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こころ座標ざひょう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

こころ座標ざひょう[1](ちしんざひょうじ、TCG: フランス語ふらんすご: Temps-coordonnée géocentrique)は、地球ちきゅうとしあきらどう衛星えいせいつき)、人工じんこう衛星えいせいかんするすべての計算けいさんにおいて時間じかん独立どくりつ変数へんすうとして使用しようすることを目的もくてきとした座標ざひょう時刻じこくけいである。これは、地球ちきゅう中心ちゅうしんきょうどうする座標ざひょうけいたいして静止せいししている時計とけいきざ固有こゆう等価とうかである。この時計とけいは、地球ちきゅうまったおなうごきをするが、地球ちきゅう重力じゅうりょく井戸いどそとにある時計とけいである。したがって、地球ちきゅう重力じゅうりょくによる時間じかんおく影響えいきょうけない。

TCGは、1991ねん国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごう(IAU)のだい21かい総会そうかい勧告かんこく3[2]によって定義ていぎされた。それは、定義ていぎ定義ていぎ太陽系たいようけい力学りきがく英語えいごばん(TDB)の代替だいたいあんのの1つとして意図いとされていた。TCGは、以前いぜん天文学てんもんがくてき時間じかん尺度しゃくどとはことなり、一般いっぱん相対性理論そうたいせいりろんもとづいて定義ていぎされている。TCGと相対そうたいろんてき時間じかん尺度しゃくどとの関係かんけいは、完全かんぜん一般いっぱん相対そうたいろんてき計量けいりょうテンソル定義ていぎされる。

TCGの基準きじゅんけい地球ちきゅう表面ひょうめんとともに回転かいてんせず、地球ちきゅう重力じゅうりょくポテンシャルなかにはないので、TCGの歩度ほど地球ちきゅう表面ひょうめん時計とけいよりもやく7.0×10−10因子いんしやく22ミリびょう/とし)だけはやい。したがって、TCGを使用しようした計算けいさん使用しようされる物理ぶつり定数ていすうは、通常つうじょう物理ぶつり定数ていすうとはことなる(伝統でんとうてきはある意味いみ間違まちがっており、時間じかん尺度しゃくどちがいを修正しゅうせいんだものである)。既存きそんのソフトウェアのだい部分ぶぶんをTDBからTCGに変更へんこうするのは大変たいへん作業さぎょうであり、2002ねん現在げんざいでもなんらかのかたちでTDBが使つかわれつづけている。

TCG尺度しゃくどじょう時間じかん座標ざひょうは、地球ちきゅう回転かいてんもとづく均一きんいつ時間じかん基準きじゅんからされた、慣習かんしゅうてき指定していする従来じゅうらい手段しゅだんもちいて指定していされる。具体ぐたいてきには、ユリウスどおりグレゴリオれき両方りょうほう使用しようされる。その前身ぜんしん天体てんたいれき(ET)との連続れんぞくせいのために、TCGはユリウスどおり 2443144.5(1977-01-01T00Z)のあたりでETと一致いっちするように設定せっていされた。より正確せいかくには、TCGにおける 1977-01-01T00:00:32.184 の瞬間しゅんかんは、国際こくさい原子げんし(TAI)における 1977-01-01T00:00:00.000 の瞬間しゅんかん正確せいかく対応たいおうすると定義ていぎされている。これは、TAIに重力じゅうりょくによる時間じかんおくれの修正しゅうせい導入どうにゅうした瞬間しゅんかんでもある。

TCGはプラトンてき英語えいごばん時間じかん尺度しゃくどである。理論りろんじょう理想りそうであり、特定とくていげんしめせ依存いぞんしない。実用じつようてき目的もくてきのためには、TCGを地球ちきゅうじょう実際じっさい時計とけいによってげんしめせしなければならない。地球ちきゅう(TT)とTCGとのあいだには線形せんけい関係かんけいがあるため、TTをげんしめせする方法ほうほうはTCGにも適用てきようできる。関係かんけい詳細しょうさいとTTのげんしめせ方法ほうほうについては、地球ちきゅう項目こうもく参照さんしょう

太陽系たいようけい座標ざひょう(TCB)は、地球ちきゅう軌道きどうえた太陽系たいようけいかんする計算けいさん使用しようされるTCGの類似るいじぶつである。TCGは、TCBと線形せんけい関係かんけいにならないように、TCBとはことなる参照さんしょうけいによって定義ていぎされる。長期ちょうきてきると、TCGはTCBよりもやく1.6×10−8因子いんしやく0.5びょう/としおくれている。さらに、地球ちきゅう太陽系たいようけいない移動いどうするにつれて、周期しゅうきてき変動へんどうがある。地球ちきゅう1がつ近日きんじつてんちかづくと、TCGの歩度ほど平均へいきんよりもゆっくりになる。太陽たいよう重力じゅうりょく井戸いどふかさによる(重力じゅうりょくによる)時間じかんおくれと、太陽たいようたいしてよりはやうごくことによる(速度そくどによる)時間じかんおくれのためである。7がつ遠日点えんじつてんではぎゃく結果けっかられ、TCGは平均へいきんよりもはやくなる。

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ こよみWiki/座標ざひょう”. 国立こくりつ天文台てんもんだいこよみ計算けいさんしつ. 2017ねん9がつ20日はつか閲覧えつらん
  2. ^ IAU(1991) Recommendation III