名古屋なごや高速こうそく道路どうろ

名古屋なごや高速こうそく道路どうろ（なごやこうそくどうろ、英語えいご: NAGOYA EXPRESSWAY）は、名古屋なごや高速こうそく道路どうろ公社こうしゃが維持いじ・管理かんり等とうを行おこなっている、名古屋なごや市しとその周辺しゅうへん地域ちいきにある路線ろせん長ちょう81.2キロメートル (km) の都市とし高速こうそく道路どうろである。一般いっぱんには略りゃくして名古屋なごや高速こうそくと呼よばれ、新聞しんぶん記事きじでもこの名称めいしょうが使用しようされている。名めい高速こうそく（めいこうそく）とさらに略りゃくされる場合ばあいもある。

1994年ねん（平成へいせい6年ねん）12月16日にち、地域ちいき高だか規格きかく道路どうろの計画けいかく路線ろせんに指定していされた。

概要がいよう

名古屋なごや高速こうそくは東西とうざい軸じく1路線ろせん、南北なんぼく軸じく2路線ろせんに加くわえ、南北なんぼく軸じく2路線ろせん間あいだを連絡れんらくする分岐ぶんき線せん2本ほんをその基本きほん構成こうせいとする。それらの各かく路線ろせん末まつ端はし部ぶでは、名古屋なごや市しとその周辺しゅうへん部ぶを出入でいりする高速こうそく道路どうろまたは幹線かんせん道路どうろと接続せつぞくしている。また、すべての路線ろせんが名古屋なごや環状かんじょう2号線ごうせんと接続せつぞくすることで、放射ほうしゃ道路どうろと環状かんじょう道路どうろの連携れんけいが行おこなわれている。なお、2013年ねん（平成へいせい25年ねん）11月23日にちの4号ごう東海とうかい線せん 六ろく番ばん北きた - 木場きば間あいだの供用きょうよう開始かいしにより、名古屋なごや高速こうそく道路どうろは計画けいかくされた81.2 kmの建設けんせつを終了しゅうりょうし、全線ぜんせんの供用きょうようを開始かいしした。これによって名古屋なごや高速こうそく道路どうろ公社こうしゃは建設けんせつ団体だんたいから維持いじ、管理かんり団体だんたいへ移行いこうした。

名古屋なごや高速こうそくは首都高しゅとこう速そくや阪神はんしん高速こうそくと比較ひかくして運営うんえい開始かいしが約やく15年ねん遅おくれ、さらにその後ごの工期こうきの遅延ちえんもあって物価ぶっかの低ひくい時期じきに建設けんせつする機会きかいを逸いっしたことで建設けんせつ費用ひようの高騰こうとうを招まねいた。そのうえ首都高しゅとこう速そくや阪神はんしん高速こうそくは公害こうがい問題もんだいがクローズアップされる以前いぜんに開通かいつうしたが、その後追あとおいの形かたちで事業じぎょう化かした名古屋なごや高速こうそくの場合ばあい、首都しゅとや阪神はんしんで顕在けんざい化かした公害こうがい問題もんだいをまともに被こうむることになった。

このため建設けんせつ反対はんたいの住民じゅうみん運動うんどうが各地かくちで沸わき起おこり、この流ながれが環境かんきょうに配慮はいりょする道路どうろ構造こうぞうの採用さいようへと舵かじを切きらせ、結果けっか的てきに一部いちぶ区間くかんの道路どうろ構造こうぞうを高架こうか式しきからトンネル式しきに変更へんこうしたことでコストアップを誘発ゆうはつした。また、首都しゅとや阪神はんしんでは1964年ねん（昭和しょうわ39年ねん）のオリンピックや1970年ねん（昭和しょうわ45年ねん）の大阪おおさか万博ばんぱくなど、国家こっかの威信いしんをかけたイベントが開催かいさいされたことで交通こうつうインフラ建設けんせつ推進すいしんの原動力げんどうりょくともなったことから、都市とし高速こうそくについても十分じゅうぶんにその恩恵おんけいを享受きょうじゅした。しかるに名古屋なごやの場合ばあいは、1981年ねん（昭和しょうわ56年ねん）における国際こくさいオリンピック委員いいん会かいの開催かいさい地ち選考せんこうで韓国かんこくに敗やぶれたことでオリンピック招致しょうちに失敗しっぱいし、成功せいこうすれば得えられたはずの国家こっかによる資金しきん投入とうにゅうも住民じゅうみん協力きょうりょくも得えられずじまいとなり、都市とし高速こうそく建設けんせつ遅延ちえんを挽回ばんかいする機会きかいをも逸いっした。

これらの不運ふうんが重かさなって、全線ぜんせん開業かいぎょう時点じてんにおける名古屋なごや高速こうそく道路どうろ公社こうしゃの負債ふさい総額そうがくは約やく1兆ちょう7,000億おく円えんと膨大ぼうだいな金額きんがくにのぼり、これを完済かんさいするために通行つうこう料金りょうきんは全国ぜんこくの都市とし高速こうそくの中なかでは最高さいこう金額きんがくの770円えんで設定せっていした。もっとも、借金しゃっきんの返済へんさい期限きげんを延長えんちょうして通行つうこう料金りょうきんの低てい価格かかく据すえ置おきを求もとめる意見いけんもあったが、公社こうしゃとしては延長えんちょうした末すえに将来しょうらいの金利きんり変動へんどうや通行つうこう量りょう減少げんしょうに遭遇そうぐうするリスクを勘案かんあんし、たとえ高額こうがくの通行つうこう料金りょうきん収受しゅうじゅによる世間せけんの批判ひはんに晒さらされてでも延長えんちょうなしによる完済かんさい方針ほうしんを堅持けんじすることにした。しかし、2012年ねん（平成へいせい24年ねん）に発生はっせいした笹子ささごトンネル事故じこを契機けいきに道路どうろ施設しせつの老朽ろうきゅう化か対策たいさくとして大だい規模きぼ改修かいしゅうの必要ひつようが生しょうじ、これには2年ねん分ぶんの料金りょうきん収入しゅうにゅうに匹敵ひってきする多額たがくの費用ひようが見込みこまれることから、通行つうこう料金りょうきんの値上ねあげを回避かいひするために償還しょうかん期間きかんを延長えんちょうするよう名古屋なごや市しと愛知あいち県けんに同意どういを求もとめ、了承りょうしょうされた。この結果けっか、有料ゆうりょう期間きかんは6年ねん延長えんちょうされ2045年ねん12月がつまでとされた。償還しょうかん期間きかん終了しゅうりょう後ご、名古屋なごや高速こうそく道路どうろは無料むりょう開放かいほうされ、道路どうろ管理かんりを公社こうしゃから愛知あいち県けんと名古屋なごや市しに移管いかんすることになっている。なお、日本一にっぽんいち高たかいと言いわれた名古屋なごや高速こうそくの通行つうこう料金りょうきんであったが、2021年ねん（令れい和わ3年ねん）5月がつの名古屋なごや第だい二に環状かんじょう自動車じどうしゃ道どう（名めい二に環たまき）全線ぜんせん開通かいつうに併あわせて料金りょうきん体系たいけいが変更へんこうされ、それまでの均一きんいつ料金りょうきん制せいから走行そうこう距離きょりに応おうじた対たい距離きょり料金りょうきん制せいに移行いこうした。

道路どうろは基本きほん的てきに、既存きそんの広幅ひろはば員いんの平面へいめん街路がいろを利用りようし、その上うえに高架こうか式しきで建設けんせつされている。名古屋なごやでは土地とち区画くかく整理せいり事業じぎょうが進行しんこうした区域くいきが多おおく、その状況じょうきょう下かで都市とし高速こうそくの用地ようちを新あらたに確保かくほすることは困難こんなんを伴ともなうことから、用地ようち買収ばいしゅうを最小限さいしょうげんに抑おさえるためにも既存きそん街路がいろを利用りようすることとされた。

路線ろせん

名古屋なごや高速こうそくと周辺しゅうへん有料ゆうりょう道路どうろおよび主おもな国道こくどうの路線ろせん図ず

道路どうろ法ほう上うえは名古屋なごや市道しどうまたは愛知あいち県けん道どうである。先述せんじゅつした東西とうざい軸じく1路線ろせんと南北なんぼく軸じく2路線ろせん、南北なんぼく軸じく2路線ろせん間あいだをつなぐ分岐ぶんき線せん2路線ろせんで構成こうせいされ、これを案内あんないのわかりやすさから、以下いかの「路線ろせん呼称こしょう」と「ルートマーク（路線ろせん番号ばんごう・記号きごう）」で表記ひょうきしている。路線ろせん番号ばんごうは都心としん環状かんじょう線せん東片端ひがしかたはJCT接続せつぞくの1号ごうを皮切かわきりに時計とけい回まわりで2→3→4→5→6と付ふ番ばんしている。

• 都心としん環状かんじょう線せん（都心としん環状かんじょう線せん部ぶ・右みぎ回まわり〈時計とけい周まわり〉で一方いっぽう通行つうこうである。）
• 1号ごう楠くすのき線せん（東片端ひがしかたはJCT〈東ひがし区く〉 - 楠くすのきJCT〈北きた区く〉）
• 2号ごう東山ひがしやま線せん（新しん洲崎すざきJCT〈中村なかむら区く〉 - 高針たかばりJCT〈名東めいとう区く〉）
• 3号ごう大高おおたか線せん（鶴舞つるまい南みなみJCT〈昭和しょうわ区く〉 - 名古屋なごや南みなみJCT〈緑みどり区く〉）
• 4号ごう東海とうかい線せん（山王さんのうJCT〈中川なかがわ区く〉 - 東海とうかいJCT〈東海とうかい市し〉）
• 5号ごう万場まんば線せん（新しん洲崎すさきJCT〈中村なかむら区く〉 - 名古屋なごや西にしJCT〈中川なかがわ区く〉）
• 6号ごう清須きよす線せん（明道あけみち町まちJCT〈西にし区く〉 - 清洲きよすJCT〈清須きよす市し〉）
• 11号ごう小牧線こまきせん（楠くすのきJCT〈北きた区く〉 - 小牧こまきIC・小牧こまき北きた出入口でいりぐち〈小牧おまき市し〉）
• 16号ごう一宮いちのみや線せん（清洲きよすJCT〈清須きよす市し〉 - 一宮いちのみや中ちゅう入口いりくち〈一宮いちのみや市し〉）

道路どうろ法ほうにおける路線ろせん図ず

一般いっぱん向むけの案内あんないとは異ことなる道路どうろ法ほうおよび公社こうしゃ定款ていかん上じょうの名称めいしょうは以下いかの内容ないようである。〈 〉内ないが公社こうしゃ定款ていかん上じょうの名称めいしょうである。道路どうろ法ほうにおける名称めいしょうには、名古屋なごや市し域内いきないで路線ろせんが完結かんけつする場合ばあいは「名古屋なごや市道しどう」を冠かんし、市域しいき外がいを通過つうかする場合ばあいは「愛知あいち県けん道どう」を冠かんする。路線ろせん区間くかんは地名ちめいに替かえて出入口でいりぐちまたはJCTで表記ひょうきした。

• 名古屋なごや市道しどう高速こうそく1号ごう〈高速こうそく1号ごう〉（名古屋なごや西にしJCT - 四谷よつや）
• 名古屋なごや市道しどう高速こうそく1号ごう四谷よつや高針たかばり線せん〈高速こうそく1号ごう四谷よつや高針たかばり線せん〉（四谷よつや - 高針たかばりJCT）
• 名古屋なごや市道しどう高速こうそく2号ごう〈高速こうそく2号ごう〉（楠くすのきJCT - 名古屋なごや南みなみJCT）
• 名古屋なごや市道しどう高速こうそく分岐ぶんき2号ごう〈高速こうそく分岐ぶんき2号ごう〉（明道あけみち町まちJCT - 東片端ひがしかたはJCT）
• 名古屋なごや市道しどう高速こうそく分岐ぶんき3号ごう〈高速こうそく分岐ぶんき3号ごう〉（山王さんのうJCT - 鶴舞つるまい南みなみJCT）
• 愛知あいち県けん道どう高速こうそく名古屋なごや朝日あさひ線せん〈高速こうそく3号ごう高速こうそく名古屋なごや朝日あさひ線せん〉（名駅めいえき入口いりくち付近ふきん - 清洲きよすJCT）
• 愛知あいち県けん道どう高速こうそく名古屋なごや新宝しんぽう線せん〈高速こうそく3号ごう高速こうそく名古屋なごや新宝しんぽう線せん〉（名駅めいえき入口いりくち付近ふきん - 東海とうかいJCT）
• 愛知あいち県けん道どう高速こうそく名古屋なごや小牧線こまきせん〈高速こうそく名古屋なごや小牧線こまきせん〉（楠くすのきJCT - 小牧こまき北きた）
• 愛知あいち県けん道どう高速こうそく清須きよす一宮いちのみや線せん〈高速こうそく清須きよす一宮いちのみや線せん〉（清洲きよすJCT - 一いち宮中きゅうちゅう）

歴史れきし

構想こうそうから公社こうしゃ設立せつりつまで

車くるま社会しゃかいの到来とうらいが押おし寄よせた1950年代ねんだい以降いこう、経済けいざい発展はってんと人口じんこう増加ぞうかによって、100メートル道路どうろに代表だいひょうされる広幅ひろはば員いん道路どうろがある名古屋なごや市内しないにおいても道路どうろ混雑こんざつが散見さんけんされ始はじめた。このことは中部ちゅうぶ圏けんの産業さんぎょう的てきな特性とくせいを考かんがえる場合ばあい、将来しょうらいの道路どうろ状況じょうきょうに一抹いちまつの不安ふあんを与あたえるものであった。中部ちゅうぶ圏けんの産業さんぎょう構造こうぞうは名古屋なごや市しを中心ちゅうしんとして、その周辺しゅうへん40 km圏内けんないに豊田とよだ、岡崎おかざき、半田はんだ、岐阜ぎふ、四日市よっかいちなどの生産せいさん都市としが林立りんりつし、それぞれが強つよい工業こうぎょう力りょくを発揮はっきしていた。そして名古屋なごや市しと経済けいざい面めんの結むすびつきが強つよいことから名古屋なごや市しと周辺しゅうへん都市としを結むすぶ交通こうつう需要じゅようもまた旺盛おうせいであり、今後こんごの経済けいざい成長せいちょうを考かんがえた場合ばあい、さらなる需要じゅよう増ぞうが予測よそくされた。それは1950年代ねんだいでこそまだ円滑えんかつな交通こうつう流動りゅうどうが行おこなわれていたが、このままのペースで自動車じどうしゃ交通こうつうが増大ぞうだいすれば、やがては交通こうつう混雑こんざつを招来しょうらいして都市とし機能きのうが麻痺まひ状態じょうたいに陥おちいることが懸念けねんされた。

こうした状況じょうきょう下かで1961年ねん（昭和しょうわ36年ねん）、建設省けんせつしょうは愛知あいち県けんと名古屋なごや市しに対たいして名古屋なごや圏けんの道路どうろ調査ちょうさを委託いたくした。その結果けっか、将来しょうらいの道路どうろ混雑こんざつを予見よけんして街路がいろ網もうを整備せいびする必要ひつようを説とき、併あわせて都市とし高速こうそくと環状かんじょう道路どうろを整備せいびする必要ひつよう性せいを示しめした。これを受うけて検討けんとうを加くわえた結果けっか、1965年ねん（昭和しょうわ40年ねん）6月がつまでに整備せいび計画けいかくの基本きほん構想こうそうをまとめた。

この中なかで一般いっぱん街路がいろの混雑こんざつ緩和かんわを図はかる目的もくてきから交通こうつうの質的しつてき分離ぶんりが提案ていあんされた。これは周辺しゅうへん都市としと名古屋なごや市しを連絡れんらくする比較的ひかくてき長距離ちょうきょりの交通こうつう需要じゅようと、市民しみんの日常にちじょう生活せいかつに密着みっちゃくする比較的ひかくてき短距離たんきょりの質しつを異ことにする交通こうつう需要じゅようが同どう一いち平面へいめん街路がいろで混在こんざいしては渋滞じゅうたいを誘発ゆうはつするためである。また市外しがいからの流出りゅうしゅつ入にゅう交通こうつう、すなわち走行そうこう距離きょりの長ながい自動車じどうしゃにとって都市とし特有とくゆうの数多かずおおい交差点こうさてん待機たいきが及およぼす時間じかん的てき、経済けいざい的てき影響えいきょうは決けっして小ちいさくないことから、市街地しがいちを高速度こうそくどで走行そうこうするための連続れんぞく立体りったい構造こうぞうの採用さいようが示しめされた。市街しがいの平面へいめん街路がいろはあくまで市内しない相互そうご間あいだ利用りようのみの短距離たんきょり交通こうつうをあて、長距離ちょうきょりの流出りゅうしゅつ入にゅう交通こうつうについては連続れんぞく立体りったい道路どうろでの高速こうそく連絡れんらくとして、自動車じどうしゃ専用せんよう道路どうろに収容しゅうようすることが望のぞましいと結論けつろんした。また、先行せんこうして計画けいかくされていた名古屋なごや環状かんじょう2号線ごうせんと連絡れんらくする放射ほうしゃ道路どうろが整備せいびされたとしても、将来しょうらい予想よそうされる交通こうつう量りょうから受うけ入いれ容量ようりょうの超過ちょうかが予見よけんされたことで、これらとは別べつ路線ろせんの自動車じどうしゃ専用せんようの放射ほうしゃ道路どうろを建設けんせつし、質しつの分離ぶんりとあわせて量りょうへの対応たいおうも行おこなうことになった。このことから路線ろせん選定せんていのコンセプトを都心としんと市街地しがいち周辺しゅうへんとの連絡れんらくに置おいた。そして選えらばれた放射ほうしゃ路線ろせんは交通こうつうが集中しゅうちゅうする6方向ほうこうとされ、そのすべてに名古屋なごや環状かんじょう2号線ごうせんが接続せつぞくするものとされた。その6方向ほうこうとは以下いかの内容ないようである。

1.東名高速道路とうめいこうそくどうろ（名古屋なごやIC）2.国道こくどう41号ごう（小牧こまき方面ほうめん）3.国道こくどう22号ごう（一宮いちのみや方面ほうめん）4.東名とうめい阪ばん自動車じどうしゃ道どう（名古屋なごや西にしJCT）　5.西にし知多ちた産業さんぎょう道路どうろ（知多ちた方面ほうめん）6.名めい四国しこく道どう（岡崎おかざき方面ほうめん）

このうち、東名とうめい阪ばん自動車じどうしゃ道どうと東名とうめい高速こうそくを直結ちょっけつする東西とうざい1路線ろせん、国道こくどう41号ごうと名四めいし国道こくどうおよび国道こくどう22号ごうと西にし知多ちた産業さんぎょう道路どうろを直結ちょっけつする南北なんぼく2路線ろせん、そして、南北なんぼく2路線ろせん間あいだを連絡れんらくする分岐ぶんき3路線ろせんで環状かんじょうルートを形成けいせいのうえ6放射ほうしゃ道路どうろ間あいだの連絡れんらくを図はかることとした。この基本きほん方針ほうしんはその後ご一部いちぶが改廃かいはいされたが6放射ほうしゃとする原案げんあんは現げん路線ろせんにおおむね踏襲とうしゅうされている。

国会こっかい議員ぎいんや地元じもと財界ざいかい人じんなど有力ゆうりょく者しゃによる国くにへの働はたらきかけは1967年ねん（昭和しょうわ42年ねん）から開始かいしされた。当時とうじの法律ほうりつでは国くに、地方自治体ちほうじちたい、道路公団どうろこうだんしか道路どうろ法ほうで認可にんかされた道路どうろの建設けんせつは許可きょかされていなかったが、愛知あいち県けんや名古屋なごや市しとしては厳きびしい地方ちほう財政ざいせいゆえ、国くにと地方ちほうの折半せっぱん出資しゅっしによる公団こうだん方式ほうしきを望のぞんだ。このため県けんや市しは首都高速道路公団しゅとこうそくどうろこうだんや阪神はんしん高速こうそく道路どうろ公団こうだんにならって新あらたな公団こうだんを誘致ゆうちするべく国くにに働はたらきかけを行おこない、認みとめられれば名古屋なごや高速こうそく道路どうろ公団こうだんとして事業じぎょう化かされるはずであった。

しかし建設省けんせつしょうは新あらたな公団こうだんを認みとめず、名古屋なごやをはじめ福岡ふくおか、北九州きたきゅうしゅうや広島ひろしまを含ふくめた都市とし高速こうそくに対たいしても地方ちほう道路どうろ公社こうしゃを設立せつりつのうえ事業じぎょう化かする方針ほうしんを固かためるに至いたった。認みとめない理由りゆうとして、急激きゅうげきな自動車じどうしゃの増加ぞうかによって政府せいふ資金しきんだけでは需要じゅように追おいつかないことから地方ちほう財政ざいせいおよび民間みんかん資金しきん（いわゆる銀行ぎんこうローン）を投入とうにゅうすることで道路どうろ整備せいびを円滑えんかつに遂行すいこうさせたいとの思惑おもわくが働はたらいたことによった。特とくに名古屋なごやの場合ばあいは鏡ヶ池かがみがいけ線せんに絡からむ地元じもと密着みっちゃく的てきな問題もんだいが絡からんでおり、この時点じてんですでに地域ちいき住民じゅうみんとの対立たいりつが鮮明せんめい化かしていたことから、地元じもとのことは自治体じちたいに任まかせる方ほうが早はやいとの算段さんだんもあった。また、本州ほんしゅう四国しこく連絡れんらく橋きょうの建設けんせつに新しん公団こうだんを作つくるほかは新あらたな公団こうだんを設置せっちしない考かんがえもあったことから公団こうだん方式ほうしきは否定ひていされた。この結果けっか、1970年ねん（昭和しょうわ45年ねん）5月がつに法ほう改正かいせいされ地方ちほう道路どうろ公社こうしゃ法ほうが設立せつりつされた。法ほう改正かいせいによって民間みんかん資金しきんを導入どうにゅうした公社こうしゃ方式ほうしきによる建設けんせつが新あらたに認可にんかされたことで、1970年ねん（昭和しょうわ45年ねん）9月がつには公社こうしゃ法ほう適用てきよう第だい1号ごうとして名古屋なごや高速こうそく道路どうろ公社こうしゃが発足ほっそくするに至いたった。

公社こうしゃ設立せつりつ以後いご

当初とうしょ計画けいかくでは、1970年度ねんどから1979年度ねんどまでの10年間ねんかんで建設けんせつを終おえることとされたが、折おりしもこの時期じきは高度こうど経済けいざい成長せいちょうのひずみとして水俣病みなまたびょうや四日市よっかいちぜんそくなどの公害こうがい問題もんだいが顕在けんざい化かし、自動車じどうしゃ交通こうつうにおいても騒音そうおんや大気たいき汚染おせんの問題もんだいが国民こくみんの関心かんしんを集あつめる中なかで、名古屋なごや高速こうそくでは建設けんせつ阻止そしに向むけた住民じゅうみん運動うんどうが各かく地域ちいきで展開てんかいされた。さらに1973年ねん（昭和しょうわ48年ねん）には住民じゅうみん運動うんどうが時ときの市議会しぎかいを動うごかして都市とし高速こうそく道路どうろ関連かんれん予算よさんの執行しっこう停止ていしを招まねいた挙句あげく、直後ちょくごに実施じっしされた名古屋なごや市長しちょう選挙せんきょでは、都市とし高速こうそく建設けんせつ推進すいしん派はの現職げんしょく杉戸すぎと清きよしを破やぶって、都市とし高速こうそく建設けんせつ反対はんたい派はから推薦すいせんされた本山もとやま政雄まさおが当選とうせんした。それまでの市政しせいは自民党じみんとう主体しゅたいの保守ほしゅ政治せいじであり、市民しみんの目線めせんよりも経済けいざい優先ゆうせんの政治せいじであったことから市民しみん生活せいかつを二にの次つぎにしたきらいがあった。このため公害こうがい等とうの問題もんだいが噴出ふんしゅつすることになり、本山ほんざんを当選とうせんさせた時代じだい背景はいけいには、高度こうど経済けいざい成長せいちょうと開発かいはつ優先ゆうせんの既存きそん政治せいじに嫌気いやけがさした地域ちいき住民じゅうみんが市民しみん本位ほんいの政治せいじを強つよく求もとめたことによった。なお、市民しみん目線めせんの政治せいじ（革新かくしん政治せいじとも呼よばれた）を求もとめる流ながれは全国ぜんこくレベルで展開てんかいされ、太平洋たいへいようベルトの主要しゅよう都市としの首長しゅちょう選挙せんきょは東京とうきょう都との美濃部みのべ都知事とちじを例れいとして軒並のきなみ革新かくしん派はが当選とうせんした。

しかし、一度いちどスタートを切きった都市とし高速こうそくの建設けんせつを革新かくしん市政しせいが止とめることは不可能ふかのうであった。市長しちょう就任しゅうにん後ごの本山ほんざんは、建設けんせつ反対はんたいの住民じゅうみん対応たいおうと、それに迎合げいごうして建設けんせつ撤回てっかいになった場合ばあいは議会ぎかいへの説得せっとくと同意どういの必要ひつよう、そしてこの時点じてんで橋脚きょうきゃくの一部いちぶが完成かんせいしていたことから、その取とり壊こわしとそれに要ようする費用ひようの問題もんだい、およびそれまで注つぎ込こんだ建設けんせつ費ひの市しによる返済へんさいと建設けんせつ業者ぎょうしゃへの損害そんがい賠償ばいしょうなど、複雑ふくざつに絡からみ合あった問題もんだいを前まえにしてまったく身動みうごきが取とれなかった。このため本山ほんざんは、都市とし高速こうそく建設けんせつの方向ほうこう性せいはすでに決定けってい済ずみであることから、住民じゅうみんの理解りかいと納得なっとくを得えたうえで建設けんせつを推進すいしんする旨むねを表明ひょうめいし、予算よさん凍結とうけつ解除かいじょに向むけて市議会しぎかいの承認しょうにんを得えるべく反対はんたい住民じゅうみんの説得せっとくのために環境かんきょう対策たいさくや補償ほしょうを制定せいていし、同年どうねん12月がつ末まつには議会ぎかいから解除かいじょを取とりつけることに成功せいこうした。ただし、引ひき続つづき道路どうろ構造こうぞうなど、環境かんきょうに関かかわる点てんについては検討けんとうを加くわえ、その間あいだは建設けんせつを中止ちゅうしする旨むねを付つけ加くわえた。これと前後ぜんごして本山ほんざんは建設けんせつ再開さいかいに向むけて調査ちょうさ専門せんもん委員いいん会かいに環境かんきょう対策たいさくの検討けんとうを依頼いらい、その結果けっか提示ていじされた案あんが全面ぜんめん地下ちか式しきの採用さいようであり、これであれば、騒音そうおん、排気はいきガス、日照ひでり阻害そがい、景観けいかん的てき配慮はいりょのすべてが解決かいけつ可能かのうである。しかし、高架こうか式しきに比くらべ地下ちか式しきはコストが3倍ばいかかるとされ、名古屋なごや市しの苦くるしい財政ざいせい状況じょうきょう下かでは全ぜん区間くかんでの採用さいようは叶かなわず、全体ぜんたいの30パーセントにとどまることになった。それでも地方ちほう財政ざいせいを圧迫あっぱくすることから、2本ほんある南北なんぼく路線ろせんのうちの1本ほん（高速こうそく3号ごう）を棚上たなあげすることになった。

こうして建設けんせつ再開さいかいと決きまったが、この間あいだの長ながすぎた停滞ていたいはオイルショックとも重かさなって石油せきゆ価格かかくの上昇じょうしょうを伴ともない、それは必然ひつぜん的てきに物価ぶっか、ひいては建設けんせつ費ひの増大ぞうだいとなって跳はね返かえることになった。なお、時代じだいの経過けいかとともに建設けんせつ費ひがいかに上昇じょうしょうしたかは次つぎの例れいで示しめされる。1972年ねん（昭和しょうわ47年ねん）の大高おおたか線せん建設けんせつ開始かいし当初とうしょは1 km換算かんさんの工事こうじ費ひが70億おく円えん、それが30年ねん後ごの2003年ねん（平成へいせい15年ねん）には200億おく円えん（いずれも高架こうか構造こうぞうでの比較ひかく）と約やく3倍ばいに跳はね上あがっている。また、1972年ねん（昭和しょうわ47年ねん）に比くらべ、その5年ねん後ごには2倍ばいの工事こうじ費ひでなければ落札らくさつされなくなるなど、1970年代ねんだいに限かぎって見みても物価ぶっかはすさまじい勢いきおいで上昇じょうしょうしたのであり、後年こうねん、市長しちょう引退いんたい間際まぎわの本山ほんざんが新聞しんぶん社しゃのインタビューで、自分じぶんの判断はんだんの遅おくれによって建設けんせつ費ひの増大ぞうだいを招まねいたことを認みとめ、都市とし高速こうそくは効果こうかを考かんがえて早急そうきゅうに整備せいびすべきであることを述のべている。

本山もとやま市政しせいにおける停滞ていたいを受うけて1985年ねん（昭和しょうわ60年ねん）に市長しちょうに就任しゅうにんしたのが西尾にしお武喜たけよしであった。立候補りっこうほ以前いぜんから都市とし高速こうそく問題もんだいが自身じしんの政治せいじ活動かつどうの最大さいだいの懸案けんあん事項じこうであることを理解りかいしていた西尾にしおは、立候補りっこうほに先立さきだって支持しじ政党せいとうに道路どうろ問題もんだいで自分じぶんを援護えんごしてくれるのか確認かくにんを取とっている。そして都市とし高速こうそく早期そうき整備せいびを公約こうやくに掲かかげる西尾にしおにお墨付すみつきを与あたえた各かく政党せいとうは、「早期そうき整備せいび」の意味いみが、建設けんせつ停滞ていたいと公社こうしゃ経営けいえいの悪化あっかを召致しょうちさせかねない半はん地下ちか、地下ちか構造こうぞうから再度さいど高架こうか構造こうぞうへの回帰かいきを示唆しさすることを暗黙あんもくのうちに了解りょうかいした。そして就任しゅうにん直後ちょくごから地域ちいき住民じゅうみんによる猛烈もうれつな建設けんせつ反対はんたい運動うんどうを押おしのけて高架こうか式しきに再さい変更へんこうのうえ、都心としん環状かんじょう線せんと1号ごう楠くすのき線せんの全線ぜんせん供用きょうように漕こぎ着つけ、2号ごう東山ひがしやま線せんの留保りゅうほ区間くかんの解除かいじょと高速こうそく3号ごうの建設けんせつに道筋みちすじを与あたえた。本山もとやま市政しせいでは遅々ちちとして進すすまなかった建設けんせつ速度そくどが1980年代ねんだい後半こうはん以降いこう急激きゅうげきに向上こうじょうしたのは、西尾にしおの政治せいじ手腕しゅわんもさることながら、市民しみんの都市とし高速こうそくに対たいする意識いしきの変化へんかがあった。それは本山ほんざんが初はつ当選とうせんした時代じだいと異ことなり、公害こうがい対策たいさくよりも経済けいざい指向しこうが強つよくなったことから一部いちぶの地域ちいき住民じゅうみんを例外れいがいとするほかは大たいした反対はんたいもなく、各かく政党せいとう間あいだの協調きょうちょうとも相あいまって事業じぎょうを推おし進すすめやすいという事情じじょうもあった。

総括そうかつすれば、名古屋なごや高速こうそくの建設けんせつの歴史れきしは公害こうがい対策たいさくと地域ちいき住民じゅうみんの説得せっとくの歴史れきしでもあり、この廻間はざまで建設けんせつが滞とどこおったこともあって当初とうしょ1979年度ねんどまでに全線ぜんせん供用きょうようとする計画けいかくは最終さいしゅう的てきに2013年ねん（平成へいせい25年ねん）11月がつまでずれ込こむことになった。そして公団こうだん方式ほうしきならまだしも、地方自治体ちほうじちたいと民間みんかん資金しきんを主体しゅたいに構成こうせいされる公社こうしゃ方式ほうしきとしての建設けんせつ、運営うんえいであることから厳きびしい地方ちほう財政ざいせいの制約せいやくもあって、多額たがくの資金しきんを要ようする環境かんきょう対策たいさく重視じゅうしの道路どうろ構造こうぞうは経費けいひ節減せつげんのために破棄はきせざるを得えない状況じょうきょうとなった。こうして計画けいかくは二に転てん三さん転てんしたことから、さらなる工事こうじの遅延ちえんを招まねいた。そして年とし毎ごとに物価ぶっかは上昇じょうしょうを続つづけ、西尾にしお市政しせいで建設けんせつ速度そくどが向上こうじょうするも適切てきせつな建設けんせつのタイミングを完全かんぜんに逸いっしたことから、結果けっか的てきに公社こうしゃは莫大ばくだいな借金しゃっきんを背負せおうことになった。ただし、反対はんたい住民じゅうみんとの対話たいわを通とおして首都しゅとや阪神はんしんではさほど顧かえりみられなかった環境かんきょう対策たいさくは充実じゅうじつすることになり、さらに副次的ふくじてきな効果こうかとして基幹きかんバスのバスレーン設置せっちおよび水害すいがい対策たいさくや一般いっぱん道路どうろの整備せいびなどが実施じっしされ、地域ちいき住民じゅうみんの利便りべん性せいに資しすることになった。

料金りょうきん政策せいさくの推移すいい

料金りょうきん制度せいど見直みなおしに向むけた社会しゃかい実験じっけんの垂たれ幕まく（2015年ねん5月がつ撮影さつえい）

名めい高速こうそく入口いりくちの料金りょうきん表示ひょうじ板ばん（2021年ねん5月がつ28日にち撮影さつえい）。2021年ねん（令れい和わ3年ねん）5月がつ1日にちからETC車しゃは対たい距離きょり制せいに移行いこうした。

公社こうしゃ発足ほっそく当初とうしょは均一きんいつ料金りょうきん制せいを採用さいようした。均一きんいつ料金りょうきん制せいを採用さいようしたのは料金りょうきん区分くぶんが簡素かんそであることから、料金りょうきん徴収ちょうしゅうの時間じかん節約せつやくおよび本線ほんせん流出りゅうしゅつ時じの料金りょうきん徴収ちょうしゅうがないため（16号ごう一宮いちのみや線せんを除のぞく）大量たいりょうの都市とし交通こうつうを滞とどこおりなく円滑えんかつに処理しょりできるからである。さらに、利用りよう距離きょりが長ながいほど割安わりやすとなることから、長距離ちょうきょり交通こうつう（市内しない外がいとの流出りゅうしゅつ入にゅう交通こうつう）の高速こうそく道路どうろへの利用りようを促うながし、短距離たんきょり交通こうつうとの質的しつてき分離ぶんりを促進そくしんさせ一般いっぱん道路どうろの混雑こんざつを和やわらげる意味いみがある。その一方いっぽうで尾お北きた線せん（11号ごう小牧おまき線せんと16号ごう一宮いちのみや線せんの料金りょうきん圏けん）を別べつ料金りょうきん体系たいけいとしたのは2つの意図いとによった。1つ目めは尾お北きた線せんの利用りよう特性とくせいとして、尾お北きた線せんのみの短たん区間くかん利用りよう者しゃが尾お北きた線せん全体ぜんたいの約やく半数はんすうと高たかい比率ひりつを占しめることから、短たん区間くかん利用りよう者しゃの金銭きんせん的てき負担ふたんを軽減けいげんするためである。2つ目めは小牧こまき、一宮いちのみや方面ほうめんから三重みえ県けん方面ほうめんに抜ぬける通過つうか交通こうつうを名めい二に環たまきへ受うけ流ながし、都心としん部ぶへ余計よけいな交通こうつうを入いれないためである（つまり渋滞じゅうたい回避かいひにつながる）。それは尾お北きた線せんと名な二に環たまきを相互そうご利用りようした場合ばあいの料金りょうきん（370円えん+510円えん=880円えん）を、尾お北きた線せんと名古屋なごや線せんを直通ちょくつうした場合ばあい（370円えん+780円えん=1,150円えん）よりも割安わりやすにすることで、通過つうか交通こうつうの名めい二に環たまき利用りようを促うながす狙ねらいがある。なお、名古屋なごや線せんが名めい二に環たまきよりも割高わりだかに設定せっていされているのはこうした事情じじょうからであった。

なお、均一きんいつ料金りょうきん制せいは不公平ふこうへい感かんがあることから、公社こうしゃとしては首都高しゅとこう速そく・阪神はんしん高速こうそくで採用さいようされた利用りよう距離きょりに応おうじた料金りょうきん制度せいどを名古屋なごや高速こうそくでも導入どうにゅうするか否ひかの検証けんしょうを実施じっしすることになった。その結果けっかとして、既すでに実施じっし中ちゅうのETC末まつ端はし特定とくてい区間くかん割引わりびきを拡大かくだい、末端まったん部ぶと1つ目めの出口いでぐち（570円えん）に加くわえ、新あらたに2つ目めの出口でぐち間あいだで670円えんを設定せっていし、これに正規せいきの770円えんを加くわえた3段階だんかい式しき料金りょうきん体系たいけいとしてETC搭載とうさい車しゃ限定げんていで2014年ねん（平成へいせい26年ねん）7月がつ1日にちから1年間ねんかん限定げんていで社会しゃかい実験じっけんを行おこなった。元もとを正ただせば、均一きんいつ料金りょうきん制せいを採用さいようする要因よういんの一ひとつが係員かかりいんによる料金りょうきん収受しゅうじゅ業務ぎょうむの円滑えんかつ化かに資しすることであったため、その後ごのETCの利用りよう率りつが9割わりまで向上こうじょうすると均一きんいつ料金りょうきん制度せいどにこだわる必要ひつよう性せいが薄うすまり、公社こうしゃとしてもこれを距離きょり制度せいど再考さいこうの機会きかいととらえ、今後こんごは実験じっけん結果けっかを踏ふまえて制度せいどのあり方かたを煮詰につめるとした。

こうした料金りょうきん再考さいこうを踏ふまえ、2021年ねん（令れい和わ3年ねん）5月がつ1日にちから名古屋なごや中京ちゅうきょう圏けんの高速こうそく料金りょうきん体系たいけいの整理せいり・統一とういつによって高速こうそく料金りょうきんが見直みなおされ、ETC車しゃ限定げんていで距離きょり別べつ料金りょうきん制度せいどの導入どうにゅうを開始かいしするに至いたった。なお、非ひETC車しゃ（現金げんきん支払しはらい等とう）は、利用りようする入口いりくちからもっとも遠とおい出口でぐちまでの距離きょりに応おうじた料金りょうきんとなる。これにより均一きんいつ性せいによる料金りょうきんの不ふ合理ごうり性せいが改善かいぜんされ、短距離たんきょりでも都市とし高速こうそくを利用りようする車くるまが増ふえることで交通こうつう量りょうが適正てきせい化かし、名古屋なごや市内しないの渋滞じゅうたい緩和かんわが期待きたいできると専門せんもん家かは分析ぶんせきしている。一方いっぽうで名古屋なごや高速こうそく道路どうろは今後こんご、名古屋なごや駅近えきちか辺べに新あらたな出入口でいりぐちを設置せっちすること、名めい岐道路ろの一宮いちのみや以北いほくの延伸えんしんが計画けいかくされる中なかで、実質じっしつ的てきに値上ねあげとなる今回こんかいの制度せいど改定かいていはそうした計画けいかくの財源ざいげんを確保かくほする狙ねらいがあるとされる。

年表ねんぴょう

現在げんざいの路線ろせん呼称こしょうと番号ばんごうは1995年ねんにおける都心としん環状かんじょう線せん全線ぜんせん開業かいぎょうを契機けいきとして制定せいていされたものであるが、以下いかの年表ねんぴょうではそれ以前いぜんのものであっても便宜べんぎ的てきに現在げんざいの基準きじゅんで表記ひょうきしている。なお、都心としん環状かんじょう線せん全線ぜんせん開業かいぎょう以前いぜんの呼称こしょうと番号ばんごうは次つぎの通とおりである。1号ごう万場まんば線せん（現げん・5号ごう万場まんば線せん）、1号ごう白川しらかわ・東山ひがしやま線せん（現げん・2号ごう東山ひがしやま線せん）、2号ごう大高おおたか線せん（現げん・3号ごう大高おおたか線せん）、2号ごう楠くすのき線せん（現げん・1号ごう楠くすのき線せん）。

• 1961年ねん（昭和しょうわ36年ねん）6月がつ : 建設省けんせつしょう（現げん・国土こくど交通省こうつうしょう）から名古屋なごや市しにおける高速こうそく道路どうろ設置せっちのための基礎きそ調査ちょうさを愛知あいち県けんと名古屋なごや市しが受託じゅたく。
• 1963年ねん（昭和しょうわ38年ねん）6月22日にち : 名古屋なごや都市とし高速こうそく道路どうろ調査ちょうさ連絡れんらく会かいが発足ほっそく。
• 1966年ねん（昭和しょうわ41年ねん）7月がつ2日にち :「名古屋なごや都市とし高速こうそく道路どうろの概要がいよう」を発表はっぴょう。ここで、名古屋なごや環状かんじょう2号線ごうせんの内側うちがわに、南北なんぼく2方向ほうこう、東西とうざい1方向ほうこうおよび2分岐ぶんき線せんを配はいした高速こうそく道路どうろ網もうの建設けんせつ計画けいかくを提示ていじ。
• 1970年ねん（昭和しょうわ45年ねん）
  • 5月がつ20日はつか : 地方ちほう道路どうろ公社こうしゃ法案ほうあんが施行しこう。
  • 9月24日にち : 愛知あいち県けんと名古屋なごや市しの出資しゅっしにより名古屋なごや高速こうそく道路どうろ公社こうしゃを設立せつりつ。
  • 9月25日にち : 最初さいしょの都市とし計画けいかくが認可にんか。
• 1973年ねん（昭和しょうわ48年ねん）
  • 1月がつ19日にち : 都市とし計画けいかく変更へんこう。2号ごう東山ひがしやま線せんは吹上ふきあげ - 名古屋なごやIC間あいだを計画けいかく線せんとして認可にんか。
  • 3月22日にち : 名古屋なごや市しの予算よさん市議会しぎかいで都市とし高速こうそく道路どうろ関連かんれん予算よさんの執行しっこう凍結とうけつが決定けってい。
  • 12月26日にち : 予算よさん凍結とうけつ解除かいじょ。
• 1976年ねん（昭和しょうわ51年ねん）11月29日にち : 都市とし計画けいかく変更へんこう。都心としん環状かんじょう線せんを双方向そうほうこう通行つうこう式しきから1方向ほうこう通行つうこう方式ほうしきに改あらため、これに伴ともない高速こうそく分岐ぶんき1号ごうを廃止はいし。2号ごう東山ひがしやま線せんは四谷よつや - 名古屋なごやIC間あいだを廃止はいしのうえ代替だいたい路線ろせんの四谷よつや - 高針たかばりJCT間あいだの計画けいかくを留保りゅうほ。
• 1977年ねん（昭和しょうわ52年ねん）5月25日にち : 高速こうそく3号ごう（いわゆる4号ごう東海とうかい線せんと6号ごう清須きよす線せん）は明道あけみち町まちJCT - 山王さんのうJCT間あいだを除のぞいて整備せいび計画けいかくから除外じょがい（ただし都市とし計画けいかくとしては残のこされた）、1985年ねん以降いこうの再考さいこうを表明ひょうめい。
• 1979年ねん（昭和しょうわ54年ねん）7月がつ25日にち : 3号ごう大高おおたか線せん高辻たかつじ - 大高おおだか（10.9 km）開通かいつう。
• 1985年ねん（昭和しょうわ60年ねん）5月7日にち : 3号ごう大高おおたか線せん鶴舞つるまい南みなみJCT – 高だか辻つじ、都心としん環状かんじょう線せん東新町ひがししんまち入口いりくち – 東別院ひがしべついん出口でぐち開通かいつう。
• 1986年ねん（昭和しょうわ61年ねん）10月27日にち : 5号ごう万場まんば線せん名古屋なごや西にしJCT - 白川しらかわ開通かいつう、東名とうめい阪ばん自動車じどうしゃ道どうと接続せつぞく。
• 1987年ねん（昭和しょうわ62年ねん）
  • 8月がつ10日とおか : 楠くすのき線せん都心としん部ぶおよび都心としん環状かんじょう線せんの一部いちぶ区間くかんの半地はんじ下か、地下ちか式しきを高架こうか式しきに戻もどす都市とし計画けいかくを決定けってい。
  • 8月がつ31日にち : 都心としん環状かんじょう線せん名駅めいえき出口でぐち（現げん・錦にしき橋きょう出口でぐち） – 新しん洲崎すさきJCT（0.8 km）開通かいつう。
• 1988年ねん（昭和しょうわ63年ねん）
  • 3月23日にち : 東名とうめい阪ばん自動車じどうしゃ道どう名古屋なごや西にしJCT - 清洲きよす東ひがしIC開通かいつうにより名古屋なごや西にしJCT渡わたり線せんを設置せっちのうえ東名とうめい阪ばん自動車じどうしゃ道どう均一きんいつ区間くかんと接続せつぞく。
  • 4月がつ26日にち : 2号ごう東山ひがしやま線せん白川しらかわ – 吹上ふきあげおよび吹上ふきあげ暫定ざんてい連絡れんらく路ろ、都心としん環状かんじょう線せん新しん洲崎すさきJCT – 山王さんのうJCTおよび山王さんのうJCT - 東別院ひがしべついん開通かいつう。
  • 12月21日にち : 1号ごう楠くすのき線せん楠くすのき – 萩野はぎの暫定ざんてい出入口でいりぐち（2.2 km）開通かいつう。
• 1989年ねん（平成へいせい元年がんねん）
  • 3月29日にち : 3号ごう大高おおたか線せん堀田ほった出口でぐち開通かいつう。
  • 6月16日にち : 3号ごう大高おおたか線せん堀田ほった入口いりくち、都心としん環状かんじょう線せん東別院ひがしべついん入口いりくち開通かいつう。
• 1991年ねん（平成へいせい3年ねん）3月19日にち : 1号ごう楠くすのき線せん楠くすのきJCT – 楠くすのき（0.1 km）開通かいつう、東名とうめい阪ばん自動車じどうしゃ道どう（現げん・名めい二に環たまき）と接続せつぞく。
• 1992年ねん（平成へいせい4年ねん）8月がつ5日にち : 整備せいび計画けいかく変更へんこうにより高速こうそく1号ごう四谷よつや高針たかばり線せん（いわゆる2号ごう東山ひがしやま線せん四谷よつや - 高針たかばりJCT）を計画けいかくに組くみ入いれ。
• 1994年ねん（平成へいせい6年ねん）
  • 9月12日にち : 都心としん環状かんじょう線せん名駅めいえき - 丸まるの内うち出口でぐち（1.7 km）開通かいつう。ただし名駅めいえき入口いりくちは丸まるの内うち出口でぐちまでの利用りよう距離きょりが短みじかいため未み供用きょうよう。
  • 11月16日にち : 1号ごう楠くすのき線せん萩野はぎの暫定ざんてい出入口でいりぐちを廃止はいしのうえ都心としん環状かんじょうとの連結れんけつ工事こうじのため同線どうせんは供用きょうよう停止ていし。
  • 11月24日にち : 整備せいび計画けいかく変更へんこうにより高速こうそく名古屋なごや小牧線こまきせん（いわゆる11号ごう小牧線こまきせん）を計画けいかくに組くみ入いれ。
• 1995年ねん（平成へいせい7年ねん）9月19日にち : 1号ごう楠くすのき線せん萩野はぎの – 東片端ひがしかたは入口いりくち、都心としん環状かんじょう線せん丸まるの内うち出口でぐち – 東新町ひがししんまち開通かいつう（併あわせて名駅めいえき入口いりくち供用きょうよう開始かいし）。これにより楠くすのきから大高おおたかまでの縦断じゅうだん路線ろせんが完成かんせい。また、都心としん環状かんじょう線せんのループが完成かんせい、これにより吹上ふきあげ暫定ざんてい連絡れんらく路ろを廃止はいし。
• 1996年ねん（平成へいせい8年ねん）
  • 1月がつ10日とおか : 整備せいび計画けいかく変更へんこうにより高速こうそく3号ごう北部ほくぶ（いわゆる6号ごう清須きよす線せん）を計画けいかくに組くみ入いれ。
  • 10月14日にち : 3号ごう大高おおたか線せん大高おおたか出口でぐち開通かいつう。
• 1997年ねん（平成へいせい9年ねん）
  • 3月13日にち : 整備せいび計画けいかく変更へんこうにより高速こうそく清洲きよす一宮いちのみや線せん（いわゆる16号ごう一宮いちのみや線せん）を計画けいかくに組くみ入いれ。
  • 3月27日にち : 3号ごう大高おおたか線せん大高おおたか入口いりくち開通かいつう。
  • 9月5日にち : 2号ごう東山ひがしやま線せん吹上ふきあげ出口でぐち（現げん・吹上ふきあげ東出とうで口こう）開通かいつう。
  • 10月13日にち : 1号ごう楠くすのき線せん黒川くろかわ出入口でいりぐち開通かいつう。
• 1998年ねん（平成へいせい10年ねん）2月がつ6日にち : 整備せいび計画けいかく変更へんこうにより高速こうそく3号ごう南部なんぶ（いわゆる4号ごう東海とうかい線せん）を計画けいかくに組くみ入いれ。
• 1999年ねん（平成へいせい11年ねん）11月11日にち : 都心としん環状かんじょう線せん丸まるの内うち入口いりくち供用きょうよう開始かいし。
• 2000年ねん（平成へいせい12年ねん）12月11日にち : 2号ごう東山ひがしやま線せん吹上ふきあげ – 四谷よつや出口でぐち（西にし行いき 3.5 km）開通かいつう。これに伴ともなって吹上ふきあげ出入口でいりぐちを吹上ふきあげ東ひがし出入口でいりぐちに改称かいしょうのうえ吹上西ふきあげにし出口でぐちを開設かいせつ。春岡はるおか出口でぐちも同時どうじ開設かいせつ。
• 2001年ねん（平成へいせい13年ねん）
  • 3月がつ10日とおか : 11号ごう小牧線こまきせん楠くすのきJCT – 小牧こまき南みなみ（5.4 km）開通かいつう。
  • 6月1日にち : 2号ごう東山ひがしやま線せん吹上ふきあげ – 四よん谷たに入口いりくち（東ひがし行いき 3.5 km）開通かいつう。
  • 10月19日にち : 11号ごう小牧線こまきせん小牧こまき南みなみ – 小牧こまきIC（2.8 km）開通かいつう、名神めいしん・東名とうめいの両りょう高速こうそく道路どうろと接続せつぞく。
• 2002年ねん（平成へいせい14年ねん）4月がつ24日にち : 11号ごう小牧線こまきせん小牧こまき北きた入口いりくち開通かいつう。
• 2003年ねん（平成へいせい15年ねん）
  • 3月23日にち : 3号ごう大高おおたか線せん大高おおたか – 名古屋なごや南みなみJCT（0.1 km）開通かいつう、伊勢いせ湾岸わんがん自動車じどうしゃ道どうと接続せつぞく。
  • 3月29日にち : 2号ごう東山ひがしやま線せん四谷よつや – 高針たかばりJCT（3.6 km）開通かいつう、東名とうめい阪ばん自動車じどうしゃ道どう（現げん・名めい二に環たまき）と接続せつぞく。併あわせて春岡はるおか入口いりくちを開設かいせつ。
• 2004年ねん（平成へいせい16年ねん）3月1日にち : 一部いちぶ料金りょうきん所しょにてETCの運用うんようを開始かいし。
• 2005年ねん（平成へいせい17年ねん）2月がつ11日にち : 16号ごう一宮いちのみや線せん清洲きよすJCT - 一宮いちのみやIC(8.9 km)開通かいつう。
• 2007年ねん（平成へいせい19年ねん）12月9日にち : 6号ごう清須きよす線せん明道あけみち町まちJCT -清洲きよすJCT(7.0 km)開通かいつう。
• 2010年ねん（平成へいせい22年ねん）9月4日にち : 4号ごう東海とうかい線せん山王さんのうJCT – 六ろく番ばん北きた（2.8 km）開通かいつう。
• 2011年ねん（平成へいせい23年ねん）11月19日にち : 4号ごう東海とうかい線せん木場きば出入口でいりぐち – 東海とうかいJCT(5.3 km)開通かいつう。
• 2013年ねん（平成へいせい25年ねん）11月23日にち : 4号ごう東海とうかい線せん六ろく番ばん北きた - 木場きば出入口でいりぐち（3.9 km）開通かいつう。これによって名古屋なごや高速こうそく道路どうろ全線ぜんせんの供用きょうようを開始かいし。
• 2020年ねん（令れい和わ2年ねん）2月がつ22日にち：料金りょうきん所しょの業務ぎょうむを行おこなう会社かいしゃの男性だんせい事務じむ員いんが新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんしていることが判明はんめいし、この事務じむ員いんと濃厚のうこう接触せっしょくした可能かのう性せいがある料金りょうきん所しょのスタッフなど52人にんを自宅じたく待機たいきとした。この影響えいきょうで、六ろく番ばん南みなみ・木場きば・六ろく番ばん北きた・船見ふなみ入口いりくち・烏森からすもり・東海とうかい新宝しんぽう入口いりくちの6料金りょうきん所しょが一時いちじ閉鎖へいさされた。

最高さいこう速度そくど

最高さいこう速度そくどは11号ごう小牧おまき線せんと16号ごう一宮いちのみや線せんが80 km/hのほかは、ほとんどが40 - 60 km/h制限せいげんとなっている。なお、2号ごう東山ひがしやま線せんの吹上西ふきあげにし、吹上ふきがみ東ひがし - 高針たかばりJCT間あいだの半地はんじ下か、トンネル部ぶは、排気はいきガスによる視認しにん性せいの低下ていかや車両しゃりょう火災かさいによるリスクの回避かいひの観点かんてんから50 km/h規制きせいである。

料金りょうきん・割引わりびき

料金りょうきん収受しゅうじゅは入口いりくち方式ほうしき。ETCと一般いっぱんレーンを用意ようい。

首都高しゅとこう速そく道路どうろや阪神はんしん高速こうそく道路どうろと同おなじく対たい距離きょり料金りょうきんである。なお、普通ふつう車しゃでETCを利用りようする場合ばあいは下限かげん290円えん（0.6km以下いか） - 上限じょうげん1320円えん（32.1km以上いじょう）。

料金りょうきん収受しゅうじゅは入口いりくち徴収ちょうしゅう、出口でぐちはフリーである（11号ごう小牧おまき線せんと16号ごう一宮いちのみや線せんの一部いちぶに出口でぐち徴収ちょうしゅうあり）。このことから、通行つうこう料金りょうきんを現金げんきんで支払しはらう利用りよう者しゃは、各かく入口いりくちからのもっとも高たかい料金りょうきん設定せっていとなっている。集約しゅうやく料金りょうきん所しょを除のぞいて基本きほん的てきに2レーン配列はいれつで、ETC専用せんようレーンと一般いっぱんレーンで構成こうせいされる。以前いぜんはETCと一般いっぱんの混在こんざいレーンが存在そんざいしたが、それを悪用あくようしてETC車しゃと見みせかけて料金りょうきん所しょを突破とっぱする不正ふせい通行つうこうが相次あいついだことから、現在げんざいでは原則げんそく的てきに混在こんざいレーンは廃止はいしされている。

均一きんいつ料金りょうきん制せい時代じだいの通行つうこう料金りょうきん

2019年ねん10月1日にち改定かいてい

• 名古屋なごや線せん : 普通ふつう車しゃ780円えん、大型おおがた車しゃ1,570円えん
• 尾お北きた線せん : 普通ふつう車しゃ370円えん、大型おおがた車しゃ730円えん
  • 尾お北きた線せん特定とくてい料金りょうきん区間くかん : 普通ふつう車しゃ210円えん、大型おおがた車しゃ420円えん

ETC割引わりびき

各種かくしゅの割引わりびきは料金りょうきん所しょをETC無線むせん通信つうしんによって通行つうこうすることが条件じょうけんとなっている（公社こうしゃ側がわの事由じゆうにより無線むせん通行つうこうができない場合ばあいを除のぞき、ETCカードを係員かかりいんに手渡てわたして精算せいさんした場合ばあいには適用てきようされない）。曜日ようび・時間じかん帯たいの条件じょうけんがある割引わりびきは、料金りょうきん圏けんごとにその料金りょうきん所しょの通過つうか時刻じこくで判断はんだんし、それらの割引わりびきの重複じゅうふく適用てきようはしない（割引わりびき額がくがもっとも大おおきいものを適用てきよう）。割引わりびき額がくに10円えん未満みまんの端はし数すうが生しょうじる場合ばあい、端はし数すうは切きり捨すてとなる。

端末たんまつ特定とくてい区間くかん割引わりびき（終了しゅうりょう）

名古屋なごや線せん末まつ端はし部分ぶぶんの指定してい区間くかんのみの利用りようが対象たいしょう。普通ふつう車しゃ200円えん引ひき、大型おおがた車しゃ400円えん引びき。本ほん割引わりびきを適用てきようしたあとの料金りょうきんに対たいし、以下いかの時間じかん帯たい割引わりびき・社会しゃかい実験じっけん割引わりびきが重複じゅうふく適用てきようされる。

夜間やかん割引わりびき

全日ぜんじつ、22‐24時じは10%引ひき、0‐6時じは20%引びき。

日曜にちよう・祝日しゅくじつ割引わりびき

日曜にちよう・祝日しゅくじつの6‐22時じが10%引びき。0‐6時じおよび22‐24時じは先述せんじゅつの夜間やかん割引わりびきが適用てきようされる。2009年ねん7月がつ18日にちから2011年ねん3月27日にちまでの普通ふつう車しゃは、次つぎの土日どにち祝日しゅくじつ料金りょうきん引下ひきさげ社会しゃかい実験じっけんが優先ゆうせんして適用てきようされた。

普通ふつう車しゃ土日どにち祝日しゅくじつ料金りょうきん引下ひきさげ社会しゃかい実験じっけん（終了しゅうりょう）

普通ふつう車しゃのみ、土曜どよう・日曜にちよう・祝日しゅくじつ終日しゅうじつ30%引びき。次つぎの平日へいじつも対象たいしょうとなる。

• 2009年ねん - 8月がつ6日にち（木き）・7日にち（金かね）・13日にち（木き）・14日にち（金かね）、11月2日にち（月つき）
• 2010年ねん - 2月がつ12日にち（金かね）、4月がつ30日にち（金かね）

地域ちいき活力かつりょく基盤きばん創造そうぞう交付こうふ金きんを利用りようして、愛知あいち県けん道路どうろ公社こうしゃとともに、2009年ねん7月がつ18日にちから2011年ねん3月がつ27日にちまでの期間きかん限定げんていで実施じっしされた。

実験じっけん費用ひようは約やく46億おく円えん。経済けいざい波及はきゅう効果こうかは約やく54億おく円えんと推計すいけいされた。

平日へいじつ昼間ひるま時間じかん帯たい割引わりびき社会しゃかい実験じっけん

平日へいじつ（土曜日どようびを含ふくむ）の6‐7時じおよび13‐16時じが15%引びき。2011年ねん7月がつ1日にちから2013年ねん12月31日にちまで実施じっし。

100円えん値下ねさげを行おこなうとする、大村おおむら秀章ひであき（愛知あいち県知事けんちじ）と河村かわむらたかし（名古屋なごや市長しちょう）の共通きょうつう公約こうやくが基もとになっている。当面とうめんの対応たいおうとして渋滞じゅうたい緩和かんわなどを目的もくてきに実施じっし。実験じっけん費用ひようは約やく14億おく円えんで、公社こうしゃが負担ふたんする。

当初とうしょは2012年ねん6月30日にちまでの予定よていだったが、2013年ねん6月29日にちまでに延長えんちょうされ、さらに同年どうねん末まつまでに延長えんちょうされている。

迂回うかい乗のり継つぎ

5号ごう万場まんば線せんから3号ごう大高おおたか線せん、1号ごう楠くすのき線せんから5号ごう万場まんば線せんのように通常つうじょう都心としん環状かんじょう線せんを経由けいゆした場合ばあい、右みぎ回まわり一方いっぽう通行つうこうとなる構造こうぞう上じょう大回おおまわりの経路けいろとなり、都心としん環状かんじょう線せんの交通こうつう量りょうの増大ぞうだいを招まねくおそれがあることから、2004年ねん2月がつからETC無線むせん通行つうこうに限かぎり、2号ごう東山ひがしやま線せんの吹上ふきあげ東出とうで口こうを流出りゅうしゅつし15分ふん以内いないに吹上ふきあげ東ひがし入口いりくちに入場にゅうじょうした場合ばあいは、名古屋なごや高速こうそくの利用りようを1回かいの通行つうこうとみなし、新あらたな通行つうこう料金りょうきんを徴収ちょうしゅうしない（かつて存在そんざいした「吹上ふきあげ暫定ざんてい連絡れんらく路ろ」と同様どうようの運用うんよう）。

「名古屋なごや高速こうそく2号ごう東山ひがしやま線せん#迂回うかい乗のり継つぎ制度せいど」も参照さんしょう

料金りょうきんの変移へんい（名古屋なごや線せん）

• 1979年ねん（昭和しょうわ54年ねん）7月がつ25日にち（開通かいつう時じ）: 普通ふつう車しゃ400円えん、大型おおがた車しゃ800円えん。
• 1985年ねん（昭和しょうわ60年ねん）5月8日にち : 普通ふつう車しゃ500円えん 大型おおがた車しゃ1,000円えん。
• 1986年ねん（昭和しょうわ61年ねん）10月27日にち : 飛とび地ちで開通かいつうしている区間くかんへの暫定ざんてい措置そちとして、乗継のりつぎ券けんによる乗継のりつぎ制度せいどが設定せっていされる。
• 1988年ねん（昭和しょうわ63年ねん）
  • 4月がつ27日にち : 普通ふつう車しゃ600円えん、大型おおがた車しゃ1,200円えん。
  • 12月21日にち : この日ひ供用きょうよう開始かいしの楠くすのき - 萩野はぎの間あいだに、普通ふつう車しゃ150円えん、大型おおがた車しゃ300円えんの特定とくてい料金りょうきんを設定せってい。
• 1989年ねん（平成へいせい元年がんねん）4月がつ1日にち : 消費しょうひ税法ぜいほうが施行しこうされたが、名古屋なごや市議会しぎかいの反対はんたいで料金りょうきんへの転嫁てんかができなかった。
• 1995年ねん（平成へいせい7年ねん）9月がつ20日はつか : 普通ふつう車しゃ650円えん、大型おおがた車しゃ1,300円えん。1号ごう楠くすのき線せん暫定ざんてい供用きょうよう料金りょうきんは廃止はいし。
• 2003年ねん（平成へいせい15年ねん）3月29日にち : 特定とくてい料金りょうきん区間くかんを新設しんせつ。楠くすのきJCT - 豊山とよやま南みなみ出入口でいりぐち、堀ほりの内うち入口いりくち - 小牧こまきIC間あいだで普通ふつう車しゃ200円えん。
• 2004年ねん（平成へいせい16年ねん）
  • 3月29日にち : 普通ふつう車しゃ750円えん、大型おおがた車しゃ1,500円えん。
  • 10月1日にち : すべての料金りょうきん所しょでETCが利用りよう可能かのうとなる。
• 2006年ねん（平成へいせい18年ねん）12月31日にち : 偽造ぎぞう券けん対策たいさくにより回数かいすう券けんの利用りようを終了しゅうりょう。
• 2014年ねん（平成へいせい26年ねん）4月がつ1日にち : 消費しょうひ税ぜい8％化かにより普通ふつう車しゃ770円えん、大型おおがた車しゃ1,540円えんに改定かいてい。
• 2019年ねん（令れい和わ元年がんねん）10月1日にち : 消費しょうひ税ぜい10％化かにより普通ふつう車しゃ780円えん、大型おおがた車しゃ1,570円えんに改定かいてい。
• 2021年ねん（令れい和わ3年ねん）5月1日にち: 距離きょり別べつ料金りょうきん制度せいどの導入どうにゅう開始かいし。

所管しょかん警察けいさつ

• 愛知あいち県けん警察けいさつ高速こうそく道路どうろ交通こうつう警察けいさつ隊たい名古屋なごや西分にしわ駐ちゅう隊たい : 全線ぜんせん

参考さんこう文献ぶんけん

• 名古屋なごや高速こうそく道路どうろ公社こうしゃ『名古屋なごや高速こうそく大高おおたか線せん円上えんじょう・大高おおだか間あいだ工事こうじ誌し』1980年ねん。 
• 名古屋なごや高速こうそく道路どうろ公社こうしゃ20年ねん史し編集へんしゅう委員いいん会かい『名古屋なごや高速こうそく道路どうろ公社こうしゃ二に十じゅう年ねん史し』1991年ねん。 
• 名古屋なごや高速こうそく道路どうろ公社こうしゃ30年ねん史し編集へんしゅう委員いいん会かい『名古屋なごや高速こうそく道路どうろ公社こうしゃ30年ねん史し』2002年ねん。 
• 名古屋なごや高速こうそく道路どうろ公社こうしゃ四よん十じゅう年ねん史し編集へんしゅう委員いいん会かい『名古屋なごや高速こうそく道路どうろ公社こうしゃ四よん十じゅう年ねん史し』2012年ねん。 
• 名古屋なごや高速こうそく道路どうろ公社こうしゃ工事こうじ誌し編集へんしゅう委員いいん会かい『名古屋なごや高速こうそく道路どうろ公社こうしゃ工事こうじ誌しII』1998年ねん9月がつ。 
• 清水しみず草くさ一いち『高速こうそく道路どうろの謎なぞ　雑学ざつがくから知しる日本にっぽんの道路どうろ事情じじょう』扶桑社ふそうしゃ、2009年ねん。ISBN 9784594060220。 
• 財団ざいだん法人ほうじん　名古屋なごや都市としセンター『名古屋なごや都市とし計画けいかく史し（大正たいしょう8年ねん - 昭和しょうわ44年ねん）』1999年ねん。 
• 愛知あいち県けん建設けんせつ部ぶ道路どうろ建設けんせつ課か『人ひと・モノ・情報じょうほうの交流こうりゅう促進そくしんをめざして　高こう規格きかく幹線かんせん道路どうろ＆地域ちいき高だか規格きかく道路どうろ』2012年ねん。 
• 愛知あいち県けん・名古屋なごや市し『名古屋なごや都市とし高速こうそく道路どうろ計画けいかくの概要がいよう（昭和しょうわ45年ねん7月がつ）』1970年ねん。 
• 窪田くぼた陽一よういち『道路どうろが一番いちばんわかる　道路どうろの構造こうぞう・工法こうほうが手てに取とるように理解りかいできる』技術評論社ぎじゅつひょうろんしゃ〈しくみ図解ずかい〉、2009年ねん。ISBN 9784774140056。 
• 名古屋なごや市し市長しちょう室しつ広報こうほう課か『広報こうほうなごや　縮小しゅくしょう版ばん』 661 - 672（平成へいせい15年ねん1 - 12月号ごう）、2003年ねん。 
• 日本道路公団にほんどうろこうだん名古屋なごや建設けんせつ局きょく　名古屋なごや工事こうじ事務所じむしょ『近畿きんき（東名とうめい阪ばん）自動車じどうしゃ道どう　清洲きよす東ひがし・名古屋なごや西にし間あいだ工事こうじ誌し』1992年ねん。 
• 名古屋なごや市政しせい100周年しゅうねん記念きねん誌し編集へんしゅう委員いいん会かい『なごや100年ねん』名古屋なごや市し総務そうむ局きょく、1989年ねん10月がつ1日にち。 

関連かんれん項目こうもく

• 都市とし高速こうそく道路どうろ
• 地域ちいき高だか規格きかく道路どうろ一覧いちらん
• 中部ちゅうぶ地方ちほうの道路どうろ一覧いちらん

外部がいぶリンク

• 名古屋なごや高速こうそくガイド - 名古屋なごや高速こうそく道路どうろ公社こうしゃ