孔あな穎達

孔あな穎達

孔あな 穎達（く えいたつ、建徳けんとく3年ねん（574年ねん） - 貞さだ観かん22年ねん9月18日にち（648年ねん10月がつ10日とおか））は、中国ちゅうごく初はつ唐とうの儒学じゅがく者しゃ。字じは沖おき遠とお、諡おくりなは憲けん。冀州衡水県けん（現在げんざいの河北かほく省しょう衡水市し桃もも城ぐすく区く）の出身しゅっしん。孔子こうしの32世せいの孫まごと称しょうしている。秦はた王おう府ふ十じゅう八はち学士がくしのひとりに挙あげられた。

名前なまえの日本語にほんご読よみに関かんしては、漢音かんおんでは「こうえいたつ」であるが、平安へいあん時代じだい以来いらいの慣行かんこうで呉音ごおんの「くえいたつ」「くようだつ」などと読よみ習ならわされる。

生涯しょうがい

隋ずいの大業おおわざ元年がんねん（605年ねん）、科挙かきょの明あかり経けい科かに及第きゅうだいする。後ご、大学だいがく助じょ教きょうとなる。唐とうになって、国子くにこ博士はかせとなり、国子くにこ監かん祭まつり酒しゅとなり、また皇太子こうたいしの侍講じこうなどになる。

彼かれは、しばしば諫言を述のべたので、太ふとし宗むね李り世よ民みんに信任しんにんされるようになった。魏ぎ徴ちょうと共ともに隋ずい史しの修おさむ撰せんに参画さんかくしたことにより、名なを残のこすこととなった。また、最もっとも著名ちょめいな業績ぎょうせきは、「五経ごきょう正義まさよし」170巻かんの撰述せんじゅつである。太ふとし宗むねは、儒教じゅきょうの流派りゅうはが多おおく存在そんざいし、経典きょうてんの解釈かいしゃくがさまざまにされていたのを統一とういつさせる目的もくてきで、孔あな穎達らに五経ごきょうの義ぎ疏の撰述せんじゅつを命めいじ、完成かんせいしたのが本書ほんしょである。

これによって、儒教じゅきょうの経典きょうてんのテキストの解釈かいしゃくが統一とういつされた。また、以後いごは、明あきら経けい科かの科挙かきょ試ためしを受験じゅけんする者ものに対たいして、この書しょを国定こくていの教科書きょうかしょのような位置いちづけにしたため、受験じゅけん者しゃには便利べんりであった。ただ、こういった気風きふうによって学問がくもんの自由じゆうな発展はってんは阻害そがいされる結果けっかとなった。

伝記でんき資料しりょう

• 『旧きゅう唐とう書しょ』巻まき73 列伝れつでん第だい23
• 『新しん唐とう書しょ』巻まき198 列伝れつでん第だい123 儒学じゅがく上じょう