結婚けっこん披露宴ひろうえん

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結婚けっこん披露宴ひろうえんのメインテーブル(高砂たかさご

結婚けっこん披露宴ひろうえん(けっこんひろうえん)は、結婚けっこん披露ひろうするため、親戚しんせき知人ちじん友人ゆうじんらをまねいてもよお宴会えんかいである。結婚けっこんひろ地域ちいき社会しゃかいらせ、みないわ結婚けっこん披露宴ひろうえんもよお習俗しゅうぞくは、世界せかい各地かくちふるくからられる。結婚けっこん披露宴ひろうえんは、宗教しゅうきょうてき色彩しきさい儀式ぎしきとしての結婚式けっこんしき婚礼こんれい)とあわせてひらかれることがおおく、結婚式けっこんしき結婚けっこん披露宴ひろうえん一体いったいとして結婚式けっこんしき婚礼こんれい)ということもある。

ふるくは、結婚けっこん披露宴ひろうえんをもって結婚けっこん成立せいりつとした。その宗教しゅうきょう組織そしき社会しゃかい制度せいど整備せいびにより、宗教しゅうきょうてき儀式ぎしきたる結婚式けっこんしき重視じゅうしされ、結婚式けっこんしきをもって結婚けっこん成立せいりつとみなすようになり、結婚けっこん披露宴ひろうえんはそれに付随ふずいするうたげとなった。現代げんだいでは、おおくのくに結婚けっこん婚姻こんいん)はたん民事みんじ契約けいやくとされるものの、結婚式けっこんしき宗教しゅうきょうてき色彩しきさい色濃いろこ継承けいしょうされ、結婚けっこん披露宴ひろうえんひろおこなわれている。儀式ぎしきとしての結婚式けっこんしき詳細しょうさいは「結婚式けっこんしき」のこう参照さんしょうのこと。

日本にっぽんにおける結婚けっこん披露宴ひろうえん[編集へんしゅう]

歴史れきし[編集へんしゅう]

日本にっぽん礼儀れいぎ習慣しゅうかんのスケッチ』より、1867ねん出版しゅっぱん

日本にっぽん結婚けっこん形態けいたいは、古代こだいから中世ちゅうせい中世ちゅうせいから近代きんだい現代げんだいと、おおきく3けてその変遷へんせん説明せつめいされる。結婚けっこん披露宴ひろうえんも、結婚けっこん形態けいたい変遷へんせんともなってその意味合いみあいをえてきた。

古代こだいから中世ちゅうせい鎌倉かまくら時代ときよ初期しょきまでは、おっとつまもとかよつまといこんひろおこなわれた。当人とうにん同士どうし恋愛れんあいからはじまり、おとこおんないえかよって夫婦ふうふ関係かんけい発生はっせいさせる。結婚けっこんみとめるのは女性じょせいがわおやであり、一種いっしゅ婿取むことこんとされる。女性じょせいおやおとこがすぐにかえってしまわないようおとこ履物はきものいてねむったという。おとこさんにちさんばんとおったところで女性じょせいおや結婚けっこんみとめ、婿むこ歓待かんたいするためおおくの飲食いんしょくぶつきょうじ、親戚しんせきらをまねいて婿むこ披露ひろうする宴会えんかいもよおした。これをところあらわ露顕ろけん(ところあわらし)といった。平安へいあん時代じだいには、披露宴ひろうえんまえに「さんにちよるもち」など現代げんだい結婚式けっこんしきつうじる儀式ぎしきしょうじていた。

中世ちゅうせいから近代きんだい戦前せんぜん)にいた時期じきには、嫁入よめいこんひろまった。嫁入よめいこんでは、よめ男性だんせいがわいえ一員いちいんとなる嫁入よめいりによって結婚けっこん成立せいりつし、夫婦ふうふ生活せいかつ婿むこかたでされることがおおい。結婚けっこんいえいえとのむすびつきの端緒たんしょという側面そくめん重視じゅうしされ、男性だんせいがわいえ両家りょうけ親族しんぞくらをまねいて結婚けっこん披露宴ひろうえんもよおされた。嫁入よめいこんは、武家ぶけられる父権ふけん家族かぞく制度せいどあらわれであり、その成熟せいじゅくともなって武家ぶけ以外いがい社会しゃかいにも定着ていちゃくしていった。封建ほうけん社会しゃかい組織そしき確立かくりつしてくると、見合みあ婚約こんやく結納ゆいのう儀式ぎしき日取ひどり、結婚けっこん披露宴ひろうえん式次しきじ作法さほう整備せいびされ、小笠原おがさわらりゅう伊勢いせりゅうなど、儀礼ぎれい流派りゅうはまで誕生たんじょうした。明治めいじ時代じだい制定せいていされたきゅう民法みんぽういえ制度せいど、それにもとづく戸籍こせき制度せいどでも、嫁入よめいこん基本きほんてき結婚けっこん形態けいたいとして構築こうちくされている。

戦後せんご1946ねん公布こうふされた日本国にっぽんこく憲法けんぽうとく14じょう24じょうなど)と、これにもとづいて改正かいせいされた現行げんこう民法みんぽう家族かぞくほう)の規定きていにより、結婚けっこん夫婦ふうふ家族かぞくかかわる制度せいど認識にんしきおおきくわった。現代げんだいでは、結婚けっこんは、一方いっぽう他方たほういえはいるというかたちではなく、「両性りょうせい合意ごうい」のみにもとづいて、あたらしく独立どくりつした夫婦ふうふ家族かぞく形成けいせいするという認識にんしきつよい。そのためお見合みあいは減少げんしょうし、恋愛れんあい結婚けっこん重視じゅうしされる。また生活せいかつ実態じったいとしても、夫婦ふうふとそのだけで生活せいかつするかく家族かぞくおおい。そのため、結婚式けっこんしき結婚けっこん披露宴ひろうえんは、夫婦ふうふいえやその実家じっかおこなわれることがすくなくなり、ホテル結婚式けっこんしきじょうレストランなどでおこなわれることがおおくなった。もっとも、いえいえむすびつきという側面そくめんは、現代げんだい結婚式けっこんしき結婚けっこん披露宴ひろうえんにも随所ずいしょられる。大仰おおぎょう宴席えんせきいえ意識いしき敬遠けいえんして、レストランとう新郎しんろう新婦しんぷ両親りょうしん兄弟きょうだい姉妹しまいしたしい友人ゆうじん知人ちじんのみで簡素かんそいわう、いわゆるジミ(地味じみこんおおくなっている[1]

オリオンビール公式こうしきサイトのコラムによると、沖縄おきなわけん結婚けっこん披露宴ひろうえん家族かぞく親族しんぞく友人ゆうじん総出そうでいわうという風習ふうしゅうがあり、招待客しょうたいきゃくは200にんから450にんにものぼ傾向けいこうがある[1]

現代げんだい結婚けっこん披露宴ひろうえん[編集へんしゅう]

結婚けっこん披露宴ひろうえん準備じゅんび[編集へんしゅう]

結婚けっこん披露宴ひろうえん会場かいじょう
現代げんだい日本にっぽん結婚式けっこんしきは、神前しんぜんしき神道しんとうしき)またはキリスト教きりすときょうしきおこなわれることがおおく、結婚けっこん披露宴ひろうえんはホテルや結婚式けっこんしきじょう、レストランでおこなわれることがおおい。このため、神社じんじゃ結婚式けっこんしきじょう併設へいせつしたり、ホテル・結婚式けっこんしきじょう神道しんとう祭壇さいだんキリスト教きりすときょうチャペルもうけて、結婚式けっこんしき結婚けっこん披露宴ひろうえんを1かしょあわせておこなうことがおおい。近年きんねんはオリジナルせいたせたパーティースペースやゲストハウスでおこなわれることがあり、挙式きょしき参列さんれつしゃ全員ぜんいん立会たちあいじんとして結婚けっこんちか人前ひとまえしきおこなわれることもある。
結婚式けっこんしき結婚けっこん披露宴ひろうえん招待客しょうたいきゃく
結婚式けっこんしき結婚けっこん披露宴ひろうえんへの招待しょうたいは、新郎しんろう新婦しんぷ連名れんめいか、新郎しんろう新婦しんぷ父親ちちおや連名れんめいおこなわれることがおおい。結婚式けっこんしきは、神前しんぜんしき場合ばあいには新郎しんろう新婦しんぷ親族しんぞくのみ招待しょうたいすることがおおく、キリストきょうしきでは親族しんぞくのほかしたしい友人ゆうじん知人ちじんなども招待しょうたいすることがおおい。これは、神前しんぜんしき式場しきじょうはチャペルにくらべてせまいことがおおく、「両家りょうけ親族しんぞくがためのはい」にられるように両家りょうけむすびつきのための儀式ぎしきという色彩しきさいいことによる。
結婚けっこん披露宴ひろうえんは、新郎しんろう新婦しんぷ親族しんぞくしたしい友人ゆうじん知人ちじんのほか、恩師おんし職場しょくば上司じょうし同僚どうりょう両親りょうしん友人ゆうじん知人ちじんなども招待しょうたいされる。とくに、恩師おんし上司じょうしは、結婚けっこん披露宴ひろうえん主賓しゅひんとされ、会場かいじょうさい前列ぜんれつ新郎しんろう新婦しんぷ対面たいめんする位置いち)にせき用意よういされる。
結婚式けっこんしき結婚けっこん披露宴ひろうえん衣装いしょう服装ふくそう
紋付もんつき羽織はおりはかまいろ打掛うちかけ角隠つのかく
結婚式けっこんしき衣装いしょうについて、神前しんぜんしき場合ばあい新郎しんろう紋付もんつき羽織はおりはかま新婦しんぷ白無垢しろむく打掛うちかけ綿帽子わたぼうし、あるいはいろ打掛うちかけ角隠つのかくであることがおおい。キリストきょうしき場合ばあい新郎しんろうモーニングコート昼間ひるま)かタキシード夜間やかん)、新婦しんぷウェディングドレスる。おおくの結婚けっこん披露宴ひろうえんでは、色直いろなおとして新郎しんろう新婦しんぷ中座ちゅうざし、和装わそうから洋装ようそうへ、あるいはウェディングドレスから有色ゆうしょくはなやかなカクテルドレス着替きがえる。
新郎しんろう新婦しんぷ両親りょうしん親族しんぞく服装ふくそうについて、男性だんせい紋付もんつき羽織はおりはかまかモーニングコート、あるいはくろ背広せびろしろネクタイめることがおおく、女性じょせい和服わふくならばいつもん留袖とめそでくろ留袖とめそでいろ留袖とめそで)か訪問ほうもん振袖ふりそで未婚みこんしゃ)、洋服ようふくならば純白じゅんぱく以外いがい派手はでにならないドレスることがおおい。
その招待客しょうたいきゃく服装ふくそうは、男性だんせいくろしょく背広せびろしろあかるいいろのネクタイ、女性じょせい和服わふくならばいろ留袖とめそで訪問ほうもんちゅう振袖ふりそでひともんいろ無地むじなど、洋服ようふくならば純白じゅんぱく以外いがいしろ新婦しんぷいろである)の派手はでにならないドレスをることがおおい。
記念きねん写真しゃしん撮影さつえい親族しんぞく紹介しょうかい
結婚式けっこんしき結婚けっこん披露宴ひろうえん合間あいまには、親族しんぞくがひなだんならんで記念きねん集合しゅうごう写真しゃしん撮影さつえいしたり、両家りょうけ親族しんぞく一人ひとりいちにん紹介しょうかいする親族しんぞく紹介しょうかいおこなわれることがおおい。記念きねん撮影さつえい身内みうちだけでおこなわれ、れつからなら親族しんぞくたちは、新郎しんろう新婦しんぷ関係かんけいふかひと年長ねんちょうしゃ前列ぜんれつ中央ちゅうおう位置いちすすむ。この記念きねん撮影さつえい原則げんそくとしてしき参加さんかした身内みうちだけのもので、知人ちじん友人ゆうじんたのまれた場合ばあいかぎる。
結婚けっこんしゅく受付うけつけ
結婚けっこんしゅくは、現金げんきんまたは品物しなものおくる。結婚けっこん披露宴ひろうえんでは、現金げんきん祝儀しゅうぎとしてわたす。招待客しょうたいきゃくは、結婚けっこん披露宴ひろうえん受付うけつけ記帳きちょうし、水引みずひきをかけて「寿ことぶき」とかれた祝儀しゅうぎぶくろれて祝儀しゅうぎわたす。祝儀しゅうぎは、親族しんぞくならば5まんえんから10まんえん恩師おんし上司じょうしならば5まんえん友人ゆうじん同僚どうりょうならば3まんえん相場そうばとされる。2まんえんや4まんえんなど偶数ぐうすうは「れる」すうとされ、無礼ぶれいになる。なお、祝儀しゅうぎぶくろれる金額きんがくおうじてえられる。なお、北海道ほっかいどう東北とうほく地方ちほう一部いちぶでは、会費かいひせい1人ひとり1まん2000えんから2まんえん前後ぜんこう主流しゅりゅう)とされることがおおい。
結婚けっこん披露宴ひろうえん演出えんしゅつ
時代じだいとも演出えんしゅつのジャンルがひろがっているが、定番ていばんプロフィールビデオちや2人ふたりめの写真しゃしんあつめたスライドなど。プロフィールビデオやスライド同様どうよう2人ふたりち、めを記事きじにしたウェディング新聞しんぶんなども人気にんきである。芸能人げいのうじんなどを結婚けっこん披露宴ひろうえんんで余興よきょうおこなうなどのサービスもある。

結婚けっこん披露宴ひろうえん式次第しきしだい[編集へんしゅう]

  1. 招待客しょうたいきゃく着席ちゃくせき
    きゃく入場にゅうじょうしたら、受付うけつけわたされる席次せきじひょうしたがって着席ちゃくせきする。席次せきじ招待客しょうたいきゃく選定せんていとともに、新郎しんろう新婦しんぷにとってのなやみとなる。
  2. 新郎しんろう新婦しんぷ入場にゅうじょう
    全員ぜんいん着席ちゃくせきしたら、新郎しんろう新婦しんぷ入場にゅうじょうする。媒酌人ばいしゃくにん仲人なこうどてた場合ばあいには媒酌人ばいしゃくにんともなわれて、てていない場合ばあいには新郎しんろう新婦しんぷだけ、あるいは介添かいぞえをともなって入場にゅうじょうする。このさいBGMとしてウェディング・マーチがながされる。ウェディング・マーチとして、かつては「結婚けっこん行進曲こうしんきょく」(メンデルスゾーン作曲さっきょく、「なつよるゆめ」より)や「婚礼こんれい合唱がっしょう」(ワーグナー作曲さっきょく、「ローエングリン」より)をもちいることがおおかったが、今日きょうでは新郎しんろう新婦しんぷこのみのきょくもちいることがおおい。きゃく拍手はくしゅ新郎しんろう新婦しんぷむかえる。
  3. 開宴かいえん挨拶あいさつ
    • 新郎しんろう新婦しんぷ高砂たかさご会場かいじょう正面しょうめんもうけられるメインテーブル)に着席ちゃくせきし、会場かいじょうしずまったら、司会しかいしゃ簡単かんたん自己じこ紹介しょうかいのあと、開宴かいえん挨拶あいさつべる。本人ほんにん親族しんぞく挨拶あいさつは、参列さんれつしゃ祝辞しゅくじをいただいたひと仲人なこうどなどへの謝辞しゃじ中心ちゅうしんに、新郎しんろう新婦しんぷへの今後こんご支援しえんをおねがいし、席次せきじその不行ふゆとどきのおびをべる。
  4. 新郎しんろう新婦しんぷ紹介しょうかい
    • 媒酌人ばいしゃくにんてた場合ばあいには、媒酌人ばいしゃくにん結婚式けっこんしき無事ぶじ終了しゅうりょう報告ほうこくし、2人ふたり略歴りゃくれき家族かぞく馴初なれそめなどを紹介しょうかいして、きゃく今後こんご支援しえん指導しどうねがう。媒酌人ばいしゃくにんてない場合ばあいには司会しかいしゃおこなう。
  5. 主賓しゅひん祝辞しゅくじ
    • 主賓しゅひん来賓らいひん代表だいひょうして祝辞しゅくじべる。新郎しんろうがわ新婦しんぷがわから、それぞれ1にんずつ祝辞しゅくじべることもある。新郎しんろう新婦しんぷ起立きりつして挨拶あいさつけるが、主賓しゅひん挨拶あいさつ冒頭ぼうとう着席ちゃくせきすすめることがおおい。
  6. 乾杯かんぱい
    • あらかじめ列席れっせきしゃグラスそそがれたシャンパンをもち、一同いちどう起立きりつする。乾杯かんぱい音頭おんど主賓しゅひん次席じせき年長ねんちょうしゃがとり、簡単かんたん挨拶あいさつののち「乾杯かんぱい」と発声はっせいし、一同いちどうで「乾杯かんぱい」と唱和しょうわする。グラスをけたら即座そくざにグラスをき、拍手はくしゅするのが日本にっぽんでのマナーである。新郎しんろうがシャンパンのくちとすサーベラージュも余興よきょうひとつになっている。
  7. ウェディングケーキいれがたな
    ウェディングケーキ
    ウェディングケーキ(なまケーキ)
    • 新郎しんろう新婦しんぷが、ウェディングケーキにゅうかたなする。このさい司会しかいしゃは「カメラをおちのほうまえにおすすみになって撮影さつえいしてください」などとすすめる。また、かつては司会しかいしゃが「新郎しんろう新婦しんぷはじめての共同きょうどう作業さぎょうです」などとってげたが、現在げんざいはあまりわれなくなった。
    • このときいれがたなされるウェディングケーキは、かつてはがただけのものおおかったが、現在げんざいではなまケーキもちいることもおおく、華々はなばなしくケーキ入場にゅうじょうげたり、いれがたな厨房ちゅうぼうでカットしてきゃくうこともおおくなった。また、「ファースト・バイト」とばれる、新郎しんろう新婦しんぷがおたがいにケーキをべさせうイベントもひろまりつつある。
  8. 食事しょくじ開始かいしとお色直いろなお
    • まずイベントは一段落いちだんらくして、新郎しんろう新婦しんぷはお色直いろなおしのため一旦いったん退場たいじょうする。きゃく食事しょくじはじめ、歓談かんだんたのしむ。
    • 色直いろなおしは、室町むろまち時代ときよはじまるとされる。当初とうしょ結婚式けっこんしき当日とうじつ男女だんじょとも白装束しろしょうぞくけて潔斎けっさいし、しきから3にちまえもっておくっていた色物いろもの着替きがえ、両親りょうしん対面たいめんした。これが江戸えど時代じだいにはしき当日とうじつおこなわれるようになり、現在げんざいいたっている。本来ほんらい目的もくてきからすれば1かいでよいが、現在げんざいは2かいおこなうことがおおい。白無垢しろむく打掛うちかけから純白じゅんぱくウェディングドレス、カラードレスへと着替きがえることもあれば、純白じゅんぱくのウェディングドレスからいろ打掛うちかけ、カラードレスへ着替きがえることもある。新郎しんろうもこれにわせて着替きがえるが、メインはここでも新婦しんぷである。
  9. 祝電しゅくでん披露ひろう
    • 色直いろなおしのために新郎しんろう新婦しんぷ退出たいしゅつしているあいだに、祝電しゅくでん披露ひろうされる。通信つうしん手段しゅだん発達はったつしたため、レタックス電子でんしメールでもメッセージはおくれるものの、結婚けっこん披露宴ひろうえんのおいメッセージには電報でんぽうおおもちいられる。祝電しゅくでんには、ばな電報でんぽう刺繍ししゅう電報でんぽうぬいぐるみいたキャラクター電報でんぽうや、本格ほんかくてき美術びじゅつ小物こものいたうるし電報でんぽう七宝焼しっぽうやき電報でんぽうなど、様々さまざま種類しゅるいがある。
    • 紹介しょうかいされる電報でんぽうは、政治せいじ新郎しんろう新婦しんぷ職場しょくば社長しゃちょうなど、重要じゅうようとされるひとからのものや、オリジナルな文面ぶんめんのもの、新郎しんろう新婦しんぷとくしたしいひとからのものが中心ちゅうしんとなる。
  10. キャンドルサービス キャンドルリレー
    • 新郎しんろう新婦しんぷがお色直いろなおしをしてさい入場にゅうじょうするさい、キャンドルサービスがおこなわれることがおおい。4世紀せいきなかばの教会きょうかいおこなわれたキャンドルミサに由来ゆらいし、キャンドルのひかりは「ひかり」(『マタイによる福音ふくいんしょだい5しょうだい13 - 15せつ)をあらわしている[1]日本にっぽん最初さいしょれたのは、カメヤマローソク使つかった日本にっぽんかくといわれる。結婚けっこん披露宴ひろうえんのキャンドルサービスは、かくテーブルにかれたキャンドル新郎しんろう新婦しんぷともし、最後さいごにメインテーブルや専用せんようキャンドルだいにセットされたウェディングキャンドルにともすイベントである。友人ゆうじんたちが自分じぶんたちのテーブルにあるキャンドルの灯心とうしんにだけみずふくませ、簡単かんたんには着火ちゃっかしないようにする悪戯いたずらがされることもある。
    • 近頃ちかごろはキャンドルサービスにわり、招待客しょうたいきゃく参加さんかしてキャンドルの灯火ともしびをリレーするスタイルのキャンドルリレーがおこなわれることがおおくなった。
  11. 来賓らいひん祝辞しゅくじ
    • 新郎しんろう新婦しんぷ着席ちゃくせきしたら、司会しかいしゃ来賓らいひん祝辞しゅくじもとめる。
    • 結婚けっこん披露宴ひろうえん祝辞しゅくじでは、言葉ことばかさ言葉ことばをつける。言葉ことばかさ言葉ことばともに、衰亡すいぼう離婚りこん再婚さいこんをイメージさせる言葉ことばのことで、結婚けっこん披露宴ひろうえん祝辞しゅくじではけるべき言葉ことばとされる。これは、言葉ことば霊的れいてきちから宿やどるとかんがえる言霊ことだま思想しそうによるものとされる。ここにいちれいげる。
      • 言葉ことばれる(る)、はなれる、かえる(す)、かえす(かえる)、わかれる、もどる、る、かえす、退しりぞく、きらう、きる、る(す)、える、める、ほろびる(ほろぶ)、む、ぬ、なやむ、くるしむ、おとろえる、うれえる、れる、れる、やぶれる、わる、く、うしなう、う、ながれる、きずつく、たおれる、ちる、うとむ、また、ふたたび、かつまた、なおまた、再度さいど再三さいさん再三再四さいさんさいしなど。
      • かさ言葉ことばかさがさね、たびたび、またまた、かえすがえす、重々じゅうじゅう、いよいよ、ますます、くれぐれ、いろいろ、しばしば、再々さいさいなど。
      • 新郎しんろう新婦しんぷ名前なまえ言及げんきゅうするさい新郎しんろう・○○くん」「新婦しんぷ・○○さん」と場合ばあいおおいが、「新郎しんろう・○○さん」「新婦しんぷ・○○さん」と、両方りょうほうさんけにするのが現代げんだいただしいマナーである。これは、婚姻こんいんしゃおっと年上としうえつま年下とししたである場合ばあいおおいことや、「さん」は年長ねんちょうしゃにも使つかえるが「きみ」は同輩どうはい目下もっかひとにしか使つかえないため、矛盾むじゅんかんじさせるからである。
    • また、祝辞しゅくじには定番ていばんおおい。「きくづくきくときかげひと」という吉川よしかわ英治えいじ俳句はいくぶしかまわず引用いんようして花嫁はなよめちち気持きもちをおもんばかったり、「人生じんせいには大切たいせつにしなければならないみっつのふくろがある」として訓戒くんかいれるなどである。なお、この「ふくろ」には様々さまざまなバリエーションがあり、代表だいひょうてきなものとしては堪忍袋かんにんぶくろ給料きゅうりょうぶくろふくろ[2]には、知恵袋ちえぶくろ胃袋いぶくろ池袋いけぶくろ沼袋ぬまぶくろ紙袋かみぶくろビニールぶくろエチケットぶくろたまぶくろ手袋てぶくろ足袋たびゆうぶくろるいコアラカンガルーなどがある。
  12. 余興よきょう
  13. 両親りょうしんへの花束はなたば贈呈ぞうてい手紙てがみ朗読ろうどく両家りょうけ謝辞しゃじ新郎しんろう新婦しんぷ謝辞しゃじ
    • ここで雰囲気ふんいき一転いってんする。新郎しんろう新婦しんぷが、それぞれの両親りょうしん花束はなたば贈呈ぞうていする。このとき、新郎しんろう新婦しんぷから両親りょうしんてた手紙てがみ朗読ろうどくすることもある。披露宴ひろうえんなか一番いちばんのクライマックスであるという意見いけんがある一方いっぽうで、家族かぞくあいだ個人こじんてき手紙てがみ披露宴ひろうえんむべきではないという意見いけんもあり、賛否さんぴ両論りょうろん演出えんしゅつであるとえる。
    • 両家りょうけ代表だいひょう謝辞しゃじべる。新郎しんろう父親ちちおやべるのを慣例かんれいとするが、新婦しんぷ父親ちちおや母親ははおやべることもある。また、新郎しんろう新婦しんぷ謝辞しゃじべられる。新郎しんろうべるのを慣例かんれいとするが、新婦しんぷ一言いちげんえることもある。
  14. 閉宴の挨拶あいさつ退場たいじょう見送みおく
    • 司会しかいしゃが閉宴の言葉ことばべ、新郎しんろう新婦しんぷ両親りょうしん一礼いちれいする。ここでおこなわれることもある。司会しかいしゃは、言葉ことばの「える」をけ、「おひらきにする」とわなければならない。新郎しんろう新婦しんぷ両親りょうしん退場たいじょうし、出口でぐちならんできゃく見送みおくる。このとき、新郎しんろう新婦しんぷからきゃくドラジェばれるアーモンド砂糖さとう菓子かしわたされる。

結婚けっこん披露宴ひろうえんのち[編集へんしゅう]

出物でもの
結婚けっこん披露宴ひろうえん出席しゅっせきしゃには、新郎しんろう新婦しんぷから、出物でものばれる品物しなものおくられる。以前いぜん出物でものには、たいかたちにした巨大きょだいかまぼこ砂糖さとう食器しょっき花瓶かびんなどおおきくおもいものがいとされた。しかし、あまりおおきくおもいものはかえって迷惑めいわくとなることから、現在げんざいでは鰹節かつおぶしバウムクーヘンなどのかる食品しょくひんと、カタログギフトなどかえりやすいものが出物でものとされる。
平安へいあん時代じだいうま馬小屋うまごやからして土産みやげにしていた。そのため「出物でもの」とばれることになった。
二次会にじかい
結婚けっこん披露宴ひろうえんのあと、新郎しんろう新婦しんぷ友人ゆうじん同僚どうりょう幹事かんじとなり、おもわかひとあつまって二次会にじかいひらかれることもおおい。二次会にじかい会費かいひせいとされることがおおく、くだけた雰囲気ふんいきかいとなる。わかひとおおいため、あらたな男女だんじょ出会であいのとなることもおおく、さら賞品しょうひん賞金しょうきんけたゲームとうのアトラクションをおこなことおおい。ブーケ・トス二次会にじかいおこなわれることがおおい。披露宴ひろうえん同様どうよう新郎しんろう新婦しんぷおさなころから結婚けっこんまえ写真しゃしん・ビデオ画像がぞう編集へんしゅうしてながすこともおおく、さら新郎しんろう新婦しんぷ退場たいじょうし、出口でぐちならんできゃく見送みおくる。このとき、新郎しんろう新婦しんぷからきゃく小物こものわたされる。
近頃ちかごろでは二次会にじかい 幹事かんじ代行だいこう業者ぎょうしゃ依頼いらいする新郎しんろう新婦しんぷおおい。

欧米おうべいにおける結婚けっこん披露宴ひろうえん[編集へんしゅう]

欧米おうべいでも結婚式けっこんしきならび、結婚けっこん披露宴ひろうえん重視じゅうしされる。ウェディング・ケーキへのいれがたなやファースト・バイト、ブーケ・トスやサムシング・フォーなど、日本にっぽん結婚けっこん披露宴ひろうえんれられた習俗しゅうぞくおおい。

アジアにおける結婚けっこん披露宴ひろうえん[編集へんしゅう]

韓国かんこく[編集へんしゅう]

韓国かんこくでは結婚けっこん披露宴ひろうえん新郎しんろうをいじめる風習ふうしゅうがある(韓国かんこく新郎しんろういじめ)。

中国ちゅうごく[編集へんしゅう]

中国ちゅうごくでは結婚けっこん披露宴ひろうえんしゅ中国ちゅうごく:シジョウ)という。しゅは、婚姻こんいんとどけ結婚けっこん儀式ぎしきよりも重視じゅうしされる。しゅは、ホテルやレストランでおこなわれることもおおい。

台湾たいわん[編集へんしゅう]

台湾たいわんでは、結婚けっこん披露宴ひろうえんしゅ辦桌台湾たいわん宴会えんかい大量たいりょう料理りょうりつくること)という。ホテルやレストランでおこなわれることがおおい。ただ今日きょうでも、自宅じたくちかくの道路どうろ封鎖ふうさし、おおきなテントてておこな伝統でんとうてきな「食事しょくじかい」もすくなくない。このような食事しょくじかいのことを台湾たいわんではぞく黒松くろまつ飯店はんてんともぶが、これは「黒松くろまつ」という飲料いんりょうメーカーが野外やがい宴会えんかいようにテントのしもおこなっており、この宴会えんかいで「黒松くろまつしるしのテントがよくられることからきている。

著名ちょめいじん結婚式けっこんしき[編集へんしゅう]

芸能人げいのうじんスポーツ選手せんしゅなど、著名ちょめいじん結婚けっこん披露宴ひろうえんおこな場合ばあい一般いっぱん市民しみんとはちがった豪華ごうか内容ないよう招待しょうたいされた各界かくかい著名ちょめいじん姿すがたなどの披露宴ひろうえん様子ようすテレビ局てれびきょくなどが中継ちゅうけいする場合ばあいがある。

日本にっぽんはじめてテレビ中継ちゅうけいされた結婚けっこん披露宴ひろうえん1960ねん3月1にち挙行きょこうされた、芦屋あしや雁之助がんのすけ芦屋小雁あしやこがん大村崑おおむらこん(いずれも喜劇きげき俳優はいゆう上方かみがたわら芸人げいにん夫妻ふさい3くみによる合同ごうどう結婚式けっこんしき[4]である(読売よみうりテレビ制作せいさく[5]。1970~80年代ねんだいまでは様々さまざま著名ちょめいじん披露宴ひろうえん中継ちゅうけい民放みんぽう各局かくきょく放送ほうそうされ、平均へいきん視聴しちょうりつは30%をえるなど人気にんきほこっていたが、1990年代ねんだい以降いこう一般人いっぱんじん同様どうよう意識いしき変化へんかくわえ、プライバシーの侵害しんがいおそれがあることから披露宴ひろうえんそのものをおこなわない、あるいは披露宴ひろうえんがあっても中継ちゅうけいおこなわないれいえている。

脚注きゃくちゅう出典しゅってん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]