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オーバーテクノロジー・オブ・マクロス

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オーバーテクノロジー・オブ・マクロス(Over Technology of Macross)は、テレビアニメちょう時空じくう要塞ようさいマクロス』をだい1さくとした「マクロスシリーズ」に登場とうじょうする架空かくう科学かがく技術ぎじゅつ総称そうしょう略称りゃくしょうは「OTM(オーティーエム)」。作中さくちゅうでは「オーバーテクノロジー」とばれることがおおい。

設定せってい概要がいよう

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作品さくひん世界せかいにおいて、現代げんだい科学かがくをはるかにしのぐほしじんちょう先進せんしん科学かがく技術ぎじゅつを、地球ちきゅうがわでは一般いっぱんにOTMとぶ。太古たいこプロトカルチャー文明ぶんめい遺産いさんであり、かれらが製造せいぞうした戦闘せんとうバイオノイド「ゼントラーディ」や、「監察かんさつぐん」の兵器へいきぐんもこの系統けいとうぞくする。

地球ちきゅう落下らっかした監察かんさつぐん砲艦ほうかん (ASS-1) を「SDF-1 マクロス」に改修かいしゅうする過程かていで、先進せんしん諸国しょこく合同ごうどう研究けんきゅう機関きかんOTEC(オーテック)しゃにより分析ぶんせきされ、以前いぜん宇宙うちゅうステーション建設けんせつレベルであった地球ちきゅう科学かがく技術ぎじゅつ爆発ばくはつてき進化しんかをもたらした。従来じゅうらい兵器へいきけい幅広はばひろ導入どうにゅうされたほか、可変かへん戦闘せんとうバルキリー」や陸戦りくせんロボット「デストロイド」などのしん兵器へいきも、OTMなしには構想こうそうすらなしえなかった。しかし、原理げんり根本こんぽんまで解明かいめいできず、墜落ついらくかんのシステムをデッドコピーした部分ぶぶんおおく、初期しょきには運用うんようじょうのさまざまなトラブルにみまわれる。また、OTMの所有しょゆうめぐしょうじた利権りけんあらそいが、統合とうごう政府せいふはん統合とうごう勢力せいりょく武力ぶりょく衝突しょうとつ統合とうごう戦争せんそう」の要因よういんとなったことも事実じじつである。

のちにOTMは軍事ぐんじから民間みんかんまで幅広はばひろ活用かつようされ、人類じんるい宇宙うちゅう進出しんしゅつささえる原動力げんどうりょくとなる。地球人ちきゅうじんとゼントラーディじん共存きょうぞん時代じだいにはさらなる研究けんきゅうすすみ、両者りょうしゃ技術ぎじゅつ特性とくせいそなえる兵器へいき登場とうじょうする。とくにゼントラーディけい開発かいはつメーカー、ゼネラル・ギャラクシーしゃはOTMを積極せっきょく導入どうにゅうした機体きたい設計せっけいられる。2040ねんの「スーパーノヴァ計画けいかく以降いこう次世代じせだい可変かへん戦闘せんとう(Advanced Variable Fighter:AVF)では、フォールドシステムなどかつては艦艇かんていクラスにしか搭載とうさいできなかった大型おおがたシステムが軒並のきな小型こがたされ、随所ずいしょ搭載とうさいされるまで進化しんかしている。

重力じゅうりょく制御せいぎょシステム

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人工じんこうてき重力じゅうりょく発生はっせい制御せいぎょするOTMのかくたる技術ぎじゅつきょ大戦たいせんかんそのものを浮上ふじょうさせる大型おおがたシステムから、艦内かんない居住きょじゅう空間くうかん調整ちょうせいするサブシステム、「デストロイド・モンスター」の歩行ほこうけいや、VFの一部いちぶ応用おうようされた小型こがたシステムなどさまざまなおう用例ようれいがある。

重力じゅうりょく制御せいぎょシステムは、サイズがおおきいほど、効率こうりついとされる。そのため、かんサイズだと搭載とうさいする意味いみがあるが、VFサイズだとあまり意味いみい。そらりょく揚力ようりょく設計せっけいらないゼントラーディぐんかく戦闘せんとうポッドにも搭載とうさいされているが、機体きたいぜん重量じゅうりょうになえず、重量じゅうりょうすうぶんの1にする程度ていどである。そのため、りないぶんはバーニアの推力すいりょくおぎなっている。

AVFのひとつである「VF-22 シュトゥルムフォーゲルII」は、ゼントラーディぐんのバトルスーツ「クァドラン・ロー」に搭載とうさいされていたイナーシャ=ベクトルコントロールシステム(暫定ざんてい慣性かんせい制御せいぎょ装置そうち)の発展はってんがた搭載とうさいしている。しかし、装置そうちのサイズ・重量じゅうりょうとのいから、VFは依然いぜんとしてそらりょく揚力ようりょく設計せっけい重視じゅうしされている。なおYF-24エボリューション以降いこう搭載とうさいされているISCは、フォールドクォーツをもちいてこのシステムを小型こがた·最適さいてきさせたものである。

フォールド

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フォールド航法こうほう

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空間くうかん歪曲わいきょくがたワープ一種いっしゅであるちょう時空じくう航行こうこう技術ぎじゅつ原理げんりてきには重力じゅうりょく制御せいぎょにより宇宙うちゅう空間くうかんたたみ (= fold) 、げん座標ざひょう目的もくてき座標ざひょうとなわせ、かん周辺しゅうへん空間くうかんごと転移てんいする。このさい転移てんいさき空間くうかん等価とうか交換こうかんしきもどされ、物理ぶつりてき整合せいごうはかられる。つまり「出発しゅっぱつ到着とうちゃく空間くうかんえる」ことになる。このため、フォールドしようとする艦艇かんていなどにつかまるかちかくにっていれば、フォールド機能きのうっていなくてもその物体ぶったい一緒いっしょにフォールドできる。通常つうじょう空間くうかんからちょう時空じくうへの突入とつにゅうを「フォールド・イン」、ちょう時空じくうから通常つうじょう空間くうかんへの脱出だっしゅつを「フォールド・アウト」または「デフォールド」と[ちゅう 1]。フォールド・アウトには発光はっこう現象げんしょう観測かんそくされる。また、重力じゅうりょくもちいて時空じくうゆがめるという性質せいしつじょう時空じくう震動しんどう発生はっせいするので、ちょう時空じくうレーダーを保有ほゆうしていれば容易ようい察知さっちできる。

ちょう時空じくう移動いどうちゅう通常つうじょう空間くうかんとの時間じかんしょうじ、フォールドちゅうの1あいだ通常つうじょうの10日間にちかん相当そうとうする。フォールドちゅうちょう時空じくうながれる時間じかんを「主観しゅかん時間じかん」、フォールドちゅう経過けいかする通常つうじょう空間くうかんでの時間じかんを「客観きゃっかん時間じかん」とぶ。すんでじゅつのように主観しゅかん時間じかん客観きゃっかん時間じかんあいだには240ばいものひらきがあったが、『マクロスF』では主観しゅかん時間じかん客観きゃっかん時間じかんが7ばい程度ていど説明せつめいされる[1]。これは技術ぎじゅつ進歩しんぽによる改善かいぜん説明せつめいされている[2]

フォールドの座標ざひょう設定せっていには精密せいみつ計算けいさん必要ひつようで、重力じゅうりょくじょう影響えいきょうされるため、通常つうじょう惑星わくせいなどのだい質量しつりょう物体ぶったいちかくではおこなわれない。地球ちきゅうはつちょう時空じくう航行こうこう戦艦せんかん = Super Dimension Fortress-1(SDF-1) マクロスはゼントラーディぐんからの緊急きんきゅう避難ひなん手段しゅだんとして地球ちきゅうじょうおこなったため、予定よていつき裏側うらがわからおおきくはぐれた冥王星めいおうせい付近ふきん転移てんいし、周辺しゅうへんなんアタリアとう海域かいいきまでむことになる(作中さくちゅうではえがかれないが、理屈りくつてきにはフォールド南太平洋みなみたいへいようじょう冥王星めいおうせい付近ふきん宇宙うちゅう空間くうかん出現しゅつげんしたことになる)。またこのさいにフォールドシステムそのものがちょう時空じくう消失しょうしつする事態じたいとなり、マクロスは1ねんちかくをようして地球ちきゅうへの通常つうじょう推進すいしんによる帰還きかん余儀よぎなくされる。ただし、かならずしも惑星わくせいじょうでフォールドをおこなったからといって失敗しっぱいするとはかぎらない[ちゅう 2]

のちの宇宙うちゅう移民いみん時代じだいにはゼントラーディけい技術ぎじゅつ導入どうにゅうもあり、フォールドシステムそのものの精度せいど確度かくど飛躍ひやくてき向上こうじょうし、宇宙うちゅう艦船かんせん標準ひょうじゅん装備そうびとなる。さらにVFよう小型こがたされた着脱ちゃくだつしきフォールド・ブースター開発かいはつされるが、初期しょき(2040年代ねんだい)のものは距離きょりは20光年こうねんぶん使用しよういちかい性能せいのうしか保証ほしょうされない(使用しよう宇宙うちゅう空間くうかん投棄とうき)。『マクロスF』の時代じだいには、ふくすうかい使用しよう衛星えいせい軌道きどうじょうでの脱着だっちゃくさい使用しよう後述こうじゅつのフォールド断層だんそう対策たいさくなどの改良かいりょうおこなわれており、玩具おもちゃなどでは「スーパーフォールドブースター」と呼称こしょうされている。

フォールド航行こうこうおこなったあとは、ぞくに「フォールドい」とばれる、もの時差じさぼけ程度ていどかる身体しんたいてき影響えいきょう体感たいかんする場合ばあいがあるとされている。『マクロスF』の小説しょうせつばんでは、フォールド航行こうこうのショックで、まれにたましい肉体にくたいから分離ぶんりして、そのまま植物しょくぶつ人間にんげん状態じょうたいおちい事故じこ発生はっせいすることや、酩酊めいていかん男女だんじょ関係かんけい進展しんてんさせ、長距離ちょうきょりフォールドのすうげつには結婚けっこんならびに出産しゅっさん相次あいつぐことがしるされている。

フォールドの演出えんしゅつとしては、前述ぜんじゅつのマクロスのはつフォールド以外いがい機体きたいかがやいて消失しょうしつ出現しゅつげんする表現ひょうげんおこなわれているが、『マクロスF』や『マクロスΔでるた』では機体きたい前方ぜんぽう同心円どうしんえんじょうかがやちょう時空じくうゲートが出現しゅつげんし、そこに出入でいりする表現ひょうげんがなされている。また『マクロスプラス』ではCGでフォールドちゅう描写びょうしゃおこなわれ、機体きたい形状けいじょう波打なみう演出えんしゅつおこなわれている。

ほし生物せいぶつプロトデビルンバジュラのなかにはフォールドする能力のうりょくつものがいる。

マクロスF以降いこう作品さくひんにおいては「フォールド断層だんそう次元じげん断層だんそう」とばれる、プロトカルチャー由来ゆらいのフォールド技術ぎじゅつでは突破とっぱ不可能ふかのう障害しょうがい存在そんざいすると設定せっていされた。フォールド断層だんそうはいわゆる「次元じげん」であり、断層だんそう存在そんざいられていなかった銀河ぎんが播種はしゅ計画けいかく開始かいし当初とうしょには、移民いみん船団せんだんごと断層だんそうんで、船団せんだん全滅ぜんめつしたケースもある。そして移動いどう距離きょりともな幾何級数きかきゅうすうてきなエネルギー消費しょうひ増加ぞうかおおきなかべとしてちはだかっているため、けっして万能ばんのう技術ぎじゅつというわけではないとされる。ただし、フォールド断層だんそうについてはプロトカルチャー文明ぶんめいもととなったちょう時空じくう生命せいめいたいバジュラ生成せいせいする物質ぶっしつフォールドクォーツ」によって断層だんそう無視むししたフォールド(ゼロ・タイム・フォールド)が可能かのうなことが判明はんめいしており、人類じんるいがわでも2059ねんフロンティア船団せんだんにて「VF-25 メサイア開発かいはつなどを手掛てがける総合そうごう機械きかいメーカーL.A.I技研ぎけんが、フォールドクォーツをもちいた断層だんそう突破とっぱおよび航行こうこうしょうじる通常つうじょう空間くうかんとの時間じかんふせぐフォールド機関きかん開発かいはつすすめており、資源しげん技術ぎじゅつレベルじょう問題もんだいとなりつつある[ちゅう 3]

フォールド通信つうしん

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フォールド航法こうほう技術ぎじゅつ応用おうよう電波でんぱ空間くうかん転移てんいさせるちょう広域こういき通信つうしんシステム。『マクロス7』の時代じだい(2045ねん)には銀河系ぎんがけいないでほぼタイムラグなしに交信こうしん可能かのうな「ギャラクシー・ネットワーク」が構築こうちくされており、軍事ぐんじようだけでなく民間みんかん放送ほうそうきょく中継ちゅうけい音楽おんがくヒットチャートなどが放送ほうそうされている。

マクロスF』には、無人むじんゴーストAIF-7S」の運用うんようにおけるバジュラのECM対策たいさくとして、しん開発かいはつのフォールド通信つうしん誘導ゆうどうシステムが登場とうじょうする。

フォールドばくだん

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別名べつめい、ディメンション・イーター。かつては空間くうかん転移てんい航法こうほうとしてのみ活用かつようされたフォールド・エネルギーであったが、2050年代ねんだいになるとその膨大ぼうだいなエネルギーは兵器へいきへも転用てんようされることとなった。このばくだん反応はんのう兵器へいき上回うわまわあらたな最終さいしゅう兵器へいきであり、起爆きばくさいじゅう量子りょうしかく崩壊ほうかいによる擬似ぎじブラックホール発生はっせいさせ、威力いりょく圏内けんないぜん物質ぶっしつんだあと、強制きょうせいフォールドさせる特性とくせいつ。ガンポッドまたはミサイル弾頭だんとうがた(MDE弾頭だんとう)、搭載とうさいばくだんがた設置せっちがた様々さまざまなタイプがあり、大型おおがた設置せっちがた(ディメンション・カッター)クラスになると惑星わくせいですら、大半たいはんむ(フォールドさせる)ほどの威力いりょくつ。

ねつかく反応はんのうシステム

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従来じゅうらいかく反応はんのう理論りろん重力じゅうりょく制御せいぎょ技術ぎじゅつなどを導入どうにゅうしたもの。艦艇かんていやデストロイドの動力どうりょくねつかく反応はんのう)、航空機こうくうき推力すいりょくねつかくタービンエンジン)、兵器へいき反応はんのうだん)などに幅広はばひろ活用かつようされている。

ねつかく反応はんのう

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墜落ついらくしたマクロス調査ちょうさし、反応はんのうかく融合ゆうごう)を実用じつようした人類じんるいはもとより、ゼントラーディや監察かんさつぐんなどのプロトカルチャーに由来ゆらいする種族しゅぞくだい出力しゅつりょく動力どうりょく機関きかんとして、幅広はばひろ採用さいようされている。

ねつかくタービンエンジン

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VFシリーズなどに搭載とうさいされるかく融合ゆうごうもちいた小型こがた原子力げんしりょく推進すいしんエンジン (Thermo-Nuclear Reactor Turbine Engine) 。反応はんのうかく融合ゆうごう)のねつエネルギーでプロペラント(推進すいしんざい)を加熱かねつ膨張ぼうちょうさせ、高温こうおんプラズマりゅうとして噴射ふんしゃ推力すいりょくる。

従来じゅうらいジェットエンジンくらべた利点りてん

  1. プロペラントの交換こうかんだけでエンジンかわそうせずとも、大気圏たいきけんないではジェットエンジン、大気圏たいきけんがいではロケットエンジンとしてぜん領域りょういき使用しよう可能かのう
  2. 従来じゅうらい化学かがく燃料ねんりょうくら反応はんのうざいかく燃料ねんりょう)の消費しょうひきわめて少量しょうりょうなため、どうない燃料ねんりょうスペースが大幅おおはば削減さくげんされ、変形へんけい機構きこう導入どうにゅう可能かのうとなる。
  3. 大気圏たいきけんないでは無尽蔵むじんぞうにある空気くうき圧縮あっしゅくしてプロペラントに使用しようできるため、2の理由りゆうくわわり事実じじつじょう無限むげん航続こうぞく距離きょりられる。

VF-1に搭載とうさいされた初期しょきがたねつかくタービンエンジンは、推力すいりょくてんでジェットエンジンと大差たいさなかった。また、大気圏たいきけんがいでのプロペラント(水素すいそ化合かごうぶつ)の容量ようりょう不足ふそく問題もんだいであったが、これらはブースターとぞうそうねる追加ついか装備そうび(FASTパック)により解決かいけつはかられた。VF-16に搭載とうさいされた次世代じせだいがたねつかくバーストタービンエンジン(Thermo-Nuclear Reactor burst Turbine Engine)ではねつ交換こうかん理論りろん進歩しんぽし、大気圏たいきけんがいでのプロペラント消費しょうひりつ大幅おおはば改善かいぜんされ、推力すいりょく従来じゅうらいがたの2ばいちかくにたっした。これにより単独たんどくでの大気圏たいきけん突破とっぱとFASTパックなしでの宇宙うちゅう巡航じゅんこう可能かのうとなった。2050年代ねんだい前半ぜんはんはいると、従来じゅうらいがたエンジンとは一線いっせんかくだい出力しゅつりょくつ「ステージIIねつかくタービンエンジン」が登場とうじょうする[3]。このステージIIエンジンの膨大ぼうだい余剰よじょう出力しゅつりょくにより、より強力きょうりょくなビーム兵器へいき標準ひょうじゅん装備そうびぜん形態けいたいでのエネルギー転換てんかん装甲そうこうやピンポイントバリアの展開てんかい可能かのうとなった。

反応はんのう兵器へいき反応はんのうだん

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従来じゅうらい核兵器かくへいき改良かいりょうし、おもに宇宙うちゅう空間くうかんでの威力いりょく向上こうじょうさせたもの。起爆きばく原料げんりょうとなる放射ほうしゃせい物質ぶっしつ半減はんげんのきわめてみじかいものが使用しようされている。30メートルちょうたいかん大型おおがたミサイルから、宇宙うちゅう戦闘せんとう搭載とうさい迎撃げいげき小型こがたミサイル、デストロイド火器かきよう弾頭だんとうまでさまざまなタイプがある。統合とうごう戦争せんそうちゅうはん統合とうごう勢力せいりょくによる火星かせい開発かいはつ船団せんだんへの攻撃こうげきたいし、統合とうごうぐん報復ほうふくせん実戦じっせん投入とうにゅうした。また、グランドキャノン建設けんせつ現場げんばでも掘削くっさくよう使用しようされた。ゼントラーディぐんとの緒戦しょせんたいかん攻撃こうげきにおいて絶大ぜつだい威力いりょくをみせるが、この時点じてんでは配備はいびすう不十分ふじゅうぶんなため、予測よそくされた本土ほんど決戦けっせんそなえて温存おんぞんするさくられる。

一方いっぽう修理しゅうり改良かいりょうなどの技術ぎじゅつたない戦闘せんとう種族しゅぞくゼントラーディじんにとって、反応はんのう兵器へいきはプロトカルチャー絶滅ぜつめつによってうしなわれたオーバーテクノロジーであった。地球人ちきゅうじんがこれを保有ほゆうすることに衝撃しょうげきけ、殲滅せんめつしようとおもえば容易よういつぶせる地球ちきゅうにはあえて侵攻しんこうせず、フォールド暴走ぼうそう事故じこにより孤立こりつしたマクロスの捕獲ほかく優先ゆうせんし、その技術ぎじゅつぬすろうと執拗しつようまわすことになる。だいいちほしあいだ大戦たいせん最終さいしゅう局面きょくめんにおいて、戦力せんりょくてきには圧倒的あっとうてきおと地球人ちきゅうじんるいであったが、地球ちきゅう文化ぶんかたいするカルチャーショックやリン・ミンメイのうた影響えいきょう勝利しょうりへの原動力げんどうりょくであったとはいえ、事実じじつじょう反応はんのう兵器へいき存在そんざいがゼントラーディぐんたいして決定的けっていてきなアドバンテージとなる。

戦後せんご宇宙うちゅう移民いみんすす移民いみん惑星わくせいあいだ衝突しょうとつこる時代じだいになると、大量たいりょう殺戮さつりく兵器へいきであるはんおう兵器へいき使用しよう政治せいじ問題もんだいまねくため銀河ぎんが条約じょうやくにより凍結とうけつされ、使用しようにはしん統合とうごうぐんそう司令しれい許可きょか必要ひつようとなった(一部いちぶやみルートで売買ばいばいされるれいもある[ちゅう 4])。これを一因いちいんとして、特殊とくしゅ作戦さくせんよう高性能こうせいのう次世代じせだいVF(AVF)開発かいはつ計画けいかくされることになった。ただし、製造せいぞう配備はいび使用しよう前提ぜんていとする整備せいびおこなわれており、マクロス7船団せんだんバロータ戦役せんえきマクロス・フロンティア船団せんだんバジュラ戦役せんえきなど、未知みち強大きょうだい敵対てきたいてきほし勢力せいりょくとの交戦こうせんにおいて、特例とくれいとして使用しようみとめられるケースにおいては、相当そうとうすう投入とうにゅうされる。

マクロス・クロニクル』によると、起爆きばくじゅう量子りょうし使用しようした現実げんじつ純粋じゅんすい水爆すいばくちか核兵器かくへいきとされている。ゆえに初期しょき生産せいさんロットの一部いちぶ反応はんのうだんのぞき、基本きほんてき残留ざんりゅう放射ほうしゃせい物質ぶっしつ発生はっせいしない[4]。また、『マクロスF』の小説しょうせつばんにおいては、核兵器かくへいきではなく弾頭だんとうはん物質ぶっしつ搭載とうさいしたたい消滅しょうめつ兵器へいきであることがしるされている。水素すいそばくだん起爆きばくざいに「はん物質ぶっしつ」を使用しようした純粋じゅんすい水爆すいばく設定せってい変更へんこうされたのか、げきちゅう歴史れきしのなかで反応はんのう兵器へいき仕様しよう定義ていぎ変更へんこうされたのかは不明ふめい

ピンポイントバリア

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時空じくう連続れんぞくたいのひずみを利用りようした小径しょうけいバリアシステム。実体じったいだんやビーム兵器へいき無効むこうする。フォールドシステム消失しょうしつ事故じこ副産物ふくさんぶつとしてマクロス艦内かんない工廠こうしょう開発かいはつされるが、システム完成かんせい段階だんかいでは3にん女性じょせいオペレーターが手動しゅどう操作そうさする。これを応用おうようした「ダイダロス・アタック」が考案こうあんされ、のちにかん全体ぜんたい保護ほごする「ぜん方位ほういバリア」も開発かいはつされる。

2040年代ねんだい実用じつようされたAVFでは、機体きたい防御ぼうぎょようのピンポイントバリア展開てんかい能力のうりょく基本きほん性能せいのう要求ようきゅうのひとつとなった。これにより装甲そうこうはぶき、機体きたい軽量けいりょうはかれるようになった。しかし実用じつよう当初とうしょはエンジン出力しゅつりょくの70パーセントものエネルギーを必要ひつようとするため、使用しよう可能かのうなのは出力しゅつりょく余裕よゆうのあるバトロイド形態けいたいかぎられていた。バトロイド形態けいたいでの格闘かくとうせんという事態じたいでは、ダイダロスアタックをした「ピンポイントバリアパンチ」や「ピンポイントバリアキック」などという用法ようほう考案こうあんされ、格闘かくとうによる機体きたい損壊そんかいりつ大幅おおはば減少げんしょうさせた。

2059ねんには、VF-25に搭載とうさいされた格闘かくとうナイフの刀身とうしん周辺しゅうへん展開てんかいさせられるようになっている。また、マクロス・クォーター強攻きょうこうがた任意にんい形状けいじょう制御せいぎょできるようになり、格闘かくとうせんへいそうとして右舷うげんかんくびからサーベルじょうにバリアを展開てんかい可能かのうとなっている。よりこう出力しゅつりょくねつかくタービンエンジンを搭載とうさいする「VF-27 ルシファー」や「YF-29 デュランダル」は、ぜん形態けいたいでのバリア展開てんかい可能かのうとなっている。また、小説しょうせつ劇場げきじょうばんマクロスF(した) サヨナラノツバサ』に登場とうじょうする「VF-19 ADVANCE」は、ファイター形態けいたいでもパイロットの任意にんいでバリアを展開てんかいすることが可能かのうである。

アクティブステルス

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従来じゅうらいステルス技術ぎじゅつは、機体きたいたるレーダー探知たんち反射はんしゃする「受動じゅどうてき(パッシブ)」な状態じょうたいで、せい反射はんしゃしないよう機体きたい形状けいじょう工夫くふうするなどして考案こうあんされた。これにたい能動のうどうてき(アクティブ)なステルス技術ぎじゅつとは、レーダー分析ぶんせきし、ぎゃく欺瞞ぎまん情報じょうほうおくかえ電子でんし対抗たいこう手段しゅだん (ECM) の一種いっしゅである。よりたか隠密おんみつせいたもてるだけでなく、パッシブ・ステルスのようにそらりょく性能せいのう犠牲ぎせいにしてまで機体きたい形状けいじょう優先ゆうせんする必要ひつようがなくなり、機体きたい設計せっけい自由じゆうひろがるというメリットもある。可変かへん戦闘せんとう誕生たんじょうVF-0SV-51時点じてんですでに採用さいようされていた技術ぎじゅつだが、30ねんのAVFYF-21搭載とうさいされただいさん世代せだいがたアクティブ・ステルス[5]従来じゅうらいのVF-11では捕捉ほそくできないなど、その改良かいりょうつづけられている。アクティブステルス技術ぎじゅつ現代げんだい現実げんじつ世界せかいでも研究けんきゅう開発かいはつすすめられており、すでに実用じつようけた試験しけん段階だんかいはいっている。

マイクローン装置そうち

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プロトカルチャーが開発かいはつしたクローン装置そうちちょう高度こうどなコンピューターを搭載とうさいしており、収容しゅうようしゃをいったん原子げんしレベルまで分解ぶんかいし、さい構築こうちくすることで、ゼントラーディを地球人ちきゅうじんサイズに縮小しゅくしょうしたり、地球人ちきゅうじんをゼントラーディサイズに拡大かくだいすることが可能かのうである[6]。また、そのさい人体じんたい構築こうちくパターンを変更へんこうすることで、身体しんたい強化きょうか臓器ぞうきかず増減ぞうげんとうおこなうこともできる[6]。この装置そうちによるクローンで、ゼントラーディじん異性いせい交配こうはいすることなく、その個体こたいすう維持いじしている。ただし、一部いちぶには副作用ふくさよう遺伝子いでんし異常いじょうこし、装置そうち使用しよう前後ぜんこう身体しんたいのプロポーションやこえ性格せいかくいちじるしく変化へんかするものがいたり、身体しんたい分解ぶんかいさい構築こうちくえられないDNAをものもいるなど、まんにん使用しようできる技術ぎじゅつではない。

ゼントラーディぐん戦艦せんかんレベルになると、かなら艦内かんない設置せっちされており、操作そうさ専任せんにんのゼントラーディじん搭乗とうじょうしている。装置そうち操作そうさ自体じたい知能ちのう限定げんていされているゼントラーディじんでもおこなえるほどいちじるしく単純たんじゅんされている。

あまりにちょう高度こうど性能せいのうのため、いちとおりのOTMを解読かいどくした統合とうごう政府せいふしん統合とうごう政府せいふでも再現さいげん製造せいぞう不可能ふかのうであり、ほしあいだ大戦たいせん終戦しゅうせん残存ざんそんゼントラーディ艦艇かんていない設置せっちされていたり、艦艇かんていからはずされかくシティ単位たんい管理かんりされていたマイクローン装置そうちは、ゼントラーディの暴動ぼうどう勢力せいりょくによる悪用あくようおそしん統合とうごうぐん押収おうしゅうするが、市民しみんらの抵抗ていこうにより押収おうしゅうできなかった装置そうち強奪ごうだつしたゼントラーディ暴動ぼうどう勢力せいりょく使用しようし、だい1マクロス・シティ防衛ぼうえいせん勃発ぼっぱつすることとなる。

戦後せんごまもなくの地球ちきゅうじょうでは巨人きょじんサイズでの生活せいかつ許可きょかされていたが、にわたる巨人きょじんによる武装ぶそう蜂起ほうき問題もんだいとなったことから、2030ねん以降いこう巨人きょじん地球ちきゅうじょう居住きょじゅうみとめられなくなる[7]各地かくち移民いみんぼし移民いみん船団せんだんにおいても、人々ひとびとはマイクローンサイズでの生活せいかつ基本きほんとなっている。しかし例外れいがいもあり、マクロス7船団せんだん参謀さんぼうエキセドル・フォルモ記憶きおく容量ようりょう観点かんてんから巨人きょじんサイズのまま職務しょくむいており、フロンティア船団せんだんでは巨人きょじんサイズでの生活せいかつ許可きょかされた地域ちいきもある。また、この高度こうどなクローン技術ぎじゅつは、ほしあいだ大戦たいせん全土ぜんど焦土しょうどした地球ちきゅう復興ふっこうのために、のこったわずかなかず植物しょくぶつ動物どうぶつ精子せいし卵子らんし種子しゅし染色せんしょくたい、ありとあらゆる物質ぶっしつ物体ぶったい生命せいめいたい複製ふくせい活用かつようされるが[8]、のちにクローニングによる遺伝子いでんし疾患しっかん増加ぞうか。2010ねんから開始かいしされた大量たいりょうクローン計画けいかくは2030ねんをもって終了しゅうりょうした[7]

マイクロミサイル

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可変かへん戦闘せんとうやデストロイドに搭載とうさいされているマイクロミサイルも、ASS-1の調査ちょうさによってられたOTMの産物さんぶつである。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ ちょう時空じくう要塞ようさいマクロス あい・おぼえていますか』における艦内かんない英語えいごアナウンスでは「ワープ・アウト」という表現ひょうげんもちいられている。
  2. ^ ちょう時空じくう要塞ようさいマクロス あい・おぼえていますか』では、メルトランディぐんのミリアかん戦域せんいきからの緊急きんきゅう脱出だっしゅつさい大気圏たいきけんないでフォールドする場面ばめんがある。『マクロス7だい38禁断きんだん惑星わくせいのシビル」でも、マクロス7船団せんだんがきわめて危険きけんとされる海上かいじょうからの直接ちょくせつフォールドを成功せいこうさせる。
  3. ^ マクロス30 銀河ぎんがつな歌声うたごえ』では、2060ねんにSMSウロボロス支社ししゃ開発かいはつしたYF-30 クロノスが、プロトカルチャー由来ゆらい遺跡いせきから産出さんしゅつされるフォールドクォーツを使用しようして開発かいはつされたフォールドディメンショナルレゾナンスシステムを使用しようすることで、フォールド断層だんそう突破とっぱ可能かのうとなる理論りろん完成かんせいる。ただし本編ほんぺん実働じつどうしたさいミーナ・フォルテシェリル・ノームランカ・リーにより突破とっぱ可能かのうなエネルギー理論りろんの99.9%まで到達とうたつするもののそのさきかべえられず、最終さいしゅうてき熱気ねっきバサラのサウンドエナジーの助力じょりょくて、100%をはるかにえるエネルギーを発生はっせいさせたことでフォールド断層だんそう突破とっぱする。
  4. ^ マクロス ダイナマイト7だい3など。

出典しゅってん

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  1. ^ 『マクロスF』だい11「ミッシング・バースデー」。
  2. ^ 「テクノロジーシート オーバーテクノロジー」『マクロス・クロニクル No.29』 ウィーヴ、2009ねん、26ぺーじ
  3. ^ 「テクノロジーシート バリアブルファイター VFに対応たいおうしたエンジンとコクピット」『マクロス・クロニクル No.38』ウィーヴ、2010ねん、29ぺーじ
  4. ^ 「テクノロジーシート 反応はんのう兵器へいき」『マクロス・クロニクル No.25』ウィーヴ、2009ねん、23ぺーじ
  5. ^ 「テクノロジーシート バリアブルファイター 開発かいはつ (3) 」『マクロス・クロニクル No.35』ウィーヴ、2009ねん、26ぺーじ
  6. ^ a b かわもり正治しょうじ空白くうはくの2年間ねんかん」『マクロス・パーフェクト・メモリー』みのり書房しょぼう、1983ねん、62ぺーじ
  7. ^ a b 短期たんき集中しゅうちゅう連載れんさいだい3かい Dr.チバの、とってもくわしい! マクロス世界せかい講座こうざ」『アニメージュ』1996ねん1がつごう徳間書店とくましょてん、1995ねん、56ぺーじ
  8. ^ かわもり正治しょうじ空白くうはくの2年間ねんかん」『マクロス・パーフェクト・メモリー』みのり書房しょぼう、1983ねん、63ぺーじ