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いたりてん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
冬至とうじうえ)と夏至げしした)における地球ちきゅう表面ひょうめんでの太陽たいよう放射ほうしゃ反射はんしゃりょう (W/m2) をしめしろいほど反射はんしゃりょうおおきい

いたりてん(してん、solstice)とは1ねんに2かい天球てんきゅううえにおいて太陽たいよう赤道あかみちめんからの距離きょり最大さいだいとなる瞬間しゅんかん、またはそのとき太陽たいよう位置いちかたりである。いたりてん意味いみする英語えいごの solstice はラテン語らてんごsolstitium というかたり由来ゆらいする。これは sol太陽たいよう)と動詞どうし sistere静止せいしする)を語源ごげんとしており、いたりてんでは太陽たいようあかぬき増減ぞうげんまり、最大さいだいまたは最小さいしょうたっすることによる。太陽たいよういたりてんたっする夏至げし冬至とうじ)はぶんてんたっする春分しゅんぶん秋分しゅうぶん)とともにぶし関連かんれんしている。いくつかの言語げんごけんではこれらのがそれぞれのぶしはじまりをあらわとしてもちいられている。また、これらのかくぶしなかあいだとする文化ぶんかけんもある(れいとして、北半球きたはんきゅう英語えいごけんでは夏至げし前後ぜんご期間きかんを midsummer とび、夏至げしの2、3にちである6月24にちを Midsummer's Day とんでいる)。

いたりてんふんてん日時にちじ (UTC)
とし 春分しゅんぶん
(3がつ)
夏至げし
(6がつ)
秋分しゅうぶん
(9がつ)
冬至とうじ
(12月)
時刻じこく 時刻じこく 時刻じこく 時刻じこく
2002 20 19:16 21 13:24 23 04:55 22 01:14
2003 21 01:00 21 19:10 23 10:47 22 07:04
2004 20 06:49 21 00:57 22 16:30 21 12:42
2005 20 12:33 21 06:46 22 22:23 21 18:35
2006 20 18:26 21 12:26 23 04:03 22 00:22
2007 21 00:07 21 18:06 23 09:51 22 06:08
2008 20 05:48 20 23:59 22 15:44 21 12:04
2009 20 11:44 21 05:45 22 21:18 21 17:47
2010 20 17:32 21 11:28 23 03:09 21 23:38
2011 20 23:21 21 17:16 23 09:04 22 05:30
2012 20 05:14 20 23:09 22 14:49 21 11:11
2013 20 11:02 21 05:04 22 20:44 21 17:11
2014 20 16:57 21 10:51 23 02:29 21 23:03
2015 20 22:45 21 16:38 23 08:20 22 04:48
2016 20 04:30 20 22:34 22 14:21 21 10:44
2017 20 10:28 21 04:24 22 20:02 21 16:28
2018 20 16:15 21 10:07 23 01:54 21 22:23
2019 20 21:58 21 15:54 23 07:50 22 04:19
2020 20 03:50 20 21:44 22 13:31 21 10:02
2021 20 09:37 21 03:32 22 19:21 21 15:59
2022 20 15:33 21 09:14 23 01:04 21 21:48
2023 20 21:25 21 14:58 23 06:50 22 03:28
2024 20 03:07 20 20:51 22 12:44 21 09:20
2025 20 09:02 21 02:42 22 18:20 21 15:03

名称めいしょう

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日本語にほんごでは2つのいたりてんはそれぞれ夏至げしてん太陽たいようあかぬき最大さいだいとなるてん)・冬至とうじてん太陽たいようあかぬき最小さいしょうとなるてん)とばれる。

英語えいご場合ばあいには、強調きょうちょうしたい特徴とくちょうおうじて以下いかのようないくつかのことなるもちいられる。

  • Summer solsticewinter solsticeもっともよくもちいられる名称めいしょうである。しかしこのかたは、北半球きたはんきゅう南半球みなみはんきゅうではぶしぎゃくであるために意味いみ若干じゃっかん曖昧あいまいになりうる。
  • Northern solsticesouthern solstice太陽たいよう運動うんどう方向ほうこうしめである。northern solstice は6がつにあり、このとき太陽たいよう北半球きたはんきゅう北回帰線きたかいきせん真上まうえる。southern solstice は12月にあり、このとき太陽たいよう南半球みなみはんきゅう南回帰線みなみかいきせん真上まうえる。
  • June solsticeDecember solstice は "summer" および "winter" というかたりもちいる名称めいしょうわりとなるもので、どちらの半球はんきゅうでのぶし意図いとするかによらないである。しかしこの汎用はんようてきなものではない。なぜなら、太陽たいよういたりてんたっする毎年まいとしおながつになる太陽暦たいようれき使つかわない人々ひとびと地球ちきゅうじょうにはいるからである(たとえばユダヤれきなどがこれにたる)。また、地球ちきゅうがい惑星わくせいなどではかならずしもぶし存在そんざいするわけではないため、やはりこの名称めいしょう使つかいにくい。
  • 天文学てんもんがくではかつて the first point of Cancer と the first point of Capricorn という名称めいしょうもちいられていた。この Cancer, Capricorn は、それぞれ黄道こうどう十二宮じゅうにきゅうきょかにみやけい90°~120°)とすり羯宮けい270°~300°)のことであって、星座せいざかにやぎではないので注意ちゅうい[よう出典しゅってん]現在げんざい黄道こうどう座標ざひょう赤道あかみち座標ざひょう同様どうよう春分しゅんぶんてん起点きてんとしてとおしでかぞえるので、この名称めいしょう使つかわれることはない。

太陽たいようたいする地球ちきゅう位置いち

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いたりてん地球ちきゅうから太陽たいよう場合ばあい概念がいねんであるが、地球ちきゅう太陽たいようのまわりを公転こうてんしていることから、このふしでは太陽たいよう基準きじゅんにした地球ちきゅう位置いちについてべる。

地球ちきゅうぶししょうじる原因げんいんは、地球ちきゅう自転じてんじく公転こうてんめんたいして垂直すいちょくでなくやく23.44かたむいており(これを赤道あかみち傾斜けいしゃかくぶ)、かつこの自転じてんじくきが慣性かんせいけいたいして不変ふへんであるためである。この結果けっか地球ちきゅう北半球きたはんきゅう半年はんとし(およそ3がつ20日はつかから9月22にちころまで)のあいだ太陽たいようちかづくようにかたむいており、このかたむきは6月21にちころ最大さいだいとなる。またこれ以外いがい半年はんとしあいだ南半球みなみはんきゅうがわ太陽たいようちかづくようにかたむいており、このかたむきは12月21にちころ最大さいだいとなる。このようにかく半球はんきゅう太陽たいようたいするかたむきがもっとおおきくなる2かい瞬間しゅんかんが、太陽たいよういたりてんたっするときである。

ほんこう冒頭ぼうとうひょうはここすう年間ねんかん太陽たいようぶんてんいたりてんたっする日時にちじげたものである。

夏至げし北緯ほくい23.44北回帰線きたかいきせんじょう地点ちてんでは太陽たいよう正午しょうご天頂てんちょうたっする。同様どうよう冬至とうじには南緯なんい23.44南回帰線みなみかいきせんじょう地点ちてんでは太陽たいよう正午しょうご天頂てんちょうたっする。地球ちきゅうじょうでこの2つの緯線いせんあいだにある地域ちいき熱帯ねったいばれ、この地域ちいきではすくなくとも1ねんに2かい太陽たいよう天頂てんちょうたっする。

また夏至げしには、北極圏ほっきょくけん南限なんげんである北緯ほくい66.56地点ちてん深夜しんや太陽たいようがちょうど地平線ちへいせんたっし、これよりもきた地域ちいきでは24あいだ太陽たいよう地平線ちへいせんじょうのぼっているのをることができる。これは白夜はくやまたは midnight sun, midsummer-night sun などとばれる。一方いっぽう南極なんきょくけん北限ほくげんである南緯なんい66.56地点ちてんでは真昼まひる太陽たいようがちょうど地平線ちへいせんたっし、これよりもみなみ地域ちいきではいちにちちゅう太陽たいようのぼらない。これをごくよるぶ。冬至とうじにはりょう半球はんきゅうでの太陽たいよううごきは上記じょうきぎゃくになる。

熱帯ねったいきょくけん中間ちゅうかん緯度いどでは、冬至とうじから夏至げしまでのあいだ太陽たいようのぼっている時間じかん毎日まいにちながくなり、高度こうど日毎ひごとたかくなる。夏至げしから冬至とうじまでのあいだ太陽たいようのぼっている時間じかん毎日まいにちみじかくなり、高度こうど日毎ひごとひくくなる。これがなつあつふゆさむくなる理由りゆうである。

地球ちきゅうじょうからぶし変化へんか

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前節ぜんせつ説明せつめい地球ちきゅうがい宇宙うちゅう空間くうかんにいる観測かんそくしゃから場合ばあい有用ゆうようである。このような観測かんそくしゃ地球ちきゅうがどのように太陽たいようまわりを公転こうてんし、地球ちきゅう表面ひょうめんでの太陽光たいようこう分布ぶんぷがどのように変化へんかするかをることができる。

地球ちきゅうじょうにいる観測かんそくしゃにとっては、太陽たいよう天球てんきゅうじょうをどのように運行うんこうするかをることも有用ゆうようである。このふし画像がぞうはこのような見方みかたもとづき、にちしゅう運動うんどうによって太陽たいよう天球てんきゅうじょう移動いどうする軌跡きせきあらわしたものである。これらの画像がぞうでは、夏至げし冬至とうじにおける太陽たいよう位置いちが1あいだおきにえがかれている。2ほん軌跡きせきのうちながほう夏至げしみじかほう冬至とうじ太陽たいよう軌跡きせきあらわす。2ほん軌跡きせき天球てんきゅうじょうたがいに46.88 (2 × 23.44°) はなれている。

また、これらの画像がぞうには高度こうど-18までの地平線ちへいせん太陽たいようえがかれている。太陽たいよう高度こうど地平線ちへいせんでこの範囲はんいにあるあいだ薄明はくめい時間じかんたいとなる。これらの画像がぞう北半球きたはんきゅうでも南半球みなみはんきゅうでももちいることができる。これらの観測かんそくしゃうみなかにある孤島ことう根元ねもと付近ふきんすわっていると仮定かていしている。地平ちへいめんじょう緑色みどりいろ矢印やじるし東西とうざい南北なんぼく方向ほうこうしめす。

  • 北半球きたはんきゅうでは、きた画面がめんかってひだり方向ほうこうになり、太陽たいようひがし画面がめんおく)からのぼって南中なんちゅうし、西にし画面がめん手前てまえ)にしずむ。冬至とうじから夏至げしまでのあいだりの位置いちきた移動いどうし、夏至げしから冬至とうじまでのあいだみなみ移動いどうする。
  • 南半球みなみはんきゅうでは、みなみ画面がめんかってひだり方向ほうこうになり、太陽たいようひがし画面がめん手前てまえ)からのぼってきたちゅうし、西にし画面がめんおく)にしずむ。冬至とうじから夏至げしまでのあいだりの位置いちみなみ移動いどうし、夏至げしから冬至とうじまでのあいだきた移動いどうする。

この5まいでは、以下いかの5つの場合ばあい太陽たいよう軌跡きせきえがかれている。

赤道せきどうじょうでの太陽たいよう軌跡きせき
  • 赤道せきどうじょうでは太陽たいよう頭上ずじょう真上まうえ毎日まいにちるわけではない。実際じっさいには太陽たいよう天頂てんちょうたっするのはとしに2かい春分しゅんぶん秋分しゅうぶんときだけである。夏至げし冬至とうじ太陽たいよう天頂てんちょうからもっとはなれるで、これらのには太陽たいようきたまたはみなみからの高度こうどが66.56にしかならない。赤道せきどうじょう特別とくべつなのは、夏至げし冬至とうじふくめていちねんちゅうひるながさがやく12あいだでほぼ一定いっていであることである。よって赤道せきどう付近ふきん地域ちいきではなつふゆという区別くべつはあまり意味いみたない。そのわり、これらの熱帯ねったい地方ちほうには乾季かんき雨季うきという区別くべつがしばしば存在そんざいする。
緯度いど20°での太陽たいよう軌跡きせき
  • 緯度いど20地点ちてんでは、太陽たいよう南中なんちゅう北中きたじゅう高度こうど冬至とうじでは46.56夏至げしでは93.44である。この場合ばあい夏至げし南中なんちゅう北中きたじゅう)のときには太陽たいようきたみなみりの高度こうど86.56にあることを意味いみしている。れいとして南半球みなみはんきゅうでは、太陽たいようふゆにはきたそらにあるが、真夏まなつには天頂てんちょうえてみなみそらたっする。なつ昼間ひるまふゆよりもながいが、そのは2~3あいだえることはない。地平線ちへいせん付近ふきんでの太陽たいよう軌跡きせきいちねんつうじてかたむきがきゅうなため、薄明はくめいは1あいだほどしかない。
緯度いど50°での太陽たいよう軌跡きせき
  • 緯度いど50地点ちてんでは、ふゆ太陽たいよう正午しょうごでも16.56よりたかのぼることはないが、夏至げしには63.44たっする。太陽たいよう高度こうどもっとたかくなるとき太陽たいよう方角ほうがくいちねんつうじておなじである(すなわち太陽たいよう天頂てんちょうえることはない)。なつふゆ昼間ひるまながさはおおきく変化へんかする。また、りの位置いちぶしによっておおきくわる。さらに、地平線ちへいせん付近ふきんでの太陽たいよう軌跡きせきかたむきもなつふゆわる。ふゆ太陽たいようのぼる、またしずとき角度かくどなつよりもあさい。したがって、ふゆ太陽たいようなつくらべて高度こうどひくいだけでなく、のぼはやさもおそい。しかしぎゃくに、なつ太陽たいよう地平線ちへいせんでのうごきがおそいため、薄明はくめいなが時間じかんつづく。この緯度いどでは夏至げし深夜しんや太陽たいよう高度こうど地平線ちへいせん16.56にしかならないため、天文てんもん薄明はくめいいちばんちゅうつづくことになる。この現象げんしょうは gray nights とばれ、天文てんもん観測かんそくてきしたくらさにけっしてならない。緯度いどが60よりたかくなると太陽たいよう軌跡きせきはより地平線ちへいせんちかくなり、夏至げしでも高度こうどが6.56にしかならない。よってこの緯度いどでは市民しみん薄明はくめいいちばんちゅうつづくことになる。この現象げんしょうは white nights とばれる。緯度いどやく66えて北極圏ほっきょくけんまたは南極なんきょくけんはいると白夜はくやられる。
緯度いど70°での太陽たいよう軌跡きせき
  • 緯度いど70地点ちてんでは、地方ちほう正午しょうごにおける太陽たいよう冬至とうじには高度こうど-3.44で、夏至げしには43.44となる。いいかえれば、ふゆ太陽たいよう地平線ちへいせんじょうのぼることがなく、ごくよるとなる。ごくよるあいだあかるい薄明はくめいつづく。地方ちほう深夜しんや夏至げし太陽たいよう高度こうど3.44となり、しずむことがない。すなわち白夜はくやとなる。
きょくでの太陽たいよう軌跡きせき
  • 極点きょくてんでの太陽たいよういちにちちゅうおな高度こうどである。夏至げし太陽たいよう高度こうど地平線ちへいせんじょう23.44冬至とうじ太陽たいよう高度こうど地平線ちへいせん23.44となる。冬至とうじ太陽たいよう高度こうど薄明はくめいにすらならないほどひくい。

実際じっさいには大気たいきがあるため、太陽たいよう幾何きかがくてき位置いち地平線ちへいせんにある場合ばあいでも実際じっさい太陽たいよう地平線ちへいせんじょうのぼっている場合ばあいがある。

文化ぶんかてき視点してん

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おおくの文化ぶんかけんでは冬至とうじ夏至げし春分しゅんぶん秋分しゅうぶんやこれらの中間ちゅうかん時点じてん様々さまざま方法ほうほういわ習慣しゅうかんがある。そのため、これらの時期じきには様々さまざま休日きゅうじつもうけられていることがおおい。冬至とうじについては、もっともよくられた休日きゅうじつクリスマスである。同様どうように、イランのヤルダ古代こだいローマのサチュルナリア、スラブ地方ちほうの Korochun、ユダヤきょうハヌカー、アフリカけいアメリカじんクワンザ北欧ほくおうユールなどがこの時期じきいわわれる。夏至げしまつりとしては、カトリック文化ぶんかけん北欧ほくおうプロテスタント文化ぶんかけん6月23にちから6月24にちにかけておこなわれるひじりヨハネの祝祭しゅくさいなどがある(夏至げしさい参照さんしょう)。ウイッカの Litha も同様どうようである。春分しゅんぶん前後ぜんごにも様々さまざまはるまつりがおこなわれる。れいとしてユダヤきょうえつまつりなどがある。秋分しゅうぶんにもユダヤきょう仮庵かりほまつはじめとしていろいろな休日きゅうじつ存在そんざいする。また、これら4つの時期じき中間ちゅうかんにも cross-quarter days などの祝祭日しゅくさいじつ存在そんざいする。

おおくの文化ぶんかではいたりてんぶんてんは midsummer や midwinter とばれるようにぶしなかあいだてんさだめている。これと同様どうよう日本にっぽんでは、それぞれのぶしはじまりを節分せつぶんとしていわ習慣しゅうかんがある。

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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