(Translated by https://www.hiragana.jp/)
ボール (野球) - Wikipedia コンテンツにスキップ

ボール (野球やきゅう)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
野球やきゅうボールから転送てんそう

野球やきゅうにおいてボールえい:ball)とは、投球とうきゅう判定はんていとしてのボールストライクたいするボールだま)と、用具ようぐとしてのボール野球やきゅうボール)がある。英語えいごではbaseballは野球やきゅうボールの意味いみもある。

用具ようぐとしてのボール

[編集へんしゅう]
軟式なんしきボール(ひだり)と、硬式こうしきボール(みぎ
2006ねん〜2016年度ねんど公認こうにん軟式なんしきだま

日本にっぽん野球やきゅうには硬式こうしきだま(こうしききゅう)・じゅん硬式こうしきだま(じゅんこうしききゅう)・軟式なんしきだま(なんしききゅう)の3種類しゅるい規格きかくのボールが存在そんざいする。使用しようするボールにより硬式こうしき野球やきゅうじゅん硬式こうしき野球やきゅう軟式なんしき野球やきゅうの3つの野球やきゅう形態けいたいかれる。

硬式こうしきだま

[編集へんしゅう]

硬球こうきゅう(こうきゅう)ともばれる。1878ねんスポルディングしゃ開発かいはつした[1]コルクゴムしんいとけ、それを牛革ぎゅうかわおお[ちゅう 1]わせてつくられる。原則げんそくとして1きゅうあたりのは108とされている[3]。「硬式こうしき」のとお非常ひじょうかたく、死球しきゅう打球だきゅう身体しんたい直撃ちょくげきした場合ばあい打撲だぼく骨折こっせつひとし怪我けがをする場合ばあいもある。

重量じゅうりょう141.7-148.8g円周えんしゅう22.9-23.5cm公認こうにん野球やきゅう規則きそくによりさだめられている。プロ野球やきゅう使つかわれる硬球こうきゅう公式こうしきだま(こうしききゅう)とばれる。ボールの反発はんぱつりょくのテストがコミッショナー事務じむきょくによっておこなわれ、このテストで算出さんしゅつされる時速じそく270キロ(ボールとバットの標準ひょうじゅんてき相対そうたい速度そくどにおける反発はんぱつ係数けいすうが0.4034-0.4234[4]基準きじゅんたすボールが合格ごうかくとなり、ボールに公認こうにんマーク(日本にっぽん野球やきゅう機構きこうマーク、証明しょうめいようホログラム、プロ野球やきゅうコミッショナー署名しょめい以上いじょう3つの印刷いんさつ)がけられる[3][5]

日本にっぽんプロ野球やきゅう (NPB)

日本にっぽんプロ野球やきゅう (NPB) の公式こうしきだま供給きょうきゅうメーカーは1980ねんで9しゃ[6]、2010ねん以前いぜんミズノゼットアシックス久保田くぼた運動うんどうてん那須なすスポーツ[7]SSKまつかん工業こうぎょうの7しゃだったが[8]、2010ねんはミズノ、ゼット、アシックス、久保田くぼた運動うんどうてんの4しゃであった[1]。メーカーによって材質ざいしつ製法せいほうなどが多少たしょうことなっており、機能きのうめん若干じゃっかんちがいがられる(びやすい/びにくい、にぎりやすい/にぎりにくい、など)[9][10][11]主催しゅさい球団きゅうだん判断はんだんで4しゃのボールのなかから公式こうしきだま選択せんたく使用しようされていた[12]公式こうしきだま少量しょうりょうのみ販売はんばいされている。また、困難こんなんではあるが一軍いちぐん公式こうしき試合しあいファウルボールまたはホームランボールとしても入手にゅうしゅ可能かのうである。

2010ねん1がつ19にちひらかれた日本にっぽんプロ野球やきゅう組織そしき実行じっこう委員いいんかいでは、ワールド・ベースボール・クラシックなどの国際こくさい試合しあい増加ぞうかや、後述こうじゅつする「ぶボール」問題もんだい対応たいおうし、ボールの規格きかく世界せかいてき統一とういつするため、2011ねん以降いこうのNPB公式こうしきせんでの公式こうしきだまの1しゃ独占どくせんてき供給きょうきゅうさせることが決定けっていされ[1]、2011ねんにはぜん球団きゅうだんミズノしゃせい統一とういつだま使用しようされている[13]

なお、1年間ねんかん使用しようされるぜん12球団きゅうだん一軍いちぐん試合しあいだま総数そうすう練習れんしゅう・ブルペンようなどもふくむ)は、やく2まん5000ダース(やく30まん)にもたっするといわれる(2013ねん情報じょうほう)。また、輸送ゆそう通関つうかんのトラブルなどにそなえて1まんダースを常備じょうびすることももとめられているという[14]

メジャーリーグベースボール (MLB)

1842ねんごろから現在げんざい野球やきゅうちかいルールでプレーしていたはつ本格ほんかくてき野球やきゅうチーム、ニューヨーク・ニッカーボッカーズ最初さいしょの6、7年間ねんかん自分じぶんたちでボールをっていたように、当初とうしょのボールは手製てせいであり、勝利しょうりチームが敗戦はいせんチームから賞品しょうひんとしてれる貴重きちょうひんだった[15]南北戦争なんぼくせんそう終結しゅうけつした1860年代ねんだい後半こうはんになると一気いっき野球やきゅうねつたかまり、おおくのメーカーがボールを生産せいさんするようになった[15]メジャーリーグベースボール (MLB) の公式こうしきだまは1878ねんから1976ねんまではスポルディングしゃが、1977ねんからはローリングスしゃ独占どくせん供給きょうきゅうしていて、2014ねん現在げんざいはローリングスしゃコスタリカ工場こうじょう生産せいさんされているものを使用しようしている[16]。NPB公式こうしきだま野球やきゅう規則きそくさだめられたおおきさ・おもさのほぼ下限かげんであるのにたいし、MLB公式こうしきだまはほぼ上限じょうげんであるため、日本にっぽん公式こうしき試合しあいだまよりも若干じゃっかんおおきく、おもい。表面ひょうめん牛革ぎゅうかわ質感しつかん日本にっぽんのものよりもツルツルとしたなめらかなもので[1]日本にっぽんのボールよりたかく、空気くうき抵抗ていこうちがいからおなにぎり・かたたましゅでも日本にっぽん公式こうしきだまとは変化へんか度合どあいにちがいがる。

硬式こうしきだま反発はんぱつりょく検査けんさ

[編集へんしゅう]

NPBでは、すべての試合しあい使用しようだま承認しょうにんしるしすことになっているが、このさい規定きていない反発はんぱつりょくであることが条件じょうけんとなっている。反発はんぱつりょく検査けんさはシーズンちゅうに2週間しゅうかんに1かい程度ていどおこなわれ、おおきさの基準きじゅん合格ごうかくしたそれぞれのメーカーのボールのなかから1ダースして検査けんさされる。試験しけん方法ほうほうはマシーンでボールを射出しゃしゅつしてかべてる方法ほうほうで、かべたるまえ速度そくどかえったのち速度そくど計測けいそくし、そのから反発はんぱつ係数けいすうもとめている[3]

ぶボール」「ばないボール」の問題もんだい

[編集へんしゅう]

硬式こうしきだま製造せいぞう過程かていにおけるなんらかの要因よういん反発はんぱつ係数けいすうがったり、重量じゅうりょうかるくなることで距離きょりいちじるしく上昇じょうしょうするボールはねるウサギたとえられ、「ラビットボール」、「ぶボール」などとばれることがある[ちゅう 2]。ラビットボールは本塁打ほんるいだやすいことで、走塁そうるい盗塁とうるいなどのプレーの重要じゅうようせい観戦かんせん醍醐味だいごみそこなわれるとしてしばしば批判ひはん対象たいしょうとなる。

1910ねんぶボール
MLBでは1910ねんのワールドシリーズはじめてコルクをしんにしたぶボールが使用しようされた。このボールを使用しようしたよく1911ねんシーズンでは3わり打者だしゃ前年ぜんねんの30にんから57にんえた[2]
1931ねん改善かいぜん
ぶボールによって本塁打ほんるいだえすぎ、批判ひはんきたために1931ねんにはコルクをゴムでつつみ、投手とうしゅにぎりやすいようにたかくする改善かいぜんおこなわれた[2]
1948ねん - 1950ねんのラビットボール
イシイ・カジヤマ(ジュン石井いしい製造せいぞうしたボール自動じどう製造せいぞう機械きかいによって製造せいぞうされたボールの通称つうしょう。1948ねん9月にNPBに試験しけん導入どうにゅうされ、よく1949ねんから1950ねんまで全面ぜんめんてき使用しようされた。それまでほぼ手作てづくりだったボールが、この自動じどう製造せいぞう機械きかい導入どうにゅう精度せいど格段かくだんがった。材質ざいしつめんでは、戦時せんじちゅうより粗悪そあくひんのままだったものを機械きかい導入どうにゅう大手おおて毛糸けいと会社かいしゃ契約けいやくむすぶことで、しつたかいボールを製造せいぞうできるようになった。材質ざいしつ改良かいりょうくわえて、電気でんき乾燥かんそう湿気しっけばす製造せいぞう手法しゅほう反発はんぱつりょく向上こうじょう要因よういんとなった。このボールの導入どうにゅうによって本塁打ほんるいだかず劇的げきてき増加ぞうか。こののち反発はんぱつりょく規定きていつくられた。
1978ねん - 1980ねんぶボール
当時とうじミズノしゃせいのボールが他社たしゃのボールとくらべて10すうメートル距離きょり反発はんぱつりょくたかいボールであったことが原因げんいんである。1978ねんには阪急はんきゅうブレーブス導入どうにゅうし、打率だりつ本塁打ほんるいだすう得点とくてんすうでリーグ1記録きろくし、優勝ゆうしょうした。つぎに、それをった近鉄きんてつバファローズ1979ねん導入どうにゅうし、リーグ1打率だりつ本塁打ほんるいだすう記録きろくしてはつのリーグ優勝ゆうしょうげた。
1980ねんにはパシフィック・リーグ3球団きゅうだんでチーム本塁打ほんるいだすうが200ほんえ、リーグ全体ぜんたいで1196ほん(1球団きゅうだん平均へいきん199.3ほん)もの本塁打ほんるいだた。この事態じたいおもた、ときのプロ野球やきゅうコミッショナー下田しもだ武三たけぞう指示しじにより、反発はんぱつりょくテストの規定きてい見直みなおした[18]
2000年代ねんだい前半ぜんはんぶボール問題もんだい
2001ねんころのミズノしゃせいのボールが他社たしゃせいのボールとくら反発はんぱつ係数けいすうたかく、距離きょりやすいとわれていた。たとえば、東京とうきょうドームでの1試合しあいあたりの平均へいきん本塁打ほんるいだすう公式こうしきせん1988ねんは1.31ほん(112試合しあいで147ほん)だったのにたいして2004ねんは3.43ほん(76試合しあいで261ほん)と本塁打ほんるいだりつが2.6ばい以上いじょう増加ぞうかしていた。また、2004ねん規定きてい打席だせき到達とうたつした3わり打者だしゃは36にん(セ21にん、パ15にん)にものぼった。その2003ねんにミズノしゃせいえた横浜よこはまベイスターズは、本塁打ほんるいだすう前年ぜんねん95ほん増加ぞうかさせた。2004ねんのシーズンで中日ちゅうにちドラゴンズ本拠地ほんきょちナゴヤドーム使用しようするボールの一部いちぶ対戦たいせん相手あいてによってミズノしゃせいからサンアップせい(ミズノしゃせいのものよりばないとされている)にえた[19]。これらが問題もんだいされた2005ねんにはミズノしゃしん開発かいはつした「てい反発はんぱつだま」が巨人きょじん横浜よこはま、ソフトバンクら8球団きゅうだん採用さいようされた。その結果けっか、2005ねんそう本塁打ほんるいだすうは247ほん減少げんしょうした。2010ねんには、りょうリーグ11球団きゅうだんでミズノしゃせい採用さいようされていたが、依然いぜん他社たしゃせいくらべると打球だきゅう距離きょりびやすいとわれている。
2010年代ねんだい前半ぜんはん統一とういつだまかんする問題もんだい
2011ねんと2012ねん使用しようされた統一とういつだまおよび2013ねん統一とういつだま変更へんこう問題もんだい
[編集へんしゅう]
2013ねん日本にっぽんプロ野球やきゅう使用しようされた統一とういつだまときのコミッショナー・加藤かとう良三りょうぞうのサインが印刷いんさつされている。

上記じょうきとおりそれまでは球団きゅうだんごとにことなるボールが使つかわれていたことにたいする批判ひはんや、WBCなどの国際こくさい試合しあい採用さいようされるボールにちかづけるという目的もくてきなどから、2011年度ねんどから12球団きゅうだんすべてでミズノせいてい反発はんぱつゴムざいもちいた統一とういつだま採用さいようした。ミズノしゃ距離きょりやく1メートルおさえられると説明せつめいしている[13]が、ストライクゾーンの変更へんこうなどしょ条件じょうけんわせた結果けっかりょうリーグあわせて2010ねん本塁打ほんるいだすうくらべると1605ほんから939ほん激減げきげんした[20]

統一とういつだまは、MLBのたまよりもばないとされており、実際じっさいにMLBの公式こうしきだま統一とういつだまおなたかさからとした場合ばあい、MLBの公式こうしきだまがよりたかはず傾向けいこうがあった[21]とくに2012ねん開幕かいまくから4がつ25にちまでぜん球団きゅうだんで123試合しあいちゅう38試合しあい完封かんぷう試合しあいという異常いじょうとうだかひく記録きろくした[21]日本にっぽんおこなわれた読売よみうりジャイアンツおよ阪神はんしんタイガースシアトル・マリナーズおよオークランド・アスレチックスとの親善しんぜん試合しあいにおいて統一とういつだまったMLBの打者だしゃやMLBの使用しようだまったNPBの打者だしゃ複数ふくすうから「あきらかにメジャーだまほうぶ」との証言しょうげんまえ[22]、4がつ24にち選手せんしゅかい統一とういつだま検証けんしょうする要求ようきゅうした[20]。: また、もう1つの目的もくてきであった国際こくさい大会たいかいへの順応じゅんのうというめんでも、2013 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の使用しようだまとはまったことなるものであり目的もくてきたしたとはがた結果けっかわった[23]

2013ねん6がつ11にち、NPBは会見かいけん過去かこ反発はんぱつりょく検査けんさでボールの反発はんぱつ係数けいすう基準きじゅん以下いかになることがあったと発表はっぴょうした。2011ねん検査けんさではほぼ基準きじゅんないおさまっていたが、2012ねん検査けんさでは複数ふくすう球場きゅうじょうからあつめられたボールの反発はんぱつ係数けいすう平均へいきんが、NPBの基準きじゅんである平均へいきん反発はんぱつ係数けいすうの0.4134 - 0.4374を大幅おおはば下回したまわる0.408を記録きろくすることもあったという[24]。しかし、実際じっさいには2011ねん検査けんさ4かい、2012ねん検査けんさ3かいすべてで平均へいきん規定きてい下回したまわっており、2010ねん以前いぜんにも規定きてい下回したまわるボールが使用しようされていたこと判明はんめいした[25]。また、距離きょり低下ていか仕様しようじょう1メートル程度ていどであったが、専門せんもん機関きかん調査ちょうさでは3メートルみじかくなるという実験じっけん結果けっか[24]。それにともない、2013年度ねんどより下限かげん下回したまわらないよう2012ねんなつにミズノしゃ要請ようせいしたことあきらかになった。元々もともと選手せんしゅあいだでは2013ねんになってボールがびやすくなったのではないかとうわさされており、アンケートでは73パーセントの選手せんしゅが「今年ことし(2013ねん)のボールはぶ」と回答かいとうしていた[26]。1試合しあいあたりの平均へいきん本塁打ほんるいだも2011ねん、2012ねんよりも増加ぞうかしていた[27][28]実際じっさいに2012ねんのボールと2013ねんのボールをって調しらべてみたところ、たま中心ちゅうしんにあるコルクざい感触かんしょくが2013ねんになってかたくなっているという調査ちょうさ結果けっかもあった[29]

NPBがわはミズノしゃがわに「ボール仕様しよう調整ちょうせい公表こうひょうしないでほしい」と要請ようせいするなど、この事実じじつ隠蔽いんぺい、また選手せんしゅかいには「仕様しようわっていない」と虚偽きょぎ説明せつめいをしていたが、6月11にち記者きしゃ会見かいけん変更へんこうしたことをみとめた[24][30]

統一とういつだま変更へんこうによってしょうじた本塁打ほんるいだ記録きろく以下いかしる[31]

加藤かとう良三りょうぞうコミッショナーは混乱こんらんまねいたことについて謝罪しゃざいする一方いっぽうで、加藤かとう了承りょうしょううえ変更へんこうおこなわれたという下田しもだ事務じむ局長きょくちょう主張しゅちょうについて「昨日きのうまでまったりませんでした。」と否定ひていし、責任せきにん追及ついきゅうする記者きしゃたいしては「不祥事ふしょうじこしたとはおもっていません」とこたえた[32][33]。しかし、実際じっさいには統一とういつだま検査けんさ報告ほうこく随時ずいじけていたことが取材しゅざい発覚はっかくしており[34]、これにより加藤かとうコミッショナーが辞任じにんまれる事態じたいにまで発展はってんした。

2014ねん以降いこう
[編集へんしゅう]

2014ねん1がつ20日はつか、NPBは統一とういつだま反発はんぱつ係数けいすう基準きじゅん従来じゅうらいの「0.4134 - 0.4374」から「0.4034 - 0.4234」に変更へんこうした[4]。2014ねんシーズンが開幕かいまくすると、NPBによる検査けんさ平均へいきん基準きじゅん「0.4034 - 0.4234」を上回うわまわった「0.426」であることがあきらかになり、ボールメーカーであるミズノしゃによってボールの回収かいしゅう在庫ざいこひん選別せんべつ今後こんご製造せいぞう工程こうていにおける対策たいさく発表はっぴょうされた[35]。その結果けっか基準きじゅんもとづく検査けんさ許容きょよう範囲はんいせまく「違反いはん」になるたまおおすぎるというプロ野球やきゅう選手せんしゅかい抗議こうぎもあり、2015ねんに「0.4134を目標もくひょうとする」と改正かいせい上下じょうげげん撤廃てっぱいされると同時どうじに、従来じゅうらい納品のうひんおこなわれていた抜取ぬきと検査けんさを、納品のうひんぜん検査けんさえた[36]

その加工かこう

[編集へんしゅう]
シリアルナンバーづけのボール
MLBでは、とく注目ちゅうもくたか打撃だげき記録きろく更新こうしんせまってきたさいに、リーグ機構きこう特別とくべつシリアルナンバーホログラムシールのついた試合しあいだま用意よういする。これは記録きろく達成たっせい使用しようされたボールを特定とくていするしるしをつけることで、オークションとう偽物にせもの出回でまわることを防止ぼうしするための処置しょちである。これまでシリアルナンバーづけのボールが使用しようされたれいとしては、バリー・ボンズ通算つうさん本塁打ほんるいだ記録きろく達成たっせいアレックス・ロドリゲス最年少さいねんしょう500本塁打ほんるいだ達成たっせい(いずれも2007ねん)、イチローのシーズン最多さいた安打あんだ記録きろく達成たっせい(2004ねん)などがある。

じゅん硬式こうしきだま

[編集へんしゅう]

じゅん硬式こうしき野球やきゅう利用りようされるボールでじゅん硬球こうきゅう(じゅんこうきゅう)ともばれる。しんつくりは硬式こうしきだまおなじだが、表面ひょうめん牛革ぎゅうかわではくゴムをもちいてつくられるボール。製法せいほうめんかたさのめん硬式こうしきだま軟式なんしきだま中間ちゅうかん位置いちする。

軟式なんしきだま

[編集へんしゅう]

軟式なんしき野球やきゅう使用しようされるボールで軟球なんきゅう(なんきゅう)ともばれる。公認こうにん野球やきゅう規則きそくしょによれば素材そざい直径ちょっけい重量じゅうりょう反発はんぱつとうちがいでmごうだま(中学生ちゅうがくせい以上いじょう)とJごうだま(小学生しょうがくせい)に大別たいべつされる。ボールにはハートのマークが刻印こくいんされている。下記かきひょう反発はんぱつは150cmのたかさから大理石だいりせきいたとして、かえったたかさを測定そくていしたもの[37][38][39]

ごう 直径ちょっけい 重量じゅうりょう 反発はんぱつ
Mごう 71.5-72.5mm 136.2-139.8g 70.0-90.0 cm
Jごう 68.5-69.5mm 128.2-131.8g 60.0-80.0 cm

ゴムせいでありながら、硬式こうしきだまちか特性とくせいつボール。軟式なんしき野球やきゅうから硬式こうしき野球やきゅうへの移行いこうをスムーズにする目的もくてき2000ねん開発かいはつされた。2015ねんから2017ねんあいだはKWBボールとばれていた。

投球とうきゅう判定はんていとしてのボール

[編集へんしゅう]

投球とうきゅう判定はんていとしてのボールは、投手とうしゅ投球とうきゅうストライクゾーン通過つうかしなかった場合ばあいなどにあたえられる判定はんてい[40]。この投球とうきゅうそのものについてボールだま(ボールだま)ともう。

打者だしゃは4つのボールを宣告せんこくされると、アウトにされるおそれなく、安全あんぜん一塁いちるいすすむことがゆるされる(四球しきゅうによる出塁しゅつるい)。

1872ねんに「アンフェアボール (unfair balls)」としてルールにくわえられた[41]。unfair balls(不正ふせいだま)とは、「つ」スポーツであるベースボールにおいて、「てない」(不正ふせいな)投球とうきゅうという意味合いみあいである。その、「アンフェア」という部分ぶぶん省略しょうりゃくされた。

ボールが宣告せんこくされる条件じょうけん

[編集へんしゅう]

前提ぜんてい条件じょうけんは、打者だしゃがその投球とうきゅうたい打撃だげき動作どうさつ、空振からぶする)をこさないこと。

  • 投球とうきゅうストライクゾーン通過つうかしなかった場合ばあい
  • 投球とうきゅう地面じめんれた場合ばあい。こののちストライクゾーンを通過つうかしてもストライクにはならない。
  • 投球とうきゅう打者だしゃれたが、打者だしゃけようとしなかった場合ばあい死球しきゅうにはならない。ただし、3ボールだった場合ばあいかぎ死球しきゅうとなる)。

このほか、つぎ場合ばあいもボールが宣告せんこくされる。

  • 走者そうしゃのとき、投手とうしゅ反則はんそく投球とうきゅうおかした場合ばあい。ボークは記録きろくされない。
  • 走者そうしゃのとき、投手とうしゅがボールを所持しょじし、打者だしゃ打撃だげき姿勢しせいをとって投手とうしゅ対面たいめんしたときからかぞえて12びょう以内いない日本にっぽんでは2006年度ねんどまで20びょう以内いない)に投球とうきゅうしなかった場合ばあいからボールがはなれた時点じてんで「投球とうきゅうした」と判断はんだんされる)。

ボールの宣告せんこく

[編集へんしゅう]

球審きゅうしんがボールを宣告せんこくするさいは、投球とうきゅう判定はんていのためにこしとした体制たいせいのままかおうごかさずに「ボール」と発声はっせいする。くびったり、片手かたてしたったり、投球とうきゅうから姿勢しせいしめしたり、発声はっせい判定はんていおこなってはならない。とく片手かたてうごかすことはストライク誤認ごにんされる場合ばあいもあるため、おこなわないほういとされる。

呼称こしょう

[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく

[編集へんしゅう]
  1. ^ MLBでは1974ねんまではうまかわせいだった[2]
  2. ^ かつてはライヴリー・ボールとっていた[17]
  3. ^ 明治めいじ神宮じんぐう野球やきゅうじょう阪神はんしん甲子園こうしえん球場きゅうじょうで7ほんずつ、横浜よこはまスタジアムで3ほんMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島ひろしまナゴヤドームで2ほんずつ、東京とうきょうドームで1ほん

出典しゅってん

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b c d 「2011ねんのボール統一とういつ検討けんとう開始かいし」『週刊しゅうかんベースボール』2010ねん2がつ8にちごうスボすぼル・マガジン社るまがじんしゃ、102-103ぺーじ 
  2. ^ a b c 福良ふくら良一りょういち「メジャー硬式こうしきだま変遷へんせん」『週刊しゅうかんベースボール』2010ねん2がつ8にちごうスボすぼル・マガジン社るまがじんしゃ、103ぺーじ 
  3. ^ a b c 世界中せかいじゅうおなじ・・・プロ野球やきゅうのボール”. たま太郎たろう野球やきゅう雑学ざつがくページ. 日本にっぽん野球やきゅう機構きこう. 2006ねん5がつ9にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2017ねん7がつ21にち閲覧えつらん
  4. ^ a b 統一とういつだま反発はんぱつ係数けいすう基準きじゅん修正しゅうせい”. 朝日新聞あさひしんぶんデジタル (2014ねん1がつ20日はつか). 2014ねん1がつ27にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2014ねん8がつ6にち閲覧えつらん
  5. ^ 統一とういつ試合しあいだまオーセンティックボール 日本にっぽん野球やきゅう機構きこうプロ野球やきゅうグッズストア
  6. ^ ぶボールの歴史れきしおしえること
  7. ^ ぶボールが阪神はんしん公式こうしきだま甲子園こうしえん空中くうちゅうせん
  8. ^ 球界きゅうかいだいれ、統一とういつだま問題もんだい徹底てってい解説かいせつ”. エキサイトレビュー (2013ねん6がつ12にち). 2015ねん10がつ11にち閲覧えつらん
  9. ^ パ・リーグはあつかった 今井いまい雄太郎ゆうたろう新井あらい宏昌ひろあき対談たいだん 猛者もさたちの激闘げきとう
  10. ^ 門田かどた博光ひろみつ本塁打ほんるいだぞう持論じろん。「打撃だげき球場きゅうじょうサイズにわせたらあかん」
  11. ^ 【ドラフト】岡田おかださんドラフト秘話ひわじつ阪神はんしんくのが一番いちばん不安ふあんだった【岡田おかだ彰布あきのぶ】【高橋たかはし慶彦よしひこ】【プロ野球やきゅうOBにいにく】 - YouTube
  12. ^ 統一とういつボールどうころぶ プロ野球やきゅうぐん 来季らいきからミズノしゃせい
  13. ^ a b 来季らいきからプロ野球やきゅう12球団きゅうだん納品のうひんする統一とういつだま仕様しようについて』(PDF)(プレスリリース)ミズノ、2010ねん8がつ23にちhttp://media.mizuno.com/~/media/Files/com/newsrelease/jp/2010/100823.pdf?v=1e37866b-c64f-4a7f-a962-9d29d19e152e2017ねん7がつ21にち閲覧えつらん 
  14. ^ 統一とういつだま大量たいりょう生産せいさん誤差ごさ保管ほかんちゅう反発はんぱつりょく低下ていかも”. YOMIURI ONLINE. 読売新聞社よみうりしんぶんしゃ. (2013ねん6がつ18にち). オリジナルの2013ねん6がつ29にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://archive.is/20130629181453/http://www.yomiuri.co.jp/sports/npb/news/20130618-OYT1T00019.htm 2017ねん7がつ21にち閲覧えつらん 
  15. ^ a b 佐山さやま和夫かずお野球やきゅう英語えいごA to Z:佐山さやま和夫かずおかたるアメリカ野球やきゅう用語ようご三修社さんしゅうしゃ、24-25ぺーじISBN 978-4384051773 
  16. ^ CorpWatch(英文えいぶん”. Transnational Resource & Action Center. 2009ねん10がつ23にち閲覧えつらん
  17. ^ 大毎だいまい野球やきゅうだん へん野球やきゅう米国べいこく大阪おおさか毎日新聞社まいにちしんぶんしゃほか、1926ねん、67ぺーじ 
  18. ^ プロ野球やきゅうとボールをめぐ問題もんだい
  19. ^ 中日ちゅうにちしんばないボール」来季らいきから使用しよう. 大阪おおさか日刊にっかんスポーツしゃ なにわWEB. (2004ねん12月21にち). オリジナルの2004ねん12月30にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20041230063614/http://osaka.nikkansports.com/obb/p-ot-tp2-041221-0017.html 2010=02-01閲覧えつらん 
  20. ^ a b 統一とういつだま検証けんしょう要求ようきゅう=プロ野球やきゅう選手せんしゅかい[リンク]
  21. ^ a b 鷲田わしだやすし (2012ねん4がつ29にち). “MLBとの親善しんぜん試合しあいづいた、統一とういつだまがメジャーだまよりばないわけ”. Number Web. 文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう. p. 1. 2012ねん12月22にち閲覧えつらん
  22. ^ 鷲田わしだやすし (2012ねん4がつ29にち). “MLBとの親善しんぜん試合しあいづいた、統一とういつだまがメジャーだまよりばないわけ”. Number Web. 文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう. p. 2. 2012ねん12月22にち閲覧えつらん
  23. ^ ちからはいぎたさむらい打線だせん野球やきゅう敗因はいいんに=WBC準決勝じゅんけっしょう 日本にっぽんvs.プエルトリコ 佐野さの慈紀解説かいせつ”. スポーツナビコラム. ワイズ・スポーツ (2013ねん3がつ18にち). 2017ねん7がつ21にち閲覧えつらん
  24. ^ a b c “NPB白状はくじょう統一とういつだまこっそりえてた”. nikkansports.com. (2013ねん6がつ12にち). https://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp0-20130612-1141196.html 2013ねん6がつ12にち閲覧えつらん 
  25. ^ 反発はんぱつ係数けいすう検査けんさ結果けっか発表はっぴょう NPB”. 毎日まいにち.jp (毎日新聞社まいにちしんぶんしゃ). (2013ねん6がつ14にち). オリジナルの2013ねん6がつ15にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130615055046/http://mainichi.jp/sports/news/20130615k0000m050048000c.html 2013ねん6がつ14にち閲覧えつらん 
  26. ^ 週刊しゅうかんベースボール』2013ねん6がつ10にちごうスボすぼル・マガジン社るまがじんしゃ、23ぺーじ雑誌ざっし20442-6/10。 
  27. ^ “NPB:びやすい統一とういつだまにこっそり変更へんこう. 毎日まいにち.jp. (2013ねん6がつ11にち). オリジナルの2013ねん6がつ14にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130614032421/http://mainichi.jp/sports/news/20130612k0000m050091000c.html 2017ねん7がつ21にち閲覧えつらん 
  28. ^ 統一とういつだま問題もんだい:NPB事務じむきょく対応たいおうわれる”. 毎日まいにちjp (毎日新聞社まいにちしんぶんしゃ). (2013ねん6がつ12にち). オリジナルの2013ねん6がつ15にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130615164041/http://mainichi.jp/sports/news/20130612k0000e050192000c.html 2013ねん6がつ12にち閲覧えつらん 
  29. ^ 阿部あべあきらかにんでいる」ボール変更へんこう発覚はっかく選手せんしゅおどろきなし”. スポーツ報知ほうち. (2013ねん6がつ12にち). オリジナルの2013ねん6がつ12にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130612030456/http://hochi.yomiuri.co.jp/baseball/npb/news/20130611-OHT1T00168.htm 2013ねん6がつ12にち閲覧えつらん 
  30. ^ 衝撃しょうげき!!ぶボールに変更へんこうされていた”. デイリースポーツONLINE. (2013ねん6がつ12にち). オリジナルの2013ねん6がつ12にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130612102820/https://www.daily.co.jp/newsflash/baseball/2013/06/12/0006068783.shtml 2017ねん7がつ21にち閲覧えつらん 
  31. ^ “NPB、ぶボールみとめた!選手せんしゅかいげ”. サンケイスポーツ. (2013ねん6がつ12にち). オリジナルの2013ねん6がつ15にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130615221757/http://www.sanspo.com/baseball/news/20130612/npb13061205070002-n3.html 2017ねん7がつ21にち閲覧えつらん 
  32. ^ 加藤かとうコミッショナー「らなかった」”. nikkansports.com. (2013ねん6がつ13にち). https://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp0-20130613-1141707.html 2017ねん7がつ21にち閲覧えつらん 
  33. ^ “「不祥事ふしょうじではない」/いちもんいちとう. nikkansports.com. (2013ねん6がつ13にち). https://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp0-20130613-1141771.html 2017ねん7がつ21にち閲覧えつらん 
  34. ^ 統一とういつだま検査けんさ随時ずいじ報告ほうこくけていた 加藤かとうコミッショナー”. 朝日新聞あさひしんぶんデジタル. (2013ねん6がつ14にち). オリジナルの2013ねん6がつ15にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130615024144/http://www.asahi.com/sports/update/0614/TKY201306140380.html 2017ねん7がつ21にち閲覧えつらん 
  35. ^ 今季こんき昨季さくきよりもぶ 統一とういつだま反発はんぱつ係数けいすう基準きじゅん値上ねあげまわ”. MSN産経さんけいニュース (2014ねん4がつ10日とおか). 2014ねん4がつ10日とおか時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2014ねん8がつ6にち閲覧えつらん
  36. ^ “NPBが規定きてい改正かいせい反発はんぱつ係数けいすう基準きじゅん上下じょうげげん撤廃てっぱい. sanspo.com. (2015ねん2がつ3にち). オリジナルの2015ねん4がつ2にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150402091846/http://www.sanspo.com/baseball/news/20150203/npb15020317370001-n1.html 2015ねん3がつ4にち閲覧えつらん 
  37. ^ 軟式なんしきボールの規格きかく変更へんこう=バウンドおさえ、距離きょり維持いじ野球やきゅう. 時事じじドットコムニュース. (2016ねん12月1にち). オリジナルの2016ねん12月2にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20161202113247/http://www.jiji.com/jc/article?k=2016120100906&g=spo 2017ねん7がつ21にち閲覧えつらん 
  38. ^ 野球やきゅう軟式なんしきボール、硬式こうしきちか感覚かんかくに 12ねんぶりしん公認こうにん. 朝日新聞あさひしんぶんデジタル (朝日新聞社あさひしんぶんしゃ). (2016ねん12月1にち). http://www.asahi.com/articles/ASJD14V5FJD1UTQP00S.html 2017ねん7がつ21にち閲覧えつらん 
  39. ^ ハートのしんたま 5つの秘密ひみつ”. 2019ねん8がつ2にち閲覧えつらん
  40. ^ 2009公認こうにん野球やきゅう規則きそく2.04
  41. ^ Evolution of 19th Century Baseball Rules (Continued)”. 19th Century Baseball. 2010ねん2がつ1にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]