シナニッケイ

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シナニッケイ
分類ぶんるい（APG IV）
界さかい : 植物しょくぶつ界かい Plantae
階級かいきゅうなし : 被子植物ひししょくぶつ angiosperms
階級かいきゅうなし : モクレン類るい Magnoliids
目め : クスノキ目め Laureales
科か : クスノキ科か Lauraceae
属ぞく : ニッケイ属ぞく Cinnamomum
種たね : シナニッケイ C. cassia
学名がくめい
Cinnamomum cassia (L.) J.Presl
シノニム

[1]

  • Camphorina cassia (L.) Farw.
  • Cinnamomum aromaticum Nees
  • Cinnamomum longifolium Lukman.
  • Cinnamomum medium Lukman.
  • Cinnamomum nitidum Hook. nom. illeg.
  • Laurus cassia L.
  • Persea cassia (L.) Spreng.
和名わみょう
支ささえ那な肉桂にっけい
英名えいめい
Chinese cassia
Chinese cinnamon

シナニッケイ（支ささえ那な肉桂にっけい、学名がくめい: Cinnamomum cassia）は、中国ちゅうごく南部なんぶ原産げんさんの常緑樹じょうりょくじゅであり、中国ちゅうごくや南みなみアジア、東ひがしアジア（インド、インドネシア、ラオス、マレーシア、台湾たいわん、タイ、ベトナム）で広ひろく栽培さいばいされている[2]。香辛料こうしんりょうとして使用しようされる香かおりの良よい樹皮じゅひのために主おもに使つかわれる数すう種しゅのニッケイ属ぞく植物しょくぶつの一種いっしゅである。カシア（cassia）、カッシア、またはカッシャとも呼よばれる。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでは、シナニッケイは最もっとも一般いっぱん的てきに使つかわれるシナモンである。蕾つぼみも、特とくにインドでは、香辛料こうしんりょうとして使つかわれ、かつては古代こだいローマ人じんによって使つかわれた。

樹木じゅもくは全高ぜんこう10–15 mに成長せいちょうし、灰色はいいろがかった樹皮じゅひと、固かたく長ながい葉はを持もつ。葉はは長ながさ10–15 cmで、若わかい時ときは明あきらかに赤あかみを帯おびた色いろを持もつ。

生産せいさんと利用りよう[編集へんしゅう]

シナニッケイはセイロンニッケイ（C. verum、セイロン・シナモン）、サイゴン・シナモン（英語えいご版ばん）（C. loureiroi、ベトナム・シナモンとも）、インドグス（C. burmannii、インドネシア・シナモン）、マラバール・シナモン（英語えいご版ばん）（C. citriodorum、インド・マラバール地方ちほう原産げんさん）と近きん縁えん種しゅである。これら5種しゅ全すべての乾燥かんそう樹皮じゅひが香辛料こうしんりょうとして使つかわれる。シナニッケイの香かおりはセイロンニッケイの香かおりよりも繊細せんさいさに欠かける。シナニッケイの樹皮じゅひはセイロンニッケイよりも厚あつく、粉砕ふんさいするのがより難むずかしく、より粗あらい質感しつかんを持もつ[3]。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく、イギリス、インドでシナモンとして販売はんばいされている香辛料こうしんりょうのほとんどはシナニッケイである[3]。

シナニッケイの樹皮じゅひ（粉末ふんまつまたは巻まいたスティック状じょう）は菓子かし類るい、デザート、パン菓子かし、肉にくのための香かおり付づけとして使つかわれる。シナニッケイは多おおくのカレーのレシピで指定していされている（セイロン・シナモンはあまり適てきしていない）。カシアはセイロン・シナモンに添加てんかされることがあるが、より厚あつく、粗あらい製品せいひんとなる。カシアは樹皮じゅひ片へん（下しも写真しゃしん）またはクイル（スティック）として販売はんばいされる。カシアスティックとセイロン・シナモンスティックは以下いかのようなやり方かたで区別くべつすることができる。セイロン・シナモンスティックは多おおくの薄うすい層そうからなり、コーヒーまたはスパイスグラインダーを使つかって簡単かんたんに粉末ふんまつにすることができるが、カシアスティックは極きわめて固かたく、大抵たいていは1枚まいの厚あつい層そうから成なる[要よう出典しゅってん]。

カシアの蕾つぼみは、稀まれではあるが香辛料こうしんりょうとして使つかわれることがある。外観がいかんはチョウジ（クローブ）と似にており、柔やわらかで華はなやかなシナモンの香かおりを持もつ。カシアの蕾つぼみは主おもに昔むかし風ふうのピクルスのレシピやマリネード、茶ちゃで使つかわれる[4]。

健康けんこう効果こうか[編集へんしゅう]

シナニッケイは主おもに中国ちゅうごく南部なんぶの広西ひろせチワン族ぞく自治じち区く、広東かんとん省しょう、雲南うんなん省しょうで生産せいさんされる。シナニッケイ（肉桂にっけい）は中国ちゅうごく医学いがくにおける50の基本きほん生薬きぐすり（英語えいご版ばん）の一ひとつと考かんがえられている[5]。

クマリン（多量たりょうに摂取せっしゅすると肝きも障害しょうがいの原因げんいんとなる）と呼よばれる抗こう凝血ぎょうけつ成分せいぶんのため[6]、ヨーロッパの健康けんこう機関きかんは多量たりょうのカシアの摂取せっしゅに関かんして警告けいこくしている[7]。C. cassiaの樹皮じゅひ、粉末ふんまつ、精油せいゆに含ふくまれるその他たの生物せいぶつ活性かっせい化合かごう物ぶつはシンナムアルデヒドとスチレンである。高こう用量ようりょうではこれらの物質ぶっしつも人体じんたいに対たいして毒性どくせいを持もつ[8]。

画像がぞう集しゅう[編集へんしゅう]

  • カシア（C. cassia）の精油
    カシア（C. cassia）の精油せいゆ
  • 若いインドグス（英語版）（インドネシアシナモン）の樹（インドネシア）
    若わかいインドグス（英語えいご版ばん）（インドネシアシナモン）の樹き（インドネシア）
  • ミハウ・ボイムが描いたC. cassia（左上）（1655年）
    ミハウ・ボイムが描えがいたC. cassia（左上ひだりうえ）（1655年ねん）
  • 乾燥したカシアの樹皮
    乾燥かんそうしたカシアの樹皮じゅひ

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ The Plant List. “Cinnamomum cassia (Nees & T.Nees) J.Presl”. 2018年ねん8月がつ24日にち閲覧えつらん。
  2. ^ Xi-wen Li, Jie Li & Henk van der Werff. “Cinnamomum cassia”. Flora of China. Missouri Botanical Garden, St. Louis, MO & Harvard University Herbaria, Cambridge, MA. 2013年ねん3月がつ28日にち閲覧えつらん。
  3. ^ a b “Cassia: A real spice or a fake cinnamon”. China Business Limited as Regency (2014年ねん2月がつ25日にち). 2019年ねん8月がつ24日にち閲覧えつらん。
  4. ^ “Cassia”. theepicentre.com. 2019年ねん8月がつ24日にち閲覧えつらん。
  5. ^ Wong, Ming (1976). La Médecine chinoise par les plantes. Le Corps a Vivre series. Éditions Tchou.
  6. ^ Hajimonfarednejad, M; Ostovar, M; Raee, M. J; Hashempur, M. H; Mayer, J. G; Heydari, M (2018). “Cinnamon: A systematic review of adverse events”. Clinical Nutrition (Edinburgh, Scotland) 0. doi:10.1016/j.clnu.2018.03.013. PMID 29661513. https://www.clinicalnutritionjournal.com/article/S0261-5614(18)30125-0/fulltext. 
  7. ^ NPR: German Christmas Cookies Pose Health Danger
  8. ^ High daily intakes of cinnamon: Health risk cannot be ruled out. BfR Health Assessment No. 044/2006, 18 August 2006 15p

推薦すいせん文献ぶんけん[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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ハーブ・香辛料こうしんりょう
 
 
 
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