せいのすけの誘さそいで東京とうきょう株式かぶしき取引とりひき所しょ（現げん･東京とうきょう証券しょうけん取引とりひき所しょ）に入はいり、大正たいしょう8年ねん（1919年ねん）末まつから大正たいしょう9年ねん（1920年ねん）にかけ6ヶ月かげつほど欧米おうべいの取引とりひき所しょ視察しさつ旅行りょこうに出でかけ､帰かえってきてから常務じょうむ理事りじになった。

東ひがし株かぶ時代じだいから15年間ねんかんほど東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく、慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがく、中央大学ちゅうおうだいがく、専修大学せんしゅうだいがくなどで「取引とりひき所論しょろん」を教おしえた。

帝人ていじん事件じけん

昭和しょうわ9年ねん（1934年ねん）、帝国ていこく人造じんぞう絹糸けんし株かぶの売買ばいばいに関かんして疑惑ぎわくがあるとマスコミによって問題もんだい化かされる。第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせん前後ぜんこうの財界ざいかいの世話せわ役やくだった郷ごう誠之助せいのすけを囲かこむ少壮しょうそう財界ざいかい人じんや若手わかて官僚かんりょうの勉強べんきょう会かい「番ばん町まち会かい」を岩倉いわくら具ぐ光こう、後藤ごとう圀彦と設立せつりつしたが、同どう会かいの会員かいいんが次々つぎつぎに検挙けんきょされた（帝人ていじん事件じけん）。

河合かわいも逮捕たいほされ獄舎ごくしゃにつながれてしまった。いまではこの事件じけんは斎藤さいとう実みのる内閣ないかく倒閣とうかくを目論もくろんだ、司法しほう部ぶ内ないの平沼ひらぬま騏一郎きいちろう系けいファッショ勢力せいりょくによる政治せいじ的てき謀略ぼうりゃくだったという見方みかたが通説つうせつになっており、結局けっきょく無罪むざい判決はんけつを勝かち取とる。

政治せいじ家かとして

昭和しょうわ17年ねん（1942年ねん)に東京とうきょう市し助役じょやくに就任しゅうにん。戦後せんご、昭和しょうわ20年ねん（1945年ねん）10月がつ、幣ぬさ原ばら内閣ないかくの松村まつむら謙三けんぞう農林のうりん大臣だいじんの下したで農林のうりん次官じかんを務つとめ、1946年ねん（昭和しょうわ21年ねん）3月がつ12日にち、貴族きぞく院いん勅みことのり選せん議員ぎいんに任にんじられ、同年どうねん5月がつに第だい1次じ吉田よしだ内閣ないかくの厚生こうせい大臣だいじんとなった。昭和しょうわ22年ねん（1947年ねん）には経営けいえい不振ふしんだった小松製作所こまつせいさくしょの社長しゃちょうに就任しゅうにんし、再建さいけんにあたったが、公職こうしょく追放ついほう処分しょぶんを受うけた。

昭和しょうわ25年ねん（1950年ねん）10月13日にち、公職こうしょく追放ついほう解除かいじょの閣議かくぎ決定けってい後ご、昭和しょうわ27年ねん（1952年ねん）に吉田よしだの勧すすめで郷里きょうりの富山とやま2区く（当時とうじ）から衆議院しゅうぎいん議員ぎいんに立候補りっこうほし当選とうせんする。だが、その際さいに同おなじ福光ふくみつ町まち出身しゅっしんでかつて河合かわいを事務次官じむじかんに取とり立たてた松村まつむら謙三けんぞうの対抗たいこう馬ばとして出馬しゅつばする形かたちとなったために、故郷こきょうでは激はげしく非難ひなんされたと言いわれている。

昭和しょうわ37年ねん（1962年ねん）には第だい一いち次じ訪おとずれソ経済けいざい使節しせつ団だん団長だんちょう、昭和しょうわ41年ねん（1966年ねん）には訪おとずれ中なか経済けいざい使節しせつ団だん団長だんちょうとして、共産きょうさん圏けんとの貿易ぼうえき拡大かくだいに尽力じんりょくした。また、日本にっぽん経団連けいだんれん、経団連けいだんれんの常務じょうむ理事りじとして財界ざいかいを指導しどうした。

昭和しょうわ45年ねん（1970年ねん）5月がつ14日にち、84歳さいにて死去しきょ。

家族かぞく・親族しんぞく

河合かわい家か

• 父ちち・藤吉ふじよし（汽船きせん会社かいしゃ経営けいえい）

河合かわいによれば｢父ちちは当時とうじ汽船きせん会社かいしゃをやっていたのだが、私わたしの学費がくひにかなり苦心くしんしていたらしい。もともと父ちちはビジネスマンなので、私わたしを商業しょうぎょう系統けいとうの学校がっこうへ入いれたかったようだったが、分家ぶんけから学士がくしが三さん人にんも出でたので、それに刺激しげきされ、私わたしを最高さいこう学府がくふへ…という考かんがえになり、大学だいがくへまでやってくれたわけだ｣という。

• 妹いもうと・さわ（元もと三重みえ高等こうとう農林のうりん教授きょうじゅ増渕ますぶち次つぎ助すけの妻つま）

同どう娘むすめ・充子みつこ（元もと政治せいじ評論ひょうろん家か藤原ふじわら弘ひろし達たちの妻つま）

• 末すえ妹いもうと・房子ふさこ（元もと大日だいにち日本にっぽん電線でんせん取締役とりしまりやく崎山さきやま省吾しょうごの妻つま）

同どう長女ちょうじょ・淑子としこ（元もと農林のうりん漁業ぎょぎょう金融きんゆう公庫こうこ総裁そうさい武田たけだ誠まこと三さんの妻つま）

• 弟おとうと・鉄二てつじ（銀行ぎんこう家か）

同どう妻つま・千代子ちよこ（東京とうきょう川崎かわさき財閥ざいばつ2代目だいめ当主とうしゅ川崎かわさき八右衛門はちえもんの娘むすめ）

同どう娘むすめ・茂子しげこ（元もと山下やました汽船きせん会長かいちょう山下やました太郎たろうの妻つま）

• 妻つま・千枝子ちえこ（法学ほうがく博士はかせ桑田くわた熊蔵くまぞうの娘むすめ）
• 長男ちょうなん・良一りょういち（官僚かんりょう、実業じつぎょう家か） - 商工しょうこう・通産つうさん官僚かんりょうを経へて小松製作所こまつせいさくしょ社長しゃちょう、会長かいちょうを歴任れきにん。2008年ねん11月12日にち逝去せいきょ。

同どう前妻ぜんさい・清子きよこ（元もと弁護士べんごし長島ながしま勇雄いさおの娘むすめ）

同どう後妻ごさい・淳子じゅんこ（元もと東芝とうしば副ふく社長しゃちょう田島たじま繁二しげじの二女じじょ）

同どう長男ちょうなん・良秋よしあき（実業じつぎょう家か）

同どう妻つま・順子じゅんこ（元もと富山とやま県知事けんちじ中田なかた幸吉こうきちの長女ちょうじょ、元もと防衛庁ぼうえいちょう長官ちょうかん愛知あいち和男かずおのいとこ）

• 二男じなん・二に良りょう（実業じつぎょう家か）

同どう妻つま・則子のりこ（元もと明治めいじ製糖せいとう社長しゃちょう藤野ふじの幹みきの二女じじょ）

同どう二女じじょ・久美子くみこ（元もと東洋とうようパルプ会長かいちょう渡辺わたなべ佳英よしひでの長男ちょうなん壮たけし嘉よしみの妻つま）

• 三男さんなん・三良さぶろう（官僚かんりょう･元もと行政管理庁ぎょうせいかんりちょう事務次官じむじかん）
• 四男よつお・良之よしゆき（実業じつぎょう家か･元もと日鉄商事にってつしょうじ専務せんむ）
• 五男いつお・良吾りょうご（実業じつぎょう家か）
• 長女ちょうじょ・道子みちこ（住友すみとも財閥ざいばつの大だい番頭ばんがしらだった松本まつもと順吉じゅんきちの息子むすこ、元もと明治学院大学めいじがくいんだいがく教授きょうじゅ松本まつもと信次しんじの妻つま）
• 二女じじょ・ふみ子こ（米べい原はら正章まさあきの妻つま）
• その他たの親戚しんせき

町村ちょうそん金きん五ご（官僚かんりょう、政治せいじ家か） - 妻つま二に葉ようは桑田くわた熊蔵くまぞうの娘むすめ

郷ごう誠之助せいのすけ（実業じつぎょう家か） - 義妹ぎまい・千代子ちよこの伯父おじ

岩崎いわさき勝太郎かつたろう（実業じつぎょう家か・経営けいえいコンサルタント） - 義妹ぎまい・千代子ちよこの従弟じゅうてい

柳沢やなぎさわ保たもつ申さる（大和やまと郡山こおりやま藩はんの最後さいごの藩主はんしゅ） - 義妹ぎまいの従弟じゅうてい・岩崎いわさき勝太郎かつたろうの外祖父がいそふ

高木たかぎ正ただし得とく（崇たかし仁じん親王しんのう妃ひ百合子ゆりこの実父じっぷ） - 義妹ぎまいの従妹じゅうまい・入江いりえ君子きみこの義兄ぎけいなど

著書ちょしょ

• 取引とりひき所しょ講話こうわ 二酉にのとり社しゃ, 1921.
• 非常時ひじょうじの経済けいざい対策たいさく 千倉ちくら書房しょぼう, 1932.
• 価格かかく統制とうせい論ろん 改造かいぞう社しゃ, 1933. 日本にっぽん統制とうせい経済けいざい全集ぜんしゅう
• 国家こっか改造かいぞうの原理げんり及其実行じっこう 主ぬしとして経済けいざい的てき観察かんさつ 日本にっぽん評論ひょうろん社しゃ, 1934.
• 帝人ていじん公判廷こうはんてい最終さいしゅう陳述ちんじゅつ 昭和しょうわ十じゅう二に年ねん十じゅう月がつ五ご日にち 元げん亨とおる社しゃ, 1937.
• 戦時せんじ統制とうせい経済けいざいの批判ひはん 新しん日本にっぽん同盟どうめい, 1938. 新しん日本にっぽん同盟どうめい会報かいほう
• 帝人ていじん心境しんきょう録ろく アジア書房しょぼう, 1938.
• 帝人ていじん事件じけんは何故なぜ無罪むざいになつたか 松崎まつざき嗣郎つぎお編へん. 新生しんせい社しゃ書店しょてん, 1938.
• 日本にっぽん経済けいざいをどうするか 昭和しょうわ図書としょ, 1939.
• 戰時せんじ断だん想そう 昭和しょうわ圖書としょ, 1943.1.
• 私わたしの人生じんせい遍路へんろ 実業之日本社じつぎょうのにほんしゃ, 1952.
• 米穀べいこく法ほう施行しこう前まえの米価べいか問題もんだい 河合かわい良成よしなり, 1961序じょ.
• フルシチョフ首相しゅしょうとの三さん時間じかん 私わたしの訪ほうソ手記しゅき 講談社こうだんしゃ, 1964.
• 明治めいじの一いち青年せいねん像ぞう 講談社こうだんしゃ, 1969.
• 孤軍こぐん奮闘ふんとうの三さん十じゅう年ねん 講談社こうだんしゃ, 1970.
• 帝人ていじん事件じけん 三さん十じゅう年ねん目めの証言しょうげん 講談社こうだんしゃ, 1970.
• 米穀べいこく法ほう施行しこう前まえの米価べいか問題もんだい 他た 覆刻ふっこく版ばん 小松製作所こまつせいさくしょ総務そうむ部ぶ社しゃ史し編集へんしゅうグループ, 1999.8.

参考さんこう文献ぶんけん

• 『私わたしの履歴りれき書しょ 第だい四よん集しゅう』　日本経済新聞社にほんけいざいしんぶんしゃ 1957年ねん 97-124頁ぺーじ
• 佐藤さとう朝ちょう泰たい 『豪ごう閥ばつ 地方ちほう豪族ごうぞくのネットワーク』 2001年ねん 16-18頁ぺーじ、402-413頁ぺーじ

関連かんれん項目こうもく

• 日本にっぽん花はなの会かい - 河合かわい良成よしなりの提唱ていしょうにより創立そうりつ
• 私わたしの履歴りれき書しょ

外部がいぶリンク

• 高岡たかおか市し秘書ひしょ課か　名誉めいよ市民しみん　河合かわい良成よしなり

先代せんだい 芦田あしだ均ひとし

厚生こうせい大臣だいじん 第だい15代だい：1946 - 1947

次代じだい 吉田よしだ茂しげる(臨時りんじ代理だいり)