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仏壇ぶつだん

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仏壇ぶつだん(ぶつだん)とは、

  1. 仏教ぶっきょうにおいてふつまつだん全般ぜんぱんす。寺院じいん仏堂ぶつどうにおいて仏像ぶつぞう安置あんちするだん須弥壇しゅみだん)もふくまれる。
  2. 一般いっぱん家屋かおくなか常設じょうせつされた、仏教ぶっきょう礼拝れいはい施設しせつである。仏教ぶっきょう寺院じいんにおいて本尊ほんぞんまつ須弥壇しゅみだん内陣ないじん)を小型こがたしたもの。日本にっぽんでは、先祖せんぞ供養くようおお使つかわれる。寺院じいん本堂ほんどう祭壇さいだん区別くべつし、寺院じいん庫裡くり客殿きゃくでんなどにける小型こがた祭壇さいだんや、一般いっぱん家庭かてい仏壇ぶつだんして「御内おんうちほとけ(おないぶつ)」という呼称こしょうもある。

概要がいよう

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家庭かていない仏壇ぶつだんについて、チベット仏教ぶっきょうでは屋内おくないかべの1めん程度ていどめるサイズの祭壇さいだんじょう本尊ほんぞんくち三本みもとたかし=仏像ぶつぞう仏画ぶつが, 経典きょうてん, 仏塔ぶっとう)や供物くもつなどを配置はいちする。

日本にっぽん場合ばあい
仏壇ぶつだん安置あんちする仏間ぶつま(ぶつま)(貝掛かいかけ温泉おんせん

日本にっぽん仏教ぶっきょうでは宗派しゅうはごとに指定していされた様式ようしきにて、木製もくせいはこ=仏壇ぶつだん内部ないぶ本尊ほんぞんわきさむらいぞう掛軸かけじく供物くもつなどにくわえ、先祖せんぞ供養くようのための位牌いはい過去かこちょう法名ほうみょうじくなどをまつ[1]内部ないぶ仏教ぶっきょうかく宗派しゅうは本山もとやま寺院じいん仏堂ぶつどうした豪華ごうかつくりになっている。日本にっぽん仏壇ぶつだんおおきく分類ぶんるいする場合ばあいは、きむ仏壇ぶつだん唐木からき仏壇ぶつだん関東かんとうしき仏壇ぶつだん家具調かぐちょう仏壇ぶつだん分類ぶんるいされる(くわしくはそれぞれの項目こうもく参照さんしょう)。

歴史れきし起源きげん

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仏壇ぶつだん起源きげんについては「持仏堂じぶつどう(じぶつどう)→仏壇ぶつだんせつ」と「たましいだな(たまだな)→仏壇ぶつだんせつ」の2せつある。古代こだいインドでは、げて「だん」をつくり、そこを神聖しんせい場所ばしょとして「かみ」をまつっていた。やがて風雨ふううをしのぐためにだんうえ屋根やねもうけられた。これが寺院じいん原型げんけいである。それを仏壇ぶつだんの「だん」の土偏つちへんである。

日本にっぽんでは、白鳳はくほう14ねん西暦せいれき685ねん)3がつ27にち天武天皇てんむてんのうが「諸国しょこくいえごとふつしゃ(ほとけのおおとの)をつくり、すなわ仏像ぶつぞう(ほとけのみかた)およけいきてもっ礼拝れいはい供養くようせよ」とのみことのりした。それにちなみ全日本ぜんにほん宗教しゅうきょう用具ようぐ協同きょうどう組合くみあいでは毎月まいつき27にちを「仏壇ぶつだん」に制定せいていしている。ただし、このみことのり現在げんざい仏壇ぶつだん直接ちょくせつ起源きげんではない。

持仏堂じぶつどう仏壇ぶつだんせつ

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貴族きぞくなどの上流じょうりゅう階級かいきゅうにおいては、持仏堂じぶつどうつものもあった。藤原ふじわら頼通よりみち平等院びょうどういん鳳凰堂ほうおうどう足利あしかが義満よしみつ鹿苑寺ろくおんじなどがある。また『更級さらしな日記にっき』の作者さくしゃ菅原孝標女すがわらたかすえのむすめ薬師やくしふつ等身とうしんつくって屋敷やしきないまつったというのも仏壇ぶつだん源流げんりゅうである。竹田たけだ聴洲によると、上記じょうきのような持仏堂じぶつどう縮小しゅくしょう矮小わいしょう屋内おくないまれることによって、ふつあいだ仏壇ぶつだん変化へんかしたとしている。

室町むろまち時代ときよ浄土真宗じょうどしんしゅう中興ちゅうこうである本願寺ほんがんじはちせい蓮如れんにょ布教ふきょうさいに「みなみ阿弥陀あみだほとけ」といた掛軸かけじく信徒しんとさづけ、仏壇ぶつだんまつることを奨励しょうれいした。仏壇ぶつだんつくさい本山もとやま真似まねたところから、現在げんざいきむ仏壇ぶつだんもととなる。それゆえ、浄土真宗じょうどしんしゅうでは仏壇ぶつだんたいしてのまりごとがおおい。なお、現在げんざいでも浄土真宗じょうどしんしゅうにおいて、仏壇ぶつだん本尊ほんぞん掛軸かけじくであり、菩提寺ぼだいじとおして本山もとやまからせたものとされる。

モンゴルではゲルなかチベット仏教ぶっきょう仏壇ぶつだんもうけることがある。 なお、仏教ぶっきょうこくであるタイでは家庭かていよう仏壇ぶつだんられない。それは寺院じいん生活せいかつ身近みぢかにあり、自宅じたくなかあらためてちいさなてらつく必要ひつようがないからであり、供養くようだんとしてのながれがくわわっているためでもある。

たましいだな(たまだな)→仏壇ぶつだんせつ

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ぼん先祖せんぞ新仏あらぼとけれいむかえる祭壇さいだんのことをたましいだなぼんだなみずだなともいう)という。形状けいじょう地域ちいき時代じだいによって様々さまざまであり、四隅よすみたけ四本柱しほんばしらいたわたしたものやちゃたく使用しようする場合ばあいもある。民俗みんぞく学者がくしゃ柳田やなぎだ國男くにおは、このたましいだなぼんのみの設置せっちから常設じょうせつされて仏壇ぶつだんになったとしている。現在げんざい仏壇ぶつだん起源きげんについては竹田たけだのいう「持仏堂じぶつどう仏壇ぶつだんせつ」のほう有力ゆうりょくされている。

普及ふきゅう時期じき

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江戸えど時代じだい江戸えど幕府ばくふ宗教しゅうきょう政策せいさくであるてら制度せいどにより、いずれかの寺院じいん菩提寺ぼだいじさだめその檀家だんかになることが義務付ぎむづけられた。そのあかしとして各戸かっこごとに仏壇ぶつだんもうけ、あさゆう礼拝れいはいし、先祖せんぞ命日めいにちには僧侶そうりょまね供養くようするという習慣しゅうかん確立かくりつした。社会しゃかい安定あんていし、庶民しょみんらしがゆたかになってきたことも背景はいけいに、庶民しょみんにまで浸透しんとうした。また日光にっこう東照宮とうしょうぐうなどにるように、元禄げんろく社寺しゃじ建築けんちく技術ぎじゅつ隆盛りゅうせい各地かくち影響えいきょうあたえた。きむ仏壇ぶつだん産地さんちおおくは、そのころ宮大工みやだいくおこしたとわれている。このてんについても諸説しょせつ存在そんざいする。

補足ほそく

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鎌倉かまくら時代ときよ禅宗ぜんしゅうとも位牌いはいまれると、次第しだい浄土真宗じょうどしんしゅう以外いがいかく宗派しゅうはもちいられるようになり、江戸えど時代じだいには一般いっぱんした。その位牌いはいくために位牌いはいだんつくったり、浄土真宗じょうどしんしゅう真似まね仏壇ぶつだん使用しようするようになった。その浄土真宗じょうどしんしゅう仏壇ぶつだん区別くべつするために禅宗ぜんしゅうさままれる。そのために他宗たしゅうでは浄土真宗じょうどしんしゅうほど仏壇ぶつだんたいしてきびしくない。

なお神道しんとうには仏壇ぶつだんにあたるれいしゃがある。神棚かみだなかみまつり、れいしゃには先祖せんぞまつる。これは供養くようだん神道しんとうふう発展はってんしたものである。ただし、江戸えど時代じだいまでの神棚かみだなには先祖せんぞ(33回忌かいきぎたれい集合しゅうごうたい)も同時どうじたてまつられていた。寺院じいん住職じゅうしょく家族かぞくよう仏壇ぶつだんとくに「御内おんうちほとけ」という。小型こがた寺院じいんというかんがかたであれば本堂ほんどうがあるので必要ひつようがないはずだが、先祖せんぞ供養くよう観点かんてんから別途べっと用意よういされることがおおい。

形状けいじょう

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仏壇ぶつだんにはとびらいている。寺院じいん山門さんもん見立みたてたものとわれる。また寺院じいん本堂ほんどうにおいて内陣ないじんとのさかいにはまき障子しょうじがある。そのため、仏壇ぶつだんとびら内側うちがわ障子しょうじく。仏壇ぶつだん内部ないぶ基本きほんてきさんだんになっており、なか一番いちばんたか中央ちゅうおうまゆみを「須弥壇しゅみだん(しゅみだん)」とぶ。須弥山しゅみせんかたどったものとされる。須弥壇しゅみだんうえは「宮殿きゅうでん(くうでん)」とばれ、本尊ほんぞんまつる。かく宗派しゅうは本山ほんざん寺院じいん内陣ないじんしてつくられるため、宗派しゅうはによりつくりがことなる。その左右さゆうにはわきさむらいふつ祖師そしまつる。須弥壇しゅみだんふくめたさい上段じょうだんには「高欄こうらん(こうらん)」がく。そのしただん位牌いはいく。位牌いはい複数ふくすうある場合ばあいは、かってみぎひだりみぎ交互こうごならべる。だい世界せかい大戦たいせん仏壇ぶつだん左右さゆうりょう側面そくめん上部じょうぶあなけられるようになった。これは灯籠とうろう灯篭とうろう)の配線はいせんようのコードをとおすためのものである。

仏壇ぶつだんづくりは木材もくざい加工かこうからうるしなどによる装飾そうしょくまで、伝統でんとう工芸こうげいふく職人しょくにんの8工程こうていほどの分業ぶんぎょうせいとなっており(木地きじ宮殿きゅうでん蒔絵まきえ彫刻ちょうこくなど)、各地かくち仏壇ぶつだん産地さんちがある。家族かぞく形態けいたいなどの変化へんかから仏壇ぶつだん新規しんきにしつらえる家庭かていっている(愛知あいちけん東部とうぶ三河みかわ仏壇ぶつだんでは1985ねんごろ生産せいさんのピーク)。一方いっぽうで、後述こうじゅつのような宗派しゅうはによる様式ようしきことなった、現代げんだい美術びじゅつわるなどした仏壇ぶつだんがデザイン・製作せいさくされ、外国がいこくでも展示てんじされるといったあたらしいうごきもある[2]

宗派しゅうはによるちが

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唐木からき仏壇ぶつだんではほとんど差異さいがないが、きむ仏壇ぶつだんではとく以下いかちがいが顕著けんちょである。

浄土真宗じょうどしんしゅう本願寺ほんがんじ西本願寺にしほんがんじ
いちじゅう破風はふ屋根やね宮殿きゅうでん) 金箔きんぱくりのはしら宮殿きゅうでんそとばしら) 西本願寺にしほんがんじ阿弥陀堂あみだどうしたもの
真宗しんしゅう大谷おおや東本願寺ひがしほんがんじ
じゅうかわら屋根やね宮殿きゅうでん) くろうるしりのはしら宮殿きゅうでんそとばしら) 高欄こうらんしゅりで擬宝珠ぎぼうしゅ(ぎぼし)金箔きんぱくり くろばしら東本願寺ひがしほんがんじ阿弥陀堂あみだどうじゅう屋根やね大師堂だいしどうしたもの

日蓮にちれん正宗まさむね大石寺たいせきじ)や創価学会そうかがっかい仏壇ぶつだん宗派しゅうは仏壇ぶつだんくらべて構造こうぞうまったことなり、寺院じいん厨子ずししたとびら内部ないぶけられている。最近さいきんでは厨子ずしがた仏壇ぶつだんおおつくられており、厨子ずしとびら電動でんどうしき開閉かいへいするものが主流しゅりゅうである。寺院じいん同様どうよう須弥壇しゅみだんうえ厨子ずしくだけの場合ばあいもある。

地域ちいきによるちが

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きむ仏壇ぶつだん唐木とうぼく仏壇ぶつだんとびら折戸おりど観音開かんのんびらであるのにたいし、おも北関東きたかんとう旧家きゅうかられる関東かんとうしき仏壇ぶつだんとびら障子しょうじである。関東かんとうしき仏壇ぶつだんは「タンス仏壇ぶつだん」「しゅう仏壇ぶつだん」ともばれ、上部じょうぶ仏壇ぶつだん下部かぶ収納しゅうのうという、日常にちじょう生活せいかつざした合理ごうりてきつくりになっている。 おもけやきせんつくられ、たかさは1あいだ奥行おくゆき2しゃく程度ていどはばは3しゃく間口まぐちにおさまるサイズが一般いっぱんてきである。


サイズ表記ひょうき

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仏壇ぶつだん仏具ぶつぐ寸法すんぽう尺貫法しゃっかんほう基本きほんになる。

きむ仏壇ぶつだん

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仏壇ぶつだん規模きぼあらわかたきむ仏壇ぶつだんでは「だい(だい)」という単位たんいもちいられる。これはなかけられる掛軸かけじくおおきさのことをしており、これが3ぶくけられるだけのうちのりがあることをしめす。

れい:50だい…50だい掛軸かけじくが3まいけられるだけのうちのりがある。

そのさい掛軸かけじくとは、浄土真宗じょうどしんしゅう本山ほんざんからせた掛軸かけじくす(浄土真宗じょうどしんしゅうでは本山ほんざんからせた掛軸かけじくまつる)。20だい・30だい・50だい・70だい・100だい・120だい・150だい・200だいがある。浄土真宗じょうどしんしゅう各派かくはでサイズは多少たしょうことなるが仏壇ぶつだんサイズはおなじでつくられる。かく産地さんちにより差異さいがあるが具体ぐたいてきには、

れい:30だいうちのりやく1しゃく4すんやく42cm)、50だいうちのりやく1しゃく6すんやく48cm)、70だいうちのりやく1しゃく8すんやく54cm)。

あくまでうちのりであるので、おなじ50だいでもそと寸法すんぽうことなる。「だい」という単位たんい浄土真宗じょうどしんしゅうもとづき、江戸えど時代じだいにおける本尊ほんぞんのサイズごとの代価だいか名残なごりであり、きむ仏壇ぶつだん浄土真宗じょうどしんしゅうつながりのつよさをかんじさせる。なかれるもののおおきさが基準きじゅんとなっている、単位たんいしてはめずらしいれい。これのほか唐木とうぼく仏壇ぶつだん同様どうようそと寸寸すんずんほう表記ひょうきもちいる地域ちいきおおい。

唐木からき仏壇ぶつだん

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仏壇ぶつだん規模きぼあらわかたは、たかさ×はば寸法すんぽうもちいられる。はばとは、とびらめたときとびら部分ぶぶん全体ぜんたいはばである。

れい:43-18…たかさ4しゃく3すんやく130cm)×はば1しゃく8すんやく54cm)

土地とちがらによってははばさきたかさがのちあらわされるところもある。あくまではばであるので、おなじ43-20でも全体ぜんたいはば奥行おくゆきはことなる。

箪笥たんすうえくような小型こがた仏壇ぶつだん規模きぼあらわかたは、そうたけを「ごう(ごう)」もしくは「たけ(たけ)」であらわす。

れい:18ごうたかさ1しゃく8すんやく54cm)、20ごうたかさ2しゃく(=20すんやく60cm)。

仏壇ぶつだんは「いちもと」「いちほん」「いちだい」でかぞえられる。「もと」はけるという意味いみ助数詞じょすうしけるというのは施主せしゅいえおさまるということであるので、生産せいさん段階だんかい販売はんばい段階だんかいでは「だい」と「ほん」がおも使用しようされる。展示てんじほんだいすう生産せいさんほんだいすうという。

荘厳しょうごん

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仏壇ぶつだん内部ないぶおよび、そのまわりに仏具ぶつぐおごそかにかざることを、荘厳しょうごん(しょうごん)という。仏像ぶつぞうもしくは掛軸かけじく本尊ほんぞんまつる。本尊ほんぞんまつ対象たいしょうのものであり、仏具ぶつぐとはばない。そもそも仏壇ぶつだんとは本尊ほんぞんまつったものであり、本尊ほんぞんれるまえのものは家具かぐおなじであり、本尊ほんぞん安置あんちし、仏具ぶつぐによって荘厳しょうごんしてはじめて仏壇ぶつだんとしての機能きのうたすことになる(ただし、それは小型こがた寺院じいんとしての起源きげんからたものであり、供養くようだんという観点かんてんかられば、位牌いはい写真しゃしんれて故人こじんまつっているものも仏壇ぶつだんふくまれる)。

仏具ぶつぐれい

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かく宗派しゅうは共通きょうつう
灯篭とうろうさん具足ぐそく具足ぐそく)、花立はなたて香炉こうろりつふつめしすず(りん)、じき過去かこちょう見台けんだい過去かこちょうだい)、経机きょうづくえ香合こうごうなど。
浄土真宗じょうどしんしゅうけいのみ
はなびんしゃ香炉こうろきょうとう法名ほうみょうじくなど。
それ以外いがい宗派しゅうはのみ
ちゃこうはいれいきょうぜん木魚もくぎょかねわれかねなど。

仏具ぶつぐ内容ないよう宗派しゅうはによりことなる。またおな名前なまえ仏具ぶつぐでも宗派しゅうはによりかたちいろちがう。浄土真宗じょうどしんしゅうけいくろり・こんけい他宗たしゅうしゅり・朱色しゅいろけいのものが使用しようされる。

れるべきではないとされるもの

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以下いかのものは仏壇ぶつだんれるべきではないとされる。

写真しゃしん
かく宗派しゅうはとも教義きょうぎじょう写真しゃしんかざおしえはない。仏壇ぶつだんのもととなった寺院じいん本堂ほんどう浄土じょうどあらわしたものあり、内陣ないじん故人こじん写真しゃしんかざっておらず、仏壇ぶつだんもそれにならかざらない。写真しゃしん姿すがた記憶きおくにとどめるための道具どうぐであり、それ以上いじょうのものではないので、そなえないとされる。ただし、実際じっさい故人こじん葬式そうしきちいさい写真しゃしん遺影いえい)をれている家庭かていおおい。
宗派しゅうは仏像ぶつぞう
別途べっと厨子ずしなどにまつる。
まも御札おさつ
けるか、別途べっとまつる。
賞状しょうじょう合格ごうかく通知つうち

仏教ぶっきょう本来ほんらい「ご利益りやく信仰しんこう」ではいという観点かんてんからればまつるべきではないが実際じっさいにはふつみこと先祖せんぞへの感謝かんしゃなどの気持きもちで地方ちほう旧家きゅうかとうふく仏壇ぶつだんまつることはおおい。

開眼かいがん供養くよう

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仏壇ぶつだん購入こうにゅうしたら僧侶そうりょ開眼かいがん法要ほうよう)を依頼いらいする。いわゆる精根せいこん(しょうねん、しょうね)れ」のことで、仏像ぶつぞう掛軸かけじく位牌いはいたいしておこなう。これをすることによってはじめてご本尊ほんぞん位牌いはい礼拝れいはい対象たいしょうになり、仏壇ぶつだんはこから仏壇ぶつだんになる。宗派しゅうはにより、にゅう仏式ぶっしきうつし(おわたまし)、入魂じっこんしき、おれいれ、おたましいれなどとう。いわいごとであり、水引みずひき紅白こうはくとなる。表書おもてがきは「開眼かいがん供養くようりょう」「にゅう仏式ぶっしき 御布施おふせ」などとする。購入こうにゅうから余程よほどがあいていなければ、法要ほうようさい一緒いっしょ依頼いらいすることがおおい。仏壇ぶつだん処分しょぶんするさいには精根せいこんき」をする。また仏壇ぶつだん移動いどう洗濯せんたくなどのさいにも、一旦いったん精根せいこんき」をしてから終了しゅうりょうに「精根せいこんれ」をする。日蓮にちれん正宗まさむねでは、あらたに本尊ほんぞん下付かふされた場合ばあい僧侶そうりょ導師どうしによりにゅう仏式ぶっしきおこなわれ、寺院じいんあらたに創設そうせつされた場合ばあい本堂ほんどう安置あんち本尊ほんぞんあらたにむかえた場合ばあい本堂ほんどうえられた場合ばあい法主ほっしゅむかえてにゅう仏式ぶっしき本堂ほんどう再建さいけんで、かつ本尊ほんぞん下付かふされない場合ばあい本尊ほんぞん修復しゅうふく開眼かいがん供養くようねて落成らくせいしき)がおこなわれる。引越ひっこしや仏壇ぶつだん購入こうにゅう場合ばあい遷座せんざしきとしておこなわれる場合ばあいおおい。仏壇ぶつだんたいし「精根せいこんき」「精根せいこんれ」はおこなわない。 また、浄土真宗じょうどしんしゅうではにゅう仏式ぶっしきばれるが、本尊ほんぞんほとけれるといったかんがえがないため、正確せいかくにはにゅうふつけいたたえ法要ほうよう(にゅうぶつけいさんほうよう)」ばれる。

仏壇ぶつだん相続そうぞく処分しょぶん

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仏壇ぶつだん仏具ぶつぐ神棚かみだな墓石はかいしなどの祭祀さいし財産ざいさんは、相続そうぞくぜいについて課税かぜい財産ざいさんあつかわない。つまり非課税ひかぜいである。これは仏壇ぶつだん個人こじんのものではなく、共有きょうゆう財産ざいさんとらえられるからである。ただし、純金じゅんきん仏像ぶつぞうなど純然じゅんぜんたる信仰しんこう対象たいしょうとはかんがえにくいものは課税かぜい財産ざいさんとなる。

一方いっぽう少子化しょうしかすす現代げんだい日本にっぽんでは、子孫しそん親族しんぞくがいない、あるいは供養くよう負担ふたんをかけたくないため、はかじまいとともに仏壇ぶつだん処分しょぶんするひともいる[3]

仏壇ぶつだん販売はんばいにおける不正ふせい多発たはつと「仏壇ぶつだん公正こうせい取引とりひき協議きょうぎかい」の発足ほっそく

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消費しょうひしゃ商品しょうひん知識ちしきをあまりっていないことをいいことに、元々もともと安価あんかなお仏壇ぶつだん高額こうがく定価ていかをつけ、大幅おおはば値引ねびきがあるようによそおって販売はんばいするといった「じゅう価格かかく」での販売はんばい手法しゅほう横行おうこうしている。2010ねん6がつ消費しょうひしゃからせられたおおくのクレームをけ、経済けいざい産業さんぎょうしょうより全日本ぜんにほん宗教しゅうきょう用具ようぐ協同きょうどう組合くみあい全国ぜんこく伝統でんとうてき工芸こうげいひん仏壇ぶつだん仏具ぶつぐ組合くみあい連合れんごうかい業界ぎょうかい正常せいじょうへのもうれがあり、前述ぜんじゅつ業界ぎょうかい団体だんたいにおいて『仏壇ぶつだん表示ひょうじかんする公正こうせい競争きょうそう規約きやく』を策定さくてい公正こうせい取引とりひき委員いいんかい消費しょうひしゃちょうがこれをみとめた。この公正こうせい競争きょうそう規約きやくは、不当ふとう景品けいひんるいおよ不当ふとう表示ひょうじ防止ぼうしほう昭和しょうわ37ねん法律ほうりつだい134ごうだい11じょうだい1こう規定きていもとづき、仏壇ぶつだん取引とりひきについておこな表示ひょうじかんする事項じこうさだめることにより、不当ふとう顧客こきゃく誘引ゆういん防止ぼうしし、一般いっぱん消費しょうひしゃによる自主じしゅてきかつ合理ごうりてき選択せんたくおよ事業じぎょうしゃあいだ公正こうせい競争きょうそう確保かくほすることを目的もくてきとする。

おも内容ないよう以下いかの3てん:

  1. 商品しょうひん品質ひんしつ表示ひょうじ義務ぎむ
    仏壇ぶつだん構成こうせいする主要しゅよう部位ぶいごとに、使用しようしている木材もくざい種類しゅるい使用しようされている分量ぶんりょう表示ひょうじすることを義務付ぎむづけている。店頭てんとう・カタログ・チラシ・ネットなどかく媒体ばいたいごとに表示ひょうじしなければならない項目こうもくことなる。これは、仏壇ぶつだん価値かちめるにあたり重要じゅうようなファクトとなるため、品質ひんしつ表示ひょうじ項目こうもく価格かかくのバランスをることで、商品しょうひん価値かちをはかるためにある。ただし、表示ひょうじ項目こうもく内容ないようについては、一般いっぱんには浸透しんとうしていないため、消費しょうひしゃがのやくっているかは不明ふめいである。
  2. じゅう価格かかく表示ひょうじ制限せいげん
    「100まんえん仏壇ぶつだんを90%OFFの10まんえん販売はんばい」と表示ひょうじするためには、実際じっさいに100まんえん一定いってい期間きかん販売はんばいしていたことを証明しょうめいしなければならないとさだめられている。加盟かめいする店舗てんぽにおいても、じゅう価格かかく表示ひょうじをやめずに販売はんばいつづける店舗てんぽがある。このような表示ひょうじたら仏壇ぶつだん公正こうせい取引とりひき協議きょうぎかい加盟かめい店舗てんぽであるか確認かくにんをし、加盟かめいてんでなければすべての表示ひょうじうたがうべき、加盟かめいてんであれば協議きょうぎかいへの通報つうほうもとめている。
  3. 特定とくてい用語ようご使用しよう基準きじゅん
    完全かんぜんや100%、絶対ぜったいなどの「完全かんぜん意味いみする用語ようご」は計測けいそく可能かのう条件じょうけんを100%たせる場合ばあいのみ使用しよう可能かのう世界一せかいいち日本一にっぽんいち当社とうしゃだけ、最高さいこう最大さいだいなどの『最上級さいじょうきゅう意味いみする用語ようご』は客観きゃっかんてき事実じじつもとづく具体ぐたいてき根拠こんきょがあり、かつ、具体ぐたいてき数値すうちとう事実じじつ付記ふきしてある場合ばあいにおいてのみ使用しようすることができる。そのほか、仏壇ぶつだん購入こうにゅうさい知識ちしき仏壇ぶつだん公正こうせい取引とりひき協議きょうぎかいのホームページに記載きさいがあるので、仏壇ぶつだん購入こうにゅうかんがえているほう確認かくにんをしたほうがよい。

ペット仏壇ぶつだん

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近年きんねんペット家族かぞく一員いちいんとなっている。そこでペットのさいし、人間にんげんおなじように葬儀そうぎやおはか仏壇ぶつだん用意よういするケースもえている。原則げんそくてきに、ペットは人間にんげんおな仏壇ぶつだんにはまつらない。まつ場合ばあいは、別途べっともうけることになる。それは世界せかい人間にんげんどう畜生道ちくしょうどう)がちがうからであるとされる。本尊ほんぞん宗派しゅうはによって様々さまざまではあるが、おも馬頭観音ばとうかんのんぞう阿弥陀如来あみだにょらいぞう観音かんのん菩薩ぼさつぞうとうさい上段じょうだん安置あんちし、位牌いはいさい下段げだんく。位牌いはいきざ文字もじは、生前せいぜんのほか「愛玩あいがん○○(生前せいぜんごう霊位れいい」とするれいもある。

脚注きゃくちゅう

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参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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