90しき戦車せんしゃ

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90しき戦車せんしゃ
性能せいのうしょもと
全長ぜんちょう 9.80m
車体しゃたいちょう 7.55m
全幅ぜんぷく 3.40m(サイドスカートをふくむ)
ぜんこう 2.30m(標準ひょうじゅん姿勢しせい
重量じゅうりょう 50.2t
懸架けんか方式ほうしき ハイブリッドしき
油気あぶらけあつ・トーションバー併用へいよう
速度そくど 70km/h
加速かそく性能せいのう0-200mまで20びょう
行動こうどう距離きょり 350km
主砲しゅほう 44口径こうけい120mmすべり腔砲Rh120
ふく武装ぶそう 74しき車載しゃさい7.62mm機関きかんじゅう主砲しゅほう同軸どうじく
12.7mmじゅう機関きかんじゅうM2砲塔ほうとう上面うわつら
装甲そうこう ふくあい装甲そうこう
砲塔ほうとう前面ぜんめん およ車体しゃたい前面ぜんめん
エンジン 三菱みつびし10ZG32WT
水冷すいれい2ストロークVがた10気筒きとうターボチャージドディーゼル
1,500ps/2,400rpm(15分間ふんかんじょうかく出力しゅつりょく
最大さいだいトルク4,410N・m(450kgf・m)
排気はいきりょう21,500cc
乗員じょういん 3めい
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90しき戦車せんしゃ(きゅうまるしきせんしゃ)は、日本にっぽん戦車せんしゃだい世界せかい大戦たいせんのち日本にっぽん国内こくない開発かいはつ生産せいさんされた自衛隊じえいたい主力しゅりょく戦車せんしゃとしては61しき戦車せんしゃ74しき戦車せんしゃつづさん代目だいめにあたり、だい3世代せだい主力しゅりょく戦車せんしゃ分類ぶんるいされる。

概要がいよう[編集へんしゅう]

北海道ほっかいどう上陸じょうりく侵攻しんこうしてくるソ連それんぐん機甲きこう部隊ぶたい対抗たいこうすることを開発かいはつ目標もくひょうとしており、世界せかいだい3世代せだい戦車せんしゃトップクラスに比肩ひけんする性能せいのうゆうする。

製造せいぞうは、車体しゃたい砲塔ほうとう三菱重工業みつびしじゅうこうぎょう120mmすべり腔砲日本製鋼所にほんせいこうしょ担当たんとうし、1990ねん平成へいせい2ねんから2009ねん平成へいせい21ねんまでに61しき戦車せんしゃすべてと74しき戦車せんしゃ一部いちぶ更新こうしんするために341りょう調達ちょうたつされた。価格かかくは1りょうあたりやく8おくえんである。

120mmすべり腔砲高度こうど射撃しゃげき管制かんせい装置そうちによりたか射撃しゃげき能力のうりょくつ。西側にしがわ諸国しょこくだい3世代せだい主力しゅりょく戦車せんしゃでははつとなる自動じどう装填そうてん装置そうち採用さいようしており、乗員じょういん装填そうてんしゅ削減さくげんされ3めいとなっている。装甲そうこうにはふくあい素材そざいもちいられ、正面しょうめん防御ぼうぎょりょく当時とうじ世界せかい最高さいこう水準すいじゅん評価ひょうかされている。

北海道ほっかいどう重点じゅうてん配備はいびされており[1]北部ほくぶ方面ほうめんたい以外いがいでは教育きょういく部隊ぶたい富士ふじ学校がっこう武器ぶき学校がっこうにしか配備はいびされていない[ちゅう 1]

平成へいせい23年度ねんど以降いこう冷戦れいせん終結しゅうけつ防衛ぼうえい方針ほうしん変化へんか防衛ぼうえい削減さくげんひがしアジア軍事ぐんじバランスの変化へんかなど、世界せかい国内こくない情勢じょうせい変化へんかけて、全国ぜんこくてき配備はいび目指めざした後継こうけい10しき戦車せんしゃ配備はいびされる。一方いっぽうで、平成へいせい23年度ねんど以降いこうかか防衛ぼうえい計画けいかく大綱たいこうしめされた動的どうてき防衛ぼうえいりょく方針ほうしんから、90しき戦車せんしゃ北海道ほっかいどう以外いがい地域ちいき活動かつどうおこなえるよう、訓練くんれん実施じっしされるようになっている。

開発かいはつ[編集へんしゅう]

ほん車輌しゃりょう開発かいはつ74しき戦車せんしゃ制式せいしきされた直後ちょくご1977ねん神奈川かながわけん相模原さがみはらにある防衛庁ぼうえいちょう技術ぎじゅつ研究けんきゅう本部ほんぶだい4研究所けんきゅうじょげん防衛ぼうえい装備そうびちょう陸上りくじょう装備そうび研究所けんきゅうじょ)が、しん戦車せんしゃ各種かくしゅ構成こうせい要素ようそ研究けんきゅう試作しさくをスタートさせている[2]当時とうじべい冷戦れいせんしたにあり、ソ連それんぐんおよワルシャワ条約じょうやく機構きこうぐん質的しつてき向上こうじょう量的りょうてき増大ぞうだいによる東側ひがしがわ陣営じんえい軍事ぐんじてき脅威きょういたかまっていた時期じきでもある[3]どう時期じきソ連それんぐんは125mmすべり腔砲搭載とうさいさせた戦車せんしゃ配備はいびすすめている[2]

1979ねんにシステム設計せっけい開始かいし[4]1980ねんには開発かいはつ要求ようきゅうしょがまとめられた[2]1982ねん-1983ねんまでに1試作しさく(その1)として日本製鋼所にほんせいこうしょダイキン工業だいきんこうぎょうなどが主砲しゅほう弾薬だんやく自動じどう装填そうてん装置そうち試作しさくおこなった[2]。120mmすべり腔砲けの自動じどう装填そうてん装置そうち開発かいはつ世界せかいはつとなったが、当初とうしょから主砲しゅほうかんしてはドイツラインメタルしゃせい44口径こうけい120mmすべり腔砲Rh120ライセンス生産せいさんする方針ほうしんになっていた[2]日本にっぽん製鋼せいこう試作しさくの120mmほう性能せいのうめんではラインメタルせいよりも若干じゃっかんすぐれていたがコストパフォーマンスめんでラインメタルに優位ゆういみとめられた[5])。テストようとして、オリジナルのラインメタルしゃせい120mmすべり腔砲と弾薬だんやく輸入ゆにゅうされている[2]。これは、アメリカ陸軍りくぐんM1エイブラムスおなじものであり、アメリカとおな弾薬だんやく使つかえるようにも配慮はいりょされた。

陸上りくじょう自衛隊じえいたい広報こうほうセンターに展示てんじされる試作しさくしゃ写真しゃしん屋内おくない展示てんじ時代じだいのもので、現在げんざい広報こうほうセンターのリニューアルによる展示てんじひんえにより屋外おくがい展示てんじとなっている(なお、現在げんざいこのスペースには16しき機動きどう戦闘せんとうしゃ試作しさくしゃ展示てんじされている)。
砲塔ほうとう上面うわつら
手前てまえがわくるまちょう12.7mmじゅう機関きかんじゅうM2はさんだ反対はんたいがわ砲手ほうしゅ乗車じょうしゃする
試作しさくしゃのため旧型きゅうがた74しき60mm発煙はつえんだん発射はっしゃ装備そうびされ、自動じどう装填そうてん装置そうち上面うわつらのブローオフパネルが省略しょうりゃくされている。
また、くるまちょうよう照準しょうじゅん潜望鏡せんぼうきょう形状けいじょう設置せっち位置いちなど量産りょうさんしゃことなるてんがある。

1983ねん-1985ねんにかけて三菱重工業みつびしじゅうこうぎょう参画さんかくし、試作しさく1号車ごうしゃ弾薬だんやく試作しさくが1試作しさく(その2)として1試作しさく(その3)として試作しさく2号車ごうしゃ弾薬だんやく試作しさくおこなわれた[2]。この1試作しさく、2試作しさく合計ごうけい6りょう(1試作しさく:2りょう、2試作しさく:4りょう)の試作しさくしゃ製造せいぞうされ、各種かくしゅ試験しけん投入とうにゅうされた[6]

1試作しさく試作しさくしゃによる技術ぎじゅつ試験しけんは1983ねん10がつ-1986ねん10がつまでに、機動きどう性能せいのう火力かりょく性能せいのう防護ぼうご性能せいのうなどの試験しけん実施じっしされた[6]

試験しけんちゅうに1試作しさくの2りょう合計ごうけいやく11,000kmの走行そうこう試験しけん合計ごうけいやく1,220はつ射撃しゃげき試験しけん実施じっし、また、1985ねん7がつ実施じっしされた装備そうび審査しんさ会議かいぎ調整ちょうせい部会ぶかい決定けっていにより2試作しさくではラインメタルしゃせい120mmすべり腔砲を採用さいようすることを決定けっていした[7]

1987ねん9月-1988ねん12月までにおこなわれた2試作しさく試作しさくしゃによる試験しけんは、1試作しさく試作しさくしゃ試験しけんけた仕上しあ作業さぎょうくわえて、小隊しょうたい行動こうどう試験しけん実施じっしされた[6]。この試験しけんでは、下北しもきた試験場しけんじょうにて試作しさくしゃへの射撃しゃげき試験しけんおこなわれている[6]1989ねん2がつからは陸上りくじょう自衛隊じえいたいによる実用じつよう試験しけんが、同年どうねん8がつまで実施じっしされた[8]実用じつよう試験しけんでは潜水せんすい渡渉としょう準備じゅんびNBC使用しようじょうきょう行動こうどうじゅう機関きかんじゅうによる対空たいくう射撃しゃげき弾薬だんやく補給ほきゅうなどあらゆる事態じたい想定そうていした試験しけんおこなわれた[8]

試験しけんちゅうに2試作しさくの4りょう合計ごうけいやく20,500kmの走行そうこう試験しけん合計ごうけいやく3,100はつ射撃しゃげき試験しけん実施じっしした[7]

実用じつよう試験しけん結果けっか陸上りくじょう自衛隊じえいたいは「部隊ぶたい使用しようきょうる」との報告ほうこくしょをまとめ[8]、1989ねん12月15にち装備そうび審査しんさ会議かいぎ調整ちょうせい部会ぶかいにおいて陸自りくじがわ報告ほうこく内容ないよう追認ついにん[8]、「制式せいしき採用さいよう適当てきとうみとめる」との決定けっていくだした[8]よく1990ねん8がつ6にち新型しんがた戦車せんしゃは「90しき戦車せんしゃ」として制式せいしきされた[4]同年どうねん、30りょう調達ちょうたつ開始かいしされた[8]

現在げんざい、この試作しさくしゃのうちの1りょう陸上りくじょう自衛隊じえいたい広報こうほうセンター展示てんじされている(広報こうほうセンター開館かいかんより2020ねんのリニューアル工事こうじまえまでは屋内おくない展示てんじ、リニューアル工事こうじ以降いこう屋外おくがい展示てんじ)。この車両しゃりょうは、元々もともと日本原駐屯地にほんばらちゅうとんち用途ようと廃止はいししゃとして屋外おくがい展示てんじされていたものを、広報こうほうセンター開設かいせつのために化粧直けしょうなおしをして移管いかんしたものである。これははじめて90しき公開こうかいされたときの写真しゃしんおなじく、砲塔ほうとう正面しょうめん装甲そうこうをキャンバスでおおかくしている。また、車体しゃたい前面ぜんめんには92しき地雷原じらいげん処理しょりローラようの6箇所かしょ取付とりつがある。試作しさくしゃ土浦つちうら駐屯ちゅうとん前川原まえかわはら駐屯ちゅうとんでも1りょうずつ屋外おくがい展示てんじされており、後者こうしゃにはストレートドーザがけられている。

特徴とくちょう[編集へんしゅう]

日本にっぽん戦車せんしゃ開発かいはつは、世界せかい主力しゅりょく戦車せんしゃだい2世代せだいへと移行いこうするなか制式せいしきされただい1世代せだい相当そうとう先々さきざきだい61しき戦車せんしゃ[9]や、だい2世代せだい戦車せんしゃとしては他国たこくなら性能せいのうゆうするがやはり世界せかい情勢じょうせいだい3世代せだい戦車せんしゃ移行いこうしているなかでの制式せいしきいちおくれることとなった先代せんだい74しき戦車せんしゃと、他国たこく後塵こうじんはいする状況じょうきょうであった[10]。しかし、ようやくほんしゃいたり、どう時代じだい世界せかい各国かっこく新鋭しんえい戦車せんしゃなら能力のうりょくつにいたった。

火力かりょく[編集へんしゅう]

砲塔ほうとう
JM33装弾そうだんとうづけつばさ安定あんていてっかぶとだん手前てまえ
JM12A1対戦たいせんしゃりゅうだんおく)。
ヤキマ演習えんしゅうじょうでの訓練くんれん参加さんかする90しき戦車せんしゃ2009ねん9月15にち)。

主砲しゅほうには西側にしがわだい3世代せだい主力しゅりょく戦車せんしゃ標準ひょうじゅん主砲しゅほうとなっているラインメタルしゃ44口径こうけい120mmすべり腔砲そなえ、たましゅAPFSDS(120mm TKG JM33装弾そうだんとうづけつばさ安定あんていてっかぶとだん)とHEAT-MP(120mm TKG JM12A1対戦たいせんしゃりゅうだん)を使用しようする。この120mmすべり腔砲よう砲弾ほうだん薬莢やっきょうは、焼尽しょうじん薬莢やっきょうばれるもので、底部ていぶのこしてえてくなる仕組しくみで、射撃しゃげきそら薬莢やっきょうてる必要ひつようがない。照準しょうじゅん安定あんてい装置そうち自動じどう装填そうてん装置そうち、パッシブがた熱線ねっせん映像えいぞう装置そうち[11]各種かくしゅセンサー連動れんどうしたデジタル計算けいさん装置そうちそな[12]照準しょうじゅん安定あんてい装置そうち自動じどう追尾ついび機能きのう車体しゃたい上下じょうげれたり、左右さゆう方向ほうこう転換てんかんしてもつね目標もくひょうとらつづけ、ほう目標もくひょう指向しこうできる[11][12]

射撃しゃげき管制かんせい装置そうちレーザーはかとおほうみみじく傾斜けいしゃけいそうやく温度おんどけい横風おうふうセンサーなどからおくられてくる情報じょうほう計算けいさんし、弾道だんどうあたえる各種かくしゅ要素ようそ[13]。そして照準しょうじゅん装置そうちへの入力にゅうりょく設定せってい照準しょうじゅん制御せいぎょおくることで、砲弾ほうだん的確てきかく軌道きどうえがいて目標もくひょう命中めいちゅうする[13]。なお、90しき戦車せんしゃすべり腔砲おおせ俯角ふかく範囲はんいせまいものの、サスペンションによって車体しゃたい傾斜けいしゃさせることでこれをおぎなう。

これら国産こくさんハイテクが導入どうにゅうされた射撃しゃげき管制かんせい装置そうち自動じどう装填そうてん装置そうちもちい、射撃しゃげきにはだい容量ようりょうのデジタル弾道だんどうコンピューターとジャイロ併用へいようすることで、目標もくひょうおよみずからが移動いどうしていたとしてもこう精度せいど行進こうしんあいだ連続れんぞく射撃しゃげきおこなえ、急激きゅうげき制動せいどう車体しゃたい前後ぜんごかたむいた状態じょうたいでも正確せいかく射撃しゃげき可能かのうとなった[11]。なお、自動じどう装填そうてん装置そうち採用さいようしているてんについては評価ひょうかするこえがある一方いっぽうで、装填そうてんしゅ1にんぶん人手ひとでがなくなったことで車体しゃたい清掃せいそう整備せいび戦車せんしゃよう掩体るといった作業さぎょうにおける搭乗とうじょういん負担ふたん増加ぞうかしたとの意見いけんがある。メルカバM1エイブラムスのように、技術ぎじゅつてきには可能かのうとされながらも乗員じょういんげんのデメリットを考慮こうりょし、自動じどう装填そうてん装置そうち搭載とうさい見送みおくったれいもある。人員じんいん削減さくげん思惑おもわくもあるとされる[14]

自動じどう装填そうてん装置そうちかんしては、過去かこ装填そうてん動作どうさちゅうのラマーにあしけられて乗員じょういん負傷ふしょうした事例じれい報道ほうどうされている。

日本にっぽん演習えんしゅうじょうでは、ひろさの問題もんだいから行進こうしんあいだ連続れんぞく射撃しゃげき最大さいだい射程しゃてい射撃しゃげき訓練くんれんなどが十分じゅうぶんにできず、きゅう減速げんそくする訓練くんれんだん(TPFSDS)を使用しようしていたが、1996ねん平成へいせい8ねんより毎年まいとし9がつアメリカワシントンしゅうヤキマ演習えんしゅうじょうに90しきんで戦闘せんとう射撃しゃげき訓練くんれんなどをおこなっている。ヤキマ演習えんしゅうじょうこう機動きどうテストや走行そうこうあいだ射撃しゃげきテストをおこなったさいには、停止ていし状態じょうたいだと2kmさき標的ひょうてきようM60パットンこうかくりつでの命中めいちゅう[15]走行そうこうあいだ射撃しゃげきでは3kmさき目標もくひょう命中めいちゅうさせる[16]などの性能せいのうをみせた。21世紀せいきはいった現代げんだいでは各国かっこく後発こうはつ主力しゅりょく戦車せんしゃ同様どうよう性能せいのうゆうしているとされるが、当時とうじ稀有けう能力のうりょくでもあったことから、アメリカぐん関係かんけいしゃおどろいた[17]というエピソードがある。

00しき120mm戦車せんしゃほうよう演習えんしゅうだん導入どうにゅうにより、富士ふじ総合そうごう火力かりょく演習えんしゅうでも2002ねん平成へいせい14ねんから行進こうしんあいだ射撃しゃげき披露ひろうされるようになった。

砲塔ほうとううちくるまちょうせきには正面しょうめん照準しょうじゅん潜望鏡せんぼうきょう潜望鏡せんぼうきょう操作そうさパネル、サーマルモニター、照準しょうじゅんハンドルなどがある[18]潜望鏡せんぼうきょう操作そうさパネルには28スイッチランプがあり、くるまちょうはこれらをことみずからの車輌しゃりょう状態じょうたいことができる[18]。また、車外しゃがいくるまちょうよう視察しさつ照準しょうじゅん装置そうちかいしてそと様子ようすることができる。砲手ほうしゅせきうしろにはハンドルをけるあながあり、装填そうてん装置そうち使用しよう不能ふのうになったとしても、砲手ほうしゅがハンドルをけてまわすことで弾薬だんやく装填そうてんできる。砲手ほうしゅせきには正面しょうめんとサイドにパネルがあり、正面しょうめんのパネルには14、サイドパネルに20のスイッチがそなわっている[18]砲手ほうしゅせき左側ひだりがわには無線むせん装置そうちがある。照準しょうじゅんハンドルには追尾ついびスイッチ、角速度かくそくどボタン、レーザー発射はっしゃスイッチ、げきはつ安全あんぜんレバー、げきはつボタンのけい5のボタン・スイッチがあり、両手りょうてゆび使つか操作そうさする[18]

砲塔ほうとう後部こうぶにはラックと、円筒えんとうがた風向ふうこうセンサーをそなえている。

90しき戦車せんしゃ主砲しゅほう砲弾ほうだん焼尽しょうじん薬莢やっきょう方式ほうしきであるため空包くうほう利用りようできないとされ、創立そうりつ記念きねん行事ぎょうじなどでの訓練くんれん展示てんじ模擬もぎせん)ではわりに同軸どうじく機銃きじゅう74しき車載しゃさい7.62mm機関きかんじゅう主砲しゅほう見立みたてる模擬もぎ射撃しゃげきおこなわれていた。のちにメーカーから燃焼ねんしょう薬莢やっきょう空包くうほう提供ていきょうされるようになり、2012ねん富山とやま駐屯ちゅうとん創立そうりつ50周年しゅうねん記念きねん行事ぎょうじより空包くうほう使用しようしての訓練くんれん展示てんじおこなわれている。

乗員じょういんけに89しき5.56mm小銃しょうじゅう銃床じゅうしょうがた支給しきゅうされる。

防護ぼうごりょく[編集へんしゅう]

砲塔ほうとうひだり前面ぜんめん
マークは戦車せんしゃ教導きょうどうたいげん機甲きこう教導きょうどう連隊れんたいだい2中隊ちゅうたい

セラミックけいふくあい装甲そうこう実用じつようにより、軽量けいりょうながら防護ぼうごりょくたかいとされている。

セラミックは硬度こうどがあるぶんれやすい素材そざいだが、APFSDSなどのように、セラミックがれる速度そくどより高速こうそく衝突しょうとつしてくる物体ぶったいたいしてはその硬度こうど防御ぼうぎょりょく転換てんかんでき、劣化れっかウランなどの重金属じゅうきんぞく装甲そうこうよりも軽量けいりょうすることができる。これによって90しき戦車せんしゃ防御ぼうぎょりょく維持いじしつつ、どう世代せだい戦車せんしゃくらべて軽量けいりょうすることに成功せいこうしており、車体しゃたいそのものが小型こがたされたことで被弾ひだんりつ低下ていかし、発見はっけんされる可能かのうせいおさえている。

一般いっぱん公開こうかいされる90しき砲塔ほうとう正面しょうめん装甲そうこうには迷彩めいさい塗装とそうのキャンバス布地ぬのじなどがられ、ふくあい装甲そうこう詳細しょうさいかくされるが、生産せいさん車輌しゃりょう試験しけん走行そうこう撮影さつえいされた公開こうかい写真しゃしんなどにはなにられていない状態じょうたいのもの[19][20]存在そんざいし、その形態けいたいからルクレール同様どうよう内装ないそうしきモジュラー装甲そうこうられている。

たいだん試験しけんでは、正面しょうめん装甲そうこう44口径こうけい120mmすべり腔砲使用しようして発射はっしゃされた重金属じゅうきんぞくだんたいAPFSDSにたいして自衛隊じえいたい公式こうしき発表はっぴょうでは「良好りょうこう結果けっかた」という表現ひょうげんもちいられた、側面そくめん35mmてっかぶとだん掃射そうしゃえうる性能せいのうがあり、上面うわつら榴弾りゅうだん破片はへんえうるたいだん性能せいのうゆうしているとされる

このたいだん試験しけん映像えいぞう一部いちぶはマスメディアに公開こうかいされており、実際じっさいたいだん試験しけん映像えいぞう視聴しちょうした軍事ぐんじライターの雑誌ざっし記事きじ[21]によると「バンカーないおさめられた90しき戦車せんしゃ正面しょうめんたいべつの90しき戦車せんしゃ主砲しゅほうにより射撃しゃげき実施じっし射距離しゃきょり250メートル程度ていど推測すいそく試験しけん終了しゅうりょうにバンカーないから被弾ひだんした90しき戦車せんしゃはしおこない、被弾ひだんしゃ車体しゃたい正面しょうめんふくあい装甲そうこうに4はつ被弾ひだんこんからHEAT-MP 3はつ、APFSDS 1はつ推定すいてい)、砲塔ほうとう正面しょうめん右側みぎがわふくあい装甲そうこうすくなくとも1はつ被弾ひだんこんからAPFSDSと推定すいてい)の被弾ひだんこん確認かくにんでき、砲塔ほうとうがわ車体しゃたいがわ同等どうとう防護ぼうごりょくつと推察すいさつできる」としている。そのに「89しき装甲そうこう戦闘せんとうしゃらしき車輌しゃりょうから35mm機関きかんほうにより90しき戦車せんしゃ砲塔ほうとう側面そくめん射撃しゃげき」する場面ばめんや、「横向よこむきにるした155mm榴弾りゅうだんを90しき戦車せんしゃ上空じょうくうやく10メートルで爆発ばくはつ曳火射撃しゃげき想定そうていしたせいばく試験しけん推測すいそくされる)」させる場面ばめん、「くつたいした地雷じらい爆発ばくはつ地雷じらいによるせいばく試験しけん)」させる場面ばめん試験しけん映像えいぞうちゅうにあると紹介しょうかいしている。

砲塔ほうとう後部こうぶにあるそくようだん収納しゅうのう部分ぶぶん上面うわつらは、被弾ひだんなどによって搭載とうさいする砲弾ほうだん誘爆ゆうばくしたさいにパネルがび、エネルギーうえがす「ブローオフパネル構造こうぞう」であり、乗員じょういん安全あんぜんせい向上こうじょうはかられている。

車体しゃたい[編集へんしゅう]

稜線りょうせん射撃しゃげきおこなうため車体しゃたいまえかたぶけさせた様子ようす
車体しゃたいまえかたぶけさせた様子ようす

車体しゃたい砲塔ほうとう左下ひだりしたがわ操縦そうじゅうしゅ乗車じょうしゃする。操縦そうじゅうせきには位置いち可変かへんTがたみさおこうハンドル、電気でんきしきアクセルペダルや常用じょうようブレーキ、アシストシリンダーづけ駐車ちゅうしゃブレーキなどの操縦そうじゅう装置そうち、57のボタンや計器けいきるいがある[18][ちゅう 2]

ペリスコープにはワイパーそなわる。車体しゃたい底部ていぶ燃料ねんりょうタンク後部こうぶ冷却れいきゃくファンとそれをはさかたち潜水せんすいよう逆流ぎゃくりゅう防止ぼうしべんいた排気はいきかんがある。その上部じょうぶ変速へんそく操行そうこうオイルクーラーとラジエーターがある。操縦そうじゅうせき右側みぎがわ予備よび弾薬だんやくとなっている。また、先々さきざきだい61しき戦車せんしゃ先代せんだい74しき戦車せんしゃと、伝統でんとうてき踏襲とうしゅうされてきたヘッドライトの位置いち左右さゆうフェンダー先端せんたん上方かみがた)が、ほんしゃからは車体しゃたい正面しょうめん装甲そうこうばん左右さゆう両側りょうがわとなった。

懸架けんか装置そうちは、前側まえがわだい1てんだい2てんこうがわだい5てんだい6てん油気あぶらけあつしき中央ちゅうおうだい3てんだい4てんはトーションバーしきというハイブリッドしきサスペンションとなっている。車体しゃたい前後ぜんご傾斜けいしゃさせる機能きのうと、くるまだか昇降しょうこうさせる機能きのうにより、おかなどの稜線りょうせん利用りようした射撃しゃげきにおいて効率こうりつてき車体しゃたいかくすのに役立やくだつ。74しきのように左右さゆう傾斜けいしゃさせることはできない。

ストレートドーザを装着そうちゃくした車両しゃりょう存在そんざいし、せなどでの陣地じんち構築こうちくさいもちいられる。また、専用せんよう装備そうび一部いちぶ車両しゃりょう車体しゃたい前面ぜんめん92しき地雷原じらいげん処理しょりローラ装着そうちゃくできる。

制式せいしき当初とうしょからレオパルト2との形状けいじょう類似るいじ指摘してきされており、防衛庁ぼうえいちょう当時とうじ)の担当たんとうかんが「このような(レオパルト2のような)のがしい」と発言はつげんしたという逸話いつわワールドタンクミュージアム解説かいせつしょ掲載けいさいされていた。実際じっさいには、90しき戦車せんしゃふくあい装甲そうこうはレオパルト2の分割ぶんかつ配置はいちふくあい装甲そうこうとはことなり、ルクレール同様どうようふくあい装甲そうこう着脱ちゃくだつ容易ようい内装ないそうしきモジュール装甲そうこうだとかんがえられている[22]。また、形状けいじょう以外いがいでは、90しきでは前面ぜんめん投影とうえい面積めんせき砲塔ほうとう容積ようせき削減さくげんで、主要しゅようこく主力しゅりょく戦車せんしゃ比較ひかくしてコンパクトに設計せっけいされており、しん素材そざい採用さいようなどにより防御ぼうぎょりょく犠牲ぎせいにせずとも軽量けいりょう実現じつげんされている。

動力どうりょく機動きどうせい[編集へんしゅう]

エンジンには三菱みつびし10ZG32WT水冷すいれい2ストロークVがた10気筒きとうターボチャージドディーゼルエンジン変速へんそくには三菱みつびしMT1500オートマチックトランスミッション前進ぜんしん4だん 後進こうしん2だん)が採用さいようされている。これらはパワーパックされ、土浦つちうら駐屯ちゅうとんでの公開こうかい実演じつえんでは20ふん以内いないでの交換こうかん実施じっしされている。

1972ねん技術ぎじゅつ研究けんきゅう本部ほんぶで10ZG32WTの原型げんけいとなるたんつつがた実機じっき試作しさくおこなわれ、1977ねん-1978ねんにかけて10ZG32WTの8気筒きとうがたである8ZG(シリンダー内径ないけい135mmぎょうみち150mm)の試作しさくおこなわれた。1978ねん-1979ねんにかけて所内しょない試験しけんおこなわれ、最大さいだい出力しゅつりょく1,196ps/2,600rpm を達成たっせいした。これらの研究けんきゅう成果せいかもと1982ねんに1,500psを達成たっせいした10ZG32WTが完成かんせいした。

10ZG32WTは1,500psきゅうディーゼルエンジンとしては排気はいきりょう21,500ccと小型こがたで、また、耐久たいきゅうせいかんしても15分間ふんかんにおけるていかく最大さいだい出力しゅつりょく1,500psを達成たっせいしており、しょ外国がいこくのディーゼルエンジンとの比較ひかくにおいても10ZG32WTは過酷かこくこう出力しゅつりょくでのたか耐久たいきゅうせい達成たっせいしている。

90しき戦車せんしゃ加速かそく性能せいのう0-200mまで20びょうという数値すうちであるが、しょ外国がいこくだい3世代せだい戦車せんしゃどういち条件じょうけん比較ひかくした場合ばあいレオパルト2A4推定すいてい23.5びょうM1エイブラムス試作しさくしゃXM1が推定すいてい29びょう[23]であることから、90しき加速かそく性能せいのうしょ外国がいこくだい3世代せだい戦車せんしゃ比較ひかくして大幅おおはばすぐれているとえる。

制動せいどう能力のうりょくたかく、ぜん制動せいどうでは時速じそく50キロの速度そくどから2メートル以内いない停止ていし可能かのうである[24]配備はいび当初とうしょ不用意ふようい制動せいどうおこなったさい上半身じょうはんしん車外しゃがいしていたくるまちょう胸部きょうぶ打撲だぼくしたこともあり「殺人さつじんブレーキ」などとばれていた。

燃料ねんりょう消費しょうひ性能せいのう[編集へんしゅう]

普通ふつう部隊ぶたい前進ぜんしん援護えんごする90しき戦車せんしゃ

10ZGの燃費ねんぴ性能せいのうていかく燃料ねんりょう消費しょうひりつ234g/kWh(やく172.1g/PSh)、最低さいてい燃料ねんりょう消費しょうひりつ226g/kWh(やく166.2g/PSh)と技術ぎじゅつ研究けんきゅう本部ほんぶもと研究けんきゅうかんによる雑誌ざっし記事きじ[21]において公表こうひょうされている。

どう雑誌ざっし記事きじでは、10ZGの燃費ねんぴ性能せいのう新型しんがた1,500馬力ばりききゅうディーゼルエンジンどういち条件下じょうけんかにて比較ひかくした場合ばあい1990年代ねんだい初期しょき技術ぎじゅつ研究けんきゅう本部ほんぶ研究けんきゅう試作しさくしたターボコンパウンド搭載とうさい4ストローク気筒きとうディーゼルエンジン(ていかく燃料ねんりょう消費しょうひりつ200g/kWh、最低さいてい燃料ねんりょう消費しょうひりつ198g/kWh)や、1990年代ねんだい前半ぜんはん登場とうじょうしたドイツのMTUしゃせいのMTU MT883 ka-500 4ストロークディーゼルエンジン(ていかく燃料ねんりょう消費しょうひりつ209g/kWh、最低さいてい燃料ねんりょう消費しょうひりつ198g/kWh)などより10ZGの燃費ねんぴ性能せいのう前述ぜんじゅつ数値すうち)はややおとるとしている。

なおMTUしゃ公開こうかい資料しりょうによると、レオパルト2搭載とうさいされているMTUしゃせいエンジンひとつであるMB873の燃料ねんりょう消費しょうひりつやく250g/kWh(1,500PS/2,600rpm[25]、MT883の燃料ねんりょう消費しょうひりつは220g/kWh(1,500PS/2,700rpm。なお、燃料ねんりょう消費しょうひりつ数値すうちは±5%の誤差ごさがあるとしている)[26]となっている。

よって10ZGの燃料ねんりょう消費しょうひりつはMB873にたいしてややすぐれ、MT883にはややおとるとかんがえられる。

8気筒きとうがたである8ZGの燃費ねんぴ性能せいのうは、ぜん負荷ふか最低さいてい燃料ねんりょう消費しょうひりつ191g/PSh(やく259.7g/kWh)と公表こうひょうされている[27]

90しき戦車せんしゃしょ外国がいこくだい3世代せだい戦車せんしゃ比較ひかくして航続こうぞく距離きょりひくいとされることから10ZGエンジンの燃料ねんりょう消費しょうひ性能せいのうわるいという指摘してきがあるが、どういち条件下じょうけんかにおけるエンジン単体たんたい燃料ねんりょう消費しょうひりょう前述ぜんじゅつ数値すうち程度ていどである。

また、戦車せんしゃ種類しゅるいによって車体しゃたい重量じゅうりょう燃料ねんりょう搭載とうさいりょうなどの条件じょうけんことなることにくわえてメーカー、くに軍事ぐんじ機関きかんなどにより燃料ねんりょう消費しょうひりつ測定そくてい基準きじゅんことなるとかんがえられる以上いじょう一概いちがい航続こうぞく距離きょり数値すうちをもってエンジンの燃料ねんりょう消費しょうひ性能せいのうろんずるのは適切てきせつではない[ちゅう 3]

C4I[編集へんしゅう]

平成へいせい13年度ねんど時点じてん開発かいはつから10ねん以上いじょう経過けいかした90しき戦車せんしゃは、しょ外国がいこく技術ぎじゅつ水準すいじゅんからのこされつつあり、早急そうきゅう国際こくさいてき技術ぎじゅつ進歩しんぽ趨勢すうせい対応たいおうしていくことが必要ひつよう不可欠ふかけつである、と指摘してきされており[28]しょ外国がいこく戦車せんしゃとの比較ひかくでは90しき装備そうびしていないC4I機能きのうM1A2レオパルト2[ちゅう 4]ルクレールには装備そうびされていることがしめされていた[28]

これを是正ぜせいする措置そちとして、現在げんざいだい2戦車せんしゃ連隊れんたい配備はいび車両しゃりょうには戦車せんしゃ連隊れんたい指揮しき統制とうせいシステム(T-ReCs)端末たんまつ搭載とうさい開始かいしされている[29]。このT-ReCs搭載とうさいがた2010ねん8がつ23にち-9月22にちまで北部ほくぶ方面ほうめんたいおこなわれた総合そうごう戦闘せんとうりょく演習えんしゅう玄武げんぶ2010」に、C4ISR部隊ぶたいとして参加さんかしている[30]。ただしその野外やがい通信つうしんシステム・広帯域こうたいいき多目的たもくてき無線むせん配備はいびされると、T-ReCsは使つかわれなくなっていった[31]

ただし、90しき内部ないぶスペースや給電きゅうでん能力のうりょく制約せいやくにより、これ以上いじょう高度こうどなC4I機能きのう付加ふか困難こんなんであるとされている。このことから、より充実じゅうじつしたC4I機能きのうなどが付与ふよされた後継こうけいしん主力しゅりょく戦車せんしゃとして10しき戦車せんしゃ開発かいはつされた[32]

主力しゅりょく戦車せんしゃとしての評価ひょうか[編集へんしゅう]

行進こうしんあいだ射撃しゃげきおこなう90しき戦車せんしゃ

実戦じっせんでのうん用例ようれいく、秘匿ひとく情報じょうほうおおいが、公開こうかいされる性能せいのうからだい3世代せだいがた戦車せんしゃとしてはM1A2エイブラムス(アメリカ)やレオパルト2A6(ドイツ)などとなら世界せかい最高さいこう水準すいじゅん戦車せんしゃひとつとされ、2004ねんのForecast Internationalしゃによる世界せかい主力しゅりょく戦車せんしゃランキングではM1A2 SEP、メルカバMk 4つづいてだい3ひょうされている[33]

また、アメリカ陸軍りくぐん雑誌ざっし『アーマー』ではアメリカ政府せいふ関係かんけいしゃ発言はつげんとして90しき戦車せんしゃ高度こうど機能きのうとして移動いどう目標もくひょう照準しょうじゅん自動じどう追尾ついび機能きのうげ、そのてき目標もくひょう脅威きょうい認識にんしき判定はんていする機能きのう存在そんざい推測すいそくする記述きじゅつがある[34]

現有げんゆう戦車せんしゃとの比較ひかく[編集へんしゅう]

歴代れきだい主力しゅりょく戦車せんしゃ比較ひかくひょう
10しき 90しき 74しき 61しき
画像がぞう
世代せだい だい3.5世代せだい だい3世代せだい だい2.5世代せだい だい1世代せだい
全長ぜんちょう 9.42 m 9.80 m 9.41 m 8.19 m
全幅ぜんぷく 3.24 m 3.40 m 3.18 m 2.95 m
ぜんこう 2.30 m 2.25 m 2.49 m
重量じゅうりょう やく44 t やく50 t やく38 t やく35 t
主砲しゅほう 44口径こうけい120mmすべり腔砲[ちゅう 5] 44口径こうけい120mmすべり腔砲 51口径こうけい105mmライフルほう 52口径こうけい90mmライフルほう
ふく武装ぶそう 12.7mmじゅう機関きかんじゅうM2×1
74しき車載しゃさい7.62mm機関きかんじゅう×1
12.7mmじゅう機関きかんじゅうM2×1
7.62mm機関きかんじゅうM1919A4
装甲そうこう ふくあい装甲そうこう正面しょうめんよう 鋳造ちゅうぞうこう砲塔ほうとう
圧延あつえん防弾ぼうだんこう車体しゃたい
エンジン 水冷すいれい4サイクル
Vがた8気筒きとうディーゼル
水冷すいれい2サイクル
Vがた10気筒きとうディーゼル
空冷くうれい2サイクル
Vがた10気筒きとうディーゼル
空冷くうれい4サイクル
Vがた12気筒きとうディーゼル
最大さいだい出力しゅつりょく 1,200 ps/2,300 rpm 1,500 ps/2,400 rpm 720 ps/2,200 rpm 570 ps/2,100 rpm
最高さいこう速度そくど 70 km/h 53 km/h 45 km/h
懸架けんか方式ほうしき 油気あぶらけあつしき トーションバー油気あぶらけあつ
ハイブリッドしき
油気あぶらけあつしき トーションバーしき
乗員じょういんすう 3めい 4めい
装填そうてん方式ほうしき 自動じどう 手動しゅどう
C4I ×
コスト やく9.5おくえん
2010ねん[ちゅう 6]
やく11おくえん1990ねん
やく8おくえん2009ねん
やく4.0おくえん
1989ねん[ちゅう 7]
やく1おくえん
2022ねん物価ぶっか
換算かんさんするとやく4.3おくえん相当そうとう
[ちゅう 8]
生産せいさんすう 126りょう以上いじょうぞう備中びっちゅう 341りょう (生産せいさん終了しゅうりょう 873りょう退役たいえき 560りょう退役たいえき

配備はいび[編集へんしゅう]

北海道ほっかいどう以外いがいでは、富士ふじ教導きょうどうだんなどの教育きょういく部隊ぶたいのぞきほとんど配備はいびされていない。これは戦車せんしゃトランスポーターのすくなさから平時へいじ運用うんようくわえ、調達ちょうたつすう減少げんしょうしたなか一括いっかつ運用うんようおこなうためである。

開発かいはつ当時とうじ運用うんよう構想こうそうでは、北海道ほっかいどう上陸じょうりく侵攻しんこうするソ連それんぐん機甲きこう師団しだん北海道ほっかいどう原野げんやむかつことを想定そうていしており、北海道ほっかいどう北部ほくぶ方面ほうめんたい優先ゆうせんてき配備はいびされた。この方針ほうしんソビエト連邦れんぽう崩壊ほうかいこうわらず、中期ちゅうき防衛ぼうえいりょく整備せいび計画けいかく平成へいせい17年度ねんど-21年度ねんど以降いこうでは北部ほくぶ方面ほうめんたい74しき戦車せんしゃ更新こうしんして北海道ほっかいどう戦車せんしゃ部隊ぶたいを90しき戦車せんしゃ統一とういつする方針ほうしんだったが、平成へいせい25年度ねんどだい2戦車せんしゃ連隊れんたい10しき戦車せんしゃ配備はいびされ、変更へんこうされた模様もようである。また、例外れいがいてきに、だい7師団しだん隷下れいかだい7偵察ていさつたいにも配備はいびされ、おも威力いりょく戦闘せんとう偵察ていさつ使用しようされる。

中期ちゅうき防衛ぼうえいりょく整備せいび計画けいかく (平成へいせい26年度ねんど-平成へいせい31年度ねんど)以降いこう戦車せんしゃ定数ていすう削減さくげんともな部隊ぶたい廃止はいし、10しき戦車せんしゃ配備はいび本州ほんしゅうからの配置はいちとうにより用途ようと廃止はいしはじまった。

2024ねん3がつ現在げんざい配備はいび部隊ぶたいとうつぎのとおり。

戦車せんしゃ教導きょうどうたい(げん:機甲きこう教導きょうどう連隊れんたい)所属しょぞく車輌しゃりょう
土浦つちうら駐屯ちゅうとん武器ぶき学校がっこうでの90しき戦車せんしゃ

陸上りくじょう自衛隊富士学校じえいたいふじがっこう

陸上りくじょう自衛隊じえいたい武器ぶき学校がっこう - 整備せいび教育きょういくよう

北部ほくぶ方面ほうめんたい

過去かこ配備はいび部隊ぶたい[編集へんしゅう]

北部ほくぶ方面ほうめんたい

東部とうぶ方面ほうめんたい

価格かかく調達ちょうたつ[編集へんしゅう]

冬季とうき迷彩めいさいほどこされた90しき
陸上りくじょう自衛隊じえいたい広報こうほうセンターにて2020ねんはるより屋外おくがい展示てんじとなった試作しさくしゃ
92しき地雷原じらいげん処理しょりローラ装備そうびした車輌しゃりょう

1990ねん平成へいせい2ねん-2009ねん平成へいせい21ねんまでの19年間ねんかんで341りょう調達ちょうたつされた[35]とし平均へいきん調達ちょうたつ台数だいすうやく18りょう調達ちょうたつ価格かかく整備せいびよう工具こうぐ予備よび消耗しょうもう部品ぶひんふくまれた総合そうごう価格かかくとなっている。バブル景気けいき只中ただなか採用さいよう決定けっていされ、量産りょうさん効果こうかによる価格かかく低下ていか見込みこまれて1りょうやく11おくえんという価格かかくでも迅速じんそく配備はいび可能かのうという見通みとおしだったが、制式せいしき直前ちょくぜんバブル崩壊ほうかい翌年よくねんソビエト連邦れんぽう崩壊ほうかいともな防衛ぼうえい減少げんしょう削減さくげんこんごうがた護衛ごえいかんイージスかん)など正面しょうめん装備そうび拡充かくじゅう戦車せんしゃ保有ほゆうすう削減さくげんなどと時期じきかさなったこともあって、予想よそうどおりの調達ちょうたつペースはられなかった。

調達ちょうたつ当初とうしょの3年間ねんかんは1りょうやく11おくえん前後ぜんこうであり、少数しょうすう生産せいさんにとどまる以上いじょうは、開発かいはつ設備せつび投資とうし消化しょうかかんがえると1りょうたりの価格かかく高騰こうとうする事情じじょうがあるが、4ねん以降いこうは1りょうやく9.4おくえんとなり、継続けいぞくてき調達ちょうたつによる量産りょうさん効果こうか2001ねん平成へいせい13ねん以降いこうは1りょうやく8おくえん最低さいていやく7おく9,000まんえん)まで単価たんか減少げんしょうした。

90しき戦車せんしゃ他国たこくだい3世代せだい戦車せんしゃくらべて高価こうかであり、外国がいこくさん戦車せんしゃ輸入ゆにゅうすべきだったと批判ひはんされることがあるが、他国たこく戦車せんしゃ輸入ゆにゅうしたさい価格かかくかんしては軍事ぐんじ情報じょうほう雑誌ざっしJane's発行はっこうのレポートによれば、アメリカM1A2エイブラムスおよドイツレオパルト2A6輸出ゆしゅつ実績じっせきでいずれも1りょうあたり10おくえんえており、フランスルクレール自国じこくがたでもそれになら価格かかくとなっている。

90しき調達ちょうたつ2009ねん平成へいせい21ねん終了しゅうりょうし、2010ねん平成へいせい22ねんからは10しき戦車せんしゃ調達ちょうたつおこなわれている。

90しき戦車せんしゃ調達ちょうたつすう[36][37]
予算よさん計上けいじょう年度ねんど 調達ちょうたつすう
平成へいせい2年度ねんど(1990ねん 30りょう
平成へいせい3年度ねんど(1991ねん 26りょう
平成へいせい4年度ねんど(1992ねん 20りょう
平成へいせい5年度ねんど(1993ねん 20りょう
平成へいせい6年度ねんど(1994ねん 20りょう
平成へいせい7年度ねんど(1995ねん 20りょう
平成へいせい8年度ねんど(1996ねん 18りょう
平成へいせい9年度ねんど(1997ねん 18りょう
平成へいせい10年度ねんど(1998ねん 17りょう
平成へいせい11年度ねんど(1999ねん 17りょう
平成へいせい12年度ねんど(2000ねん 18りょう
平成へいせい13年度ねんど(2001ねん 18りょう
平成へいせい14年度ねんど(2002ねん 18りょう
平成へいせい15年度ねんど(2003ねん 17りょう
平成へいせい16年度ねんど(2004ねん 15りょう
平成へいせい17年度ねんど(2005ねん 12りょう
平成へいせい18年度ねんど(2006ねん 11りょう
平成へいせい19年度ねんど(2007ねん 9りょう
平成へいせい20年度ねんど(2008ねん 9りょう
平成へいせい21年度ねんど(2009ねん 8りょう
合計ごうけい 341りょう

戦略せんりゃく機動きどうせい[編集へんしゅう]

90しき戦車せんしゃ北海道ほっかいどう地形ちけい道路どうろ条件じょうけん想定そうていして開発かいはつされたものであり、地域ちいきでのより柔軟じゅうなん運用うんようおこなうにはさらなる小型こがた軽量けいりょうのぞましいとされた。このため、後継こうけい10しき戦車せんしゃは40トンきゅう戦車せんしゃとして開発かいはつされている。

道路どうろ使つかった移動いどう輸送ゆそう[編集へんしゅう]

90しき戦車せんしゃ重量じゅうりょう74しき戦車せんしゃやく12トン上回うわまわるため、北海道ほっかいどう以外いがいでは通行つうこう可能かのう場所ばしょかぎられ運用うんようじょう困難こんなんおおいとして、戦車せんしゃ不要ふようろん補強ほきょう自衛隊じえいたい批判ひはんいにされることがある。実際じっさいには全国ぜんこく主要しゅよう国道こくどう橋梁きょうりょう17,920ヶ所かしょのうち65%は90しき通行つうこう可能かのうであり、より軽量けいりょうされたやく44トンの10しき戦車せんしゃではこれが84%に向上こうじょうしたとされるのにたいして、やく62-65トンの海外かいがい主力しゅりょく戦車せんしゃ通行つうこう可能かのう橋梁きょうりょうやく40%と想定そうていされている[38]

各国かっこく主力しゅりょく戦車せんしゃと90しき戦車せんしゃ重量じゅうりょう比較ひかくしてみた場合ばあい

90しき戦車せんしゃ 50.2トン
ルクレール 56.5トン
M1A2エイブラムス 62.1トン
チャレンジャー2 62.5トン
レオパルト2A5
スウェーデン仕様しよう
62.5トン

であり、90しきの50トンという重量じゅうりょうは60トン以上いじょうあるきゅう西側にしがわ先進せんしん各国かっこくだい3世代せだい戦車せんしゃなどと比較ひかくすれば10トン以上いじょう軽量けいりょうとなる。大型おおがた車両しゃりょう走行そうこう前提ぜんていとしていない小型こがたはしのぞいて、主要しゅよう道路どうろなどのダンプトラック通行つうこうできるはしはすべて通行つうこう可能かのうになっている。

はしによる移動いどう
試作しさくしゃ車体しゃたい前部ぜんぶ方向ほうこう指示しじおよぜんあきらとう

実際じっさい北海道ほっかいどうでは、90しき駐屯ちゅうとん演習えんしゅうじょうあいだ公道こうどうはしり移動いどうすることがある。また、だい5旅団りょだん旅団りょだん創立そうりつ記念きねん行事ぎょうじへの参加さんか撤収てっしゅうさい鹿追しかおい駐屯ちゅうとんから帯広駐屯地おびひろちゅうとんちまでのやく45kmの一般いっぱん公道こうどうはしり移動いどうすることもある[ちゅう 9]

90しき舗装ほそう路上ろじょう走行そうこうするさいは、路面ろめんきずつけないようくつたいくつばん)に路面ろめん保護ほごようのゴムパッドを装着そうちゃくして走行そうこうする[ちゅう 10]。これは平時へいじ無用むよう道路どうろいためないための配慮はいりょであり、有事ゆうじさいにはゴムパッドしのくつたいでそのまま走行そうこうする場合ばあいもある。欧米おうべいでは実際じっさい市街地しがいちおこなわれる訓練くんれん式典しきてんなどでも戦車せんしゃ一般いっぱん公道こうどうはしする。

駐屯ちゅうとんから演習えんしゅうじょうまでをつな道路どうろ通常つうじょうくつたい対応たいおうしたコンクリート舗装ほそう補強ほきょうされている場合ばあいや、スリップのおそれがある冬期とうき積雪せきせつには、ゴムくつたい装着そうちゃくせずに道路どうろはしするれいもある[ちゅう 11]

90しき方向ほうこう指示しじ(ウインカー)を装備そうびしているが、これは平時へいじ公道こうどう走行そうこうようでレオパルト2、ルクレール、チャレンジャー2などといった欧州おうしゅう主力しゅりょく戦車せんしゃ方向ほうこう指示しじぜんあきらとうそなえる[39]。これは戦車せんしゃ以外いがい装甲そうこう戦闘せんとう車両しゃりょうにおいても同様どうよう。また、一般いっぱん公道こうどうはしり移動いどうするさいはサイドミラーをけるが、欧米おうべい車両しゃりょう同様どうようけて走行そうこうする。

トランスポーターによる輸送ゆそう

トランスポーター運搬うんぱんされる場合ばあいは、積載せきさいりょう安全あんぜんめん問題もんだいから砲塔ほうとう車体しゃたい分離ぶんりして夜間やかん運搬うんぱんされる。最大さいだい積載せきさいりょうが50トンの特大とくだいがた運搬うんぱんしゃでは砲塔ほうとう車体しゃたい一体化いったいかさせた状態じょうたい運搬うんぱんすることが可能かのうだが、最大さいだい積載せきさいりょうが40トンの73しき特大とくだいがたセミトレーラ場合ばあい砲塔ほうとう車体しゃたい分離ぶんりして運搬うんぱんする必要ひつようがある。複雑ふくざつ電子でんし装備そうび油圧ゆあつ系統けいとうちながら、車体しゃたい砲塔ほうとう比較的ひかくてき容易ようい分離ぶんりできる。

航空機こうくうきによる輸送ゆそう[編集へんしゅう]

重量じゅうりょう50トン以上いじょう戦車せんしゃ空輸くうゆするにはC-5 ギャラクシーべい)やC-17 グローブマスターIIIべい)、An-124 ルスラーンウクライナアントノフせい)といった最大さいだいきゅう輸送ゆそう必要ひつようとされる。航空こうくう自衛隊じえいたいはそのたね大型おおがた輸送ゆそう保有ほゆうしておらず、また、航空こうくう自衛隊じえいたい輸送ゆそうであるC-2大型おおがた手術しゅじゅつしゃ16しき機動きどう戦闘せんとうしゃふくそう装甲車そうこうしゃ搭載とうさい想定そうていしているが、戦車せんしゃ搭載とうさい想定そうていしているという情報じょうほうはない。

2006ねん平成へいせい18ねんから導入どうにゅうされたKC-767空中くうちゅう給油きゅうゆ輸送ゆそうのペイロード(積載せきさいりょう)はC-2よりおおきく、トラックなどを搭載とうさいできるが、戦車せんしゃ搭載とうさいできない。

輸送ゆそうかんによる輸送ゆそう[編集へんしゅう]

津軽海峡つがるかいきょうフェリーナッチャンWorld」へのみの様子ようす

海上かいじょう自衛隊じえいたい保有ほゆうするおおすみがた輸送ゆそうかんでは最大さいだい10すうりょう程度ていど輸送ゆそう可能かのう

また、おおすみがた輸送ゆそうかんかく2ていずつ搭載とうさいされているエア・クッションがた揚陸ようりくていLCAC)は、積載せきさい能力のうりょくが70トンあるため、90しき戦車せんしゃを1りょうずつ運搬うんぱんし、海岸かいがん直接ちょくせつ上陸じょうりくさせることが可能かのうである。ただし、90しきだい規模きぼ部隊ぶたいをまとめて輸送ゆそうするのに必要ひつようなだけの輸送ゆそうかんを、自衛隊じえいたい保有ほゆうしていない。

民間みんかん船舶せんぱくによる輸送ゆそうれいとしては2011ねん11月、民間みんかんせんナッチャンWorld」によって、訓練くんれんのため北海道ほっかいどう苫小牧とまこまいこうから大分おおいたけん大分おおいたこうまで90しき戦車せんしゃ4りょう89しき装甲そうこう戦闘せんとうしゃ10りょうなどが輸送ゆそうされたれいがある[40][41]

鉄道てつどう輸送ゆそう[編集へんしゅう]

74しき戦車せんしゃ以降いこう自衛隊じえいたいでは鉄道てつどう輸送ゆそう考慮こうりょした戦車せんしゃ開発かいはつ採用さいようしていないことから、それを輸送ゆそうするのに必要ひつよう車両しゃりょう機材きざい開発かいはつ調達ちょうたつおこなわれていない[ちゅう 12]

事故じこ[編集へんしゅう]

2010ねん8がつ20日はつか静岡しずおかけんひがし富士ふじ演習えんしゅうじょう畑岡はたおか射場しゃじょうにおいて、「富士ふじ総合そうごう火力かりょく演習えんしゅう」の訓練くんれんちゅうに90しき戦車せんしゃ砲身ほうしん先端せんたんやく40cmが砲身ほうしん破裂はれつ事故じこ発生はっせいした。陸上りくじょう自衛隊じえいたいによれば、原因げんいん砲身ほうしんまったまま発射はっしゃするなど「人為じんいミス」をかさねたためとした[42]

2017ねん06がつ21にち北海道大ほっかいどうだい演習えんしゅうじょうせんさい恵庭えにわ地区ちくで、訓練くんれんちゅう横転おうてんし、っていた30だい男性だんせい隊員たいいん戦車せんしゃ下敷したじきになり死亡しぼうした[43]

その[編集へんしゅう]

チャイコフスキー作曲さっきょく1812ねん序曲じょきょくは、大砲たいほう(cannon)を演奏えんそう使つかうことで有名ゆうめいであるが、2017ねんだい11旅団りょだんそうたい9周年しゅうねん真駒内まこまない駐屯ちゅうとんひらきちょう記念きねん式典しきてんにおいて、90しき戦車せんしゃ6りょうだい11戦車せんしゃ大隊だいたい)による空砲くうほう利用りようした演奏えんそう実施じっしされた[44]

派生はせいがた[編集へんしゅう]

登場とうじょう作品さくひん[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ かつてはだい1機甲きこう教育きょういくたいにも配備はいびされていた。
  2. ^ 後継こうけい10しき戦車せんしゃでは情報じょうほうモニターの設置せっちなど、操作そうさ計器けいき簡素かんそおこなわれている。
  3. ^ 各国かっこく軍事ぐんじ機関きかんれいげてもべいぐんMIL規格きかく日本にっぽん防衛ぼうえいしょう規格きかくNDSなど様々さまざま基準きじゅん仕様しよう規格きかく存在そんざいする。
  4. ^ 自己じこ位置いち評定ひょうじょうのみ。
  5. ^ 90しきよりこう腔圧に対応たいおう
  6. ^ 2008年度ねんど予算よさんから初度しょど一括いっかつ計上けいじょうされており、10しき単価たんかには初度しょどふくまれていない。
  7. ^ 平成へいせいもと年度ねんど防衛ぼうえい白書はくしょちゅう資料しりょう平成へいせいもと年度ねんど主要しゅよう事業じぎょう経費けいひ」によれば、56りょうたいし22,175ひゃくまんえん
  8. ^ 1965ねんと2022ねん物価ぶっか消費しょうひしゃ物価ぶっか指数しすう換算かんさん
  9. ^ 2005ねんの9がつ12にち・9月19にちに90しき戦車せんしゃ74しき戦車せんしゃが、2006ねんの8がつ31にち・9月13にちと2007ねんの8がつ31にち・9月12にちと2008ねんの9がつ2にち・9がつ10日とおかと2009ねん9がつ1にち・9月9にちに90しき戦車せんしゃ移動いどう
  10. ^ 90しきより5トンから10トン以上いじょうおも主力しゅりょく戦車せんしゃ保有ほゆうする欧米おうべいでもゴムパッドきのくつたいで、一般いっぱん公道こうどうそうしての移動いどうおこなわれている。
  11. ^ 上富良野かみふらの駐屯ちゅうとんから上富良野かみふらの演習えんしゅうじょう鹿追しかおい駐屯ちゅうとんから然別しかりべつ演習えんしゅうじょう北千歳駐屯地きたちとせちゅうとんちまたはきた恵庭えにわ駐屯ちゅうとんから北海道大ほっかいどうだい演習えんしゅうじょうといったかく駐屯ちゅうとんから演習えんしゅうじょうまでの国道こくどう道道みちみち市道しどうにはアスファルトではくコンクリート補強ほきょうされた道路どうろ設置せっちされており、当該とうがい路面ろめん戦車せんしゃ通常つうじょうくつたい走行そうこうする状態じょうたい確認かくにんすることができる。
  12. ^ JR・きゅう国鉄こくてつ在来ざいらいせんよこはば3メートルじゃく車両しゃりょう前提ぜんてい設計せっけいされているが、74しき以降いこうはいずれもくるまはばが3メートルをえている。なお、戦車せんしゃ以外いがいでは、在来ざいらいせん施設しせつなどの小規模しょうきぼ輸送ゆそうおこなわれている。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ だい世代せだい戦車せんしゃ最高峰さいこうほう「90しき戦車せんしゃ」、攻守こうしゅ能力のうりょくこう次元じげんでまとめた陸上りくじょう自衛隊じえいたい現用げんよう主力しゅりょく”. Motor-Fan (2021ねん9がつ25にち). 2023ねん4がつ3にち閲覧えつらん
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参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

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  • さんはるいちたかしゆう『ストライクアンドタクティカルマガジン2009ねん9がつごう別冊べっさつ 戦後せんご日本にっぽん戦車せんしゃ』2009ねんASIN B002LG7978 
  • 自衛隊じえいたいしん戦車せんしゃパーフェクトガイド』イカロス出版いかろすしゅっぱん、2011ねんISBN 978-4-86320-390-7 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]