HSPA

HSPA (High Speed Packet Access) は、W-CDMAを拡張かくちょうした高速こうそくパケット通信つうしん規格きかくである。第だい3世代せだい移動いどう通信つうしんシステム (3G) に対たいして、第だい3.5世代せだい移動いどう通信つうしんシステム (3.5G) と位置いちづけられている。

下くだりの高速こうそく化かをHSDPA (High-Speed Downlink Packet Access)、上のぼりの高速こうそく化かはHSUPA (High-Speed Uplink Packet Access) または EUL と呼よぶ。また、3GPP (Third Generation Partnership Project) Release 7にて、HSPA Evolution としてさらなる高度こうど化かが行おこなわれた。

TD-CDMAにおけるHSDPAについては「TD-CDMA」を参照さんしょう

HSDPA

詳細しょうさいは「High-Speed Downlink Packet Access」を参照さんしょう

HSDPAは、3GPP Release 5にて規定きていされている。物理ぶつりチャネル速度そくどとしてセル当あたり下くだり方向ほうこう最大さいだい14.4Mbpsのパケット通信つうしんが可能かのうである。

3GPP FDDのRelease '99規格きかくに対たいして、物理ぶつりレイヤでは以下いかのチャネルが追加ついかされた。

• 下くだり方向ほうこう
  • HS-PDSCH (High Speed Pysical Downlink Shared Channel)
  • HS-SCCH (Shared Control Channel)
• 上のぼり方向ほうこう
  • HS-DPCCH (Dedicated Physical Control Channel(uplink) for HS-DSCH）

また、MACレイヤでは以下いかの機能きのうを有ゆうするMAC-hsが物理ぶつりレイヤと隣接りんせつする形かたちで新設しんせつされた。

• 基地きち局きょく側がわ
  • フロー制御せいぎょ - 上位じょういレイヤに対たいして、無線むせん側がわの通信つうしん速度そくどに応おうじた適切てきせつなデータ送出そうしゅつ速度そくどを指示しじする機能きのう。ただし、3GPP上じょうでは本ほん機能きのうを実現じつげんするアルゴリズムは規定きていされず、実装じっそう依存いぞんとなっている。
  • スケジューリングおよび優先ゆうせん制御せいぎょ - 上位じょういノードから通知つうちされた優先ゆうせん度ど情報じょうほうを考慮こうりょしつつ、システム全体ぜんたいの総合そうごう的てきな通信つうしん効率こうりつを向上こうじょうさせることを目的もくてきとして、端末たんまつにタイムスロットを配分はいぶんする機能きのう。ただし、3GPPにおいては本ほん機能きのうを実現じつげんするアルゴリズムは規定きていされず、実装じっそう依存いぞんとなっている。
  • パケット合成ごうせい型がたHARQ - Hybrid Automatic Repeat Requestの略りゃく。受信じゅしん側がわで復号ふくごう失敗しっぱいデータが破棄はきされずに再送さいそうデータと組くみ合あわせて復号ふくごうされることを考慮こうりょした上うえで、再送さいそうパターンを決定けっていする。複数ふくすうのHARQプロセスが独立どくりつに動作どうさする。
  • TFRIの選択せんたく - TFRI (Transport Format Resource Index) はタイムスロットに割わりあてたコード数すう、変調へんちょう方式ほうしき、データサイズを表あらわしており、HS-SCCHを用もちいて端末たんまつに送信そうしんされる。端末たんまつから送信そうしんされた品質ひんしつ情報じょうほうを用もちいて適切てきせつなTFRIを選択せんたくすることで適応てきおう変調へんちょう・符号ふごう化か (AMC: Adaptive Modulation and Coding）を実現じつげんする。ただし、3GPP上じょうでは本ほん機能きのうを実現じつげんするアルゴリズムは規定きていされず、実装じっそう依存いぞんとなっている。
• 端末たんまつ側がわ
  • パケット合成ごうせい型がたHARQ - 受信じゅしん失敗しっぱいデータを廃棄はいきせずに再送さいそうデータと組くみ合あわせて復号ふくごうを行おこなう。複数ふくすうのHARQプロセスが独立どくりつに動作どうさする。復号ふくごう成功せいこう時じにはACK、復号ふくごう失敗しっぱい時じにはNACKをHS-DPCCH上じょうで伝送でんそうする。
  • 順序じゅんじょ制御せいぎょ - 送信そうしん側がわのHARQがプロセスごとに独立どくりつに動作どうさするため、初回しょかい送信そうしん時じの時とき系列けいれつ順じゅんに受信じゅしん成功せいこうするとは限かぎらない。本ほん機能きのうでは、初回しょかい送信そうしん時じの順序じゅんじょ性せいを保持ほじした上うえでデータを上位じょういレイヤへ受うけ渡わたす。復号ふくごう失敗しっぱいの確認かくにん応答おうとうが基地きち局きょく側がわで復号ふくごう成功せいこうと誤判ごはん定じょうしてしまうなどの理由りゆうで、あるHARQプロセスについてデッドロックが発生はっせいすることがある。本ほん機能きのうではこのようなデッドロックを回避かいひするために、受信じゅしんされるべきデータの待まち時間じかん（Timer T1）が設定せっていされている。待まち時間じかんが満了まんりょうすると、端末たんまつで受信じゅしんされたデータは強制きょうせい的てきに上位じょういレイヤに受うけ渡わたしされる。

以上いじょうのように、HSDPAでは基地きち局きょくと端末たんまつにMAC-hsを追加ついかすることで機能きのうを実現じつげんしているが、逆ぎゃくに言いえば、その他たのレイヤには大おおきな変更へんこうが加くわえられていない。この点てんから、既すでにR99通信つうしん網もうを整備せいびしている事業じぎょう者しゃにとっては設備せつびの大幅おおはばな入いれ替かえ無なしにHSDPAが導入どうにゅう可能かのうであると言いえる。

HSDPAの要素ようそ技術ぎじゅつ（基地きち局きょくスケジューラ、HARQ, AMC等とう）は、auなどが既すでに商用しょうよう展開てんかいしているEV-DOと本質ほんしつ的てきには同一どういつである。しかし、EV-DOでは占有せんゆう帯域たいいきが1.25MHz (Rel. 0、Rev. Aの場合ばあい。Rev. Bでは20MHzにまで拡大かくだい予定よてい) であるのに対たいし、HSDPAでは5MHzと広帯域こうたいいきであるため、HSDPAシステムのみで帯域たいいきを占有せんゆうしてしまうことは好このましくない。よって、HSDPAではEV-DOと異ことなり、端末たんまつからは受信じゅしん品質ひんしつに対応たいおうしたインデックスであるCQI（Channel Quality Indicator）をHS-DPCCH上じょうで送信そうしんするのみに止とまり、実際じっさいにタイムスロット単位たんいで送信そうしんされるデータサイズは、送信そうしん時じに使用しよう可能かのうな基地きち局きょく送信そうしんリソースに基もとづいて基地きち局きょくで決定けっていする方式ほうしきが採用さいようされた。これにより、音声おんせいユーザやR99パケットユーザが存在そんざいすることで基地きち局きょく送信そうしんリソースが変動へんどうしたとしても、問題もんだいなく通信つうしんを行おこなうことが可能かのうとなっている。対たいしてEV-DOでは、ある帯域たいいきをEV-DOのみで占有せんゆう可能かのうなため基地きち局きょく送信そうしんリソースが変動へんどうせず、端末たんまつ側がわにおいて、所要しょようの誤あやまり率りつで受信じゅしん可能かのうなデータレートと受信じゅしん品質ひんしつが常つねに対応たいおうすることになる。このため、端末たんまつから所望しょもうのデータレートを直接的ちょくせつてきに基地きち局きょくに通知つうちすることでAMCを実現じつげんしている。

端末たんまつカテゴリ

HSDPAでは受信じゅしん能力のうりょくのカテゴリ分わけを行おこなうことで、目的もくてきにあわせた端末たんまつの製造せいぞうを可能かのうとしている。

HSDPAにおける初回しょかい送信そうしんデータの符号ふごう化か手順てじゅんでは、まず符号ふごう化か前まえのデータビットを仮想かそう的てきなIRバッファサイズに合あわせて符号ふごう化かした (First Rate Matching)。 後のちに、再度さいど、物理ぶつりチャネルのサイズに応おうじたビット系列けいれつの間あいだ引びき（puncturing）を実施じっしする (Second Rate Matching) 。このような2段階だんかいの符号ふごう化か（正確せいかくにはRate Matching）を行おこなうことで、再送さいそうデータの符号ふごう化か率りつを柔軟じゅうなんに設定せっていすることが可能かのうとなっている。その反面はんめん、受信じゅしん能力のうりょく的てきに上位じょういカテゴリに属ぞくする端末たんまつだとしても初回しょかいの符号ふごう化か率りつが異ことなるため、必かならずしも下位かい互換ごかん性せいを有ゆうしないことになる。

HSDPAのタイムスロットは2msであるため、下表かひょうのタイムスロット当あたりに受信じゅしん可能かのうなビット数すうの最大さいだい値ちを連続れんぞく受信じゅしん可能かのうなタイムスロット間隔かんかくの最小さいしょう値ちで除算じょざんし、更さらに、2000で除算じょざんすると通信つうしん速度そくどの最大さいだい値ち（Mbps）が得えられる。ただし、本ほん通信つうしん速度そくどは上記じょうきで述のべたMAC-hsレイヤでの通信つうしん速度そくどであり、実際じっさいにユーザ側がわで体感たいかん可能かのうな通信つうしん速度そくどとは異ことなることに注意ちゅういすべきである。例たとえば、3GPPで規定きていされたCommon test environments for User Equipment (UE) conformance testingの6.10.2.4.5.1.2.1.1.1節せつに記載きさいされたパラメータを参照さんしょうすると、NTTドコモにおいて2006年ねんにサービスが開始かいしされたカテゴリ6の最さい高速度こうそくどは3.65Mbpsとなる。

受信じゅしん能力のうりょくのカテゴリ

カテゴリ	同時どうじ受信じゅしん可能かのうな コード数すうの最大さいだい値ち	連続れんぞく受信じゅしん可能かのうな タイムスロット間隔かんかくの最小さいしょう値ち	変調へんちょう方式ほうしき	タイムスロット当あたりに受信じゅしん可能かのうな ビット数すうの最大さいだい値ち (bit)	IRバッファサイズ(kbit)	通信つうしん速度そくど(Mbps)
1	5	3	QPSK/16QAM	7298	19.2	1.22
2	5	3	QPSK/16QAM	7298	28.8	1.22
3	5	2	QPSK/16QAM	7298	28.8	1.82
4	5	2	QPSK/16QAM	7298	38.4	1.82
5	5	1	QPSK/16QAM	7298	57.6	3.65
6	5	1	QPSK/16QAM	7298	67.2	3.65
7	10	1	QPSK/16QAM	14411	115.2	7.21
8	10	1	QPSK/16QAM	14411	134.4	7.21
9	15	1	QPSK/16QAM	20251	172.8	10.13
10	15	1	QPSK/16QAM	27952	172.8	13.98
11	5	2	QPSK	3630	14.4	0.91
12	5	1	QPSK	3630	28.8	1.82

HSUPA

詳細しょうさいは「High-Speed Uplink Packet Access」を参照さんしょう

HSUPA (High Speed Uplink Packet Access) は、3GPP Release 6で2006年ねんに規定きていされた上のぼり方向ほうこうの高速こうそく化かを行おこなうパケット通信つうしん規格きかくである。3GPPではHSDPAとの混乱こんらんを避さけるため、EUL (Enhanced UpLink) と呼よばれており、新規しんきに追加ついかされた物理ぶつりチャネルやMACについてもE-DPDCHやMAC-eといったように"e"が修辞しゅうじ語ごとして用もちいられている。端末たんまつあたり最高さいこう速度そくどが0.7～5.7Mbpsに向上こうじょうするが、最高さいこう速度そくどに幅はばがあるのはHSDPAと同様どうように送信そうしん能力のうりょくに応おうじて端はし末まつがカテゴリ分わけされているためである。HSDPAとは異ことなり、カテゴリ毎ごとに使用しよう可能かのうなタイムスロット長ちょうが異ことなる。奇数きすうカテゴリはタイムスロット長ちょうとして10msのみ使用しよう可能かのうであり、偶数ぐうすうカテゴリでは10msの他ほかに2msも使用しよう可能かのうである。最高さいこう速度そくど5.7Mbpsは、カテゴリ6をタイムスロット長ちょう2msで運用うんようした場合ばあいにのみ達成たっせいされる。タイムスロット長ちょう10msの最さい高速度こうそくどは2Mbpsであり、カテゴリ4～6でサポートされている。

また、HSDPAのような2段階だんかいの符号ふごう化かを行おこなっていないため、タイムスロット長ちょうを除のぞけば上位じょういカテゴリが下位かいカテゴリを包含ほうがんすることになる。

カテゴリ	最大さいだい送信そうしん速度そくど
1	0.73 Mbit/s
2	1.46 Mbit/s
3	1.46 Mbit/s
4	2.93 Mbit/s
5	2.00 Mbit/s
6	5.742 Mbit/s
7 (3GPP Rel7)	11.5 Mbit/s

• 外部がいぶリンク FDD enhanced uplink; Overall description; Stage 2

HSPA Evolution / HSPA+

HSPA Evolutionは、HSPAを高速こうそく化かしたもの。HSPA+、Enhanced HSPA（eHSPA）、Evolved HSPAとも呼よばれる。下くだり最大さいだい21Mbps、上のぼり最大さいだい11.5Mbpsを実現じつげんする。

日本にっぽんでは、2009年ねん7月がつ24日にちより、イーアクセス(当時とうじ)が、下くだり最大さいだい21Mbps・上のぼり最大さいだい5.8Mbpsによる、HSPA+サービスを提供ていきょう開始かいししている。2010年ねん9月現在げんざい、対応たいおう端末たんまつは、データ端はし末まつ(D31HW・D32HW等ひとし)のみで、音声おんせい端末たんまつでのデータ通信つうしんでは提供ていきょうされていなかった(後のちに、音声おんせい端末たんまつとして、GS03が投入とうにゅうされた)。

音声おんせい端末たんまつでは、2011年ねん冬ふゆモデルより、ソフトバンクモバイル(当時とうじ)がULTRA PHONEとして、スマートフォン4機種きしゅを投入とうにゅうし参入さんにゅうしている（ドコモのXiあるいはKDDIの+WiMAXによるデュアル端末たんまつに対抗たいこうしたもの）。

また、2012年ねん7月がつ25日にちから、ソフトバンクモバイルは(当時とうじ)、900MHz帯たいのプラチナバンド5MHz×2を使つかってHSPA+を始はじめた。同どう時期じきに既存きそんの2GHz帯たいW-CDMA局きょくの一部いちぶをHSPA+対応たいおうに更新こうしん中ちゅうでもある。

3.5Gに相当そうとうする HSPA+ などもマーケティング的てきに「4G」と呼称こしょうされることがある。そのため ITU は市場いちばの混乱こんらんを避さけることを名目めいもくに2010年ねん12月6日にちに LTE や WiMAX 、さらには HSPA+ などの3Gを発展はってんさせた規格きかくも「4Gと呼称こしょうしてよい」とする声明せいめいを発表はっぴょうした。

DC-HSDPA

DC-HSDPA (Dual Cell High Speed Downlink Packet Access) とは、複数ふくすうの周波数しゅうはすう帯たい（日本にっぽんでは、主おもに5MHz幅はば×2）の利用りようにより、2倍ばい以上いじょうの速度そくどを実現じつげんする高速こうそく化か規格きかくの一ひとつ。下くだり最大さいだい42Mbps。

2010年ねん12月3日にちより、イー・モバイルが、周波数しゅうはすう帯域たいいきを5MHz×2幅ぶく（既存きそんの5MHz幅はばと新規しんき獲得かくとくの10MHz幅はばのうち5MHz幅はばによって実現じつげんとしている）を利用りようし、下くだり最大さいだい21Mbps（HSPA+）を2つ束たばねる形かたちでの最大さいだい42Mbps(誤あやまり訂正ていせい符号ふごうを除外じょがいすると35Mbps)のサービスを開始かいししている。サービスブランドは、EMOBILE G4。同どうブランドは、DC-HSDPA開始かいしと同時どうじに、HSPA+が包括ほうかつされた。対応たいおう端末たんまつは、サービス開始かいし時点じてんでD41HWのみとなっていたが、GP02とGD01が後のちに追加ついかされている。2011年ねん11月時点じてんで、音声おんせい端末たんまつでHSPA+以上いじょうの高速こうそく通信つうしんに対応たいおうした端末たんまつは無なかった(後のちにGS03がHSPA+対応たいおうで発売はつばい)。2012年ねん3月がつに予定よていされる、LTEサービス開始かいしに伴ともない、DC-HSDPAに対応たいおうしていない基地きち局きょくの運用うんようについては、当初とうしょからの5MHz幅はば分ぶんをHSPA+用途ようととして、残のこり10MHz幅はば分ぶんをLTE用途ようとに運用うんようする方針ほうしんのため、当該とうがいエリアでのDC-HSDPAサービスは受うけられない可能かのう性せいがある。なお、すでにDC-HSDPA運用うんようを行おこなっている基地きち局きょくは、LTEは5MHz幅はば分ぶんのみ提供ていきょうを行おこなうため、下くだり最大さいだい37.5Mbpsサービスとなるとしている。ただし、2013年ねん8月がつ中旬ちゅうじゅん以降いこう、順次じゅんじ、DC-HSDPAのエリアを削減さくげんし、当該とうがいエリアをEMOBILE LTEの75Mbps対応たいおうエリアに転換てんかんする方針ほうしんを明あきらかにしており、その後ごは、HSPA+のエリアとしてのみ利用りよう可能かのうな状態じょうたいとなる。なお、2018年ねん3月がつ末まつを以もって、同どう帯域たいいきでの3Gネットワークが完全かんぜんに停とま波なみされた為ため、旧きゅうイー・アクセス契約けいやくの音声おんせい通話つうわ利用りよう者しゃは強制きょうせい解約かいやくとなった(旧きゅうイー・アクセス契約けいやくのデータサービスで、LTEが使用しようできないユーザーで、アップグレードを希望きぼうする利用りよう者しゃへ無償むしょうで607HWに交換こうかんされた)。

2011年ねん2月がつ25日にちより、ソフトバンクモバイル(現げん・ソフトバンクのSoftBankブランド)が開始かいししたサービスは、ULTRA SPEEDというブランドでなされ、2010年ねん4月がつに再さい獲得かくとくした1.5GHz帯たいの10MHz幅はばすべてを用もちいて実現じつげんされる。当初とうしょはデでータ通信たつうしん端末たんまつのみの提供ていきょうであったが、後のちにスマートフォンでも対応たいおう機種きしゅが出でた。また、MVNOとしてウィルコムのWILLCOM CORE 3Gへも法人ほうじん向むけおよび、条件じょうけんを満みたした個人こじん向むけに、HX008ZT等ひとしを提供ていきょうしている。しかし、2015年ねん11月3日にちに新規しんき受うけ付つけが終了しゅうりょうされ、2017年ねん3月31日にち午前ごぜん２時じで、1.5GHz帯たいでの3Gネットワークが停とま波なみした為ため、日本にっぽん国内こくないでのDC-HSDPAサービスは終了しゅうりょうした。

DC-HSPA

DC-HSPA (Dual Cell High Speed Packet Access) とは、複数ふくすうの基地きち局きょくや周波数しゅうはすう帯たいの帯域たいいき幅はばを広ひろく利用りようすることにより、上のぼり下くだりともにDC-HSDPA以上いじょうの速度そくどを実現じつげんする高速こうそく化か規格きかくの一ひとつ。現時点げんじてんでは、下くだり最大さいだい84Mbps・168Mbpsが規格きかく化かされている。

日本にっぽん国内こくないでの商用しょうようサービスの提供ていきょうは、DC-HSDPAの展開てんかい終了しゅうりょうやLTEサービスへの帯域たいいき使用しようなどの理由りゆうにより、事実じじつ上うえ不可ふかとなっている。

次世代じせだい通信つうしん技術ぎじゅつへの移行いこう

HSPAを標準ひょうじゅん技術ぎじゅつとする第だい3.5世代せだい移動いどう通信つうしんシステムとLTE（Long Term Evolution）を標準ひょうじゅん技術ぎじゅつとする第だい3.9世代せだい移動いどう通信つうしんシステムは第だい3世代せだい移動いどう通信つうしんシステムから第だい4世代せだい移動いどう通信つうしんシステムへの過渡かと的てきな技術ぎじゅつと位置いちづけられる。

日本にっぽんの状況じょうきょう

NTTドコモ

2006年ねん8月がつ31日にち、サービス名称めいしょう「FOMAハイスピード」でHSDPA規格きかくに対応たいおう。2008年ねん4月がつ1日にち、最大さいだい受信じゅしん通信つうしん速度そくど7.2Mbps(カテゴリ8)のHSDPA通信つうしんサービス開始かいし。2009年ねん1月がつ、人口じんこうカバー率りつ100%を達成たっせい。2009年ねん6月がつ、HSUPA規格きかくに対応たいおう。2011年ねん6月13日にちにHSDPAの14Mbpsサービスを開始かいしした。HSPA+、DC-HSDPAの展開てんかいについて言及げんきゅうはないが、代かわりにLTEサービスのXi(クロッシィ)を提供ていきょうしている。

ソフトバンクモバイル（旧きゅう・ボーダフォン日本にっぽん法人ほうじん）

2006年ねん10月1日にち、サービス名称めいしょう「3G ハイスピード」でHSDPA対応たいおう開始かいし。SoftBank 6-2停とま波なみ後ご再さい獲得かくとくした1.5GHz帯たいを用もちい、2011年ねん2月がつ25日にちより、ULTRA SPEEDのブランド名めいにてHSPA+、DC-HSDPAサービス開始かいしした。同どう周波数しゅうはすう帯たいを利用りようした音声おんせい端末たんまつは先行せんこうして2009年ねん冬ふゆ～2010年ねん春はるモデルよりハイスペックモデル一部いちぶで順次じゅんじ発表はっぴょうされているが、ULTRA SPEEDには対応たいおうせずHSPAまでであった。2011年ねん冬ふゆモデルでは1.5GHz帯たいのHSPA+に対応たいおうしたスマートフォンをULTRA PHONEとして用意よういされ、2012年ねん5月29日にちにはDC-HSDPAに対応たいおうする106SHと101Fの発売はつばいが発表はっぴょうされた。2012年ねん7月がつに900MHz帯たいでのHSPA+サービスが開始かいしされるがULTRA SPEEDとしては扱あつかわれず、3Gハイスピード(HSPA+対応たいおう)という扱あつかいになる。なお、2017年ねん3月31日にち午前ごぜん2時じをもって、1.5GHz帯たいにおける3Gネットワークが停とま波なみされ、DC-HSDPAのサービスは終了しゅうりょうとなり、以降いこうの3Gサービスは、2GHz帯たいと900MHz帯たいによる、HSPA+のサービスとなる。

イー・アクセス→ソフトバンクのY!mobile部門ぶもん

2007年ねん3月31日にち、サービス名称めいしょう「EMモバイルブロードバンド」でHSDPA規格きかくによるデでータ通信たつうしんサービス開始かいし。2007年ねん12月、日本にっぽんの携帯けいたい電話でんわ業界ぎょうかい初はつ最大さいだい受信じゅしん通信つうしん速度そくど7.2MbpsのHSDPAデでータ通信たつうしんサービス、2008年ねん11月20日にち、日本にっぽんの携帯けいたい電話でんわ業界ぎょうかい初はつ最大さいだい送信そうしん通信つうしん速度そくど1.4MbpsのHSUPA通信つうしんサービスを開始かいし。 2009年ねん4月がつ17日にち、東名とうめい阪ばんの主要しゅようターミナル駅えき、空港くうこう等とうで、最大さいだい送信そうしん通信つうしん速度そくど5.8Mbpsのサービスを開始かいし。2009年ねん7月がつ24日にち、HSPA+サービスを開始かいし。2010年ねん12月3日にちより、DC-HSDPAサービスであるEMOBILE G4を開始かいし（同時どうじに、EMOBILE G4ブランドにHSPA+方式ほうしきも包括ほうかつされた）。音声おんせい端末たんまつは2009年ねん末まつ時点じてんで、HSUPA対応たいおう端末たんまつはなかった（S22HTのみHSDPA7.2Mbps対応たいおう）が、2010年ねん2月がつ、HSUPA(MAX1.4Mbps)対応たいおう端末たんまつとしてH31IA発売はつばい。同年どうねん12月がつには同社どうしゃスマートフォンとしては初はつのHSUPA(MAX5.8Mbps)対応たいおう端末たんまつとして、S31HTを発売はつばい。2011年ねん12月1日にちには、スマートフォンとしては初はつとなるHSDPA最大さいだい14Mbps対応たいおうのGS02を発売はつばい。そして2012年ねん6月14日にちに初はつのHSPA+対応たいおうスマートフォンであるGS03を発売はつばいした。DC-HSDPA対応たいおうのスマートフォンについては、発売はつばいされないまま、DC-HSDPAに利用りようされている帯域たいいきの半分はんぶんを2013年ねん8月がつ中旬ちゅうじゅん以降いこう順次じゅんじLTEネットワークの帯域たいいきに転換てんかんするため、以降いこうはDC-HSDPAの利用りようはできなくなるため、初はつのLTEスマートフォンとなったGL07Sにも、UMTS系統けいとうでは、速度そくどがHSPA+までの対応たいおうにとどまっている。LTE非ひ対応たいおうのDC-HSDPAに対応たいおうするデータ端末たんまつについても、巻まき取とりを順次じゅんじ実施じっしする計画けいかくを予定よてい。さらに、2018年ねん1月がつ31日にちを以もって、3Gネットワークが停とま波なみされた為ため、イー・モバイル及およびイー・アクセス由来ゆらいの3Gネットワークが終了しゅうりょうされ、旧きゅうイー・アクセス契約けいやくの音声おんせい端末たんまつやLTE非ひ対応たいおうのデータ端末たんまつ及およびY!mobileブランドのタイプ2契約けいやくのスマートフォンは使用しよう不可ふかになった。

関連かんれん項目こうもく

• 無線むせんアクセス - 無線むせんデでータ通信たつうしんの比較ひかく
• CDMA2000 1x - CDMA2000の高速こうそくデでータ通信たつうしん拡張かくちょう
• Long Term Evolution