粂川くめかわ部屋へや

粂川くめかわ部屋へや（くめがわべや）は、かつて東京とうきょう大角力おおずもう協会きょうかいや大だい日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいに所属しょぞくした相撲すもう部屋へや。

沿革えんかく

音羽山おとはさん部屋へやの幕内まくうち山やまノ羽はね平藏へいぞうが二に枚まい鑑札かんさつで襲名しゅうめいし部屋へやを興おこす。寛政かんせい12年ねん（1800年ねん）4月がつに隠居いんきょして浦うら風ふう部屋へやから移籍いせきしていた矢車やぐるま福ぶく五ご郎ろうに譲ゆずった。その間あいだ武隈たけくま部屋へやなど師匠ししょうが不在ふざいとなった部屋へやの力士りきしを預あずかった。矢車やぐるまは後のちに名跡みょうせきを雷かみなりに変更へんこうしたため、部屋へやの名称めいしょうも雷かみなり部屋へやへ変かわった。その後ごを鍬形くわがた粂藏（のち7代だい雷かみなりに名跡みょうせき変更へんこう）が継ついだ。

天保てんぽう14年ねん（1843年ねん）10月がつから雷かみなり部屋へやの元もと大関おおぜき平石ひらいし七なな太夫たゆうが襲名しゅうめいし部屋へやを興おこしたが、関取せきとりは出でず安政あんせい2年ねん（1855年ねん）2月がつに死去しきょした。

安政あんせい5年ねん（1856年ねん）1月がつ場所ばしょ途中とちゅうから雷かみなり部屋へやの大関おおぜき鏡岩かがみいわ濱之はまの助すけが二に枚まい鑑札かんさつで襲名しゅうめい。雷かみなり部屋へやから連つれてきた寳たから川かわ石せき五ご郎ろうを幕内まくうちに育そだて、慶應けいおう2年ねん（1866年ねん）11月に死去しきょ。部屋へやは閉とじられた。

友とも綱つな部屋へやへ移籍いせき・再興さいこう

明治めいじ4年ねん（1871年ねん）11月から粂川くめかわ部屋へやの元もと幕下まくした鬼おに竜山たつやま雷かみなり八はち (初代しょだい)が襲名しゅうめいして部屋へやを再興さいこう。田子たつこノ浦うら部屋へやや楯山たてやま部屋へやの力士りきしを引ひき取とって幕内まくうち力士りきし4人にんを育そだてたが、明治めいじ31年ねん（1898年ねん）1月がつに死去しきょ。所属しょぞく力士りきしは友とも綱つな部屋へやへ移籍いせきした。

明治めいじ34年ねん（1901年ねん）1月がつ、粂川くめかわ部屋へやから友とも綱つな部屋へやに移籍いせきしていた元もと幕内まくうち鬼おに竜山たつやま雷かみなり八はち (2代だい)が粂川くめかわ部屋へやを再興さいこうし、鏡岩かがみいわ善四郎ぜんしろうを大関おおぜきに育そだてた。

昭和しょうわ6年ねん（1931年ねん）6月がつ、友とも綱つな部屋へや出身しゅっしんの二に所しょノ関せき（元もと関脇せきわけ海山みやま）が亡なくなると、師匠ししょうを亡なくした大関おおぜき玉たま錦にしき三さん右みぎエ門もん以下いか二に所しょノ関せき部屋へやの力士りきしたちを昭和しょうわ9年ねん（1934年ねん）まで粂川くめかわ部屋へやで預あずかった。

粂川くめかわ部屋へや在籍ざいせき時代じだいの玉たま錦にしきは、昭和しょうわ7年ねん（1932年ねん）5月がつ場所ばしょに東大とうだい関せきで優勝ゆうしょう、10月がつ場所ばしょに第だい32代だい横綱よこづなに昇進しょうしん（昭和しょうわに入はいって最初さいしょに誕生たんじょうした横綱よこづな）、昭和しょうわ8年ねん（1933年ねん）5月がつに東ひがし横綱よこづなで優勝ゆうしょうしている。そのため、玉たま錦にしきが昭和しょうわ10年ねん（1935年ねん）に二に枚まい鑑札かんさつを許ゆるされて二に所しょノ関せき部屋へやを再興さいこうした後のちも同どう系統けいとうの部屋へやとみなされたことから、鏡岩かがみいわは二に所しょノ関せき部屋へやの玉たま錦にしき、玉たまノ海うみ梅吉うめきちとの対戦たいせんはなかった（合流ごうりゅう前まえには、鏡岩かがみいわは二に所しょノ関せき部屋へやの力士りきしと対戦たいせんしていた）。

昭和しょうわ12年ねん（1937年ねん）12月に親方おやかたが亡なくなると、大関おおぜきになっていた鏡岩かがみいわが二に枚まい鑑札かんさつで部屋へやを継ついだ。鏡岩かがみいわは昭和しょうわ14年ねん（1939年ねん）5月がつ限かぎりで現役げんえきを引退いんたい、年寄としより専任せんにんとなった。この頃ころには、粂川くめかわ部屋へやと二に所しょノ関せき部屋へやの対戦たいせんは組くまれるようになっていた（当時とうじの取組とりくみは系統けいとう別べつ総そう当あたり制せい）。

1941年ねん1月がつ場所ばしょで粂川くめかわ部屋へやから初はつ土俵どひょうを踏ふんだ鏡かがみ里さとによると、粂川くめかわ部屋へやは鬼おに竜山たつやま雷かみなり八はち (2代だい)、鏡岩かがみいわ善四郎ぜんしろうと師匠ししょうが南部なんぶ地方ちほう出身しゅっしんだったため、鏡かがみ里さと入門にゅうもん当時とうじの弟子でし仲間なかまも五戸ごのへ錦にしき、恐おそれ山やま、鬼おに龍川りゅうがわ、岩手山いわてさん、鏡かがみ富士ふじ、十和田とわだ錦にしき、天地てんち風ふう、八はちツ鏡きょう、粂ノ盛もり、柳澤やなぎさわ、鏡かがみ里さとと南部なんぶ出身しゅっしん者しゃが多おおく、南部なんぶ部屋へやと呼よばれていたという。

双葉ふたば山さん相撲すもう道場どうじょうへ合流ごうりゅう

鏡岩かがみいわは同時どうじに大関おおぜきに昇進しょうしんした双葉ふたば山さんと仲なかが良よかったため、昭和しょうわ16年ねん（1941年ねん）12月に双葉ふたば山さんが現役げんえきで双葉ふたば山さん相撲すもう道場どうじょうを興おこしたときに、粂川くめかわ部屋へやを閉鎖へいさし、十じゅう両りょう布引ぬのびき国太郎くにたろうをはじめ所属しょぞく力士りきし全員ぜんいんを譲ゆずって、自分じぶんは部屋へや付つきの親方おやかたとなった。鏡岩かがみいわと双葉ふたば山さんは関取せきとりになる前まえから兄弟きょうだいのような付つき合あいをして互たがいに信頼しんらいし、双葉ふたば山さんから「兄貴あにき」と呼よばれていた。このとき双葉ふたば山道さんどう場じょうに合流ごうりゅうした下位かい力士りきしの中なかに、後ごの第だい42代だい横綱よこづな鏡かがみ里さと喜代治きよじ、関脇せきわけ不動ふどう岩がん三さん男なんがいた。

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