ケルト神話
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ケルト
概観
[これらの
ケルト
古代 ケルト宗教 (基本 的 に筆記 史料 はなく、主 に考古学 史料 を通 して知 られる)- ゲール
語 の神話 。アイルランド神話 (Irish Mythology)とスコットランド神話 (Scottish Mythology)に代表 される。 - ブリソン
諸語 の神話 。ウェールズ神話 (Welsh Mythology)に代表 される。
史料
[ゴール
ローマ
古代 ケルトの神 々
[![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/3/37/Rouelle_votive_wheels.jpg/180px-Rouelle_votive_wheels.jpg)
ローマ
ルキアノスによると、ガリア
- ルゴス(Lugos、ルグLugとも)
- おそらく
印 欧 祖語 *leuk(光 )に由来 する。ガリアでは崇拝 の形跡 が見 つかっていない神 だが、地名 学 の見地 から崇拝 されていたことが証明 可能 とされる(リヨンの古名 ルグドゥヌムLugdunumの由来 とされる)。カエサルがメルクリウスと同一 視 した神 と考 えられるが、メルクリウスはトータティスにも、エススにも対応 しうる。 - テウタテス
- トータティス、トティオウリクス、テウタヌスとも。おそらくケルト
祖語 の*teuta(3つの)と*tato(父 )から来 ており、ルキアノスはあるときはメルクリウス、あるときはマールスと同一 視 している。トータティスはおそらくカエサルがローマの冥府 の神 ディス(Dis Pater)に対応 するとした神 と思 われるが、はっきりとした証拠 は何 も残 っていない。 - タラニス
- おそらくゴール
語 のtaran(雷鳴 )が由来 とされるが、はっきりしていない。タラニスは太陽 と天上 の神 であり、さらにその職能 から、雷鳴 、戦争 、炎 、死 、そして空 の神 でもある。 - エスス
- その
名 はエーススだとすればヴェネト語 の「神 」、エススだとすれば「主人 、支配 者 」が語源 であると考 えられるがはっきりしない[4]。ルカヌスが同時 に挙 げたテウタテス、タラニスに比 べ考古学 上 の証拠 となるような遺物 の発見 に乏 しく、その信仰 の実態 は他 の神 以上 に不明瞭 である。 - スケッルス(Sucellus)
槌 (死 と復活 の象徴 )と盃 (富 の象徴 )を持 つ、森 と農業 の神 。アイルランド神話 のダグザに対応 すると考 えられる。- エポナ
馬 を司 る女神 [5]。豊穣 の女神 でもある。騎乗 した女性 、あるいは馬 を従 えた女性 の姿 で表 される。- ケルヌンノス
- ガリアで
広 く信仰 された狩猟 神 。有 角 の男性 の姿 で表 される。 - アンダストラ
- イケニー
族 の勝利 の女神 ?[5] - ベレヌス
- 「
明 るい」「輝 いている」の意 。ガリアの太陽 神 かつ治療 師 。[5] - アルティオ
- 「
熊 」の意 。森 の女神 。[5] - カムロス
- ブリテンとガリアの
戦争 神 。[5] - レヌス
- トレウェリー
族 の治療 師 かつ神 。[5] - セクアンナ
- セーヌの
女神 。[5] - ウァシオ
- ウァシオ(ヴェゾン=ラ=ロメーヌ)のウィコンティイー
族 の神 。[5]
アイルランド神話
[アイルランド
アイルランド
神話 サイクル(Mythological Cycle) -神 々の物語 を扱 うサイクル。- アルスターサイクル(Ulster Cycle) -
英雄 クー・フーリンの活躍 を中心 とするサイクル。 - フェニアンサイクル(Fenian cycle) - フィン・マックールと
彼 の率 いるフィアナ騎士 団 (Fianna)を中心 とするサイクル。 歴史 サイクル(Historical Cycle) -歴代 のアイルランドの君主 を扱 うサイクル。
- ダグザ(Dagda)
- アイルランド
神話 の最高 神 と考 えられている。ダグザはアイルランド人 気質 を具現 化 した存在 であり、ほかの神 々と人間 のもととなったとされる。なお、ケルトの神 々は起源 が不明 である点 と専門 分野 を持 っていない点 から、全体 でひとつの氏族 (clan)を構成 していたと考 えられる。ダグザはアイルランド神話 の中 ではおどけた洒落 の利 く神 として描 かれており、ダグザが人 に小馬鹿 にされるが寛大 に耐 え忍 ぶ、という結末 の神話 すらある。 - ダグザはアイルランドの
伝承 では槍 を持 った力持 ちの神 として描 かれている。ガリアの槌 と杯 を持 つ神 スケッロス(Sucellos)に対応 するとされる。 - モリガン(Mórrígan)
三位一体 の戦 いの女神 である。ヴァハ(Macha)、バズヴ(Badb)(ネヴァン(Nemhain)とも呼 ばれる)と行動 を共 にする。- これらの3
柱 はそれぞれ戦闘 の違 う側面 を体現 している。彼女 は『クーリーの牛 争 い』(Train Bo Cualinge)に登場 することで知 られている。この中 で彼女 は主人公 クー・フーリンを助 けたり、邪魔 したりする。そして、『マグ・トゥイレドの戦 い』の中 では、詩人 にして魔法使 い、さらに権力 者 という複数 の役割 を演 じ、ダーナ神 族 に勝利 をもたらす。彼女 (達 )はほぼ毎回 カラスもしくはオオガラスとして描 かれるが、ウシ、オオカミ、ウナギなど、他 の多 くの生 き物 にも変化 できる。 - ルー(Lugh)
太陽 神 。イルダーナ(Il-Dana)やドルドナ(Dordona)など、「全知全能 」を意味 する名 で呼 ばれる場合 もある。- その
他 他 にはダグザの娘 であるブリギッド(Brigid)、タルトゥ(Tailtiu)などの女神 がおり、男神 には鍛冶 と酒造 の神 ゴヴニュ(Goibniu)などがいる。
ウェールズ神話
[![](https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/7/77/Ler_swans_Millar.jpg/170px-Ler_swans_Millar.jpg)
ウェールズの
ウェールズ
のちにジェフリー・オブ・モンマスらにより、
- アリアンロッド(Arianrhod)
- ケルトの
主神 ダヌ(ウェールズの地 母 神 。ドンとも)の娘 。月 の女神 で銀 の車輪 という意味 の名 を持 つ。「時 」の象徴 でもあり出産 にも関与 する。ウェールズ人 が崇拝 した北 かんむり座 の守護神 。ブリギッドと同一 視 されることもある。 - プイス(Pwyll)
- ウェールズ
南西 にある、ダヴェドの君主 でウェールズの英雄 とも言 える存在 。「知恵 、分別 」という意味 の名 を持 つ。アンヌン(地下 にある妖精 の国 )の王 であるアラウンを助 けて彼 の宿敵 ハヴガンを討 ち、アンヌン全土 を支配 下 に治 めたことで自 らも「アンヌウヴンの長 」との称号 を得 る。後 にリアンノンと出会 い結婚 し、彼女 との間 にプレデリという子 どもをもうける。マビノギ第 一 の枝 『ダヴェドの大公 プイス』の中心 人物 。 - リアンノン(Rhiannon、ヒリアノン、フリアノンとも)
月 と馬 の女神 で、「偉大 なる女王 」を意味 するリガントーナに関連 した名 をもつ。金髪 で美 しい女神 。忠実 な白 い牝馬 に乗 り死者 の魂 を地球 から死後 の世界 へと導 く。マビノギ第 一 の枝 では、誰 にも追 いつけない魔法 の馬 と決 して一 杯 にならない魔法 の袋 をもち、プイスに策略 を授 け彼 の妻 となるが、息子 プレデリが行方 不明 となったためいわれのない子 殺 しの罪 で罰 を受 ける。その後 第 三 の枝 に再 登場 し、マナウィダンと結婚 する。- マナウィダン(Manawydan)
海神 スィール(Llyr)の息子 。マナナーン・マクリール(Manannan mac Lir)とも呼 ばれる魔術 師 。マビノギ第 二 の枝 『スィールの娘 ブランウェン』でブランウェンおよびブリテン王 ブランの兄弟 として登場 し、第 三 の枝 『スィールの息子 マナウィダン』では中心 人物 となる。
脚注
[参考 文献
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原典 資料
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- 『ガリア
戦記 』[要 文献 特定 詳細 情報 ] - 『マビノギオン』
- 『マビノギオン -
中世 ウェールズ幻想 物語 集 』中野 節子 訳 、JULA出版 局 、2000年 3月 。ISBN 978-4-88284-193-7。
- 『マビノギオン -
二 次 資料
[- マイヤー, ベルンハルト
著 、鶴岡 真弓 ・平島 直一郎 訳 『ケルト事典 』創 元 社 、2001年 。ISBN 4-422-23004-2。 - マッカーナ, プロインシァス『ケルト
神話 』松田 幸雄 訳 、青土 社 〈シリーズ世界 の神話 〉、1991年 8月 。ISBN 978-4-7917-5137-2。 - ジェームズ, サイモン
著 、渡辺 充子 ・吉岡 晶子 訳 『図説 ケルト』東京書籍 、2000年 6月 。ISBN 978-4487794119。
関連 書籍
[井村 君江 『ケルトの神話 -女神 と英雄 と妖精 と』筑摩書房 〈ちくま文庫 〉、1990年 3月 。ISBN 978-4-480-02392-6。- ディレイニー, フランク 『ケルトの
神話 ・伝説 』鶴岡 真弓 訳 、創 元 社 、2000年 9月 。ISBN 978-4-422-23006-1。 - ブレキリアン, ヤン 『ケルト
神話 の世界 』田中 仁 彦・山 邑久 仁子 訳 、中央公論社 、1998年 7月 。ISBN 978-4-12-002812-0。新版 『ケルト神話 の世界 』、中央公論 新 社 〈中公 文庫 〉上 ・下 、2011年 8月 。ISBN 978-4-12-205525-4, 978-4-12-205526-1。