オールスパイス

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オールスパイス
分類ぶんるいAPG III
さかい : 植物しょくぶつかい Plantae
階級かいきゅうなし : 被子植物ひししょくぶつ angiosperms
階級かいきゅうなし : 真正しんしょうそう子葉しようるい eudicots
階級かいきゅうなし : コア真正しんせいそう子葉しようるい core eudicots
階級かいきゅうなし : バラるい rosids
階級かいきゅうなし : アオイるい malvids
: フトモモ Myrtales
: フトモモ Myrtaceae
ぞく : オールスパイスぞく[1]
Pimenta [1]
たね : オールスパイス[2]
P. dioica [2]
学名がくめい
Pimenta dioica
(L.) Merr. (1947) [2]

オールスパイス (allspice, Pimenta dioica) は、フトモモ植物しょくぶつで、果実かじつまたは香辛料こうしんりょうとしてもちいられる。名前なまえ由来ゆらいは、シナモンクローブナツメグの3つのかおりをあわつといわれることから(「スパイス各種かくしゅわせたもの」ではない)。 別名べつめいジャマイカペッパーといい、クリストファー・コロンブスによってジャマイカからヨーロッパにかえられた。東洋とうようでは百味ひゃくみ胡椒こしょう三香子みかこともばれる[3]

オールスパイスは現在げんざいでも中南米ちゅうなんべい産地さんちであり、果実かじつ未熟みじゅくなうちに収穫しゅうかく乾燥かんそうさせてつくられる。普通ふつうはパウダーで使つかわれることがおおいが、ピクルスえきなどではホールでも使つかわれる。一般いっぱんには食卓しょくたくようというより調理ちょうりちゅう使つかわれることおおい。クローブやシナモンとおなじくオイゲノール主成分しゅせいぶんのため、傾向けいこうのスパイシーなあじかおりをつ。トマトとの相性あいしょうがよく、ハンバーグソーセージなどのにく料理りょうり、ピクルスやソースもちいられる。あま料理りょうりやデザート、果実かじつにもいている。また、上記じょうきのシナモン・クローブ・ナツメグと併用へいようするとかおりが調和ちょうわしマイルドになる[4]

オールスパイスは、せい加熱かねつ調理ちょうりかにかかわらずαあるふぁ-アミラーゼおよびαあるふぁ-グルコシダーゼ顕著けんちょ阻害そがい作用さようしめし、糖尿とうにょうびょう予防よぼう利用りようできる可能かのうせい示唆しさされている[5]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b 米倉よねくら浩司こうじ高等こうとう植物しょくぶつ分類ぶんるいひょう』(重版じゅうはんきたたかしかん、2010ねんISBN 978-4-8326-0838-2 
  2. ^ a b c 米倉よねくら浩司こうじ梶田かじたただし (2003-). “Pimenta dioica (L.) Merr.”. BG Plants 和名わみょう学名がくめいインデックス(YList). 2012ねん8がつ18にち閲覧えつらん
  3. ^ ハーブ・スパイスの事典じてん編集へんしゅう『ハーブ・スパイスの事典じてん』、成美せいびどう出版しゅっぱん、2013ねん、p25
  4. ^ 青山あおやまスパイスクラブ『かんたんスパイス40』、どう文書ぶんしょいん、1996ねん、p12-13
  5. ^ 市販しはん香辛料こうしんりょうαあるふぁ-アミラーゼ活性かっせいおよびαあるふぁ-グルコシダーゼ活性かっせいおよぼす影響えいきょう三浦みうら 理代りよ五明ごみょう おさむはる日本にっぽん食品しょくひん科学かがくこう学会がっかい、Vol.43 (1996) No.2 p157-163

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

  • バニラ - おなじくコロンブスによってかえられた香辛料こうしんりょう