稲荷いなり神社じんじゃ

稲荷いなり神社じんじゃ（いなりじんじゃ）・稲荷いなり社しゃ（いなりしゃ）は稲荷いなり神しんを祀まつる神社じんじゃ。京都きょうと市し伏見ふしみ区く深草ふかくさにある伏見ふしみ稲荷いなり大社たいしゃが神道しんとう上うえの稲荷いなり神社じんじゃの総そう本宮ほんぐうとなっている^[1]。神仏しんぶつ分離ぶんりの際さい、稲荷いなり神社じんじゃは多数たすうの神道しんとう系けいと少数しょうすうの仏教ぶっきょう系けいとに分わかれた^[2]。

神社じんじゃのうちで稲荷いなり神社じんじゃは、2970社しゃ（主祭しゅさい神しんとして）^[3]、32000社しゃ（境内けいだい社しゃ・合祀ごうしなど全すべての分ぶん祀まつ社しゃ）^[4]を数かぞえ、屋敷やしき神しんとして個人こじんや企業きぎょうなどに祀まつられているものや、山野さんやや路地ろじの小祠しょうしまで入いれると稲荷いなり神しんを祀まつる社しゃはさらに膨大ぼうだいな数かずにのぼる。

建造けんぞう物ぶつ

鳥居とりい

神道しんとう系けいの稲荷いなり神社じんじゃの入いり口くちには通常つうじょう、朱色しゅいろの鳥居とりいが建たてられている。朱しゅ塗ぬりは社殿しゃでんや鳥居とりいで広ひろく使つかわれ、稲荷いなりを象徴しょうちょうするものになっている^[5]。総そう本宮ほんぐうである伏見ふしみ稲荷いなり大社たいしゃでは、参道さんどうは「千本せんぼん鳥居とりい」によって導みちびかれる^[6]。

狐きつね

「稲荷いなり神しんと狐きつね」も参照さんしょう

ほとんどの稲荷いなり神社じんじゃでは社頭しゃとうなどに守護しゅご獣じゅうとして狐きつね形かたちの像ぞうが置おかれ、奉納ほうのうされた赤あかい前掛まえかけをつけていることも多おおい^[5]。狐きつねは稲荷いなりの神かみ使しであるが、俗ぞくに神かみそのものとも考かんがえられている^[7]。狐きつねの像ぞうは普通ふつう、雌雄しゆう一いち対たいとなっている^[5]。多おおくの場合ばあい、口くちや前足まえあしに象徴しょうちょう的てきな品しなを持もち、その品しなは宝玉ほうぎょくや鍵かぎ、巻物まきものが一般いっぱん的てきであるが、稲いね束たばや子こ狐きつねなども好このまれている。彫像ちょうぞうは写実しゃじつ的てきなものでなく様式ようしき化かされており、狐きつねが座ざし、尻尾しっぽが立たち上あがっている様さまが表現ひょうげんされている。これらの共通きょうつうした特徴とくちょうにもかかわらず、各かく像ぞうは非常ひじょうに個性こせい的てきであり、完全かんぜんに同おなじであるものは二ふたつとして無ない^[5]^[8]。今日きょうでは、入いり口くちで狐きつねの像ぞうを見みつけたら、それは稲荷いなり神社じんじゃの存在そんざいを表あらわしている^[6]。