ジャン・サージュ

ジャン・サージュ Jean Sage
生誕せいたん	(1941-07-05) 1941年ねん7月がつ5日にち フランス ティエール
死没しぼつ	(2009-10-08) 2009年ねん10月8日にち（68歳さい没ぼつ） フランス アヌシー
国籍こくせき	フランス
職業しょくぎょう	チームマネージャー（モータースポーツ）

ジャン・サージュ（Jean Sage、1941年ねん7月がつ5日にち - 2009年ねん10月8日にち）は、フランス出身しゅっしんのレーシングドライバーで、1970年代ねんだいから1980年代ねんだいにかけて、フランスの自動車じどうしゃ会社かいしゃであるルノーのフォーミュラ1チーム（ルノーF1）でチームマネージャーだったことで知しられる。

経歴けいれき

フランス中部ちゅうぶのピュイ＝ド＝ドーム県けんティエールの裕福ゆうふくな家いえに生うまれた。

10歳さいの頃ころはシャンベリに住すんでおり、近所きんじょに所在しょざいしていたエクス＝レ＝バン・サーキットへと母親ははおやによって散歩さんぽがてら連つれられていき、そこで開催かいさいされるフォーミュラ2（F2）のレースをしばしば観戦かんせんするという環境かんきょうで育そだった。

父親ちちおやは自動車じどうしゃには全まったく関心かんしんを持もっていなかったが、サージュは車くるまやレースに情熱じょうねつを注そそぐようになり、10代半なかばの頃ころにはラリー競技きょうぎをしていた友人ゆうじんたちを手伝てつだうようになった。

ドライバー

20歳さいの時とき（1960年ねん頃ごろ）、エイビスレンタカーのジュネーブ支店してんで勤務きんむする傍かたわら、ラリー仕様しようのフェラーリ・250GT SWBを駆かるアンドレ・シモンのコ・ドライバーとなり、初はじめてのラリー（レース）に挑いどんだ。

その後ご、ジャン＝ピエール・アンリウ、ジェラール・ラルースとも組くんでスポーツカーレースへの参戦さんせんを続つづけ、1960年代ねんだい初はじめにはF3にも参戦さんせんした。

1967年ねんにはエイビスレンタカーのローザンヌ支店してん長ちょうとなっていたが、この年としから、モータースポーツをフルタイムの仕事しごとにして専念せんねんすることにした。この時期じきのサージュは、ルノー・アルピーヌのラリーチームの臨時りんじメンバーをしばしば務つとめるようになっており、ル・マン24時じ間あいだレースにおいても3回かいの参戦さんせんを果はたした。

チームマネージャー

1972年ねん、ラルースがポール・アーシャンボー（Paul Archambeaud）が設立せつりつしたレーシングチームのドライバーとなり、この時ときにサージュはチームマネージャーにならないかとラルースから誘さそわれ、これを契機けいきにドライバーを引退いんたいして、チームマネージャー業ぎょうを始はじめた。

1973年ねんにはアーシャンポーのチームをラルースとともに買かい取とり、「エキュリー・エルフ・チーム・スイス」を立たち上あげた。同どうチームはレーシングスポーツカーの製造せいぞうを目指めざしたが、ほどなく、フォーミュラ2（F2）におけるレース参戦さんせんに注力ちゅうりょくするようになり、1976年ねんのヨーロッパF2選手権せんしゅけんにおいて、サージュとラルースが指導しどうしていた若手わかてのジャン＝ピエール・ジャブイーユを擁ようし、チャンピオンへと押おし上あげた（ラルースは1975年ねんにルノーに引ひき抜ぬかれたため離脱りだつ）。

ルノーF1 (1977年ねん - 1987年ねん)

1976年ねん、ルノーにより同社どうしゃのモータースポーツ責任せきにん者しゃに任命にんめいされたラルースが、それまでのルノー・アルピーヌを改組かいそする形かたちで、ルノー・スポールを設立せつりつした。

ルノー本社ほんしゃの意向いこうで、ルノーは1977年ねんからF1に参戦さんせんすることになり、1977年ねん初はじめ、ラルースにより、サージュはルノーF1のチームマネージャーとして雇やとわれた（チーム代表だいひょうはラルース）。その後ご、サージュは一貫いっかんしてルノーのF1チームのマネージャーを務つとめ、この間あいだにルノーは1979年ねんフランスグランプリにおいてF1初はつ優勝ゆうしょうを達成たっせいし、1983年ねんシーズンにはアラン・プロストがシーズン最終さいしゅう戦せんまでチャンピオンタイトルを争あらそった。1985年ねん限かぎりでルノーのフルワークスチームが撤退てったいした後のちもサージュはしばらく留とまり、1987年ねん末まつにルノーを去さった。

その後ご

ルノーから去さった後のちは、シャルル・ポッツィのレーシングチームであるフェラーリ・フランスに加入かにゅうし、チーム運営うんえいを任まかされた。このチームでは、1989年ねんから1990年ねんにかけて、北米ほくべいのIMSA GT選手権せんしゅけんにフェラーリ・F40を参戦さんせんさせており、ジャン・アレジ、ジャン＝ルイ・シュレッサーらとも協きょう働はたらかした。

サージュは1970年代ねんだい以前いぜんからフェラーリを中心ちゅうしんとした自動車じどうしゃコレクターであり、2000年代ねんだいまで収集しゅうしゅう家かとして活動かつどうを続つづけ、ヒストリックレースイベントに自みずからステアリングホイールを握にぎってたびたび出場しゅつじょうした。

晩年ばんねんは癌がんとの闘病とうびょう生活せいかつを送おくり、2009年ねん10月がつ8日にちに68歳さいで死去しきょした。

レース戦績せんせき

ル・マン24時じ間あいだレース

年とし	チーム	コ・ドライバー	車両しゃりょう	クラス	周回しゅうかい数すう	総合そうごう 順位じゅんい	クラス 順位じゅんい
1970年ねん	C. Haldi	ピエール・グリューブ（Pierre Greub）	ポルシェ・911S	GT2.0	254	NC	NC
1971年ねん	Ecurie Porsche Club Romand	パウル・ケラー（Paul Keller）	ポルシェ・914/6 GT	GT2.0	61	DNF	DNF
1972年ねん	J. Sage Gelo Racing Team	ゲオルク・ルーズ (Georg Loos) フランツ・ペッシュ（Franz Pesch）	ポルシェ・911S	GTS2.5	64	DNF	DNF

エピソード

ルノーF1の車両しゃりょう

• フェラーリ・250GTでレースを始はじめる前年ぜんねん、サージュはある国内こくないラリーの手伝てつだいで、第だい1チェックポイントの係員かかりいんをしていた。そこへ、フランス国内こくないラリーの有力ゆうりょくドライバーだったルネ・トラウトマンのシトロエンが到着とうちゃくし、その後うしろに別べつの車くるまが到着とうちゃくした。その車くるまのコ・ドライバーは初心者しょしんしゃで、第だい1ステージで感かんじた恐怖きょうふのあまり車しゃから逃にげ出だしてしまうという出来事できごとがあった。サージュとトラウトマンは互たがいによく知しる仲なかで、トラウトマンが後うしろの車くるまのドライバーにサージュを乗のせるよう勧すすめ、サージュはコ・ドライバーを体験たいけんすることができた。この出来事できごとにより、サージュは翌年よくねんにアンドレ・シモンからラリー参戦さんせんに誘さそわれることになった。
• 1966年ねん、映画えいが『グラン・プリ』（1966年ねん12月公開こうかい）の撮影さつえいにドライバーとして協力きょうりょくした。この際さい、サージュは、ドライバー時代じだいとしては唯一ゆいいつとなる、ほぼ最新さいしんのフォーミュラ1カーを運転うんてんする機会きかいを得えることになり、ロータス・33をドライブした。しかし、サージュはフォーミュラカーの運転うんてんはそれほど上手うまくなく、やはりスタントドライバーとして参加さんかしていたヨッヘン・リントが駆かるフォーミュラ3カーに付ついていくのにも苦労くろうしたという。
• 1985年ねん限かぎりでルノーのF1ワークスチームを撤退てったいさせるにあたり、ルノー本社ほんしゃはそれまでに製造せいぞうした全すべてのF1車両しゃりょうを破壊はかいして廃棄はいきするようチームに命めいじ、サージュがそれを実行じっこうすることになった。自動車じどうしゃ収集しゅうしゅうを趣味しゅみとするほどの自動車じどうしゃ愛好あいこう家かであるサージュとしては、到底とうてい承服しょうふくできない命令めいれいだったため、フランスの田舎いなかに大おおきな倉庫そうこを所有しょゆうしている友人ゆうじんに連絡れんらくを取とり、20台だいほどになるルノーのF1車両しゃりょう全すべてをその倉庫そうこに密ひそかに隠かくした。数すう年ねん後ご、ルノー本社ほんしゃの新あらたな経営けいえい陣じんがF1車両しゃりょうを探さがしているという話はなしを耳みみにしたサージュは、自分じぶんがしたことを彼かれらに告白こくはくし、車両しゃりょうを返却へんきゃくした。サージュは、社命しゃめいに背そむいたことについて、逆ぎゃくに感謝かんしゃされる結果けっかとなった。
• 1986年ねんモナコグランプリの予選よせん中ちゅう、ピットレーンで、ステファン・ヨハンソンが走はしらせていたフェラーリの接近せっきんにサージュは気きづかず、轢ひかれて転倒てんとうし、その一連いちれんの様子ようすがテレビ中継ちゅうけいのカメラに捉とらえられている。

参考さんこう資料しりょう

雑誌ざっし / ムック

• 『F1倶楽部くらぶ』
  • 『Volume 31』双葉社ふたばしゃ、2000年ねん6月がつ29日にち。ASIN 4575472700。ISBN 4-575-47270-0。