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ウイッカで宗教 しゅうきょう 的 てき シンボルとして用 もち いられることが多 おお いペンタグラム
ウイッカ (英 えい : Wicca )は、ネオペイガニズム [注 ちゅう 1] の一派 いっぱ であり、欧州 おうしゅう 古代 こだい の多神教 たしんきょう 的 てき 信仰 しんこう 、特 とく に女神 めがみ 崇拝 すうはい を復活 ふっかつ させたとする新 しん 宗教 しゅうきょう である。ネオペイガニズムの一種 いっしゅ である魔女 まじょ 術 じゅつ (ウイッチクラフト )のなかでも多数 たすう 派 は を占 し めるとされ、少 しょう 人数 にんずう で集団 しゅうだん 儀式 ぎしき を行 おこな うことを特徴 とくちょう とする。主 おも に英語 えいご 圏 けん でみられるが、日本 にっぽん にも存在 そんざい する。ウイッカを信仰 しんこう ・実践 じっせん する人 ひと をウイッカン (英 えい : Wiccan )という。
ウイッカという言葉 ことば はもともと、ジェラルド・ガードナー の創始 そうし した現代 げんだい ウイッチクラフト運動 うんどう (英語 えいご 版 ばん ) において、1960年 ねん 頃 ごろ から魔女 まじょ の宗教 しゅうきょう の呼称 こしょう として使 つか われるようになったもので、厳密 げんみつ にはガードナー派 は ウイッチクラフト (英語 えいご 版 ばん ) とアレクサンダー派 は ウイッカ (英語 えいご 版 ばん ) [注 ちゅう 2] を指 さ していた[6] 。参与 さんよ 観察 かんさつ によるウイッチクラフトの調査 ちょうさ を行 おこな った人類 じんるい 学者 がくしゃ スーザン・グリーンウッドは、ウイッカをウイッチクラフトの特定 とくてい の流派 りゅうは というよりも現代 げんだい ウイッチクラフトの別称 べっしょう として用 もち いている。日本 にっぽん では、魔女 まじょ (ウイッチ)の宗教 しゅうきょう としてのウイッチクラフトとウイッカの別称 べっしょう として「魔女 まじょ 宗 むね 」という言葉 ことば も使 つか われている[6] 。
ウイッカはジェラルド・ガードナー が1954年 ねん に発表 はっぴょう した 『今日 きょう の魔女 まじょ 術 じゅつ 』(Witchcraft Today )から広 ひろ まった。その書物 しょもつ の中 なか でガードナーは自分 じぶん がイニシエーション(加入 かにゅう 礼 れい 、秘 ひ 儀 ぎ 参入 さんにゅう )を受 う けたウイッチクラフトは欧州 おうしゅう のキリスト教 きりすときょう 以前 いぜん の多神教 たしんきょう が現代 げんだい に生 い き延 の びたものだと主張 しゅちょう したのである。同 どう 書中 しょちゅう でガードナーは 古 こ 英語 えいご : Wicca に似 に た綴 つづ りの Wica という言葉 ことば を用 もち いた。ただしガードナーはこれを自分 じぶん のウイッチクラフト伝統 でんとう の信奉 しんぽう 者 しゃ を表 あらわ す男性 だんせい 名詞 めいし として使 つか ったのであり、魔女 まじょ の宗教 しゅうきょう のことはウイッチクラフトと呼 よ んでいた。宗教 しゅうきょう の呼称 こしょう としての Wicca は1960年 ねん 頃 ごろ より使 つか われるようになったものであり、本来 ほんらい は、現在 げんざい では「ガードナー派 は ウイッカ」と呼 よ ばれているガードナーの系列 けいれつ のウイッチクラフト、およびこれとよく似 に た流派 りゅうは であるアレクサンダー派 は のウイッチクラフトを指 さ す言葉 ことば であった[6] 。以降 いこう 、魔女 まじょ の宗教 しゅうきょう としてのウイッチクラフトはさまざまな形 かたち で発展 はってん し、派生 はせい 的 てき なさまざまな流派 りゅうは をも含 ふく めた包括 ほうかつ 的 てき な呼称 こしょう としてウイッカという言葉 ことば が一般 いっぱん 化 か したが、直接 ちょくせつ ガードナーの系譜 けいふ を引 ひ くウイッチクラフト流派 りゅうは のみをウイッカと呼 よ ぶ向 む きもある。伝統 でんとう 的 てき なウイッカでは参入 さんにゅう のためにイニシエーションが必要 ひつよう だが、「ソロのウイッカン」(Solitary Wiccan )としての立場 たちば を主張 しゅちょう し、既存 きそん のウイッカンからのイニシエーションを必要 ひつよう としないとする立場 たちば の者 もの も増 ふ えている。それらの「新興 しんこう ウイッカ」と伝統 でんとう 的 てき なウイッカは、形 かたち は似 に ているが、精神 せいしん 的 てき な部分 ぶぶん や思想 しそう の理解 りかい に違 ちが いが出 で ることが多 おお い。
ウイッカの歴史 れきし に関 かん しては論議 ろんぎ が喧 やかま しい。ガードナーの主張 しゅちょう では、ウイッカは欧州 おうしゅう 先史 せんし 時代 じだい の多神教 たしんきょう の生 い き残 のこ りである。ガードナーはドロシー・クラッターバック という老 ろう 婦人 ふじん の導 みちび きで魔女 まじょ の宗教 しゅうきょう に参入 さんにゅう した。一部 いちぶ の人々 ひとびと はウイッカはガードナーが再 さい 構築 こうちく した宗教 しゅうきょう だと考 かんが えている。現代 げんだい のウイッチクラフト復興 ふっこう 運動 うんどう の先駆 さきが けとなったのは、先史 せんし 時代 じだい から続 つづ く魔女 まじょ 宗教 しゅうきょう (Witch-cult) が存在 そんざい していたと唱 とな えた英国 えいこく のエジプト学者 がくしゃ マーガレット・マリー [注 ちゅう 3] の学説 がくせつ と、米国 べいこく のフォークロア研究 けんきゅう 家 か チャールズ・ゴッドフリー・リーランド の『アラディア、あるいは魔女 まじょ の福音 ふくいん 』(Aradia, or the Gospel of the Witches )である。ガードナーはその独自 どくじ のウイッチクラフトの構築 こうちく に際 さい して、マーガレット・マリーの著作 ちょさく から多大 ただい な影響 えいきょう を受 う けた。また、それと同時 どうじ にガードナーは魔術 まじゅつ 実践 じっせん に関心 かんしん を持 も ち、フリーメイソンリー や薔薇 ばら 十 じゅう 字 じ 系 けい の団体 だんたい に関係 かんけい していた人物 じんぶつ でもあり、そのウイッチクラフト体系 たいけい には高等 こうとう 魔術 まじゅつ (英語 えいご 版 ばん ) に由来 ゆらい する要素 ようそ の多 おお いことが指摘 してき されている。
ガードナーは1939年 ねん にニューフォレスト にあるクラッターバック運営 うんえい のカヴン でイニシエーションを受 う け、英国 えいこく で1951年 ねん に廃止 はいし された魔女 まじょ 禁止 きんし 令 れい が解 と けるまでの数 すう 年 ねん をそこで過 す ごしたと主張 しゅちょう している(事実 じじつ かどうかは明 あき らかでない)。教 おし え(術 じゅつ )が消 き えてしまうのを恐 おそ れて(とガードナーは主張 しゅちょう している)、Witchcraft Today (1954年 ねん )に着手 ちゃくしゅ した。次 つ いで、The Meaning of Witchcraft (1960年 ねん )(『ウイッチクラフトの意味 いみ 』)を著 しる わし、これらの書物 しょもつ がウイッカの表向 おもてむ きな知識 ちしき を広 ひろ めるきっかけとなった(本来 ほんらい のウイッカは本 ほん では紹介 しょうかい することができない)。
ウイッカの儀式 ぎしき のスタイルがヴィクトリア朝 あさ 後期 こうき のオカルティズム を受 う け継 つ ぐことには疑 うたが いがない(ガードナー派 は ウイッカに大 おお きな影響 えいきょう を与 あた えたドリーン・ヴァリアンテ もアレイスター・クロウリー らの影響 えいきょう が見 み られることを認 みと めている)。しかし、その精神 せいしん 的 てき ・宗教 しゅうきょう 的 てき な内容 ないよう は古 いにしえ の多神教 たしんきょう の信仰 しんこう を受 う け継 つ ぐものである。当時 とうじ の多神教 たしんきょう にたいする理解 りかい (昔 むかし はこうであったに違 ちが いないという考 かんが え)に基 もと づき、それを復興 ふっこう しようとした点 てん に古代 こだい の多神教 たしんきょう との歴史 れきし 的 てき 繋 つな がりがある。
多神教 たしんきょう に関 かん する当時 とうじ の研究 けんきゅう [ 編集 へんしゅう ]
ガードナーの時代 じだい には、原始 げんし 的 てき な母系 ぼけい 信仰 しんこう は学者 がくしゃ (例 たと えば心理 しんり 学者 がくしゃ エーリッヒ・ノイマン 、マーガレット・マリー)のあいだでも、アマチュア(ロバート・グレイヴス など)のあいだでもよく知 し られていた。それは結局 けっきょく の所 ところ ヨーハン・ヤーコプ・バハオーフェン の研究 けんきゅう に由来 ゆらい するものであった。アカデミックな研究 けんきゅう はそれ以降 いこう も続 つづ いた。例 たと えば心理 しんり 学者 がくしゃ カール・グスタフ・ユング 、考古 こうこ 学者 がくしゃ マリヤ・ギンブタス である。さらに後 のち には神話 しんわ 学 がく 者 もの ジョーゼフ・キャンベル 、アシュリー・モンタギュー (英語 えいご 版 ばん ) らが古代 こだい 欧州 おうしゅう における母権 ぼけん 制 せい についてのギンブタスの説 せつ を支持 しじ するようになった。考古学 こうこがく 的 てき な記録 きろく を母権 ぼけん 制 せい 的 てき に解釈 かいしゃく することとそれに対 たい する批判 ひはん は学術 がくじゅつ 的 てき な議題 ぎだい であり続 つづ けている。2003年 ねん 母権 ぼけん 制 せい 研究 けんきゅう 世界 せかい 学会 がっかい にみられるように、この領域 りょういき での研究 けんきゅう は継続 けいぞく しているが、批判 ひはん 的 てき な立場 たちば にある人々 ひとびと は母権 ぼけん 制 せい 社会 しゃかい が存在 そんざい したことは一 いち 度 ど もなく、ただマーガレット・マリーらが発明 はつめい したものに過 す ぎないという。
イギリスのヴィクトリア朝 あさ とエドワード朝 あさ の文学 ぶんがく においては、偉大 いだい なる母 はは なる神 かみ という発想 はっそう は一般 いっぱん 的 てき であった。有 ゆう 角 かく 神 しん 、ことにパン またはファウヌス に関係 かんけい した神 かみ 々は、母 はは なる神 かみ ほどには一般 いっぱん 的 てき でなかったが、それでもなお重要 じゅうよう であった[注 ちゅう 4] 。母 はは なる神 かみ と有 ゆう 角 かく 神 しん という二 ふた つの考 かんが えは当時 とうじ 、アカデミックな文献 ぶんけん でも一般 いっぱん の印刷物 いんさつぶつ でも広 ひろ く受 う け入 い れられていた。ガードナーはこれらのコンセプトを用 もち いてウイッカの基盤 きばん となる教義 きょうぎ を形成 けいせい し、発展 はってん させたのであると考 かんが えることもできるが、ガードナーの弟子 でし であったヴァリアンテや、多 おお くのガードナー派 は 魔女 まじょ たち(彼 かれ らの中 なか にはアカデミックな立場 たちば で活動 かつどう する者 もの もいる)は、ガードナー派 は の実践 じっせん の中 なか には既存 きそん の出版 しゅっぱん 物 ぶつ などには見 み られない独自 どくじ の要素 ようそ が含 ふく まれていると主張 しゅちょう する。つまりガードナーは少 すく なくとも部分 ぶぶん 的 てき にはクラッターバックから何 なに かの伝統 でんとう を受 う け継 つ いだと考 かんが える。どちらにせよ、ルーツを完全 かんぜん に解 と き明 あ かすのは難 むずか しい。そしてルーツに関係 かんけい なく、ウイッカは多 おお くの人々 ひとびと にアピールし続 つづ けている。
“ウイッカの母 はは ”ドリーン・ヴァリアンテが所有 しょゆう していた有 ゆう 角 かく 神 かみ と地 ち 母 はは 神 しん の祭壇 さいだん
古 こ 英語 えいご : wicca は「魔術 まじゅつ 師 し 」の意味 いみ であった。現代 げんだい 英語 えいご : witch (ウイッチ)[注 ちゅう 5] はこの言葉 ことば をひいている。また、古 こ 英語 えいご : wic には「曲 ま がる」「ウィット」「賢 かしこ さ」という意味 いみ がある。
ウイッチクラフト(英 えい : Witchcraft 、魔女 まじょ 術 じゅつ と和訳 わやく される)は、宗教 しゅうきょう としてのものもあれば、宗教 しゅうきょう と関係 かんけい のない単 たん なる魔術 まじゅつ 的 てき な技術 ぎじゅつ の意味 いみ で使 つか われることもある。前者 ぜんしゃ の場合 ばあい はウイッカと同類 どうるい であるが、後者 こうしゃ の場合 ばあい 、ウイッカとは多少 たしょう 異 こと なる。前者 ぜんしゃ は宗教 しゅうきょう 、後者 こうしゃ は宗教 しゅうきょう と関係 かんけい のない呪術 じゅじゅつ 的 てき 技術 ぎじゅつ の意味 いみ である。事実 じじつ 、宗教 しゅうきょう に関係 かんけい なく実践 じっせん できる。ウイッカは、魔女 まじょ 技術 ぎじゅつ という意味 いみ でのウイッチクラフトを含 ふく む宗教 しゅうきょう である。
同様 どうよう にウイッカはペイガニズムの一 いち 形態 けいたい であり、多 おお くのウイッカンは自分 じぶん はペイガンであると考 かんが えているが、ペイガニズムはウイッカやウイッチクラフトと無関係 むかんけい な諸 しょ 伝統 でんとう も含 ふく むものである。
ウイッカンは女神 めがみ を主神 しゅしん として崇拝 すうはい する。また、ほとんどの場合 ばあい 、女神 めがみ の子 こ どもであり配偶 はいぐう 者 しゃ になる男神 おかみ も崇拝 すうはい の対象 たいしょう となる。ウイッカンは年 とし に8回 かい 開 ひら かれる季 き 節 ぶし の祝祭 しゅくさい であるサバト と、エスバト (英語 えいご 版 ばん ) (Esbat、通常 つうじょう は満月 まんげつ の集会 しゅうかい )によって神 かみ 々を讃 たた える。ガードナー派 は のウイッカでは、豊饒 ほうじょう 儀礼 ぎれい としてハイプリースト(司祭 しさい 長 ちょう )とハイプリーステス(女 おんな 司祭 しさい 長 ちょう )による性的 せいてき 交 まじ わりが行 おこな われる[注 ちゅう 6] (cf. ヒエロス・ガモス )。ウイッカンには倫理 りんり 規定 きてい がある。ウイッチクラフトはネガティブな印象 いんしょう を持 も たされてしまった語 かたり であるが、スペル(まじない)やハーブ (薬草 やくそう )の使用 しよう といった実践 じっせん 的 てき な技術 ぎじゅつ なのであって、目的 もくてき の善悪 ぜんあく とは直接 ちょくせつ 関係 かんけい するものではない。ウイッカンはウイッチクラフトの利用 りよう を建設 けんせつ 的 てき で善 ぜん なるものと心得 こころえ ており、いわゆる黒 くろ 魔術 まじゅつ (ウイッカンはこの用語 ようご を認 みと めないが)はウイッカンの信条 しんじょう と倫理 りんり に悖 もと ると見 み ている。
信条 しんじょう と実践 じっせん [ 編集 へんしゅう ]
英国 えいこく のエイブベリー で2005年 ねん のベルテインに行 おこな われたハンドファスティング(handfasting、ペイガンの結婚式 けっこんしき )
一 いち 年 ねん の車輪 しゃりん
ウイッカ信仰 しんこう はさまざまで、信条 しんじょう を一般 いっぱん 化 か するのは難 むずか しい。多 おお くの場合 ばあい 、二 に 柱 はしら の神 かみ (女神 めがみ と男神 おかみ - 時 とき には有 ゆう 角 かく 神 しん )を崇拝 すうはい する。フェミニスト流派 りゅうは であるダイアナ派 は (Dianic Wicca、ディアーナ 派 は のウイッカ)では女神 めがみ を主 おも に信仰 しんこう する。この場合 ばあい 男神 おかみ の役割 やくわり は皆無 かいむ かあっても少 すく ない。二 に 柱 はしら の神 かみ を主神 しゅしん に崇拝 すうはい するとはいえ、実際 じっさい は世界中 せかいじゅう の多 おお くの神 かみ 々の存在 そんざい を認 みと め、それらを崇拝 すうはい することも多 おお い。特 とく に、イギリスのペイガニズムのルーツであるケルト神話 しんわ 、ゲルマン神話 しんわ に言及 げんきゅう されることが多 おお い。
(訳注 やくちゅう : ケルト では、春分 しゅんぶん 、夏至 げし 、秋分 しゅうぶん 、冬至 とうじ の quarter day(=四季 しき の分 わ け目 め になる)の中間 ちゅうかん に クロスクォータデイ cross-quarter day(=季 き 節 ぶし の盛 も りになる)をおき、春分 しゅんぶん と夏至 げし の中 なか 間 あいだ を Beltane、それ以降 いこう 同様 どうよう に Lammas、Samhain、Imbolc と呼 よ ぶ)
典型 てんけい 的 てき なウイッカンは、満月 まんげつ (場合 ばあい によっては新月 しんげつ )をエスバトと名付 なづ けて、魔法 まほう の作業 さぎょう を行 おこな う際 さい に重要 じゅうよう 視 し する。また、サバト と呼 よ ばれる年 とし 8回 かい の祭日 さいじつ を祝 いわ う(詳細 しょうさい は一 いち 年 ねん の車輪 しゃりん (英語 えいご 版 ばん ) 参照 さんしょう )。その内 うち 重要 じゅうよう な方 ほう の4つ(大 だい サバト)は、クロスクォータデイにあたり、古代 こだい ケルトの火祭 ひまつり に相応 そうおう したものである。ハロウィーン の原型 げんけい である10月 がつ 31日 にち のサーオィン (Samhain)[注 ちゅう 7] 、五 ご 月 がつ 祭 さい の前夜 ぜんや (May Eve)である4月 がつ 30日 にち のベルティーン(Beltane)[注 ちゅう 8] 、7月 がつ 31日 にち の収穫 しゅうかく 祭 さい (Lammas)またはルーナサ(Lughnasad)、聖 せい 燭 しょく 節 ぶし (Candlemas)の原型 げんけい である2月 がつ 2日 にち のイモーク(Imbolc, Imborg, Oimelc)[注 ちゅう 9] 。残 のこ りの4つ(小 しょう サバト)は夏至 げし [注 ちゅう 10] 、冬至 とうじ (ユール Yule)、春分 しゅんぶん (オスターラ Ostara、Eostar、Eostre)と秋分 しゅうぶん (メイボン、マボン Mabon)である。
ウイッカンはカヴン と呼 よ ばれる実践 じっせん グループで儀式 ぎしき を行 おこな い、先輩 せんぱい からの指導 しどう を受 う ける。カヴンに属 ぞく さず単独 たんどく で行動 こうどう するウイッカンもいて、ソロのウイッカン(Solitary Wiccan)と呼 よ ばれる。ソロのウイッカンというのは実践 じっせん グループに入 はい っていないだけで、親睦 しんぼく のための集会 しゅうかい や、既存 きそん のグループの儀式 ぎしき 集会 しゅうかい に不定期 ふていき に参加 さんか したりすることもある。
伝統 でんとう 的 てき に13人 にん のカヴンが理想 りそう とされるが、実際 じっさい はもっと少 すく ない。これを超 こ えてカヴンが育 そだ った場合 ばあい は、複数 ふくすう のカヴンに分離 ぶんり [注 ちゅう 11] する。
日本 にっぽん における現代 げんだい 魔女 まじょ [ 編集 へんしゅう ]
日本 にっぽん において、ウイッカは「現代 げんだい 魔女 まじょ 」や「魔女 まじょ 宗 むね 」という形 かたち で受容 じゅよう されている。嚆矢 こうし は1980年代 ねんだい に魔女 まじょ を名乗 なの った占 うらな い師 し のヘイズ中村 なかむら である。2020年 ねん にはエコロジー思想 しそう やアナキズム 、フェミニズム 、現代 げんだい 美術 びじゅつ などに重 おも きを置 お いたアメリカ西海岸 にしかいがん の魔女 まじょ 文化 ぶんか に触 ふ れた円香 まどか などが活動 かつどう している[18] 。
河西 かさい 瑛 あきら 里子 さとご は日本 にっぽん において魔女 まじょ と名乗 なの る人々 ひとびと は、女性 じょせい や性的 せいてき マイノリティ としての自認 じにん 、代替 だいたい 療法 りょうほう であるハーブ 、占 うらな いや魔術 まじゅつ といった「非 ひ 科学 かがく 」的 てき な事柄 ことがら に関心 かんしん が強 つよ く、「オルタナティヴ」な生 い き方 かた を、それぞれの方法 ほうほう で示 しめ してくれる先駆 せんく 者 しゃ のように思 おも える[19] としている。縄文 じょうもん 時代 じだい にあったとするタトゥー を現代 げんだい に再 さい 構築 こうちく させることを目的 もくてき とした「縄文 じょうもん 族 ぞく 」というグループも活動 かつどう している。円 えん 香 が は「縄文 じょうもん タトゥーは日本 にっぽん のネオペイガニズムだと思 おも う」と語 かた る[20] 。
ウイッカンの倫理 りんり は、通常 つうじょう 「魔女 まじょ の信条 しんじょう 」(The Wiccan Rede)と題 だい されている。その結語 けつご は「誰 だれ も傷 きず つけぬ限 かぎ り、汝 なんじ の意志 いし することをなせ(An it harm none, do what ye will)」[注 ちゅう 12] (鏡 かがみ 2015 , pp. 61–62, 66) である。
多 おお くのウイッカンは「三重 みえ の法則 ほうそく 」を信 しん じている。自分 じぶん の行 おこな うことは、善意 ぜんい によるものであれ悪意 あくい によるものであれ、巡 めぐ りめぐって3倍 ばい になって戻 もど ってくるという信念 しんねん である(実際 じっさい に3倍 ばい が計 はか れるわけではない。3はあくまでも比喩 ひゆ である)。
^ 新 しん 異教 いきょう 主義 しゅぎ 。20世紀 せいき に興 おこ ったペイガニズム (異教 いきょう )の復興 ふっこう 運動 うんどう 。ペイガニズムはキリスト教 きりすときょう 伝来 でんらい 以前 いぜん からあったとされるヨーロッパの土着 どちゃく 宗教 しゅうきょう を指 さ す用語 ようご で、広義 こうぎ にはキリスト教 きりすときょう 、ユダヤ教 きょう 、イスラーム 以外 いがい の多神教 たしんきょう のすべてを指 さ すこともある。当事 とうじ 者 しゃ は自称 じしょう としては「ネオ」を付 つ けない傾向 けいこう がある。
^ 「魔女 まじょ の王 おう 」を自称 じしょう したアレックス・サンダーズ (英語 えいご 版 ばん ) の創始 そうし したウイッチクラフト流派 りゅうは で、ガードナー派 は の事実 じじつ 上 じょう の分派 ぶんぱ 。
^ 日本 にっぽん では「マレー」の名 な で著作 ちょさく が翻訳 ほんやく されている(西村 にしむら 稔 みのる 訳 やく 『魔女 まじょ の神 かみ 』 人文書院 じんぶんしょいん 、1995年 ねん )。鏡 かがみ リュウジ は「ミューレイ」と表記 ひょうき している。
^ マーガレット・マリーは、「角 かく ある者 もの 」の形象 けいしょう を示 しめ すアラビア語 ご 「ドゥル・カルナイン」(双 そう 角 かく のアレクサンドロス大王 だいおう を指 さ す)とガリア の神 かみ ケルヌンノス に着目 ちゃくもく した。
^ 「魔女 まじょ 」と和訳 わやく されるが、男女 だんじょ 両性 りょうせい に適用 てきよう される。
^ 多 おお くの場合 ばあい 、夫婦 ふうふ が他 た のメンバーから見 み えない別 べつ の部屋 へや で行 おこな うか、もしくは杯 はい に短剣 たんけん を突 つ き立 た てる象徴 しょうちょう 的 てき 所作 しょさ によってこれを表 あら わす。
^ 別 べつ 表記 ひょうき :サムハイン、サーウェン、サーウィン。
^ 別 べつ 表記 ひょうき :ベルテイン、ベルテーン、ベルテン、ベルティナ。
^ 別 べつ 表記 ひょうき :インボルク。
^ 時 とき にはリーサ、リーザ Litha と呼 よ ばれるが、近年 きんねん の造語 ぞうご である。
^ hive off: 巣 す をわけること。
^ ye は「汝 なんじ ら」の意 い 。
鏡 かがみ リュウジ 『鏡 かがみ リュウジの魔女 まじょ と魔法 まほう 学 がく 』説話社 せつわしゃ 〈鏡 かがみ リュウジの占 うらな い入門 にゅうもん 3〉、2015年 ねん 。
河西 かさい 瑛 あきら 里子 さとご 「女神 めがみ にひかれる男 おとこ たち--現代 げんだい の欧米 おうべい の新 あたら しい宗教 しゅうきょう 的 てき 実践 じっせん におけるジェンダーについて」『人文 じんぶん 学 がく 報 ほう 』第 だい 98号 ごう 、京都 きょうと 大学 だいがく 人文 じんぶん 科学 かがく 研究所 けんきゅうじょ 、2009年 ねん 12月30日 にち 、NAID 120002753556 。
河西 かさい 瑛 あきら 里子 さとご 『グラストンベリーの女神 めがみ たち - イギリスのオルタナティヴ・スピリチュアリティの民族 みんぞく 誌 し 』法蔵館 ほうぞうかん 、2015年 ねん 。
スーザン・グリーンウッド『魔術 まじゅつ の人類 じんるい 史 し 』田内 たうち 志文 しぶみ 訳 やく 、東洋 とうよう 書林 しょりん 、2015年 ねん 。
クリストファー・パートリッジ編著 へんちょ 『現代 げんだい 世界 せかい 宗教 しゅうきょう 事典 じてん - 現代 げんだい の新 しん 宗教 しゅうきょう 、セクト、代替 だいたい スピリチュアリティ』井上 いのうえ 順 じゅん 孝 こう 監訳 かんやく 、悠 ゆう 書 しょ 館 かん 、2009年 ねん 。
Hutton, Ronald (2001) [1999]. The Triumph of the Moon: A History of Modern Pagan Witchcraft (Paperback ed.). Oxford University Press
現代 げんだい ウイッチクラフト(魔女 まじょ 宗 むね ・魔女 まじょ 術 じゅつ )
主要 しゅよう 人物 じんぶつ 流派 りゅうは 神 かみ 々重要 じゅうよう な概念 がいねん 儀式 ぎしき と作法 さほう 祝祭日 しゅくさいじつ 道具 どうぐ 文献 ぶんけん 関連 かんれん
タイプ 行為 こうい 物 もの 民間 みんかん 伝承 でんしょう と神話 しんわ 主要 しゅよう な歴史 れきし 的 てき 著作 ちょさく