T-J境界 きょうかい (ティー・ジェイきょうかい、英 えい : Triassic-Jurassic boundary )とは地質 ちしつ 年代 ねんだい 区分 くぶん の用語 ようご で、約 やく 2億 おく 130万 まん 年 ねん 前 まえ (誤差 ごさ 20万 まん 年 ねん )の三 さん 畳 じょう 紀 き (トリアス紀 き )[ 1] とジュラ紀 じゅらき の境目 さかいめ に相当 そうとう する[ 2] 。古 こ 生物 せいぶつ 学 がく 上 うえ では顕 あらわ 生 せい 代 だい 四 よん 度目 どめ の大量 たいりょう 絶滅 ぜつめつ が発生 はっせい し、陸 りく と海 うみ の生物 せいぶつ に深 ふか く影響 えいきょう を及 およ ぼしたことが知 し られる[ 3] 。
海 うみ ではコノドント が絶滅 ぜつめつ し[ 4] 、陸上 りくじょう ではワニ形 がた 上目 うわめ (スフェノスクス亜 あ 目 め とCrocodyliformes )とアヴェメタターサリア (翼 つばさ 竜 りゅう と恐竜 きょうりゅう )を除 のぞ く全 すべ ての主 しゅ 竜 りゅう 類 るい 、生 い き残 のこ りの獣 しし 弓 ゆみ 類 るい 、数 すう 多 おお くの大型 おおがた 両生類 りょうせいるい が絶滅 ぜつめつ した。この時代 じだい における海洋 かいよう 生命 せいめい の消失 しょうしつ の統計 とうけい 的 てき 解析 かいせき によると、多様 たよう 性 せい の消失 しょうしつ は絶滅 ぜつめつ の増加 ぞうか よりも種 たね 分化 ぶんか の減少 げんしょう によるところが大 おお きいことが示唆 しさ されている[ 5] 。
中生代 ちゅうせいだい 三 さん 畳 じょう 紀 き (英 えい : T riassic )と中生代 ちゅうせいだい ジュラ紀 じゅらき (英 えい : J urassic )の境目 さかいめ であることから、T-J境界 きょうかい と呼 よ ばれている。スラッシュ で接続 せつぞく しT/J境界 きょうかい とすることもある[ 3] 。また、Tr-J境界 きょうかい とも呼 よ ばれる[ 6] [ 7] 。
三 さん 畳 じょう 紀 き 末 まつ の絶滅 ぜつめつ 事変 じへん で地上 ちじょう の生態 せいたい 的 てき 地位 ちい は空白 くうはく となり、ジュラ紀 じゅらき には恐竜 きょうりゅう が支配 しはい 的 てき な地位 ちい を占 し めるに至 いた った。この絶滅 ぜつめつ 事変 じへん はパンゲア大陸 たいりく が分裂 ぶんれつ を開始 かいし する直前 ちょくぜん に1万 まん 年 ねん 以内 いない という短期間 たんきかん で起 お こった。ドイツ のテュービンゲン の地域 ちいき では三 さん 畳 じょう 紀 おさむ - ジュラ紀 じゅらき のボーンベッド を確認 かくにん でき、これはT-J境界 きょうかい に特徴 とくちょう 的 てき である[ 8] 。
絶滅 ぜつめつ 事変 じへん により植物 しょくぶつ も影響 えいきょう を受 う けた。多様 たよう な monosaccate(嚢が1つ)と bisaccate(嚢が2つ)の花粉 かふん 群集 ぐんしゅう の約 やく 60%がT-J境界 きょうかい で姿 すがた を消 け しており、植物 しょくぶつ の属 ぞく にも大 だい 規模 きぼ な絶滅 ぜつめつ があったことが示唆 しさ されている。前期 ぜんき ジュラ紀 じゅらき の花粉 かふん 群集 ぐんしゅう は主 おも に Corollina 属 ぞく が占 し め、これは絶滅 ぜつめつ により空白 くうはく となった生態 せいたい 的 てき 地位 ちい というアドバンテージを得 え た新 あたら しい属 ぞく であった[ 9] 。
コノドントは三 さん 畳 じょう 紀 き の末 すえ に絶滅 ぜつめつ した主要 しゅよう な無 む 脊椎動物 せきついどうぶつ のグループであった
アンモナイト は実質 じっしつ 的 てき に三 さん 畳 じょう 紀 き 末 まつ の大量 たいりょう 絶滅 ぜつめつ に影響 えいきょう された。三 さん 畳 じょう 紀 き で最 もっと も卓越 たくえつ したグループのアンモナイトであるセラタイト目 め (英語 えいご 版 ばん ) はノーリアン で大 おお きく多様 たよう 性 せい が減少 げんしょう した後 のち にレーティアン の末 すえ で絶滅 ぜつめつ した。アンモナイト亜 あ 目 め やリトセラス亜 あ 目 め (英語 えいご 版 ばん ) およびフィロセラス亜 あ 目 め といったアンモナイトのグループは前期 ぜんき ジュラ紀 じゅらき から多様 たよう 化 か した。二枚貝 にまいがい は前期 ぜんき および中期 ちゅうき レーティアンで絶滅 ぜつめつ 率 りつ が高 たか い。プランクトン と腹 はら 足 あし 綱 つな の多様 たよう 性 せい はT-J境界 きょうかい ではほとんど影響 えいきょう を受 う けなかったものの、放散 ほうさん 虫 ちゅう が地域 ちいき 的 てき に絶滅 ぜつめつ した可能 かのう 性 せい がある。腕 うで 足 あし 動物 どうぶつ は三 さん 畳 じょう 紀 き に緩 ゆる やかに多様 たよう 性 せい が減少 げんしょう した後 のち 、前期 ぜんき ジュラ紀 じゅらき で多様 たよう 性 せい を取 と り戻 もど した。刺 とげ 胞動物 どうぶつ のコヌラリーダ (英語 えいご 版 ばん ) は三 さん 畳 じょう 紀 き の末 すえ に完全 かんぜん に絶滅 ぜつめつ したらしい。礁群集 ぐんしゅう が崩壊 ほうかい した証拠 しょうこ もあり、三 さん 畳 じょう 紀 き の末 すえ にテチス海 うみ からサンゴ が実質 じっしつ 的 てき に消滅 しょうめつ し、その数 かず は後期 こうき シネムーリアン まで回復 かいふく しなかった。コノドント は古生代 こせいだい と三 さん 畳 じょう 紀 き を通 とお して卓越 たくえつ した示 しめせ 準 じゅん 化石 かせき であったが、多様 たよう 性 せい が減少 げんしょう した後 のち にT-J境界 きょうかい で最終 さいしゅう 的 てき に絶滅 ぜつめつ を迎 むか えた[ 4] 。
三 さん 畳 じょう 紀 き の末 すえ に魚類 ぎょるい が大量 たいりょう 絶滅 ぜつめつ に苦 くる しむことはなかった。条 じょう 鰭 ひれ 綱 つな は中期 ちゅうき 三 さん 畳 じょう 紀 き に爆発 ばくはつ 的 てき に進化 しんか した後 のち 、後期 こうき 三 さん 畳 じょう 紀 き で一般 いっぱん に多様 たよう 性 せい が徐々 じょじょ に低下 ていか した。これは海水 かいすい 準 じゅん の低下 ていか あるいはカーニアン湿潤 しつじゅん 化 か イベント に起因 きいん する可能 かのう 性 せい もあるが、後期 こうき 三 さん 畳 じょう 紀 き よりも中期 ちゅうき 三 さん 畳 じょう 紀 き の魚類 ぎょるい の方 ほう が研究 けんきゅう が進 すす んでいるというサンプリングバイアスかもしれないと考 かんが えられている[ 10] 。多様 たよう 性 せい は見 み た目 め には低下 ていか したが、現生 げんなま 硬骨魚 こうこつぎょ 類 るい の大 だい 部分 ぶぶん を含 ふく む新 しん 鰭 ひれ 類 るい は原始 げんし 的 てき な条 じょう 鰭 ひれ 綱 つな よりも影響 えいきょう が小 ちい さく、現生 げんなま の魚 さかな が先 さき のグループに取 と って代 か わり始 はじ めたことが示唆 しさ されている[ 4] 。
魚類 ぎょるい と同様 どうよう に海 うみ 生 せい 爬虫類 はちゅうるい も中期 ちゅうき 三 さん 畳 じょう 紀 き からジュラ紀 じゅらき にかけて多様 たよう 性 せい が実質 じっしつ 的 てき に低下 ていか したが、T-J境界 きょうかい で海 うみ 生 せい 爬虫類 はちゅうるい の絶滅 ぜつめつ 率 りつ は上昇 じょうしょう しなかった。中生代 ちゅうせいだい の海 うみ 生 せい 爬虫類 はちゅうるい の絶滅 ぜつめつ 率 りつ が最 もっと も高 たか かったのはラディニアン の時代 じだい であり、これは中期 ちゅうき 三 さん 畳 じょう 紀 き の末 すえ に相当 そうとう する。T-J境界 きょうかい あるいはその直前 ちょくぜん に絶滅 ぜつめつ した海 うみ 生 せい 爬虫類 はちゅうるい の科 か はプラコケリス科 か (英語 えいご 版 ばん ) (板 いた 歯 は 目 め の最後 さいご の科 か )と、シャスタサウルス科 か (英語 えいご 版 ばん ) やショニサウルス科 か (英語 えいご 版 ばん ) といった巨大 きょだい な魚 さかな 竜 りゅう だけであった[ 11] 。ただし、三 さん 畳 じょう 紀 き の末 すえ には魚 さかな 竜 りゅう に属 ぞく レベルのボトルネック効果 こうか が生 しょう じ、三 さん 畳 じょう 紀 き の間 あいだ に誇 ほこ っていたほどの解剖 かいぼう 学 がく 的 てき 多様 たよう 性 せい と相違 そうい 点 てん は二度 にど と戻 もど らなかった、と主張 しゅちょう する研究 けんきゅう 者 しゃ もいる[ 12] 。
マストドンサウルス などカピトサウルス類 るい (英語 えいご 版 ばん ) はT-J境界 きょうかい の巨大 きょだい な両生類 りょうせいるい のグループの1つである。大型 おおがた 両生類 りょうせいるい の多 おお くはより早期 そうき に絶滅 ぜつめつ した可能 かのう 性 せい がある。
後期 こうき 三 さん 畳 じょう 紀 き の絶滅 ぜつめつ の最初 さいしょ 期 き の証拠 しょうこ は両生類 りょうせいるい ・爬虫類 はちゅうるい ・単 たん 弓 ゆみ 類 るい といった陸上 りくじょう 四 よん 足 そく 動物 どうぶつ の大 だい 規模 きぼ な変遷 へんせん であった。エドウィン・H・コルバート は三 さん 畳 じょう 紀 おさむ - ジュラ紀 じゅらき 境界 きょうかい と白 はく 亜紀 あき - 古 こ 第 だい 三紀 みき 境界 きょうかい の絶滅 ぜつめつ と適応 てきおう のシステムの類似 るいじ 点 てん を描 えが いた。彼 かれ は恐竜 きょうりゅう ・鱗 うろこ 竜 りゅう 類 るい (トカゲ とその親戚 しんせき )・Crocodyliformes(ワニ とその親戚 しんせき )がジュラ紀 じゅらき の始 はじ まりまでに絶滅 ぜつめつ した両生類 りょうせいるい ・爬虫類 はちゅうるい の古 ふる いグループの生態 せいたい 的 てき 地位 ちい をどのように埋 う めたかを認識 にんしき した[ 13] 。Olson (1987) では北 きた アメリカのニューアーク層 そう 群 ぐん (英語 えいご 版 ばん ) における動物 どうぶつ 相 しょう の変化 へんか の研究 けんきゅう に基 もと づいて、全 すべ ての陸上 りくじょう 四 よん 足 そく 動物 どうぶつ のうち42%が三 さん 畳 じょう 紀 き 末 まつ に絶滅 ぜつめつ したと推定 すいてい された[ 14] 三 さん 畳 じょう 紀 き の四足 しそく 動物 どうぶつ の変遷 へんせん が三 さん 畳 じょう 紀 き 末 まつ に突然 とつぜん 起 お こったか、あるいはより徐々 じょじょ に進行 しんこう したのかについては、より新 あたら しい研究 けんきゅう で議論 ぎろん されている[ 4] 。
三 さん 畳 じょう 紀 き の間 あいだ 、両生類 りょうせいるい は分 ぶん 椎 しい 目 め に属 ぞく するワニに似 に た大型 おおがた の生物 せいぶつ に主 おも に代表 だいひょう されていた。最初 さいしょ 期 き の平滑 へいかつ 両生 りょうせい 亜 あ 綱 つな (カエル や有尾 ありお 目 め のような現生 げんなま 両生類 りょうせいるい )は三 さん 畳 じょう 紀 き に姿 すがた を現 あらわ し、彼 かれ らはT-J境界 きょうかい を過 す ぎた分 ぶん 椎 しい 目 め の多様 たよう 性 せい が減 げん じる一方 いっぽう で、ジュラ紀 じゅらき で一般 いっぱん 的 てき な両生類 りょうせいるい になった[ 14] 。分 ぶん 椎 しい 目 め の衰退 すいたい は淡水 たんすい 生態 せいたい 系 けい に余波 よは をもたらしたものの、おそらく複数 ふくすう の研究 けんきゅう 者 しゃ が提唱 ていしょう するほど急激 きゅうげき なものではなかった。例 たと えば腕 うで 足 あし 動物 どうぶつ は1990年代 ねんだい の発見 はっけん によると白 はく 亜紀 あき まで生 い き延 の びた。三 さん 畳 じょう 紀 き 末 まつ 以前 いぜん の繁栄 はんえい とは打 う って変 か わって複数 ふくすう の分 ぶん 椎 しい 目 め のグループは三 さん 畳 じょう 紀 き 末 まつ に絶滅 ぜつめつ したが、彼 かれ らの絶滅 ぜつめつ がどれほど三 さん 畳 じょう 紀 き の終 お わりに近 ちか い時期 じき であったかは定 さだ かではない。既知 きち の最後 さいご のメトポサウルス科 か (英語 えいご 版 ばん ) であるコスキノノドン (英語 えいご 版 ばん ) はレオドンタ累 るい 層 そう (英語 えいご 版 ばん ) から産出 さんしゅつ しており、この層 そう は前期 ぜんき レーティアン あるいは後期 こうき ノーリアン に相当 そうとう する可能 かのう 性 せい がある。既知 きち の最後 さいご のプラギオサウルス科 か (英語 えいご 版 ばん ) であるゲロトラックス はおそらくレーティアンに相当 そうとう する岩石 がんせき から発見 はっけん されており、カピトサウルス類 るい (英語 えいご 版 ばん ) の上腕 じょうわん 骨 こつ も2018年 ねん にレーティアンの堆積 たいせき 層 そう から発見 はっけん された。これゆえ、プラギオサウルス科 か とカピトサウルス類 るい は三 さん 畳 じょう 紀 き のごく末 まつ に絶滅 ぜつめつ した可能 かのう 性 せい が高 たか く、他 た の分 ぶん 椎 しい 目 め の大半 たいはん は既 すで に絶滅 ぜつめつ していたと考 かんが えられている[ 15] 。
三 さん 畳 じょう 紀 き 末 まつ での爬虫類 はちゅうるい の絶滅 ぜつめつ はあまり知 し られていないが、レドンダサウルス といったフィトサウルス類 るい は繁栄 はんえい していた状態 じょうたい からレーティアンの終 お わりまでに絶滅 ぜつめつ を迎 むか えた。
陸上 りくじょう 爬虫類 はちゅうるい の動物 どうぶつ 相 しょう は三 さん 畳 じょう 紀 き の間 あいだ には主 しゅ 竜 りゅう 様 さま 類 るい が支配 しはい 的 てき で、特 とく にフィトサウルス類 るい と偽 にせ 鰐 わに 類 るい (現代 げんだい のワニ に繋 つな がる爬虫類 はちゅうるい の系統 けいとう )のメンバーが繁栄 はんえい していた。前期 ぜんき ジュラ紀 じゅらき 以降 いこう では恐竜 きょうりゅう と翼 つばさ 竜 りゅう が最 もっと も一般 いっぱん 的 てき な陸上 りくじょう 爬虫類 はちゅうるい となり、小型 こがた 爬虫類 はちゅうるい は主 おも に鱗 うろこ 竜 りゅう 形 がた 類 るい (トカゲやムカシトカゲ の親戚 しんせき )に代表 だいひょう された。偽 にせ 鰐 わに 類 るい で三 さん 畳 じょう 期 き 末 まつ までに絶滅 ぜつめつ しなかったものは小型 こがた のワニ形 がた 上目 うわめ のみで、支配 しはい 的 てき な植物 しょくぶつ 食 しょく のグループ(アエトサウルス目 め など)や 肉食 にくしょく の1グループ(ラウイスクス科 か )は絶滅 ぜつめつ した[ 14] 。植 うえ 竜 りゅう 類 るい 、ドレパノサウルス科 か (英語 えいご 版 ばん ) 、トリロフォサウルス科 か (英語 えいご 版 ばん ) 、タニストロフェウス科 か (英語 えいご 版 ばん ) 、プロコロフォン科 か (英語 えいご 版 ばん ) は後期 こうき 三 さん 畳 じょう 紀 き にありふれた爬虫類 はちゅうるい であったが、彼 かれ らもジュラ紀 じゅらき の始 はじ まりまでに絶滅 ぜつめつ を迎 むか えた。しかし、三 さん 畳 じょう 紀 き 最後 さいご の期 き であるレーティアンとジュラ紀 じゅらき 最初 さいしょ の期 き であるヘッタンギアン は大型 おおがた 陸上 りくじょう 動物 どうぶつ の化石 かせき がほとんどなく、これらの陸上 りくじょう 爬虫類 はちゅうるい のグループそれぞれの絶滅 ぜつめつ の正確 せいかく な時期 じき を確定 かくてい させることは難 むずか しい。後期 こうき 三 さん 畳 じょう 紀 き に絶滅 ぜつめつ したことが知 し られている様々 さまざま なグループのうち、T-J境界 きょうかい の近 ちか くに相当 そうとう すると考 かんが えられている化石 かせき が産出 さんしゅつ したものは、フィトサウルス類 るい 、プロコロフォン科 か 、そしておそらく基盤 きばん 的 てき なパラクロコダイリモーファ (英語 えいご 版 ばん ) [ 16] のみである。他 た のグループはさらに早期 そうき に絶滅 ぜつめつ した可能 かのう 性 せい がある[ 4] 。結果 けっか 的 てき にはT-J境界 きょうかい を境 さかい に、主要 しゅよう な陸上 りくじょう 生態 せいたい 系 けい のニッチの大 だい 部分 ぶぶん を恐竜 きょうりゅう が占 し めることになった[ 17] 。
三 さん 畳 じょう 紀 き 末 まつ の大量 たいりょう 絶滅 ぜつめつ には複数 ふくすう の説明 せつめい が提唱 ていしょう されているが、どれも未 み 解決 かいけつ の問題 もんだい が残 のこ されている[ 4] 。
三 さん 畳 じょう 紀 き の間 あいだ の緩 ゆる やかな気候 きこう 変動 へんどう 、海水 かいすい 準 じゅん の上下 じょうげ 、ないし海洋 かいよう 酸性 さんせい 化 か の変化 へんか [ 18] が気候 きこう システムにおける転換 てんかん 点 てん (英語 えいご 版 ばん ) に達 たっ した可能 かのう 性 せい がある。しかし、三 さん 畳 じょう 紀 き の動植物 どうしょくぶつ のグループに対 たい するそのような過程 かてい の影響 えいきょう は解明 かいめい が進 すす んでいるとは言 い えない。
三 さん 畳 じょう 紀 き 末 まつ の絶滅 ぜつめつ は当初 とうしょ 緩 ゆる やかに変化 へんか する環境 かんきょう に起因 きいん するとされた。エドウィン・H・コルバート は三 さん 畳 じょう 紀 おさむ - ジュラ紀 じゅらき における生物 せいぶつ 学 がく 的 てき な変遷 へんせん を確認 かくにん する研究 けんきゅう を1958年 ねん に発表 はっぴょう し、地質 ちしつ 学 がく 的 てき プロセスにより陸上 りくじょう のバイオーム の多様 たよう 性 せい が低下 ていか した結果 けっか 絶滅 ぜつめつ が起 お こったとした。聳 そび え立 た つ高地 こうち から乾燥 かんそう した砂漠 さばく 、熱帯 ねったい の湿地 しっち まで、三 さん 畳 じょう 紀 き は世界 せかい の環境 かんきょう が多様 たよう であった時代 じだい であると彼 かれ は考 かんが えた。一方 いっぽう で、ジュラ紀 じゅらき は浅海 せんかい が広 ひろ がったため気候 きこう も標高 ひょうこう も遥 はる かに均一 きんいつ に近 ちか かった[ 13] 。
後 ご の研究 けんきゅう では三 さん 畳 じょう 紀 き の終 お わりごろに向 む けて乾燥 かんそう 化 か するという明確 めいかく な傾向 けいこう が示 しめ された。グリーンランドやオーストラリアといった高緯度 こういど 地域 ちいき は実際 じっさい には湿潤 しつじゅん 化 か したものの、世界 せかい の大半 たいはん では劇的 げきてき な気候 きこう 変動 へんどう が起 お きたことが地質 ちしつ 学 がく 的 てき 証拠 しょうこ により示唆 しさ されている。この証拠 しょうこ には炭酸 たんさん 塩 しお と蒸発 じょうはつ 岩 がん の堆積 たいせき 物 ぶつ (乾燥 かんそう した気候 きこう で最 もっと も豊富 ほうふ )の増加 ぞうか 、石炭 せきたん 堆積 たいせき 物 ぶつ (石炭 せきたん 森林 しんりん (英語 えいご 版 ばん ) など主 おも に湿潤 しつじゅん な環境 かんきょう で形成 けいせい )の減少 げんしょう がある[ 4] 。加 くわ えて、気候 きこう は季 き 節 ぶし 性 せい に富 と むようになり、激 はげ しいモンスーン で区切 くぎ られる長 なが い乾季 かんき が生 しょう じた可能 かのう 性 せい もある[ 19] 。
ヨーロッパの地層 ちそう からは後期 こうき 三 さん 畳 じょう 紀 き に海水 かいすい 準 じゅん が低下 ていか して前期 ぜんき ジュラ紀 じゅらき に上昇 じょうしょう したことが示唆 しさ されている。海水 かいすい 準 じゅん の低下 ていか は海洋 かいよう における絶滅 ぜつめつ の原因 げんいん と考 かんが えられることがあるものの、地質 ちしつ 史 し における海面 かいめん の低下 ていか の多 おお くは絶滅 ぜつめつ の増加 ぞうか と相関 そうかん しないため、証拠 しょうこ は決定的 けっていてき でない。しかし、酸素 さんそ の減少 げんしょう (海洋 かいよう 循環 じゅんかん の停滞 ていたい に起因 きいん )や強 つよ い酸性 さんせい 化 か など、海洋 かいよう 生命 せいめい が海水 かいすい 準 じゅん 低下 ていか に関連 かんれん する二 に 次 じ 的 てき 過程 かてい に影響 えいきょう された証拠 しょうこ は複数 ふくすう ある。これらの過程 かてい は世界 せかい 規模 きぼ ではなかったとみられるが、ヨーロッパの海洋 かいよう 動物 どうぶつ 相 しょう における地域 ちいき 的 てき な絶滅 ぜつめつ を説明 せつめい できる可能 かのう 性 せい はある[ 4] 。
後期 こうき 三 さん 畳 じょう 紀 き の隕石 いんせき 衝突 しょうとつ で形成 けいせい された巨大 きょだい なクレーター である、ケベック州 しゅう のマニクアガン湖 こ 。放射 ほうしゃ 年代 ねんだい 測定 そくてい によりT-J境界 きょうかい よりも約 やく 1300万 まん 年 ねん 古 ふる いことが確 たし かめられており、大量 たいりょう 絶滅 ぜつめつ の原因 げんいん である可能 かのう 性 せい は低 ひく い。
メキシコのチクシュルーブ・クレーター を証拠 しょうこ に白 はく 亜紀 あき 末 まつ の大量 たいりょう 絶滅 ぜつめつ は地球 ちきゅう 外 がい 天体 てんたい の衝突 しょうとつ が主 しゅ 要因 よういん とされるが、これと同様 どうよう に小惑星 しょうわくせい あるいは彗星 すいせい の衝突 しょうとつ が三 さん 畳 じょう 紀 き 末 まつ の大量 たいりょう 絶滅 ぜつめつ を引 ひ き起 お こしたという仮説 かせつ もある。しかし、今 いま のところT-J境界 きょうかい と正確 せいかく に一致 いっち する年代 ねんだい の十分 じゅうぶん な大 おお きさの衝突 しょうとつ クレーターは発見 はっけん されていない。
にも拘 かか わらず、後期 こうき 三 さん 畳 じょう 紀 き には複数 ふくすう の衝突 しょうとつ が起 お きており、確認 かくにん された中 なか では中生代 ちゅうせいだい で2番目 ばんめ に大 だい 規模 きぼ な天体 てんたい 衝突 しょうとつ もあった。ケベック州 しゅう のマニクアガン湖 こ は地球 ちきゅう 上 じょう に存在 そんざい する目 め に見 み える衝突 しょうとつ クレーターでは最 もっと も大型 おおがた のものの1つであり、直径 ちょっけい は100キロメートルに達 たっ する。Olsen et al. (1987) で科学 かがく 者 しゃ らはこのマニクアガン・クレーターを三 さん 畳 じょう 紀 き 末 まつ の大量 たいりょう 絶滅 ぜつめつ と初 はじ めて結 むす び付 つ け、当時 とうじ はクレーターの形成 けいせい 年代 ねんだい は大 おお まかに後期 こうき 三 さん 畳 じょう 紀 き と考 かんが えられた[ 14] 。より正確 せいかく な放射 ほうしゃ 年代 ねんだい 測定 そくてい が Hodych & Dunning (1992) で行 おこな われ、マニクアガン・クレーターはT-J境界 きょうかい の約 やく 1300万 まん 年 ねん 前 まえ にあたる約 やく 2億 おく 1400万 まん 年 ねん 前 まえ に形成 けいせい されたことが示 しめ された。このため、マニクアガン・クレーターが正確 せいかく にT-J境界 きょうかい に相当 そうとう する絶滅 ぜつめつ の要因 よういん である可能 かのう 性 せい は低 ひく い[ 20] 。とはいえマニクアガンの衝突 しょうとつ は地球 ちきゅう に広 ひろ く影響 えいきょう を及 およ ぼしており、2億 おく 1400万 まん 年 ねん 前 まえ の衝撃 しょうげき 石英 せきえい の噴出 ふんしゅつ 物 ぶつ ブランケット(英語 えいご 版 ばん ) が遠 とお く離 はな れたイングランド [ 21] や日本 にっぽん の岐阜 ぎふ 県 けん [ 22] でも発見 はっけん されている。後期 こうき 三 さん 畳 じょう 紀 き のカーニアン - ノーリアン境界 きょうかい は明確 めいかく な時代 じだい と実際 じっさい に絶滅 ぜつめつ が起 お こったか否 ひ かが議論 ぎろん されているため絶滅 ぜつめつ と衝突 しょうとつ を対応 たいおう させることは難 むずか しい[ 21] が、マニクアガンの衝突 しょうとつ が同 どう 境界 きょうかい の小規模 しょうきぼ 絶滅 ぜつめつ の要因 よういん となった可能 かのう 性 せい はある[ 20] 。Onoue et al. (2016) では代 か わりにマニクアガンの衝突 しょうとつ が放散 ほうさん 虫 ちゅう ・海綿動物 かいめんどうぶつ ・コノドント・三 さん 畳 じょう 紀 きの アンモナイトに影響 えいきょう が及 およ んだ中期 ちゅうき ノーリアンの海洋 かいよう 絶滅 ぜつめつ の要因 よういん であると提唱 ていしょう された。さらに、マニクアガンの衝突 しょうとつ はT-J境界 きょうかい で最大 さいだい 規模 きぼ の絶滅 ぜつめつ を迎 むか えたコノドントと三 さん 畳 じょう 紀 きの アンモナイトがそれ以前 いぜん に徐々 じょじょ に衰退 すいたい していたことの一端 いったん を担 にな った可能 かのう 性 せい もある[ 23] 。磁気 じき 年代 ねんだい と同位 どうい 体 たい 年代 ねんだい の食 く い違 ちが いで不確 ふたし かではあるものの、アダマニアンとレヴエルティアンの陸上 りくじょう 脊椎動物 せきついどうぶつ 相 しょう ゾーンの間 あいだ の境界 きょうかい には四足 しそく 動物 どうぶつ はじめ動物 どうぶつ と植物 しょくぶつ の絶滅 ぜつめつ と変遷 へんせん があり、これもおそらくマニクアガンの衝突 しょうとつ に起因 きいん する[ 24] 。
他 た の三 さん 畳 じょう 紀 き のクレーターはT-J境界 きょうかい に近 ちか いが、マニクアガン湖 こ よりも遥 はる かに小型 こがた である。フランス の侵食 しんしょく されたロシュショール・クレーター (英語 えいご 版 ばん ) は2億 おく 100万 まん 年 ねん 前 まえ (誤差 ごさ 200万 まん 年 ねん )と最 もっと も新 あたら しい年代 ねんだい のものである[ 25] が、直径 ちょっけい は25キロメートル、侵食 しんしょく 前 まえ でも最大 さいだい 50キロメートルで、生態 せいたい 系 けい へ影響 えいきょう を与 あた えるには小 ちい さすぎる[ 26] 。三 さん 畳 じょう 紀 き のクレーターであることが確認 かくにん あるいは推定 すいてい されている他 ほか の衝突 しょうとつ クレーターには、ロシア 東部 とうぶ の幅 はば 80キロメートルのプチェジ=カトゥンキ・クレーター (英語 えいご 版 ばん ) (ジュラ紀 じゅらき の可能 かのう 性 せい あり)、カナダ のマニトバ州 しゅう に位置 いち する幅 はば 40キロメートルのセイント・マーティン・クレーター 、ウクライナ の幅 はば 15キロメートルのオボロン・クレーター (英語 えいご 版 ばん ) 、アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく ノースダコタ州 しゅう の幅 はば 9キロメートルのレッド・ウィング・クレーター (英語 えいご 版 ばん ) がある。Spray et al. (1998) では、マニクアガン、ロシュショール、セイント・マーティン・クレーターが同 おな じ緯度 いど に分布 ぶんぷ して見 み え、オボロンとレッド・ウィング・クレーターがロシュショールおよびセイント・マーティン・クレーターと平行 へいこう な弧 こ をなす、という興味深 きょうみぶか い現象 げんしょう が指摘 してき されている。Spray らは三 さん 畳 じょう 紀 き の複数 ふくすう の衝突 しょうとつ イベントは巨大 きょだい な小惑星 しょうわくせい あるいは彗星 すいせい が砕 くだ けて同時 どうじ に複数個 ふくすうこ 所 しょ へ衝突 しょうとつ したものであるとの仮説 かせつ を立 た てた[ 27] 。このような衝突 しょうとつ は現在 げんざい でも確認 かくにん されており、1994年 ねん にはシューメーカー・レヴィ第 だい 9彗星 すいせい が断片 だんぺん 化 か して木星 もくせい に衝突 しょうとつ している。しかし三 さん 畳 じょう 紀 き に同様 どうよう のことが起 お きたという仮説 かせつ はあまり支持 しじ されていない。Kent (1998) ではマニクアガンおよびロシュショール・クレーターは磁気 じき 極性 きょくせい の異 こと なる磁気 じき に形成 けいせい されたとされており[ 28] 、それぞれのクレーターの放射 ほうしゃ 年代 ねんだい 測定 そくてい ではそれぞれの衝突 しょうとつ は数 すう 百 ひゃく 万 まん 年 ねん 離 はな れた時期 じき に起 お きたことが示 しめ されている[ 4] 。
T-J境界 きょうかい における中央 ちゅうおう 大西洋 たいせいよう マグマ分布 ぶんぷ 域 いき (英語 えいご 版 ばん ) の最大 さいだい 範囲 はんい
大 だい 規模 きぼ な火山 かざん 噴火 ふんか 、特 とく に中央 ちゅうおう 大西洋 たいせいよう マグマ分布 ぶんぷ 域 いき (英語 えいご 版 ばん ) (CAMP) の洪水 こうずい 玄武岩 げんぶがん は莫大 ばくだい な二酸化炭素 にさんかたんそ や二酸化 にさんか 硫黄 いおう およびエアロゾル を放出 ほうしゅつ して激 はげ しい地球 ちきゅう 温暖 おんだん 化 か (前者 ぜんしゃ による)ないし寒冷 かんれい 化 か (後者 こうしゃ による)を引 ひ き起 お こした[ 29] [ 30] 。CAMPの脱 だつ ガスの記録 きろく から、マグマの大量 たいりょう 噴出 ふんしゅつ の直後 ちょくご に二酸化炭素 にさんかたんそ が複 ふく 数 すう 回 かい 顕著 けんちょ に放出 ほうしゅつ されたことが示 しめ されており、そのうち少 すく なくとも2回 かい は大気 たいき 中 ちゅう の二酸化炭素 にさんかたんそ の総量 そうりょう の倍 ばい が放出 ほうしゅつ された[ 31] 。
後期 こうき 三 さん 畳 じょう 紀 き および前期 ぜんき ジュラ紀 じゅらき の化石 かせき 土壌 どじょう の同位 どうい 体 たい 組成 そせい は大 だい 規模 きぼ な負 まけ の炭素 たんそ 同位 どうい 体 たい 偏 へん 位 い と結 むす びついている[ 32] 。リグニン とクチクラ外 がい ワックス (英語 えいご 版 ばん ) に由来 ゆらい する脂質 ししつ (アルケン )の炭素 たんそ 同位 どうい 体 たい 、およびCAMPに挟 はさ まれた北 きた アメリカ東部 とうぶ の湖底 こてい 堆積 たいせき 物 ぶつ の2つのセクションに由来 ゆらい する総有 そうゆう 機 き 炭素 たんそ は、主 おも にイングランドのサマセット のセント・オードリーズ湾 わん セクションで見 み られるものと似 に た炭素 たんそ 同位 どうい 体 たい 偏 へん 位 い を示 しめ している。これらが対応 たいおう することから、三 さん 畳 じょう 紀 き 末 まつ の絶滅 ぜつめつ 事変 じへん は北 きた アメリカ東部 とうぶ の最古 さいこ の玄武岩 げんぶがん 噴出 ふんしゅつ よりもわずかに早 はや く、またモロッコ の最古 さいこ の噴火 ふんか と同 どう 時期 じき [ 32] に、海中 かいちゅう 環境 かんきょう と陸上 りくじょう 環境 かんきょう で同時 どうじ に始 はじ まったことが示唆 しさ されている。いずれの火 ひ 成 なり 活動 かつどう も致命 ちめい 的 てき な二酸化炭素 にさんかたんそ の温室 おんしつ 効果 こうか と海洋 かいよう の生物 せいぶつ 石灰 せっかい 化 か 危機 きき をもたらした。
同 どう 時期 じき のCAMPの噴火 ふんか ・大量 たいりょう 絶滅 ぜつめつ ・炭素 たんそ 同位 どうい 体 たい 偏 へん 位 い が同 おな じ場所 ばしょ で見 み られ、大量 たいりょう 絶滅 ぜつめつ が火山 かざん に起因 きいん する可能 かのう 性 せい が示唆 しさ されている。メタンハイドレート の破滅 はめつ 的 てき な融解 ゆうかい (史上 しじょう 最大 さいだい の大量 たいりょう 絶滅 ぜつめつ であるペルム紀 き 末 まつ の大量 たいりょう 絶滅 ぜつめつ の原因 げんいん の1つともされる)により温室 おんしつ 効果 こうか に拍車 はくしゃ がかかった可能 かのう 性 せい もある。
T-J境界 きょうかい を記録 きろく する岩石 がんせき のセクションであるニューアーク層 そう 群 ぐん (英語 えいご 版 ばん ) に火山灰 かざんばい 層 そう がないことと、移 うつ り変 か わるゾーンの10メートル上 じょう に玄武岩 げんぶがん 層 そう があることから、火山 かざん 噴火 ふんか 説 せつ を否定 ひてい する研究 けんきゅう 者 しゃ もいる[ 33] 。しかし、アップデートされた年代 ねんだい 測定 そくてい プロトコルとより広範囲 こうはんい のサンプリングにより、全 すべ てではないが大半 たいはん の火山 かざん 活動 かつどう が境界 きょうかい よりも以前 いぜん に起 お きていたことが一般 いっぱん に確 たし かめられている[ 4] [ 30] 。
岐阜 ぎふ 県 けん 犬山 いぬやま 地域 ちいき から採集 さいしゅう したサンプルを使用 しよう し白金 はっきん 族 ぞく 元素 げんそ (オスミウム(Os)とパラジウム(Pd))の分析 ぶんせき を行 おこな った藤崎 ふじさき ほか(2015)[ 1] は、K-Pg境界 きょうかい と比較 ひかく しイリジウム (Ir)が少 すく なく隕石 いんせき 衝突 しょうとつ を原因 げんいん とするための決定的 けっていてき 証拠 しょうこ とはらない[ 1] 、また、白金 はっきん 族 ぞく 元素 げんそ の起源 きげん は大 だい 規模 きぼ 火 ひ 成 なり 活動 かつどう に伴 ともな う玄武岩 げんぶがん と上部 じょうぶ 大陸 たいりく 地殻 ちかく 物質 ぶっしつ (風成 かざなし 塵 ちり )が混合 こんごう したものと報告 ほうこく した[ 1] 。
愛知 あいち 県 けん 犬山 いぬやま 地域 ちいき には三 さん 畳 じょう 系 けい - ジュラ系 けい チャートが分布 ぶんぷ する[ 1] 。このチャートから得 え られたオスミウム(Os)同位 どうい 体 からだ 比 ひ (187 Os/188 Os) はレーティアン末 まつ に0.2という最低 さいてい 値 ち を記録 きろく した後 のち 、T-J境界 きょうかい で0.4まで増大 ぞうだい してヘッタンギアン では0.4 - 0.5で安定 あんてい する。これはT-J境界 きょうかい とほぼ同 どう 時期 じき に大陸 たいりく 風化 ふうか 速度 そくど が劇的 げきてき に上昇 じょうしょう したことを意味 いみ している[ 34] 。また、同様 どうよう のオスミウム同位 どうい 体 からだ 比 ひ 変動 へんどう は同 おな じくT-J境界 きょうかい が分布 ぶんぷ する愛媛 えひめ 県 けん 秩父 ちちぶ 累 るい 帯 たい の層状 そうじょう チャートでも確認 かくにん できる[ 35] 。これ以外 いがい にT-J境界 きょうかい は栃木 とちぎ 県 けん 足尾 あしお 帯 たい 葛生 かずろう 地域 ちいき が知 し られるほか、T-J境界 きょうかい を含 ふく む可能 かのう 性 せい のある地層 ちそう が秩父 ちちぶ 累 るい 帯 たい で報告 ほうこく されている[ 35] 。
熊本 くまもと 県 けん 五木 いつき 村 むら 北部 ほくぶ の黒瀬川 くろせがわ 帯 たい からはそれまで上部 じょうぶ 三 さん 畳 じょう 系 けい と考 かんが えられていた砕屑岩 がん からジュラ系 けい の放散 ほうさん 虫 ちゅう 化石 かせき が得 え られ、不 ふ 整合 せいごう を示 しめ すT-J境界 きょうかい が存在 そんざい することが判明 はんめい した[ 36] 。
^ a b c d e 藤崎 ふじさき 渉 わたる 、澤木 さわき 佑介 ゆうすけ 、横山 よこやま 哲也 てつや 、山本 やまもと 伸次 しんじ 、丸山 まるやま 茂徳 しげのり 「高 こう 精度 せいど 白金 はっきん 族 ぞく 元素 げんそ 濃度 のうど 分析 ぶんせき を利用 りよう したトリアス紀 き ―ジュラ紀 じゅらき 境界 きょうかい 大量 たいりょう 絶滅 ぜつめつ 原因 げんいん の推定 すいてい 」『分析 ぶんせき 化学 かがく 』第 だい 64巻 かん 第 だい 5号 ごう 、日本 にっぽん 分析 ぶんせき 化 か 学会 がっかい 、2015年 ねん 5月 がつ 5日 にち 、341-348頁 ぺーじ 、doi :10.2116/bunsekikagaku.64.341 。
^ “INTERNATIONAL CHRONOSTRATIGRAPHIC ”. 日本 にっぽん 地質 ちしつ 学会 がっかい . 2020年 ねん 3月 がつ 15日 にち 閲覧 えつらん 。
^ a b 石浜 いしはま 佐 たすく 栄子 えいこ 「ジュラ紀 じゅらき 前期 ぜんき の海洋 かいよう 無 む 酸素 さんそ 事変 じへん の研究 けんきゅう に関 かん する進展 しんてん と動向 どうこう 」『神奈川 かながわ 県立 けんりつ 博物館 はくぶつかん 研究 けんきゅう 報告 ほうこく 』第 だい 36巻 かん 、神奈川 かながわ 県立 けんりつ 生命 せいめい の星 ほし ・地球 ちきゅう 博物館 はくぶつかん 、2007年 ねん 、1-16頁 ぺーじ 、ISSN 04531906 。
^ a b c d e f g h i j “Assessing the record and causes of Late Triassic extinctions” . Earth-Science Reviews 65 (1–2): 103–139. (2004). Bibcode : 2004ESRv...65..103T . doi :10.1016/S0012-8252(03)00082-5 . オリジナル のOctober 25, 2007時点 じてん におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20071025225841/http://nmnaturalhistory.org/pdf_files/TJB.pdf 2007年 ねん 10月 がつ 22日 にち 閲覧 えつらん 。 .
^ Bambach, R.K.; Knoll, A.H.; Wang, S.C. (December 2004). “Origination, extinction, and mass depletions of marine diversity” . Paleobiology 30 (4): 522–542. doi :10.1666/0094-8373(2004)030<0522:OEAMDO>2.0.CO;2 . ISSN 0094-8373 . http://www.bioone.org/perlserv/?request=get-document&issn=0094-8373&volume=30&page=522
^ レイシー・グレイ (2013年 ねん 3月 がつ 26日 にち ). “三 さん 畳 じょう 紀 き 末 まつ の大量 たいりょう 絶滅 ぜつめつ 、原因 げんいん は溶岩 ようがん の噴出 ふんしゅつ ”. ナショナルジオグラフィック . ナショナルジオグラフィック協会 きょうかい . 2020年 ねん 3月 がつ 17日 にち 閲覧 えつらん 。
^ 藤沢 ふじさわ 文太 ぶんた 「約 やく 2億 おく 年 ねん 前 まえ の地層 ちそう から最古 さいこ の首長 しゅちょう 竜 りゅう の新種 しんしゅ 化石 かせき 発見 はっけん 」『財経 ざいけい 新聞 しんぶん 』財経 ざいけい 新聞 しんぶん 社 しゃ 、2017年 ねん 12月25日 にち 。2020年 ねん 3月 がつ 17日 にち 閲覧 えつらん 。
^ “Der Geologische Lehrpfad am Kirnberg ”. Keuper; SW-Deutschland: Oberrheinische Geologische Verein. 2011年 ねん 10月 がつ 2日 にち 時点 じてん のオリジナル よりアーカイブ。2020年 ねん 3月 がつ 17日 にち 閲覧 えつらん 。
^ Fowell, S. J.; Cornet, B.; Olsen, P. E. (1994), “Geologically rapid Late Triassic extinctions: Palynological evidence from the Newark Supergroup”, Geological Society of America Special Papers (Geological Society of America): pp. 197–206, doi :10.1130/spe288-p197 , ISBN 978-0813722887
^ Romano, Carlo; Koot, Martha B.; Kogan, Ilja; Brayard, Arnaud; Minikh, Alla V.; Brinkmann, Winand; Bucher, Hugo; Kriwet, Jürgen (27 November 2014). “Permian–Triassic Osteichthyes (bony fishes): diversity dynamics and body size evolution” . Biological Reviews of the Cambridge Philosophical Society 91 (1): 106–147. doi :10.1111/brv.12161 . ISSN 1469-185X . PMID 25431138 . https://www.researchgate.net/publication/268810424 .
^ Bardet, Nathalie (1994-07-01). “Extinction events among Mesozoic marine reptiles”. Historical Biology 7 (4): 313–324. doi :10.1080/10292389409380462 . ISSN 0891-2963 .
^ Thorne, Philippa M.; Ruta, Marcello; Benton, Michael J. (2011-05-17). “Resetting the evolution of marine reptiles at the Triassic–Jurassic boundary” (英語 えいご ). Proceedings of the National Academy of Sciences 108 (20): 8339–8344. doi :10.1073/pnas.1018959108 . ISSN 0027-8424 . PMC 3100925 . PMID 21536898 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3100925/ .
^ a b Colbert, Edwin H. (1958-09-15). “Tetrapod Extinctions at the End of the Triassic Period” . Proceedings of the National Academy of Sciences 44 (9): 973–977. doi :10.1073/pnas.44.9.973 . ISSN 0027-8424 . PMC 528676 . PMID 16590299 . https://www.pnas.org/content/pnas/44/9/973.full.pdf .
^ a b c d Olsen, P. E.; Shubin, N. H.; Anders, M. H. (1987-08-28). “New early Jurassic tetrapod assemblages constrain Triassic–Jurassic tetrapod extinction event” (英語 えいご ). Science 237 (4818): 1025–1029. doi :10.1126/science.3616622 . ISSN 0036-8075 . PMID 3616622 . https://www.ldeo.columbia.edu/~polsen/nbcp/olsen.et.al.87.pdf .
^ Konietzko-Meier, Dorota; Werner, Jennifer D.; Wintrich, Tanja; Martin Sander, P. (2018-10-31). “A large temnospondyl humerus from the Rhaetian (Late Triassic) of Bonenburg (Westphalia, Germany) and its implications for temnospondyl extinction”. Journal of Iberian Geology 45 (2): 287–300. doi :10.1007/s41513-018-0092-0 . ISSN 1886-7995 .
^ Tolchard, Frederick; Nesbitt, Sterling J.; Desojo, Julia B.; Viglietti, Pia; Butler, Richard J.; Choiniere, Jonah N. (2019-12-01). “'Rauisuchian' material from the lower Elliot Formation of South Africa and Lesotho: Implications for Late Triassic biogeography and biostratigraphy”. Journal of African Earth Sciences 160 : 103610. doi :10.1016/j.jafrearsci.2019.103610 . ISSN 1464-343X .
^ Climatic reversals related to the Central Atlantic magmatic province caused the end-Triassic biotic crisis— Evidence from continental strata in Poland(Grzegorz Pienkowski:2014)
^ T.M. Quan, B. van de Schootbrugge, M.P. Field, "Nitrogen isotope and trace metal analyses from the Mingolsheim core (Germany): Evidence for redox variations across the Triassic–Jurassic boundary", Global Biogeochemical Cycles , 22 2008: "a series of events resulting in a long period of stratification, deep-water hypoxia, and denitrification in this region of the Tethys Ocean basin"; M. Hautmann, M.J. Benton, A. Toma, "Catastrophic ocean acidification at the Triassic–Jurassic boundary", Neues Jahrbuch für Geologie und Paläontologie 249 .1, July 2008:119-127.
^ T Parrish, Judith (1993). “Climate of the Supercontinent Pangea” . The Journal of Geology 101 (2): 215–233. Bibcode : 1993JG....101..215P . doi :10.1086/648217 . JSTOR 30081148 . https://www.ldeo.columbia.edu/~polsen/cpcp/parrish_93_sm.pdf .
^ a b Hodych, J. P.; Dunning, G. R. (1992-01-01). “Did the Manicouagan impact trigger end-of-Triassic mass extinction?” (英語 えいご ). Geology 20 (1): 51–54. doi :10.1130/0091-7613(1992)020<0051:dtmite>2.3.co;2 . ISSN 0091-7613 . https://www.researchgate.net/publication/230892382 .
^ a b Racki, Grzegorz (2010). “The Alvarez impact theory of mass extinction; limits to its applicability and the "great expectations syndrome"” . Acta Palaeontologica Polonica 57 (4): 681–702. doi :10.4202/app.2011.0058 . https://www.app.pan.pl/archive/published/app57/app20110058.pdf .
^ 『2億 おく 1500万 まん 年 ねん 前 まえ の巨大 きょだい 隕石 いんせき 衝突 しょうとつ による海洋 かいよう 生物 せいぶつ 絶滅 ぜつめつ の証拠 しょうこ を発見 はっけん 』(プレスリリース)東京大学 とうきょうだいがく 、2017年 ねん 7月 がつ 6日 にち 。http://www.t.u-tokyo.ac.jp/shared/press/data/setnws_20160708180644005662788491_877986.pdf 。2020年 ねん 3月 がつ 17日 にち 閲覧 えつらん 。
^ Onoue, Tetsuji; Sato, Honami; Yamashita, Daisuke; Ikehara, Minoru; Yasukawa, Kazutaka; Fujinaga, Koichiro; Kato, Yasuhiro; Matsuoka, Atsushi (8 July 2016). “Bolide impact triggered the Late Triassic extinction event in equatorial Panthalassa” . Scientific Reports 6 : 29609. doi :10.1038/srep29609 . ISSN 2045-2322 . PMC 4937377 . PMID 27387863 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4937377/ .
^ Kent, Dennis V.; Olsen, Paul E.; Lepre, Christopher; Rasmussen, Cornelia; Mundil, Roland; Gehrels, George E.; Giesler, Dominique; Irmis, Randall B. et al. (16 October 2019). “Magnetochronology of the entire Chinle Formation (Norian age) in a scientific drill core from Petrified Forest National Park (Arizona, USA) and implications for regional and global correlations in the Late Triassic” (英語 えいご ). Geochemistry, Geophysics, Geosystems 0 (ja). doi :10.1029/2019GC008474 . ISSN 1525-2027 .
^ Schmieder, M.; Buchner, E.; Schwarz, W. H.; Trieloff, M.; Lambert, P. (2010-10-05). “A Rhaetian 40 Ar/39 Ar age for the Rochechouart impact structure (France) and implications for the latest Triassic sedimentary record”. Meteoritics & Planetary Science 45 (8): 1225–1242. Bibcode : 2010M&PS...45.1225S . doi :10.1111/j.1945-5100.2010.01070.x .
^ Smith, Roff (2011-11-16). “Dark days of the Triassic: Lost world”. Nature 479 (7373): 287–289. Bibcode : 2011Natur.479..287S . doi :10.1038/479287a . PMID 22094671 .
^ Spray, John G.; Kelley, Simon P.; Rowley, David B. (12 March 1998). “Evidence for a late Triassic multiple impact event on Earth” (英語 えいご ). Nature 392 (6672): 171–173. doi :10.1038/32397 . ISSN 1476-4687 . https://geosci.uchicago.edu/~rowley/Rowley/Publications_files/Nature%201998%20Spray.pdf .
^ Kent, Dennis V. (10 September 1998). “Impacts on Earth in the Late Triassic” . Nature 395 (6698): 126. doi :10.1038/25874 . http://www.rci.rutgers.edu/~dvk/dvk_REPRINTS/Kent1998.pdf .
^ Tanner, L. H.; J. F. Hubert et al. (7 June 2001). “Stability of atmospheric CO2 levels across the Triassic/Jurassic boundary”. Nature 411 (6838): 675–677. doi :10.1038/35079548 . PMID 11395765 .
^ a b Blackburn, Terrence J.; Olsen, Paul E.; Bowring, Samuel A.; McLean, Noah M.; Kent, Dennis V; Puffer, John; McHone, Greg; Rasbury, Troy et al. (2013). “Zircon U-Pb Geochronology Links the End-Triassic Extinction with the Central Atlantic Magmatic Province”. Science 340 (6135): 941–945. Bibcode : 2013Sci...340..941B . doi :10.1126/science.1234204 . PMID 23519213 .
^ Schaller, Morgan F.; Wright, James D.; Kent, Dennis V. (2011-03-18). “Atmospheric Pco2 Perturbations Associated with the Central Atlantic Magmatic Province”. Science 331 (6023): 1404–1409. Bibcode : 2011Sci...331.1404S . doi :10.1126/science.1199011 . ISSN 0036-8075 . PMID 21330490 .
^ a b Deenen, M.H.L.; M. Ruhl; N.R. Bonis; W. Krijgsman; W. Kuerscher; M. Reitsma; M.J. van Bergen (2010). “A new chronology for the end-Triassic mass extinction”. Earth and Planetary Science Letters 291 (1–4): 113–125. doi :10.1016/j.epsl.2010.01.003 .
^ Fowell, S.J.; Olsen, P.E. (May 1995). “Time calibration of Triassic/Jurassic microfloral turnover, eastern North America—Reply”. Tectonophysics 245 (1–2): 96–99. doi :10.1016/0040-1951(94)00256-9 . ISSN 0040-1951 .
^ 黒田 くろだ 潤一郎 じゅんいちろう 、堀 ほり 利栄 としえ 、鈴木 すずき 勝彦 かつひこ 、大河内 おおこうち 直彦 なおひこ 「層状 そうじょう チャートのオスミウム同位 どうい 体 たい 記録 きろく からみた三 さん 畳 じょう 紀 おさむ ‐ジュラ紀 じゅらき 境界 きょうかい の海洋 かいよう 環境 かんきょう 変動 へんどう 」『日本 にっぽん 地質 ちしつ 学会 がっかい 第 だい 118年 ねん 学術 がくじゅつ 大会 たいかい ・日本 にっぽん 鉱物 こうぶつ 科 か 学会 がっかい 2011年 ねん 年 ねん 会合 かいごう 同 どう 学術 がくじゅつ 大会 たいかい (水戸 みと 大会 たいかい )講演 こうえん 要旨 ようし 』、日本 にっぽん 地質 ちしつ 学会 がっかい 、2011年 ねん 、doi :10.14863/geosocabst.2011.0.52.0 。
^ a b 堀 ほり 利栄 としえ 、吉田 よしだ 夏子 なつこ 、黒田 くろだ 潤一郎 じゅんいちろう 、小川 おがわ 奈々子 ななこ 「愛媛 えひめ 県 けん 秩父 ちちぶ 累 るい 帯 たい 層状 そうじょう チャート中 ちゅう の三 さん 畳 じょう 系 けい -ジュラ系 けい 境界 きょうかい 」『日本 にっぽん 地質 ちしつ 学会 がっかい 第 だい 124年 ねん 学術 がくじゅつ 大会 たいかい (2017愛媛 えひめ )』、日本 にっぽん 地質 ちしつ 学会 がっかい 、2017年 ねん 、doi :10.14863/geosocabst.2017.0_238 。
^ 石田 いしだ 直人 なおと 「九州 きゅうしゅう 西部 せいぶ ,五木 いつき 北部 ほくぶ 地域 ちいき の黒瀬川 くろせがわ 帯 たい 三 さん 畳 じょう 系 けい -ジュラ系 けい 不 ふ 整合 せいごう 境界 きょうかい 」第 だい 113巻 かん 第 だい 3号 ごう 、日本 にっぽん 地質 ちしつ 学会 がっかい 、2007年 ねん 、doi :10.5575/geosoc.113.83 。