骨ほね壺つぼ

正面しょうめんから見みた骨ほね壺つぼ

骨ほね壺つぼを開あけたところ

様々さまざまな骨ほね壺つぼ

骨ほね壺つぼ（こつつぼ、英えい: Cinerary urn）は、人ひとおよび動物どうぶつの遺骨いこつを収おさめるための容器ようきである。

歴史れきし

古代こだいにおいては蔵ぞう骨こつ器き（または骨ほね蔵ぞう器き）とよばれ、土師器はじきや須恵すえ器きの甕う（かめ）を転用てんようしたものが多おおかったが、金属きんぞく製せいのものや石いしをくりぬいたものなど、多様たよう性せいに富とんでいた。蓋ぶたや本体ほんたいに銘文めいぶんが陰刻いんこくされることも多おおく、きわめて貴重きちょうな金石かねいし文あや史料しりょうである。中世ちゅうせいにおいても、常滑とこなめ焼しょう、瀬戸焼せとやき、信楽焼しがらきやきなどの大衆たいしゅう的てきな陶器とうきが用もちいられ、五輪ごりん塔とうなどの石造せきぞう物ぶつの下もとややぐら内うちに埋納まいのうされた。

素材そざい・意匠いしょう

日本にっぽん

現代げんだいでも陶磁器とうじき使用しようがメインである。最近さいきんではデザインも多彩たさいとなり、中なかには終おわり活かつの一環いっかんで自みずから絵付えつけしたものを生前せいぜんに選定せんていしておくことも行おこなわれるようになった。またペットにも骨ほね壺つぼが使用しようされるようになった。

アメリカ

アメリカで流通りゅうつうしている骨壷こつつぼは、陶器とうき製せいはもちろんのこと金属きんぞく製せいやガラス製せいも存在そんざいし、意匠いしょうが凝こらされたものもある。土葬どそうが主流しゅりゅうのため、一般いっぱん的てきとは言いえないが、斎場さいじょうだけでなくコストコなどのショッピングセンターで販売はんばいされていることもある。

形態けいたい・使用しよう方法ほうほう

骨ほね壺つぼの形状けいじょうは古代こだい以来いらいおおむね円形えんけいである。通常つうじょう骨こつを納おさめた骨ほね壺つぼをそのまま使用しようすることはない。白木しらきの骨ほね箱ばこに納おさめ、色いろや柄えの付ついた骨ほね覆くつがえを上うえから被かぶせる。布ぬの張ばりの骨ほね箱ばこを使用しようする場合ばあいは骨ほね覆くつがえを用もちいない。一部いちぶ地域ちいきでは焼しょう骨ほねを骨ほね壺つぼではなく直接ちょくせつ骨ほね箱ばこに納おさめる。また箱はこでなく骨ほね袋ぶくろとよばれる小ちいさい布製ぬのせいの袋ふくろであることもある（おもに分骨ぶんこつ用よう）。近代きんだいの戦死せんし者しゃのように白木しらきの箱はこのみであることもあった。

葬儀そうぎ後ごは骨ほね壺つぼごと墓石はかいしの下したのカロウト（唐櫃からびつ）に埋葬まいそう（埋骨まいこつ）するか、骨ほね壺つぼより取とり出だして骨ほねを埋うめる。骨ほね壺つぼは腐食ふしょくせずに半永久はんえいきゅうの使用しようが可能かのうなので、寺院じいんの納骨のうこつ堂どうや納骨のうこつ室しつに安置あんちされることもある。

地域ちいき性せい

西日本にしにほんでは部分ぶぶん収おさむ骨こつのため、骨ほね壺つぼは小ちいさいが（拾ひろい切きれなかった骨ほねは、霊園れいえんの共同きょうどう墓地ぼちに埋葬まいそうされたり、細こまかく砕くだかれゴルフ場じょうの芝生しばふや花卉かき栽培さいばい農家のうかの肥料ひりょうになったりする）、東日本ひがしにっぽんでは骨ほねをすべて収納しゅうのうするため大型おおがたである。なお、琉球りゅうきゅうでは厨子ずし甕うとよばれる石いし製せい、陶器とうき製せいのものが骨ほね壺つぼであった。それ自体じたいが礼拝れいはいの対象たいしょうに堪こたえうる外見がいけんをなしている。

関連かんれん項目こうもく

• 火葬かそう・火葬かそう場じょう
• 遺骨いこつ
• 墓はか
• 納骨のうこつ堂どう
• 聖せい骨ほね箱ばこ - 宗教しゅうきょう的てきに展示てんじされる骨ほね箱ばこ
• 家いえ形がた骨こつ壺つぼ文化ぶんか
  • 家いえ形がた骨こつ壺つぼ - ヨーロッパの石器せっき時代じだいに使つかわれた骨ほね壺つぼで、家いえを模倣もほうした土器どき・石器せっきであるため、当時とうじの家いえを考察こうさつする資料しりょうともなる。