健康 けんこう 人 じん の正常 せいじょう な血液 けつえき 。中央 ちゅうおう に1つある細胞 さいぼう が白血球 はっけっきゅう 。正常 せいじょう な血液 けつえき で白血球 はっけっきゅう は赤血球 せっけっきゅう の 1/500 から 1/1000 の数 かず しかない。なお、各 かく 写真 しゃしん は見 み やすいように染色 せんしょく した画像 がぞう である。染色 せんしょく しない白血球 はっけっきゅう や幼 よう 若 わか 細胞 さいぼう は無色 むしょく 半 はん 透明 とうめい である。
急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう (AML-M6) の血液 けつえき の例 れい 。白血病 はっけつびょう では赤血球 せっけっきゅう は減少 げんしょう していることがあり、逆 ぎゃく に白血球 はっけっきゅう が著 しる 明 あきら に増加 ぞうか していたり(減少 げんしょう していることもある)、血球 けっきゅう の幼 おさな 若 わか 球 たま (芽 め 球 だま )が末梢 まっしょう 血 ち に出現 しゅつげん したりする。この画像 がぞう では(健康 けんこう 人 じん の血液 けつえき では決 けっ して出現 しゅつげん しない赤 あか 芽 め 球 だま に似 に た)白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が著 しる 明 あきら に出現 しゅつげん している。なお、標本 ひょうほん の作 つく り方 かた 、観察 かんさつ 方法 ほうほう によって顕微鏡 けんびきょう 写真 しゃしん 像 ぞう は異 こと なるので、白血病 はっけつびょう の血液 けつえき が皆 みな 、このように見 み えるとは限 かぎ らない。
白血病 はっけつびょう (はっけつびょう、Leukemia)は、「血液 けつえき のがん 」ともいわれ、遺伝子 いでんし 変異 へんい を起 お こした造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう (白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう )が骨髄 こつづい で自律 じりつ 的 てき に増殖 ぞうしょく して正常 せいじょう な造血 ぞうけつ を阻害 そがい し、多 おお くは骨髄 こつづい のみにとどまらず血液 けつえき 中 ちゅう にも白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう があふれ出 で てくる血液 けつえき 疾患 しっかん である。白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が造血 ぞうけつ の場 ば である骨髄 こつづい を占拠 せんきょ するために造血 ぞうけつ が阻害 そがい されて正常 せいじょう な血液 けつえき 細胞 さいぼう が減 へ るため感染 かんせん 症 しょう や貧血 ひんけつ 、出血 しゅっけつ 症状 しょうじょう などの症状 しょうじょう が出 で やすくなり、あるいは骨髄 こつづい から血液 けつえき 中 ちゅう にあふれ出 で た白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう がさまざまな臓器 ぞうき に浸潤 しんじゅん (侵入 しんにゅう )して障害 しょうがい することもある。治療 ちりょう は抗 こう がん剤 ざい を中心 ちゅうしん とした化学 かがく 療法 りょうほう と輸血 ゆけつ や感染 かんせん 症 しょう 対策 たいさく などの支持 しじ 療法 りょうほう に加 くわ え、難治 なんじ 例 れい では骨髄 こつづい 移植 いしょく や臍帯 さいたい 血 ち 移植 いしょく などの造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう 移植 いしょく 治療 ちりょう も行 おこな われる。大 おお きくは急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう (AML)、急性 きゅうせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう (ALL)、慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう (CML)、慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう (CLL) の4つに分 わ けられる。
概要 がいよう
日本 にっぽん 血液 けつえき 学会 がっかい では
『白血病 はっけつびょう は遺伝子 いでんし 変異 へんい の結果 けっか 、増殖 ぞうしょく や生存 せいぞん において優位 ゆうい 性 せい を獲得 かくとく した造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう が骨髄 こつづい で自律 じりつ 的 てき に増殖 ぞうしょく するクローン性 せい の疾患 しっかん 群 ぐん である。白血病 はっけつびょう は分化 ぶんか 能 のう を失 うしな った幼 よう 若 わか 細胞 さいぼう が増加 ぞうか する急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう と、分化 ぶんか ・成熟 せいじゅく を伴 ともな いほぼ正常 せいじょう な形態 けいたい を有 ゆう する細胞 さいぼう が増殖 ぞうしょく する慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう に分 わ けられる。また分化 ぶんか の方向 ほうこう により骨髄 こつづい 性 せい とリンパ性 せい に大別 たいべつ される』
—-引用 いんよう 、日本 にっぽん 血液 けつえき 学会 がっかい 、日本 にっぽん リンパ網 もう 内 ない 系 けい 学会 がっかい 編集 へんしゅう 、『造血 ぞうけつ 器 き 腫瘍 しゅよう 取扱 とりあつか い規約 きやく 』金原出版 かねはらしゅっぱん 、2010年 ねん 、p.2
としている。
白血病 はっけつびょう は病的 びょうてき な血液 けつえき 細胞 さいぼう (白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう )が骨髄 こつづい で自律 じりつ 的 てき 、つまりコントロールされることなく無秩序 むちつじょ に増加 ぞうか する疾患 しっかん である。骨髄 こつづい は血液 けつえき 細胞 さいぼう を生 う み出 だ す場 ば であり、骨髄 こつづい での白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の増加 ぞうか によって正常 せいじょう な造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう が造血 ぞうけつ の場 ば を奪 うば われることで正常 せいじょう な造血 ぞうけつ が困難 こんなん になり、血液 けつえき (末梢 まっしょう 血 ち )にも影響 えいきょう が及 およ ぶ。あるいは骨髄 こつづい から血液 けつえき 中 ちゅう にあふれ出 で た白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう がさまざまな臓器 ぞうき に浸潤 しんじゅん (侵入 しんにゅう )して障害 しょうがい することもある。白血病 はっけつびょう 患者 かんじゃ の血液 けつえき 中 ちゅう では白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう あるいは病的 びょうてき な白血球 はっけっきゅう を含 ふく めると白血球 はっけっきゅう 総数 そうすう は著 ちょ 明 あかり に増加 ぞうか することも、あるいは減少 げんしょう することもある。しかし、正常 せいじょう な白血球 はっけっきゅう は減少 げんしょう し血小板 けっしょうばん や赤血球 せっけっきゅう も多 おお くの場合 ばあい 減少 げんしょう する[註 1] 。
白血病 はっけつびょう の症状 しょうじょう として、正常 せいじょう な白血球 はっけっきゅう が減 へ ることで感染 かんせん 症 しょう (発熱 はつねつ )、赤血球 せっけっきゅう が減少 げんしょう することで貧血 ひんけつ になり貧血 ひんけつ に伴 ともな う症状 しょうじょう (倦怠 けんたい 感 かん 、動悸 どうき 、めまい)、血小板 けっしょうばん が減少 げんしょう することで易 えき 出血 しゅっけつ 症状 しょうじょう などがよく見 み られ、また血液 けつえき 中 ちゅう にあふれ出 で た白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が皮膚 ひふ や神経 しんけい 、各 かく 臓器 ぞうき に浸潤 しんじゅん (侵入 しんにゅう )してそれらにさまざまな異常 いじょう が起 お きることもある。
治療 ちりょう は抗 こう がん剤 ざい を中心 ちゅうしん とした化学 かがく 療法 りょうほう によって白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の根絶 こんぜつ を目指 めざ し、白血病 はっけつびょう の諸 しょ 症状 しょうじょう の緩和 かんわ に輸血 ゆけつ や造血 ぞうけつ 因子 いんし 投与 とうよ や(抗菌 こうきん 薬 やく やクリーンルームなどの)感染 かんせん 症 しょう 対策 たいさく などの支持 しじ 療法 りょうほう に加 くわ え、難治 なんじ 例 れい では骨髄 こつづい 移植 いしょく などの造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう 移植 いしょく 治療 ちりょう も行 おこな われる。
白血病 はっけつびょう は年 とし に10万 まん 人 にん あたりおよそ7人 にん (2005年 ねん 、日本 にっぽん )が発症 はっしょう する比較的 ひかくてき 少 すく ないがんであるが[註 2] 、多 おお くの悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう (癌 がん 、肉腫 にくしゅ )は高齢 こうれい 者 しゃ が罹患 りかん し小児 しょうに や青年 せいねん 層 そう では極 きわ めてまれなのに対 たい し、白血病 はっけつびょう は小児 しょうに から高齢 こうれい 者 しゃ まで広 ひろ く発症 はっしょう するため、小児 しょうに から青年 せいねん 層 そう に限 かぎ ればがんの中 なか で比較的 ひかくてき 多 おお いがんである[1] 。造血 ぞうけつ の場 ば である骨髄 こつづい で造血 ぞうけつ の元 もと になっている細胞 さいぼう が変異 へんい したことによって起 お きるのが白血病 はっけつびょう であり、癌 がん や肉腫 にくしゅ のように固形 こけい の腫瘍 しゅよう を形成 けいせい しないため、胃癌 いがん や大腸 だいちょう 癌 がん などのように外科 げか 手術 しゅじゅつ の適応 てきおう ではないが、その代 か わり抗 こう がん剤 ざい などの化学 かがく 療法 りょうほう には極 きわ めてよく反応 はんのう する疾患 しっかん である[2] [註 3] 。19世紀 せいき にドイツの病理 びょうり 学者 がくしゃ ルドルフ・ルートヴィヒ・カール・ウィルヒョー (ウィルヒョウ,フィルヒョウ)が白血病 はっけつびょう を初 はじ めて報告 ほうこく して Leukemia(白血病 はっけつびょう )と名付 なづ けたが、かつては白血病 はっけつびょう は治療 ちりょう が困難 こんなん で、自覚 じかく 症状 しょうじょう が現 あらわ れてからは急 きゅう な経過 けいか をたどって死 し に至 いた ったため、不治 ふじ の病 やまい とのイメージを持 も たれてきた。また、白血病 はっけつびょう は現代 げんだい においても現実 げんじつ に若年 じゃくねん 層 そう での病死 びょうし 因 いん の中 なか で高 たか い割合 わりあい を占 し めることから、フィクション では、かつての結核 けっかく に代 か わって、癌 がん と並 なら び現代 げんだい ではしばしば若 わか い悲劇 ひげき の主人公 しゅじんこう が罹患 りかん する設定 せってい になることが多 おお い[3] 。しかし、1980年代 ねんだい 以降 いこう 、化学 かがく 療法 りょうほう や、骨髄 こつづい 移植 いしょく (bone marrow transplantation; BMT)、末梢 まっしょう 血 ち 造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう 移植 いしょく (peripheral blood stem cell transplantation; PBSCT)、臍帯 さいたい 血 ち 移植 いしょく (cord blood transplantation; CBT) の進歩 しんぽ に伴 ともな って治療 ちりょう 成績 せいせき は改善 かいぜん されつつある[4] 。
一口 ひとくち に白血病 はっけつびょう と言 い っても、大 おお きくは急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう (AML)、急性 きゅうせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう (ALL)、慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう (CML)、慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう (CLL) の4つに分 わ けられ、それぞれは様相 ようそう の異 こと なった白血病 はっけつびょう である。
急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう では増加 ぞうか している白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう は幼 よう 若 わか な血液 けつえき 細胞 さいぼう (芽 め 球 だま )に形態 けいたい は似 に てはいるが、正常 せいじょう な分化 ぶんか ・成熟 せいじゅく 能 のう を失 うしな い異 こと なったものとなる[5] 。慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう では1系統 けいとう 以上 いじょう [註 4] の血液 けつえき 細胞 さいぼう が異常 いじょう な増殖 ぞうしょく をするが、白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう は分化 ぶんか 能 のう を失 うしな っておらず、幼 よう 若 わか な血液 けつえき 細胞 さいぼう (芽 め 球 だま )から成熟 せいじゅく した細胞 さいぼう まで広範 こうはん な細胞 さいぼう 増殖 ぞうしょく を見 み せる[6] 。急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう は血液 けつえき 細胞 さいぼう の幼 おさな 若 わか 細胞 さいぼう に似 に た形態 けいたい を取 と り[5] 、多 おお くの急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう では出現 しゅつげん している白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう に発現 はつげん している特徴 とくちょう が白血球 はっけっきゅう 系 けい 幼 よう 若 わか 細胞 さいぼう に現 あらわ れている特徴 とくちょう と共通 きょうつう 点 てん が多 おお い細胞 さいぼう であるが[7] 、多 おお くはないが赤血球 せっけっきゅう 系統 けいとう [8] や血小板 けっしょうばん 系統 けいとう [註 5] [9] の幼 おさな 若 わか 細胞 さいぼう の特徴 とくちょう が発現 はつげん した白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が現 あらわ れるものもあり、それらも白血病 はっけつびょう である[10] [11] 。血液 けつえき 細胞 さいぼう は分化 ぶんか の方向 ほうこう でリンパ球 だま と骨髄 こつづい 系 けい 細胞 さいぼう [註 6] に分 わ けられるが、ほとんどの白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう も少 すこ しであっても分化 ぶんか の方向 ほうこう 付 づ けがありリンパ性 せい と骨髄 こつづい 性 せい に分 わ けることができる[12] [13] 。
白血病 はっけつびょう における慢性 まんせい と急性 きゅうせい の意味 いみ は、他 た の疾患 しっかん で言 い う急性 きゅうせい ・慢性 まんせい の意味合 いみあ いとは違 ちが う。急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう が慢性 まんせい 化 か したものが慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう という訳 わけ ではなく、白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が幼 よう 若 わか な形態 けいたい のまま増加 ぞうか していく白血病 はっけつびょう を「急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう 」、白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が成熟 せいじゅく 傾向 けいこう を持 も ち一見 いっけん 正常 せいじょう な血液 けつえき 細胞 さいぼう になる白血病 はっけつびょう を「慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう 」という。白血病 はっけつびょう の歴史 れきし の中 なか で一般 いっぱん に無 む 治療 ちりょう の場合 ばあい には白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が幼 よう 若 わか な形態 けいたい のまま増加 ぞうか していく白血病 はっけつびょう の方 ほう が死 し に至 いた るまでの時間 じかん が短 みじか かったので「急性 きゅうせい 」と名付 なづ けられた。急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう が慢性 まんせい 化 か して慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう になることはないが、逆 ぎゃく に慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう が変異 へんい を起 お こして急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう 様 さま の病態 びょうたい になることはある[14] 。
一般 いっぱん 的 てき に用 もち いられる形容 けいよう で、白血病 はっけつびょう を「血液 けつえき の癌 がん 」と呼 よ ぶが、この形容 けいよう は誤 あやま りである。漢字 かんじ で「癌 がん 」というのは「上皮 じょうひ 組織 そしき の悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう 」を指 さ し、上皮 じょうひ 組織 そしき でなく結合 けつごう 組織 そしき である血液 けつえき や血球 けっきゅう には使 つか えない。ただし、「血液 けつえき のがん」という平仮名 ひらがな の表記 ひょうき は正解 せいかい である。平仮名 ひらがな の「がん」は、「癌 がん 」や「肉腫 にくしゅ 」、血液 けつえき 悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう も含 ふく めた広義 こうぎ 的 てき な意味 いみ で使 つか われているからである[15] 。
悪性 あくせい リンパ腫 りんぱしゅ や骨髄 こつづい 異 い 形成 けいせい 症候群 しょうこうぐん といった類縁 るいえん 疾患 しっかん は通常 つうじょう 、白血病 はっけつびょう には含 ふく まれないが、悪性 あくせい リンパ腫 りんぱしゅ とリンパ性 せい 白血病 はっけつびょう の細胞 さいぼう は本質 ほんしつ 的 てき には同一 どういつ であるとされ、骨髄 こつづい 異 い 形成 けいせい 症候群 しょうこうぐん にも前 ぜん 白血病 はっけつびょう 状態 じょうたい と位置付 いちづ けられ進行 しんこう して白血病 はっけつびょう 化 か するものもあり[註 7] 、これら類縁 るいえん 疾患 しっかん と白血病 はっけつびょう の境目 さかいめ は曖昧 あいまい な面 めん もある。
歴史 れきし と白血病 はっけつびょう の名 な の由来 ゆらい
歴史 れきし
ルドルフ・ルートヴィヒ・カール・ウィルヒョー
試験管 しけんかん に血液 けつえき を取 と り遠心 えんしん 分離 ぶんり すると上 うえ に血漿 けっしょう 、下 した に赤血球 せっけっきゅう が分離 ぶんり し、中間 ちゅうかん に白血球 はっけっきゅう を含 ふく む白 しろ 灰色 はいいろ の薄 うす い層 そう が現 あらわ れる。白血病 はっけつびょう では中間 ちゅうかん の白 しろ 灰色 はいいろ の層 そう の厚 あつ みが増 ま していることがある。
19世紀 せいき 半 なか ば、ドイツの病理 びょうり 学者 がくしゃ ルドルフ・ルートヴィヒ・カール・ウィルヒョー (ウィルヒョウ,フィルヒョウ)が巨大 きょだい な脾腫を伴 ともな い、血液 けつえき が白色 はくしょく がかって死亡 しぼう した(今 いま で言 い う慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう )患者 かんじゃ を調 しら べて報告 ほうこく したのが白血病 はっけつびょう の血液 けつえき 疾患 しっかん としての最初 さいしょ の認知 にんち であるが、ウィルヒョーの報告 ほうこく ののち、白血病 はっけつびょう は経過 けいか が比較的 ひかくてき ゆっくりなものを慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう 、早 はや いものを急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう と分類 ぶんるい され(現在 げんざい の分類 ぶんるい 法 ほう とは違 ちが う)、1930年代 ねんだい には細胞 さいぼう 科学 かがく 的 てき 手法 しゅほう によってリンパ性 せい と骨髄 こつづい 性 せい に分類 ぶんるい されるようになった。しかしウィルヒョーの報告 ほうこく からほぼ100年 ねん にわたって、白血病 はっけつびょう には有効 ゆうこう な治療 ちりょう 法 ほう はなく、急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう で数 すう 週 しゅう から数 すう か月 げつ 、慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう でも数 すう か月 げつ から数 すう 年 ねん で死亡 しぼう する死 し の病 やまい であった。第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 後 ご に登場 とうじょう した抗 こう がん剤 ざい 6-MP が白血病 はっけつびょう に適用 てきよう され始 はじ めたが、抗 こう がん剤 ざい の種類 しゅるい も知見 ちけん も少 すく なく、血小板 けっしょうばん 輸血 ゆけつ や抗生 こうせい 物質 ぶっしつ も乏 とぼ しかった1960年代 ねんだい までは死 し の病 やまい である状況 じょうきょう は変 か わらなかった。1960年代 ねんだい からは抗 こう がん剤 ざい の種類 しゅるい ・知見 ちけん も増加 ぞうか して抗 こう がん剤 ざい Ara-c とダウノルビシン の多 た 剤 ざい 併用 へいよう 療法 りょうほう が開発 かいはつ され、抗生 こうせい 物質 ぶっしつ もさまざま登場 とうじょう し、少 すこ しずつ白血病 はっけつびょう に立 た ち向 む かえるようになっていった。1960年代 ねんだい 後半 こうはん からは抗 こう がん剤 ざい の多 た 剤 ざい 併用 へいよう 療法 りょうほう の改良 かいりょう [註 8] によって白血病 はっけつびょう が治癒 ちゆ する例 れい が増 ふ え始 はじ め[16] 、同時 どうじ に抗生 こうせい 物質 ぶっしつ の充実 じゅうじつ 、1970年代 ねんだい から始 はじ まった血小板 けっしょうばん 輸血 ゆけつ などの支持 しじ 療法 りょうほう の進歩 しんぽ もあり[17] 、急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう 患者 かんじゃ の70-80%は一旦 いったん は白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が見 み られなくなるようになったが、しかし、多 た 剤 ざい 併用 へいよう 療法 りょうほう のみでは再発 さいはつ は少 すく なくなく、最終 さいしゅう 的 てき には多 た 剤 ざい 併用 へいよう 療法 りょうほう のみでの治癒 ちゆ 率 りつ は30-40%程度 ていど で頭打 あたまう ちになっている[18] [19] 。その後 ご 1970年代 ねんだい から研究 けんきゅう の始 はじ まった造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう 移植 いしょく が1990年代 ねんだい から本格 ほんかく 的 てき に適用 てきよう され始 はじ め[20] 、化学 かがく 療法 りょうほう だけでは長期 ちょうき 生存 せいぞん は難 むずか しい難治 なんじ 例 れい でも造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう 移植 いしょく で2-6割 わり の患者 かんじゃ は長期 ちょうき 生存 せいぞん が期待 きたい できるようになった[21] 。また急性 きゅうせい 前 ぜん 骨髄 こつづい 球 だま 性 せい 白血病 はっけつびょう (AML-M3) で画期的 かっきてき な治療 ちりょう 法 ほう である分化 ぶんか 誘導 ゆうどう 療法 りょうほう の発見 はっけん 、2001年 ねん には慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう (CML) の分子 ぶんし 標的 ひょうてき 薬 やく グリベック の登場 とうじょう など、AML-M3 や CML、予 よ 後 ご が良 よ い小児 しょうに ALL などでは大半 たいはん の患者 かんじゃ が救 すく われるようになってきている[17] 。
血 ち の色 いろ と白血病 はっけつびょう の名 な の由来 ゆらい
白血病 はっけつびょう は、前述 ぜんじゅつ したウィルヒョーが見 み た死亡 しぼう 患者 かんじゃ の血液 けつえき が白 しろ っぽくなっていたので、ギリシャ語 ご の白 しろ い (λεύκος) と血 ち (αίμα) をラテン文字 もじ へ換字 かんじ した (leukos) と (haima) から造語 ぞうご した leukemia(白血病 はっけつびょう )と名付 なづ けたといわれる[註 9] [17] [22] 。ウィルヒョーが見 み た患者 かんじゃ では極端 きょくたん に白血球 はっけっきゅう が増加 ぞうか し血液 けつえき が白 しろ っぽくなっていたと考 かんが えられるが、実際 じっさい に血液 けつえき が真 ま っ白 しろ になることはなく、白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が極端 きょくたん に増 ふ えた例 れい で通常 つうじょう は濃 こ い赤色 あかいろ である血液 けつえき が赤 あか から灰 はい 白 しろ 赤色 あかいろ になるだけで、ほとんどの白血病 はっけつびょう 患者 かんじゃ では血液 けつえき の色 いろ は赤 あか いままである[17] [5] 。血液 けつえき の赤色 あかいろ は赤血球 せっけっきゅう の色 いろ であるが、赤血球 せっけっきゅう が完全 かんぜん になくなる前 まえ に人 ひと は死亡 しぼう するので血液 けつえき が完全 かんぜん に真 ま っ白 しろ になるまで生存 せいぞん することはできない。
白血病 はっけつびょう によって貧血 ひんけつ が強 つよ くなると血 ち の色 いろ が薄 うす くはなる。また同様 どうよう に、赤 あか 白血病 はっけつびょう (FAB分類 ぶんるい M6)でも血 ち がピンクになるわけではない。一方 いっぽう 、家族 かぞく 性 せい リポ蛋白 たんぱく リパーゼ欠損 けっそん 症 しょう では血 ち の中 なか に中性 ちゅうせい 脂肪 しぼう が溜 た まり血 ち が乳白色 にゅうはくしょく となるが、これは白血病 はっけつびょう とは呼 よ ばない[23] 。
ちなみに健康 けんこう 人 じん の血液 けつえき を遠心 えんしん 分離 ぶんり すると下層 かそう には濃 こ い赤色 あかいろ の赤血球 せっけっきゅう 、上層 じょうそう には黄色 きいろ みかかった透明 とうめい の血漿 けっしょう に分離 ぶんり するが、中間 ちゅうかん にはやや灰色 はいいろ がかった白 しろ い薄 うす い層 そう が現 あらわ れる。白 しろ い層 そう をなす血液 けつえき 細胞 さいぼう をギリシャ語 ご 由来 ゆらい の(白 しろ い)を意味 いみ する leuko と細胞 さいぼう を表 あらわ す cyte を併 あわ せて Leukocyte:白血球 はっけっきゅう と名付 なづ けられた[24] 。白血球 はっけっきゅう の一 ひと つ一 ひと つは実際 じっさい には無色 むしょく 半 はん 透明 とうめい だが多 おお く集 あつ まると光 ひかり を乱反射 らんはんしゃ して白 しろ く見 み える。白血病 はっけつびょう 患者 かんじゃ のほとんどでは白血球 はっけっきゅう あるいは白血球 はっけっきゅう 同様 どうよう に無色 むしょく 半 はん 透明 とうめい な芽 め 球 だま が増加 ぞうか しているので血液 けつえき を遠心 えんしん 分離 ぶんり すると中間 ちゅうかん の白 しろ い層 そう の厚 あつ みは増加 ぞうか している。白 しろ い層 そう の増加 ぞうか の程度 ていど が甚 はなは だしいと血液 けつえき の色 いろ も変化 へんか する[25] 。
症状 しょうじょう
急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう (AML-M4) において白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の浸潤 しんじゅん で腫脹 しゅちょう した歯肉 はにく 。ただし、歯肉 はにく 腫脹 しゅちょう する疾患 しっかん は白血病 はっけつびょう だけでなく、また白血病 はっけつびょう であっても必 かなら ずしも歯肉 はにく 腫脹 しゅちょう するわけでもないので、歯肉 はにく 腫脹 しゅちょう の有無 うむ で白血病 はっけつびょう かどうかは鑑別 かんべつ できない。
白血病 はっけつびょう の症状 しょうじょう は急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう と慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう では大 おお きく違 ちが う。
急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう の症状 しょうじょう としては、骨髄 こつづい で白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が増加 ぞうか し満 み ちあふれるために正常 せいじょう な造血 ぞうけつ が阻害 そがい されて正常 せいじょう な血液 けつえき 細胞 さいぼう が減少 げんしょう し、正常 せいじょう な白血球 はっけっきゅう の減少 げんしょう に伴 ともな い細菌 さいきん などの感染 かんせん 症 しょう (発熱 はつねつ )、赤血球 せっけっきゅう 減少 げんしょう (貧血 ひんけつ )に伴 ともな う症状 しょうじょう (倦怠 けんたい 感 かん 、動悸 どうき 、めまい)、血小板 けっしょうばん 減少 げんしょう に伴 ともな う易 えき 出血 しゅっけつ 症状 しょうじょう (歯肉 はにく 出血 しゅっけつ 、鼻 はな 出血 しゅっけつ 、皮下 ひか 出血 しゅっけつ など)がよく見 み られ、ほかにも白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の浸潤 しんじゅん による歯肉 はにく の腫脹 しゅちょう や時 とき には(とくに AML-M3 では)大 だい 規模 きぼ な出血 しゅっけつ もありうる[註 10] [26] [27] 。さらに白血病 はっけつびょう が進行 しんこう し、各 かく 臓器 ぞうき への白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の浸潤 しんじゅん があると、各 かく 臓器 ぞうき が傷害 しょうがい あるいは腫 しゅ 張 はり し圧迫 あっぱく されてさまざまな症状 しょうじょう がありうる。腫瘍 しゅよう 熱 ねつ 、骨 ほね 痛 つう 、歯肉 はにく 腫脹 しゅちょう 、肝 かん 脾腫、リンパ節 ぶし 腫脹 しゅちょう 、皮膚 ひふ 病変 びょうへん などや、白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が中枢 ちゅうすう 神経 しんけい に浸潤 しんじゅん すると頭痛 ずつう や意識 いしき 障害 しょうがい などの様々 さまざま な神経症 しんけいしょう 状 じょう も起 お こりうる[26] [27] 。急性 きゅうせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう ではリンパ節 ぶし ・肝臓 かんぞう ・脾臓 ひぞう の腫 しゅ 大 おお や中枢 ちゅうすう 神経症 しんけいしょう 状 じょう [註 11] はよく見 み られるが、AML では多 おお くはない[28] [29] [30] 。
ただし、これらの諸 しょ 症状 しょうじょう は白血病 はっけつびょう に特有 とくゆう の症状 しょうじょう ではなく、これらの症状 しょうじょう を示 しめ す疾患 しっかん は多 おお い。故 ゆえ に症状 しょうじょう だけで白血病 はっけつびょう を推定 すいてい することは困難 こんなん である。
慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう では罹患 りかん 後 ご しばらくは慢性 まんせい 期 き と呼 よ ばれる状態 じょうたい が続 つづ き、特 とく に症状 しょうじょう が現 あらわ れず健康 けんこう 診断 しんだん などで白血球 はっけっきゅう 数 すう の異常 いじょう が指摘 してき されて初 はじ めて受診 じゅしん することも多 おお く、慢性 まんせい 期 き で自覚 じかく 症状 しょうじょう が現 あらわ れる場合 ばあい は脾腫による腹部 ふくぶ 膨満や微熱 びねつ 、倦怠 けんたい 感 かん の場合 ばあい が多 おお い[31] [32] 。ただし、慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう の自然 しぜん 経過 けいか では数 すう 年 ねん の後 のち 必 かなら ず、移行 いこう 期 き と呼 よ ばれる芽 め 球 だま 増加 ぞうか の中 なか 間 あいだ 段階 だんかい を経 へ て急性 きゅうせい 転化 てんか を起 お こす。急性 きゅうせい 期 き では芽 め 球 だま が著 しる 増 ま し急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう と同様 どうよう の状態 じょうたい になる[31] 。
慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう では一般 いっぱん に進行 しんこう がゆっくりで無 む 症状 しょうじょう のことも多 おお く、やはり健康 けんこう 診断 しんだん で白血球 はっけっきゅう 増加 ぞうか を指摘 してき されて受診 じゅしん することが多 おお いが、しかし80%の患者 かんじゃ ではリンパ節 ぶし の腫脹 しゅちょう があり(痛 いた みはないことが多 おお い)他人 たにん からリンパ節 ぶし 腫脹 しゅちょう を指摘 してき されて受診 じゅしん することもある。リンパ節 ぶし の腫 は れ以外 いがい に自覚 じかく 症状 しょうじょう がある場合 ばあい には倦怠 けんたい 感 かん 、脾腫 による腹部 ふくぶ 膨満[33] [34] [35] や寝汗 ねあせ 、発熱 はつねつ 、皮膚 ひふ 病変 びょうへん [36] などが見 み られる。慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう の低 てい リスク群 ぐん では無 む 症状 しょうじょう のまま無 む 治療 ちりょう でも天寿 てんじゅ を全 まっと うすることもあるが、病 やまい 期 き が進行 しんこう してくると貧血 ひんけつ や血小板 けっしょうばん 減少 げんしょう が進 すす み、細菌 さいきん や真 ま 菌 きん などの日和見 ひよりみ 感染 かんせん 症 しょう や自己 じこ 免疫 めんえき 疾患 しっかん を伴 ともな うこともある[33] [35] 。
検査 けんさ
白血病 はっけつびょう の検査 けんさ では血液 けつえき 検査 けんさ と骨髄 こつづい 検査 けんさ が主 おも になる。白血病 はっけつびょう の本体 ほんたい は骨髄 こつづい にあり、白血病 はっけつびょう の状態 じょうたい を正確 せいかく に把握 はあく するには骨髄 こつづい 検査 けんさ が不可欠 ふかけつ であるが骨髄 こつづい 検査 けんさ は患者 かんじゃ にとって負担 ふたん の多 おお い検査 けんさ であり、患者 かんじゃ への負担 ふたん が少 すく ない血液 けつえき 検査 けんさ も重要 じゅうよう になる[37] 。(骨髄 こつづい と血液 けつえき を川 かわ に例 たと えると水源 すいげん が骨髄 こつづい で川 かわ の水 みず が血液 けつえき に相当 そうとう する。水源 すいげん の異常 いじょう は川 かわ の水質 すいしつ や水量 すいりょう に影響 えいきょう を与 あた える。川 かわ の水 みず の状態 じょうたい から水源 すいげん に異常 いじょう があることはある程度 ていど 推測 すいそく することは出来 でき るが、水源 すいげん の状態 じょうたい や何 なに が起 お きているのかを正確 せいかく に把握 はあく するには水源 すいげん そのものを調 しら べるしかない。しかし水源 すいげん まで行 い くことは苦痛 くつう を伴 ともな い労力 ろうりょく が必要 ひつよう なので川 かわ の水 みず の状態 じょうたい をこまめに点検 てんけん し、必要 ひつよう に応 おう じて水源 すいげん の再 さい 点検 てんけん も行 おこな うことが大事 だいじ になる。)
血液 けつえき 検査 けんさ (末梢 まっしょう 血 ち )で芽 め 球 だま を明 あき らかに認 みと めれば白血病 はっけつびょう の可能 かのう 性 せい は高 たか い。末梢 まっしょう 血 ち で芽 め 球 だま が認 みと められなくとも、白血球 はっけっきゅう が著 しる 増 ま していたり、あるいは赤血球 せっけっきゅう と血小板 けっしょうばん が著 いちじる しく減少 げんしょう し非 ひ 血液 けつえき 疾患 しっかん の可能 かのう 性 せい が見 み つからなければ、骨髄 こつづい 検査 けんさ が必要 ひつよう になる(白血病 はっけつびょう では白血球 はっけっきゅう は、著 ちょ 増 ま していることもあれば正常 せいじょう あるいは減少 げんしょう していることもある。10万 まん を超 こ えるような場合 ばあい 以外 いがい は白血球 はっけっきゅう 数 すう だけでは白血病 はっけつびょう かどうかは分 わ からない)。骨髄 こつづい で芽 め 球 だま の割合 わりあい が著 しる 増 ま していたり、極端 きょくたん な過 か 形成 けいせい [註 12] であればやはり白血病 はっけつびょう の可能 かのう 性 せい は非常 ひじょう に高 たか い[38] [39] [40] 。
急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう の骨髄 こつづい では芽 め 球 だま の増加 ぞうか を認 みと め、WHO分類 ぶんるい では骨髄 こつづい の有 ゆう 核 かく 細胞 さいぼう のなかでの芽 め 球 だま の割合 わりあい が20%以上 いじょう であれば急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう と定義 ていぎ するので骨髄 こつづい 検査 けんさ を行 おこな わないと診断 しんだん を確定 かくてい できない。さらに骨髄 こつづい 内 ない の有 ゆう 核 かく 細胞 さいぼう 中 ちゅう の MPO陽性 ようせい 比率 ひりつ や非特異 ひとくい 的 てき エステラーゼ染色 せんしょく や免疫 めんえき 学 がく 的 てき マーカー捜索 そうさく によって急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう 中 ちゅう の病 やまい 型 がた の診断 しんだん を確定 かくてい させる[41] 。CML や CLL でも骨髄 こつづい でのそれぞれの特徴 とくちょう 的 てき な骨髄 こつづい 像 ぞう の確認 かくにん は重要 じゅうよう であり、CML ではフィラデルフィア染色 せんしょく 体 たい の捜索 そうさく を行 おこな う[42] 。
また、白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の中枢 ちゅうすう 神経 しんけい への浸潤 しんじゅん の可能 かのう 性 せい や脾・肝臓 かんぞう 腫 しゅ 、感染 かんせん 症 しょう などの白血病 はっけつびょう の症状 しょうじょう を探 さぐ るための諸 しょ 検査 けんさ (CT検査 けんさ 、脳 のう 脊髄 せきずい 液 えき 検査 けんさ 、細菌 さいきん 培養 ばいよう 検査 けんさ 等 とう )も行 おこな われる[27] [28] [43] 。
急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう は多 おお くの場合 ばあい 、白血球 はっけっきゅう の幼 よう 若 わか な細胞 さいぼう と類似 るいじ した形態 けいたい を取 と るため、芽 め 球 だま あるいは芽 め 球 だま 様 さま 細胞 さいぼう と呼 よ ばれる。血液 けつえき 細胞 さいぼう は大 おお きくは、白血球 はっけっきゅう 、赤血球 せっけっきゅう 、血小板 けっしょうばん の3種 しゅ の分 わ けられるが、白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう (芽 め 球 だま )は赤血球 せっけっきゅう や血小板 けっしょうばん と違 ちが って有 ゆう 核 かく であり、また赤血球 せっけっきゅう と違 ちが い溶血 ようけつ 剤 ざい に溶 と けず血小板 けっしょうばん とはサイズが違 ちが うので、正常 せいじょう な白血球 はっけっきゅう ではないが自動 じどう 血球 けっきゅう 計数 けいすう 器 き で分析 ぶんせき する血液 けつえき 検査 けんさ の血液 けつえき 分 ぶん 画 が (血液 けつえき 細胞 さいぼう の分類 ぶんるい とカウント)の中 なか では白血球 はっけっきゅう の区分 くぶん に入 い れられる(高性能 こうせいのう な検査 けんさ 機 き や検査 けんさ 技師 ぎし が行 おこな う目視 もくし 検査 けんさ では血液 けつえき 細胞 さいぼう の種類 しゅるい ごとに細 こま かく分類 ぶんるい ができる)[44] 。
急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう の血液 けつえき 検査 けんさ ではヘモグロビンや血小板 けっしょうばん 数 すう は低下 ていか していることが多 おお く、芽 め 球 だま が認 みと められることが多 おお い。血液 けつえき 中 ちゅう の有 ゆう 核 かく 細胞 さいぼう が多数 たすう の骨髄 こつづい 系 けい 芽 め 球 だま と少数 しょうすう の正常 せいじょう な白血球 はっけっきゅう だけで中間 ちゅうかん の成熟 せいじゅく 段階 だんかい の細胞 さいぼう を欠 か けば(白血病 はっけつびょう 裂 きれ 孔 あな )急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう の可能 かのう 性 せい が高 たか く[45] 、リンパ芽 め 球 だま が多数 たすう 現 あらわ れていれば急性 きゅうせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう の可能 かのう 性 せい が高 たか い。芽 め 球 だま から成熟 せいじゅく した白血球 はっけっきゅう まで含 ふく めた白血球 はっけっきゅう 総数 そうすう は著 ちょ 明 あかり に増加 ぞうか していることが多 おお いが、なかには正常 せいじょう あるいは減少 げんしょう していることもある[46] 。
慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう では、血液 けつえき 、骨髄 こつづい の両方 りょうほう で芽 め 球 だま から成熟 せいじゅく した細胞 さいぼう まで白血球 はっけっきゅう の著 しる 明 あきら な増加 ぞうか があり血小板 けっしょうばん も増加 ぞうか していることが多 おお く、慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう では成熟 せいじゅく したリンパ球 だま が著 しる 明 あきら に増加 ぞうか する[47] 。
急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう は分化 ぶんか 能 のう を失 うしな い幼 よう 若 わか な形態 けいたい (芽 め 球 だま )のまま数 かず を増 ふ やすので、骨髄 こつづい は一様 いちよう な細胞 さいぼう で埋 う め尽 つ くされる。慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう では細胞 さいぼう は分化 ぶんか 能 のう を失 うしな わずに、しかし正常 せいじょう なコントロールを失 うしな って自律 じりつ 的 てき な過剰 かじょう な増殖 ぞうしょく を行 おこな うので正常 せいじょう な骨髄 こつづい に比 くら べて各 かく 成熟 せいじゅく 段階 だんかい の白血球 はっけっきゅう 系 けい 細胞 さいぼう が顕著 けんちょ に多 おお くなる(過 か 形成 けいせい )。骨髄 こつづい 検査 けんさ では各 かく 細胞 さいぼう を細 こま かく分 わ けてカウントし、とくに芽 め 球 だま の割合 わりあい と形態 けいたい が重要 じゅうよう になる。赤 あか 芽 め 球 だま は通常 つうじょう では芽 め 球 だま には含 ふく まれないが、赤 あか 白血病 はっけつびょう (AML-M6) では白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の半数 はんすう 程度 ていど は赤 あか 芽 め 球 だま と同様 どうよう の表面 ひょうめん 抗原 こうげん を発現 はつげん するため、赤 あか 白血病 はっけつびょう を疑 うたが われたときのみ、芽 め 球 だま に赤 あか 芽 め 球 だま を含 ふく める[48] 。
健康 けんこう 人 じん の
正常 せいじょう な
骨髄 こつづい 。
正常 せいじょう な
骨髄 こつづい では
幼 よう 若 わか な
細胞 さいぼう から
成熟 せいじゅく した
細胞 さいぼう まで
各 かく 成熟 せいじゅく 段階 だんかい の
多様 たよう な
血液 けつえき 細胞 さいぼう が
見 み られる。
有 ゆう 核 かく 細胞 さいぼう の
中 なか で、
中央 ちゅうおう の
一番 いちばん 大 おお きい
細胞 さいぼう がこの
中 なか ではもっとも
幼 よう 若 わか な
細胞 さいぼう であり、
左上 ひだりうえ の
細胞 さいぼう がもっとも
成熟 せいじゅく した
細胞 さいぼう (
白血球 はっけっきゅう の
好 こう 中 ちゅう 球 だま )である。
急性 きゅうせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう の骨髄 こつづい 。急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう は分化 ぶんか 能 のう を失 うしな って単 たん クローン性 せい の増殖 ぞうしょく をするので骨髄 こつづい は一様 いちよう な細胞 さいぼう で埋 う め尽 つ くされる。
急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう (AML-M1) の骨髄 こつづい 。急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう の骨髄 こつづい も一様 いちよう な細胞 さいぼう で埋 う め尽 つ くされる。なお、各 かく 写真 しゃしん は見 み やすいように染色 せんしょく した画像 がぞう である。染色 せんしょく しない白血球 はっけっきゅう や幼 よう 若 わか 細胞 さいぼう は無色 むしょく 半 はん 透明 とうめい である。各 かく 写真 しゃしん の色 いろ の違 ちが いは実際 じっさい の細胞 さいぼう の色 いろ の違 ちが いではなく、染色 せんしょく や撮影 さつえい の条件 じょうけん の違 ちが いによるものである。
慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう の骨髄 こつづい 。慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう では細胞 さいぼう の分化 ぶんか 能 のう は保 たも たれるので、骨髄 こつづい では各 かく 成熟 せいじゅく 段階 だんかい の多様 たよう な細胞 さいぼう が見 み られるが、正常 せいじょう な骨髄 こつづい に比 くら べ白血球 はっけっきゅう 系 けい 細胞 さいぼう の密度 みつど は濃 こ く、また様々 さまざま な異変 いへん もある。
疫学 えきがく
2004年 ねん における10万 まん 人 にん 毎 ごと の白血病 はっけつびょう による死亡 しぼう 者 しゃ 数 すう (年齢 ねんれい 標準 ひょうじゅん 化 か 済 ず み)[49] no data
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世界 せかい のどの民族 みんぞく でも多 おお い急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう では世界 せかい 平均 へいきん の罹患 りかん 率 りつ は10万 まん 人 にん あたり年間 ねんかん 2.5-3人 にん といわれ日本 にっぽん よりやや低 ひく くなっている[50] 。若 わか い患者 かんじゃ もいる白血病 はっけつびょう といえども高齢 こうれい 者 しゃ ほど罹患 りかん 率 りつ は高 たか いので高齢 こうれい 人口 じんこう 割合 わりあい が高 たか くなると白血病 はっけつびょう の罹患 りかん 率 りつ も高 たか くなる。また慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう は欧米 おうべい では急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう と並 なら んで多 おお い白血病 はっけつびょう だがアジアでは少 すく なく[51] [52] 、成人 せいじん T細胞 さいぼう 白血病 はっけつびょう はカリブ海 かりぶかい 諸国 しょこく 、アフリカ中部 ちゅうぶ 大西洋 たいせいよう 沿岸 えんがん 諸国 しょこく 、及 およ び日本 にっぽん で見 み られる[53] など地域 ちいき ・民族 みんぞく によって白血病 はっけつびょう 発症 はっしょう の特性 とくせい は違 ちが い、白血病 はっけつびょう 全体 ぜんたい ではアジア人 じん よりも欧米 おうべい 人 じん の方 ほう が罹患 りかん 率 りつ は高 たか い傾向 けいこう があるなど、白血病 はっけつびょう の罹患 りかん 率 りつ は民族 みんぞく や年齢 ねんれい 、性別 せいべつ によってその内容 ないよう は異 こと なる[54] 。なお、その病気 びょうき に罹 かか ったら罹患 りかん 、症状 しょうじょう が出 で たら発症 はっしょう で、罹患 りかん と発症 はっしょう は異 こと なるものだが、急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう の場合 ばあい は罹患 りかん 率 りつ と発症 はっしょう 率 りつ には大 おお きな差 さ はない。
アメリカには多様 たよう な人種 じんしゅ /民族 みんぞく が暮 く らしているので、国 こく ごとに違 ちが う生活 せいかつ 環境 かんきょう による影響 えいきょう を排除 はいじょ して人種 じんしゅ /民族 みんぞく ごとの遺伝 いでん 学 がく 的 てき な白血病 はっけつびょう の特性 とくせい がある程度 ていど 推定 すいてい できるので例 れい を挙 あ げる。
アメリカに住 す む各 かく 人種 じんしゅ /民族 みんぞく 毎 ごと の全 ぜん 白血病 はっけつびょう の罹患 りかん 率 りつ (2005年 ねん -2009年 ねん )[54]
人種 じんしゅ /民族 みんぞく
男性 だんせい
女性 じょせい
白人 はくじん
16.8人 にん /年間 ねんかん 10万 まん 人 にん あたり
10.2人 ふたり /年間 ねんかん 10万 まん 人 にん あたり
黒人 こくじん
12.5人 にん /年間 ねんかん 10万 まん 人 にん あたり
7.8人 にん /年間 ねんかん 10万 まん 人 にん あたり
アジア人 じん /太平洋 たいへいよう 人 じん
8.8人 にん /年間 ねんかん 10万 まん 人 にん あたり
6.3人 にん /年間 ねんかん 10万 まん 人 にん あたり
アメリカインディアン、アラスカ先住民 せんじゅうみん
9.7人 にん /年間 ねんかん 10万 まん 人 にん あたり
6.5人 にん /年間 ねんかん 10万 まん 人 にん あたり
ヒスパニック
11.7人 にん /年間 ねんかん 10万 まん 人 にん あたり
8.5人 にん /年間 ねんかん 10万 まん 人 にん あたり
日本 にっぽん の白血病 はっけつびょう 発症 はっしょう 率 りつ
2005年 ねん 国立 こくりつ がん研究 けんきゅう センターのデータによる日本 にっぽん の年齢 ねんれい 別 べつ 性別 せいべつ 白血病 はっけつびょう 罹患 りかん 率 りつ 2005
1997年 ねん の日本 にっぽん の統計 とうけい では全 ぜん 白血病 はっけつびょう の発症 はっしょう 率 りつ は年間 ねんかん に男性 だんせい で10万 まん 人 にん あたり7人 にん [55] 、女性 じょせい で10万 まん 人 にん あたり4.8人 にん [55] 、合計 ごうけい で年間 ねんかん に人口 じんこう 10万 まん 人 にん あたり約 やく 6人 にん 程度 ていど と見 み られている。そのうち急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう が10万 まん 人 にん あたり4人 にん 程度 ていど [56] 、急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう では大人 おとな で80%子供 こども で20%が急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう (AML)、大人 おとな で20%子供 こども で80%が急性 きゅうせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう (ALL) で全体 ぜんたい としては2/3が急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう 、1/3が急性 きゅうせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう といわれている[55] [56] 。つまり ALL では小児 しょうに が多 おお く、AMLでは大 だい 多数 たすう が成人 せいじん で発症 はっしょう 年齢 ねんれい 中央 ちゅうおう 値 ち が60歳 さい である[56] 。慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう の発症 はっしょう 率 りつ は10万 まん 人 にん あたり1-1.5人 にん 程度 ていど 、慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう は白血病 はっけつびょう 全体 ぜんたい の1-3%程度 ていど で少 すく ないと見 み られている[57] 。しかし日本 にっぽん では少 すく ない慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう は欧米 おうべい では全 ぜん 白血病 はっけつびょう の20-30%を占 し めている[58] 。また、小児 しょうに 全体 ぜんたい では白血病 はっけつびょう の発症 はっしょう 率 りつ は年間 ねんかん 10万 まん 人 にん あたり3人 にん 程度 ていど [註 13] とされるが、小児 しょうに では慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう は少 すく なく5%程度 ていど で、小児 しょうに の急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう の80%はリンパ性 せい であり、男児 だんじ にやや多 おお い[59] 。
高齢 こうれい 者 しゃ 人口 じんこう が1997年 ねん より増 ふ えた2005年 ねん の日本 にっぽん の統計 とうけい では高齢 こうれい 化 か によって白血病 はっけつびょう も増 ふ えており、2005年 ねん 国立 こくりつ がん研究 けんきゅう センターの統計 とうけい では日本 にっぽん では年間 ねんかん 9000人 にん が白血病 はっけつびょう に罹患 りかん し、人口 じんこう 10万 まん 人 にん あたり7.1人 ひとり の罹患 りかん 率 りつ となっている。そのうち男性 だんせい が約 やく 5300人 にん 女性 じょせい が約 やく 3700人 にん で男性 だんせい の10万 まん 人 にん あたり罹患 りかん 率 りつ は8.3人 にん 、女性 じょせい では5.9人 にん となっている。2005年 ねん の日本 にっぽん では67万 まん 6千 せん 人 にん が新 あら たにがんに侵 おか され、人口 じんこう 10万 まん 人 にん あたりでは年間 ねんかん 529人 にん のがん罹患 りかん 率 りつ なので白血病 はっけつびょう は全 ぜん がんの1.3%を占 し めている[60] 。地域 ちいき 別 べつ では九州 きゅうしゅう ・沖縄 おきなわ で白血病 はっけつびょう が多 おお いがこれは地域 ちいき 特性 とくせい のある成人 せいじん T細胞 さいぼう 白血病 はっけつびょう (後述 こうじゅつ )の発症 はっしょう 率 りつ の差 さ によるものである[61] 。
2005年 ねん 日本 にっぽん における「がん」と白血病 はっけつびょう の患者 かんじゃ 数 すう と白血病 はっけつびょう /がんの割合 わりあい (5歳 さい 刻 きざ み毎 ごと の合計 ごうけい 数 すう 、国立 こくりつ がん研究 けんきゅう センターによる)一部 いちぶ を抜粋 ばっすい [62]
がんの種類 しゅるい
0-4歳 さい
5-9歳 さい
10-14歳 さい
20-24歳 さい
30-34歳 さい
40-45歳 さい
50-54歳 さい
60-64歳 さい
70-74歳 さい
全 ぜん 年齢 ねんれい 合計 ごうけい
2005年 ねん に罹患 りかん した全 ぜん がん患者 かんじゃ 数 すう
659
429
473
1,666
6,537
15,086
36,304
75,766
109,042
676,075
2005年 ねん に罹患 りかん した白血病 はっけつびょう 患者 かんじゃ 数 すう
222
150
85
170
330
210
471
827
1,170
9,032
がんの中 なか で白血病 はっけつびょう が占 し める割合 わりあい
33.7%
35.0%
18.0%
10.2%
5.0%
1.4%
1.3%
1.1%
1.1%
1.3%
原因 げんいん
骨髄 こつづい で極 きわ めて若 わか い造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう の遺伝子 いでんし に1つ以上 いじょう の遺伝子 いでんし 異常 いじょう が後天的 こうてんてき に起 お きて白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう が発生 はっせい し、白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう が数 すう 千 せん 億 おく から1兆 ちょう 個 こ もの白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう を生 う み出 だ して骨髄 こつづい を占拠 せんきょ するようになると発症 はっしょう するものと考 かんが えられている。白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう が発生 はっせい してすぐに白血病 はっけつびょう の症状 しょうじょう が出 で るわけではない。1個 いっこ の白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう はゆっくりと、しかし自律 じりつ 的 てき に増加 ぞうか して(コントロールを受 う けない)多数 たすう の白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう を生 う み出 だ していき、その白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう は不死 ふし 化 か (細胞 さいぼう 寿命 じゅみょう の延長 えんちょう )しているので、やがて骨髄 こつづい を白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が占拠 せんきょ し満 み ちあふれる。骨髄 こつづい を白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう に占拠 せんきょ され正常 せいじょう な造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう が締 し め出 だ されて正常 せいじょう な造血 ぞうけつ が阻害 そがい され、また骨髄 こつづい に収 おさ まりきれず血液 けつえき 中 ちゅう にあふれ出 で た白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が各 かく 臓器 ぞうき に浸潤 しんじゅん して白血病 はっけつびょう の諸 しょ 症状 しょうじょう が起 お きる[63] [64] 。
遺伝子 いでんし 異常 いじょう が起 お きる原因 げんいん として放射線 ほうしゃせん 被曝 ひばく 、ベンゼン やトルエン 、抗 こう がん剤 ざい など一部 いちぶ の化学 かがく 物質 ぶっしつ 、HTLVウイルスなどは発症 はっしょう のリスクファクター とされているが、しかしそれらが原因 げんいん と推察 すいさつ できる白血病 はっけつびょう はごく一部 いちぶ に限 かぎ られ、白血病 はっけつびょう のほとんどは原因 げんいん は不明 ふめい である[65] 。白血病 はっけつびょう は親 おや から子 こ への遺伝 いでん もしないし、成人 せいじん T細胞 さいぼう 白血病 はっけつびょう をわずかな例外 れいがい とすればうつることもない[66] 。ほとんどの白血病 はっけつびょう はウイルスなどの病原 びょうげん 体 たい によるものではないが、例外 れいがい 的 てき に2種類 しゅるい だけウイルス が関 かか わっているものがある。一 ひと つは日本 にっぽん で同定 どうてい された成人 せいじん T細胞 さいぼう 白血病 はっけつびょう で、レトロウイルス の一 ひと つ HTLV -I の感染 かんせん が原因 げんいん であることが明 あき らかになっている[67] 。もう一 ひと つは急性 きゅうせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう バーキット型 がた (FAB分類 ぶんるい ALL L3)の中 なか でアフリカなどのマラリア感染 かんせん 地域 ちいき に多 おお い風土病 ふうどびょう 型 がた といわれるタイプでEBウイルス との関連 かんれん が指摘 してき されている[註 14] [68] 。
細 こま かく分類 ぶんるい すると数 すう 十 じゅう 種類 しゅるい に及 およ ぶ白血病 はっけつびょう では判明 はんめい している遺伝子 いでんし 異常 いじょう の数 かず は多 おお いが、すべての白血病 はっけつびょう に共通 きょうつう する遺伝子 いでんし 異常 いじょう は見 み つかっていなく、多数 たすう ある白血病 はっけつびょう の病 やまい 型 がた のうち慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう や急性 きゅうせい 前 ぜん 骨髄 こつづい 球 だま 性 せい 白血病 はっけつびょう などいくつかの白血病 はっけつびょう では主 おも となる遺伝子 いでんし 異常 いじょう は判明 はんめい しているが、大半 たいはん の白血病 はっけつびょう では多 おお くの遺伝子 いでんし 異常 いじょう は見 み つかっていても共通 きょうつう で決定的 けっていてき な原因 げんいん となる遺伝子 いでんし 異常 いじょう は明 あき らかでない[69] 。
白血病 はっけつびょう を含 ふく む「がん」は細胞 さいぼう の増殖 ぞうしょく ・分化 ぶんか ・生存 せいぞん に関 かか わる重要 じゅうよう な制御 せいぎょ 遺伝子 いでんし に何 なん らかの(染色 せんしょく 体 たい の転 てん 座 ざ 、重複 じゅうふく 、部分 ぶぶん あるいは全体 ぜんたい の欠 かけ 失 しつ 、染色 せんしょく 体 たい 上 じょう の遺伝子 いでんし の点 てん 状 じょう 変異 へんい など)異常 いじょう が起 お こり、がん遺伝子 いでんし の発現 はつげん とがん抑制 よくせい 遺伝子 いでんし の異常 いじょう ・抑制 よくせい などいくつかの段階 だんかい を踏 ふ んでがん化 か すると考 かんが えられている。一般 いっぱん に白血病 はっけつびょう をふくめて「がん」は一 いち 段階 だんかい の遺伝子 いでんし 異常 いじょう だけでは起 お こらず何 なに 段階 だんかい かの遺伝子 いでんし 異常 いじょう が積 つ み重 かさ なってがん化 か するため若 わか い人 ひと では少 すく なく、異常 いじょう が積 つ み重 かさ なる時間 じかん を十分 じゅうぶん に経 へ た高齢 こうれい 者 しゃ で多 おお い[註 15] [70] 。遺伝子 いでんし に変化 へんか が起 お きる原因 げんいん としては活性 かっせい 酸素 さんそ 、ウイルス、放射線 ほうしゃせん 、化学 かがく 物質 ぶっしつ などが考 かんが えられる[70] 。
がんを起 お こす遺伝子 いでんし 異常 いじょう は染色 せんしょく 体 たい に活性 かっせい 酸素 さんそ 、ウイルス、放射線 ほうしゃせん 、化学 かがく 物質 ぶっしつ などが作用 さよう することによって発生 はっせい するが、細胞 さいぼう には遺伝子 いでんし に生 しょう じた異常 いじょう を修復 しゅうふく する仕組 しく みがあり、また修復 しゅうふく しきれない致命 ちめい 的 てき な異常 いじょう が起 お きてしまったときはその細胞 さいぼう は死 し ぬが(アポトーシス )、修復 しゅうふく が効 き かずしかしアポトーシスも免 まぬか れるような変異 へんい を起 お こすことがある[71] 。そのような遺伝子 いでんし 変異 へんい を起 お こした細胞 さいぼう のほとんどはキラーT細胞 さいぼう やナチュラルキラー (NK) 細胞 さいぼう のような免疫 めんえき 系 けい が正常 せいじょう 細胞 さいぼう との表面 ひょうめん 抗原 こうげん の違 ちが いを認識 にんしき して破壊 はかい するが[72] 、遺伝子 いでんし 異常 いじょう を起 お こした細胞 さいぼう のなかにキラーT細胞 さいぼう や NK細胞 さいぼう に認識 にんしき される表面 ひょうめん 抗原 こうげん の発現 はつげん を変化 へんか させて免疫 めんえき 細胞 さいぼう による排除 はいじょ を免 まぬか れるものがいる。そのような遺伝子 いでんし 異常 いじょう を積 つ み重 かさ ねたのががん細胞 さいぼう であり、数 かず を増 ふ やしてがんを発症 はっしょう させる[73] 。造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう ががん化 か したものが白血病 はっけつびょう である[74] 。
白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう を含 ふく むがん細胞 さいぼう は多 た 段階 だんかい の遺伝子 いでんし 異常 いじょう を経 へ て発生 はっせい するが[75] [76] 、がん細胞 さいぼう ではアポトーシス制御 せいぎょ に異常 いじょう が起 お き、アポトーシス抵抗 ていこう 性 せい を獲得 かくとく する[75] [77] 。がん細胞 さいぼう の80-90%はテロメア を伸長 しんちょう させるテロメラーゼが発現 はつげん し、あるいはテロメラーゼが発現 はつげん していないがんでもテロメラーゼの代替 だいたい 経路 けいろ があり、それによってがん幹 みき 細胞 さいぼう は不死 ふし 化 か し無限 むげん の増殖 ぞうしょく 能 のう を獲得 かくとく する[75] [78] 。
分類 ぶんるい
白血病 はっけつびょう における急性 きゅうせい 、慢性 まんせい は一般 いっぱん 的 てき に用 もち いる意味 いみ とは違 ちが っている。造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう が腫瘍 しゅよう 化 か して分化 ぶんか 能 のう を失 うしな い見 み た目 め が幼 よう 若 わか な血液 けつえき 細胞 さいぼう の形態 けいたい の白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう ばかりになる急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう 、白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が分化 ぶんか 能 のう を保 たも っているもの(つまり一見 いっけん まともな白血球 はっけっきゅう が作 つく られているもの)を慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう と呼 よ ぶ(ただし、慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう の白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう は見 み た目 め は正常 せいじょう な白血球 はっけっきゅう に見 み えてもその機能 きのう には異常 いじょう が生 しょう じ本来 ほんらい の役目 やくめ は十分 じゅうぶん には果 は たせないものが多 おお い)。慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう が急性 きゅうせい 化 か することはあっても、急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう が慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう になることはない[79] 。
また、白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の性質 せいしつ が骨髄 こつづい 系 けい の細胞 さいぼう かリンパ球 だま 系 けい の細胞 さいぼう かによって骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう 、リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう に分類 ぶんるい する[註 16] 。このことから主 しゅ として以下 いか の4種類 しゅるい に分類 ぶんるい される。
急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう (acute myelogenous leukemia; AML)
細胞 さいぼう の形態 けいたい ・性質 せいしつ を重視 じゅうし するFAB分類 ぶんるい では M0 から M7 までの8タイプに分 わ けられさらにいくつかの細分 さいぶん 類 るい がある。FAB分類 ぶんるい は2011年 ねん 現在 げんざい も有用 ゆうよう な分類 ぶんるい ではあるが、遺伝子 いでんし 変異 へんい に関 かん する知見 ちけん など新 あたら しい知見 ちけん により、 WHO によって新 しん 分類 ぶんるい が策定 さくてい されている。
特異 とくい 的 てき 染色 せんしょく 体 たい 相互 そうご 転 てん 座 ざ を有 ゆう する急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう
染色 せんしょく 体 たい 8;21転 てん 座 ざ を有 ゆう する急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう (または融合 ゆうごう 遺伝子 いでんし AML1 /CBF-α あるふぁ -MTG8/ETO を有 ゆう する)FAB分類 ぶんるい の8;21転 てん 座 ざ を有 ゆう する M2
急性 きゅうせい 前 ぜん 骨髄 こつづい 球 だま 性 せい 白血病 はっけつびょう (染色 せんしょく 体 たい 15;17転 てん 座 ざ または融合 ゆうごう 遺伝子 いでんし PML/RARα あるふぁ を有 ゆう する)FAB分類 ぶんるい の M3
骨髄 こつづい 中 ちゅう 異常 いじょう 好 こう 酸 さん 球 だま 増 ぞう 多 た を伴 ともな う急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう (染色 せんしょく 体 たい 16番 ばん 逆 ぎゃく 位 い または16;16転 てん 座 ざ または融合 ゆうごう 遺伝子 いでんし CBFβ べーた /MYH 11 を有 ゆう する)FAB分類 ぶんるい の M4Eo
染色 せんしょく 体 たい 11q23異常 いじょう を有 ゆう する急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう :FAB分類 ぶんるい の11q23異常 いじょう を有 ゆう する M5。
多 た 血球 けっきゅう 系 けい 異 い 形成 けいせい を伴 ともな う急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう
骨髄 こつづい 異 い 形成 けいせい 症候群 しょうこうぐん から転化 てんか した急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう
多血 たけつ 系 けい 異 い 形成 けいせい を伴 ともな う初発 しょはつ の急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう
治療 ちりょう に関連 かんれん した急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう と骨髄 こつづい 異 い 形成 けいせい 症候群 しょうこうぐん
上記 じょうき 以外 いがい の急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう [80]
慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう (chronic myelogenous leukemia; CML)[註 17]
各 かく 白血病 はっけつびょう はさらに細 こま かく細分 さいぶん されるが、慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう だけはほぼ単一 たんいつ の疾患 しっかん 概念 がいねん となっている(原因 げんいん となる染色 せんしょく 体 たい 異常 いじょう がフィラデルフィア染色 せんしょく 体 たい 以外 いがい にはない)。フィラデルフィア染色 せんしょく 体 たい のない非 ひ 定型 ていけい 慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう は別 べつ の疾患 しっかん 群 ぐん に分類 ぶんるい されている。
急性 きゅうせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう (acute lymphoid leukemia; ALL)
FAB分類 ぶんるい では L1-L3 までの分類 ぶんるい になっていたが、現在 げんざい では ALL に関 かん してはFAB分類 ぶんるい は有用 ゆうよう ではない。近年 きんねん 、ALL とリンパ芽 め 球 だま 性 せい リンパ腫 りんぱしゅ は本質 ほんしつ 的 てき には同 おな じ疾患 しっかん で、同 おな じ細胞 さいぼう が主 おも に骨髄 こつづい で増殖 ぞうしょく すれば ALL、増殖 ぞうしょく の場 ば が主 おも にリンパ節 ぶし ならリンパ腫 りんぱしゅ であり、同 おな じ疾患 しっかん の別 べつ の側面 そくめん を見 み ているだけだとして WHO分類 ぶんるい では ALL は急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう とは別 べつ にしてリンパ芽 め 球 だま 性 せい リンパ腫 りんぱしゅ とともにリンパ系 けい 悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう として括 くく っている[81] 。しかしながら、症候 しょうこう 的 てき (症状 しょうじょう や検査 けんさ 所見 しょけん )ではリンパ腫 りんぱしゅ と ALL は相違 そうい があり、むしろ AML とともに急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう として括 くく ったほうが臨床 りんしょう 的 てき にはなじみやすい[82] 。WHO の ALL に含 ふく まれる急性 きゅうせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう は以下 いか である[81] 。
前駆 ぜんく B細胞 さいぼう 急性 きゅうせい リンパ芽 め 球 だま 性 せい 白血病 はっけつびょう (これは遺伝子 いでんし 異常 いじょう によってさらに細分 さいぶん される)
前駆 ぜんく T細胞 さいぼう 急性 きゅうせい リンパ芽 め 球 だま 性 せい 白血病 はっけつびょう ( 〃 )
バーキット白血病 はっけつびょう
慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう (chronic lymphoid leukemia; CLL)
慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう の分類 ぶんるい に関 かん してはかなり難 むずか しい。慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう には広義 こうぎ の慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう と狭義 きょうぎ の慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう の定義 ていぎ があるが、狭義 きょうぎ の慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう の細胞 さいぼう の増殖 ぞうしょく が末梢 まっしょう 血 ち ・骨髄 こつづい で主 おも に行 おこな われる場合 ばあい は CLL だが、同 おな じ細胞 さいぼう が主 おも にリンパ節 ぶし で増殖 ぞうしょく するならば小 しょう リンパ球 だま 性 せい リンパ腫 りんぱしゅ とされ、狭義 きょうぎ の慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう と小 しょう リンパ球 だま 性 せい リンパ腫 りんぱしゅ は本質 ほんしつ 的 てき には同一 どういつ の疾患 しっかん が異 こと なる側面 そくめん を見 み せているに過 す ぎないとされる。また、リンパ腫 りんぱしゅ の白 しろ 血 ち 化 か とリンパ性 せい 白血病 はっけつびょう も非常 ひじょう に良 よ く似 に ている[83] [84] 。そのため WHO分類 ぶんるい ではリンパ性 せい 白血病 はっけつびょう とリンパ腫 りんぱしゅ の区別 くべつ は取 と り払 はら い[83] 、とくにリンパ腫 りんぱしゅ との境目 さかいめ があいまいな成熟 せいじゅく 傾向 けいこう をもつリンパ系 けい 白血病 はっけつびょう は WHO分類 ぶんるい ではリンパ増殖 ぞうしょく 性 せい 疾患 しっかん として括 くく っている[85] 。
慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう は広義 こうぎ (FAB分類 ぶんるい )にはB細胞 さいぼう 性 せい (狭義 きょうぎ の慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう 、B細胞 さいぼう 前 ぜん リンパ球 だま 性 せい 白血病 はっけつびょう 、ヘアリーセル白血病 はっけつびょう 、リンパ腫 りんぱしゅ の白血病 はっけつびょう 化 か 、形質 けいしつ 細胞 さいぼう 白血病 はっけつびょう )とT細胞 さいぼう 性 せい (T細胞 さいぼう 顆粒 かりゅう リンパ球 だま 性 せい 白血病 はっけつびょう 、T細胞 さいぼう 前 ぜん リンパ球 だま 性 せい 白血病 はっけつびょう 、成人 せいじん T細胞 さいぼう 白血病 はっけつびょう /リンパ腫 りんぱしゅ 、セザリー症候群 しょうこうぐん )などを含 ふく んでいる[86] 。
狭義 きょうぎ の慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう は小型 こがた の CD5+ の表面 ひょうめん 抗原 こうげん を持 も つ成熟 せいじゅく Bリンパ球 だま が末梢 まっしょう 血 ち と骨髄 こつづい で自律 じりつ 的 てき に増殖 ぞうしょく するリンパ性 せい 腫瘍 しゅよう とされている[83] 。
FAB分類 ぶんるい と WHO分類 ぶんるい 、症候 しょうこう 学 がく 的 てき 分類 ぶんるい [87]
FAB分類 ぶんるい
WHO分類 ぶんるい
症候 しょうこう 学 がく 的 てき 分類 ぶんるい
白血病 はっけつびょう
急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう
急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう
急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう
慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう
骨髄 こつづい 増殖 ぞうしょく 性 せい 疾患 しっかん
慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう
骨髄 こつづい 増殖 ぞうしょく 性 せい 疾患 しっかん
慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう
急性 きゅうせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう
リンパ系 けい 腫瘍 しゅよう
T前駆 ぜんく 細胞 さいぼう 腫瘍 しゅよう またはB前駆 ぜんく 細胞 さいぼう 腫瘍 しゅよう
急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう
慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう
慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう
リンパ増殖 ぞうしょく 性 せい 疾患 しっかん
類縁 るいえん 疾患 しっかん
悪性 あくせい リンパ腫 りんぱしゅ
悪性 あくせい リンパ腫 りんぱしゅ
リンパ系 けい 腫瘍 しゅよう /リンパ増殖 ぞうしょく 性 せい 疾患 しっかん
骨髄 こつづい 異 い 形成 けいせい 症候群 しょうこうぐん (芽 め 球 だま 割合 わりあい 20%以上 いじょう -30%以下 いか )
急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう
骨髄 こつづい 異 い 形成 けいせい 症候群 しょうこうぐん /急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう
骨髄 こつづい 異 い 形成 けいせい 症候群 しょうこうぐん (芽 め 球 だま 割合 わりあい 20%以下 いか )
骨髄 こつづい 異 い 形成 けいせい 症候群 しょうこうぐん
骨髄 こつづい 異 い 形成 けいせい 症候群 しょうこうぐん
これらはさらに生物 せいぶつ 学 がく 的 てき な性質 せいしつ から細分 さいぶん される。
ただし、これら患者 かんじゃ 数 すう の多 おお い上記 じょうき 4つ以外 いがい にも極 きわ めて稀 まれ な急性 きゅうせい 混合 こんごう 性 せい 白血病 はっけつびょう や、類縁 るいえん 疾患 しっかん と白血病 はっけつびょう の境 さかい にあり厳密 げんみつ には他 た の疾患 しっかん グループに入 い れられている白血病 はっけつびょう (非 ひ 定型 ていけい 慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう 、慢性 まんせい 好 こう 中 ちゅう 球 だま 性 せい 白血病 はっけつびょう や慢性 まんせい 骨髄 こつづい 単 たん 球 たま 性 せい 白血病 はっけつびょう 、慢性 まんせい 好 こう 酸 さん 球 だま 性 せい 白血病 はっけつびょう 、若年 じゃくねん 性 せい 骨髄 こつづい 単 たん 球 たま 性 せい 白血病 はっけつびょう 、慢性 まんせい 好 こう 塩基 えんき 球 だま 性 せい 白血病 はっけつびょう 、肥満 ひまん 細胞 さいぼう 性 せい 白血病 はっけつびょう 、他 た 、)など[註 18] もあり、それらを含 ふく めると白血病 はっけつびょう の種類 しゅるい はきわめて多 おお い。
治療 ちりょう 法 ほう
現在 げんざい の白血病 はっけつびょう の治療 ちりょう の基本 きほん は化学 かがく 療法 りょうほう (抗 こう がん剤 ざい )である。白血病 はっけつびょう の治療 ちりょう では骨髄 こつづい 移植 いしょく が知 し られているが、骨髄 こつづい 移植 いしょく や臍帯 さいたい 血 ち 移植 いしょく などの造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう 移植 いしょく 療法 りょうほう は過酷 かこく な治療 ちりょう であり治療 ちりょう そのものが死亡 しぼう 原因 げんいん になる治療 ちりょう 関連 かんれん 死 し も少 すく なくはない。また寛解 かんかい に入 はい っていない非 ひ 寛解 かんかい 期 き に移植 いしょく をしても失敗 しっぱい する可能 かのう 性 せい は高 たか い。そのために白血病 はっけつびょう の診断 しんだん が付 つ いてもいきなり移植 いしょく に入 はい ることはなく、まずは抗 こう がん剤 ざい による治療 ちりょう になり、その後 ご は経過 けいか や予 よ 後 ご 不良 ふりょう 因子 いんし によって移植 いしょく の検討 けんとう がされる[註 19] 。
※寛解 かんかい とは白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が減少 げんしょう し症状 しょうじょう がなくなった状態 じょうたい 、完全 かんぜん 寛解 かんかい とは白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が見 み つからなくなった状態 じょうたい である。完全 かんぜん 寛解 かんかい には顕微鏡 けんびきょう 観察 かんさつ で白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が見 み つからない血液 けつえき 学 がく 的 てき 寛解 かんかい と顕微鏡 けんびきょう 観察 かんさつ より鋭敏 えいびん な分子 ぶんし 学 がく 的 てき 捜索 そうさく で白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が見 み つからなくなった分子 ぶんし 学 がく 的 てき 完全 かんぜん 寛解 かんかい がある。症状 しょうじょう が出 で て AML と診断 しんだん された時点 じてん では患者 かんじゃ の体内 たいない には1012 個 こ (一 いち 兆 ちょう 個 こ )もの白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう があるが、血液 けつえき 学 がく 的 てき 完全 かんぜん 寛解 かんかい では109 個 こ (10億 おく 個 こ )以下 いか 、分子 ぶんし 学 がく 的 てき 完全 かんぜん 寛解 かんかい では106 個 こ (100万 まん 個 こ )以下 いか になる。血液 けつえき 細胞 さいぼう の数 かず は骨髄 こつづい 内 ない の有 ゆう 核 かく 細胞 さいぼう だけでも数 すう 千 せん 億 おく 個 こ はあるので100万 まん 個 こ の白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう といえど容易 ようい に見 み つかるものではない[88] 。
白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう を免疫 めんえき 不全 ふぜん マウス (実験 じっけん 用 よう に特別 とくべつ に作 つく られた免疫 めんえき のないハツカネズミ )に移植 いしょく する実験 じっけん [註 20] ではたった1個 いっこ の白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が白血病 はっけつびょう を引 ひ き起 お こすことが証明 しょうめい されている[89] 。実際 じっさい にはたった1個 いっこ で白血病 はっけつびょう を引 ひ き起 お こせる細胞 さいぼう は白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう であるが[90] 、病的 びょうてき 細胞 さいぼう を1個 いっこ でも残 のこ すと再発 さいはつ の可能 かのう 性 せい は否定 ひてい できないので急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう の治療 ちりょう では白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう をすべて殺 ころ す (total cell kill) 必要 ひつよう があると考 かんが えられている[89] 。ただし、慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう を中心 ちゅうしん に治癒 ちゆ を望 のぞ まずに疾病 しっぺい を押 お さえつけていくことで生命 せいめい 予 よ 後 ご と QOL (Quality of Life) の改善 かいぜん を図 はか っていく方法 ほうほう も多 おお い。
治療 ちりょう の結果 けっか 、最 もっと も鋭敏 えいびん な検査 けんさ 法 ほう でも白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が見 み つからない完全 かんぜん 寛解 かんかい になっても白血病 はっけつびょう が再発 さいはつ することがあるのは、骨髄 こつづい の奥深 おくふか くニッチ 環境 かんきょう で休眠 きゅうみん 状態 じょうたい の白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう が抗 こう がん剤 ざい に耐 た えて生 い き延 の びるためである。再発 さいはつ した白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう は抗 こう がん剤 ざい 治療 ちりょう をくぐり抜 ぬ けてきた細胞 さいぼう であるため非常 ひじょう に治療 ちりょう 抵抗 ていこう 性 せい が強 つよ く通常 つうじょう 量 りょう の抗 こう がん剤 ざい 療法 りょうほう 、放射線 ほうしゃせん とも効 き きにくいため命 いのち を落 お とす確 かく 率 りつ が高 たか く、そのため再発 さいはつ した白血病 はっけつびょう あるいは経験 けいけん 的 てき に再発 さいはつ が予想 よそう されるタイプの白血病 はっけつびょう では、最 もっと も強力 きょうりょく な治療 ちりょう である骨髄 こつづい 移植 いしょく や臍帯 さいたい 血 ち 移植 いしょく などの造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう 移植 いしょく が適用 てきよう となることが多 おお い[91] [92] [93] [94] 。
造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう 移植 いしょく では致死 ちし 量 りょう をはるかに超 こ えた大量 たいりょう の抗 こう がん剤 ざい と放射線 ほうしゃせん [註 21] によって白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう を含 ふく めて病的 びょうてき 細胞 さいぼう を一気 いっき に根 ね こそぎ死滅 しめつ させることを目指 めざ す(前 ぜん 処置 しょち という)。しかし、この強力 きょうりょく な前 ぜん 処置 しょち によって正常 せいじょう な造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう も死滅 しめつ するので患者 かんじゃ は造血 ぞうけつ 能力 のうりょく を完全 かんぜん に失 うしな い、そのままでは患者 かんじゃ は確実 かくじつ に死亡 しぼう する。そのために HLA 型 かた の一致 いっち した健康 けんこう 人 じん の正常 せいじょう な造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう を移植 いしょく して健康 けんこう な造血 ぞうけつ システムを再建 さいけん してやる必要 ひつよう がある[註 22] [95] [96] [97] 。白血病 はっけつびょう の移植 いしょく では大半 たいはん を占 し める同種 どうしゅ (家族 かぞく を含 ふく めた他人 たにん からの)移植 いしょく [98] では移植 いしょく した免疫 めんえき 細胞 さいぼう (主 しゅ としてリンパ球 だま )による白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう への攻撃 こうげき (Ggraft versus leukemia effect:GVL効果 こうか )がある[99] 。同種 どうしゅ 移植 いしょく には時 とき には死 し につながる大 おお きな副作用 ふくさよう (GVHD )もあるが、代 か わりに万 まん が一 いち 前 ぜん 処理 しょり 後 ご にも生 い き残 のこ った白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう があってもGVL効果 こうか によって排除 はいじょ される事 こと を期待 きたい できる[99] 。ただし、それでもなおかつ再発 さいはつ することはある。自家 じか 移植 いしょく の場合 ばあい は副作用 ふくさよう GVHDは無 な いもののGVL効果 こうか は期待 きたい できず、白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の混入 こんにゅう もありえるので再発 さいはつ 率 りつ は同種 どうしゅ 移植 いしょく に比 くら べて高 たか く[99] 、白血病 はっけつびょう の治療 ちりょう としては自家 じか 移植 いしょく は少 すく ない[98] 。前 ぜん 処置 しょち では患者 かんじゃ の免疫 めんえき を破壊 はかい して移植 いしょく した造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう が拒絶 きょぜつ されない働 はたら きもする[100] 。
しかし、通常 つうじょう の移植 いしょく の前 ぜん 処置 しょち はあまりに強力 きょうりょく な治療 ちりょう であるため、体力 たいりょく の乏 とぼ しい患者 かんじゃ や高齢 こうれい 者 しゃ は治療 ちりょう に耐 た えられない。そのためミニ移植 いしょく という手段 しゅだん もある。ミニ移植 いしょく では前 ぜん 処置 しょち の抗 こう がん剤 ざい 投与 とうよ や放射線 ほうしゃせん 治療 ちりょう はあまり強力 きょうりょく にはしない。そのために白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう は一部 いちぶ は生 い き残 のこ る可能 かのう 性 せい は高 たか いが、GVL効果 こうか (移植 いしょく した正常 せいじょう な造血 ぞうけつ による免疫 めんえき とドナーリンパ球 だま 輸注 によるドナー由来 ゆらい リンパ球 だま の免疫 めんえき によって残 のこ った白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう が根絶 こんぜつ されること)を期待 きたい する。ただし、ミニ移植 いしょく でもかなり強力 きょうりょく な治療 ちりょう には違 ちが いないので、すべての患者 かんじゃ が適応 てきおう になるわけではない。ミニ移植 いしょく は通常 つうじょう の移植 いしょく (フル移植 いしょく )に比 くら べて移植 いしょく 前 ぜん 処置 しょち が軽 かる いということであり、ミニと言 い っても移植 いしょく の規模 きぼ が小 ちい さいということではなく、移植 いしょく 後 ご の副作用 ふくさよう も小 ちい さいわけでもない[101] [102] 。ミニ移植 いしょく では前 ぜん 処置 しょち の主 しゅ たる目的 もくてき は移植 いしょく された造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう が拒絶 きょぜつ されないようにすることになる[103] 。
急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう の治療 ちりょう
現在 げんざい の急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう の基本 きほん の治療 ちりょう 法 ほう はtotal cell kill (TCL) と言 い って、最初 さいしょ に抗 こう がん剤 ざい を使用 しよう して膨大 ぼうだい な白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう を減 へ らして骨髄 こつづい に正常 せいじょう な造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう が増殖 ぞうしょく できるスペースを与 あた え(初回 しょかい 寛解 かんかい 導入 どうにゅう 療法 りょうほう )、その後 ご の休 きゅう 薬 やく 期間 きかん に空 あ いた骨髄 こつづい で正常 せいじょう な造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう が増 ふ えるのを待 ま ってから、さらに間歇 かんけつ 的 てき に抗 こう がん剤 ざい を使用 しよう すること(地固 じがた めおよび強化 きょうか 療法 りょうほう ・維持 いじ 療法 りょうほう )を繰 く り返 かえ して最終 さいしゅう 的 てき に白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の根絶 こんぜつ を目指 めざ す治療 ちりょう を基本 きほん とする。
急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう では最初 さいしょ の治療 ちりょう (寛解 かんかい 導入 どうにゅう 療法 りょうほう )として アントラサイクリン系 けい 抗 こう がん剤 ざい (ダウノルビシンあるいはイダルビシン)3日間 にちかん あるいは5日間 にちかん と抗 こう がん剤 ざい シタラビン(キロサイド)7日間 にちかん の併用 へいよう 療法 りょうほう [註 23] が一般 いっぱん 的 てき である(急性 きゅうせい 前 ぜん 骨髄 こつづい 球 だま 性 せい 白血病 はっけつびょう (AML-M3) は例外 れいがい である、AML-M3 については後 のち に記 しる す)。これでほとんどの患者 かんじゃ では寛解 かんかい にもっていける。しかし、血液 けつえき 学 がく 的 てき に白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が見 み られなくなっても白血病 はっけつびょう の大本 おおもと である白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう は隠 かく れて存在 そんざい し、そのままでは白血病 はっけつびょう が再発 さいはつ するので、寛解 かんかい 導入 どうにゅう 療法 りょうほう 後 ご 一定 いってい 期間 きかん たち正常 せいじょう な造血 ぞうけつ が回復 かいふく してきたら、隠 かく れた白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう の根絶 こんぜつ を目指 めざ す地固 じがた め療法 りょうほう を行 おこな う。地固 じがた め療法 りょうほう では アントラサイクリン, シタラビンに加 くわ え, 白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が薬剤 やくざい 耐 たい 性 せい を持 も たないように違 ちが う種類 しゅるい の抗 こう がん剤 ざい (エトポシドやビンカアルカロイド)を加 くわ えた併用 へいよう 化学 かがく 療法 りょうほう を使 つか ったり、シタラビンの大量 たいりょう 療法 りょうほう を行 おこな い[註 24] 、通常 つうじょう は1クール4週間 しゅうかん 程度 ていど の地固 じがた め療法 りょうほう を3-4回 かい 繰 く り返 かえ し白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の根絶 こんぜつ を目指 めざ す。強化 きょうか 療法 りょうほう で白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の根絶 こんぜつ ができたと期待 きたい できても万 まん が一 いち 生 い き残 のこ っている白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう があると再発 さいはつ する可能 かのう 性 せい があるので強化 きょうか 療法 りょうほう 終了 しゅうりょう 後 ご (退院 たいいん 後 ご )にも定期 ていき 的 てき に抗 こう がん剤 ざい 投与 とうよ を行 おこな い万 まん が一 いち の可能 かのう 性 せい を押 おさ える維持 いじ 療法 りょうほう を行 おこな うこともある。ただし日本 にっぽん では強化 きょうか 療法 りょうほう を十分 じゅうぶん に行 おこな うことにより維持 いじ 療法 りょうほう は不要 ふよう とする施設 しせつ も多 おお い[104] [105] 。完全 かんぜん 寛解 かんかい の状態 じょうたい が5年 ねん 続 つづ けば再発 さいはつ の可能 かのう 性 せい は低 ひく く治癒 ちゆ と見 み なしてよいとされている[80] 。
急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう では、急性 きゅうせい 前 ぜん 骨髄 こつづい 球 だま 性 せい 白血病 はっけつびょう (AML-M3) のみ治療 ちりょう 法 ほう はまったく異 こと なりオールトランスレチノイン酸 さん (ATRA) による分化 ぶんか 誘導 ゆうどう 療法 りょうほう と抗 こう がん剤 ざい の併用 へいよう 療法 りょうほう が用 もち いられる。オールトランスレチノイン酸 さん を与 あた えると、分化 ぶんか 障害 しょうがい を持 も っていた急性 きゅうせい 前 ぜん 骨髄 こつづい 球 だま 性 せい 白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう は ATRA によって強制 きょうせい 的 てき に分化 ぶんか ・誘導 ゆうどう させられ、継続 けいぞく 的 てき に白血病 はっけつびょう を維持 いじ する能力 のうりょく を失 うしな ってしまうのである。この薬剤 やくざい の登場 とうじょう により、M3 は AML の中 なか で最 もっと も予 よ 後 ご 良好 りょうこう な群 ぐん となった[註 25] 。ATRA単 たん 剤 ざい では再発 さいはつ が多 おお いので ATRA と抗 こう がん剤 ざい アントラサイクリンを併用 へいよう した寛解 かんかい 導入 どうにゅう ・地固 じがた め・強化 きょうか 維持 いじ 療法 りょうほう が行 おこな われ多 おお くの患者 かんじゃ が治癒 ちゆ している[106] 。ATRA治療 ちりょう 後 ご に急性 きゅうせい 前 ぜん 骨髄 こつづい 球 だま 性 せい 白血病 はっけつびょう (AML-M3) が再発 さいはつ してしまった場合 ばあい には、機 き 序 じょ は違 ちが うが、やはり細胞 さいぼう を分化 ぶんか 誘導 ゆうどう とアポトーシスに招 まね く亜 あ ヒ酸 さん が著 ちょ 効 こう することが知 し られている[107] [108] 。
急性 きゅうせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう の治療 ちりょう
急性 きゅうせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう では白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう はプレドニゾロン に良 よ く反応 はんのう し数 すう を減 へ らし、また AML に比 くら べて使用 しよう できる薬剤 やくざい は多 おお いが、治療 ちりょう の基本 きほん 的 てき な考 かんが え方 かた は急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう と同 おな じである。
急性 きゅうせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう の寛解 かんかい 導入 どうにゅう (初回 しょかい の治療 ちりょう )ではビンクリスチン(VCR 商品 しょうひん 名 めい オンコビン)とプレドニゾロン(プレドニン)及 およ びアントラサイクリン系 けい 抗 こう がん剤 ざい の組 く み合 あ わせを基本 きほん とし、それにシクロホスファミド(エンドキサン)やL-アスパラキナーゼ(ロイナーゼ)などを加 くわ えることもある。どのプロトコール(薬剤 やくざい の組 く み合 あ わせや各 かく 薬剤 やくざい の投薬 とうやく 量 りょう ・投薬 とうやく スケジュール)が良 よ いかは一概 いちがい には言 い えず、標準 ひょうじゅん 治療 ちりょう は存在 そんざい しない[98] [109] (上 うえ に挙 あ げた薬剤 やくざい でプレドニゾロンは抗 こう がん剤 ざい ではない。ステロイドである)。
寛解 かんかい 導入 どうにゅう 後 ご に行 おこな われる地固 じがた め療法 りょうほう も様々 さまざま なプロトコールがあるが、寛解 かんかい 導入 どうにゅう とは組 く み合 あ わせを変 か えるのが基本 きほん となる。なるべく多 た 種類 しゅるい の薬剤 やくざい を使用 しよう したり、シタラビン(キロサイド)大量 たいりょう 療法 りょうほう などがある[98] [109] 。ALL では白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が中枢 ちゅうすう 神経 しんけい を侵 おか しやすく、予防 よぼう しないと中枢 ちゅうすう 神経 しんけい 白血病 はっけつびょう になることがあり、放射線 ほうしゃせん の頭蓋 とうがい 照射 しょうしゃ や抗 こう がん剤 ざい メトトレキサート の髄 ずい 注 ちゅう あるいはシタラビンなどの大量 たいりょう 投与 とうよ などを組 く み合 あ わせて予防 よぼう する[109] [110] 。
小児 しょうに ALL では化学 かがく 療法 りょうほう だけで長期 ちょうき 生存 せいぞん する確 かく 率 りつ が高 たか いので第 だい 一 いち 寛解 かんかい 期 き で移植 いしょく を検討 けんとう することは少 すく ないが、しかし、成人 せいじん のALLでは再発 さいはつ 率 りつ が高 たか いのでAMLに比 くら べると第 だい 一 いち 寛解 かんかい 期 き での移植 いしょく を検討 けんとう することは多 おお い[111] 。
移植 いしょく を行 おこな わない場合 ばあい 、ALLでは寛解 かんかい 導入 どうにゅう 療法 りょうほう と地固 じがた め療法 りょうほう を数 すう コース行 い って完全 かんぜん 寛解 かんかい し一旦 いったん 退院 たいいん した後 のち にも、定期 ていき 的 てき に化学 かがく 療法 りょうほう (主 おも に経口 けいこう 抗 こう がん剤 ざい やプレドニゾロン)を行 おこな う維持 いじ 療法 りょうほう を長 なが く(2年 ねん 程度 ていど )行 おこな う[98] [109] 。
成人 せいじん の Ph+ALL(フィラデルフィア染色 せんしょく 体 たい (Bcr-Abl融合 ゆうごう 遺伝子 いでんし )のある ALL)は、ALL の3-4割 わり を占 し めるが、かつては Ph+ALL は白血病 はっけつびょう の中 なか でも最 もっと も難治 なんじ な型 かた の一 ひと つであった。しかし、2001年 ねん に登場 とうじょう したイマチニブ (グリベック)と化学 かがく 療法 りょうほう の併用 へいよう で治療 ちりょう 成績 せいせき は向上 こうじょう し、移植 いしょく 治療 ちりょう と併 あわ せると50%の患者 かんじゃ は長期 ちょうき 生存 せいぞん が期待 きたい できるようになってきている[112] 。
慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう の治療 ちりょう
慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう については従来 じゅうらい はインターフェロンが一部 いちぶ には有効 ゆうこう ではあったが、インターフェロンが効 き かない場合 ばあい は移植 いしょく 治療 ちりょう 以外 いがい には、単 たん に延命 えんめい を計 はか るだけの治療 ちりょう しかなかった。しかし、2001年 ねん 分子 ぶんし 標的 ひょうてき 薬 やく グリベック の登場 とうじょう で様相 ようそう が一変 いっぺん した。グリベックは慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう において遺伝子 いでんし 変異 へんい によって作 つく られた異常 いじょう な Bcr-Abl融合 ゆうごう タンパク(自己 じこ リン酸化 さんか して常 つね に活性 かっせい 化 か しシグナル伝達 でんたつ を行 おこな う基質 きしつ をリン酸化 さんか し、それはさらに下流 かりゅう の細胞 さいぼう の分裂 ぶんれつ を促 うなが す細胞 さいぼう 内 ない シグナル伝達 でんたつ 系 けい を活性 かっせい 化 か させていく酵素 こうそ (チロシンキナーゼ)でこのため、白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう は自律 じりつ 的 てき に増殖 ぞうしょく する[113] )が異常 いじょう な細胞 さいぼう 分裂 ぶんれつ を促 うなが すシグナルを伝達 でんたつ するのを阻害 そがい する薬 くすり で、活動 かつどう している慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう にのみに的 まと を絞 しぼ って攻撃 こうげき し、正常 せいじょう な細胞 さいぼう は攻撃 こうげき しないので副作用 ふくさよう の少 すく ない画期的 かっきてき な抗 こう がん剤 ざい (分子 ぶんし 標的 ひょうてき 薬 やく )である。慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう の Bcr-Abl遺伝子 いでんし 変異 へんい にも様々 さまざま なサブタイプ(変異 へんい 体 たい )があり、中 なか にはグリベックが効 き かない Bcr-Abl変異 へんい 体 たい もあるが、同様 どうよう な分子 ぶんし 標的 ひょうてき 薬 やく が次々 つぎつぎ に開発 かいはつ され、Bcr-AblタンパクT315I変異 へんい 体 たい という治療 ちりょう 抵抗 ていこう 性 せい の強 つよ いサブタイプの1つを除 のぞ いては慢性 まんせい 期 き の CML はほぼ押 お さえ込 こ むことができるようになっている(ただし、分子 ぶんし 標的 ひょうてき 薬 やく は休眠 きゅうみん している白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう には届 とど かないため、病気 びょうき を抑 おさ えることはできても、治癒 ちゆ は必 かなら ずしも望 のぞ めない)[93] [114] [115] [116] 。慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう では急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう のような休 きゅう 薬 やく 期間 きかん はなくグリベックなどの分子 ぶんし 標的 ひょうてき 薬 やく を飲 の み続 つづ けることになる[117] 。グリベックなどの分子 ぶんし 標的 ひょうてき 薬 やく に治療 ちりょう 抵抗 ていこう 性 せい のある CML、あるいは治療 ちりょう の過程 かてい で治療 ちりょう 抵抗 ていこう 性 せい を持 も ってしまった CML では造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう 移植 いしょく が推奨 すいしょう される。また付加 ふか 的 てき な遺伝子 いでんし 異常 いじょう が起 お きてしまい芽 め 球 だま が増加 ぞうか し始 はじ めた移行 いこう 期 き の治療 ちりょう ではグリベックの増量 ぞうりょう や他 た の分子 ぶんし 標的 ひょうてき 薬 やく に変更 へんこう したり、あるいは造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう 移植 いしょく も検討 けんとう する。さらに芽 め 球 だま が増 ふ えて骨髄 こつづい 、末梢 まっしょう 血 ち 中 ちゅう の芽 め 球 だま が30%以上 いじょう になる急性 きゅうせい 期 き では、芽 め 球 だま がリンパ系 けい ならば ALL に準 じゅん じた治療 ちりょう に加 くわ えて分子 ぶんし 標的 ひょうてき 薬 やく を投与 とうよ し、芽 め 球 だま が骨髄 こつづい 系 けい ならば AML に準 じゅん じた治療 ちりょう に加 くわ えて分子 ぶんし 標的 ひょうてき 薬 やく を投与 とうよ するが、急性 きゅうせい 期 き に移行 いこう した場合 ばあい には抗 こう がん剤 ざい も分子 ぶんし 標的 ひょうてき 薬 やく も有効 ゆうこう とも限 かぎ らず移植 いしょく 医療 いりょう を検討 けんとう する[118] 。
慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう の治療 ちりょう
狭義 きょうぎ の慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう は進行 しんこう が緩慢 かんまん で無 む 治療 ちりょう でも天寿 てんじゅ を全 まっと うすることができる患者 かんじゃ も少 すく なくなく病 やまい 期 き によって治療 ちりょう 手段 しゅだん が違 ちが い、リンパ球 だま の増加 ぞうか のみで症状 しょうじょう がなく安定 あんてい している場合 ばあい は治療 ちりょう によって生命 せいめい 予 よ 後 ご が改善 かいぜん されるとは限 かぎ らない[119] 。そのため状態 じょうたい がリンパ球 だま の増加 ぞうか のみであるならば無 む 治療 ちりょう で経過 けいか 観察 かんさつ を行 おこな い、病 やまい 期 き が進 すす み、リンパ節 ぶし 腫 しゅ 大 おお や脾肝腫 しゅ 、貧血 ひんけつ 、血小板 けっしょうばん 減少 げんしょう などが現 あらわ れてくると治療 ちりょう の対象 たいしょう になる[120] 。近年 きんねん では狭義 きょうぎ の慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう には進行 しんこう がゆっくりで無 む 治療 ちりょう でよい群 ぐん と進行 しんこう が早 はや く治療 ちりょう の必要 ひつよう な群 ぐん の2群 ぐん があることが判明 はんめい しつつあり、遺伝子 いでんし 研究 けんきゅう が進 すす んでいる[121] 。National Cancer Institute-sponsored Working Group のガイドラインによれば、(1)6か月 げつ 以内 いない に10%以上 いじょう の体重 たいじゅう 減少 げんしょう 、強 つよ い倦怠 けんたい 感 かん 、盗汗 とうかん 、発熱 はつねつ などの症状 しょうじょう 、(2)貧血 ひんけつ や血小板 けっしょうばん 減少 げんしょう 、(3)著 いちじる しい脾腫、リンパ節 ぶし 腫 しゅ 大 だい 、(4)リンパ球 だま 数 すう が2ヶ月 かげつ の間 あいだ に50%あるいは6か月 げつ で2倍 ばい の増加 ぞうか 、以上 いじょう の(1)-(4)のどれかが認 みと められた場合 ばあい に治療 ちりょう を開始 かいし するとされている[122] 。治療 ちりょう は以前 いぜん にはシクロフォスファミドが使 つか われていたが、現在 げんざい ではフルダラビン単 たん 剤 ざい 、もしくはフルダラビンとシクロフォスファミドの併用 へいよう が標準 ひょうじゅん であり、リツキシマブの併用 へいよう も有効 ゆうこう 性 せい が認 みと められている[120] [123] 。ただし、治癒 ちゆ は望 のぞ めず治療 ちりょう の目的 もくてき は病勢 びょうせい のコントロールと生存 せいぞん 期間 きかん の延長 えんちょう を図 はか ることである[123] 。
抗 こう がん剤 ざい の副作用 ふくさよう と対策 たいさく ・支持 しじ 療法 りょうほう
浅野 あさの 他 た 監修 かんしゅう 『三 さん 輪 りん 血液 けつえき 病 びょう 学 がく 』文光 ぶんこう 堂 どう 、2006年 ねん 、p.630より
白血病 はっけつびょう の治療 ちりょう では主 おも に抗 こう がん剤 ざい を使 つか う。白血病 はっけつびょう の多 おお くは症状 しょうじょう が厳 きび しく急 きゅう を要 よう し難治 なんじ なので治療 ちりょう も強 つよ いものにならざるをえず、白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が薬剤 やくざい 耐 たい 性 せい を持 も たないようにするため抗 こう がん剤 ざい は多 た 剤 ざい を併用 へいよう することが標準 ひょうじゅん である。もともと白血病 はっけつびょう 特 とく に急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう では正常 せいじょう な血液 けつえき 細胞 さいぼう が減 へ ることが多 おお く、感染 かんせん 症 しょう 、貧血 ひんけつ 症状 しょうじょう 、易 えき 出血 しゅっけつ 傾向 けいこう などが見 み られるが、抗 こう がん剤 ざい では骨髄 こつづい が抑制 よくせい (造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう が抗 こう がん剤 ざい で減少 げんしょう する)されるので感染 かんせん 症 しょう 、貧血 ひんけつ 症状 しょうじょう 、易 えき 出血 しゅっけつ 傾向 けいこう はさらに悪化 あっか することが多 おお い。そのために感染 かんせん 症 しょう 対策 たいさく や、赤血球 せっけっきゅう や血小板 けっしょうばん の輸血 ゆけつ 、時 とき には顆粒 かりゅう 球 だま コロニー刺激 しげき 因子 いんし 投与 とうよ などは重要 じゅうよう になる[124] 。抗 こう がん剤 ざい の副作用 ふくさよう はさまざまであるが、主 おも なものを右 みぎ に挙 あ げた。急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう の治療 ちりょう で用 もち いられることが多 おお いシタラビン(Ara-C, キロサイド)では骨髄 こつづい 抑制 よくせい 、嘔気・嘔吐 おうと 、下痢 げり 、脱毛 だつもう 、肝 きも ・腎 じん 機能 きのう 障害 しょうがい などに加 くわ えてシタラビンの特徴 とくちょう として結膜炎 けつまくえん や脳 のう の障害 しょうがい が見 み られることがある。シタラビン大量 たいりょう 療法 りょうほう ではステロイド点眼 てんがん 薬 やく が必要 ひつよう になる。やはり急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう で用 もち いられることが多 おお いアントラサイクリン系 けい の抗 こう がん剤 ざい では骨髄 こつづい 抑制 よくせい 、嘔気・嘔吐 おうと 、脱毛 だつもう などの他 ほか にアントラサイクリン系 けい 特有 とくゆう の心臓 しんぞう への毒性 どくせい がある。急性 きゅうせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう で使 つか われるビンクリスチン(オンコビン)では抗 こう がん剤 ざい に共通 きょうつう する副作用 ふくさよう の他 ほか に神経 しんけい 毒性 どくせい 、ひどい便秘 べんぴ や腸閉塞 ちょうへいそく 、低 てい ナトリウム血 ち 症 しょう などの電解 でんかい 質 しつ 異常 いじょう (抗 こう 利尿 りにょう ホルモン不適切 ふてきせつ 分泌 ぶんぴつ 症候群 しょうこうぐん ) などがある。シクロフォスファミド(エンドキサン)では出血 しゅっけつ 性 せい 膀胱 ぼうこう 炎 えん が特有 とくゆう の副作用 ふくさよう であり、大量 たいりょう の水分 すいぶん の補給 ほきゅう で尿 にょう を増 ふ やし濃度 のうど を薄 うす め早 はや く薬剤 やくざい を排出 はいしゅつ させることが必要 ひつよう になる。また、抗 こう がん剤 ざい そのものの作用 さよう ではないが、治療 ちりょう 開始 かいし 初期 しょき には抗 こう がん剤 ざい によって大量 たいりょう の白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が死 し ぬために白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の内容 ないよう 物 ぶつ が血液 けつえき 内 ない に一気 いっき に放出 ほうしゅつ され高 こう 尿 にょう 酸 さん 血 ち 症 しょう や高 こう カリウム血 ち 症 しょう 、低 てい カルシウム血 ち 症 しょう などが起 お き、それによって腎不全 じんふぜん に陥 おちい ることがある。これを腫瘍 しゅよう 崩壊 ほうかい 症候群 しょうこうぐん (急性 きゅうせい 腫瘍 しゅよう 融解 ゆうかい 症候群 しょうこうぐん )と言 い い、適切 てきせつ な対処 たいしょ をしないと死 し に至 いた ることもある。また、抗 こう がん剤 ざい の代謝 たいしゃ 、排出 はいしゅつ 器官 きかん である肝臓 かんぞう と腎臓 じんぞう に障害 しょうがい があると毒性 どくせい は一層 いっそう 顕著 けんちょ になるので、臓器 ぞうき に障害 しょうがい がある際 さい には特 とく に注意 ちゅうい が必要 ひつよう である[124] 。
患者 かんじゃ 、特 とく に女性 じょせい 患者 かんじゃ にとって切実 せつじつ な副作用 ふくさよう は脱毛 だつもう であるが、抗 こう がん剤 ざい 治療 ちりょう が終 おわ れば髪 かみ は復活 ふっかつ する。個人 こじん 差 さ はあるものの抗 こう がん剤 ざい を使用 しよう したその日 ひ から脱毛 だつもう が始 はじ めるのではなく抗 こう がん剤 ざい を開始 かいし してから2-3週間 しゅうかん 程度 ていど で脱毛 だつもう は始 はじ まる。脱毛 だつもう は頭髪 とうはつ だけでなく全 ぜん 身 み の毛 け でも起 お こりうるが、抗 こう がん剤 ざい 治療 ちりょう を終了 しゅうりょう して1-2か月 げつ ほどで毛髪 もうはつ は再生 さいせい し始 はじ め、約 やく 半年 はんとし ほどで再生 さいせい する。再 ふたた び生 は えてきた毛髪 もうはつ は抗 こう がん剤 ざい 治療 ちりょう の前 まえ よりは少 すこ し細 ほそ く、質 しつ も変 か わることもあるが2年 ねん ほどで髪 かみ 質 しつ も元 もと に戻 もど る[125] [126] 。
副作用 ふくさよう への対策 たいさく ・支持 しじ 療法 りょうほう
感染 かんせん 症 しょう 対策 たいさく 。白血病 はっけつびょう では異常 いじょう な白血球 はっけっきゅう が増加 ぞうか することはあっても正常 せいじょう な白血球 はっけっきゅう は減少 げんしょう している。さらに抗 こう がん剤 ざい の投与 とうよ で正常 せいじょう な白血球 はっけっきゅう は一層 いっそう 減少 げんしょう するために、細菌 さいきん や真 ま 菌 きん に感染 かんせん しやすい。そのため、発熱 はつねつ があったら感染 かんせん 症 しょう を疑 うたが って検査 けんさ を行 おこな い、病原 びょうげん 体 たい にあった抗生 こうせい 物質 ぶっしつ や抗 こう 真 ま 菌 きん 剤 ざい を投与 とうよ する。また、白血球 はっけっきゅう 数 すう を増加 ぞうか させるために造血 ぞうけつ 因子 いんし 製剤 せいざい (顆粒 かりゅう 球 だま コロニー刺激 しげき 因子 いんし G-CSF)が投与 とうよ されることがある[註 26] [124] 。
輸血 ゆけつ 。白血病 はっけつびょう や抗 こう がん剤 ざい の副作用 ふくさよう のために貧血 ひんけつ や血小板 けっしょうばん 減少 げんしょう による出血 しゅっけつ 傾向 けいこう が強 つよ くなったら赤血球 せっけっきゅう の輸血 ゆけつ や血小板 けっしょうばん の輸血 ゆけつ が行 おこな われる[124] 。
吐 は き気 け 。抗 こう がん剤 ざい 治療 ちりょう の副作用 ふくさよう である吐 は き気 け や嘔吐 おうと は最 もっと も苦痛 くつう の強 つよ い症状 しょうじょう の一 ひと つといわれる[127] 。吐 は き気 け や嘔吐 おうと に対 たい しては制 せい 吐剤 とざい が使 つか われる[124] 。
腎臓 じんぞう 障害 しょうがい 。腎臓 じんぞう に障害 しょうがい が発生 はっせい すると薬剤 やくざい の排出 はいしゅつ が遅 おく れ抗 こう がん剤 ざい の毒性 どくせい が一層 いっそう 顕著 けんちょ になる。そのため腎臓 じんぞう 障害 しょうがい があるときは減量 げんりょう が必要 ひつよう になる。また、腎臓 じんぞう を守 まも るために飲水 のみみず や輸液と利尿 りにょう 剤 ざい によって速 すみ やかに抗 こう がん剤 ざい を排出 はいしゅつ させてやることが必要 ひつよう なこともある。また、シクロフォスファミドでは排出 はいしゅつ された抗 こう がん剤 ざい が膀胱 ぼうこう に炎症 えんしょう を起 お こすため、尿 にょう 中 ちゅう の薬剤 やくざい 濃度 のうど を薄 うす め、また速 すみ やかに排出 はいしゅつ できるように特 とく に大量 たいりょう の水分 すいぶん の投与 とうよ がされる[124] 。
将来 しょうらい の治療 ちりょう 法 ほう
従来 じゅうらい の治療 ちりょう 法 ほう は白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう をすべて殺 ころ す、押 おさ えつけることを念頭 ねんとう においていたが、白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう の研究 けんきゅう の進歩 しんぽ 及 およ び急性 きゅうせい 前 ぜん 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう での分化 ぶんか 誘導 ゆうどう 療法 りょうほう の開発 かいはつ によって、治療 ちりょう の考 かんが え方 かた が根本 こんぽん 的 てき に変 か わろうとしている。急性 きゅうせい 前 ぜん 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう での分化 ぶんか 誘導 ゆうどう 療法 りょうほう では白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう を含 ふく めて白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう を強制 きょうせい 的 てき に分化 ぶんか させてしまう方法 ほうほう である。殺 ころ すのではなく、白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう 特有 とくゆう の性質 せいしつ を取 と り去 さ ってしまおうとするのである[114] 。
現在 げんざい は白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう の研究 けんきゅう が進 すす み、白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の中 なか で、わずかな白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう のみが無限 むげん の増殖 ぞうしょく 能 のう を持 も ち、末端 まったん の白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう は有限 ゆうげん の増殖 ぞうしょく しかできないことが分 わ かってきている。したがって白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう さえ取 と り除 のぞ くことができれば、末端 まったん の白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう は残 のこ しても白血病 はっけつびょう はやがて治癒 ちゆ するものと考 かんが えられるようになっている。ただし、現在 げんざい の技術 ぎじゅつ では末端 まったん の白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう よりも白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう を取 と り除 のぞ く方 ほう が難 むずか しいが、将来 しょうらい 的 てき には、今 いま の total cell kill療法 りょうほう に代 か わって、白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう に的 まと を絞 しぼ った治療 ちりょう 法 ほう の開発 かいはつ が本命 ほんめい になっていくと考 かんが えられている[114] [128] 。
白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう
下 した は正常 せいじょう な血液 けつえき 細胞 さいぼう の系列 けいれつ 。上 うえ が白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の系列 けいれつ 。慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう は造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう に遺伝子 いでんし 変異 へんい (Bcr-Abl融合 ゆうごう 遺伝子 いでんし )が生 しょう じて白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう となり、急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう では前駆 ぜんく 細胞 さいぼう に多 た 段階 だんかい の遺伝子 いでんし 変異 へんい が起 お きて白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう になる(平尾 ひらお :臨血 52:484,2011)。
急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう は自己 じこ 複製 ふくせい 能力 のうりょく を持 も つ造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう の遺伝子 いでんし が変化 へんか し、正常 せいじょう な分化 ぶんか 能 のう の喪失 そうしつ と不死 ふし 化 か (細胞 さいぼう 寿命 じゅみょう の延長 えんちょう )を得 え るか、前駆 ぜんく 細胞 さいぼう に同様 どうよう の遺伝子 いでんし 異常 いじょう +自己 じこ 複製 ふくせい 能 のう の再 さい 獲得 かくとく があって発生 はっせい する白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう を基 もと にすると考 かんが えられている。
正常 せいじょう な造血 ぞうけつ 。造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう と前駆 ぜんく 細胞 さいぼう を形態 けいたい で区別 くべつ するのは容易 ようい ではない。
急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の増加 ぞうか 。
血液 けつえき 細胞 さいぼう の大本 おおもと である造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう は極 きわ めて少数 しょうすう で、それ故 ゆえ に貴重 きちょう でありその多 おお くは造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう ニッチ で支持 しじ 細胞 さいぼう に守 まも られながら休眠 きゅうみん している。造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう は造血 ぞうけつ が必要 ひつよう なときに目覚 めざ めさせられ、2つに分裂 ぶんれつ し、1つは元 もと の幹 みき 細胞 さいぼう と同 おな じ細胞 さいぼう であり(自己 じこ 複製 ふくせい )再 ふたた び眠 ねむ りに付 つ くが、もう1つは分化 ぶんか の道 みち をたどり始 はじ めて前駆 ぜんく 細胞 さいぼう となり(分化 ぶんか の道 みち をたどり始 はじ めた細胞 さいぼう は自己 じこ 複製 ふくせい 能力 のうりょく はなくなる)盛 さか んに分裂 ぶんれつ して数 かず を増 ふ やしながら分化 ぶんか ・成熟 せいじゅく して極 きわ めてたくさんの血液 けつえき 細胞 さいぼう を生 う み出 だ していく。急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう においても幹 みき 細胞 さいぼう と末端 まったん の細胞 さいぼう の関係 かんけい は同様 どうよう であると考 かんが えられている。正常 せいじょう な造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう もしくは前駆 ぜんく 細胞 さいぼう の遺伝子 いでんし に変化 へんか が起 お こり、細胞 さいぼう の分化 ぶんか 能 のう に異常 いじょう が起 お き、また細胞 さいぼう に不死 ふし 化 か (細胞 さいぼう 寿命 じゅみょう の延長 えんちょう )をもたらすものが白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう である。正常 せいじょう な造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう はニッチ の構成 こうせい 細胞 さいぼう や造血 ぞうけつ 因子 いんし のコントロール下 か にあり自律 じりつ 的 てき な増殖 ぞうしょく はしないが、白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう は造血 ぞうけつ 因子 いんし の有無 うむ に関係 かんけい なく増殖 ぞうしょく (自律 じりつ 的 てき 増殖 ぞうしょく )する。ニッチにおいて正常 せいじょう な造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう はほとんどが休眠 きゅうみん 期 き (細胞 さいぼう 周期 しゅうき のG0期 き )にあるが、白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう においては(休眠 きゅうみん 期 き に入 はい っている細胞 さいぼう も少 すく なくないが)正常 せいじょう な造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう に比 くら べて細胞 さいぼう 分裂 ぶんれつ の活動 かつどう 期 き に入 はい っている細胞 さいぼう の割合 わりあい は高 たか いと考 かんが えられている[92] [93] 。
ヒトの白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう を免疫 めんえき 不全 ふぜん マウスに移植 いしょく する実験 じっけん では、ほとんどの白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう はマウスに白血病 はっけつびょう を引 ひ き起 お こすことはできないが、白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の中 なか でごく少数 しょうすう の CD34+CD38-細胞 さいぼう の一部 いちぶ はマウスにヒトの白血病 はっけつびょう を引 ひ き起 お こすことができることがわかっている。発現 はつげん している抗原 こうげん が CD34- または CD38+ の白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう では細胞 さいぼう は有限 ゆうげん の増殖 ぞうしょく しかできないが、CD34+CD38-細胞 さいぼう [註 27] の一部 いちぶ では長期 ちょうき にわたって白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう を供給 きょうきゅう し続 つづ ける。この長期 ちょうき にわたって白血病 はっけつびょう 状態 じょうたい を維持 いじ することのできる少数 しょうすう の CD34+CD38-白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の一部 いちぶ がすべての白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の大本 おおもと である白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう であると考 かんが えられている[註 28] [129] 。少数 しょうすう の正常 せいじょう な造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう が自分 じぶん 自身 じしん を保持 ほじ しながら、極 きわ めてたくさんの血液 けつえき 細胞 さいぼう を生 う み出 だ すのと同 おな じに、白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう も自分 じぶん 自身 じしん を保持 ほじ しながら、極 きわ めてたくさんの白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう を生 う み出 だ していくのである。ただし、白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう から生 う み出 だ された細胞 さいぼう は決 けっ して正常 せいじょう な血液 けつえき 細胞 さいぼう になることはできずに増殖 ぞうしょく し、正常 せいじょう な造血 ぞうけつ を阻害 そがい するのである。急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう の中 なか には正常 せいじょう な造血 ぞうけつ 前駆 ぜんく 細胞 さいぼう が遺伝子 いでんし 異常 いじょう とともに自己 じこ 複製 ふくせい 能 のう を再 さい 獲得 かくとく して白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう が発生 はっせい するものもあると考 かんが えられている[128] [129] [130] 。最新 さいしん の知見 ちけん では急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう の幹 みき 細胞 さいぼう はむしろ、そのほとんどは造血 ぞうけつ 前駆 ぜんく 細胞 さいぼう が遺伝子 いでんし 変異 へんい (分化 ぶんか 障害 しょうがい と細胞 さいぼう 寿命 じゅみょう の亢進 こうしん ・自己 じこ 複製 ふくせい 能 のう の再 さい 獲得 かくとく )を起 お こしたものと考 かんが えられている[131] 。
正常 せいじょう な造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう に遺伝子 いでんし 変異 へんい が起 お こり急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう は発生 はっせい するがその遺伝子 いでんし 変異 へんい は1段階 だんかい ではなく、増殖 ぞうしょく ・生存 せいぞん 能 のう の亢進 こうしん をもたらす遺伝子 いでんし 変異 へんい と細胞 さいぼう の分化 ぶんか 障害 しょうがい を起 お こす遺伝子 いでんし 変異 へんい など複数 ふくすう の段階 だんかい にわたる遺伝子 いでんし 異常 いじょう が重 かさ なって発症 はっしょう すると考 かんが えられている。細胞 さいぼう の増殖 ぞうしょく ・生存 せいぞん 能 のう が亢進 こうしん する変異 へんい はクラスI変異 へんい と呼 よ ばれ、細胞 さいぼう の増殖 ぞうしょく や生存 せいぞん に関 かか わるシグナル伝達 でんたつ の活性 かっせい 化 か -増殖 ぞうしょく 亢進 こうしん 、細胞 さいぼう 寿命 じゅみょう の亢進 こうしん などが起 お き、これが前面 ぜんめん に立 た つと骨髄 こつづい 増殖 ぞうしょく 性 せい 腫瘍 しゅよう 様 よう の自律 じりつ 的 てき 増殖 ぞうしょく 能 のう を亢進 こうしん する。クラスII変異 へんい とされる分化 ぶんか 障害 しょうがい が先行 せんこう すると骨髄 こつづい 異 い 形成 けいせい 症候群 しょうこうぐん 様 よう の細胞 さいぼう 形態 けいたい の異常 いじょう が起 お き、急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう ではこのクラスI・クラスIIの変異 へんい の少 すく なくとも2段階 だんかい の遺伝子 いでんし 変異 へんい が必要 ひつよう である。このクラスI変異 へんい 、クラスII変異 へんい の遺伝子 いでんし 異常 いじょう の種類 しゅるい はそれぞれ多様 たよう で、なおかつ複数 ふくすう の変異 へんい が重複 じゅうふく することもあり、さらに付加 ふか 的 てき な遺伝子 いでんし 異常 いじょう もあり、白血病 はっけつびょう にきわめて多数 たすう のサブタイプがありそれぞれ性質 せいしつ が異 こと なっているのも、遺伝子 いでんし 変異 へんい の多様 たよう 性 せい のためである[132] [133] [134] 。
慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう でも造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう に遺伝子 いでんし 異常 いじょう がおき、正常 せいじょう なコントロールを脱 だっ して異常 いじょう な増殖 ぞうしょく をするが、慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう では細胞 さいぼう の分化 ぶんか 能 のう は失 うしな われておらず成熟 せいじゅく した多数 たすう の細胞 さいぼう を生 う み出 だ す。慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう が生 う み出 だ す血液 けつえき 細胞 さいぼう は一見 いっけん 正常 せいじょう な細胞 さいぼう と同様 どうよう に見 み えるが、やはり細 こま かく見 み ると正常 せいじょう な細胞 さいぼう とは必 かなら ずしも同 おな じではない。
慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう (CML) において、マウスの正常 せいじょう な造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう に CML の原因 げんいん となる「がん遺伝子 いでんし 」BCR-ABL融合 ゆうごう 遺伝子 いでんし を導入 どうにゅう するとマウスは CML を発症 はっしょう する。しかし、造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう から分化 ぶんか が進 すす み、盛 さか んな増殖 ぞうしょく 能 のう は持 も つが自己 じこ 複製 ふくせい 能 のう は失 うしな った造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう に BCR-ABL融合 ゆうごう 遺伝子 いでんし を導入 どうにゅう してもマウスは CML を発症 はっしょう しないことも分 わ かっている。がん遺伝子 いでんし BCR-ABL融合 ゆうごう 遺伝子 いでんし は細胞 さいぼう の増殖 ぞうしょく 能力 のうりょく の自律 じりつ 的 てき 亢進 こうしん に関 かか わるが、細胞 さいぼう の自己 じこ 複製 ふくせい 能 のう を発現 はつげん するものではないことが分 わ かる[135] [註 29] 。また、慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう が付加 ふか 的 てき な遺伝子 いでんし 異常 いじょう を起 お こし急性 きゅうせい 転化 てんか した場合 ばあい 、2/3の患者 かんじゃ では急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう 、1/3の患者 かんじゃ では急性 きゅうせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう とどちらの系列 けいれつ にも進 すす むことがあることからも、慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう の最初 さいしょ の遺伝子 いでんし 変異 へんい (BCR-ABL融合 ゆうごう 遺伝子 いでんし )が幹 みき 細胞 さいぼう レベルで起 お こっていることが分 わ かる[136] 。CML幹 みき 細胞 さいぼう も造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう と同 おな じくニッチ環境 かんきょう にあり、その多 おお くは細胞 さいぼう 活動 かつどう が停止 ていし した休眠 きゅうみん 期 き (細胞 さいぼう 周期 しゅうき G0期 き )にあると考 かんが えられている。イマチニブなどの Bcr-Ablタンパクを標的 ひょうてき にした分子 ぶんし 標的 ひょうてき 薬 やく は休眠 きゅうみん している細胞 さいぼう には届 とど かないと考 かんが えられている[137] 。
白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の分裂 ぶんれつ ・増殖 ぞうしょく 速度 そくど
症状 しょうじょう が出 で るまでに進行 しんこう した白血病 はっけつびょう では短時間 たんじかん で末梢 まっしょう 血 ち の白血球 はっけっきゅう や芽 め 球 だま の数 かず が増加 ぞうか することが多 おお く、白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう は増殖 ぞうしょく が速 はや い印象 いんしょう がある。しかし実際 じっさい には白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう は、正常 せいじょう な造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう に比 くら べ細胞 さいぼう 分裂 ぶんれつ (増殖 ぞうしょく )が早 はや いわけではなく、むしろかなり遅 おそ い。正常 せいじょう な造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう と比 くら べ慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の分裂 ぶんれつ には2-4倍 ばい の時間 じかん が掛 か かり、名 な に反 はん して急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう ではさらに細胞 さいぼう 分裂 ぶんれつ には時間 じかん が掛 か かるのである。しかし、正常 せいじょう な造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう の細胞 さいぼう 分裂 ぶんれつ の開始 かいし はコントロールを受 う け、造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう が増殖 ぞうしょく を始 はじ めても細胞 さいぼう はやがて分化 ぶんか ・成熟 せいじゅく して末梢 まっしょう 血 ち に移 うつ り役割 やくわり を果 は たして寿命 じゅみょう を迎 むか え、また、過剰 かじょう に作 つく られた細胞 さいぼう はコントロールを受 う けてアポトーシス を迎 むか えるので、健康 けんこう 人 じん の正常 せいじょう な血液 けつえき 細胞 さいぼう は一定 いってい の数 かず を保 たも つのだが、白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう はコントロールを受 う け付 つ けることなく無 む 際限 さいげん に増殖 ぞうしょく し、また白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう は不死 ふし 化 か (細胞 さいぼう 寿命 じゅみょう の延長 えんちょう )しているので最終 さいしゅう 的 てき には正常 せいじょう な細胞 さいぼう を圧倒 あっとう して増殖 ぞうしょく する[註 30] [138] [139] [140] 。
このようにして白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう は正常 せいじょう な造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう を圧倒 あっとう して骨髄 こつづい を占拠 せんきょ し、さらには血液 けつえき (末梢 まっしょう 血 ち )にもあふれ出 で てくる段階 だんかい (通常 つうじょう 、自覚 じかく 症状 しょうじょう が明 あき らかに現 あらわ れるところまでくると)になると骨髄 こつづい での白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の数 かず はすでに膨大 ぼうだい なものになっているので、細胞 さいぼう 1個 いっこ の分裂 ぶんれつ 時間 じかん は長 なが くとも、末梢 まっしょう 血 ち 内 ない では短時間 たんじかん の内 うち にみるみる白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の数 かず が増 ふ えていくようになる。健康 けんこう 人 じん の末梢 まっしょう 血 ち 内 ない の白血球 はっけっきゅう 総数 そうすう は80-300億 おく 個 こ 程度 ていど であるが、AMLでは自覚 じかく 症状 しょうじょう が現 あらわ れ診断 しんだん が付 つ く頃 ころ には骨髄 こつづい 内 ない の白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう は1kg、数 かず にして 1012 個 こ (1兆 ちょう 個 こ )にもなるので、その10%が末梢 まっしょう 血 ち にあふれ出 で ただけでも、正常 せいじょう な末梢 まっしょう 血 ち 内 ない の白血球 はっけっきゅう 数 すう から考 かんが えるとそれは尋常 じんじょう な量 りょう ではない[141] 。
年齢 ねんれい による白血病 はっけつびょう の違 ちが い
小児 しょうに 白血病 はっけつびょう
小児 しょうに 白血病 はっけつびょう の疫学 えきがく
小児 しょうに の白血病 はっけつびょう は欧米 おうべい では年間 ねんかん 小児 しょうに 10万 まん 人 にん あたり4人 にん [142] 、アジアではやや少 すく なく日本 にっぽん では年間 ねんかん 10万 まん 人 にん に3人 にん 程度 ていど 発症 はっしょう する[143] 。日本 にっぽん の小児科 しょうにか では年間 ねんかん 700-800人 にん ほどの小児 しょうに が白血病 はっけつびょう を発症 はっしょう し小児科 しょうにか で治療 ちりょう を受 う けている[註 31] [142] 。小児 しょうに 白血病 はっけつびょう の発症 はっしょう 率 りつ は成人 せいじん 全体 ぜんたい の発症 はっしょう 率 りつ の半分 はんぶん 程度 ていど であるが男児 だんじ にやや多 おお い(男女 だんじょ 比 ひ は=1.35)のは成人 せいじん と同 おな じである。小児 しょうに 白血病 はっけつびょう で特徴 とくちょう 的 てき なのは慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう が少 すく なく(5%程度 ていど )、ほとんどが急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう であり、その80%は急性 きゅうせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう (ALL) である。成人 せいじん では急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう (AML) が多 おお いので成人 せいじん と小児 しょうに ではリンパ性 せい :骨髄 こつづい 性 せい の割合 わりあい が逆転 ぎゃくてん している。小児 しょうに の白血病 はっけつびょう では AML は年齢 ねんれい を問 と わず発症 はっしょう しているが、ALL では2-3歳 さい の男子 だんし に発症 はっしょう が多 おお い[144] 。
小児 しょうに 白血病 はっけつびょう の特徴 とくちょう
小児 しょうに の急性 きゅうせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう は60-80%が治癒 ちゆ し、小児 しょうに 白血病 はっけつびょう 全体 ぜんたい では成人 せいじん の白血病 はっけつびょう より予 よ 後 ご が良 よ いとされているが、1歳 さい 未満 みまん の乳児 にゅうじ と10歳 さい 以上 いじょう の年長 ねんちょう 児 じ ではあまり予 よ 後 ご は良 よ くない。白血病 はっけつびょう の原因 げんいん となっている遺伝子 いでんし 変異 へんい の種類 しゅるい は多 おお いが、年齢 ねんれい によってよく見 み られる遺伝子 いでんし 変異 へんい の種類 しゅるい は異 こと なり、2-9歳 さい の小児 しょうに では予 よ 後 ご の良 よ いタイプの遺伝子 いでんし 変異 へんい が多 おお く、1歳 さい 未満 みまん の乳児 にゅうじ を除 のぞ くと年齢 ねんれい が低 ひく いほど予 よ 後 ご が良 よ いタイプの白血病 はっけつびょう の割合 わりあい が多 おお くなる傾向 けいこう にある[144] 。ただし、小児 しょうに 白血病 はっけつびょう は予 よ 後 ご が良 よ いものが多 おお いといっても重 じゅう 篤 あつし な疾患 しっかん であることにかわりはない。小児 しょうに の急性 きゅうせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう の染色 せんしょく 体 たい ・遺伝子 いでんし 異常 いじょう では高 こう 2倍 ばい 体 たい (染色 せんしょく 体 たい が50本 ほん 以上 いじょう に増加 ぞうか したもの)が20-25%、TEL-AML1融合 ゆうごう 遺伝子 いでんし が15-20%に見 み られ、この2つの染色 せんしょく 体 たい ・遺伝子 いでんし 異常 いじょう による白血病 はっけつびょう は予 よ 後 ご が良 よ い。逆 ぎゃく に予 よ 後 ご の悪 わる い染色 せんしょく 体 たい ・遺伝子 いでんし 異常 いじょう (BCR-ABL融合 ゆうごう 遺伝子 いでんし (フィラデルフィア染色 せんしょく 体 たい Ph+)、あるいは MLL-AF4融合 ゆうごう 遺伝子 いでんし )は5%であり、中間 なかま 群 ぐん は5割 わり 弱 じゃく である。小児 しょうに の急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう では大半 たいはん は予 よ 後 ご 中間 なかま 群 ぐん であり40-60%が長期 ちょうき 生存 せいぞん ・治癒 ちゆ している[144] 。人数 にんずう 的 てき に小児 しょうに 白血病 はっけつびょう の大半 たいはん を占 し める2-4歳児 さいじ の白血病 はっけつびょう には予 よ 後 ご の良 よ いタイプの ALL(高 こう 2倍 ばい 体 からだ あるいはTEL-AML1融合 ゆうごう 遺伝子 いでんし )が多 おお いが、全体 ぜんたい の中 なか では少数 しょうすう である年長 ねんちょう 児 じ の白血病 はっけつびょう では予 よ 後 ご の良 よ いタイプの ALL の割合 わりあい は少 すく なくなり、10歳 さい 以上 いじょう の白血病 はっけつびょう はハイリスク白血病 はっけつびょう と見 み なされる(ただし成人 せいじん の ALL より悪 わる いということではない)[145] 。しかし、なかには、2-4歳児 さいじ の白血病 はっけつびょう でも予 よ 後 ご 不良 ふりょう なタイプの白血病 はっけつびょう もあるので予 よ 後 ご 不良 ふりょう 因子 いんし の見極 みきわ めは重要 じゅうよう である。1歳 さい 未満 みまん の乳児 にゅうじ の白血病 はっけつびょう は小児 しょうに 白血病 はっけつびょう の5-10%であり、MLL-AF4融合 ゆうごう 遺伝子 いでんし のある ALL が約 やく 半数 はんすう に見 み られ、MLL-AF4融合 ゆうごう 遺伝子 いでんし のあるALLは極 きわ めて性質 せいしつ が悪 わる く移植 いしょく 医療 いりょう が強 つよ く推奨 すいしょう されている[144] 。
小児 しょうに 白血病 はっけつびょう の治療 ちりょう
小児 しょうに の ALL の治療 ちりょう では寛解 かんかい 導入 どうにゅう 療法 りょうほう ・聖域 せいいき 療法 りょうほう ・強化 きょうか 療法 りょうほう ・維持 いじ 療法 りょうほう の4相 そう の治療 ちりょう を行 おこな う。寛解 かんかい 導入 どうにゅう 療法 りょうほう ではプレドニゾロン とビングリスチン (商品 しょうひん 名 めい オンコビン)の2剤 ざい で寛解 かんかい を目指 めざ す。ALL では中枢 ちゅうすう 神経 しんけい に白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が浸潤 しんじゅん することが多 おお く、中枢 ちゅうすう 神経 しんけい 白血病 はっけつびょう の予防 よぼう あるいは治療 ちりょう のために聖域 せいいき 療法 りょうほう としてメトトレキサート の髄 ずい 注 ちゅう や大量 たいりょう 投与 とうよ 、場合 ばあい によっては頭蓋 とうがい 放射線 ほうしゃせん 照射 しょうしゃ などが行 おこな われる。残存 ざんそん している白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の根絶 こんぜつ を目指 めざ す強化 きょうか 療法 りょうほう では多 た 剤 ざい 投与 とうよ やシタラビン (キロサイド)大量 たいりょう 投与 とうよ などを行 おこな い、万 まん が一 いち 生 い き残 のこ る可能 かのう 性 せい のある白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう を押 おさ えるために維持 いじ 療法 りょうほう として 6-MP とメトトレキサートの内服 ないふく を1-2年 ねん ほど続 つづ ける。予 よ 後 ご の悪 わる いタイプや万 まん が一 いち 再発 さいはつ してしまったときは移植 いしょく 医療 いりょう を検討 けんとう する[144] 。小児 しょうに では体 からだ が小 ちい さいので細胞 さいぼう 数 すう の少 すく ない臍帯 さいたい 血 ち や小柄 こがら な女性 じょせい の骨髄 こつづい でも移植 いしょく に十分 じゅうぶん な数 かず の造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう が得 え られるので成人 せいじん に比 くら べるとドナー は得 え やすい。小児 しょうに の AML の治療 ちりょう は ALL ほど成績 せいせき は良 よ くないが寛解 かんかい 導入 どうにゅう はシタラビン(キロサイド)とアントラサイクリン系 けい 抗 こう がん剤 ざい を用 もち い、強化 きょうか 療法 りょうほう ・維持 いじ 療法 りょうほう で完全 かんぜん 寛解 かんかい を目指 めざ す。AMLでは中枢 ちゅうすう 神経 しんけい 白血病 はっけつびょう は少 すく ないので予防 よぼう 的 てき な抗 こう がん剤 ざい の髄 ずい 注 ちゅう を行 おこな うことは少 すく ない[144] 。なお、上 うえ に挙 あ げた薬剤 やくざい はプレドニゾロン以外 いがい は抗 こう がん剤 ざい である。
ダウン症 だうんしょう 小児 しょうに 白血病 はっけつびょう
ダウン症 だうんしょう の小児 しょうに では種々 しゅじゅ の血液 けつえき 異常 いじょう が起 お きることが多 おお いことが知 し られているが、白血病 はっけつびょう も非 ひ ダウン症 だうんしょう 児 じ の15倍 ばい の発症 はっしょう 率 りつ を示 しめ す。ダウン症 だうんしょう の新生児 しんせいじ では一時 いちじ 的 てき に白血病 はっけつびょう に似 に た状態 じょうたい を呈 てい することが多 おお い。そのほとんどは数 すう か月 げつ で自然 しぜん 治癒 ちゆ するが、一部 いちぶ のダウン症 だうんしょう 児 じ は急性 きゅうせい 巨 きょ 核 かく 芽 め 球 だま 性 せい 白血病 はっけつびょう (AML-M7) を発症 はっしょう する。非 ひ ダウン児 じ に比 くら べると3歳 さい 未満 みまん のダウン症 だうんしょう の小児 しょうに では急性 きゅうせい 巨 きょ 核 かく 芽 め 球 だま 性 せい 白血病 はっけつびょう (AML-M7) になることは特異 とくい 的 てき に多 おお い。3歳 さい 以降 いこう のダウン小児 しょうに では発症 はっしょう 率 りつ も傾向 けいこう も非 ひ ダウン症 だうんしょう 小児 しょうに と同 おな じになる[146] 。
高齢 こうれい 者 しゃ の白血病 はっけつびょう
子供 こども や若者 わかもの も発症 はっしょう する白血病 はっけつびょう だが、やはり高齢 こうれい 者 しゃ の方 ほう が発症 はっしょう 率 りつ は高 たか い。60歳 さい の白血病 はっけつびょう 発症 はっしょう 率 りつ は年間 ねんかん 10万 まん 人 にん あたり5人 にん だが、80歳 さい では年間 ねんかん 10万 まん 人 にん あたり17人 にん の発症 はっしょう 率 りつ になる[147] 。若年 じゃくねん 者 しゃ では骨髄 こつづい 異 い 形成 けいせい 症候群 しょうこうぐん (MDS) から移行 いこう した白血病 はっけつびょう は10%未満 みまん だが高齢 こうれい 者 しゃ では24-56%と高 たか い。骨髄 こつづい 異 い 形成 けいせい 症候群 しょうこうぐん (MDS) から移行 いこう した白血病 はっけつびょう は予 よ 後 ご が悪 わる い[148] 。また、MDS の既往 きおう のない高齢 こうれい 者 しゃ の白血病 はっけつびょう では若年 じゃくねん 者 しゃ の白血病 はっけつびょう に比 くら べて予 よ 後 ご 良好 りょうこう 因子 いんし の白血病 はっけつびょう は少 すく なく予 よ 後 ご 不良 ふりょう 因子 いんし を持 も つものが多 おお く[147] 、なおかつ、高齢 こうれい 者 しゃ では体力 たいりょく や回復 かいふく 力 りょく が衰 おとろ えておりあまり強力 きょうりょく な治療 ちりょう はできないことが多 おお く治療 ちりょう は困難 こんなん で、未 いま だに高齢 こうれい 者 しゃ に向 む けた標準 ひょうじゅん 的 てき 治療 ちりょう はない。55歳 さい 以上 いじょう の高齢 こうれい 者 しゃ では移植 いしょく はできないが(ミニ移植 いしょく は適応 てきおう になる)60歳 さい 以下 いか あるいは60-64歳 さい 程度 ていど の比較的 ひかくてき 体力 たいりょく があると見 み られる患者 かんじゃ では一般 いっぱん 的 てき な標準 ひょうじゅん 治療 ちりょう が選択 せんたく されることが多 おお く、逆 ぎゃく に抗 こう がん剤 ざい の強度 きょうど を増 ま した治療 ちりょう なども試 こころ みられていて効果 こうか があったとする報告 ほうこく も見 み られる。しかしそれ以上 いじょう の年齢 ねんれい の白血病 はっけつびょう 患者 かんじゃ では抗 こう がん剤 ざい の効果 こうか が少 すく ないことが多 おお く、逆 ぎゃく に早期 そうき の治療 ちりょう 関連 かんれん 死 し は増 ふ える。体力 たいりょく のない高齢 こうれい 者 しゃ では治療 ちりょう 関連 かんれん 死 し が多 おお いため、強 つよ い抗 こう がん剤 ざい では減 げん 薬 やく して強度 きょうど を低 ひく くし、あるいはハイドレア のような弱 よわ い抗 こう がん剤 ざい による治療 ちりょう 、または支持 しじ 療法 りょうほう が行 おこな われることも多 おお いが、いずれにしても高齢 こうれい 者 しゃ の白血病 はっけつびょう では長期 ちょうき 生存 せいぞん 率 りつ は高 たか くはない[149] 。しかし近年 きんねん では強度 きょうど を弱 よわ めた前 ぜん 処置 しょち による造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう 移植 いしょく が普及 ふきゅう し知見 ちけん が積 つ み重 かさ なったことで従来 じゅうらい は適応 てきおう でなかった高齢 こうれい 者 しゃ も移植 いしょく の対象 たいしょう になりだしている[150] 。
その他 た の白血病 はっけつびょう
典型 てんけい 的 てき な白血病 はっけつびょう 4分類 ぶんるい (AML, ALL, CML, CLL) 以外 いがい の白血病 はっけつびょう も存在 そんざい する。細 こま かく挙 あ げると数 かず が多 おお いので特異 とくい 的 てき なものを一部 いちぶ 紹介 しょうかい する。
二 に 次 じ 性 せい (治療 ちりょう 関連 かんれん )白血病 はっけつびょう
各種 かくしゅ の癌 がん や血液 けつえき 腫瘍 しゅよう の治療 ちりょう で抗 こう がん剤 ざい や放射線 ほうしゃせん 治療 ちりょう を行 おこな った数 すう 年 ねん 後 ご に白血病 はっけつびょう や骨髄 こつづい 異 い 形成 けいせい 症候群 しょうこうぐん を発症 はっしょう する可能 かのう 性 せい が高 たか くなることが知 し られている。治療 ちりょう 関連 かんれん 白血病 はっけつびょう (抗 こう がん剤 ざい や放射線 ほうしゃせん によってもたらされた白血病 はっけつびょう )は急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう がほとんどであり tAML という。治療 ちりょう 関連 かんれん の骨髄 こつづい 異 い 形成 けいせい 症候群 しょうこうぐん は tMDS というが MDS は前 ぜん 白血病 はっけつびょう 状態 じょうたい とも位置付 いちづ けられ tMDS は tAML に移行 いこう することが多 おお く、tAML/tMDS と括 くく られることもある。非 ひ ホジキンリンパ腫 しゅ を抗 こう がん剤 ざい で治療 ちりょう した後 のち 10年間 ねんかん で tAML/tMDS を発症 はっしょう する患者 かんじゃ は5-8%ほどと見 み られ、抗 こう がん剤 ざい の量 りょう や期間 きかん 、あるいは放射線 ほうしゃせん 治療 ちりょう の有無 うむ は tAML/tMDS 発症 はっしょう の重要 じゅうよう な因子 いんし である(当然 とうぜん 、多 おお いほど、期間 きかん が長 なが いほど危険 きけん である)。tAML/tMDS は自然 しぜん 発生 はっせい した AML や MDS に比 くら べ治療 ちりょう の成績 せいせき が良 よ くはなく、予 よ 後 ご 不良 ふりょう であることが知 し られている。tAML は化学 かがく 治療 ちりょう で寛解 かんかい に持 も っていっても早期 そうき に再発 さいはつ することが多 おお く、造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう 移植 いしょく を積極 せっきょく 的 てき に検討 けんとう する必要 ひつよう があるが、移植 いしょく の成績 せいせき も自然 しぜん 発生 はっせい した AML に比 くら べると良 よ くはない。抗 こう がん剤 ざい もアルキル化 か 薬 やく によって引 ひ き起 お こされた白血病 はっけつびょう の場合 ばあい は薬剤 やくざい の投与 とうよ から白血病 はっけつびょう 発症 はっしょう までの期間 きかん は5-7年 ねん 程度 ていど と長 なが く、MDS の段階 だんかい を経 へ て急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう になることが多 おお く、予 よ 後 ご は極 きわ めて悪 わる い。同 おな じ抗 こう がん剤 ざい でもトポイソメラーゼII阻害 そがい 薬 やく によって引 ひ き起 お こされる白血病 はっけつびょう は薬剤 やくざい の投与 とうよ から白血病 はっけつびょう を発症 はっしょう するまでの期間 きかん は2-3年 ねん でアルキル化 か 薬 やく による白血病 はっけつびょう よりは予 よ 後 ご がまだしも良 よ いが、やはり難治 なんじ である。また治療 ちりょう 関連 かんれん の CML や ALL も tAML ほど多 おお くはないが報告 ほうこく されている。治療 ちりょう 関連 かんれん の CML は tAML ほどには性質 せいしつ は悪 わる くはないとされている[151] 。
成人 せいじん T細胞 さいぼう 白血病 はっけつびょう
ほとんどの白血病 はっけつびょう はウイルスが原因 げんいん ではなくうつることもないが、成人 せいじん T細胞 さいぼう 白血病 はっけつびょう は極 きわ めて例外 れいがい 的 てき な白血病 はっけつびょう である。
成人 せいじん T細胞 さいぼう 白血病 はっけつびょう (Adult T-cell leukemia 略称 りゃくしょう ATL)はリンパ腫 りんぱしゅ の病 やまい 型 がた を示 しめ すこともあり、成人 せいじん T細胞 さいぼう 白血病 はっけつびょう /リンパ腫 りんぱしゅ (Adult T-cell leukemia/lymphoma) とも呼 よ ばれることがある。日本 にっぽん に多 おお く、1977年 ねん に日本人 にっぽんじん によって初 はじ めて報告 ほうこく された疾患 しっかん であり日本 にっぽん で最 もっと も研究 けんきゅう ・解析 かいせき が進 すす んでいる。HTLV-1 (Human T-cell leukemia virus type-1) ウイルスによる白血病 はっけつびょう で、病 やまい 型 がた は急性 きゅうせい 型 がた 、慢性 まんせい 型 がた 、リンパ腫 りんぱしゅ 型 がた 、くすぶり型 がた と症状 しょうじょう ・病態 びょうたい の違 ちが う発現 はつげん をする。HTLV-1ウイルスの感染 かんせん および成人 せいじん T細胞 さいぼう 白血病 はっけつびょう の発症 はっしょう は地域 ちいき 差 さ があり、世界 せかい ではカリブ海 かりぶかい 諸国 しょこく 、アフリカ中部 ちゅうぶ 大西洋 たいせいよう 沿岸 えんがん 諸国 しょこく 、及 およ び日本 にっぽん でみられ、特 とく に西南 せいなん 日本 にっぽん 、とりわけ南 みなみ 九州 きゅうしゅう と西 にし 九州 きゅうしゅう で多 おお い。HTLV-1ウイルスに感染 かんせん してもほとんどの感染 かんせん 者 しゃ は一生 いっしょう のあいだ白血病 はっけつびょう を発症 はっしょう することはなく、HTLV-1ウイルス感染 かんせん 者 しゃ のうち一 いち 生涯 しょうがい で白血病 はっけつびょう を発症 はっしょう する者 もの は数 かず %である。日本 にっぽん では100万 まん 人 にん 以上 いじょう のキャリア(ウイルス保持 ほじ 者 しゃ )がいるが、成人 せいじん T細胞 さいぼう 白血病 はっけつびょう の発症 はっしょう は年間 ねんかん 600-700人 にん 程度 ていど であり、出身 しゅっしん 別 べつ では九州 きゅうしゅう 出身 しゅっしん 者 しゃ が7割 わり を占 し める[53] 。ATL は日本 にっぽん の本州 ほんしゅう では年間 ねんかん 人口 じんこう 10万 まん 人 にん あたり0.2-0.3人 にん と稀 まれ な病 やまい 型 がた だが、九州 きゅうしゅう では人口 じんこう 10万 まん 人 にん あたり2-3人 にん で急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう より若干 じゃっかん 多 おお く、白血病 はっけつびょう の病 やまい 型 がた の中 なか で最 もっと も多 おお い[152] 。HTLV-1ウイルスの感染 かんせん ルートは輸血 ゆけつ 、性交 せいこう による感染 かんせん 、母乳 ぼにゅう に限 かぎ られ、現在 げんざい では輸血 ゆけつ 用 よう 血液 けつえき は検査 けんさ されており、母子 ぼし 感染 かんせん を別 べつ にすれば HTLV-1ウイルス感染 かんせん 者 しゃ が近 ちか くにいても HTLV-1ウイルス感染 かんせん 者 しゃ と性交 せいこう さえしなければうつることはない。性交 せいこう で感染 かんせん するため、ウイルス感染 かんせん 率 りつ は年齢 ねんれい が上 あ がるほど上昇 じょうしょう し、とくに女性 じょせい の感染 かんせん 率 りつ が上昇 じょうしょう する。母子 ぼし 感染 かんせん は人工 じんこう ミルクに切 き り替 か えることで防 ふせ げる。ウイルス感染 かんせん から白血病 はっけつびょう 発症 はっしょう まで極 きわ めて長 なが い時間 じかん (数 すう 十 じゅう 年 ねん )掛 か かり、そのため乳児 にゅうじ のときにウイルスに感染 かんせん しても成人 せいじん T細胞 さいぼう 白血病 はっけつびょう を発症 はっしょう するのは成人 せいじん になってからであり、日本 にっぽん においては成人 せいじん T細胞 さいぼう 白血病 はっけつびょう 患者 かんじゃ の平均 へいきん 年齢 ねんれい は61歳 さい である。症状 しょうじょう はさまざまであるがリンパ節 ぶし 腫脹 しゅちょう 、感染 かんせん 症 しょう による症状 しょうじょう 、皮膚 ひふ 病変 びょうへん などが多 おお い。急性 きゅうせい 型 がた では白血球 はっけっきゅう が増加 ぞうか し平均 へいきん で56000/μ みゅー lになり、成人 せいじん T細胞 さいぼう 白血病 はっけつびょう の白血球 はっけっきゅう は核 かく に深 ふか い切 き れ込 こ みが複数 ふくすう 入 はい って花 はな のような核 かく の特徴 とくちょう 的 てき な形状 けいじょう になり、花 はな 細胞 さいぼう やフラワーセルという。リンパ腫 りんぱしゅ 型 がた では末梢 まっしょう 血 ち や骨髄 こつづい での白血球 はっけっきゅう 増加 ぞうか は目立 めだ たず、リンパ節 ぶし 腫脹 しゅちょう を特徴 とくちょう とする。慢性 まんせい 型 がた とくすぶり型 がた では大人 おとな しく、緩 ゆる やかな経過 けいか をたどるためにすぐには治療 ちりょう を行 おこな わずに経過 けいか 観察 かんさつ することが多 おお い。急性 きゅうせい 型 がた とリンパ腫 りんぱしゅ 型 がた ではきわめて多 た 種類 しゅるい の抗 こう がん剤 ざい とプレドニゾロンを組 く み合 あ わせる治療 ちりょう が行 おこな われる。若 わか い(55歳 さい 以下 いか )患者 かんじゃ では骨髄 こつづい 移植 いしょく などの造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう 移植 いしょく も検討 けんとう される[53] 。
ヘアリーセル白血病 はっけつびょう
ヘアリーセル白血病 はっけつびょう (HCL) は分化 ぶんか の進 すす んだBリンパ球 だま 性 せい の白血病 はっけつびょう /リンパ増殖 ぞうしょく 疾患 しっかん で、その細胞 さいぼう は毛 け を生 は やしたような細 ほそ い突起 とっき が多数 たすう あるきわめて特徴 とくちょう 的 てき な外観 がいかん をしている。欧米 おうべい では全 ぜん 白血病 はっけつびょう の2-3%を占 し め、それほど珍 めずら しい白血病 はっけつびょう ではないが、アジアやアフリカでは極 きわ めて稀 まれ な病 やまい 型 がた である。男性 だんせい に多 おお く、患者 かんじゃ の平均 へいきん 年齢 ねんれい は50-55歳 さい で中年 ちゅうねん 以降 いこう に多 おお い。脾腫と汎 ひろし 血球 けっきゅう 減少 げんしょう が多 おお く見 み られ、血球 けっきゅう が減 へ るだけでなく免疫 めんえき を司 つかさど る細胞 さいぼう に異常 いじょう が多 おお く、通常 つうじょう の感染 かんせん 症 しょう だけでなく非 ひ 定型 ていけい 抗 こう 酸 さん 菌 きん やカリニ肺炎 はいえん 、真 ま 菌 きん 症 しょう 等 とう の免疫 めんえき 不全 ふぜん による日和見 ひよりみ 感染 かんせん が多 おお く、感染 かんせん 症 しょう が死亡 しぼう 原因 げんいん で目立 めだ つ疾患 しっかん であるが、悪性 あくせい 度 ど は低 ひく く進行 しんこう がゆっくりで経過 けいか 観察 かんさつ で良 よ い症例 しょうれい も多 おお い。HCL は位相 いそう 差 さ 顕微鏡 けんびきょう で見 み ると白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が特異 とくい な形態 けいたい を取 と るので診断 しんだん はしやすい。治療 ちりょう はインターフェロンやプリンアナログが著 しる 効 こう する。日本 にっぽん ではヘアリーセル白血病 はっけつびょう は極 きわ めて少 すく ないが、日本 にっぽん のヘアリーセル白血病 はっけつびょう には日本 にっぽん 型 がた (Japanese variant) というローカルな亜 あ 型 がた が存在 そんざい し、日本 にっぽん のヘアリーセル白血病 はっけつびょう 患者 かんじゃ のなかでは日本 にっぽん 型 がた が大半 たいはん を占 し める。ヘアリーセル白血病 はっけつびょう 日本 にっぽん 型 がた は患者 かんじゃ の平均 へいきん 年齢 ねんれい が64.9歳 さい と高 たか く、普通 ふつう の HCL が男性 だんせい に圧倒的 あっとうてき に多 おお いのに比 くら べ、日本 にっぽん 型 がた は女性 じょせい にやや多 おお く、白血球 はっけっきゅう は増加 ぞうか していることが多 おお い。日本 にっぽん 型 がた はインターフェロンのき目 きめ も良 よ くない[153] [154] 。
系統 けいとう 不明 ふめい な白血病 はっけつびょう
白血病 はっけつびょう は細胞 さいぼう の性質 せいしつ によって骨髄 こつづい 性 せい とリンパ性 せい に分 わ けられるが、まれに白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の細胞 さいぼう 系列 けいれつ のはっきりしない白血病 はっけつびょう (混合 こんごう 性 せい 白血病 はっけつびょう 、あるいは急性 きゅうせい 未 み 分化 ぶんか 型 がた 白血病 はっけつびょう などの系統 けいとう 不明 ふめい な白血病 はっけつびょう )がある。系統 けいとう 不明 ふめい な白血病 はっけつびょう には、骨髄 こつづい 系 けい 白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう とリンパ系 けい 白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう それぞれの2系統 けいとう の細胞 さいぼう 集団 しゅうだん が同時 どうじ に現 あらわ れるものと、1つの細胞 さいぼう に骨髄 こつづい 系 けい リンパ系 けい の両方 りょうほう の特徴 とくちょう が現 あらわ れるもの、白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう に一切 いっさい の分化 ぶんか 傾向 けいこう が見 み られない急性 きゅうせい 未 み 分化 ぶんか 型 がた 白血病 はっけつびょう などがある[155] 。AML で最 もっと も未 み 分化 ぶんか な最 さい 未 み 分化 ぶんか 型 がた 急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう (AML-M0) でさえ骨髄 こつづい 系 けい 細胞 さいぼう の証 あかし である MPO は光学 こうがく 顕微鏡 けんびきょう では認 みと められないが電子 でんし 顕微鏡 けんびきょう レベルでは認 みと められ他 ほか の手段 しゅだん でも骨髄 こつづい 系 けい と判明 はんめい するが、急性 きゅうせい 未 み 分化 ぶんか 型 がた 白血病 はっけつびょう の芽 め 球 だま では骨髄 こつづい 系 けい の抗原 こうげん の証 あかし である MPO が電子 でんし 顕微鏡 けんびきょう レベルでも陰性 いんせい であり、他 た の手段 しゅだん でも骨髄 こつづい 系 けい への分化 ぶんか 傾向 けいこう は認 みと められず、なおかつリンパ系 けい の抗原 こうげん も一切 いっさい 発現 はつげん していない。白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の分化 ぶんか が幹 みき 細胞 さいぼう に極 きわ めて近 ちか いところで止 と まってしまっている細胞 さいぼう であると考 かんが えられる[156] 。急性 きゅうせい 未 み 分化 ぶんか 白血病 はっけつびょう は幹 みき 細胞 さいぼう 白血病 はっけつびょう とも呼 よ ばれ、その白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の性質 せいしつ はほとんど幹 みき 細胞 さいぼう と同等 どうとう の性質 せいしつ を持 も っている。逆 ぎゃく に言 い えば急性 きゅうせい 未 み 分化 ぶんか 白血病 はっけつびょう 以外 いがい の白血病 はっけつびょう (ほとんどすべてになる)の細胞 さいぼう はわずかではあり異常 いじょう でもあるがいくらかは分化 ぶんか したところで分化 ぶんか が止 と まった細胞 さいぼう であり、またその分化 ぶんか の方向 ほうこう で細胞 さいぼう の性質 せいしつ もある程度 ていど 違 ちが ってくる[157] 。これら系統 けいとう 不明 ふめい な白血病 はっけつびょう は極 きわ めて稀 まれ であり、分 わ かっていないことが多 おお いが一般 いっぱん に予 よ 後 ご 不良 ふりょう といわれている[156] 。
低 てい 形成 けいせい 性 せい 白血病 はっけつびょう
白血病 はっけつびょう は骨髄 こつづい で白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう (芽 め 球 だま )が自律 じりつ 的 てき に増加 ぞうか する疾患 しっかん であるが、一部 いちぶ では例外 れいがい 的 てき に芽 め 球 だま 割合 わりあい は増加 ぞうか し異 い 形成 けいせい は見 み られるが絶対 ぜったい 数 すう は減少 げんしょう することもある(低 てい 形成 けいせい 性 せい 白血病 はっけつびょう )。骨髄 こつづい での芽 め 球 だま の絶対 ぜったい 数 すう が少 すく ない低 てい 形成 けいせい 性 せい 白血病 はっけつびょう は白血病 はっけつびょう の定義 ていぎ からすると特異 とくい な病 やまい 型 がた であり FAB分類 ぶんるい でも WHO分類 ぶんるい でもカテゴリーになっていない、しかし、WHO分類 ぶんるい では言及 げんきゅう されている。骨髄 こつづい の細胞 さいぼう 密度 みつど が20%以下 いか で芽 め 球 だま が20%以上 いじょう かつ CD34陽性 ようせい 細胞 さいぼう が明 あき らかであることでこの病 やまい 型 がた は定義 ていぎ されている。本来 ほんらい 白血病 はっけつびょう とは正 せい 反対 はんたい の疾患 しっかん である再生 さいせい 不良 ふりょう 性 せい 貧血 ひんけつ に非常 ひじょう に似 に ているが再生 さいせい 不良 ふりょう 性 せい 貧血 ひんけつ と違 ちが って芽 め 球 だま の割合 わりあい の増加 ぞうか が認 みと められる[158] 。主 おも に高齢 こうれい 者 しゃ の AML で見 み られるが、強 つよ い治療 ちりょう はできずシタラビン少量 しょうりょう 療法 りょうほう がよいとされている[159] 。
白血病 はっけつびょう と類縁 るいえん 疾患 しっかん の境 さかい
白血病 はっけつびょう 自体 じたい 、単一 たんいつ の疾患 しっかん ではなく、その原因 げんいん 遺伝子 いでんし 、病態 びょうたい には様々 さまざま なものがある。さらに白血病 はっけつびょう の類縁 るいえん 疾患 しっかん は数多 かずおお くあり、その多 おお くでは白血病 はっけつびょう と類縁 るいえん 疾患 しっかん の境目 さかいめ は明瞭 めいりょう ではないため、以下 いか に簡単 かんたん に類縁 るいえん 疾患 しっかん について記 しる す。
骨髄 こつづい 異 い 形成 けいせい 症候群 しょうこうぐん (MDS) は、多 おお くでは貧血 ひんけつ を伴 ともな う造血 ぞうけつ 障害 しょうがい と細胞 さいぼう の異 い 形成 けいせい を特徴 とくちょう とする血液 けつえき 疾患 しっかん であるが、MDS の一部 いちぶ では骨髄 こつづい において芽 め 球 だま が増加 ぞうか していることがある。芽 め 球 だま が増加 ぞうか しているものは前 ぜん 白血病 はっけつびょう 状態 じょうたい と位置付 いちづ けられ、芽 め 球 だま 比率 ひりつ が20%を超 こ えると急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう と認知 にんち されるようになる。この前 ぜん 白血病 はっけつびょう 状態 じょうたい の MDS の細胞 さいぼう では遺伝子 いでんし 異常 いじょう によって細胞 さいぼう の分化 ぶんか 障害 しょうがい が起 お こっていて芽 め 球 だま 比率 ひりつ の増加 ぞうか が生 しょう じているが、これにさらに自律 じりつ 的 てき 増殖 ぞうしょく 能力 のうりょく や不死 ふし 化 か が加 くわ わると二 に 次 じ 性 せい の急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう になると考 かんが えられている[160] [161] [162] 。
悪性 あくせい リンパ腫 りんぱしゅ は白血球 はっけっきゅう の1種 しゅ リンパ球 だま が悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう 化 か してリンパ組織 そしき での腫瘍 しゅよう 的 てき 異常 いじょう 増加 ぞうか をきたす疾患 しっかん だが、リンパ系 けい 白血球 はっけっきゅう が腫瘍 しゅよう 化 か した細胞 さいぼう が骨髄 こつづい で増加 ぞうか するリンパ系 けい 白血病 はっけつびょう の細胞 さいぼう と悪性 あくせい リンパ腫 りんぱしゅ の細胞 さいぼう に免疫 めんえき 学 がく 的 てき 形質 けいしつ や遺伝子 いでんし 異常 いじょう に本質 ほんしつ 的 てき な差 さ はないとされている[163] [164] 。悪性 あくせい リンパ腫 りんぱしゅ で腫瘍 しゅよう 細胞 さいぼう が末梢 まっしょう 血 ち 中 ちゅう に出現 しゅつげん しさらに骨髄 こつづい に腫瘍 しゅよう 細胞 さいぼう が移動 いどう してそこで増殖 ぞうしょく を始 はじ めると、白血病 はっけつびょう の定義 ていぎ を満 み たしてしまい、白血病 はっけつびょう と言 い えてしまうこととなる。悪性 あくせい リンパ腫 りんぱしゅ と白血病 はっけつびょう が区別 くべつ できなくなると非常 ひじょう に困 こま るので、そのような病態 びょうたい を悪性 あくしょう リンパ腫 りんぱしゅ の白 しろ 血 ち 化 か と呼 よ ぶこととなった。しかし、リンパ球 だま にはリンパ節 ぶし という増殖 ぞうしょく を行 おこな える器官 きかん があるため、非常 ひじょう に病態 びょうたい の解釈 かいしゃく が難 むずか しい。骨髄 こつづい でリンパ系 けい の白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が発生 はっせい して、白血病 はっけつびょう となり後 ご にリンパ節 ぶし に浸潤 しんじゅん したのか、リンパ節 ぶし で細胞 さいぼう に異常 いじょう が起 お こりそれが白 しろ 血 ち 化 か し骨髄 こつづい 浸潤 しんじゅん をしたのか区別 くべつ できなくなるのである[165] 。例 たと えば慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう と小 しょう リンパ球 だま 性 せい リンパ腫 りんぱしゅ の細胞 さいぼう は本質 ほんしつ 的 てき に同 おな じものとされ、同 おな じように急性 きゅうせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう である前駆 ぜんく B細胞 さいぼう リンパ芽 め 球 だま 性 せい 白血病 はっけつびょう (B-ALL) と前駆 ぜんく B細胞 さいぼう リンパ芽 め 球 だま 性 せい リンパ腫 りんぱしゅ (B-LBL) の細胞 さいぼう にも本質 ほんしつ 的 てき な差 さ はない[166] [167] 。したがって免疫 めんえき 学 がく 的 てき 形質 けいしつ や遺伝子 いでんし 異常 いじょう に基 もと づく分類 ぶんるい を重視 じゅうし する WHO ではリンパ性 せい 白血病 はっけつびょう とリンパ腫 りんぱしゅ はリンパ系 けい 腫瘍 しゅよう としてくくり[163] [164] [166] 、リンパ系 けい 腫瘍 しゅよう のなかで腫瘍 しゅよう 細胞 さいぼう の増殖 ぞうしょく の中心 ちゅうしん が骨髄 こつづい にあり骨髄 こつづい での芽 め 球 だま 比率 ひりつ が25%以上 いじょう なら急性 きゅうせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう 、25%以下 いか で増殖 ぞうしょく が主 おも にリンパ節 ぶし で行 おこな われるなら悪性 あくせい リンパ腫 りんぱしゅ とするに過 す ぎず[168] 、WHO はリンパ系 けい 腫瘍 しゅよう ではリンパ系 けい 白血病 はっけつびょう と悪性 あくせい リンパ腫 りんぱしゅ をあえて区別 くべつ すべきものとはしていない[169] [170] 。しかしながら症候 しょうこう 的 てき にはリンパ系 けい 白血病 はっけつびょう とリンパ腫 りんぱしゅ では明確 めいかく な差 さ があり、リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう と悪性 あくせい リンパ腫 りんぱしゅ を一 いち 括 くく りにすることは臨床 りんしょう 的 てき には必 かなら ずしも受 う け入 い れられているわけではなく、むしろ急性 きゅうせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう は急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう とともに急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう で括 くく ったほうが臨床 りんしょう 的 てき にはなじみやすい[82] 。
多発 たはつ 性 せい 骨髄腫 こつづいしゅ という骨髄 こつづい でリンパ球 だま 系 けい 細胞 さいぼう の形質 けいしつ 細胞 さいぼう が腫瘍 しゅよう 化 か して増殖 ぞうしょく するのにもかかわらず、臨床 りんしょう 症状 しょうじょう からリンパ腫 りんぱしゅ とも白血病 はっけつびょう とも区別 くべつ されている疾患 しっかん もある。正常 せいじょう であれば炎症 えんしょう の局所 きょくしょ やリンパ節 ぶし ・扁 ひらた 桃 もも ・脾臓 ひぞう といったいわゆるリンパ組織 そしき に分布 ぶんぷ するBリンパ球 だま が分化 ぶんか した形質 けいしつ 細胞 さいぼう が腫瘍 しゅよう 化 か したものであるが、不思議 ふしぎ なことにリンパ組織 そしき ではなく骨髄 こつづい および骨 ほね に積極 せっきょく 的 てき に浸潤 しんじゅん する。リンパ腫 りんぱしゅ という段階 だんかい が生 しょう じているのかも不明 ふめい である[171] 。
また、慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう などと同 おな じ骨髄 こつづい 増殖 ぞうしょく 性 せい 疾患 しっかん に属 ぞく する真性 しんせい 多血 たけつ 症 しょう や本態 ほんたい 性 せい 血小板 けっしょうばん 血 ち 症 しょう 、骨髄 こつづい 線維 せんい 症 しょう も主 しゅ として増加 ぞうか している血球 けっきゅう は白血球 はっけっきゅう 以外 いがい であるが、その本質 ほんしつ は慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう などと同 おな じく造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう レベルでの遺伝子 いでんし 異常 いじょう による細胞 さいぼう の増殖 ぞうしょく 能 のう の自律 じりつ 的 てき 向上 こうじょう であると考 かんが えられ、一般 いっぱん 的 てき には白血病 はっけつびょう とはされないこれらも、広義 こうぎ には白血病 はっけつびょう の類 るい として扱 あつか われることもある[172] 。
放射線 ほうしゃせん と白血病 はっけつびょう
原子 げんし 爆 ばく 弾 だん と白血病 はっけつびょう
広島大学 ひろしまだいがく 原爆 げんばく 放射線 ほうしゃせん 医科 いか 学 がく 研究所 けんきゅうじょ ・鎌田 かまた 七 なな 男 なん らの1978年 ねん の研究 けんきゅう (Kamada N,et al:Blood 51:843,1978) によると、造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう に生 しょう じた染色 せんしょく 体 たい の突然変異 とつぜんへんい (フィラデルフィア染色 せんしょく 体 たい またはbcr-abl遺伝子 いでんし 変異 へんい )によって1個 いっこ の慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう の幹 みき 細胞 さいぼう が発生 はっせい し、たった一 ひと つ発生 はっせい した白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう が6年 ねん 後 ご には、末梢 まっしょう 血 ち での白血球 はっけっきゅう 数 すう が1万 まん 個 こ /μ みゅー l(基準 きじゅん 値 ち は3500-9000程度 ていど )になるまで数 かず を増 ふ やす。血液 けつえき 分 ぶん 画 が では好 こう 塩基 えんき 球 だま が増加 ぞうか し、好 こう 中 ちゅう 球 だま と、時 とき には好 こう 酸 さん 球 だま も増加 ぞうか する。白血球 はっけっきゅう 数 すう が2万 まん 個 こ /μ みゅー lを超 こ えると芽 め 球 だま も出現 しゅつげん して慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう の状態 じょうたい が明白 めいはく になる[173] 。
1945年 ねん 、広島 ひろしま と長崎 ながさき が原子 げんし 爆 ばく 弾 だん で被爆 ひばく したが、その放射線 ほうしゃせん 被曝 ひばく 者 もの では5年 ねん 後 ご の1950年 ねん から10年 ねん 後 ご の1955年 ねん にかけて慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう の発生 はっせい 頻度 ひんど が著 しる 明 あきら に増加 ぞうか した[174] 。被曝 ひばく した放射線 ほうしゃせん 量 りょう が0.5Gy[註 32] 以上 いじょう の放射線 ほうしゃせん 被曝 ひばく 者 しゃ では通常 つうじょう の数 すう 十 じゅう 倍 ばい の慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう の発生 はっせい が記録 きろく され[註 33] [175] 、原爆 げんばく の被爆 ひばく から5-10年 ねん 後 ご に発症 はっしょう はピークを迎 むか え、その後 ご には発症 はっしょう 率 りつ は急激 きゅうげき に低下 ていか し通常 つうじょう レベルになっている[176] 。
大 おお まかな推移 すいい 。稲葉 いなば 俊哉 としや 「放射線 ほうしゃせん がんにおけるエピゲノム制御 せいぎょ 異常 いじょう の役割 やくわり 」『広島 ひろしま 医学 いがく 』Vol.63 No.4、2010年 ねん 、pp.236-240および放射線 ほうしゃせん 影響 えいきょう 研究所 けんきゅうじょ のHP[177] [178] をもとに作成 さくせい 。
放射線 ほうしゃせん 影響 えいきょう 研究所 けんきゅうじょ の調査 ちょうさ では、全 ぜん 白血病 はっけつびょう では原爆 げんばく 被爆 ひばく 後 ご 6-8年 ねん の間 あいだ が発症 はっしょう 率 りつ のピークとされる。放射線 ほうしゃせん 影響 えいきょう 研究所 けんきゅうじょ の詳細 しょうさい なデータは1950年 ねん の国勢調査 こくせいちょうさ から始 はじ まり、それ以前 いぜん には推計 すいけい もはいるが被爆 ひばく 2年 ねん 後 ご から白血病 はっけつびょう は増 ふ え始 はじ めていると考 かんが えられている。放射線 ほうしゃせん 影響 えいきょう 研究所 けんきゅうじょ が被爆 ひばく 者 しゃ 約 やく 5万 まん 人 にん を1950年 ねん -2000年 ねん までの50年間 ねんかん 観察 かんさつ したところ、被爆 ひばく 者 しゃ 5万 まん 人 にん ×50年間 ねんかん の中 なか で204人 にん が白血病 はっけつびょう で死亡 しぼう し、それは自然 しぜん な白血病 はっけつびょう 死亡 しぼう 率 りつ とくらべて46%の過剰 かじょう 発生 はっせい であった。当然 とうぜん 、被曝 ひばく 線量 せんりょう が多 おお いほど白血病 はっけつびょう での死亡 しぼう 率 りつ は高 たか く、1Gy以上 いじょう の被曝 ひばく 者 しゃ では約 やく 2700人 にん 中 ちゅう 56人 にん が放射線 ほうしゃせん が原因 げんいん の白血病 はっけつびょう で亡 な くなったと考 かんが えられ、0.005-0.1Gyの被曝 ひばく 者 しゃ 約 やく 3万 まん 人 にん では白血病 はっけつびょう での死亡 しぼう は69人 にん 、その中 なか で放射線 ほうしゃせん 被曝 ひばく していなくても発症 はっしょう ・死亡 しぼう したであろう自然 しぜん 発生 はっせい 率 りつ を勘案 かんあん して除去 じょきょ した過剰 かじょう 発生 はっせい は4人 にん とされている。被曝 ひばく 者 しゃ の白血病 はっけつびょう は AML, ALL, CML で顕著 けんちょ であり、CLL は目立 めだ たない[註 34] [178] (放射線 ほうしゃせん 被曝 ひばく 量 りょう の単位 たんい については脚注 きゃくちゅう [註 35] を参照 さんしょう のこと)。
原爆 げんばく による放射線 ほうしゃせん 被曝 ひばく による白血病 はっけつびょう とがんの発生 はっせい の違 ちが い
広島 ひろしま ・長崎 ながさき の被爆 ひばく 者 しゃ の白血病 はっけつびょう と白血病 はっけつびょう 以外 いがい の癌 がん ・悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう では過剰 かじょう 発生 はっせい の傾向 けいこう は異 こと なる。前述 ぜんじゅつ のように放射線 ほうしゃせん 影響 えいきょう 研究所 けんきゅうじょ の調査 ちょうさ では慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう と急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう の合計 ごうけい である全 ぜん 白血病 はっけつびょう では被爆 ひばく から6-8年 ねん 後 ご がピークでその後 ご は緩 ゆる やかに発症 はっしょう 率 りつ は下 さ がっているが[註 36] [178] 、白血病 はっけつびょう 以外 いがい のがんの過剰 かじょう 発生 はっせい は被爆 ひばく 後 ご 10年 ねん を経 へ て目立 めだ つようになりその後 ご も年々 ねんねん 過剰 かじょう 発生 はっせい は増 ふ え2010年 ねん 現在 げんざい でも過剰 かじょう 発生 はっせい の状況 じょうきょう は続 つづ いている[177] [179] 。一 ひと つの理由 りゆう として白血病 はっけつびょう では染色 せんしょく 体 たい の転 てん 座 ざ や逆 ぎゃく 位 い などでキメラ遺伝子 いでんし が形成 けいせい されて発生 はっせい するものが多 おお い。癌 がん でも白血病 はっけつびょう でも一 ひと つの遺伝子 いでんし 異常 いじょう だけではがん化 か はせず何 なに 段階 だんかい かの遺伝子 いでんし 異常 いじょう が重 かさ なってがん化 か するが(CML は例外 れいがい である[註 37] )白血病 はっけつびょう に多 おお いキメラ遺伝子 いでんし のような大 おお きな遺伝子 いでんし 異常 いじょう ではがん化 か に必要 ひつよう なステップは少 すく なく、放射線 ほうしゃせん 被曝 ひばく によって最初 さいしょ の大 おお きな遺伝子 いでんし 異常 いじょう (キメラ遺伝子 いでんし )がおきると白血病 はっけつびょう 発生 はっせい に必要 ひつよう な残 のこ りの遺伝子 いでんし 異常 いじょう は少 すく なく、遺伝子 いでんし 異常 いじょう が積 つ み重 かさ なるために必要 ひつよう な時間 じかん は少 すく ない。しかし、白血病 はっけつびょう 以外 いがい のがんでは小 ちい さな遺伝子 いでんし 変異 へんい が数多 かずおお く積 つ み重 かさ なって発生 はっせい するものが多 おお いので放射線 ほうしゃせん 被曝 ひばく によって遺伝子 いでんし 異常 いじょう の First hit が生 しょう じてもそれに多 おお くの遺伝子 いでんし 異常 いじょう が積 つ み重 かさ なる時間 じかん が必要 ひつよう なため、放射線 ほうしゃせん 被曝 ひばく からがん発生 はっせい まで長 なが い時間 じかん が必要 ひつよう になると考 かんが えられる[179] 。
チェルノブイリ原発 げんぱつ 事故 じこ と白血病 はっけつびょう
国連 こくれん によって設置 せっち された原子 げんし 放射線 ほうしゃせん の影響 えいきょう に関 かん する国連 こくれん 科学 かがく 委員 いいん 会 かい ( United Nations Scientific Committee on the Effects of Atomic Radiation:略称 りゃくしょう UNSCEAR)の2008年 ねん の報告 ほうこく では、チェルノブイリ原発 げんぱつ 事故 じこ において放射線 ほうしゃせん 汚染 おせん 除去 じょきょ 作業 さぎょう 者 しゃ (数 すう 十 じゅう 万 まん 人 にん )のなかでの高 こう 線量 せんりょう 被曝 ひばく 者 しゃ では白血病 はっけつびょう 発生 はっせい が見 み られるとされている。また、チェルノブイリ汚染 おせん 地域 ちいき の一般 いっぱん 住民 じゅうみん では1986年 ねん の事故 じこ 発生 はっせい 日 び から数 すう 週間 しゅうかん 以内 いない に生産 せいさん された牛乳 ぎゅうにゅう を飲 の んだ子供 こども たちに甲状腺 こうじょうせん がんが高率 こうりつ に発生 はっせい していることは判明 はんめい しているが[註 38] 、白血病 はっけつびょう に関 かん してはチェルノブイリ汚染 おせん 地域 ちいき の一般 いっぱん 住民 じゅうみん に明 あき らかな白血病 はっけつびょう 発症 はっしょう 率 りつ の増加 ぞうか の証拠 しょうこ は無 な いとしている[180] [181] 。また、同 おな じ報告 ほうこく 書 しょ で原子 げんし 放射線 ほうしゃせん の影響 えいきょう に関 かん する国連 こくれん 科学 かがく 委員 いいん 会 かい は(高 こう レベル被曝 ひばく した作業 さぎょう 員 いん と1986年 ねん にチェルノブイリ地域 ちいき の牛乳 ぎゅうにゅう を飲 の んだ小児 しょうに ・青少年 せいしょうねん を除 のぞ く)地域 ちいき 一般 いっぱん 住民 じゅうみん は放射線 ほうしゃせん 被曝 ひばく による健康 けんこう 被害 ひがい を心配 しんぱい する必要 ひつよう はないと結論 けつろん 付 つ けている[180] 。
マヤーク核兵器 かくへいき 生産 せいさん 炉 ろ 周辺 しゅうへん での白血病 はっけつびょう 増加 ぞうか
チェルノブイリ原発 げんぱつ 事故 じこ では作業 さぎょう 員 いん を除 のぞ く地域 ちいき 住民 じゅうみん には明 あき らかな白血病 はっけつびょう の増加 ぞうか の証拠 しょうこ は見 み つかっていないが、1956年 ねん に停止 ていし されたロシアのマヤーク核兵器 かくへいき 生産 せいさん 炉 ろ では作業 さぎょう 員 いん だけでなく周辺 しゅうへん 住民 じゅうみん にも白血病 はっけつびょう の増加 ぞうか が観測 かんそく されている。ロシアのマヤーク核兵器 かくへいき 生産 せいさん 炉 ろ では核兵器 かくへいき 用 よう のプルトニウムを生産 せいさん していたが、プルトニウム生産 せいさん 過程 かてい で生 しょう じたストロンチウム90 が周辺 しゅうへん 環境 かんきょう に放出 ほうしゅつ されている。チェルノブイリで主 おも に問題 もんだい になった放射 ほうしゃ 性 せい ヨウ素 もと は甲状腺 こうじょうせん に溜 た まるために甲状腺 こうじょうせん がんが増加 ぞうか したが、マヤーク核兵器 かくへいき 生産 せいさん 炉 ろ で放出 ほうしゅつ されたストロンチウム90はカルシウムと化学 かがく 的 てき 性質 せいしつ が類似 るいじ するため骨 ほね に集 あつ まる性質 せいしつ があるので白血病 はっけつびょう の増加 ぞうか は予想 よそう されていた。マヤーク核兵器 かくへいき 生産 せいさん 炉 ろ の作業 さぎょう 員 いん および周辺 しゅうへん 住民 じゅうみん では1953-2005年 ねん の間 あいだ に93人 にん が白血病 はっけつびょう になり、明 あき らかに放射線 ほうしゃせん 被曝 ひばく 量 りょう が多 おお いほど白血病 はっけつびょう リスクは高 たか くなる。ストロンチウム90による過剰 かじょう 相対 そうたい リスクERRは4.9/Gyで、つまり被曝 ひばく 量 りょう 1Gyあたり白血病 はっけつびょう のリスクが5.9倍 ばい になっている[181] 。
(マヤーク核兵器 かくへいき 生産 せいさん 炉 ろ 事故 じこ についてはウラル核 かく 惨事 さんじ を参照 さんしょう のこと)
その他 た の放射線 ほうしゃせん 被曝 ひばく と白血病 はっけつびょう
医療 いりょう 行為 こうい でも強直 きょうちょく 性 せい 脊椎 せきつい 炎 えん 患者 かんじゃ で脊椎 せきつい に放射線 ほうしゃせん 照射 しょうしゃ を受 う けた者 もの 、子宮 しきゅう 頸癌 に対 たい しての放射線 ほうしゃせん 治療 ちりょう で骨髄 こつづい に放射線 ほうしゃせん を浴 あ びた者 もの では数 すう 年 ねん 後 ご に慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう の発症 はっしょう 率 りつ が高 たか くなっていることが報告 ほうこく されている[182] 。ただし、これらの放射線 ほうしゃせん 被曝 ひばく 量 りょう は日常 にちじょう 生活 せいかつ ではありえない放射線 ほうしゃせん 量 りょう であり、これらの放射線 ほうしゃせん が原因 げんいん と思 おも われる慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう は慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう 患者 かんじゃ 全体 ぜんたい の中 なか では例外 れいがい と言 い えるほど少 すく なく、大半 たいはん の慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう の発生 はっせい 原因 げんいん は不明 ふめい である[182] 。
航空 こうくう 会社 かいしゃ 国際線 こくさいせん のパイロットや客室 きゃくしつ 乗務 じょうむ 員 いん は地上 ちじょう に暮 く らす一般人 いっぱんじん よりも多 おお くの自然 しぜん 放射線 ほうしゃせん を浴 あ びている。地上 ちじょう の一般人 いっぱんじん に比 くら べ特 とく に中性子 ちゅうせいし 線 せん の被曝 ひばく 量 りょう が多 おお い。その被曝 ひばく 量 りょう は年 とし に3-6mSv程度 ていど と推定 すいてい されている。彼 かれ らの白血病 はっけつびょう リスクは増大 ぞうだい しているとの報告 ほうこく もあるが、しかし症例 しょうれい が少 すく なすぎて被曝 ひばく 線量 せんりょう と発症 はっしょう リスクの相関 そうかん を示 しめ せるほどはっきりした事 こと は判明 はんめい していない(白血病 はっけつびょう は現役 げんえき 世代 せだい では10万 まん 人 にん あたり年 どし に数 すう 人 にん 程度 ていど の発症 はっしょう 率 りつ である)。また第 だい 7染色 せんしょく 体 たい 異常 いじょう の発生 はっせい 例 れい も報告 ほうこく されているが、やはり症例 しょうれい が少 すく なすぎて被曝 ひばく 線量 せんりょう と発症 はっしょう リスクの相関 そうかん は明 あき らかではない[181] 。
アメリカ医 い 学会 がっかい での1944年 ねん と1950年 ねん の報告 ほうこく では放射線 ほうしゃせん 科 か 医 い はそれ以外 いがい の診療 しんりょう 科 か の医師 いし に比 くら べ白血病 はっけつびょう 死亡 しぼう 率 りつ は10倍 ばい 高 たか く、イギリスでも放射線 ほうしゃせん 防御 ぼうぎょ の意識 いしき が低 ひく かった1921年 ねん 以前 いぜん の放射線 ほうしゃせん 科 か 医 い ではガンによる死亡 しぼう 率 りつ は明 あき らかに高 たか いことが報告 ほうこく されている。ただし、放射線 ほうしゃせん 防護 ぼうご 対策 たいさく が確立 かくりつ した1950年 ねん 以降 いこう では放射線 ほうしゃせん 科 か 医 い の白血病 はっけつびょう 発症 はっしょう が多 おお いと言 い うデータは無 な くなっている[183] 。
白血病 はっけつびょう 患者 かんじゃ への支援 しえん
医療 いりょう 制度 せいど は各国 かっこく でさまざまであるが、移植 いしょく 医療 いりょう を支 ささ える骨髄 こつづい バンクや臍帯 さいたい 血 ち バンクは先進 せんしん 国 こく を中心 ちゅうしん に世界 せかい 約 やく 50カ国 かこく にあり、2012年 ねん 現在 げんざい 世界 せかい 的 てき な骨髄 こつづい ドナー検索 けんさく システム (Bone Marrow Donors Worldwide :BMDW) が構築 こうちく され、骨髄 こつづい に関 かん しては48カ国 かこく 66の骨髄 こつづい バンクが参加 さんか し登録 とうろく ドナーは1875万 まん 人 にん 、臍帯 さいたい 血 ち でも29カ国 かこく から43の臍帯 さいたい 血 ち バンクが BMDW に参加 さんか し、登録 とうろく された臍帯 さいたい 血 ち のストックは51万 まん 本 ほん になっている[184] 。BMDWで検索 けんさく された骨髄 こつづい 血 ち や臍帯 さいたい 血 ち の提供 ていきょう や品質 ひんしつ 管理 かんり などで国際 こくさい 間 あいだ で協力 きょうりょく する組織 そしき としては The World Marrow Donor Association (WMDA) があり[185] 、やや古 ふる いデータであるが2004年 ねん の世界 せかい の骨髄 こつづい 移植 いしょく ではその1/3は国境 こっきょう を超 こ えて提供 ていきょう されたものである[186] 。
日本 にっぽん における白血病 はっけつびょう 患者 かんじゃ に対 たい する支援 しえん
白血病 はっけつびょう は厳 きび しく難 むずか しい病気 びょうき ではあるが、治療 ちりょう 費 ひ 助成 じょせい のある特定 とくてい 疾患 しっかん (いわゆる難病 なんびょう )には指定 してい されていない[187] 。しかし18歳 さい 未満 みまん の小児 しょうに 白血病 はっけつびょう には小児 しょうに 慢性 まんせい 特定 とくてい 疾患 しっかん 治療 ちりょう 研究 けんきゅう 事業 じぎょう によって保健 ほけん 福祉 ふくし 事務所 じむしょ あるいは保健所 ほけんじょ に必要 ひつよう 書類 しょるい を添 そ えて申請 しんせい すれば自治体 じちたい による助成 じょせい を受 う けられる[188] ので小児 しょうに 白血病 はっけつびょう の治療 ちりょう 費 ひ の患者 かんじゃ 負担 ふたん は大 おお きくはない。さらに治療 ちりょう 費 ひ の助成 じょせい だけでなく小児 しょうに 白血病 はっけつびょう では所得 しょとく 制限 せいげん などの条件 じょうけん があるが特別 とくべつ 児童 じどう 扶養 ふよう 手当 てあて [189] や財団 ざいだん 法人 ほうじん がんの子供 こども を守 まも る会 かい [190] などの経済 けいざい 的 てき 支援 しえん を得 え られることもあり、あるいは企業 きぎょう によるCSR 活動 かつどう [191] などもある。なので小児 しょうに 白血病 はっけつびょう では各種 かくしゅ の制度 せいど を活用 かつよう すれば保護 ほご 者 しゃ の経済 けいざい 的 てき な負担 ふたん は大 おお きくはない。
成人 せいじん の白血病 はっけつびょう の治療 ちりょう 費 ひ は高額 こうがく になるが日本 にっぽん の健康 けんこう 保険 ほけん では高額 こうがく 療養 りょうよう 費 ひ 支給 しきゅう 制度 せいど を利用 りよう できる[192] 。移植 いしょく が必要 ひつよう な患者 かんじゃ には骨髄 こつづい バンク や各地 かくち に設 もう けられた臍帯 さいたい 血 ち バンクなどの準 じゅん 公的 こうてき な組織 そしき が患者 かんじゃ の移植 いしょく の支援 しえん のために活動 かつどう している。2011年 ねん 末 まつ 時点 じてん では骨髄 こつづい バンクでは約 やく 40万 まん 人 にん のドナー登録 とうろく があり[193] 、臍帯 さいたい 血 ち バンクでは3万 まん 本 ほん のストックがある[194] 。白血病 はっけつびょう 患者 かんじゃ が日本 にっぽん 骨髄 こつづい バンクを利用 りよう する際 さい の患者 かんじゃ 負担 ふたん 金 きん については前年度 ぜんねんど の所得 しょとく 税額 ぜいがく が一定 いってい 額 がく 以下 いか の場合 ばあい には一部 いちぶ もしくは全額 ぜんがく が免除 めんじょ される仕組 しく みもある[195] 。日本人 にっぽんじん は民族 みんぞく 的 てき に遺伝 いでん 学 がく 的 てき な均一 きんいつ 性 せい が高 たか く、そのために日本人 にっぽんじん 同士 どうし でHLA型 がた が一致 いっち する確 かく 率 りつ が高 たか く、2004年 ねん の数字 すうじ では世界 せかい で750万 まん 人 にん の骨髄 こつづい ドナーがいる中 なか で日本人 にっぽんじん の骨髄 こつづい ドナーは18万 まん 6千 せん 人 にん と少数 しょうすう であったにもかかわらず、2004年 ねん 時点 じてん で移植 いしょく の総 そう 件数 けんすう でも、人口 じんこう 当 あ たりの移植 いしょく 数 すう でも日本 にっぽん は世界 せかい 第 だい 2位 い であった(1位 い はアメリカである)[186] 。しかし、登録 とうろく ドナーが40万 まん 人 にん を超 こ えた2012年 ねん 現在 げんざい でもすべての患者 かんじゃ にドナーが見 み つかるわけではない[196] 。
動物 どうぶつ の白血病 はっけつびょう
白血病 はっけつびょう は人間 にんげん ばかりでなく多 おお くの哺乳類 ほにゅうるい ・鳥類 ちょうるい が罹 かか る。家畜 かちく やペットでは牛 うし 、馬 うま 、羊 ひつじ 、山羊 やぎ 、豚 ぶた 、猫 ねこ 、犬 いぬ 、鶏 にわとり などで見 み られる。家畜 かちく ・ペットではリンパ性 せい 白血病 はっけつびょう が多 おお くウイルス(レトロウイルス)感染 かんせん によるものが多 おお い[197] 。犬 いぬ では人間 にんげん と同 おな じく AML, ALL, まれに CML, CLL が見 み られ、その多 おお くでは原因 げんいん は不明 ふめい である。猫 ねこ では AML の2/3、ALL のほとんどが猫 ねこ 白血病 はっけつびょう ウイルス (FeLV) によるものであり、MDS やリンパ腫 りんぱしゅ も多 おお く、それらも FeLV が原因 げんいん である。犬 いぬ でも猫 ねこ でも人間 にんげん と同様 どうよう に化学 かがく 療法 りょうほう (抗 こう がん剤 ざい )治療 ちりょう が行 おこな われるが、ほとんどは4-6ヶ月 かげつ 以内 いない に死亡 しぼう する[198] 。牛 うし にも白血病 はっけつびょう はあり成 なる 牛 うし 型 がた と散発 さんぱつ 型 がた があり、成 なり 牛 うし 型 がた はウイルスによるものであり、散発 さんぱつ 型 がた は原因 げんいん 不明 ふめい である。成 なり 牛 うし 型 がた は牛 うし 白血病 はっけつびょう ウイルス (BLV) によるもので潜伏 せんぷく 期間 きかん が長 なが く成 なり 牛 うし になってから発症 はっしょう する。牛 うし ではウイルス蔓延 まんえん を防 ふせ ぐために病 やめ 牛 うし は治療 ちりょう はせず数 すう 週 しゅう で死亡 しぼう する。馬 うま ではリンパ腫 りんぱしゅ は散発 さんぱつ 的 てき に見 み られるものの白血病 はっけつびょう は少 すく ない[199] 。犬 いぬ ・猫 ねこ では白血病 はっけつびょう やリンパ腫 りんぱしゅ の治療 ちりょう に骨髄 こつづい 移植 いしょく も試 こころ みられている。犬 いぬ の骨髄 こつづい 移植 いしょく ではGVHD が重 おも く死亡 しぼう 例 れい が多 おお い。猫 ねこ ではシクロスポリン などの免疫 めんえき 抑制 よくせい を行 おこな うと成功 せいこう 率 りつ は高 たか く GVHD も軽 けい めである[200] 。
脚注 きゃくちゅう
註釈 ちゅうしゃく
^ 慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう では一見 いっけん 正常 せいじょう な白血球 はっけっきゅう や血小板 けっしょうばん が増加 ぞうか し、慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう でも一見 いっけん 正常 せいじょう なリンパ球 だま が増加 ぞうか するが、それらはあくまで正常 せいじょう な血球 けっきゅう ではない
^ 2005年 ねん の国立 こくりつ がん研究 けんきゅう センターの統計 とうけい では、がん全体 ぜんたい では、年間 ねんかん 10万 まん 人 にん あたり500人 にん 強 きょう 罹患 りかん するが、白血病 はっけつびょう 全体 ぜんたい では年間 ねんかん 10万 まん 人 にん あたり7人 にん 程度 ていど でがん全体 ぜんたい の1%強 きょう に過 す ぎない-国立 こくりつ がん研究 けんきゅう センター・部位 ぶい 別 べつ 年齢 ねんれい 階級 かいきゅう 別 べつ がん罹患 りかん 数 すう ・割合 わりあい (2005年 ねん ) 2012.2.19閲覧 えつらん 、部位 ぶい 別 べつ 年齢 ねんれい 階級 かいきゅう 別 べつ がん罹患 りかん 数 すう ・割合 わりあい 2012.2.19閲覧 えつらん
^ ただし、白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう は固 かた まりは作 つく らないが、白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう がリンパ節 ぶし や歯肉 はにく 、など各種 かくしゅ 臓器 ぞうき に浸潤 しんじゅん してそこで腫 しゅ 瘤 こぶ を作 つく ることはある、この腫 しゅ 瘤 こぶ は白血病 はっけつびょう の本体 ほんたい ではないので外科 げか 的 てき に取 と り除 のぞ いても根本 こんぽん 治療 ちりょう にはならない
^ フィラデルフィア染色 せんしょく 体 たい Ph+の慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう では好 こう 中 ちゅう 球 だま 、好 こう 塩基 えんき 球 だま の増加 ぞうか は必発であり、血小板 けっしょうばん も増加 ぞうか していることが多 おお い。-順天堂大学 じゅんてんどうだいがく 血液 けつえき 内科 ないか ・慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう の特徴 とくちょう
^ FAB分類 ぶんるい AML-M6では白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の半数 はんすう は赤血球 せっけっきゅう の幼 おさな 若 わか 球 たま である赤 あか 芽 め 球 だま に似 に ていて赤 あか 白血病 はっけつびょう とも呼 よ ばれ、AML-M7では白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう は骨髄 こつづい 系 けい 細胞 さいぼう の証 あかし であるMPOは発現 はつげん せず、巨 きょ 核 かく 球 だま 系 けい の抗原 こうげん が発現 はつげん していて急性 きゅうせい 巨 きょ 核 かく 芽 め 球 だま 性 せい 白血病 はっけつびょう と呼 よ ばれる。- 東田 ひがしだ 俊彦 としひこ 著 ちょ 『iMedicine. 5』リブロ・サイエンス、2010年 ねん 、pp.180-181
^ 骨髄 こつづい 系 けい 細胞 さいぼう は血液 けつえき 細胞 さいぼう でリンパ球 だま 以外 いがい の細胞 さいぼう である。顆粒 かりゅう 球 だま (好 こう 中 ちゅう 球 だま 、好 こう 酸 さん 球 だま 、好 こう 塩基 えんき 球 だま )、単 たん 球 たま 、赤血球 せっけっきゅう 、血小板 けっしょうばん やその母 はは 細胞 さいぼう などである。造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう が分化 ぶんか ・増殖 ぞうしょく を始 はじ めると最初 さいしょ にリンパ系 けい と骨髄 こつづい 系 けい に分化 ぶんか の方向 ほうこう が分 わ かれる。-出典 しゅってん 大西 おおにし 俊 しゅん 造 づくり 、梶原 かじはら 博 ひろし 毅 あつし 、神山 かみやま 隆一 りゅういち 監修 かんしゅう 『スタンダード病理 びょうり 学 がく 』第 だい 3版 はん 、文光 ぶんこう 堂 どう 、2009年 ねん 、pp.400-402
^ 骨髄 こつづい 異 い 形成 けいせい 症候群 しょうこうぐん の一部 いちぶ には芽 め 球 だま が増加 ぞうか しているものがあり、WHOの定義 ていぎ では骨髄 こつづい での芽 め 球 だま 比率 ひりつ が19%以下 いか は骨髄 こつづい 異 い 形成 けいせい 症候群 しょうこうぐん であるが、そのまま芽 め 球 だま が増加 ぞうか し20%を超 こ えると急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう と見 み なされる。ただし、19%と20%で症候 しょうこう 的 てき に大 おお きな変化 へんか があるわけではなく、臨床 りんしょう 的 てき には適宜 てきぎ 柔軟 じゅうなん に対処 たいしょ する。-直江 なおえ 知樹 ともき 、他 た 編 へん 『WHO血液 けつえき 腫瘍 しゅよう 分類 ぶんるい 』医薬 いやく ジャーナル社 しゃ 、2010年 ねん 、p.108
^ 2006年 ねん 現在 げんざい でも AML-M3 以外 いがい の急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう では Ara-c 7日間 にちかん とダウノルビシンなどアントラサイクリン 系 けい 抗 こう がん剤 ざい 3日間 にちかん の寛解 かんかい 導入 どうにゅう 療法 りょうほう は標準 ひょうじゅん である。-浅野 あさの 茂 しげる 隆 たかし 、池田 いけだ 康夫 やすお 、内山 うちやま 卓 たく 監修 かんしゅう 『三 さん 輪 りん 血液 けつえき 病 びょう 学 がく 』文光 ぶんこう 堂 どう 、2006年 ねん 、p.1414
^ ラテン語 らてんご のleucaemia(白血病 はっけつびょう )は合成 ごうせい 語 ご (ae) とされ、ラテン語 らてんご の語頭 ごとう の leuc はギリシャ語 ご の「白 しろ い」から、ラテン語 らてんご で血液 けつえき の状態 じょうたい を表 あらわ す aemia はギリシャ語 ご の「血 ち 」からの由来 ゆらい である。-出典 しゅってん 松下 まつした 正幸 まさゆき 著 ちょ 『医学 いがく 用語 ようご の成 な り立 た ち』榮光 えいこう 堂 どう 、1997年 ねん 、前書 まえが きppⅰ-ⅳ及 およ び本文 ほんぶん p.15及 およ びp.305
^ AML-M3急性 きゅうせい 前 ぜん 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう (APL) では、生命 せいめい に関 かか わる大 だい 規模 きぼ な出血 しゅっけつ が多 おお いが、それは単 たん に骨髄 こつづい で白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が増 ふ えることで血小板 けっしょうばん 数 すう が減 へ るからだけではなく、APL細胞 さいぼう の持 も つ組織 そしき 因子 いんし によって高度 こうど な線 せん 溶活性 せい 化 か を伴 ともな う播種 はしゅ 性 せい 血管 けっかん 内 ない 凝固 ぎょうこ 症候群 しょうこうぐん (disseminated intravascular coagulation:DIC) を起 お こすからである。-金沢大学 かなざわだいがく 血液 けつえき 内科 ないか ・急性 きゅうせい 前 ぜん 骨髄 こつづい 球 だま 性 せい 白血病 はっけつびょう (APL) とDIC:ATRA、アネキシンII
^ 白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が脳 のう や脊髄 せきずい などの中枢 ちゅうすう 神経 しんけい に浸潤 しんじゅん すると頭痛 ずつう ・嘔吐 おうと ・視力 しりょく 障害 しょうがい ・顔面 がんめん 神経 しんけい 麻痺 まひ ・眼球 がんきゅう 運動 うんどう 麻痺 まひ などの症状 しょうじょう が現 あらわ れる。-出典 しゅってん 浅野 あさの 茂 しげる 隆 たかし 、池田 いけだ 康夫 やすお 、内山 うちやま 卓 たく 監修 かんしゅう 『三 さん 輪 りん 血液 けつえき 病 びょう 学 がく 』文光 ぶんこう 堂 どう 、2006年 ねん 、p.1431
^ 正常 せいじょう な骨髄 こつづい (腸 ちょう 骨 こつ や胸骨 きょうこつ の)では、造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう と脂肪 しぼう がそれぞれある程度 ていど 存在 そんざい する。骨髄 こつづい 内 ない を造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう と脂肪 しぼう がそれぞれ数 すう 割 わり ずつ占 し めるのを正 せい 形成 けいせい という。骨髄 こつづい 内 ない に造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう がほとんどなく脂肪 しぼう ばかりなのを低 てい 形成 けいせい 。脂肪 しぼう がなくて造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう がぎっしり詰 つ まっているのを過 か 形成 けいせい という。低 てい 形成 けいせい 骨髄 こつづい の典型 てんけい が再生 さいせい 不良 ふりょう 性 せい 貧血 ひんけつ 、過 か 形成 けいせい 骨髄 こつづい の典型 てんけい が白血病 はっけつびょう である。
^ 小児 しょうに 白血病 はっけつびょう では急性 きゅうせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう (ALL) が多 おお く、小児 しょうに のALLでは2-3歳 さい が発症 はっしょう 率 りつ のピークとされ、特 とく に男児 だんじ に多 おお い。2-3歳 さい 男児 だんじ のALLが小児 しょうに 白血病 はっけつびょう の発症 はっしょう 率 りつ を引 ひ き上 あ げているので、他 た の年齢 ねんれい ・性別 せいべつ の小児 しょうに では白血病 はっけつびょう はそれほど多 おお い疾患 しっかん ではない-浅野 あさの 茂 しげる 隆 たかし 、池田 いけだ 康夫 やすお 、内山 うちやま 卓 たく 監修 かんしゅう 『三 さん 輪 りん 血液 けつえき 病 びょう 学 がく 』文光 ぶんこう 堂 どう 、2006年 ねん 、p.1449-1450
^ 急性 きゅうせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう バーキット型 がた でも欧米 おうべい や日本 にっぽん で多 おお い散発 さんぱつ 型 がた や免疫 めんえき 不全 ふぜん 型 がた ではウイルスとの関連 かんれん は指摘 してき されていない
^ ただし、白血病 はっけつびょう は乳児 にゅうじ ・小児 しょうに や若 わか い人 ひと にもおき、一 いち 段階 だんかい の遺伝子 いでんし 異常 いじょう でおこる白血病 はっけつびょう (慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう )もあるのですべてではない。白血病 はっけつびょう は融合 ゆうごう 遺伝子 いでんし などの大 おお きな遺伝子 いでんし 変異 へんい を持 も っているものが多 おお いが、そのかわり細胞 さいぼう ががん化 か するまでに必要 ひつよう な遺伝子 いでんし 変異 へんい の数 かず は「がん」に比 くら べると少 すく ないことが示唆 しさ されている。-稲葉 いなば 俊哉 としや 「放射線 ほうしゃせん がんにおけるエピゲノム制御 せいぎょ 異常 いじょう の役割 やくわり 」『広島 ひろしま 医学 いがく 』Vol.63 No.4、広島 ひろしま 医 い 学会 がっかい 、2010年 ねん 、pp.236-240
^ 急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう で白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう がミエロペルオキシダーゼ (MPO) 陰性 いんせい でリンパ系 けい マーカーが陽性 ようせい ならば ALL である。ALL の細胞 さいぼう 起源 きげん は未熟 みじゅく なリンパ系 けい 細胞 さいぼう である。急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう で細胞 さいぼう が MPO陽性 ようせい または顆粒 かりゅう 系 けい マーカーもしくは巨 きょ 核 かく 球 だま マーカーもしくは非特異 ひとくい 的 てき エステラーゼ (NSE) が陽性 ようせい 等 とう の骨髄 こつづい 系 けい 細胞 さいぼう の特徴 とくちょう を示 しめ すならば AML、CML では顆粒 かりゅう 系 けい 細胞 さいぼう (好 こう 中 ちゅう 球 だま 、好 こう 塩基 えんき 球 だま )の増殖 ぞうしょく を主 おも とし、CLL では細胞 さいぼう はリンパ球 だま の性質 せいしつ を持 も つ-出典 しゅってん 浅野 あさの 茂 しげる 隆 たかし 、池田 いけだ 康夫 やすお 、内山 うちやま 卓 たく 監修 かんしゅう 『三 さん 輪 りん 血液 けつえき 病 びょう 学 がく 』文光 ぶんこう 堂 どう 、2006年 ねん 、pp.1377,1430および日本 にっぽん 血液 けつえき 学会 がっかい 、日本 にっぽん リンパ網 もう 内 ない 系 けい 学会 がっかい 編集 へんしゅう 『造血 ぞうけつ 器 き 腫瘍 しゅよう 取扱 とりあつか い規約 きやく 』金原出版 かねはらしゅっぱん 、2010年 ねん 、pp.2,3,36,41,48 ごく稀 まれ に細胞 さいぼう 系列 けいれつ のはっきりしない物 もの がある。それについては#系統 けいとう 不明 ふめい な白血病 はっけつびょう で説明 せつめい する。
^ 慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう ではフィラデルフィア染色 せんしょく 体 たい と呼 よ ばれる9番 ばん と22番 ばん の染色 せんしょく 体 たい 長 ちょう 腕 うで 間 あいだ の相互 そうご 転 てん 座 ざ により、9番 ばん 上 じょう の abl遺伝子 いでんし が22番 ばん 上 じょう の bcr遺伝子 いでんし 領域 りょういき へ転 てん 座 ざ しbcr/abl融合 ゆうごう 遺伝子 いでんし が形成 けいせい される。この転 てん 座 ざ は t(9;22) (q34;q11) と略 りゃく して表記 ひょうき する。この翻訳 ほんやく 産物 さんぶつ であるBCR/ABLタンパクは正常 せいじょう ABLタンパクと違 ちが い恒常 こうじょう 的 てき に活性 かっせい 化 か されたチロシンキナーゼ である。恒常 こうじょう 的 てき に活性 かっせい 化 か されたBCR/ABLタンパクによって下流 かりゅう の細胞 さいぼう 内 ない シグナル伝達 でんたつ も活性 かっせい 化 か され細胞 さいぼう の自律 じりつ 的 てき 増殖 ぞうしょく をもたらす。このBCR/ABLチロシンキナーゼによる基質 きしつ チロシンのリン酸化 さんか を標的 ひょうてき に阻害 そがい する物質 ぶっしつ がイマチニブ である。-薄井 うすい 紀子 のりこ 「白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう を標的 ひょうてき とする薬剤 やくざい 開発 かいはつ 」『最新 さいしん 医学 いがく 』Vol.66 No.3、最新 さいしん 医学 いがく 社 しゃ 、2011年 ねん 、pp.409-415
^ これらの白血病 はっけつびょう も「慢性 まんせい 」で「骨髄 こつづい 性 せい 」であるが、慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう がフィラデルフィア染色 せんしょく 体 たい (Ph染色 せんしょく 体 たい )陽性 ようせい と定義 ていぎ されてしまったために、骨髄 こつづい 性 せい でPh染色 せんしょく 体 たい 陰性 いんせい の慢性 まんせい 白血病 はっけつびょう は4つの大分 おおいた 類 るい から外 はず れる
^ 急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう では寛解 かんかい に入 はい っていない非 ひ 寛解 かんかい 期 き に移植 いしょく をしても失敗 しっぱい する可能 かのう 性 せい は高 たか いためにまずは寛解 かんかい にもっていく必要 ひつよう がある。一旦 いったん 寛解 かんかい したのち運 うん 悪 わる く再発 さいはつ してしまった後 のち に再度 さいど の抗 こう がん剤 ざい 治療 ちりょう で寛解 かんかい 導入 どうにゅう した第 だい 2寛解 かんかい 期 き での移植 いしょく での5年 ねん 生存 せいぞん 率 りつ は58.9%再々 さいさい 発 はつ 後 ご の第 だい 3寛解 かんかい 期 き での5年 ねん 生存 せいぞん 率 りつ は38.6%と早 はや い寛解 かんかい 期 き での移植 いしょく の方 ほう が5年 ねん 生存 せいぞん 率 りつ は高 たか い。なので最初 さいしょ から再発 さいはつ する可能 かのう 性 せい が高 たか いと予想 よそう される高 こう リスク(予 よ 後 ご 不良 ふりょう )群 ぐん ではなるべく早 はや い寛解 かんかい 期 き 、状況 じょうきょう によっては第 だい 一 いち 寛解 かんかい 期 き (最初 さいしょ の寛解 かんかい で再発 さいはつ はまだしていない)に移植 いしょく を推奨 すいしょう されることがある。予 よ 後 ご が良 よ いと予想 よそう される低 てい リスク(予 よ 後 ご 良好 りょうこう )群 ぐん では第 だい 一 いち 寛解 かんかい 期 き からの地固 じがた め療法 りょうほう でそのまま治癒 ちゆ になる可能 かのう 性 せい が高 たか く、過酷 かこく でリスクの高 たか い移植 いしょく 治療 ちりょう を無理 むり に選択 せんたく する必要 ひつよう はない。なお、白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の治療 ちりょう 抵抗 ていこう 性 せい が高 たか く寛解 かんかい に至 いた らない非 ひ 寛解 かんかい 期 き での移植 いしょく では5年 ねん 生存 せいぞん 率 りつ は22.4%と高 たか くはない -押味 おしみ 和夫 かずお 編著 へんちょ 『カラーテキスト血液 けつえき 病 びょう 学 がく 』中外 ちゅうがい 医学 いがく 社 しゃ 、2007年 ねん 、p.321 -なお最初 さいしょ から治療 ちりょう 抵抗 ていこう 性 せい で寛解 かんかい に持 も って行 い けない難治 なんじ 性 せい のAMLでは移植 いしょく が唯一 ゆいいつ 長期 ちょうき 生存 せいぞん が期待 きたい できる方法 ほうほう である。前述 ぜんじゅつ では22.4%という数字 すうじ を挙 あ げたが資料 しりょう によってだいぶ数字 すうじ は異 こと なり、寛解 かんかい 導入 どうにゅう に失敗 しっぱい しても移植 いしょく によって15-40%の患者 かんじゃ は長期 ちょうき 生存 せいぞん が可能 かのう であるともされる -豊嶋 とよしま 崇 たかし 徳 とく 編 へん 『造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう 移植 いしょく 』医薬 いやく ジャーナル社 しゃ 、2009年 ねん 、p.169。 慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう では治療 ちりょう 抵抗 ていこう 性 せい のある場合 ばあい や急性 きゅうせい 転化 てんか した場合 ばあい に移植 いしょく を考慮 こうりょ する -直江 なおえ 知樹 ともき 編 へん 『現場 げんば で役立 やくだ つ血液 けつえき 腫瘍 しゅよう 治療 ちりょう プロトコール集 しゅう 』医薬 いやく ジャーナル社 しゃ 、2011年 ねん 、pp.71-86。 慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう では緩 ゆる やかな経過 けいか のものが多 おお く、移植 いしょく 医療 いりょう は試 ため されているが標準 ひょうじゅん 治療 ちりょう にはなっていない -出典 しゅってん 国立 こくりつ がん研究 けんきゅう センター・慢性 まんせい リンパ性 せい 白血病 はっけつびょう 。
^ 免疫 めんえき 不全 ふぜん マウスではリンパ球 だま が存在 そんざい しないか不 ふ 活性 かっせい なので異物 いぶつ の排除 はいじょ 能力 のうりょく がなく、人 ひと の造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう を移植 いしょく するとマウスの体内 たいない で人 ひと の造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう が定着 ていちゃく し、マウスの体内 たいない で人 ひと の血液 けつえき 細胞 さいぼう が産出 さんしゅつ される。もちろん、無菌 むきん 状態 じょうたい で飼育 しいく しないと免疫 めんえき 不全 ふぜん マウスはすぐに感染 かんせん 症 しょう で死亡 しぼう する。-SCIDマウスとヒト疾患 しっかん モデル
^ 施設 しせつ や状況 じょうきょう によって異 こと なるが、標準 ひょうじゅん 的 てき な前 ぜん 処置 しょち では放射線 ほうしゃせん を2Gy×6回 かい で計 けい 12Gyと同時 どうじ に抗 こう がん剤 ざい のシクロホスファミドを120mg/体重 たいじゅう 1kgあたりを投与 とうよ 、あるいはブスルファン12.8mg/kgとシクロホスファミドを120mg/kgを投与 とうよ するが-出典 しゅってん 、豊嶋 とよしま 崇 たかし 徳 とく 編 へん 『造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう 移植 いしょく 』医薬 いやく ジャーナル社 しゃ 、2009年 ねん 、pp.60-63、放射線 ほうしゃせん 6Gyだけでも致死 ちし 量 りょう と言 い われ-出典 しゅってん がんサポート情報 じょうほう センター ブスルファン12.8mg/kgとシクロホスファミドを120mg/kgも致死 ちし 量 りょう をはるかに超 こ えている。放射線 ほうしゃせん 量 りょう や抗 こう がん剤 ざい の量 りょう を増 ふ やすほど再発 さいはつ の可能 かのう 性 せい は低 ひく くなるが治療 ちりょう 関連 かんれん 死 し は増 ふ える。-出典 しゅってん 、豊嶋 とよしま 崇 たかし 徳 とく 編 へん 『造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう 移植 いしょく 』医薬 いやく ジャーナル社 しゃ 、2009年 ねん 、pp.60-63
^ 。造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう 移植 いしょく には同種 どうしゅ (家族 かぞく を含 ふく めた他人 たにん )からの移植 いしょく と自家 じか (自分 じぶん の造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう )移植 いしょく がある。ソースの違 ちが いを含 ふく めて同種 どうしゅ 骨髄 こつづい 移植 いしょく 、同種 どうしゅ 末梢 まっしょう 血幹 けっかん 細胞 さいぼう 移植 いしょく 、同種 どうしゅ 臍帯 さいたい 血 ち 移植 いしょく 、自家 じか 骨髄 こつづい 移植 いしょく 、自家 じか 末梢 まっしょう 血幹 けっかん 細胞 さいぼう 移植 いしょく の5つに細分 さいぶん される。(自家 じか 臍帯 さいたい 血 ち 移植 いしょく はほとんどない)- 国立 こくりつ がん研究 けんきゅう センター・造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう 移植 いしょく の種類 しゅるい 。自家 じか 移植 いしょく では移植 いしょく 片 へん 対 たい 宿主 しゅくしゅ 病 びょう (GVHD) が無 な いメリットはあるが、移植 いしょく 片 へん に白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう が混 ま じっている可能 かのう 性 せい が高 たか く、移植 いしょく 片 へん 対 たい 白血病 はっけつびょう 効果 こうか (GVL効果 こうか )も無 な い為 ため に再発 さいはつ 率 りつ が高 たか く、白血病 はっけつびょう の治療 ちりょう としては自家 じか 移植 いしょく は少 すく ない。AML-M3 以外 いがい の白血病 はっけつびょう の移植 いしょく ではほとんどは同種 どうしゅ 移植 いしょく である国立 こくりつ がん研究 けんきゅう センター・造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう 移植 いしょく の種類 しゅるい 。国立 こくりつ がん研究 けんきゅう センターでもAML-M3以外 いがい の白血病 はっけつびょう では自家 じか 移植 いしょく は推奨 すいしょう していない-国立 こくりつ がん研究 けんきゅう センター・移植 いしょく 適応 てきおう の考 かんが え方 かた ただし、AML-M3(急性 きゅうせい 前 ぜん 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう )では事前 じぜん に白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう の陰性 いんせい を確認 かくにん できるため AML-M3 では自家 じか 移植 いしょく も行 おこな われる日本 にっぽん 造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう 移植 いしょく 学会 がっかい ・造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう 移植 いしょく ガイドライン急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう 。またAML-M3以外 いがい の白血病 はっけつびょう でもドナーが見 み つからないなどの場合 ばあい に自家 じか 移植 いしょく が行 おこな われることはある山根 やまね 孝久 たかひさ 「急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう に対 たい する自家 じか 末梢 まっしょう 血幹 けっかん 細胞 さいぼう 移植 いしょく 」大阪市立大学 おおさかいちりつだいがく 医学部 いがくぶ
^ 欧米 おうべい ではダウノルビシン 45-60mg/m2 3日間 にちかん とシタラビン 100-200mg/m2 7日間 にちかん が基本 きほん である。日本 にっぽん では基本 きほん は同 おな じでも頻 しき 回 かい の骨髄 こつづい 検査 けんさ の結果 けっか で薬剤 やくざい の加減 かげん をしながら様子 ようす を見 み る。さまざまなレジメン(投薬 とうやく する薬 くすり の種類 しゅるい ・量 りょう ・期間 きかん ・タイミングの計画 けいかく )が試 ため され2012年 ねん 現在 げんざい ではイダルノビシン 12mg/m2 3日間 にちかん またはダウノルビシン 50mg/m2 5日間 にちかん とシタラビン 100mg/m2 7日間 にちかん が基本 きほん になっている。-出典 しゅってん 宮脇 みやわき 修一 しゅういち 「急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう に対 たい する化学 かがく 療法 りょうほう の現在 げんざい の到達 とうたつ 点 てん 」『臨床 りんしょう 血液 けつえき 』Vol,53 No.1、日本 にっぽん 血液 けつえき 学会 がっかい 、2012年 ねん 、pp.39-50および直江 なおえ 知樹 ともき 編 へん 『現場 げんば で役立 やくだ つ血液 けつえき 腫瘍 しゅよう 治療 ちりょう プロトコール集 しゅう 』医薬 いやく ジャーナル社 しゃ 、2011年 ねん 、pp.9-19
^ 欧米 おうべい ではシタラビンの大量 たいりょう 療法 りょうほう が広 ひろ く一般 いっぱん 的 てき 行 おこな われている-出典 しゅってん 宮脇 みやわき 修一 しゅういち 「急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう に対 たい する化学 かがく 療法 りょうほう の現在 げんざい の到達 とうたつ 点 てん 」『臨床 りんしょう 血液 けつえき 』Vol,53 No.1、日本 にっぽん 血液 けつえき 学会 がっかい 、2012年 ねん 、pp.39-50および直江 なおえ 知樹 ともき 編 へん 『現場 げんば で役立 やくだ つ血液 けつえき 腫瘍 しゅよう 治療 ちりょう プロトコール集 しゅう 』医薬 いやく ジャーナル社 しゃ 、2011年 ねん 、pp.9-19
^ 急性 きゅうせい 前 ぜん 骨髄 こつづい 球 だま 性 せい 白血病 はっけつびょう (AML-M3) のオールトランスレチノイン酸 さん 治療 ちりょう 中 ちゅう にはレチノイン酸 さん 症候群 しょうこうぐん と呼 よ ばれる急激 きゅうげき な白血球 はっけっきゅう 増加 ぞうか とARDS の呼吸 こきゅう 不全 ふぜん が生 しょう じることがあり、また ATRA単 たん 剤 ざい では耐 たい 性 せい を持 も ちやすい。それらの予防 よぼう としてアントラサイクリン系 けい 抗 こう がん剤 ざい を併用 へいよう する。不幸 ふこう にもレチノイン酸 さん 症候群 しょうこうぐん が発症 はっしょう してしまった場合 ばあい は副腎 ふくじん 皮質 ひしつ ホルモン を投与 とうよ する。-阿部 あべ 達生 たつお 編集 へんしゅう 『造血 ぞうけつ 器 き 腫瘍 しゅよう アトラス』改訂 かいてい 第 だい 4版 はん 、日本 にっぽん 医事 いじ 新報 しんぽう 社 しゃ 、2009年 ねん 、p.465- なお、ATRA治療 ちりょう 中 ちゅう は、絶対 ぜったい にトラネキサム酸 さん を投与 とうよ してはいけない金沢大学 かなざわだいがく 血液 けつえき 内科 ないか ・急性 きゅうせい 前 ぜん 骨髄 こつづい 球 だま 性 せい 白血病 はっけつびょう (APL) とDIC:ATRA、アネキシンII 。また、ATRA単 たん 剤 ざい では白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう 数 すう が多 おお い症例 しょうれい では寛解 かんかい を得 え にくいが、抗 こう がん剤 ざい を併用 へいよう して細胞 さいぼう 数 すう を減 へ らしながら ATRA を使用 しよう すると高 たか い完全 かんぜん 寛解 かんかい 率 りつ を得 え ることができる。-大野 おおの 竜三 りゅうぞう 「急性 きゅうせい 前 ぜん 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう 」『血液 けつえき フロンティア』Vol.13 No.10、医薬 いやく ジャーナル社 しゃ 、2003年 ねん
^ 。G-CSF の投与 とうよ は ALL では推奨 すいしょう されるが、AML ではケースバイケースであり、寛解 かんかい 状態 じょうたい での感染 かんせん 症 しょう のときに使 つか われることがある。-出典 しゅってん 、日本 にっぽん 血液 けつえき 学会 がっかい 編集 へんしゅう 『血液 けつえき 専門医 せんもんい テキスト』南江堂 なんこうどう 、2011年 ねん 、p.248,439
^ CDとは細胞 さいぼう の表面 ひょうめん に発現 はつげん している抗原 こうげん で多数 たすう の種類 しゅるい があり、細胞 さいぼう の種類 しゅるい によって発現 はつげん している抗原 こうげん は様々 さまざま であり、抗原 こうげん にはCD番号 ばんごう を振 ふ られている。CD34抗原 こうげん が発現 はつげん し CD38抗原 こうげん は発現 はつげん していないのが CD34+CD38-細胞 さいぼう であり、正常 せいじょう な造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう や極 きわ めて若 わか い造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう も CD34+CD38-細胞 さいぼう であるが、細胞 さいぼう の分化 ぶんか が進 すす むと表面 ひょうめん 抗原 こうげん は様々 さまざま に変化 へんか していき CD34+CD38- の発現 はつげん 型 がた は失 うしな われる。-阿部 あべ 達生 たつお 編集 へんしゅう 『造血 ぞうけつ 器 き 腫瘍 しゅよう アトラス』改訂 かいてい 第 だい 4版 はん 、日本 にっぽん 医事 いじ 新報 しんぽう 社 しゃ 、2009年 ねん 、p.17-42- AML細胞 さいぼう の大 だい 部分 ぶぶん はCD34+CD38+細胞 さいぼう であり継続 けいぞく 的 てき に白血病 はっけつびょう を維持 いじ することはできない。白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう が含 ふく まれる CD34+CD38-細胞 さいぼう は骨髄 こつづい の有 ゆう 核 かく 細胞 さいぼう の中 なか で0.2-1.0%しかなく、白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう はさらにその一部 いちぶ である。-松村 まつむら 到 いた 、金 きむ 倉 くら 譲 ゆずる 「急性 きゅうせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう (AML)における白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう 」『癌 がん 幹 みき 細胞 さいぼう -癌 がん 研究 けんきゅう のパラダイムシフト』医歯薬出版 いしやくしゅっぱん 、2009年 ねん 、p.5-11
^ CD34+CD38-白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう であっても、長期 ちょうき 的 てき に白血病 はっけつびょう 状態 じょうたい を維持 いじ できるものと、短期 たんき 的 てき にしか白血病 はっけつびょう 状態 じょうたい を維持 いじ できないものがある。CD34+CD38-白血病 はっけつびょう 細胞 さいぼう にも階層 かいそう 化 か があると考 かんが えられている。この点 てん は人 ひと の正常 せいじょう な幹 みき 細胞 さいぼう でも同 おな じで、一生 いっしょう に渡 わた って造血 ぞうけつ を維持 いじ できる造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう は CD34+CD38-分 ぶん 画 が にあるが、同 おな じ CD34+CD38-分 ぶん 画 が には有限 ゆうげん の造血 ぞうけつ 能力 のうりょく しかない造血 ぞうけつ 細胞 さいぼう もある。-阿部 あべ 達生 たつお 編集 へんしゅう 『造血 ぞうけつ 器 き 腫瘍 しゅよう アトラス』改訂 かいてい 第 だい 4版 はん 、日本 にっぽん 医事 いじ 新報 しんぽう 社 しゃ 、2009年 ねん 、pp.17-42
^ マウスの造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう に BCR-ABL融合 ゆうごう 遺伝子 いでんし のみ導入 どうにゅう するとマウスは CML を発症 はっしょう するが、分化 ぶんか がある程度 ていど 進 すす んだマウスの造血 ぞうけつ 前駆 ぜんく 細胞 さいぼう に BCR-ABL融合 ゆうごう 遺伝子 いでんし のみを導入 どうにゅう してもマウスは CML は発症 はっしょう しない。しかしマウスの造血 ぞうけつ 前駆 ぜんく 細胞 さいぼう に BCR-ABL融合 ゆうごう 遺伝子 いでんし に加 くわ えて Hes1遺伝子 いでんし を同時 どうじ に導入 どうにゅう すると CML の急性 きゅうせい 期 き と同 おな じ状態 じょうたい になる。つまりCMLの特徴 とくちょう を残 のこ しながら急性 きゅうせい 白血病 はっけつびょう の状態 じょうたい になる。この場合 ばあい 、BCR-ABL融合 ゆうごう 遺伝子 いでんし がクラスI変異 へんい 、Hes1遺伝子 いでんし がクラスII変異 へんい に相当 そうとう し、さらにHes1遺伝子 いでんし が細胞 さいぼう の未 み 分化 ぶんか 性 せい を付与 ふよ するものと考 かんが えられる。-中原 なかはら 史雄 ふみお 「慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう の急性 きゅうせい 転化 てんか におけるHes1の関与 かんよ 」『臨床 りんしょう 血液 けつえき 』Vol.52 No.6、日本 にっぽん 血液 けつえき 学会 がっかい 、2011年 ねん 、pp.329-336
^ ただし、白球 はっきゅう 病 びょう 細胞 さいぼう を生 う み出 だ す大元 おおもと である白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう はゆっくりではあるが自律 じりつ 的 てき に細胞 さいぼう 分裂 ぶんれつ を起 お こすので、コントロール下 か にあり大半 たいはん が細胞 さいぼう の休眠 きゅうみん 期 き (G0期 き )にある正常 せいじょう な造血 ぞうけつ 幹 みき 細胞 さいぼう に比 くら べると細胞 さいぼう 周期 しゅうき に入 はい っている細胞 さいぼう は多 おお いと考 かんが えられている。ただし、白血病 はっけつびょう 幹 みき 細胞 さいぼう にも休眠 きゅうみん 期 き (G0期 き )に入 はい っているものは多 おお い。-浅野 あさの 茂 しげる 隆 たかし 、池田 いけだ 康夫 やすお 、内山 うちやま 卓 たく 監修 かんしゅう 『三 さん 輪 りん 血液 けつえき 病 びょう 学 がく 』文光 ぶんこう 堂 どう 、2006年 ねん 、p.1374
^ 15-19歳 さい は小児科 しょうにか ではなく内科 ないか に掛 か かることもある。-直江 なおえ 知樹 ともき 、他 た 編 へん 『血液 けつえき 疾患 しっかん 最新 さいしん の治療 ちりょう . 2011-2013』南江堂 なんこうどう 、2010年 ねん 、p.149
^ 胸部 きょうぶ レントゲン撮影 さつえい で被曝 ひばく 量 りょう は0.3mGy、胸部 きょうぶ CT検査 けんさ の被曝 ひばく 量 りょう は10mGyなので-出典 しゅってん 、高槻 たかつき 病院 びょういん ・放射線 ほうしゃせん 科 か 0.5Gyという被曝 ひばく 量 りょう は胸部 きょうぶ レントゲン撮影 さつえい の千 せん 倍 ばい 以上 いじょう 、胸部 きょうぶ CT検査 けんさ の50回分 かいぶん を一 いち 度 ど に受 う けたのと同等 どうとう 程度 ていど になる。
^ 慢性 まんせい 骨髄 こつづい 性 せい 白血病 はっけつびょう の通常 つうじょう の発症 はっしょう 率 りつ は年間 ねんかん 10万 まん 人 にん あたり1-1.5人 にん 程度 ていど である。前述 ぜんじゅつ
^ この白血病 はっけつびょう の過剰 かじょう 発生 はっせい 数 すう は1950年 ねん 以前 いぜん の数字 すうじ は入 はい っていないが、広島 ひろしま の臨床 りんしょう 医 い らによって被爆 ひばく 約 やく 2年 ねん 後 ご から白血病 はっけつびょう は増 ふ え始 はじ めていたと報告 ほうこく されている。放射線 ほうしゃせん 影響 えいきょう 研究所 けんきゅうじょ ・原爆 げんばく 被爆 ひばく 者 しゃ における白血病 はっけつびょう リスク 2011.8.9閲覧 えつらん
^ 被曝 ひばく 量 りょう を表 あらわ す単位 たんい はGy(グレイ)のほかSv(シーベルト)が用 もち いられる。SvはX線 せん 、γ線 がんません についてはGyと同 おな じである。Sv=補正 ほせい 係数 けいすう ×Gyとなる。補正 ほせい 係数 けいすう はX線 せん 、ガンマ線 がんません 、ベ べ ータ線 たせん は 1、陽子 ようし 線 せん は 5、アルファ線 あるふぁせん は 20、中性子 ちゅうせいし 線 せん はエネルギーにより 5 から 20 までの値 ね をとる。原爆 げんばく の直接 ちょくせつ 被爆 ひばく では中性子 ちゅうせいし 線 せん も浴 あ びるので0.1Gyの被曝 ひばく の影響 えいきょう は0.1Sv=100mSv(ミリシーベルト)よりは大 おお きくなる。胸部 きょうぶ CT検査 けんさ はX線 せん の検査 けんさ なので胸部 きょうぶ CT検査 けんさ 1回 かい での放射線 ほうしゃせん 被曝 ひばく 量 りょう は10mGy=10mSvになる。-浅野 あさの 茂 しげる 隆 たかし 、池田 いけだ 康夫 やすお 、内山 うちやま 卓 たく 監修 かんしゅう 『三 さん 輪 りん 血液 けつえき 病 びょう 学 がく 』文光 ぶんこう 堂 どう 、2006年 ねん 、p.1869
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^ チェルノブイリ地域 ちいき で子供 こども に甲状腺 こうじょうせん がんが増加 ぞうか したのは放射 ほうしゃ 性 せい ヨウ素 もと が付着 ふちゃく した牧草 ぼくそう を食 た べた牛 うし が出 だ した牛乳 ぎゅうにゅう を飲 の み、放射 ほうしゃ 性 せい ヨウ素 もと が甲状腺 こうじょうせん に蓄積 ちくせき したためである。放射 ほうしゃ 性 せい ヨウ素 もと の半減 はんげん 期 き は8日 にち なので1987年 ねん 以降 いこう の牛乳 ぎゅうにゅう には放射 ほうしゃ 性 せい ヨウ素 もと は含 ふく まれていない。
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関連 かんれん 項目 こうもく
外部 がいぶ リンク