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砂時計すなどけい

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砂時計すなどけい

砂時計すなどけい(すなどけい、えい: hourglass あるいはsandglass、sand timer、sand clockなど)は、中央ちゅうおうのくびれた容器ようきなか微細びさいすなれ、上側うわがわからしたがわへのすな移動いどうによって経過けいか時間じかんはか器具きぐ[1]透明とうめい中空ちゅうくうかんれたすな落下らっかりょう経過けいか時間じかんはか器具きぐ時刻じこくはかれず、測定そくてい開始かいしから一定いってい時間じかん計測けいそくするタイマーとしてのみ機能きのうする。 すなつぶおおきさがそろっていて、表面ひょうめんなめらかで、湿しめすくないことが必要ひつようである[1]

歴史れきし

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起源きげん古代こだいエジプト古代こだいギリシャローマとも中国ちゅうごくともいわれているがさだかではない。11世紀せいきころには、航海こうかいよう時計とけいとして使つかわれていたようだがこれも確固かっこたる証拠しょうこはない。14世紀せいきになってえがかれたによってようやく確認かくにんできる。中国ちゅうごくでは「すな」、「すながね」と表記ひょうきされる。

航海こうかいでの具体ぐたいれいとしては地球ちきゅう一周いっしゅうをしたマゼランが、18砂時計すなどけいふねみナビゲーションに使用しようしたとの記録きろくがある。時刻じこく補正ほせいは、正午しょうご太陽たいよう天頂てんちょうにくることを利用りようした。このほか戦闘せんとう時間じかん計測けいそくふね速力そくりょく測定そくてい用途ようとにももちいられた。


その機械きかいしき時計とけい発明はつめいされたことで、砂時計すなどけい実用じつよう目的もくてき使つかわれることはすくなくなった。

機構きこう

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本体ほんたい

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砂時計すなどけい本体ほんたい部分ぶぶんは、ガラスひとし透明とうめい材料ざいりょうつくられた、りょうはしじ、中央ちゅうおうがくびれたかんでできており、そのなかには本体ほんたい容積ようせき半量はんりょう以下いかすな封入ふうにゅうされている。

本体ほんたい部分ぶぶんは、ガラスの成形せいけいじょう理由りゆうからまるそこのものがおおく、保持ほじするためのそとわくがついている場合ばあいおおい。くびれはオリフィスまたはその形状けいじょう相似そうじから、「はちこし」ともわれる。

すなこなつぶからだであるため、すなりょうとくびれの傾斜けいしゃほそさ、そしてすなしつ時間じかんまり、通常つうじょう個々ここ砂時計すなどけい固定こていである。一般いっぱんに「すな」とばれるが、自然しぜんすな以外いがいこなつぶからだひろもちいられる。「すな」としてもちいられるものに、以下いかのものがある。

  • 珪砂けいしゃ - 自然しぜんすな主成分しゅせいぶんであり、ガラスの原料げんりょうとしてももちいられる。
  • 砂鉄さてつ - 普通ふつうすなよりも粒子りゅうしととのっているため、砂時計すなどけいてきしている。
  • シリカゲルこまかくした人工じんこうすな - これはまるいので、スムーズにながちる。
  • ジルコンサンド - オーストラリアとう産出さんしゅつするちがすな

に、ガラスビーズなども使つかうことがある。貝殻かいがら大理石だいりせき粉砕ふんさいしたものも使つかわれた。

使用しようほう仕組しく

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すな落下らっか

砂時計すなどけい天地てんちぎゃくにすると、すな少量しょうりょうずつくびれを通過つうかしてかん下部かぶへと落下らっかしていく。砂時計すなどけい反転はんてんからすな落下らっか終了しゅうりょうまでの時間じかんは、それぞれの砂時計すなどけいまっているので、すべてのすな落下らっかしたのを視認しにんすることにより、その時間じかん経過けいかることができる。計測けいそくには、また上下じょうげ反転はんてんさせれば、再度さいど計測けいそく可能かのうである。

用途ようと

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時計とけい普及ふきゅうした現代げんだいでは、砂時計すなどけい短時間たんじかんのタイマーとしてもちいられる。精度せいどはそれほどたかくないため、正確せいかく時間じかん計測けいそくにはかない。

具体ぐたいてきには、調理ちょうり時間じかん学習がくしゅう時間じかん、ゲームの制限せいげん時間じかん体温計たいおんけい計測けいそく時間じかんサウナ風呂ふろ入浴にゅうよく時間じかん浣腸かんちょうえき注入ちゅうにゅう時間じかんとうすうびょう誤差ごさ結果けっか影響えいきょうおよぼさない用途ようと時間じかんはかるために使用しようされる。

象徴しょうちょう

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羽根はねえた砂時計すなどけいきざまれた墓石はかいしフランスピュイ=ド=ドームけん

コンピュータ処理しょり時間じかんしょうじたときの、画面がめんじょう目印めじるしアイコン)として砂時計すなどけい使つかわれることがある。また、ロンジンの「つばさ砂時計すなどけい」のようにブランドロゴに採用さいようしている企業きぎょうもある。

以上いじょうのように時間じかんという概念がいねんシンボルとしてあつかわれることがおおい。

ヨーロッパにおいては伝統でんとうてきシンボルであり、いのち刻限こくげん次第しだいっていくことへの暗示あんじとされている。 羽根はねえた砂時計すなどけい墓石はかいし図柄ずがらとしてもちいられることがある。 また、中世ちゅうせいにおいては、砂時計すなどけい海賊かいぞくはたのデザインとしてももちいられた。

オリオンかたち砂時計すなどけいたとえられる。

その形状けいじょうから統計とうけい分析ぶんせきなどではきょく分化ぶんかしてりょうはしふくれた状態じょうたい砂時計すなどけいたとえられることがある(「消費しょうひしゃ砂時計すなどけい理論りろん」など[2])。

パズルとして「3ふんはかれる砂時計すなどけいと5ふんはかれる砂時計すなどけいで7ふんはかるにはどうしたらよいか」などの砂時計すなどけいもちいた問題もんだいが、ひとつのパターンといえるほどによく出題しゅつだいされる。

オイル時計とけい

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すな」がのぼるようにえる「砂時計すなどけい

砂時計すなどけいとよく機構きこうつものに、オイル時計とけいがある。みずあぶらのように、比重ひじゅうことなり、じりうことのない2種類しゅるい液体えきたい封入ふうにゅうした時計とけいで、2つひらいたあなのうち、一方いっぽうあなから比重ひじゅうおおきいみず下部かぶ滴下てきかさせ、もう一方いっぽうあなから比重ひじゅうかるいオイルが上部じょうぶげるようになっている。みずとオイルは区別くべつくように着色ちゃくしょくされる。

さらに、この変形へんけいれいとして、比重ひじゅうおおきい液体えきたいと、比重ひじゅうちいさいつぶたいもちいて、「すな」がのぼっていくようにえる砂時計すなどけいもある。

著名ちょめい砂時計すなどけい

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b 日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ砂時計すなどけい
  2. ^ べい消費しょうひきょくした「砂時計すなどけい」(NYにゅーよーく特急とっきゅう便びん)”. 日本経済新聞にほんけいざいしんぶん. (2011ねん11月16にち). https://www.nikkei.com/article/DGXNASGN1600S_W1A111C1000000/ 2014ねん7がつ2にち閲覧えつらん 

関連かんれん文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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