ウド

ウド
シーボルト『日本にっぽん植物しょくぶつ誌し』に掲載けいさいのウド
分類ぶんるい（APG III）
界さかい : 植物しょくぶつ界かい Plantae 階級かいきゅうなし : 被子植物ひししょくぶつ angiosperms 階級かいきゅうなし : 真正しんしょう双そう子葉しよう類るい eudicots 階級かいきゅうなし : コア真正しんせい双そう子葉しよう類るい core eudicots 階級かいきゅうなし : キク類るい asterids 階級かいきゅうなし : キキョウ類るい campanulids 目め : セリ目め Apiales 科か : ウコギ科か Araliaceae 属ぞく : タラノキ属ぞく Aralia 種たね : ウド A. cordata
学名がくめい
Aralia cordata Thunb. (1784)
シノニム
A. taiwaniana Y.C.Liu et F.Y.Lu (1976) A. cordata Thunb. f. biternata Nakai (1953)
和名わみょう
ウド
英名えいめい
oudo, spikenard, udo

ウド（独活うど、学名がくめい: Aralia cordata）は、ウコギ科かタラノキ属ぞくの大型おおがたの多年草たねんそう。山野さんやに自生じせいするほか、栽培さいばいも行おこなわれている。生長せいちょうすると茎くきが太ふとく大おおきくなり、若わかい葉はや茎くきは香かおりが強つよく山菜さんさいや野菜やさいとして好このまれる。季語きごは晩春ばんしゅん。

名称めいしょう

和名わみょうウドの語源ごげんについては、古ふるい書物しょもつに、葉はが生育せいいくすると中空ちゅうくうになることから宇登呂ウトロ（うどろ）とよばれ、それが略りゃくされてウドとなったという説せつがある。漢字かんじでは「独活うど」と書かくが、この由来ゆらいについてはよくわかっていない。英語えいごでも、日本語にほんご読よみをそのままにした udo（ウド）でよばれている。中国ちゅうごく植物しょくぶつ名めいは土ど当とう帰き（どとうき）という。

和名わみょうは、ヤマウド、ケウド、ホンウド、ツチタラの別名べつめいでもよばれる場合ばあいがある。食用しょくようの観点かんてんで、野生やせい種しゅをヤマウド（山さんうど）と呼よんで栽培さいばい種しゅと区別くべつすることもあるが、同おなじ植物しょくぶつである。軟白栽培さいばいされたものは「白しろウド」「軟白ウド」ともよばれている。野性やせいではなくても、栽培さいばい品ひんで路地ろじで日ひに当あてて緑化りょくかした「緑化りょくかウド」が、「山やまウド」の名なで流通りゅうつうしていることも多おおい。

分布ぶんぷ・栽培さいばい地ち

日本にっぽん原産げんさん。北海道ほっかいどうから本州ほんしゅう、四国しこく、九州きゅうしゅうまでのほか、日本にっぽん国外こくがいでは朝鮮半島ちょうせんはんとう、中国ちゅうごく、千島ちしま、樺太からふとに分布ぶんぷする。山野やまのの林はやし縁ゆかり、野原のはら、谷間たにま、川岸かわぎしなど日ひ当あたりのよい場所ばしょか半日はんにち陰かげの傾斜けいしゃ地ちなどに自生じせいし、しばしば群生ぐんせいしている。ときに、標高ひょうこう2000メートルあたりの雪渓せっけい付近ふきんにも生はえる。野生やせいするほか、野菜やさいとして畑はたけに植うえられたり、室しつ（むろ）で軟化なんか栽培さいばいもされている。

形態けいたい・生態せいたい

大型おおがたの多年草たねんそうで丈たけが高たかく、高たかさ約やく1 - 1.5メートル (m) に生長せいちょうし、大おおきなもので2 mほどになる。地上ちじょう部ぶは全体ぜんたいに粗あらい毛けが生はえていて、特有とくゆうのよい香かおりがある。

茎くきは中空ちゅうくうの円柱えんちゅう形がたで太ふとさ4 - 5センチメートル (cm) になり、芽生めばえのときから緑色みどりいろをしており、全体ぜんたいにざらざらした毛けが生はえる。生長せいちょうすると大おおまかに分ぶん枝えだする。

葉はは長ながめの葉柄ようへいがついて茎くきの節ふしごとに互生ごせいし、2回かい羽はね状じょう複葉ふくようで三角形さんかっけいをしており、全体ぜんたいの長ながさは1 mにも達たっする。小しょう葉はは卵たまご形がたで細こまかい毛けがあり、葉は縁えんにぎざぎざがある。

花期かきは晩夏ばんかから初秋しょしゅうごろ（8 - 9月がつ）。茎くきの上部じょうぶに球状きゅうじょうの大おおきな散ち形かたち花序かじょを多数たすうつけ、柄えがある径みち3ミリメートル (mm) ほどの白色はくしょくもしくは薄うす緑色みどりいろの小ちいさな花はなを多数たすう咲さかせる。花弁はなびらは5枚まいつき、上部じょうぶは両性りょうせい花はな、下部かぶは雄花おばなとなる。雄おしべが5本ほん、下位かい子房しぼうに5本ほんの花はな柱ばしらがある。

果実かじつは、秋あきに直径ちょっけい3 mmほどの球状きゅうじょうの液えき果はてが実みのり、熟じゅくすと黒くろ紫色むらさきいろになる。一果いちか中ちゅうに3 - 5個このゴマ状じょうの種子しゅしをもつ。種子しゅしは鳥とりによって運はこばれ、意外いがいな場所ばしょに実生みしょうがでることもある。

冬ふゆには地上ちじょう部ぶが枯かれて、大おおきな株かぶだった姿すがたは見みえなくなる。

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  生長せいちょうしたウド
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  ウドの花穂かすい

栽培さいばい

野菜やさいとして出荷しゅっかされているウドは、東京とうきょう都とが全国ぜんこく最大さいだいの生産せいさん地ちで、東京とうきょう産さんウドは地下ちかの室しつ（むろ）に株かぶを入いれてモヤシのように軟白栽培さいばいしたものである。日本にっぽんにおけるウドの軟化なんか栽培さいばいは、江戸えど時代じだいには始はじめられていたとされる。全国ぜんこく的てきな栽培さいばいウドの産地さんちは、栃木とちぎ県けん、茨城いばらき県けん、東京とうきょう都とが多おおく、なかでも特産とくさん野菜やさいとして栽培さいばいされている白しろウドは、東京とうきょう都と三鷹みたか市し、立川たつかわ市しなどの産地さんちが有名ゆうめいで、立川たつかわ市しを中心ちゅうしんとした東京とうきょう都と多摩たま地域ちいきの特産とくさん品ひん（東京とうきょううど）や大阪おおさか府ふ茨木いばらぎ市し太田おおたおよび千せん堤つつみ寺てら地区ちく特産とくさんの「三島みしまうど」などがある。ウドが持もつ香かおりや風味ふうみは、栽培さいばい物ぶつよりも自生じせいする天然てんねん物ぶつのほうが優すぐれている。

利用りよう

うど　茎くき　生せい

100 gあたりの栄養えいよう価か
エネルギー	75 kJ (18 kcal)
炭水化物たんすいかぶつ	4.3 g
食物しょくもつ繊維せんい	1.4 g
脂肪しぼう	0.1 g
タンパク質たんぱくしつ	0.8 g
ビタミン
チアミン (B1)	(2%) 0.02 mg
リボフラビン (B2)	(1%) 0.01 mg
ナイアシン (B3)	(3%) 0.5 mg
パントテン酸さん (B5)	(2%) 0.12 mg
ビタミンB6	(3%) 0.04 mg
葉酸ようさん (B9)	(5%) 19 µg
ビタミンC	(5%) 4 mg
ビタミンE	(1%) 0.2 mg
ビタミンK	(2%) 2 µg
ミネラル
カリウム	(5%) 220 mg
カルシウム	(1%) 7 mg
マグネシウム	(3%) 9 mg
リン	(4%) 25 mg
鉄分てつぶん	(2%) 0.2 mg
亜鉛あえん	(1%) 0.1 mg
銅どう	(3%) 0.05 mg
他たの成分せいぶん
水分すいぶん	94.4 g
水溶すいよう性せい食物しょくもつ繊維せんい	0.3 g
不溶性ふようせい食物しょくもつ繊維せんい	1.1 g
ビオチン（B7）	0.5 µg
ビタミンEはαあるふぁ─トコフェロールのみを示しめした。軟白栽培さいばい品ひん。廃棄はいき部位ぶい： 株かぶ元もと、葉は及および表皮ひょうひ
単位たんい µg = マイクログラム (英語えいご版ばん) • mg = ミリグラム IU = 国際こくさい単位たんい
%はアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける 成人せいじん栄養えいよう摂取せっしゅ目標もくひょう (RDI) の割合わりあい。

日本にっぽんでは平安へいあん時代じだいから食たべられており、春はる・初夏しょか（ゴールデンウィーク頃ころ）に、山野さんやで芽吹めぶいた小ちいさな苗なえは山菜さんさいとして利用りようできる。また野生やせい種しゅよりも白しろくて香かおりやクセが穏おだやかな軟化なんかウドは、日光にっこうに当あてずに栽培さいばいされたもので、同様どうように栽培さいばいされたものでも出荷しゅっか前まえに日ひに当あてた緑化りょくかウドもある。料理りょうりの分野ぶんやでは前者ぜんしゃの野生やせい種しゅを山やまウド、後者こうしゃの軟白栽培さいばい品ひんを白しろウドと呼よび区別くべつすることが多おおい。山やまウドとよばれるものには、畑はたけで栽培さいばいして芽めを出ださせたものも出荷しゅっかされている。根茎こんけいや根ねは薬用やくように使つかわれる。

食用しょくよう

ウドは山菜さんさいとして有名ゆうめいで、若葉わかば、つぼみ、芽めおよび茎くきの部分ぶぶんが食用しょくようになり、シャキシャキした歯はごたえがあり、独特どくとくの香かおりと爽さわやかな苦味にがみが特徴とくちょうである。山やまウドの採取さいしゅ時期じきは、全体ぜんたいに白しろい粗毛ほぼけが生はえて葉はがようやく開ひらき始はじめた若芽わかめのころが良よく、生はえている場所ばしょによっても異ことなるが採取さいしゅ時期じきは暖地だんちが4月がつ、寒冷かんれい地ちでは5 - 6月がつごろになる。おおむね6月がつ以降いこうは粗大そだい化かして食用しょくようには向むかなくなる。地中ちちゅうにある白しろい皮かわの部分ぶぶんからナイフで切きり取とって採取さいしゅするが、数すう本ほんまとまって生ばえているところでは、翌年よくねん生はえるために2 - 3本ほん残のこしておく。若芽わかめや茎くきは採取さいしゅ期間きかんが短みじかいが、若葉わかばはある程度ていど長期間ちょうきかんに渡わたって採取さいしゅすることができる。

栽培さいばい品ひんの主おもな旬しゅんは3月がつ - 4月がつで、山やまウドは茎くきが短みじかくて香かおりが強つよいもの、軟化なんかウド（白しろウド）は穂先ほさきがピンとして茎くきが太ふとく、産毛うぶげが白しろい茎くきを覆おおっているようなものが、市場いちば価値かちの高たかい良品りょうひんとされる。スーパーや八百屋やおやなどで見みられる白しろいものは、日ひの当あたらない地下ちかの室しつ（むろ）で株かぶに土どを盛もり暗闇くらやみの中なかで栽培さいばいした軟白栽培さいばいによるもので、モヤシのように茎くきを白しろく伸のばして出荷しゅっかする。一般いっぱん流通りゅうつう品ひんに「山やまウド」の名なで出回でまわっているものは栽培さいばい品ひんの緑化りょくかウドがほとんどで、山やま採とりのものはあまりない。山中さんちゅうに生はえるものは、色白いろじろの栽培さいばいウドに比くらべて香気こうきが強つよく、太ふとく立派りっぱだが、平地ひらちの林はやし等とうに生はえるものは生長せいちょうしても細ほそい事ことが多おおい。

山やまウドはややアクが強つよく、山菜さんさいとして葉はや先端せんたんを天てんぷらなどにする他ほか、酢味噌すみそ和あえ、三杯酢さんばいず、茹ゆでてからぬた、味噌汁みそしるの実み、煮物にものとする。採とりたてを生食なましょくするには、洗あらって皮かわを厚あつく剥むいてすぐに酢す水すいにさらし、味噌みそなどをつけて食たべると野趣やしゅ豊ゆたかな風味ふうみを楽たのしめる。若わかい葉はも天てんぷらにして食しょくされる。白しろウドは、日本にっぽん料理りょうりの和あえ物もの、吸すい物もの、酢す水みずでアク抜ぬきをして煮浸にびたしやサラダ、酢すの物もの、飾かざり切ぎりにして刺身さしみのつま、料理りょうりのあしらいなどにしてよく食たべられる。また、白しろウドは皮かわも柔やわらかく、短冊たんざく切ぎりにしてキンピラにすると美味おいしいため、捨すてるところがほとんどない。夏なつに咲さく花はな蕾つぼみも、天てんぷらにして食たべられる。

収穫しゅうかく後ごは時間じかんがたつとかたくなってえぐみが出でてくるので、早はやめに使つかいきる。一般いっぱん的てきに、茎くきの硬かたい皮かわを厚あつめに削そぎ取とって使つかうが、新鮮しんせんでやわらかい白しろウドならば、皮かわごと使つかうこともできる。皮かわごと調理ちょうりする場合ばあいは、表面ひょうめんの産毛うぶげがあると、かたく感かんじて口当くちあたりが悪わるくなるので、産毛うぶげをこそげ取とるようにして使つかわれる。灰汁あくは（アク）は、水みずまたは酢す水すいにつけて灰汁あく抜ぬきしてから生食なましょくに用もちいたり、炒いため物ぶつや煮物にものに使つかう。

栄養えいよう面めんでは、可か食しょく部ぶ100グラム (g) あたりの熱量ねつりょうは18キロカロリー (lkcal) で、約やく94%の水分すいぶんと、約やく4%の炭水化物たんすいかぶつ、微量びりょう栄養素えいようそにはビタミンC、カリウム、カルシウム、食物しょくもつ繊維せんいなどが含ふくまれているが、いすれも含有がんゆう量りょうは少すくなく、特とくに目立めだつような栄養素えいようそは見みられない。ウドに含ふくまれる有効ゆうこう成分せいぶんは皮かわの近ちかくに多おおい。ただし、食物しょくもつアレルギーがあるので、食たべる際さい注意ちゅういが必要ひつよう。

山やまで採とってきたウドは塩漬しおづけや味噌みそ浸つけにして保存ほぞんできるが、水みずをかけて栽培さいばいしたものは塩漬しおづけにすると痩やせてしまう。茹ゆでたものを乾燥かんそうしても保存ほぞんできる。

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  山菜さんさいとして食たべごろになったウドの若芽わかめ
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  東京とうきょううど

薬用やくよう

中国ちゅうごくでは強精剤きょうせいざいに使つかわれるなど、漢方かんぽうや薬くすり膳ぜんでは珍重ちんちょうされている。ウドは灰汁あくが強つよいことで知しられるが、灰汁あくの成分せいぶんはポリフェノール化合かごう物ぶつであり、これには抗こう酸化さんか物質ぶっしつのクロロゲン酸さんやフラボノイドが含ふくまれ、ジテルペンアルデヒドなどの精油せいゆ、アミノ酸あみのさん、タンニンなどを含ふくんでいる。精油せいゆは一般いっぱんに中枢ちゅうすう神経しんけいを刺激しげきする作用さようがあり、内服ないふくすれば発汗はっかんや血液けつえき循環じゅんかんを促進そくしんして、便通べんつうもよくする働はたらきがある。タンニンには収斂しゅうれん作用さようがある。ウドがもつ香かおり成分せいぶんには、自律じりつ神経しんけいを調整ちょうせいして、気分きぶんを安定あんていさせる作用さようがあるともいわれている。

通例つうれい根茎こんけいを生薬きぐすりにしたものを独活うど（どくかつ・どっかつ）、もしくは和かず独活うど（わどっかつ）、あるいは土ど当とう帰き（どとうき）と称しょうし、独活うど葛根かずらね湯ゆなどの各種かくしゅ漢方かんぽう処方しょほうに配剤はいざいされるほか、根ねも和わ羌活として薬用やくようにされる。生薬きぐすりにするときは、秋あきの10 - 11月ころに根茎こんけいや根ねを掘ほり取どって陰干かげぼしとし、半なかば乾かわいたところを湯ゆにつけて土砂どしゃと細ほそ根ねを取とり除のぞいて、厚あつさ0.5 - 1センチメートル (cm) の輪切わぎりにしてから、さらに陰干かげぼしか天てん日干ひぼしして調製ちょうせいする。

民間みんかん療法りょうほうでは、風邪かぜの初期しょき症状しょうじょう、神経痛しんけいつう、リウマチ、頭痛ずつうなどに、和かず独活うどを1日にち量りょう3 - 10グラムを水みず400 - 600 ccでとろ火びで半量はんりょうになるまで煮詰につめた煎せんじ液えき（水性すいせいエキス）を、食間しょっかん3回かいに分わけて服用ふくようすると、体からだを温あたためるとともに痛いたみを和やわらげて顔かおのむくみ、解熱げねつ、発汗はっかんに効用こうようがあるとされる。茎葉けいようを使つかう場合ばあいは、9 - 10月の花はなが咲さいている時期じきに、地上ちじょう部ぶを刈かり取とって長ながさ5 cmに切きり刻きざんで陰干かげぼしにしたものを使つかい、布袋ほていに入いれて浴よく湯ゆ料りょうにして風呂ふろに入いれると、肩かたこり、腰痛ようつう、冷ひえ症しょうなどの鎮痛ちんつう、補ほ温ぬるに役立やくだつといわれている。

また、アイヌ民族みんぞくはウドを「チマ・キナ」（かさぶたの草くさ）と呼よび、根ねをすり潰つぶしたものを打うち身みの湿布しっぷ薬やくに用もちいていた。アイヌにとってウドはあくまでも薬草やくそうであり、茎くきや葉はが食用しょくようになることは知しられていなかった。

セリ科かのシシウドの根ねは唐から独活うど（中国ちゅうごく産さんの独活うど）と呼よばれ、日本にっぽん薬局方やっきょくほう外がい生薬きぐすり規格きかく2018に収載しゅうさいされている。漢方かんぽうで使つかう独活うどは、腰痛ようつうに効きくセリ科かのシシウドの根ねの部分ぶぶんで、昔むかしは独活うどの代だい用品ようひんとしてウドが使つかわれた。

ウドの名前なまえをもつ他ほかの植物しょくぶつ

• ハマウド（オニウドとも呼よばれる）、シシウド、ハナウド、オオハナウド - これらはセリ科かに属ぞくする
• ウドノキ - オシロイバナ科かウドノキ属きぞく
• マツバウド - アスパラガスの別称べっしょう。ユリ科か（APG分類ぶんるい：キジカクシ科か）に属ぞくする。

慣用かんよう句く

ウドの大木たいぼく

諺ことわざ（ことわざ）。前述ぜんじゅつの通とおり、ウドは1.5メートル前後ぜんこうの大おおきさに育そだつが、茎くきが太ふとく育そだった頃ころには食用しょくようにもならず、また茎くきが柔やわらかすぎて木材もくざいにも適てきさないということから、転てんじて「図体ずうたいはでかいが中身なかみが伴ともなわず、役やくにたないもの」のたとえ。ただし、前述ぜんじゅつしたようにウドは樹木じゅもくではなく、草本そうほんの一種いっしゅである。

参考さんこう文献ぶんけん

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• 大嶋おおしま敏昭としあき監修かんしゅう『花色はないろでひける山野さんや草そう・高山たかやま植物しょくぶつ』成美せいび堂どう出版しゅっぱん〈ポケット図鑑ずかん〉、2002年ねん5月がつ20日はつか、77頁ぺーじ。ISBN 4-415-01906-4。 
• 貝津かいづ好孝よしたか『日本にっぽんの薬草やくそう』小学館しょうがくかん〈小学館しょうがくかんのフィールド・ガイドシリーズ〉、1995年ねん7月がつ20日はつか、152頁ぺーじ。ISBN 4-09-208016-6。 
• 金田かねだ初代はつよ、金田かねだ洋一郎よういちろう（写真しゃしん）『ひと目めでわかる! おいしい「山菜さんさい・野草やそう」の見分みわけ方かた・食たべ方かた』PHP研究所けんきゅうじょ、2010年ねん9月がつ24日にち、70 - 71頁ぺーじ。ISBN 978-4-569-79145-6。 
• 講談社こうだんしゃ編へん『からだにやさしい旬しゅんの食材しょくざい 野菜やさいの本ほん』講談社こうだんしゃ、2013年ねん5月がつ13日にち、40頁ぺーじ。ISBN 978-4-06-218342-0。 
• 主婦しゅふの友社ともしゃ編へん『野菜やさいまるごと大図おおず鑑あきら』主婦しゅふの友社ともしゃ、2011年ねん2月がつ20日はつか、139頁ぺーじ。ISBN 978-4-07-273608-1。 
• 高野たかの昭人あきと監修かんしゅう 世界文化社せかいぶんかしゃ編へん『おいしく食たべる 山菜さんさい・野草やそう』世界文化社せかいぶんかしゃ〈別冊べっさつ家庭かてい画が報ほう〉、2006年ねん4月がつ20日はつか、62 - 63頁ぺーじ。ISBN 4-418-06111-8。 
• 高橋たかはし秀男ひでお監修かんしゅう 学習がくしゅう研究けんきゅう社しゃ編へん『日本にっぽんの山菜さんさい』 vol.13、学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ〈フィールドベスト図鑑ずかん〉、2003年ねん4月がつ1日にち、108 - 109頁ぺーじ。ISBN 4-05-401881-5。 
• 田中たなか孝治こうじ『効ききめと使つかい方かたがひと目めでわかる 薬草やくそう健康けんこう法ほう』講談社こうだんしゃ〈ベストライフ〉、1995年ねん2月がつ15日にち、170 - 171頁ぺーじ。ISBN 4-06-195372-9。 
• 内藤ないとう俊彦としひこ『秋あきの花はな』北きた隆たかし館かん〈フィールド検索けんさく図鑑ずかん〉、1995年ねん9月がつ1日にち、287頁ぺーじ。ISBN 4-8326-0371-X。 
• 山田やまだ孝彦たかひこ、山津やまづ京子きょうこ『万葉まんよう歌かとめぐる野の歩あるき植物しょくぶつガイド』（初版しょはん）太郎たろう次じ郎ろう社しゃエディタス、2013年ねん8月がつ15日にち、65頁ぺーじ。ISBN 978-4-8118-0762-1。 
• 吉村よしむら衞まもる『おいしく食たべる山野やまの草くさ』主婦しゅふと生活社せいかつしゃ、2007年ねん4月がつ23日にち、34頁ぺーじ。ISBN 978-4-391-13415-5。 

関連かんれん項目こうもく

• 野菜やさいの一覧いちらん
• 山菜さんさい
• 東京とうきょううど
• 日本にっぽん原産げんさんの食用しょくよう栽培さいばい植物しょくぶつ

外部がいぶリンク

• "Aralia cordata" - Encyclopedia of Life
• 三島みしまうど なにわの伝統でんとう野菜やさい