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終夜運転 - Wikipedia
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終夜しゅうや運転うんてん

終夜しゅうや運転うんてん（しゅうやうんてん）とは、公共こうきょう交通こうつう機関きかんで深夜しんや時間じかん帯たい（22:00 - 翌よく5:00[要よう出典しゅってん]）も含ふくめて24時じ間あいだ運行うんこうを行おこない、駅えきや停留所ていりゅうじょなどで停車ていしゃし、旅客りょかく扱あつかいを行おこなうことを指さす。終夜しゅうや運行うんこうともいう[1]。

西日本鉄道にしにっぽんてつどう太宰府だざいふ駅えきに停車ていしゃ中ちゅうの大晦日おおみそか-元旦がんたんの終夜しゅうや運転うんてん列車れっしゃ（2016年ねん1月がつ1日にち）。

ただし、夜行やこう列車れっしゃ・夜行やこうバス・長距離ちょうきょりの国際線こくさいせん航空こうくう便びんも深夜しんや帯たいの運転うんてんをするがこの範疇はんちゅうには入いれない場合ばあいが多おおい。

鉄道てつどう

編集へんしゅう

欧米おうべい

編集へんしゅう

ニューヨーク市し地下鉄ちかてつやマンチェスター空港くうこうへの空港くうこう連絡れんらく鉄道てつどうなど、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくやヨーロッパの比較的ひかくてき規模きぼの大おおきい都市としの地下鉄ちかてつなどで行おこなわれているのが著名ちょめいである。手法しゅほうとしては経営けいえい路線ろせんの多おおくが緩行かんこう線せんと急行きゅうこう線せんに分わかれた複々線ふくふくせんであるため、隔日かくじつで複線ふくせんごとに保線ほせんを行おこなう方式ほうしきで夜間やかんの運行うんこうを確保かくほしている。

ロンドン地下鉄ちかてつでの終夜しゅうや運転うんてんはナイトチューブと呼よばれている[1]。深夜しんや割増わりましの制度せいどはなく日にち中ちゅうと同一どういつ料金りょうきんである[1]。ナイトチューブはラグビーワールドカップ2015に合あわせて導入どうにゅうされる予定よていであったが手当てあてが少すくないとして乗務じょうむ員いん組合くみあいから反発はんぱつを受うけ、導入どうにゅうが延期えんきされていた[2]。2017年ねん9月がつ現在げんざい、金曜日きんようびと土曜日どようびの深夜しんやから早朝そうちょうにかけて5路線ろせんで運行うんこうされており[1]、2020年ねんには郊外こうがいを除のぞくほぼ全線ぜんせんに導入どうにゅうされる予定よていである[2]。

日本にっぽん

編集へんしゅう

鉄道てつどうの場合ばあい、最終さいしゅう列車れっしゃ運行うんこう後ごから始発しはつ列車れっしゃ運行うんこうまでの時間じかんは保線ほせんなどの工事こうじを行おこなう時間じかんであることや、その時間じかんは大だい部分ぶぶんの住民じゅうみんは睡眠すいみん時間じかんであることから、終夜しゅうや運転うんてん実施じっしには注意ちゅういが払はらわれている。

全国ぜんこく的てきに実施じっしされた終夜しゅうや運転うんてんの例れいとしては、後述こうじゅつする大晦日おおみそかから元日がんじつにかけての運行うんこうを除のぞけば、前述ぜんじゅつのFIFAワールドカップ時じにおけるJR在来ざいらい線せん・私鉄してつ・地下鉄ちかてつ各線かくせんがある[注ちゅう 1]。また、突発とっぱつ的てきな例れいとしては2011年ねん3月11日にちに東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいよう沖おき地震じしんが発生はっせいし、渋谷しぶや駅えきや新宿しんじゅく駅えきなど東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう（JR東日本ひがしにっぽん）のターミナル駅えきで、多数たすうの帰宅きたく困難こんなん者しゃが発生はっせいした際さい、各地かくちで滞留たいりゅうしている帰宅きたく困難こんなん者しゃを救済きゅうさいするため、東京とうきょうメトロなど一部いちぶの大手おおて私鉄してつでは、終夜しゅうや運転うんてんが行おこなわれた[4]。

大だい規模きぼな鉄道てつどう運行うんこう麻痺まひ時じの終夜しゅうや運転うんてんとしては、首都しゅと圏けん国電こくでん暴動ぼうどう（1973年ねん4月がつ24日にち）発生はっせい時じに、帝都ていと高速度こうそくど交通こうつう営団えいだん（営団えいだん。東京とうきょうメトロに継承けいしょう）が日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう（国鉄こくてつ。JRグループ各社かくしゃに分割ぶんかつ継承けいしょう）の要請ようせいを受うけて、運行うんこうした例れいがある。

日本にっぽんでは、1980年代ねんだい後半こうはんより1990年代ねんだい前半ぜんはんのバブル景気けいき期きにはJR・大手おおて私鉄してつに対たいし「社会しゃかい的てきな要請ようせい」として終夜しゅうや運転うんてんの要請ようせいがなされ、また東京とうきょうの地下鉄ちかてつでも、前述ぜんじゅつしたニューヨーク市しの例れいに倣ならって終夜しゅうや運転うんてんをすべきという意見いけんが出だされたこともあったが、メンテナンスの時間じかんを確保かくほすることや、地下鉄ちかてつの複々線ふくふくせん化かが費用ひよう対たい効果こうか上じょう、困難こんなんである問題もんだいから出来できなかった[5]。

大晦日おおみそかから元日がんじつにかけての終夜しゅうや運転うんてん

編集へんしゅう
「初詣はつもうで臨時りんじ列車れっしゃ」も参照さんしょう

新型しんがたコロナウイルス感染かんせん症しょうが拡大かくだいする前まえの2020年ねん年初ねんしょまでは、社会しゃかい的てきな習慣しゅうかんでもある初詣はつもうでにおいて、特とくに元日がんじつは大晦日おおみそかの深夜しんやから元旦がんたんにかけてでも鉄道てつどう利用りようによる需要じゅようがあったため、多おおくの鉄道てつどう会社かいしゃで終夜しゅうや運転うんてんが行おこなわれていた。特とくに首都しゅと圏けん・近畿きんき圏けん・中京ちゅうきょう圏けん・福岡ふくおかなどの大都市だいとし圏けんを中心ちゅうしんに実施じっしされた。

日本にっぽんにおいては1902年ねんの大晦日おおみそかから初詣はつもうで客きゃくを対象たいしょうとした列車れっしゃが運転うんてんされており、当時とうじは東京とうきょう都と交通こうつう局きょく（都電とでん）の前身ぜんしんである東京とうきょう電車でんしゃ鉄道てつどうが新橋しんばしから上野うえの・浅草あさくさ間あいだにて行おこなわれていた。なお、社名しゃめいに「電気でんき鉄道てつどう」とは書かかれているが実際じっさいは馬車ばしゃ鉄道てつどうだったといわれている。

鉄道てつどう省しょうでは1921年ねんから行おこなわれていて、当時とうじは山手やまて線せんの全線ぜんせんと京浜東北線けいひんとうほくせん（桜木さくらぎ町まちから上野うえの間あいだ）・中央ちゅうおう線せん（東京とうきょうから中野なかの間あいだ）の一部いちぶ区間くかんで実施じっしされた。1941年ねんに太平洋戦争たいへいようせんそうが勃発ぼっぱつしたことを受うけて、同年どうねんから終夜しゅうや運転うんてんは行おこなわれず、終戦しゅうせん後ごの1946年ねんに連合れんごう国軍こくぐん最高さいこう司令しれい官かん総そう司令しれい部ぶ（GHQ）の指示しじを受うけて都電とでんが、サンフランシスコ平和へいわ条約じょうやくの発効はっこうに伴ともない、日本にっぽんの主権しゅけんが回復かいふくした1952年ねんに国鉄こくてつがそれぞれ終夜しゅうや運転うんてんを再開さいかいした[6]。

大手おおて私鉄してつでは、1928年ねん大晦日おおみそかより翌日よくじつ1929年ねん元日がんじつに掛かけて実施じっしした京成電鉄けいせいでんてつが最初さいしょの事例じれいとなり、以後いご急速きゅうそくに他社たしゃにも広ひろまった[7]。戦時せんじ体制たいせい下かまでに一旦いったん大手おおて私鉄してつ全社ぜんしゃで廃止はいしされるも、1949年ねん大晦日おおみそかより同おなじく京成電鉄けいせいでんてつで復活ふっかつした記録きろくが残のこされている[7]。1952年ねん大晦日おおみそかより京浜急行電鉄けいひんきゅうこうでんてつ、小田急電鉄おだきゅうでんてつ、東武鉄道とうぶてつどうでも終夜しゅうや運転うんてんが復活ふっかつした[7]。特とくに小田急電鉄おだきゅうでんてつでは一般いっぱん列車れっしゃに加くわえ江ノ島えのしま方面ほうめんを中心ちゅうしんに特急とっきゅう「ニューイヤーエクスプレス」などを運行うんこうしていたこともあった[8]。ほかに、東京とうきょう都と交通こうつう局きょく（都営地下鉄とえいちかてつ）では労働ろうどう争議そうぎにより一時期いちじき終夜しゅうや運転うんてんを中止ちゅうししていた[9]ため、一部いちぶ鉄道てつどう路線ろせんでは終夜しゅうや運転うんてんを行おこなわない路線ろせんが終夜しゅうや運転うんてんを行おこなう路線ろせんに振替ふりかえ輸送ゆそうを行おこなう措置そちを取とった。なお、西日本にしにほんでの終夜しゅうや運転うんてん開始かいしの明確めいかくな時期じきは不明ふめいだが、近畿日本鉄道きんきにほんてつどうでは戦前せんぜん以来いらい実施じっしし、戦時せんじ体制たいせい下かで一旦いったん廃止はいしされるも1952年ねん大晦日おおみそかに復活ふっかつ[7]し、伊勢神宮いせじんぐうをはじめとした多おおくの寺社じしゃへの初詣はつもうで客きゃくが見込みこまれる路線ろせんを中心ちゅうしんに、特急とっきゅうの終夜しゅうや運転うんてんも実施じっしされている[10]。

ただ、1990年代ねんだい後半こうはん以降いこう、一部いちぶの鉄道てつどう事業じぎょう者しゃ（大手おおて私鉄してつでは東急とうきゅう電鉄でんてつ[注ちゅう 2]や西武鉄道せいぶてつどう[注ちゅう 3]、小田急電鉄おだきゅうでんてつなど）では「需要じゅようが認みとめにくい」等とうの理由りゆうにより終夜しゅうや運転うんてんは行おこなわず、最終さいしゅう列車れっしゃの繰くり下さげ（午前ごぜん2時じ頃ごろまで）や始発しはつ列車れっしゃの繰くり上あげ（午前ごぜん4時じ頃ごろから）などで対応たいおうするケースが増加ぞうかしていった。特とくに名古屋鉄道なごやてつどうでは2004年ねん度どの運行うんこうを最後さいごに中止ちゅうしした[14]ほか、JR各社かくしゃでも北海道旅客鉄道ほっかいどうりょかくてつどう（JR北海道ほっかいどう）[15]と東海旅客鉄道とうかいりょかくてつどう（JR東海とうかい）[注ちゅう 4]では2014年ねん度どは終夜しゅうや運転うんてんは行おこなわず、以降いこうも実施じっししていない。そのほか実施じっししていた事業じぎょう者しゃにおいても、利用りよう者しゃの減少げんしょうや運行うんこうコストの増大ぞうだい[注ちゅう 5]などにより、本数ほんすうの削減さくげん、あるいは実施じっし路線ろせんや運行うんこう区間くかんの縮小しゅくしょうが行おこなわれている[注ちゅう 6]。

 
新型しんがたコロナウイルス感染かんせん症しょうの影響えいきょうにより終夜しゅうや運転うんてんの中止ちゅうしを告知こくちするJR東日本ひがしにっぽん

新型しんがたコロナウイルス感染かんせん症しょうの拡大かくだいにより、2020年ねんの大晦日おおみそかから2021年ねんの元旦がんたんにかけては、感染かんせん拡大かくだい防止ぼうしのためJRや私鉄してつ各社かくしゃの多おおくが大晦日おおみそかの終電しゅうでん繰くり下さげ、終夜しゅうや運転うんてん、元日がんじつの始発しはつ繰くり上あげなどを行おこなわないことにした[17][18]。当初とうしょは終夜しゅうや運転うんてんないし運転うんてん時間じかん延長えんちょうを行おこなう予定よていだった東京とうきょうメトロやJR東日本ひがしにっぽん[19]などの一部いちぶ鉄道てつどう事業じぎょう者しゃも国土こくど交通省こうつうしょうや各かく知事ちじから中止ちゅうし要請ようせいを受うけたことを踏ふまえ、後日ごじつ運転うんてんの取とりやめを相次あいついで発表はっぴょうした[20]。またこれと同おなじ理由りゆうで、関西かんさいのJR西日本にしにほんや阪神電気鉄道はんしんでんきてつどうなどの私鉄してつ各社かくしゃも大晦日おおみそかから元日がんじつの終夜しゅうや運転うんてんを見送みおくり、終電車しゅうでんしゃの延長えんちょう（元日がんじつ3時じごろまで）のみを実施じっしする予定よていになっていたが[21][22]、コロナ感染かんせん拡大かくだいの影響えいきょうからのちに延長えんちょう運転うんてんも含ふくめて完全かんぜん中止ちゅうし[23]になった[24]。

2021-2022年度ねんど以降いこうは一部いちぶの鉄道てつどう事業じぎょう者しゃで延長えんちょう運転うんてんを再開さいかいするなど対応たいおうが異ことなり、2022-2023年度ねんどの例れいでは、JR東日本ひがしにっぽんの首都しゅと圏けんの一部いちぶ区間くかん（高崎線たかさきせん、宇都宮線うつのみやせん、埼京線さいきょうせん、湘南しょうなん新宿しんじゅくラインなど）を除のぞき終夜しゅうや運転うんてんを再開さいかい、沿線えんせんに大だい規模きぼな神社じんじゃや寺院じいんがある京成けいせい（成田山なりたやまなど）、京王けいおう（高尾山たかおさんなど）、名古屋なごや市営しえい地下鉄ちかてつ（熱田あつた神宮じんぐうなど）、近鉄きんてつ（伊勢神宮いせじんぐうなど）、京阪けいはん（伏見ふしみ稲荷いなり大社たいしゃなど）などは一部いちぶ区間くかんの縮小しゅくしょうや本数ほんすう見直みなおしなどを含ふくめて終夜しゅうや運転うんてんを再開さいかいしたが、東急とうきゅう、小田急おだきゅう、JR西日本にしにほん（一部いちぶ除のぞく）、南海なんかいは終夜しゅうや運転うんてんはしないものの終電車しゅうでんしゃの延長えんちょう、ないしは早朝そうちょうの始発しはつ電車でんしゃの前倒まえだおしなどの臨時りんじ列車れっしゃ運行うんこうを行おこなったり、東京とうきょうメトロ、都営地下鉄とえいちかてつ、東武とうぶ、京急けいきゅう、相鉄そうてつ、阪神はんしん、阪急はんきゅうなどのように、延長えんちょう・前倒まえだおしも含ふくめた終夜しゅうや運転うんてんは一切いっさい行おこなわない事業じぎょう者しゃとに分わかれている[25]。これらは、新型しんがたコロナウイルス感染かんせん症しょうによる影響えいきょうは基もとより、「利用りよう者しゃが少すくないため」（東京とうきょうメトロ）という理由りゆうで終夜しゅうや運転うんてんや延長えんちょう・繰くり上あげ運転うんてんを行おこなわない事業じぎょう者しゃが増ふえていることも挙あげられている[26]。

その他たの日時にちじでの終夜しゅうや運転うんてん

編集へんしゅう
「始発しはつ列車れっしゃ」および「終電しゅうでん」も参照さんしょう

深夜しんやや早朝そうちょうに大だい規模きぼな祭まつりやイベントが開催かいさいされるとき、そのアクセスとして、通常つうじょうは旅客りょかく列車れっしゃが運行うんこうされない深夜しんや・未明みめいの時間じかん帯たいに旅客りょかく列車れっしゃが運行うんこうされることがある。ここでは終電しゅうでん繰くり下さげや始発しはつ繰くり上あげの範囲はんいを超こえ、ほぼ一いち晩ばん中ちゅう旅客りょかく列車れっしゃを運行うんこうする事例じれいを取とり上あげる。

台湾たいわん

編集へんしゅう

台湾たいわん（台北たいぺい）では、12月31日にちより1月がつ1日にちにかけて、主おもに年越としこしのために台北たいぺい101へのカウントダウンを目的もくてきとしたものが知しられている。

路線ろせんバス

編集へんしゅう

日本にっぽん

編集へんしゅう

短たん・中距離ちゅうきょりの路線ろせんバス（高速こうそくバス・急行きゅうこうバス等ひとしを含ふくむ）においては、深夜しんや帯たいには深夜しんやバスを運行うんこうしている事業じぎょう者しゃがあるものの、鉄道てつどうと同おなじく需要じゅようが認みとめにくいことや、深夜しんや勤務きんむとなる乗務じょうむ員いん等とうへ25%増ぞう賃金ちんぎん（深夜しんや手当てあて）を支出ししゅつすることを抑おさえる理由りゆうで、終夜しゅうや運転うんてんを実施じっししていない事業じぎょう者しゃが多おおい。また、路線ろせんによってはバスターミナルやパークアンドライド用よう駐車ちゅうしゃ場じょうが24時じ間あいだ営業えいぎょうではないことによる理由りゆうもある。

ただし、空港くうこうとの行いき来きに用もちいられるリムジンバスの場合ばあいは、深夜しんや・早朝そうちょうの航空機こうくうきとの連絡れんらく目的もくてきで午前ごぜん2 - 3時じ台だいに始発しはつ・終着しゅうちゃくとなる便びんが設定せっていされている場合ばあいもあり、運行うんこう時間じかんの区分くわけが曖昧あいまいになっている。この場合ばあい、停留所ていりゅうじょには駐車ちゅうしゃ場じょうを備そなえ、自家用車じかようしゃでのアクセスを想定そうていしているのが普通ふつうである。さらには、2015年ねん7月がつ1日にち以降いこう、関西国際空港かんさいこくさいくうこうと大阪おおさか駅えきを結むすぶリムジンバスが深夜しんや帯たいも1時じ間あいだに1本ほんを運行うんこうする終夜しゅうや運行うんこうとなった[33]。

一般いっぱんの路線ろせんバスでは、神奈川中央交通かながわちゅうおうこうつうや三重交通みえこうつう、京阪けいはんバスなどが毎年まいとし12月がつ31日にちから翌年よくねん1月がつ1日にちまでにかけて終夜しゅうや運転うんてんを行おこなうことがある。神奈川中央交通かながわちゅうおうこうつうでは丹沢山地たんざわさんちの大山おおやまが沿線えんせんにあり、初日はつひの出で目的もくてきの登山とざん客きゃくや大山おおやま阿おもね夫おっと利り神社じんじゃへの初詣はつもうで客きゃくが非常ひじょうに多おおいため、伊勢原いせはら駅えきおよび大山おおやま小学校しょうがっこう（校庭こうてい臨時りんじ駐車ちゅうしゃ場じょう）より大山おおやまケーブル駅えきまでピストン運転うんてんを行おこなう。三重みえ交通こうつうでは、伊勢神宮いせじんぐう参拝さんぱい客きゃく対応たいおうとして、宇治山田うじやまだ駅えきと伊勢神宮いせじんぐう外宮げくう、五十鈴川いすずがわ駅えきと伊勢神宮いせじんぐう内宮ないくうとの間あいだを結むすんでいる。京阪けいはんバスでも同様どうように成田なりた山さん大阪おおさか別院べついん明王みょうおう院いん（成田なりた山さん不動尊ふどうそん）が沿線えんせんに存在そんざいしているため、京阪けいはん香里園こうりえん - 成田なりた山さん不動尊ふどうそん前ぜん間あいだでピストン運転うんてんを行おこなっている。近鉄きんてつバスは西にし信貴しぎケーブルに接続せつぞくして信貴しぎ生駒いこまスカイラインを通とおる高安山たかやすやま駅えき - 信貴しぎ山門さんもん間あいだで運行うんこうする。これらは前述ぜんじゅつの鉄道てつどうにおける初詣はつもうで参拝さんぱい客きゃく輸送ゆそうと同おなじ理由りゆうである。

また、沿線えんせんに多数たすうの初詣はつもうでスポットを抱かかえる京都きょうと市営しえいバスでも、鉄道てつどうと接続せつぞくするターミナルと特とくに参拝さんぱい客きゃくの多おおい社寺しゃじを結むすぶ3路線ろせんで例年れいねん終夜しゅうや運行うんこうを実施じっししている。

南海なんかいバス空港くうこう営業えいぎょう所しょの第だい二にターミナル連絡れんらくバスおよび国際こくさい貨物かもつ地区ちく線せんでは、毎日まいにち終夜しゅうや運転うんてんを行おこなっている。特とくに後者こうしゃは深夜しんやに出発しゅっぱつする貨物かもつ便びん対応たいおうの兼かね合あいから、1 - 3時じ台だいの真夜中まよなかにおいても20分ふん間隔かんかくという比較的ひかくてき高こう頻度ひんどで運行うんこうされているのが特徴とくちょうである。

2013年ねん12月がつ20日はつかより東京とうきょう都と交通こうつう局きょくは都営とえいバスの終夜しゅうや運転うんてんの試行しこうを始はじめた。金曜きんよう深夜しんやの渋谷しぶや ‐ 六本木ろっぽんぎ間あいだで、深夜しんや1 - 5時じ台だいにおいて1時じ間あいだ10分ふん間隔かんかくの運行うんこうとなっていた[34][35]。しかし、利用りようが1便びんあたり9人にん程度ていどと低迷ていめい、赤字あかじも2014年ねん8月がつまでに270万まん円えんに達たっしたこと、推進すいしんした猪瀬いのせ直樹なおき都知事とちじが辞任じにんし後任こうにん都知事とちじの舛添ますぞえ要一よういちはこれを見直みなおすことにしたため、2014年ねん10月がつ31日にち深夜しんやをもって廃止はいしとなった[注ちゅう 7][36][37][38]。

台湾たいわん

編集へんしゅう

台湾たいわんでは、台北たいぺい - 高雄たかお間あいだなど幹線かんせんを中心ちゅうしんに、高速こうそくバスを24時じ間あいだ運行うんこうしている会社かいしゃが多おおい。深夜しんや帯たいは概おおむね1時じ間あいだ間隔かんかくで運行うんこうされている。日本にっぽんと違ちがい、昼間ひるまと同一どういつ料金りょうきんとなっている。ただし、実際じっさいは深夜しんや帯たいは割引わりびき運賃うんちんにしている場合ばあいが多おおい。

船舶せんぱく

編集へんしゅう

船舶せんぱくにおいては、短たん区間くかんのフェリーを中心ちゅうしんに終夜しゅうや運転うんてん（終夜しゅうや運航うんこう）が行おこなわれている事例じれいがある。これは、航路こうろが橋はしやトンネルの代替だいたい（いわゆる海上かいじょう国道こくどう区間くかん）となっている場合ばあいに多おおく見みられ、乗客じょうきゃくよりも大型おおがたトラックとそのドライバーが主おもな顧客こきゃくとなる。

日本にっぽんでは瀬戸内海せとないかいを隔へだてた本州ほんしゅうと四国しこくを結むすぶ航路こうろや、津軽海峡つがるかいきょうを挟はさんだ本州ほんしゅうと北海道ほっかいどうを結むすぶ青函せいかん航路こうろで多おおく見みられる。特とくに前者ぜんしゃ（宇高うだか航路こうろなど）は、本州ほんしゅう四国しこく連絡れんらく橋きょうの開通かいつう後ごも料金りょうきんの安やすさと乗船じょうせん中ちゅうの仮眠かみんが出来できるメリットもあって人気にんきが高たかかったが、2000年代ねんだい終おわり頃ころから高速こうそく道路どうろの深夜しんや割引わりびきなどが充実じゅうじつし利用りようが減少げんしょうしている[注ちゅう 8]。公営こうえいでは桜島さくらじまと鹿児島かごしま港こうを結むすぶ桜島さくらじまフェリーが行おこなっている。

また、宮島みやじま航路こうろで大晦日おおみそかから元日がんじつにかけて行おこなわれている[39]ように、就航しゅうこう地ち近辺きんぺんの祭礼さいれい・イベントなどに合あわせて終夜しゅうや運航うんこうが行おこなわれる例れいも存在そんざいする。

その他た

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タクシーの場合ばあいは、利用りよう者しゃの便びんを計はかるために終日しゅうじつ運行うんこうされていることが多おおい。ただし、タクシーは定時ていじダイヤに則のっとって運転うんてんされるものではないこともあり、終夜しゅうや運転うんてんと称しょうさない事例じれいが多おおい。また、一定いっていの条件じょうけんで運転うんてんされる乗合のりあいタクシーは終夜しゅうや運転うんてんを行おこなうことはない。法律ほうりつ上じょう、22:00 - 5:00の勤務きんむは深夜しんや手当てあての対象たいしょうになるため給与きゅうよが25％加算かさんされる。その高価こうかな人件じんけん費ひを補完ほかんするため、22:00 - 5:00（大阪おおさか府ふ、福岡ふくおか市しなど一部いちぶ）にタクシーを利用りようした場合ばあいは料金りょうきんが深夜しんや・早朝そうちょう割増わりましとして加算かさん距離きょりが通常つうじょうよりも2割わり短みじかくなる[40]。

また飛行機ひこうきでも過去かこに日本航空にほんこうくうが東京とうきょう国際こくさい空港くうこう（羽田空港はねだくうこう） - 福岡空港ふくおかくうこう（板付いたづけ空港くうこう）間あいだを大阪国際空港おおさかこくさいくうこう（伊丹空港いたみくうこう）経由けいゆで結むすぶ「ムーンライト便びん」という夜行やこう便びんがあったが、これも終夜しゅうや運転うんてんとは言いわない。日本にっぽんの航空こうくう路線ろせんの場合ばあい、騒音そうおん問題もんだいからの空港くうこうの使用しよう時間じかんの制約せいやくや、鉄道てつどうや路線ろせんバスといった空港くうこうアクセス交通こうつう機関きかんの運行うんこう時間じかんの関係かんけいから、終夜しゅうや運行うんこうどころか深夜しんやや早朝そうちょう時間じかん帯たいの旅客りょかく便びんの運行うんこうは非常ひじょうに少すくない[注ちゅう 9]。

羽田空港はねだくうこう、新しん千歳空港ちとせくうこう、中部ちゅうぶ国際こくさい空港くうこう、関西国際空港かんさいこくさいくうこうなど24時じ間あいだ利用りよう可能かのうな空港くうこうを結むすぶ路線ろせんでは、午前ごぜん2時じ台だいや3時じ台だいに発着はっちゃくする便びんもあるが、いずれも貨物かもつ便びんである。日本にっぽん国外こくがいの事例じれいでは、騒音そうおん規制きせいの緩ゆるい国くにの一部いちぶ空港くうこうで、午前ごぜん2時じ台だいや3時じ台だいに発着はっちゃくする旅客りょかく便びんもある。

脚注きゃくちゅう

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 午前ごぜん3時じ頃ごろまでに運行うんこうを終了しゅうりょうした路線ろせんが多おおいが、上越新幹線じょうえつしんかんせん・阪和線はんわせん・鹿児島本線かごしまほんせんなど、始発しはつ列車れっしゃに近ちかい午前ごぜん4時じ台だい以降いこうまで運行うんこうされた路線ろせんもある[3]。
  2. ^ 東急とうきゅうでは長ながらく一部いちぶ路線ろせんでの終電しゅうでん延長えんちょう・始発しはつ繰くり上あげで対処たいしょしていたことから、終夜しゅうや運転うんてんを行おこなっていなかったが、2013年ねん大晦日おおみそかから2014年ねん元日がんじつ（以下いか「2013年度ねんど」のように呼称こしょう）に東横線とうよこせんに限かぎって終夜しゅうや運転うんてんを開始かいし。また、終電しゅうでん延長えんちょう・始発しはつ繰くり上あげを田園都市線でんえんとしせんで実施じっししていた[11]が、何いずれも2019年度ねんどを最後さいごに行いっておらず、2020年度ねんどは全ぜん路線ろせんが通常つうじょうの土ど休日きゅうじつダイヤとなる。なお、2000年度ねんどから2015年度ねんどまでは目黒めぐろ線せんでも終電しゅうでん延長えんちょうと始発しはつ繰くり上あげを実施じっししていたが、2016年度ねんどより中止ちゅうししている[12]。
  3. ^ 2008年ねん度どの大晦日おおみそか以降いこう行おこなわれていない。なお、2013年度ねんどは東京とうきょうメトロ副ふく都心としん線せん・東急東横とうきゅうとうよこ線せん・みなとみらい線せん直通ちょくつうの臨時りんじ列車れっしゃを運行うんこうするため始発しはつが繰くり上あげとなる[13]。
  4. ^ JR東海とうかいは名古屋なごや近郊きんこうでの東海道本線とうかいどうほんせんの終夜しゅうや運転うんてんを2012年ねん度ど限かぎりで終了しゅうりょう、2013年度ねんどは名古屋なごや駅えき - 伊勢いせ市し駅えき間あいだの快速かいそく「みえ初詣はつもうで」1往復おうふくのみとなったが、2014年度ねんどはこれも運行うんこうされなかった[16]。
  5. ^ 終夜しゅうや運転うんてんに従事じゅうじする乗務じょうむ員いん・駅えき係員かかりいんには深夜しんや勤務きんむ・正月しょうがつ勤務きんむ合算がっさんの二に重じゅうの手当てあてを上乗うわのせして支給しきゅうしているのに対たいし、乗客じょうきゃくから支払しはらわれる運賃うんちんは日にち中ちゅうと同額どうがくである。
  6. ^ 京成電鉄けいせいでんてつ、京王けいおう電鉄でんてつ、近畿日本鉄道きんきにほんてつどう、京阪電気鉄道けいはんでんきてつどう、西日本旅客鉄道にしにほんりょかくてつどう（JR西日本にしにほん）、東京とうきょう都と交通こうつう局きょく（都営地下鉄とえいちかてつ三田みた線せん、2016年度ねんどより一律いちりつ30分ふん間隔かんかくより午前ごぜん2時じ台だい - 4時じ台だいの間あいだは1時じ間あいだ間隔かんかくに縮小しゅくしょう）など。
  7. ^ 運行うんこう終了しゅうりょう当日とうじつはハロウィンと重かさなったため過去かこ最多さいたの512人にんが利用りようした。
  8. ^ 宇高うだか航路こうろの宇高うだか国道こくどうフェリーおよび四国しこくフェリーは減げん便びんにより終夜しゅうや運航うんこうを取とりやめたのち、航路こうろそのものが休止きゅうしに追おい込こまれた。
  9. ^ ただし早朝そうちょうの便数びんすうは事前じぜん購入こうにゅう割引わりびきなどの普及ふきゅうにより増加ぞうか傾向けいこうにある。

出典しゅってん

編集へんしゅう
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