バス代行だいこう

代行だいこうバスの表示ひょうじ例れい

バス代行だいこう（バスだいこう）とは、鉄道てつどうが災害さいがいや事故じこ、大だい規模きぼ工事こうじなど何なんらかの事情じじょうで輸送ゆそう機能きのうを途絶とぜつされた場合ばあいに、バスにより列車れっしゃとしての輸送ゆそうを代行だいこうし補完ほかんすること。その輸送ゆそうの任にんに当あたるバスを「代行だいこうバス」と呼よぶ。

鉄道てつどう路線ろせんの廃止はいし（廃はい線せん）や既存きそんバス路線ろせんの廃止はいしにより、恒常こうじょう的てきな運行うんこうを前提ぜんていとして設定せっていされる「廃止はいし代替だいたいバス」とは異ことなるものとして区別くべつされる。

概要がいよう

道路どうろ運送うんそう法ほう第だい21条じょうは以下いかのような記述きじゅつとなっている。

第だい21条じょう（乗合のりあい旅客りょかくの運送うんそう）

一般いっぱん貸切かしきり旅客りょかく自動車じどうしゃ運送うんそう事業じぎょう者しゃ及および一般いっぱん乗用じょうよう旅客りょかく自動車じどうしゃ運送うんそう事業じぎょう者しゃは、次つぎに掲かかげる場合ばあいに限かぎり、乗合のりあい旅客りょかくの運送うんそうをすることができる。

1. 災害さいがいの場合ばあいその他た緊急きんきゅうを要ようするとき。
2. 一般いっぱん乗合のりあい旅客りょかく自動車じどうしゃ運送うんそう事業じぎょう者しゃによることが困難こんなんな場合ばあいにおいて、一時いちじ的てきな需要じゅようのために国土こくど交通こうつう大臣だいじんの許可きょかを受うけて地域ちいき及および期間きかんを限定げんていして行おこなうとき。

バス代行だいこう（タクシー代行だいこう）はこの規定きていに基もとづいて運行うんこうされるものであり、鉄道てつどう路線ろせんの機能きのうを一時いちじ的てきにバス（貸切かしきりバス）又またはタクシーで代替だいたいするものである。鉄道てつどう機能きのうの代替だいたいであるため、路線ろせんバスのように運賃うんちんの認可にんかを必要ひつようとせず、運賃うんちんは鉄道てつどう利用りよう時じと同等どうとうに設定せっていされる。

JRバス各社かくしゃ（ジェイアール四国しこくバスを除のぞく）は、主要しゅよう業務ぎょうむの一ひとつにこの鉄道てつどう代行だいこう輸送ゆそうがある。車庫しゃこが鉄道てつどう路線ろせんとかなり離はなれていてもバス代行だいこうを行おこなう場合ばあいがあるのはこのためである。

特殊とくしゅなバス代行だいこうの事例じれいとして、関門かんもん国道こくどうトンネルのバス代行だいこうが挙あげられる。これは関門かんもん国道こくどうトンネルの大だい規模きぼ補修ほしゅう工事こうじに伴ともない通行止つうこうどめにせざるを得えず、迂回うかい路ろが自動車じどうしゃ専用せんよう道路どうろの関門かんもん橋きょうしかないことから通常つうじょうの道路どうろ工事こうじで行おこなわれるような（車道しゃどうを規制きせいした）歩道ほどうの確保かくほが困難こんなんなため、トンネルの人道じんどう入口いりくち同士どうしを結むすぶ代行だいこうバス・トラックを運行うんこうしたものである。

バス代行だいこうを行おこなう例れい

鉄道てつどう輸送ゆそうの途絶とぜつによるバス代行だいこうの発生はっせいには、一般いっぱん的てきに次つぎの事情じじょうが考かんがえられる。

• 鉄道てつどうが災害さいがいや事故じこなどにより不通ふつうになった場合ばあい。なお、このケースでは、不通ふつう区間くかんの距離きょりや時間じかん帯おび及および乗客じょうきゃく数すうによっては、バスだけではなくタクシーやワンボックスカーによる代行だいこう輸送ゆそうを行おこなう場合ばあいもある。
• 大だい規模きぼ工事こうじなどにより鉄道てつどう路線ろせんの営業えいぎょうが休止きゅうしされる場合ばあい。
• 経営けいえい状態じょうたいの悪化あっかにより鉄道てつどう路線ろせんの営業えいぎょうが休止きゅうしされる場合ばあい。
• 鉄道てつどう廃止はいしによる代替だいたい交通こうつう機関きかんを確保かくほする場合ばあい。

災害さいがいや事故じこなどによる鉄道てつどうの不通ふつう

平成へいせい16年ねん7月がつ福井ふくい豪雨ごううにより越美北線えつみほくせんが水害すいがいで不通ふつうとなった際さいの西日本にしにほんJRバスによる列車れっしゃ代行だいこうバスの例れい。代走だいそう区間くかんや種別しゅべつの表示ひょうじが掲かかげられている（2005年ねん11月5日にち）

災害さいがいや事故じこ、不発ふはつ弾だん処理しょりなど不測ふそくの事態じたいの発生はっせいにより列車れっしゃの運行うんこうが不可能ふかのうになった場合ばあい、その区間くかんで代行だいこうバスが運行うんこうされることがある。鉄道てつどうが不通ふつうになった場合ばあい、その区間くかんを経由けいゆ・発着はっちゃくする切符きっぷはすべて発売はつばいが中止ちゅうしされるが、代行だいこうバスが運行うんこうされるようになった場合ばあいには切符きっぷの発売はつばいが再開さいかいされる。この場合ばあい、代行だいこうバス輸送ゆそうはあくまで鉄道てつどう輸送ゆそうの臨時りんじ代替だいたいとみなされ、運賃うんちん・料金りょうきんは鉄道てつどうと同様どうように計算けいさんされる。JRの場合ばあい、特急とっきゅう列車れっしゃの代行だいこうバスに乗車じょうしゃするには特急とっきゅう券けんが必要ひつようである。急行きゅうこう列車れっしゃの場合ばあいも同様どうようである。

1998年ねん（平成へいせい10年ねん）の水害すいがいによる四国旅客鉄道しこくりょかくてつどう（JR四国しこく）土讃線どさんせん大杉おおすぎ駅えき - 高知こうち駅えき間あいだ長期ちょうき不通ふつう時じの例れいでは、不通ふつう区間くかんの所要しょよう時間じかんが高知こうち自動車じどうしゃ道どうを経由けいゆする代行だいこうバスの方ほうが短みじかく列車れっしゃと同一どういつダイヤでの運行うんこうが可能かのうだったため、大杉おおすぎ駅えき止どまりの特急とっきゅう列車れっしゃと高知こうち駅えきで接続せつぞくする宿毛すくも駅えき方面ほうめんの特急とっきゅう列車れっしゃは代行だいこうバスを挟はさんで同一どういつの列車れっしゃとみなされ、通とおしの特急とっきゅう券けんが発行はっこうされた。一方いっぽうで土佐山田とさやまだ駅えき・後免ごめん駅えき方面ほうめんは代行だいこうバス経路けいろが鉄道てつどうと異ことなるため、高知こうち駅えきで接続せつぞくする別べつの代行だいこうバス（土佐とさ電気でんき鉄道てつどう（現在げんざいのとさでん交通こうつう）と共同きょうどうの代行だいこうバス）に乗のり換かえとなった。

2000年ねん（平成へいせい12年ねん）の有珠山うすざん噴火ふんかの際さい、不通ふつうとなった室蘭本線むろらんほんせんを迂回うかいする形かたちで札幌さっぽろ駅えき方面ほうめんと函館はこだて駅えき方面ほうめんを結むすぶ特急とっきゅう列車れっしゃや貨物かもつ列車れっしゃが函館本線はこだてほんせんで運転うんてんされた。函館本線はこだてほんせんのうち長万部おしゃまんべ駅えき - 小樽おたる駅えき間あいだでは線路せんろ容量ようりょうの不足ふそくを補おぎなうために迂回うかいの特急とっきゅうや貨物かもつ列車れっしゃを優先ゆうせんし、普通ふつう列車れっしゃはバス代行だいこう輸送ゆそうで対応たいおうしたことがあったほか、室蘭本線むろらんほんせんの普通ふつう列車れっしゃなども代行だいこうバスでの運行うんこうがされている。

2001年ねん（平成へいせい13年ねん）に列車れっしゃ衝突しょうとつ事故じこで京福電気鉄道けいふくでんきてつどうの福井ふくい県けんの路線ろせん（現げん・えちぜん鉄道てつどう）をバス代行だいこうにした時ときには、観光かんこうバス車両しゃりょうなどを代行だいこうバスに使用しようしたことがある。

2005年ねん（平成へいせい17年ねん）4月がつ25日にちに発生はっせいした福知山線ふくちやません（JR宝塚たからづか線せん）脱線だっせん事故じこでは、阪急はんきゅうバスの尼崎あまがさき駅えき（JR尼崎あまがさき） - 川西能勢口かわにしのせぐち駅えき間あいだの路線ろせんでは、通常つうじょう1時じ間あいだに片道かたみち1本ほんから2本ほんの運行うんこうのところ、他た営業えいぎょう所しょの応援おうえんにより増発ぞうはつする対応たいおうがされた。深夜しんや帯たいにおける代行だいこう輸送ゆそうは大阪おおさか駅えき - 宝塚たからづか駅えき間あいだの直通ちょくつうバスが西日本にしにほんJRバス、JR東西線とうざいせん対応たいおうで尼崎あまがさき駅えき - 宝塚たからづか駅えき間あいだの各駅かくえき停車ていしゃバスをエリア外がいの神姫しんきバス・山陽電気鉄道さんようでんきてつどうおよび神戸こうべ山陽さんようバスが担当たんとうした。

2009年ねん（平成へいせい21年ねん）の台風たいふう18号ごうによって大おおきな被害ひがいを受うけた名松線めいしょうせんでは家城いえき駅えき - 伊勢奥津いせおきつ駅えき間あいだが6年ねん半はんもの間あいだバス代行だいこうとなっていたが、2016年ねん（平成へいせい28年ねん）3月26日にちに復旧ふっきゅうしたためバス代行だいこうを終了しゅうりょうしている。また、2010年ねん（平成へいせい22年ねん）7月がつ12日にちからの大雨おおあめにより、呉線くれせん竹原たけはら駅えき - 安浦やすうら駅えき間あいだと美祢線みねせん全線ぜんせんが被害ひがいを受うけバス代行だいこうとなったが、呉線くれせんは同年どうねん11月がつ1日にちに復旧ふっきゅうし美祢線みねせんも2011年ねん（平成へいせい23年ねん）9月26日にちに全線ぜんせんが復旧ふっきゅうしたことでバス代行だいこうは終了しゅうりょうしている。

2017年ねん（平成へいせい29年ねん）には、飯山いいのやま市し内うちの井出川いでかわ山腹さんぷく崩落ほうらくの影響えいきょうで避難ひなん指示しじが発令はつれいされ、飯山線いいやませんの戸狩野沢温泉とがりのざわおんせん駅えき - 森宮野原もりみやのはら駅えき間あいだが長期ちょうきの不通ふつうとなった。当初とうしょは二に次じ災害さいがいを懸念けねんしてバス代行だいこうは行おこなわなかったが、避難ひなん指示しじが解除かいじょされた結果けっか、6月5日にちからバス代行だいこうを行おこなうこととなった。

同年どうねん7月がつの平成へいせい29年ねん7月がつ九州きゅうしゅう北部ほくぶ豪雨ごううでは久大本線きゅうだいほんせん光岡みつおか駅えき - 日田にった駅えき間あいだの花月川はなつきがわに架かかる鉄橋てっきょうが流失りゅうしつし、2018年ねん7月がつ13日にちまで同どう区間くかんでバス代行だいこう輸送ゆそうを行おこなった。また、日田彦山線ひたひこさんせんも同時どうじに添田そえだ駅えき - 夜明よあけ駅えき間あいだが不通ふつうとなり、バス代行だいこう輸送ゆそうを行おこなっていたが、2023年ねん（令れい和わ5年ねん）8月がつ28日にちに日田彦山線ひたひこさんせんBRT（バス高速こうそく輸送ゆそうシステム（BRT））開業かいぎょうにより、バス代行だいこう輸送ゆそうは終了しゅうりょうした。

2022年ねん（令れい和わ4年ねん）8月がつの東北とうほく北部ほくぶの大雨おおあめで、青森あおもり県内けんない・秋田あきた県内けんないのJR線せんで、土砂どしゃ流入りゅうにゅうや路盤ろばん流出りゅうしゅつなどの被害ひがいが出でた影響えいきょうで、バス代行だいこう輸送ゆそうを行おこなっているが、時間じかん帯たいによっては、「一般いっぱん路線ろせんバス（or高速こうそくバス）を利用りようしてください」と案内あんないしている。

阪神はんしん・淡路あわじ大震災だいしんさい時じの事例じれい

阪神はんしん・淡路あわじ大震災だいしんさいでJR神戸こうべ線せんの代行だいこう輸送ゆそうにあたるJR九州きゅうしゅうバス。御影みかげにて

大だい規模きぼなバス代行だいこう輸送ゆそうとしては、1995年ねん（平成へいせい7年ねん）1月がつ17日にちの兵庫ひょうご県けん南部なんぶ地震じしん（阪神はんしん・淡路あわじ大震災だいしんさい）発生はっせいに伴ともなう鉄道てつどう不通ふつう区間くかんの鉄道てつどう代替だいたいバスの運行うんこうがあげられる。震災しんさい発生はっせい当日とうじつから阪急電鉄はんきゅうでんてつや神戸電鉄こうべでんてつが一部いちぶの区間くかんで鉄道てつどう代替だいたいバスの運行うんこうを開始かいししたが、当時とうじ阪神はんしん間あいだの不通ふつう区間くかんの東ひがし端はしであった西宮にしのみや市し内うちと神戸こうべ市し内うちのターミナルとを結むすぶ路線ろせんでは、路面ろめんを含ふくむ道路どうろ設備せつびの多おおくが被災ひさいした影響えいきょうもあり、西日本旅客鉄道にしにほんりょかくてつどう（JR西日本にしにほん）、阪急電鉄はんきゅうでんてつ、阪神電気鉄道はんしんでんきてつどうの各社かくしゃとも、震災しんさい発生はっせいから約やく1週間しゅうかん後ご（1月がつ23日にち）の国道こくどう2号ごうの開通かいつうを待まっての運行うんこう開始かいしとした。

阪急電鉄はんきゅうでんてつは阪急はんきゅうバスと阪急はんきゅう観光かんこうバスを基本きほんにした代行だいこう輸送ゆそう、阪神電気鉄道はんしんでんきてつどうは同社どうしゃの自動車じどうしゃ部ぶ（現げん・阪神はんしんバス）と名古屋なごや阪神はんしん観光かんこうバス（現げん・名古屋なごやバス）を基本きほんにした代行だいこう輸送ゆそう体制たいせいを取とり、JR西日本にしにほんは主おもに西日本にしにほんJRバス、九州旅客鉄道きゅうしゅうりょかくてつどう（JR九州きゅうしゅう）自動車じどうしゃ事業じぎょう部ぶ（現げん・JR九州きゅうしゅうバス）、神姫しんきバスの3社しゃを基本きほんに、震災しんさいによって観光かんこうバス需要じゅようが枯渇こかつしたことから貸切かしきりバス会社かいしゃを加くわえた輸送ゆそう体勢たいせいであった。

西宮にしのみや市内しないから神戸こうべ市内しないまでは、いずれの鉄道てつどう路線ろせんでも本来ほんらい15 - 20分ふん程度ていど、国道こくどう2号ごうを利用りようしたバス路線ろせんでも本来ほんらい50 - 60分ふん程度ていどの所要しょよう時間じかんという距離きょり関係かんけいであるが、震災しんさい直後ちょくごは停滞ていたいとも言いえる大だい渋滞じゅうたいが発生はっせいした 影響えいきょうもあり、代替だいたいバスでは片道かたみちが軒並のきなみ3時間じかん以上いじょうかかる状況じょうきょうであった。このため、各社かくしゃの代替だいたいバス運行うんこう開始かいしから数日すうじつ後ご（1月がつ28日にち）には、国道こくどう2号ごうと国道こくどう43号ごうの各かく一いち車線しゃせんを緊急きんきゅう車両しゃりょう・代替だいたいバス専用せんよう車線しゃせんとする緊急きんきゅう対応たいおうが取とられた。JR西日本にしにほんはこれを利用りようして芦屋あしや駅えき - 三ノ宮さんのみや駅えき間あいだの「直行ちょっこうバス」の路線ろせんを設定せってい、あわせて山手やまて幹線かんせんと国道こくどう2号ごうを路線ろせんとする各駅かくえき停車ていしゃ便びん（シャトルバス）を運行うんこうし、既存きそんの鉄道てつどう駅えき近ちかくの仮設かせつバス停留所ていりゅうじょで乗降じょうこう扱あつかいをした。いずれの会社かいしゃも車内しゃないでの運賃うんちん収受しゅうじゅを行おこなわず、停留所ていりゅうじょに配置はいちされた鉄道てつどう事業じぎょう者しゃの社員しゃいんが運賃うんちん収受しゅうじゅを行おこなった。

また、山陽新幹線さんようしんかんせんも被災ひさいし高架こうか橋きょうが落下らっかするなどしたため、中国自動車道ちゅうごくじどうしゃどう・播但連絡れんらく道路どうろ経由けいゆとする新大阪しんおおさか駅えき - 姫路ひめじ駅えき間あいだの鉄道てつどう代替だいたいバスが西日本にしにほんJRバスと神姫しんきバスの2社しゃを基本きほんに運行うんこうされたが、中国ちゅうごく道どう宝塚たからづかIC - 西宮にしのみや北きたIC間あいだが大だい渋滞じゅうたいとなり、運行うんこう翌日よくじつからは三田みた駅えき⇔姫路ひめじ間あいだに区間くかん変更へんこうされ、新大阪しんおおさか駅えき - 三田みた駅えき間あいだは福知山ふくちやま線せん（JR宝塚たからづか線せん）を用もちいる代行だいこうルートとなった。この代行だいこう期間きかん中ちゅうは西日本にしにほんJRバスの車両しゃりょうが神姫しんきバス三田みた営業えいぎょう所しょ・姫路ひめじ営業えいぎょう所しょに配置はいちされていた。

鉄道てつどう復旧ふっきゅうに伴ともない、バスでの輸送ゆそう区間くかんは次第しだいに縮小しゅくしょうされ、震災しんさいによる鉄道てつどう代替だいたいバスの運行うんこうは同年どうねん8月がつ22日にちまでにすべて終了しゅうりょうしている。

（外部がいぶリンクの『平成へいせい7年度ねんど 運輸うんゆ白書はくしょ』第だい1章しょう第だい2節せつも参照さんしょうのこと）

大だい規模きぼ工事こうじによる鉄道てつどう営業えいぎょうの中止ちゅうし

主おもに地上ちじょう設備せつびの改良かいりょう工事こうじで当該とうがい区間くかんに列車れっしゃを運行うんこうさせることができない場合ばあいに計画けいかく的てきに行おこなわれる。並行へいこうする他ほかの鉄道てつどう・バス事業じぎょう者しゃへの振替ふりかえ輸送ゆそうを併あわせて行おこなうことが多おおい。

ミニ新幹線しんかんせん化か

山形やまがた新幹線しんかんせん工事こうじ代行だいこうバス（JRバス東北とうほく）

東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう（JR東日本ひがしにっぽん）田沢湖線たざわこせんを東北新幹線とうほくしんかんせんと直通ちょくつうさせるために標準軌ひょうじゅんきに改あらため軌する際さい、同線どうせんは長期ちょうきにわたり運行うんこうを休止きゅうしした。その際さい補完ほかんとしてバスによる輸送ゆそうを行おこなった。この輸送ゆそうは、大曲おおまがり駅えき - 盛岡もりおか駅えき間あいだの直通ちょくつう便びんをJRバス東北とうほくが、その他た区間くかん便びんを秋田あきた県けん側がわ（大曲おおまがり駅えき - 田沢湖たざわこ駅えき間あいだ）は羽後うご交通こうつう、岩手いわて県けん側がわ（田沢湖たざわこ駅えき - 盛岡もりおか駅えき間あいだ）は国際こくさい興業こうぎょう系列けいれつの岩手いわて観光かんこうバス（のちに岩手いわて県けん交通こうつうに合併がっぺい）、および岩手いわて県けん北きた自動車じどうしゃが請うけ負おった。お盆ぼん・年末年始ねんまつねんしにはJRバス東北とうほくと秋田あきた中央ちゅうおう交通こうつうが秋田あきた駅えき - 盛岡もりおか駅えき間あいだの直行ちょっこう便びんを運行うんこうした。

線路せんろ切きり替かえ・改良かいりょう

既存きそんの線路せんろを高架線こうかせんや地下ちか線せんなどの別べつのルートに切きり替かえたり、線路せんろの増設ぞうせつなど配線はいせんを変更へんこうする、あるいはこれらの工事こうじの過程かていで列車れっしゃの運休うんきゅうを必要ひつようとする工事こうじが行おこなわれる場合ばあい、当日とうじつに運休うんきゅう区間くかんの前後ぜんごをバスで連絡れんらくすることがある。土曜どよう・休日きゅうじつの深夜しんやから早朝そうちょうのように多おおくの利用りよう客きゃくに影響えいきょうの少すくない時間じかん帯たいが選えらばれるが、工事こうじの内容ないようや規模きぼによっては日中にっちゅうでも代行だいこうが行おこなわれる。一方いっぽう、名古屋鉄道なごやてつどう常滑線とこなめせんや南海電気鉄道なんかいでんきてつどう高師浜たかしのはま線せんのように1年ねん以上いじょう全面ぜんめん運休うんきゅうして、その間あいだに高架こうか化か工事こうじをするという事例じれいも存在そんざいする。

駅えき新設しんせつ・改良かいりょう工事こうじ

既存きそんの区間くかんに新あらたに駅えきを設置せっちする場合ばあいや、既存きそんの駅えきの配線はいせん変更へんこうなど、駅えきの工事こうじの関係かんけいで当該とうがい駅えきの前後ぜんごの区間くかんでバス代行だいこうが行おこなわれることがある。

橋はしの架かけ替がえ

鉄道てつどう橋きょうを架かけ替かえる場合ばあいは橋はしの前後ぜんごの区間くかんで列車れっしゃの運行うんこうを休止きゅうしして工事こうじを行おこなうため、当該とうがい区間くかんでバス代行だいこうが行おこなわれることがある。

跨またが線せん道路どうろ橋きょうの新設しんせつ、架かけ替がえも同様どうようである。(広島ひろしま高速こうそく交通こうつう広島ひろしま新しん交通こうつう1号線ごうせん（アストラムライン）工事こうじ中ちゅうの落橋事故じこ以降いこう、橋はしの下したの交通こうつうは原則げんそく通行止つうこうどめとなった。)

リフレッシュ工事こうじ

ロろーカル線かるせんでは日にち中ちゅうの閑散かんさん時じに列車れっしゃの運行うんこうを休止きゅうしして工事こうじを行おこない、バス代行だいこうが行おこなわれることがある。

JR西日本にしにほん広島ひろしま支社ししゃの管轄かんかつする山口やまぐち地区ちくの各かく路線ろせんでは、昼間ひるまに一部いちぶ区間くかんの列車れっしゃを数時間すうじかん運休うんきゅうさせて保守ほしゅ工事こうじを行おこなうことがあり、その場合ばあいバス代行だいこうが行おこなわれる。また、山陽新幹線さんようしんかんせんによる振替ふりかえ輸送ゆそうが実施じっしされる場合ばあいもある。

利用りよう者しゃの減少げんしょうによる営業えいぎょうの効率こうりつ化か

日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう（国鉄こくてつ）士幌線しほろせんにおいて、1978年ねん（昭和しょうわ53年ねん）から、末端まったん部ぶの糠平ぬかびら駅えき - 十勝とかち三股みつまた駅えき間あいだにおいて、鉄道てつどう営業えいぎょうを休止きゅうししバス輸送ゆそうを行おこなった。この例れいでは、同どう区間くかんの鉄道てつどう営業えいぎょうは「休止きゅうし」扱あつかいであり、廃止はいしはされていなかった。

私鉄してつにおいても、閑散かんさん路線ろせんがバス代行だいこうになる例れいが多おおかった。私鉄してつの場合ばあいラッシュ時じのみ列車れっしゃを運行うんこうし、その他たの時間じかん帯たいはバス代行だいこうとする例れいが見みられた。該当がいとう例れいとして、有田ありた鉄道てつどう線せん（2002年ねん廃止はいし）、北陸鉄道ほくりくてつどう能美線のみせん（1980年ねん廃止はいし）・金名線きんめいせん（1984年ねんに休止きゅうし後ご、1987年ねん廃止はいし）、北恵きたけい那な鉄道てつどう線せん（1978年ねん廃止はいし）などが挙あげられる。有田ありた鉄道てつどうの最さい末期まっきは、休日きゅうじつは列車れっしゃを全便ぜんびん運休うんきゅうとしバス代行だいこう便びんのみとした。つまり、曜日ようびによるバス代行だいこうと言いえる。また、京福電気鉄道けいふくでんきてつどう永平寺線えいへいじせん末期まっきの東古市ひがしふるいち駅えき - 永平寺えいへいじ駅えき間あいだ（2001年ねん休止きゅうし後ご、2002年ねん廃止はいし）では、1時じ間あいだ間隔かんかくで運行うんこうされる電車でんしゃの間あいだに、1時じ間あいだ間隔かんかくでのバスが運行うんこうされるというダイヤであった。東古市ひがしふるいちで接続せつぞくする越前本線えちぜんほんせん（現げん・えちぜん鉄道てつどう勝山かちやま永平寺線えいへいじせん）が30分ふん間隔かんかくでの運行うんこうであったので、永平寺えいへいじ線せんへの接続せつぞくは電車でんしゃとバスの両方りょうほうがあった。これらの例れいでは、営業えいぎょう路線ろせんでの代行だいこうバスという扱あつかいであり、定期ていき券けん・回数かいすう券けんなどではバス便びん・列車れっしゃ便びんのいずれも乗車じょうしゃが可能かのうであった。現状げんじょうとしては路線ろせん末期まっきに単発たんぱつ的てきに行おこなう傾向けいこうにあるため、2022年ねん現在げんざいは閑散かんさん時間じかん帯たいのみのバス代行だいこう路線ろせんは存在そんざいしない。

日本にっぽん国外こくがいの例れい

日本にっぽん国外こくがいでは、フランス国鉄こくてつ (SNCF) のロろーカル線かるせんにバス代行だいこう便びんが多おおい。完全かんぜんに休止きゅうししてバス代行だいこうのみにした路線ろせんもあれば、閑散かんさん時間じかん帯たいのみバス代行だいこうとする路線ろせん（走はしるのは優等ゆうとう列車れっしゃのみで、普通ふつう列車れっしゃはバス代行だいこうとする、など）もある。列車れっしゃ代行だいこうなのでユーレイルパスなどのパスで乗車じょうしゃすることができる。

関連かんれん項目こうもく

• 振替ふりかえ輸送ゆそう
• バス・ラピッド・トランジット
• シャトルバス - バス代行だいこうと同おなじ法的ほうてき根拠こんきょで運行うんこうされる。
• 21条じょうバス - バス代行だいこうと同おなじ法的ほうてき根拠こんきょで運行うんこうされていたが、法ほう改正かいせいにより2006年ねん以降いこう運行うんこうできなくなった。
• 廃止はいし代替だいたいバス - 鉄道てつどう路線ろせんやバス路線ろせんの廃止はいしに伴ともなうもので、バス代行だいこうとは異ことなる。
• 天竜川てんりゅうがわバス転落てんらく事故じこ - 1951年ねんに発生はっせいしたバス代行だいこう運行うんこう時じの災害さいがい。

外部がいぶリンク

• 平成へいせい7年度ねんど 運輸うんゆ白書はくしょ - 運輸省うんゆしょう（現げん・国土こくど交通省こうつうしょう）
  • 第だい1章しょう第だい2節せつ 地震じしん発生はっせい後ごの対応たいおう - 阪神はんしん・淡路あわじ大震災だいしんさい発生はっせい当時とうじの鉄道てつどう代替だいたいバスに関かんして詳細しょうさいな記述きじゅつがある。