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シールドトンネル

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
東京とうきょうメトロ半蔵門線はんぞうもんせん錦糸町きんしちょうえき付近ふきんのシールドトンネル(えきホームから撮影さつえい

シールドトンネルは、シールド工法こうほうによって掘削くっさくされたトンネルである。

概要がいよう

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「シールド」とばれるつつ(ないしはこ)で切羽きりは(きりは)後方こうほうのトンネル壁面へきめん一時いちじてきささえ、切羽きりは掘削くっさくしながら逐次ちくじシールドを前進ぜんしんさせるとともに、シールドの後方こうほう壁面へきめん構築こうちくする。

現代げんだいではもっぱら、高度こうど機械きかいされたシールドマシン使つかい、壁面へきめん分割ぶんかつされたはがねせいまたはコンクリートせいブロック(セグメント)をげボルトで緊結して構築こうちくする[1]。コンクリートせいセグメントは工場こうじょう大量たいりょう生産せいさんできるので、コストめんすぐれる。

開削かいさく工法こうほうや沈埋トンネル工法こうほうなどとちがって一部いちぶのぞいて地上ちじょう部分ぶぶんおおきくげる必要ひつようせいひくいので掘削くっさくちゅう地上ちじょう部分ぶぶんへの影響えいきょうおさえることが可能かのうである。

軟弱なんじゃく地盤じばんでもすすむことができる、というのが最大さいだい特徴とくちょうで、水底みなそこトンネル掘削くっさく活躍かつやくした。土地とち利用りよう深度しんどともない、最近さいきん地下鉄ちかてつ道路どうろおも都市としない)、共同きょうどうみぞ下水道げすいどう地下ちか水路すいろ地下ちか河川かせんなどのトンネル工事こうじでは、シールドトンネルがおお採用さいようされている。

歴史れきし

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シールドトンネルの歴史れきしは、イギリスロンドンテムズがわ河底かわぞこにトンネルを建設けんせつしようとしたことからはじまる[2]当時とうじ、テムズがわ上流じょうりゅうには多数たすうはしがあったが、下流かりゅうたか帆船はんせん往来おうらいがあり、はしけることができなかったためである[2]おおくの技術ぎじゅつしゃがトンネルの掘削くっさくこころみていたが、いずれも失敗しっぱいわっていた[2]

シールド工法こうほうによる最初さいしょ成功せいこうれいとなったトンネルは、マーク・イザムバード・ブルネルによって開発かいはつされ[3]かれトマス・コクランによって1818ねん1がつ特許とっきょ取得しゅとくされた。ブルネルがシールド工法こうほうおもいついたのは、造船ぞうせんしょはたらいているときにフナクイムシふねむし)に起源きげんがあるといわれている[2]。フナクイムシは水中すいちゅう木質もくしつあなけてそこにむため、木造もくぞうせん天敵てんてきであり研究けんきゅう対象たいしょうとなっていた。水中すいちゅう木材もくざいたんあなけただけでは、すぐに周囲しゅうい木材もくざい膨張ぼうちょうあなせばまってしまうが、フナクイムシは石灰せっかいしつ壁面へきめんにすりつけていちしゅの「トンネル」をつくっているのである[2]。ブルネルと息子むすこイザムバード・キングダム・ブルネルは、テムズトンネル掘削くっさくにシールド工法こうほう採用さいようし、1825ねん3がつ立坑たてこう建設けんせつ開始かいしよく1826ねん1がつから世界せかいはじめてシールド方式ほうしきによる掘削くっさく開始かいしした[2]機材きざいにはロンドン・ランバースの Maudslay, Sons & Field(排水はいすいようスチームポンプ建造けんぞう)が使つかわれた。だが開通かいつうは1843ねんまでたなくてはならなかった[3]

ブルネルしきは1870ねん、ロンドン中央ちゅうおうながれるテムズがわしたへのタワー地下道ちかどう (Tower Subway) の建設けんせつちゅうに、ピーター・バーロウ英語えいごばんによって、大幅おおはば改善かいぜんされた。バーロウしきもっと決定的けっていてき技術ぎじゅつ革新かくしんは、ブルネルしき長方形ちょうほうけい断面だんめんシールドを、円形えんけい断面だんめんとしたてんである。これにより建設けんせつ作業さぎょう単純たんじゅん周囲しゅうい土砂どしゃ支持しじ大幅おおはば改善かいぜんされた。

さらにバーロウしきは、1884ねんシティ・アンド・サウス・ロンドン鉄道てつどう現在げんざいロンドン地下鉄ちかてつノーザンせん一部いちぶ区間くかん)の建設けんせつジェームズ・グレートヘッドによって大型おおがたなどの改善かいぜんおこなわれた。現在げんざいはほとんどのシールドトンネルが、グレートヘッドしき基本きほんとしている。

初期しょき掘削くっさく方式ほうしきは、機械きかいカッターがすすめるものではなく作業さぎょういん人力じんりきすすめる「しきシールド」であったが、1897ねんセントラル・ロンドン鉄道てつどう現在げんざいのロンドン地下鉄ちかてつセントラルせん)において、世界せかいはじめての機械きかいしきシールド実用じつようされている[2]

日本にっぽんでは、1917ねん羽越本線うえつほんせん折渡おりわたりトンネル一部いちぶ区間くかん単線たんせんシールドトンネルがはじめて採用さいようされた[3]。1936ねんには海底かいてい鉄道てつどうトンネルである関門かんもん鉄道てつどうトンネルでも採用さいようされ、1964ねんには大阪おおさか市営しえい地下鉄ちかてつげん・Osaka Metro)中央ちゅうおうせんで、日本にっぽんはつ複線ふくせんシールドトンネルが採用さいようされた。

下水道げすいどうでは1962ねん4がつ完成かんせいは1963ねん3がつ)、東京とうきょう下水道げすいどうきょく石神井しゃくじい川下かわしも幹線かんせん一部いちぶ工事こうじ件名けんめい石神井しゃくじい川下かわしも幹線かんせんその9工事こうじ東京とうきょうきた王子本おうじほんまち)で、はじめてシールド工法こうほう使用しようされた[4][5][6]とく都市としされたまちではインフラ整備せいびいそがれ、開削かいさく工法こうほうであるシールド工法こうほう下水道げすいどう建設けんせつおおきな威力いりょく発揮はっきした[4](ただし、下水道げすいどうには開削かいさく工法こうほうとして推進すいしん工法こうほうもある)。

シールド工法こうほう

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半蔵門線はんぞうもんせん住吉すみよしえきからたシールドトンネルの断面だんめんえきホームから撮影さつえい
供用きょうようちゅうのシールドトンネルの内部ないぶりんかいせん大井おおいまちえき、2006ねん8がつ11にち撮影さつえい
密閉みっぺいがたシールド工法こうほう複線ふくせん鉄道てつどうシールドトンネル(相鉄そうてつせん西谷にしたにトンネル、羽沢はざわ横浜国大よこはまこくだいえき、2024ねん6がつ

シールドトンネルは現代げんだいではシールドマシン使用しようして掘削くっさくされ、その施工しこうほうはシールド工法こうほうばれる[7]一般いっぱんてきなシールド工法こうほう手順てじゅん以下いかとおりである。

シールドマシン

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設置せっち

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シールドマシンを地下ちかはこ発進はっしんさせるために開削かいさく工法こうほうによって立坑たてこう縦穴たてあな)が掘削くっさく構築こうちくされ、坑内こうない発進はっしん設備せつびおさめられ、基地きちつくられる。シールドマシンは鉄鋼てっこうメーカーなどの工場こうじょう製作せいさくされるが、よほどしょう口径こうけいではないかぎり、工事こうじ現場げんば搬入はんにゅうされるまえにいったん分割ぶんかつされ、運搬うんぱんされる。工事こうじ現場げんば発進はっしん基地きちはこばれたシールドマシンは、大型おおがたクレーンによって立坑たてこうろされ、再度さいどてられる。

この立坑たてこうは、トンネル完成かんせい鉄道てつどうではえき道路どうろでは換気かんきとう下水道げすいどうではひとあなマンホール)などに転用てんようされることがおおい(転用てんよう最初さいしょから計画けいかくんで、地下鉄ちかてつであればえき予定よていえき予定よていあいだこうとするといったように調整ちょうせいがされる)。

シールドマシンは一般いっぱんてきには円筒えんとうがたである。マシン本体ほんたい外周がいしゅう甲殻こうかくは、マシン内部ないぶでトンネルが構築こうちくされるまでのあいだやまからのあつ地下水ちかすいあつえる役割やくわりたす。

掘削くっさく

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マシン先端せんたん切羽きりはせっする部分ぶぶんカッターヘッドという回転かいてんするめんばんとなっており、ここにおろしがねのようなこまかいカッタービットあるいはビットとばれる)やローラーカッターが円周えんしゅうじょう放射状ほうしゃじょうおお配置はいちされている。ビットはつねやませっ軟弱なんじゃく - 硬質こうしつを、ローラーカッターは玉石ぎょくせき、または岩盤がんばん切削せっさくするというもっと過酷かこく環境かんきょうにあるため、ちょうかた合金ごうきんしょうゆいタングステンカーバイドなどの強靭きょうじん素材そざいもちいられる。また、カッターヘッドのかたちによってトンネルのかたちわってくる。そのかたち四角形しかっけいからえんならべたものなど様々さまざまである。

シールドマシンの後部こうぶにはジャッキ円周えんしゅうじょう配置はいちされており、このジャッキの推進すいしんりょくでマシン全体ぜんたい前進ぜんしんさせ、先端せんたん切羽きりは地盤じばんけながらカッターヘッドを回転かいてんさせてやま掘削くっさく前進ぜんしんする。また、シールドマシンのかたちによってトンネルのかたちわってくる。

泥土でいどあつしきシールドで土砂どしゃあつおく方式ほうしきによって土砂どしゃ搬出はんしゅつする場合ばあい掘削くっさくされた土砂どしゃ(ズリ)は切羽きりは塑性そせい流動りゅうどうしてパイプで地上ちじょうまで輸送ゆそうされる。またズリこうしゃ方式ほうしきによって土砂どしゃ搬出はんしゅつする場合ばあい、シールドマシンのスクリューからベルトコンベア後方こうほう台車だいしゃ後部こうぶまで土砂どしゃ輸送ゆそうしてはがねしゃせる。土砂どしゃせたはがねしゃはトロッコによって立坑たてこう下部かぶまで移動いどうし、はがねしゃのみをクレーンによって立坑たてこう上部じょうぶ地上ちじょう)にげる。げられたはがね車内しゃない土砂どしゃ地上ちじょうヤードまたは立坑たてこうない設置せっちされたピットや土砂どしゃ処理しょり施設しせつ処理しょり脱水だっすいされてダンプトラックをもちいてじょう産業さんぎょう廃棄はいきぶつ処理しょりじょう搬出はんしゅつされる。

くつがえこう

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マシン内部ないぶではあらかじめ工場こうじょう製作せいさくされたセグメント(円弧えんこじょうのブロックで、鉄筋てっきんコンクリートせいはがねせい鋳鉄ちゅうてつせいなど)を機械きかいによりみあげ、トンネル本体ほんたいがトンネル断面だんめんの1しゅうぶん(1リング)ずつ構築こうちくされる。セグメントは基本きほんてきにセグメント組立くみたて装置そうち(エレクター)でてられる[8][9][10]。エレクターは、初期しょき手動しゅどう位置決いちぎめをおこなっていたが(手動しゅどうがたエレクター)、後年こうねんにはぜん自動じどうがたエレクター(1992ねん東京湾とうきょうわんアクアライン建設けんせつはつ採用さいよう[11][12])も登場とうじょうするが、コストめん人間にんげん確認かくにんしてからと、機械きかい指定していひとほろ調整ちょうせいおこなはん自動じどうがたエレクターを選択せんたくする現場げんばおお[8]

セグメントは工場こうじょうからトレーラーで現場げんば搬入はんにゅうされ、立坑たてこうから地下ちかのシールドマシン内部ないぶまでクレーンとトロッコはこまれる。

セグメントが1リングぶん配置はいちされると、その部分ぶぶんのトンネル本体ほんたい完成かんせいする。鉄道てつどう道路どうろトンネルでは、1リングは5 - 10程度ていどのセグメントで構成こうせいされ、セグメントのはば(トンネル縦断じゅうだん方向ほうこうながさ)は0.3 - 1.8m程度ていどである。これらはトンネルのみち形状けいじょう用途ようと使用しようするセグメントとうによってことなる。

セグメントはいちくつがえこうともばれ、さらに軌道きどう敷設ふせつ道路どうろ床板とこいた設置せっち防水ぼうすい防火ぼうかなどの目的もくてきのため、完成かんせいしたセグメントの内側うちがわくつがえこうとしてコンクリートがしつらえされる[13]。ただし、鉄道てつどうトンネルで鋳鉄ちゅうてつセグメントの場合ばあいには省略しょうりゃくされることがあったほか、近年きんねんでは下水道げすいどう道路どうろトンネルでもくつがえこうおこなわない事例じれいえている[13][14][15]

また、セグメントでつくられるトンネルは、シールドマシンのそとみちよりもちいさいため、セグメントとやまあいだにはすう cmの隙間すきまができる[16]。これを「テールボイド」とび、放置ほうちすると地盤じばん沈下ちんかなど地上ちじょうおおきな影響えいきょうおよぼすことから、うらざい注入ちゅうにゅうおこな[16][17]

セグメントの種類しゅるい

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  • 木製もくせいセグメント - おも木材もくざい豊富ほうふなアメリカで使用しよう[13]日本にっぽん国内こくないでは川崎かわさき導水どうすいトンネルに1けんだけ採用さいようがある[13]
  • 鉄筋てっきんコンクリート (RC)せい セグメント(プレキャストセグメント[18]とく鉄道てつどうトンネルでは一般いっぱんてきである[4]
  • はがねせいセグメント(鋼材こうざいせいかん加工かこうして製作せいさく)[19]
  • 鋳鉄ちゅうてつせいダクタイル)セグメント[20] - 合成ごうせいセグメントで代用だいようされることもおおく、2009ねん日本にっぽん国内こくないでの製造せいぞう中止ちゅうし[13][4]
  • 合成ごうせいセグメント[21](はがねせいセグメントに鉄筋てっきん配置はいちしコンクリートをしつらえしたもの・コンポジットセグメントという商品しょうひんめい)

前進ぜんしん

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セグメントが1リングぶんみあがると、みあがった部分ぶぶん(セグメントリング)にジャッキのはんちからをとってシールドマシンを前進ぜんしんさせ、つぎ掘削くっさく推進すいしんおこなう。上記じょうきの2 - 3の工程こうていかえしながらトンネルを1リングごとにげる。

廃棄はいき

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中之島なかのしまえき終端しゅうたん
名古屋なごや交通こうつうきょく日進にっしん工場こうじょう保存ほぞんされているシールドマシン
小田急おだきゅう小田原おだわらせん世田谷せたがや代田だいだえきではシールドマシンのそとからをトンネルの一部いちぶとした

トンネル完成かんせいのシールドマシンは、その解体かいたいして部品ぶひんとして回収かいしゅうするか、脇道わきみち地中ちちゅう埋没まいぼつさせ、廃棄はいきされることがおおいが、そとからをトンネルの構造こうぞうぶつ一部いちぶとしてのこれいもある。これは、壁面へきめん観察かんさつするとわかることがある。

上記じょうきのように、基本きほんてきには現場げんばごとにオーダーメイドされるいちてんものであるが、まれに、べつのトンネルのためにさい利用りようされることもある。さい利用りようされない場合ばあい保存ほぞん展示てんじがされるケースもあり、京阪けいはん中之島なかのしません中之島なかのしまえきには、シールドマシンのカッター部分ぶぶん一部いちぶ)がモニュメントとしてトンネル終端しゅうたん保存ほぞんされている。

うみほたるパーキングエリアには、東京湾とうきょうわん海底かいていトンネルの掘削くっさく使つかわれた巨大きょだいなカッターを加工かこうした巨大きょだいモニュメントがある。名古屋なごや交通こうつうきょく日進にっしん工場こうじょうなどには、シールドマシンが保存ほぞん展示てんじされている。

補助ほじょ工法こうほう

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シールドトンネルで使用しようされる補助ほじょ工法こうほうについて記載きさいする[22]。これらはおも開放かいほうがたシールドマシンでの掘削くっさくには不可欠ふかけつ工法こうほうであった[22]

あつ工法こうほう

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シールド工事こうじにおいて、大気たいきあつやまをそのまますすめることは、やま崩落ほうらく湧水わきみず発生はっせいのおそれがある[23]。このため、坑内こうない圧縮あっしゅく空気くうきおくり、気圧きあつげることで崩落ほうらく湧水わきみずおさえるのがあつ工法こうほうである[23]あつ工法こうほう経済けいざいてきで、適切てきせつ使用しようすれば安定あんていせいたか工法こうほうである[23]。(あつ工法こうほう自体じたいはシールドの工事こうじかぎられない)しかし、作業さぎょういん出入でいりに手間てまようし、とくさい減圧げんあつしょう危険きけんがあった。

また、御徒町おかちまちトンネル陥没かんぼつ事故じこのように、あさ場所ばしょ土砂どしゃばしてしまう事故じこがあった[24]切羽きりはから漏出ろうしゅつした圧縮あっしゅく空気くうきが、やまふくまれる硫化りゅうかてつ炭酸たんさん水素すいそてつ反応はんのうして酸化さんかだいてつ変化へんかする[22]。このとき多量たりょう酸素さんそ消費しょうひし、酸素さんそすくなくなったさんかけ空気くうき地下ちかしつ地下鉄ちかてつなどに噴出ふんしゅつし、さんかけ事故じこ発生はっせいさせた[25][22]

つぎべる地盤じばん改良かいりょう工法こうほうとして使用しようする薬液やくえき地下水ちかすい汚染おせんし、住民じゅうみん健康けんこう被害ひがい発生はっせいさせて社会しゃかい問題もんだい発展はってんしたことがある[22]。これは1974ねん3がつに、福岡ふくおかけん新宮しんぐうまち下水げすいかん工事こうじ使用しようしたアクリルアミドけい薬剤やくざい「ケミカルグラウト」が井戸いどなが、その井戸水いどみず飲用いんようした住民じゅうみん健康けんこう被害ひがい発生はっせいした事故じこである(新宮しんぐう奇病きびょう[26]。この事故じこから、当時とうじ建設省けんせつしょうによってみずガラスけい薬液やくえき主成分しゅせいぶんケイ酸けいさんナトリウム)で、げきぶつまたはフッ素ふっそ化合かごうぶつふくまない薬液やくえき以外いがい使用しようきびしく規制きせいされた[27][28][22]

近年きんねんのシールド工事こうじでは、切羽きりはめんのみに加圧かあつする密閉みっぺいがたシールド(泥水どろみず加圧かあつしき泥土でいど加圧かあつしき)が採用さいようされ、あつ工法こうほうはほとんど使つかわれなくなっている[23]

地盤じばん改良かいりょう工法こうほう

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  • 注入ちゅうにゅう工法こうほう - 地盤じばん薬剤やくざい注入ちゅうにゅうすることで、地盤じばん安定あんていさせる[22]
  • 噴射ふんしゃ攪拌工法こうほう
  • 凍結とうけつ工法こうほう

地下水ちかすい低下ていか工法こうほう

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  • ウェルポイント工法こうほう[29]
  • ディープウェル工法こうほう[30]
  • パイロットトンネル工法こうほう - ほんシールドに先行せんこうしてパイロットトンネルを掘削くっさくして、地下水ちかすい低下ていかさせる[22]

採用さいようれい

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鉄道てつどうトンネル

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日本にっぽんはじめてシールド工法こうほう使用しようこころみられた[31]折渡おりわたりトンネル

かく路線ろせんとも路線ろせん一部いちぶまたはだい部分ぶぶん採用さいようされている。

国鉄こくてつ - JRせん

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私鉄してつせん

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地下鉄ちかてつせん

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海外かいがい

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鉄道てつどうえき

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道路どうろトンネル

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水路すいろ

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ セグメント『新版しんぱん 2きゅう土木どぼく施工しこう管理かんり技士ぎし 受験じゅけんよう図解ずかいテキスト5 用語ようごしゅう』p88 土木どぼく施工しこう管理かんり技士ぎしテキスト編集へんしゅう委員いいんかいへん 1987ねん
  2. ^ a b c d e f g 日本にっぽんトンネル技術ぎじゅつ協会きょうかい設立せつりつ40周年しゅうねん記念きねん事業じぎょう シールド技術ぎじゅつ変遷へんせん』pp.1-2 - 1-9。
  3. ^ a b c 河田かわた博之ひろゆき「トンネルコンクリートの歴史れきし (鉄道てつどうシールドトンネル)」『土木どぼく学会がっかいろん文集ぶんしゅうだい1993かんだい460ごう土木どぼく学会がっかい、1993ねん、7-11ぺーじdoi:10.2208/jscej.1993.460_7 
  4. ^ a b c d 日本にっぽんトンネル技術ぎじゅつ協会きょうかい設立せつりつ40周年しゅうねん記念きねん事業じぎょう シールド技術ぎじゅつ変遷へんせん』pp.4-12- 4-16。
  5. ^ 山海さんかいどう土木どぼく施工しこう』1963ねん3がつごう施工しこう研究けんきゅう「シールド工法こうほうによる東京とうきょう下水道げすいどう建設けんせつ工事こうじ」pp.46 - 52。
  6. ^ 推進すいしん計画けいかく2016東京とうきょう下水道げすいどうきょく・インターネットアーカイブ)。
  7. ^ 安全あんぜん快適かいてき地下鉄ちかてつ目指めざして(営団えいだん地下鉄ちかてつホームページ(インターネットアーカイブ・2004ねん時点じてんはん)。
  8. ^ a b 日本にっぽんトンネル技術ぎじゅつ協会きょうかい設立せつりつ40周年しゅうねん記念きねん事業じぎょう シールド技術ぎじゅつ変遷へんせん』pp.3-15 - 3-16。
  9. ^ 和田わだ雅史まさしシールドセグメントの自動じどう組立くみたてシステム」『日本にっぽんロボット学会がっかいだい8かんだい2ごう、1990ねん、215-221ぺーじdoi:10.7210/jrsj.8.215 
  10. ^ 技術ぎじゅつ紹介しょうかい - セグメント自動じどう組立くみたてシステム(JIMテクノロジー・インターネットアーカイブ)。
  11. ^ 増田ますだたかし, 若月わかつきゆたか, 岡崎おかざきみやびこう, 鈴木すずき俊夫としお, 桑原くわばら紘一こういちろうセグメント自動じどう組立くみたてシステムの特長とくちょう実績じっせき : 東京湾横断道路とうきょうわんおうだんどうろ川崎かわさきトンネル浮島うきしまみなみ工事こうじ」『トンネル工学こうがく研究けんきゅう発表はっぴょうかい論文ろんぶん報告ほうこくしゅうだい7かん土木どぼく学会がっかい、1997ねん、267-272ぺーじdoi:10.11532/journalte1991.7.267 
  12. ^ 命運めいうんけたシールドマシンが東京とうきょうわん海底かいていつらぬ(IHI・インターネットアーカイブ)
  13. ^ a b c d e 日本にっぽんトンネル技術ぎじゅつ協会きょうかい設立せつりつ40周年しゅうねん記念きねん事業じぎょう シールド技術ぎじゅつ変遷へんせん』pp.4-1 - 4-33・4-69。
  14. ^ 小泉こいずみあつしくつがえこう省略しょうりゃくしたシールド工事こうじようセグメント」『コンクリート工学こうがくだい38かんだい5ごう、2000ねん、38-43ぺーじdoi:10.3151/coj1975.38.5_38 
  15. ^ 松浦まつうら將行まさゆき, 高久たかく節夫せつお, 斉藤さいとう正幸まさゆき二次覆工一体型セグメントとその標準ひょうじゅん」『トンネル工学こうがく研究けんきゅう発表はっぴょうかい論文ろんぶん報告ほうこくしゅうだい12かん土木どぼく学会がっかい、2002ねん、507-512ぺーじdoi:10.11532/journalte1991.12.507 
  16. ^ a b 日本にっぽんトンネル技術ぎじゅつ協会きょうかい設立せつりつ40周年しゅうねん記念きねん事業じぎょう シールド技術ぎじゅつ変遷へんせん』pp.3-27・3-28・4-1。
  17. ^ 事業じぎょう紹介しょうかい - うら注入ちゅうにゅうこう(タック・インターネットアーカイブ)。
  18. ^ RCセグメントの特長とくちょう日本にっぽんシールドセグメント技術ぎじゅつ協会きょうかい・インターネットアーカイブ)。
  19. ^ はがねせいセグメントの特長とくちょう日本にっぽんシールドセグメント技術ぎじゅつ協会きょうかい・インターネットアーカイブ。
  20. ^ 佐藤さとう宏志ひろし, 渡辺わたなべひとし, しなこう二郎じろう, 小泉こいずみあつしダクタイルセグメントの耐食性たいしょくせい耐久たいきゅうせいかんする調査ちょうさ研究けんきゅう」『土木どぼく学会がっかいろん文集ぶんしゅうだい2004かんだい756ごう、2004ねん、21-31ぺーじdoi:10.2208/jscej.2004.756_21 
  21. ^ 合成ごうせいセグメントの特長とくちょう日本にっぽんシールドセグメント技術ぎじゅつ協会きょうかい・インターネットアーカイブ。
  22. ^ a b c d e f g h 日本にっぽんトンネル技術ぎじゅつ協会きょうかい設立せつりつ40周年しゅうねん記念きねん事業じぎょう シールド技術ぎじゅつ変遷へんせん』pp.3-53 - 3-56。
  23. ^ a b c d 日本にっぽんトンネル技術ぎじゅつ協会きょうかい設立せつりつ40周年しゅうねん記念きねん事業じぎょう シールド技術ぎじゅつ変遷へんせん』pp.3-1・3-6。
  24. ^ 御徒町おかちまちトンネル工事こうじにおける薬液やくえき注入ちゅうにゅうこう施工しこうについて会計検査院かいけいけんさいん平成へいせい2年度ねんど決算けっさん検査けんさ報告ほうこく・インターネットアーカイブ)。
  25. ^ 冨田とみた絹子きぬこ酸素さんそ欠乏けつぼう事故じこについて」『生活せいかつ衛生えいせいだい15かんだい6ごう大阪おおさか生活せいかつ衛生えいせい協会きょうかい、1971ねん、188-193ぺーじdoi:10.11468/seikatsueisei1957.15.188 
  26. ^ アクリルアミドによる環境かんきょう汚染おせんとその毒性どくせい全国ぜんこく公害こうがいけん会誌かいし・インターネットアーカイブ)。
  27. ^ 薬液やくえき注入ちゅうにゅう工法こうほうによる建設けんせつ工事こうじ施工しこうかんする暫定ざんてい指針ししんについて(インターネットアーカイブ)。
  28. ^ 薬液やくえき注入ちゅうにゅう工法こうほうについて(インターネットアーカイブ)。
  29. ^ ウェルポイント工法こうほう日本にっぽんウェルポイント協会きょうかい・インターネットアーカイブ)。
  30. ^ ディープウェル工法こうほう日本にっぽんウェルポイント協会きょうかい・インターネットアーカイブ)。
  31. ^ 下川しもかわ耿史 『環境かんきょう年表ねんぴょう 明治めいじ大正たいしょうへん(1868-1926)』p339 河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ 2003ねん11月30日刊にっかん 全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:20522067
  32. ^ 快適かいてき安全あんぜん地下鉄ちかてつ目指めざして(営団えいだん地下鉄ちかてつホームページ)(インターネットアーカイブ・2004ねん時点じてんはん)。
  33. ^ 先端せんたん技術ぎじゅつ紹介しょうかい|東京とうきょうSMOOTH

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 日本にっぽんトンネル技術ぎじゅつ協会きょうかい設立せつりつ40周年しゅうねん記念きねん事業じぎょう シールド技術ぎじゅつ変遷へんせん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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