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(ぎそ)は、伝統でんとう中国ちゅうごくにおいて、経典きょうてん本文ほんぶん(また注文ちゅうもんふくむ)の内容ないよう詳細しょうさい解説かいせつした書物しょもつのこと。「よし」は意義いぎ、「疏」は疏通そつうで、わせてけい疏通そつうすることをしめす。たんに「疏」と呼称こしょうする場合ばあいもある。儒教じゅきょう道教どうきょう仏教ぶっきょうそれぞれにかんする「よし疏」が存在そんざいし、とく南北なんぼくあさ時代じだい盛行せいこうした。

概要がいよう[編集へんしゅう]

かんからたかしすすむ時期じき経書けいしょ中心ちゅうしんとした重要じゅうよう古典こてんには学者がくしゃした解釈かいしゃくである「ちゅう」がつくられ、学者がくしゃはこの「ちゅう」をとおして古典こてん受容じゅようした。すすむころから、仏教ぶっきょう中国ちゅうごく伝来でんらいげんがく流行りゅうこうなどの影響えいきょうけ、学問がくもん気風きふう変化へんかしょうじるなかで、次第しだいに「よし疏」という形式けいしきえてくることとなった[1]。また、よし疏を中心ちゅうしんとして展開てんかいした学問がくもんを「よし疏学」と呼称こしょうする。

疏の定義ていぎについては、かつ隆一りゅういちが牟潤まご整理せいりもとづき、以下いかのようにべている[2]

  1. 形式けいしきてきにはけいちゅうはなされたたん疏である。
  2. 口頭こうとうおこなわれる講義こうぎなんらかのつながりをもつ注釈ちゅうしゃく。たとえば講義こうぎ記録きろくであったり、または講義こうぎ原稿げんこうであったり、そのありかた様々さまざまである。
  3. 書名しょめいなかに「よし疏」、もしくはそれに類似るいじする要素ようそ(たとえば、「こう疏」「よし」「疏」など)がふくまれる。
  4. 解釈かいしゃく対象たいしょうとなる書物しょもつ大義たいぎ関連かんれんする叙述じょじゅつふくむ。
  5. 時代じだいてきには南北なんぼくあさからとうわりごろまでの期間きかん成立せいりつしたもの。

具体ぐたいれい[編集へんしゅう]

疏の具体ぐたいれいは、『ずいしょ経籍けいせきこころざし、『きゅうとうしょ経籍けいせきこころざし、『しんとうしょ芸文げいぶんこころざしといった蔵書ぞうしょ目録もくろく記載きさいされている。以下いかに、そのいちれいしめす。

儒教じゅきょう経典きょうてんたいする[編集へんしゅう]

仏教ぶっきょう経典きょうてんたいする[編集へんしゅう]

道教どうきょう経典きょうてんたいする[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 牟潤まご (1987). ちゅうときくさむら稿こう』「ろん儒家じゅか両家りょうけこうけいあずかよし疏」「ろんすすむ以来いらいたかしなおだんべん及其影響えいきょう. 中華ちゅうかしょきょく. pp. 239-302,303-355 
  2. ^ Kogachi, Ryūichi, 1970-; かつ隆一りゅういち, 1970-. Chūgoku chūko no gakujutsu (Dai 1-han ed.). Tōkyō. ISBN 4-87636-262-9. OCLC 85508548. https://www.worldcat.org/oclc/85508548