華はな (鉄道てつどう車両しゃりょう)

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485系けいお座敷ざしき電車でんしゃ「華はな」
485系けい「華はな」
基本きほん情報じょうほう
運用うんよう者しゃ	東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう
製造せいぞう所しょ	構体製作せいさく：東急とうきゅう車輛しゃりょう製造せいぞう
製造せいぞう年ねん	1973年ねん
改造かいぞう所しょ	JR東日本ひがしにっぽん大宮おおみや工場こうじょう 東急とうきゅう車輛しゃりょう製造せいぞう （ただし、大宮おおみや工場こうじょう施工しこう名義めいぎ）
改造かいぞう年ねん	1997年ねん
運用うんよう開始かいし	1997年ねん4月がつ26日にち
運用うんよう終了しゅうりょう	2022年ねん10月がつ30日にち
廃車はいしゃ	2022年ねん11月11日にち
投入とうにゅう先さき	小山こやま車両しゃりょうセンター→高崎たかさき車両しゃりょうセンター
主要しゅよう諸しょ元もと
編成へんせい	6両りょう編成へんせい
軌間きかん	1,067 mm（狭軌きょうき）
電気でんき方式ほうしき	直流ちょくりゅう1,500 V 交流こうりゅう20,000 V（50・60 Hz）
最高さいこう運転うんてん速度そくど	120 km/h
編成へんせい定員ていいん	152人にん
車両しゃりょう定員ていいん	24 - 28人にん
車両しゃりょう重量じゅうりょう	41.0 - 44.2 t
編成へんせい重量じゅうりょう	261.0 t
全長ぜんちょう	先頭せんとう車しゃ 21,500 mm 中ちゅう間あいだ車しゃ 20,500 mm
全幅ぜんぷく	2,940 mm
全ぜん高こう	4,070 mm パンタグラフ折おりたたみ時じ高たかさ 3,980 mm
車体しゃたい	耐たい候こう性せい鋼板こうはん
台車だいしゃ	ペデスタル（ウイングばね）方式ほうしき空気くうきばね台車だいしゃ DT32E形かたち・TR69H形かたち
主しゅ電動でんどう機き	直流ちょくりゅう直ちょく巻まき電動でんどう機き　MT54D形かたち
主しゅ電動でんどう機き出力しゅつりょく	120 kW × 4
駆動くどう方式ほうしき	中空ちゅうくう軸じく平行へいこうカルダン駆動くどう方式ほうしき
歯車はぐるま比ひ	22:77 (1:3.50)
定てい格かく速度そくど	72.0 km/h （全ぜん界さかい磁）・116.0 km/h （40 %界さかい磁）
制御せいぎょ方式ほうしき	抵抗ていこう制御せいぎょ・直ちょく並列へいれつ組合くみあわせ・弱よわめ界かい磁
制御せいぎょ装置そうち	CS15F形かたち主ぬし制御せいぎょ器き
制動せいどう装置そうち	発電はつでんブレーキ併用へいよう電磁でんじ直通ちょくつうブレーキ 勾配こうばい抑そもそも速そくブレーキ
保安ほあん装置そうち	ATS-P・ATS-SN
備考びこう	出典しゅってん：交友こうゆう社しゃ『鉄道てつどうファン』1997年ねん7月がつ号ごう新車しんしゃガイド

華はな（はな）は、東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう（JR東日本ひがしにっぽん）が1997年ねんから2022年ねんまで保有ほゆうしていた鉄道てつどう車両しゃりょう（電車でんしゃ）で、ジョイフルトレインと呼よばれる車両しゃりょうの一種いっしゅである。

概要がいよう

JR東日本ひがしにっぽん東京とうきょう地域ちいき本社ほんしゃ（当時とうじ）では、お座敷ざしき客車きゃくしゃ「なごやか」「江戸えど」、お座敷ざしき電車でんしゃ「宴うたげ」の3編成へんせいの和式わしき車両しゃりょうを保有ほゆうしており、中なか・高こう年代層ねんだいそうの団体だんたい輸送ゆそうに使用しようされてきた。しかし、客車きゃくしゃ編成へんせいは老朽ろうきゅう化かに加くわえて、機関きかん車しゃによる牽引けんいんとなることから速度そくど面めんで電車でんしゃに劣おとり、特とくに首都しゅと圏けんでの運行うんこうではダイヤ作成さくせい上じょうの障害しょうがいとなっていた。 こうして「なごやか」の代替だいたい編成へんせいとして和式わしき電車でんしゃを製作せいさくすることになったものである。

車両しゃりょう

6両全りょうぜん車両しゃりょうの構体は東急とうきゅう車輛しゃりょう製造せいぞうで製作せいさくし、先頭せんとう車しゃ2両りょうの組くみ立たてはJR東日本ひがしにっぽん大宮おおみや工場こうじょう（現げん・大宮おおみや総合そうごう車両しゃりょうセンター）で実施じっし、中間なかま車しゃ4両りょうの組くみ立たては東急とうきゅう車輛しゃりょう製造せいぞうで実施じっしした。文献ぶんけんによれば、1997年ねん（平成へいせい9年ねん）3月14日にち付づけで改造かいぞう・大宮おおみや工場こうじょうでの施工しこう名義めいぎとなっている。

いずれの車両しゃりょうも485系けい電車でんしゃからの改造かいぞうで、先頭せんとう車しゃがクロ484形かたちとクロ485形かたち、中間なかま車しゃはモロ484形かたちとモロ485形かたちである。各かく車両しゃりょうの番号ばんごうは「リゾートエクスプレスゆう」と「宴うたげ」からの続ぞく番ばんとなっている。編成へんせい番号ばんごうは、G6＋G7編成へんせい（のちにTG02編成へんせいへ変更へんこう）。

• 1号車ごうしゃ：クロ484-4（旧きゅうクハ481-28） - 定員ていいん24人にん
• 2号車ごうしゃ：モロ484-7（旧きゅうモハ484-251） - 定員ていいん24人にん
• 3号車ごうしゃ：モロ485-5（旧きゅうモハ485-149） - 定員ていいん28人にん
• 4号車ごうしゃ：モロ484-6（旧きゅうモハ484-87） - 定員ていいん24人にん
• 5号車ごうしゃ：モロ485-4（旧きゅうモハ485-87） - 定員ていいん28人にん
• 6号車ごうしゃ：クロ485-2（旧きゅうクハ481-21） - 定員ていいん24人にん

全ぜん車両しゃりょうがグリーン車しゃ扱あつかいである。

• 
  クロ484-4
  （1号車ごうしゃ）
• 
  モロ485-5
  （3号車ごうしゃ）
• 
  モロ484-6
  （4号車ごうしゃ）
• 
  クロ485-1
  （6号車ごうしゃ）

コンセプト・デザイン

『心しんやわらぎ、楽たのしめる空間くうかんの提供ていきょう』をコンセプトとした。車体しゃたい外観がいかんについても角かくのないやわらかさを強調きょうちょうしたデザインとされた。

ロゴマーク

改造かいぞう内容ないよう

車体しゃたいは「宴うたげ」同様どうようの丸味まるみを帯おびた車体しゃたいを新造しんぞうし、床下ゆかした機器ききと走行そうこう装置そうちは種たね車しゃの485系けいのものをそのまま使用しようした。車体しゃたい断面だんめんは215系けい電車でんしゃとほぼ同おなじ車両しゃりょう限界げんかいとなっているが、PS26-1形かたち集しゅう電でん装置そうち（パンタグラフ）の搭載とうさいと集あつまり電でん装置そうち取とり付つけ部分ぶぶんの低てい屋根やね化かを行おこなうことで、中央東線ちゅうおうとうせんへの入線にゅうせんも可能かのうである。一方いっぽう、信越本線しんえつほんせんの横川よこかわ - 軽井沢かるいざわ間あいだの通過つうか対策たいさく（横よこ軽けい対策たいさく）については、同どう区間くかんの廃止はいし時期じきが近ちかかったことから施工しこうされていない。本ほん車両しゃりょうは国鉄こくてつ時代じだいから通つうじ、首都しゅと圏けん地区ちくに配置はいちされるジョイフルトレインにおいて、横よこ軽けい対策たいさくを施工しこうしていない初はつの車両しゃりょうである。

正面しょうめん窓まどは「宴うたげ」とは異ことなり、緩ゆるやかな半径はんけいの平面へいめんガラス1枚まいという構造こうぞうとした。冷房れいぼう装置そうちはモロ484形かたちが床ゆか置おき仕様しようのNAU183形かたち、それ以外いがいの車両しゃりょうは車くるま端はし部屋へや根上ねあがりにAUえーゆー714形かたちを搭載とうさいしている。

客室きゃくしつ

客室きゃくしつは木目もくめ調ちょうでシンプルなデザインとした。長時間ちょうじかんの乗車じょうしゃでも快適かいてきに過すごせるように掘ほり炬燵こたつ構造こうぞうが採用さいようされたが、目的もくてきに応おうじて床ゆかをフルフラットにすることが可能かのうなように、昇降しょうこう装置そうちが内蔵ないぞうされている。通路つうろと座敷ざしきは分離ぶんりされていない。通路つうろ側がわには窓まど下かに上蓋あげぶた式しきの荷物にもつ入いれを設もうけ、上蓋あげぶたは腰掛こしかけることが可能かのうな構造こうぞうとなっている。利用りよう者しゃは一度いちど靴くつを脱ぬいだら他ほかの車両しゃりょうへの移動いどうも靴くつを脱ぬいだままで可能かのうとするように配慮はいりょされ、このため畳たたみの下したにスライド式しき下足げそく入いれが設置せっちされた。客室きゃくしつ内ないの照明しょうめいは30%の減げん光こうが可能かのうである。各かく車両しゃりょうにオートチェンジャー・ワイヤレスマイク・リモコン選曲せんきょく式しきのカラオケ装置そうちが設置せっちされている。

便所べんじょは1・3・6号車ごうしゃに、真空しんくう式しきの洋式ようしき便所べんじょ・男子だんし小便しょうべん所しょ・洗面せんめん所しょを設置せっちした。5号車ごうしゃにはテレホンカード式しき自動車じどうしゃ用よう公衆こうしゅう電話でんわが1台だい設置せっちされていた。

展望てんぼう室しつ

乗務じょうむ員いん室しつの直後ちょくごは1段だん高たかくしたフリースペースの展望てんぼう室しつとし、3人にんがけのソファーを2脚きゃく向むかい合あわせに設置せっちした。乗務じょうむ員いん室しつとの仕切しきりは、前面ぜんめん展望てんぼう視界しかいを確保かくほするために大型おおがたガラス構造こうぞうとした。

• 
  掘ほり炬燵こたつ構造こうぞうの客室きゃくしつ
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  展望てんぼう室しつ

運用うんよう

1997年ねん（平成へいせい9年ねん）4月がつ26日にちに営業えいぎょう運転うんてんを開始かいし。団体だんたい専用せんよう列車れっしゃを中心ちゅうしんに運用うんようされている。 落成らくせい時じから2015年ねん（平成へいせい27年ねん）3月がつ13日にちまでは小山こやま電車でんしゃ区く（現げん・小山こやま車両しゃりょうセンター）に配置はいちされていたが、翌よく14日にちからは高崎たかさき車両しゃりょうセンター配置はいちに変更へんこうとなっている。老朽ろうきゅう化かのため、2022年ねん（令れい和わ4年ねん）10月がつ30日にちに営業えいぎょう運転うんてんを終了しゅうりょうした。その後ご、同年どうねん11月がつ10日とおかに郡山こおりやま総合そうごう車両しゃりょうセンターに廃車はいしゃ回送かいそうされ、同年どうねん11月がつ11日にち付づけで廃車はいしゃされた。

参考さんこう文献ぶんけん

• 交友こうゆう社しゃ『鉄道てつどうファン』
  • 1997年ねん7月がつ号ごう新車しんしゃガイド1「JR東日本ひがしにっぽん485系けいお座敷ざしき電車でんしゃ「華はな」」pp.104 - 107
• 『鉄道てつどうジャーナル』通巻つうかん368号ごう（1997年ねん6月がつ号ごう）
• 東急車輌製造とうきゅうしゃりょうせいぞう『東急とうきゅう車輌しゃりょう技わざ報ほう』No.47（1997年ねん）製品せいひん紹介しょうかい「JR東日本ひがしにっぽん 485系けいお座敷ざしき電車でんしゃ「華はな（はな）」pp.88 - 91 。