「ダイダラボッチ」の版はん間あいだの差分さぶん

削除さくじょされた内容ないよう追加ついかされた内容ないよう

インライン

2024年ねん4月がつ19日にち (金)きん 05:11時点じてんにおける版はん

ダイダラボッチは、日本にっぽんの各地かくちで伝承でんしょうされる巨人きょじん。類似るいじの名称めいしょうが数多かずおおく存在そんざいするが、以下いかでは便宜べんぎ的てきにダイダラボッチと呼称こしょうする。山さんや湖沼こしょうを作つくったという伝承でんしょうが多おおく、元々もともとは国くにづくりの神かみに対たいする巨人きょじん信仰しんこうがダイダラボッチ伝承でんしょうを生うんだと考かんがえられている（鬼おにや大男おおおとこなどの妖怪ようかい伝承でんしょうが巨人きょじん伝承でんしょうになったという説せつもある。）^[2]。

概要がいよう

柳田やなぎだ國男くにおが「ダイダラ坊ぼうの足跡あしあと」（1927年ねん〈昭和しょうわ2年ねん〉4月がつ、『中央公論ちゅうおうこうろん』）^[3]で日本にっぽん各地かくちから集あつめたダイダラボッチ伝説でんせつを考察こうさつしている^{[* 1]}。江戸えど後期こうきの柳やなぎ亭てい種彦たねひこによる随筆ずいひつ、『用捨ようしゃ箱ばこ』には「大だい太ふとし発意はつい（だいだぼっち）は大男おおおとこを謗そしりいひしにて、一寸法師いっすんぼうしの反対はんたいなり」とある^[4]。南方みなかた熊楠くまぐすは「大だい太ふとしボッチ」の「大だい太ふとし」を「大だい太郎たろう」の略りゃくであると推測すいそくしている^[5]。

名称めいしょう

「でいだらぼっち^[6]」、「ダイランボウ^[7]」、「だいだらぼう^[8]」、「でいらんぼう^[9]」、「だいらぼう^[10]」、「デエダラボッチ^[11]」、「デイラボッチ^[10]」、「デイラボッチャ^[12]」、「デーラボッチャ^[12]」、「デエラボッチ^[13]」、「デーラボッチ^[14]」、「タイタンボウ^[2]^{[* 2]}」、「デエデエボウ^[15]」、「デイデンボメ^[15]^{[* 3]}」、「ダイトウボウシ^[15]」、「レイラボッチ^[15]」、「ダダ星ほし^[15]」、「おおきいぼちゃぼちゃ」^[16]等ひとし様々さまざまな呼よび名ながある。大だい太ふとし法師ほうし（だいだらぼっち）^[17]、大だい太郎坊たろうぼう（だいだらぼう）とも表記ひょうきし、九州きゅうしゅうでは大人おとな弥五郎やごろう（おおひとやごろう）と呼よばれる^[2]。

文献ぶんけん

常陸ひたち国こく風土記ふどき

奈良なら時代じだいに成立せいりつした『常陸ひたち国こく風土記ふどき』のうち、常陸ひたち国こくの那賀なか郡ぐん（なかのこおり^[18] 現在げんざいの茨城いばらき県けん那珂なか郡ぐん〈なかぐん〉）について記しるされた「那賀なが略記りゃっき」には、大昔おおむかしの「大櫛おおくし之の岡おか（おおくしのおか）」にいたという長大ちょうだいな人ひとについての記述きじゅつ（平津ひらつ駅えき家か条じょう）が以下いかのようにある。^[19]^[20]^[21]^[22]^[23]

《　原はら　文ぶん　》　※縮小しゅくしょう文字もじは原本げんぽん上じょうの補足ほそく。※和字わじ間隔かんかくは現代げんだいの補足ほそく。
平津ひらつ驛えき家西いえにし一いち二に里さと有岡ありおか名めい曰大櫛おおくし上古じょうこ有人ゆうじん體たい極ごく長大ちょうだい身み居きょ丘おか壟之上じょう手て摎海濱之はまの蜃大だい蛤はまぐり也其所食しょく貝かい積せき聚成岡なるおか時人じじん取と大だい朽くち之これ義ぎ今いま謂いい大だい櫛くし之の岡おか其踐跡あと長ちょう卌餘歩ふ廣こう廿にじゅう餘よ歩ほ尿にょう穴あな徑みち可か廿にじゅう餘よ歩ほ許もと — 『常陸ひたち國こく風土記ふどき』那賀なが略記りゃっき

《書かき下くだし文ぶん》　※振ふり仮名がなは文語ぶんご体たい。
平津ひらつ駅えき家か（ひらつのうまや）の西にし一いち二に（いちに）里さと（り）に岡おか（をか）あり。名なを大櫛おおくし（おほくし）と曰（い）ふ。上古じょうこ（いにしへ）、人ひとあり。體からだ（かたち）は極ごく（きは）めて長大ちょうだい（たけたか）く、身み（み）は丘おか壟（をか）の上うえ（うへ）に居きょ（ゐ）ながら、手ては海浜かいひん（うみべた）の蜃（うむき）を摎（くじ）りぬ。大だい蛤はまぐり（おほうむき）也（なり）。其（そ）の食しょく（く）らひし貝かい（かひ）、積せき聚（つも）りて岡おか（をか）と成なり（なり）き。時人じじん（ときのひと）、大だい朽くち（おほくち）の義よし（こころ）を取と（と）りて、今いまは大櫛おおくし之の岡おか（おほくしのをか）と謂いい（い）ふ。その践（ふ）みし跡あと（あと）は、長ながさ卌（しじふ）歩ふ（あし）余よ（あまり）、広ひろさ廿にじゅう（にじふ）歩ふ（あし）余よ（あまり）、尿にょう穴あな（ゆまりのあな）の径みち（わたり）廿にじゅう（にじふ）歩ふ（あし）余よ（あまり）許もと（ばかり）なり。

《口語こうご解釈かいしゃく例れい》　※振ふり仮名がなは口語こうご体からだ。［］内ないは文意ぶんいを整ととのえるための補足ほそく文ぶん。（）内ないの※に続つづく記述きじゅつは注釈ちゅうしゃく。
［常陸ひたち国こく（ひたちのくに）の那賀なか郡ぐん（なかのこおり）にある交通こうつうの要衝ようしょう・］平津ひらつ駅えき家か（ひらつのうまや）から西にしへ一いち二に（いちに）里さと（り）もしくは1里り・2里さとほど行いった所ところ^{[* 4]}に岡おか（おか）（丘おか）があり、名なを「大櫛おおくし（おおくし）」という。大昔おおむかし、［この地ちに］人にんがいた。［その人ひとの］体からだ（からだ）は極きわめて長大ちょうだい（ちょうだい）で、岡おかの上うえにいながらにして手ては海浜かいひんの蜃（うむき）を掘ほり起おこしてしまう。［それほどの巨人きょじんであった。］［ここでいう蜃（うむき）とは］大だい蛤はまぐり（おおうむき）である（※『うむき（蜃、蛤はまぐり）』はハマグリの古語こご）^{[* 5]}。その［巨人きょじんの］食たべた貝かい［の殻から］は、積つもり積つもって岡おかになった。当時とうじの人ひと（※現代げんだい〈すなわち、奈良なら時代じだい〉の我々われわれから見みて大昔おおむかしの人々ひとびと）は［“大量たいりょうの貝かいが朽くちている”意いをもって、この岡おかを］「大だい朽くち（おおくち）」と呼よんだが、［それが訛なまって］今いまは「大櫛おおくし之の岡おか（おおくしのおか）」という（※比定ひてい地ちは大串おおぐし貝塚かいづか（おおぐしかいづか）。その所在地しょざいちは、現在げんざいの茨城いばらき県けん水戸みと市し塩崎しおがさき町まち1064-1^{[* 6]}、かつての東茨城ひがしいばらき郡ぐん常澄つねずみ村むら塩崎しおざき^[20]^{[* 7]}）。その［巨人きょじんの］足跡あしあとは、おおよそ、長ながさ40歩ふあまり、幅はば20歩ふあまりで、尿にょうの穴あな（※立たち小便しょうべんによって穿うがたれた穴あな）は直径ちょっけい20歩ふあまりであった。

考古学こうこがく等ひとしの諸しょ分野ぶんやにおいても、係かかる「大櫛おおくし之の岡おかの巨人きょじん伝説でんせつ」とその比定ひてい地ち・大串おおぐし貝塚かいづかは相当そうとうに重要じゅうようで、縄文じょうもん時代じだいの貝塚かいづか遺跡いせきが文献ぶんけんに記しるされている最古さいこの例れい^[24]^[25]、もっと言いえば、石器せっき時代じだい遺跡いせきの記録きろくされた日本にっぽん最古さいこの例れい^[26]^[27]として知しられている。

播磨はりま国こく風土記ふどき

奈良なら時代じだいに成立せいりつした『播磨はりま国こく風土記ふどき』ののうち、播磨はりま国こくの託たく賀が郡ぐん（たかのこおり）（現在げんざいの兵庫ひょうご県けん多可たか郡ぐん〈たかぐん〉）について記しるされた「託たく賀が略記りゃっき」には、天てんが高たかいから楽らくに立たって歩あるけると言いってこの地ちを好このみ、沼ぬまと化かす数多すうたの足跡あしあとを残のこした、大人おとな（おおひと）の伝説でんせつが記しるされており、先述せんじゅつした『常陸ひたち国こく風土記ふどき』に所収しょしゅうされている“大櫛おおくし之の岡おかの巨人きょじん伝説でんせつ”（大櫛おおくし之の岡おかの長大ちょうだいな人ひとの伝説でんせつ）の類型るいけいと考かんがえられている。

《　原はら　文ぶん　》　※縮小しゅくしょう文字もじは原本げんぽん上じょうの補足ほそく。※和字わじ間隔かんかくは現代げんだいの補足ほそく。
右みぎ此當為とうい上じょう所以ゆえん名めい託たく賀が者しゃ昔むかし在ざい大人おとな常つね勾行也自じ南海なんかい到いた北海ほっかい自じ東ひがし巡行じゅんこう之の時とき到來とうらい此土云うん他た土ど卑者常つね勾伏而行之の此土高だか者しゃ申さる而行之の高こう哉故こ曰託たく賀が郡ぐん此云高だか也申さる伸也しんや其踰跡あと處しょ數すう數すう成なり沼ぬま — 『播磨はりま國こく風土記ふどき』託たく賀が略記りゃっき ^[28]

《　大だい　意い　》　
昔むかし、［播磨はりま国こく（はりまのくに）の］託たく賀が郡ぐん（たかのこおり）には大人おとな（おおひと）（※巨人きょじん）がいた。［大人おとなは］常つねに屈かがんで歩あるいた。［大人おとなは］南海なんかいから北海ほっかいへ到いたり、東ひがしを巡めぐってこの地ちにやってきた時とき、「他たの地ちは［天てんが］低ひくくて常つねに屈かがんで歩あるいていたが、この地ちは［天てんが］高たかくてまっすぐ立たって歩あるける」と言いった。それゆえに、この地ちを「タカ（高こう）」の意いをもって「託たく賀が郡ぐん」という。［大人おとなの］足跡あしあとは数々かずかずの沼ぬまになった。

各地かくちの伝承でんしょう

山やま

富士山ふじさんを作つくるため、甲州こうしゅうの土どを取とって土盛どもりした。そのため甲州こうしゅうは盆地ぼんちになった^[29]。
富士山ふじさんを作つくるため近江おうみの土どを掘ほり、その掘ほった跡地あとちが琵琶湖びわことなった^[17]。この伝説でんせつの縁えんで1968年ねんに富士宮ふじのみや市しと近江八幡おうみはちまん市しは夫婦ふうふ都市としとなっている^[17]。
上うえ州しゅうの榛名富士はるなふじを土盛どもりして作つくり、掘ほった後のちは榛名湖はるなことなった。榛名富士はるなふじが富士山ふじさんより低ひくいのは、もう少すこし土どを運はこぼうとしたが夜よるが明あけ、途中とちゅうでやめたためである^[30]。
浅間山あさまやまが、自分じぶんより背せの高たかい妹いもうとの富士山ふじさんに嫉妬しっとし、土どを自分じぶんにわけろといった。富士山ふじさんは了解りょうかいし、だいだらぼっちが自分じぶんの前掛まえかけで土どを運はこんだ。しかし浅間あさま山さんは土どの量りょうが足たりないと怒いかり、彼かれを叩たたいた。その際さいにこぼれた土どが前掛山まえかけさんとなった。怒いかりだした浅間山あさまやまはついに噴火ふんかしてしまった。
西にしの富士ふじ、東ひがしの筑波つくばと呼よばれる関東かんとうの名山めいざんの重おもさを量はかろうとし天秤棒てんびんぼうに2つの山やまを結ゆわえつけ持もち上あげると、筑波山つくばさんのほうは持もち上あがったが富士山ふじさんは持もち上あがらない。そのうちに結ゆわえていたつるが切きれ、筑波つくば山さんが地上ちじょうに落おちてしまった。その衝撃しょうげきでもともと1つの峰みねだった筑波山つくばさんは、2峰ほうになってしまったという。
信州しんしゅう佐久さく郡ぐんで土どを運はこんでいた時とき、もっこの綱つなが切きれ、平尾ひらお山さんと糠塚山ぬかづかやまができた^[31]。
富士山ふじさんと八ヶ岳やつがたけが背せ比くらべをして、八ヶ岳やつがたけが勝かったが、それを妬ねたましく思おもった富士山ふじさんに蹴けられ、山やまが八やっつに割われた。それを治なおそうとデエダラボッチが茅ちがやで出来できたもっこで土どを運はこび、線香せんこうを杖つえにしたら折おれてしまい、暫しばらく置おいておいたら大泉おおいずみ山さんと小泉こいずみ山さんが出来できた（諏訪すわ地方ちほう、茅野ちの市し）。
信州しんしゅう安曇あずみ郡ぐんで西側にしがわの飛騨山脈ひださんみゃくから削けずり取とった土どを東側ひがしがわの山地さんちに運はこんでいた時とき、もっこの綱つなが切きれ、室山むろやまができた。

足跡あしあと

上うえ州しゅうの赤城山あかぎやまに腰掛こしかけて踏ふん張ばったときに窪くぼんでできた足跡あしあとが水みずたまりになり、木部きべの赤沼あかぬまができあがった^[29]。
長野ながの県けん大町おおまち市し北部ほくぶの青木湖あおきこ、中綱湖なかつなこ、木崎湖きざきこからなる仁科にしな三さん湖こはいずれもダイダラボッチの足跡あしあとである。
遠とお州しゅうの山奥やまおくに住すんでいたダイダラボッチが子供こどもたちを手てにのせて歩あるいている時ときに、腰こしくらいの高たかさの山やまをまたいだ拍子ひょうしに子供こどもたちを手てから投なげ出だしてしまった。びっくりした子供こどもたちとダイダラボッチは泣なき出だしてしまい、手てをついてできた窪くぼみに涙なみだが流ながれ込こんで浜名湖はまなことなった。
東京とうきょう都と武蔵村山むさしむらやま市しには大多羅おおだら法師ほうしが藤ふじづるで丸山まるやまを背負せおい歩あるいた足跡あしあとが井戸いどになったという伝説でんせつがあり、「でびいしゃら井戸いど」の名なで現在げんざいも井戸いどが残のこっているほか^[32]、毎年まいとし秋あきに「デエダラボッチ」の山車だしが登場とうじょうするデエダラまつりが開催かいさいされている^[33]。

現在げんざい、東京とうきょう都と世田谷せたがや区くにある地名ちめい「代田しろた」（だいた）や^[2]、さいたま市しの「太田窪だいたくぼ」（だいたくぼ）は、ダイタ坊ぼう（ダイダラボッチ、ダーダラボッチ）の足跡あしあとに由来ゆらいすると言いわれている^[34]。なお、代田しろたのダイダラボッチについては2021.3.28日にちに小田急おだきゅう小田原おだわら線せん世田谷せたがや代田だいだ駅前えきまえにダイダラボッチをかたどった駅前えきまえ広場ひろばが完成かんせいした。これを記念きねんして当日とうじつづけで『巨人きょじん伝説でんせつ読本とくほん　代田しろたのダイダラボッチ』（著作ちょさく:きむらけん、発行はっこう:世田谷せたがや代田だいだ駅えき駅前えきまえ広場ひろば記念きねん事業じぎょう委員いいん会かい）が発行はっこうされた。「代田しろたダイダラボッチ音頭おんど」も作曲さっきょくされた。^[35]

長野ながの県けん戸隠山とがくしやまの大座法師池だいざほうしいけ、三重みえ県けん志摩しま郡ぐんの大王だいおう町まちはダイダラボッチに由来ゆらいする地名ちめいである^[15]。
静岡しずおか市しのダイラボウ山頂さんちょうには全長ぜんちょう150mほどの窪くぼみがあるが、ダイダラボッチが左足ひだりあしを置おいた跡あとと伝つたえられている。琵琶湖びわこから富士山ふじさんへ土どを運はこぶ途中とちゅうに遺のこしたものであるという。
相模原さがみはら市しの伝説でんせつでは「でいらぼっち」と呼よばれている。巨人きょじんが富士山ふじさんを背負せおって運はこぶ途中とちゅう、大山おおやまに腰こしかけて一休ひとやすみした。再度さいど持もち上あげようとしたが持もち上あがらず、悔くやしがった挙句あげくあきらめた。その際さい、踏ふん張ばった左足ひだりあしの跡あとがJR淵野辺ふちのべ駅えきの南口みなみぐち側がわの鹿沼かぬま公園こうえん内ないの白鳥はくちょう池ちであり、北口きたぐち側がわのかつて菖蒲しょうぶ沼ぬまと呼よばれていた場所ばしょ（2022年ねん現在げんざいのエスポット淵野辺ふちのべ店てん前まえに碑いしぶみが残のこる）が右足みぎあしを踏ふん張ばった跡あとだと言いわれている。また神奈川かながわ県けん道どう・東京とうきょう都道とどう57号ごう相模原さがみはら大蔵おおくら町まち線せんの鹿沼台かぬまだい2丁目ちょうめ24番ばん付近ふきんには「じんだら沼ぬま」の標識ひょうしき看板かんばんがあり、これはでいらぼっちが「地団駄じだんだ」を踏ふんだという伝説でんせつの名残なごりといわれている。相模原さがみはら市し南みなみ区くに「大沼おおぬま・小沼おぬま」の地名ちめいが残のこるが、かつて実在じつざいしたこの二ふたつの沼ぬまはデイラボッチが尻餅しりもちをついた跡あとであり、その間あいだに「ふんどし窪くぼ」という溝みぞ状じょうのくぼ地ちがあったという伝承でんしょうもある^[36]^[37]^[38]。相模原さがみはら市しでは「でいらぼっち伝説でんせつ伝承でんしょう地ち」として2001年ねんに鹿沼かぬま公園こうえん内ないの一部いちぶを市し登録とうろく史跡しせきとしている^[39]。

かつてあった菖蒲しょうぶ沼ぬまの位置いちを表あらわす碑いしぶみ
鹿沼かぬま公園こうえん内ない白鳥はくちょう池ち。でいらぼっち伝説でんせつの碑いしぶみがある
地団駄じだんだを踏ふんだといわれている場所ばしょの標識ひょうしき

小便しょうべんをしようと飯野山いいのやま（香川かがわ県けん中部ちゅうぶ）に足あしをかけた際さいに山頂さんちょう付近ふきんに足跡あしあとが付ついた（現在げんざいもその跡あとであるという伝説でんせつの足跡あしあとが残のこっているが非常ひじょうに小ちいさい）。なお、その小便しょうべんの際さいに出来できたのが大束川だいそくがわといわれる。
愛知あいち県けん東海とうかい市しの南側みなみがわに加木屋かぎや町まち陀々法師ほうし（だだぼうし）という地名ちめいがあり、ダイダラボッチが歩あるいて移動いどうする際さいに出来できた足跡あしあとが池いけになったとして伝説でんせつが残のこっている。この「足跡あしあと池ち」（「陀々法師ほうし池ち」ともいう）は名古屋鉄道なごやてつどう八幡新田はちまんしんでん駅えきの南方なんぽう100m辺あたりにあったが、1986～1987年ねん（昭和しょうわ61～62年ねん）頃ごろに埋うめ立たてられ（ゼンリン住宅じゅうたく地図ちず「東海とうかい市し」1986年ねん発行はっこうの1986年版ねんばん、1987年ねん発行はっこうの1988年版ねんばんによる）、2000年ねん（平成へいせい12年ねん）頃ごろにモータースが出来できて、現在げんざいその形跡けいせきはない（「ものがたり通信つうしん」の「18.ダイダラボッチの足跡あしあと」参照さんしょう）。
長野ながの県けん佐久さく市し安原やすはらにある二ふたつの丸まるい水田すいでんは、デーラン坊ぼうの足跡あしあとだと言いわれる^[40]。
比叡山ひえいざんにつまづいて怒おこって蹴けっ飛とばした地面じめんに空あいた穴あなが琵琶湖びわこ、飛とんで行いった土塊つちくれが淡路島あわじしまになった^[41]。

行動こうどう

赤城山あかぎやまに腰掛こしかけて、利根川とねがわで足あしを洗あらった^[42]。
羽黒山はぐろさんには人間にんげんがまだ誕生たんじょうしない大昔おおむかし、でいだらぼっちが羽はね黒山くろやまに腰掛こしかけて鬼怒川きぬがわで足あしを洗あらったというい伝いつたえがある。
長野ながの県けん塩尻しおじり市しの高こうボッチ高原こうげんはダイダラボッチが腰こしを下おろして一休ひとやすみした場所ばしょであるという（諸説しょせつあり）。
「常陸ひたち国こく風土記ふどき」によると、茨城いばらき県けん水戸みと市し東部とうぶにある大串おおぐし貝塚かいづかは、ダイダラボッチが貝かいを食たべて、その貝殻かいがらを捨すてた場所ばしょだと言いわれている。そのい伝いつたえから、近ちかくにダイダラボッチの巨大きょだいな石像せきぞうが創つくられている^[43]。
碓氷峠うすいとうげで休やすんでいる時ときに、足あしが妙義山みょうぎさんまで届とどき、その足あしの指ゆびを猪いのししが芋いもと間違まちがえかじったので、猪いのししを握にぎり潰つぶして浅間山あさまやまで猪いの鍋なべを煮にた。なお、鍋なべをこぼした場所ばしょから塩気しおけのある温泉おんせんが湧わいたという^[44]。

人間にんげんの救助きゅうじょ

秋田あきた県けんの横手盆地よこてぼんちが湖みずうみであったので干拓かんたく事業じぎょうを行おこなった際さい、ダイダラボッチが現あらわれて水みずをかき、泥どろを掬すくったため工事こうじがはかどった（鳥とりの海うみの干拓かんたく伝説でんせつ）^[45]。このダイダラボッチは秋田あきた市しの太平山たいへいざん三吉みつよし神社じんじゃの化身けしんと考かんがえられている^[45]。太平山たいへいざん及および山麓さんろくの太平たいへい地区ちくの名なは現在げんざい「たいへい」と読よまれるが、明治めいじ期きまでは「おいだら」と読よまれており、由来ゆらいを巨きょ人じん「オイダラボッチ」であるとする説せつ（秋田あきたの今いまと昔むかし）がある。
昔むかし、東ひがし信濃しなのは湖みずうみの底そこだったが、デイラボッチは「岩鼻いわはな」という山やまを砕くだき水すいを排出はいしゅつし、平地ひらちを作つくった。それから後ご、その土地とちを、大佐おおさ久ひさ（南北なんぼく佐久さく）と小佐しょうさ久ひさし（小しょう県けん）と言いうようになった^[46]^{[* 8]}。
茨城いばらき県けん水戸みと市し大足おおあし（おおだら）は、土地とちの西南せいなんにあった山やまのおかげで村むらは一いち日にちの半分はんぶんは日陰ひかげになり、日にちが早はやく暮くれてしまい困こまっていた。そこでダイダラボッチ（この地方ちほうではダイダラボウと呼称こしょう）は村人むらびとのために山やまをどけてあげた。しかし、山やまをどけた跡あとの土地とちがえぐれてしまい、雨あめが溜たまるようになったので、川かわをつくり沼ぬま底そこをさらって水みずが流ながれるようにした。どけた山やまは水戸みと市し・笠間かさま市し・東茨城ひがしいばらき郡ぐん城しろ里さと町まちに跨またがる朝房山あさぼうやま、作つくった川かわと沼ぬまは桜川さくらがわ、千波湖せんばこである^[47]。

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

^ (柳田やなぎだ 1977)の「じんだら沼ぬま記事きじ」（『妖怪ようかい談義だんぎ』所収しょしゅう）にて相模原さがみはら市し大沼おおぬまに調査ちょうさに行いったとの記述きじゅつあり。その地ちではダイダラボッチの伝説でんせつは無なかったと落胆らくたんしているが、ダイダラボッチ伝説でんせつがあるのは北きたに5キロメートルほどずれた鹿沼かぬまであった。
^ 藤澤ふじさわ衛彦もりひこ「巨人きょじん伝説でんせつ考こう」、『日本にっぽん伝説でんせつ研究けんきゅう第だい三さん巻かん』所収しょしゅう。ただし、石川いしかわ県立けんりつ図書館としょかんの調査ちょうさによれば、能登のと地方ちほうに「たいたん坊ぼう」という呼称こしょうは見みつかっておらず、藤澤ふじさわの創作そうさくの可能かのう性せいがある。
^ 高木たかぎ敏雄としお『日本にっぽん伝説でんせつ集しゅう』より。柳田やなぎだ国男くにおの「ダイダラ坊ぼうの足跡あしあと」には「デンデンボメ」とあるが、元もとの出典しゅってんである『日本にっぽん伝説でんせつ集しゅう』には「デイデンボメ」とあり、誤記ごきである。『定本ていほん柳田やなぎだ国男くにお集しゅう5』311頁ぺーじ参照さんしょう。
^ 「一いち二に（いちに）」は「わずか」の意い。従したがって「一いち二に里さと」は「里さとの単位たんいでわずかな距離きょり」の意い。しかし「一いち二に里さと」を「1・2里さと」の意いで捉とらえれば、具体ぐたい的てき距離きょりを示しめすものとなり、古代こだい日本にっぽんの1里りは約やく5.3km、2里りは約やく10.7kmと、数値すうちを割わり出だすことができる。
^ 市井しせいの娯楽ごらく本ほんやインターネット上じょうの記述きじゅつで、本文ほんぶん中ちゅうの「蜃」を妖怪ようかいの「蜃（しん）」と関連付かんれんづけるものが見みられるが、ここで語かたられている「蜃（うむき、うむぎ）」は実体じったいがあって食用しょくようにされる貝類かいるいの「蛤はまぐり（うむき、うむぎ）」、すなわち「蛤はまぐり（はまぐり）」のことであって、妖怪ようかいではない。
^ 水戸みと市し塩崎しおがさき町まち1064-1（地図ちず - Google マップ
^ 江戸えど時代じだいにおける常陸ひたち国こく茨城いばらき郡ぐん塩しおヶ崎さき村むら、幕まく藩はん体制たいせい下したの常つね州しゅう水戸みと藩はん知行ちぎょう等とう塩しおヶ崎さき村むら。
^ 大だい鼠ねずみが岩鼻いわはなを食くい破やぶったことで湖水こすいが排水はいすいされたとする伝説でんせつもある（『日本にっぽん伝説でんせつ叢書そうしょ信濃しなのの巻まき』157 - 159ページ）。

出典しゅってん

^ 宮本みやもと幸枝ゆきえ・熊谷くまがいあづさ『日本にっぽんの妖怪ようかいの謎なぞと不思議ふしぎ』学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ〈GAKKEN MOOK〉、2007年ねん、89頁ぺーじ。ISBN 978-4-05-604760-8。 NCID BA81963861。
^ ^a ^b ^c ^d 『妖怪ようかいの本ほん』学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ、1999年ねん、92,98頁ぺーじ。92頁ぺーじの挿絵さしえ（加賀かが国こく河北かほく郡ぐん木越きごしの光林寺こうりんじ跡あとで大だい太ふとし法師ほうしの足跡あしあとを見物けんぶつする人々ひとびと）は『北越ほくえつ奇談きだん』のものと書かかれているが、正確せいかくには『古今ここん角かく偉えら談だん』巻まき之の二にの「大だい足跡あしあとと大だい足跡あしあととの角かく偉えら」である。
^ 「ダイダラ坊ぼうの足跡あしあと」
^ 「大だい太ふとし法師ほうし」 - 精選せいせん版ばん日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてん、小学しょうがく館かん。
^ 南方みなかた熊楠くまぐす『ダイダラボウシの足跡あしあと』（東洋とうよう學藝がくげい雜誌ざっし 25(319)、東京とうきょう社しゃ [編へん]、東京とうきょう社しゃ、1908-04、pp.182-185）
^ “でいだらぼっち”. さがみはら百ひゃく選せん. シニアネット相模原さがみはら. 2011年ねん2月がつ13日にち閲覧えつらん。
^ 井ノ口いのぐち章次しょうじ他た編へん「静岡しずおか県けん庵原いはら郡ぐん両りょう河内かわち村むら」『民俗みんぞく採訪さいほう』昭和しょうわ29年度ねんど号ごう、國學院大學こくがくいんだいがく民俗みんぞく学がく研究けんきゅう会かい、1955年ねん、109頁ぺーじ、NCID BN13889905。
^ 村上むらかみ健司けんじ編著へんちょ『日本にっぽん妖怪ようかい大だい事典じてん』角川書店かどかわしょてん〈Kwai books〉、2005年ねん、195-196頁ぺーじ。ISBN 978-4-04-883926-6。
^ 和田わだ孝たかし弌. “「信濃しなのでぃらんぼう音おん舞まい」普及ふきゅう保存ほぞん会かいホームページ”. 信濃しなのでぃらんぼう音おん舞まい普及ふきゅう保存ほぞん. 2011年ねん2月がつ13日にち閲覧えつらん。
^ ^a ^b 宮田みやた登のぼる著ちょ「諸国しょこくの富士ふじと巨人きょじん伝説でんせつ」、斉藤さいとう滋しげる与あずか史し他た編へん『静岡しずおか県けん史し24民俗みんぞく2』静岡しずおか県けん、1993年ねん、957-964頁ぺーじ。
^ 竹川たけかわ義徳よしのり「節分せつぶんの行事ぎょうじ」『民間みんかん伝承でんしょう』5巻かん6号ごう、民間みんかん伝承でんしょうの会かい、1940年ねん3月がつ、5頁ぺーじ。
^ ^a ^b 高木たかぎ直子なおこ他た著ちょ「その他たの伝説でんせつ」、塚田つかだ正ただし朋とも他た編へん『長野ながの県けん史し民俗みんぞく編へん』 3巻かん3号ごう、長野ながの県けん、1990年ねん、483-484頁ぺーじ。
^ 中村なかむら成文せいぶん「大だい太ふとし法師ほうし伝説でんせつ四よん種しゅ」『郷土きょうど研究けんきゅう』4巻かん7号ごう、郷土きょうど研究けんきゅう社しゃ、1916年ねん10月がつ、50-51頁ぺーじ。
^ 井田いだ安雄やすお著ちょ「群馬ぐんまの伝説でんせつの代表だいひょう例れい」、志村しむら彦衛他た編へん『群馬ぐんま県けん史し資料しりょう編へん27民俗みんぞく3』群馬ぐんま県けん、1982年ねん、773頁ぺーじ。
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f 村上むらかみ健司けんじ『妖怪ようかい事典じてん』毎日新聞社まいにちしんぶんしゃ、2000年ねん、206,207,226頁ぺーじ。
^ 『佐久さく口碑こうひ伝説でんせつ集しゅう南佐久みなみさく編へん限定げんてい復刻ふっこく版ばん』発行はっこう者しゃ長野ながの県けん佐久さく市し教育きょういく委員いいん会かい、全ぜん332頁ぺーじ中ちゅう105～7頁ぺーじ、昭和しょうわ53年ねん9月がつ20日はつか発行はっこう
^ ^a ^b ^c “富士山ふじさんへ注そそぐ琵琶湖びわこの水みずくむ　滋賀しが・近江八幡おうみはちまん、伝説でんせつが結むすぶ”. 京都きょうと新聞しんぶん. (2014年ねん7月がつ24日にち) 2014年ねん7月がつ25日にち閲覧えつらん。
^ 衣ころも袖そで漬づけ常陸ひたち國こく風土記ふどき香が島しま郡ぐん／那賀なか郡ぐん
^ 那珂川なかがわ沿岸えんがん農業のうぎょう水利すいり事業じぎょう所しょ. “さらに詳くわしく大串おおぐし貝塚かいづかと巨人きょじん伝説でんせつ”. 公式こうしきウェブサイト. 関東かんとう農政のうせい局きょく. 2019年ねん5月がつ20日はつか閲覧えつらん。
^ ^a ^b “大串おおぐし貝塚かいづか”. コトバンク. 2019年ねん5月がつ20日はつか閲覧えつらん。
^ 鷹野たかの光行みつゆき（博物館はくぶつかん学者がくしゃ、東北とうほく歴史れきし博物館はくぶつかん館長かんちょう）. “第だい3回かい館長かんちょう講座こうざ『縄なわ紋もん時代じだいの研究けんきゅう史し明治めいじ時代じだい以前いぜんと大森おおもり貝塚かいづか』” (PDF). 公式こうしきウェブサイト. 東北とうほく歴史れきし博物館はくぶつかん、宮城みやぎ県けん. p. 1. 2019年ねん5月がつ20日はつか閲覧えつらん。
^ 廣岡ひろおか義隆よしたか「古典こてんのテキストについて:文学ぶんがく研究けんきゅうにおけるテキスト論ろん」『三重大学みえだいがく日本語にほんご学がく文学ぶんがく』第だい17号ごう、三重大学みえだいがく日本語にほんご学がく文学ぶんがく研究けんきゅう室しつ、2006年ねん6月がつ、13-21頁ぺーじ、ISSN 09184449、NAID 120000947942。
^ 小田おだ勝まさる『日本語にほんご史し要よう講こう』2008年ねん - Google "上古じょうこ有人ゆうじん"
^ “大串おおぐし貝塚かいづか”. 小学館しょうがくかん『日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ：ニッポニカ』. コトバンク. 2019年ねん5月がつ20日はつか閲覧えつらん。
^ “大串おおぐし貝塚かいづか”. 講談社こうだんしゃ『国くに指定してい史跡しせきガイド』. コトバンク. 2019年ねん5月がつ20日はつか閲覧えつらん。
^ “大串おおぐし貝塚かいづか”. 『ブリタニカ国際こくさい大だい百科ひゃっか事典じてん小しょう項目こうもく事典じてん』. コトバンク. 2019年ねん5月がつ20日はつか閲覧えつらん。
^ “大串おおぐし貝塚かいづか”. 小学しょうがく館かん『精選せいせん版ばん日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてん』. コトバンク. 2019年ねん5月がつ20日はつか閲覧えつらん。
^ 衣ころも袖そで漬づけ常陸ひたち國こく風土記ふどき　託たく賀が郡ぐん／賀が毛げ郡ぐん／美嚢みのう郡ぐん針はり間あいだ播磨はりま國こく風土記ふどき託たく賀が郡ぐん
^ ^a ^b 安部あべ晃司こうじ他た著ちょ、人文じんぶん社しゃ編集へんしゅう部ぶ編へん『日本にっぽんの謎なぞと不思議ふしぎ大全たいぜん東日本ひがしにっぽん編へん』人文じんぶん社しゃ〈ものしりミニシリーズ〉、2006年ねん、122頁ぺーじ。ISBN 978-4-7959-1986-0。
^ 『日本にっぽんの民話みんわ20上うえ州しゅうの民話みんわ第だい一いち集しゅう』1959年ねん、140～4頁ぺーじ（榛名はるなの大男おおおとこ）未來社みらいしゃ
^ 『佐久さく口碑こうひ伝説でんせつ集しゅう北佐久きたさく編へん限定げんてい復刻ふっこく版ばん』発行はっこう者しゃ長野ながの県けん佐久さく市し教育きょういく委員いいん会かい、全ぜん434頁ぺーじ中ちゅう、219頁ぺーじ、昭和しょうわ53年ねん11月15日にち発行はっこう
^ “大多羅おおだら法師ほうしの井戸いど – 武蔵村山むさしむらやま観光かんこうまちづくり協会きょうかい”. 2022年ねん10月がつ12日にち閲覧えつらん。
^ “デエダラボッチ、現げんる。村山むらやまデエダラまつりオフィシャルサイト”. www.dedara.com. 2022年ねん10月がつ12日にち閲覧えつらん。
^ 『代田しろたのダイダラボッチ』（きむらけん著ちょ）北沢きたざわ川がわ文化ぶんか遺産いさん保存ほぞんの会かい紀要きよう第だい5号ごう、2017年ねん／『浦和うらわ市し史し民俗みんぞく編へん』浦和うらわ市し総務そうむ部ぶ市し史し編へんさん室しつ、昭和しょうわ55年ねん、793頁ぺーじ。
^ “代田しろたダイダラボッチ音頭おんど=”. 2021年ねん3月がつ28日にち閲覧えつらん。
^ 座間ざま美都みと治ち『相模原さがみはら民話みんわ伝説でんせつ集しゅう』座間ざま美都みと治ち、1978年ねん11月、44-45頁ぺーじ。
^ 山主やまぬし敏子としこ『さがみはらのふるさと絵本えほん』相模原さがみはら市し教育きょういく委員いいん会かい、1999年ねん11月、52頁ぺーじ。
^ “巨人きょじんの足跡あしあとがある!？相模原さがみはら市しに残のこる巨人きょじん伝説でんせつ「でいらぼっち」とは？ - かなっぺ相模さがみ版ばん｜出でかけよう！かながわの地域ちいきポータルサイト for Smartphone”. kanape-sagami.com. 2022年ねん8月がつ28日にち閲覧えつらん。
^ “11.でいらぼっち伝説でんせつ伝承でんしょう地ち（でいらぼっちでんせつでんしょうち）”. 相模原さがみはら市し. 2022年ねん8月がつ28日にち閲覧えつらん。
^ 『佐久さく口碑こうひ伝説でんせつ集しゅう北佐久きたさく編へん限定げんてい復刻ふっこく版ばん』発行はっこう者しゃ長野ながの県けん佐久さく市し教育きょういく委員いいん会かい、全ぜん434頁ぺーじ中ちゅう 218頁ぺーじ、昭和しょうわ53年ねん11月15日にち発行はっこう。
^ https://u5h.jp/one-panel/2707/
^ 草野くさの巧たくみ『幻想げんそう動物どうぶつ事典じてん』新しん紀元きげん社しゃ、1997年ねん、190頁ぺーじ。
^ “大串おおぐし貝塚かいづかふれあい公園こうえん（埋蔵まいぞう文化財ぶんかざいセンター）”. 水戸みと市し (2013年ねん4月がつ2日にち). 2017年ねん4月がつ17日にち閲覧えつらん。
^ 『佐久さく口碑こうひ伝説でんせつ集しゅう北佐久きたさく編へん限定げんてい復刻ふっこく版ばん』発行はっこう者しゃ長野ながの県けん佐久さく市し教育きょういく委員いいん会かい、全ぜん434頁ぺーじ中ちゅう、216頁ぺーじ、昭和しょうわ53年ねん11月15日にち発行はっこう。
^ ^a ^b 秋田あきたの昔話むかしばなし・伝説でんせつ・世間せけん話ばなし口承こうしょう文芸ぶんげい検索けんさくシステム鳥とりの海うみの干拓かんたく
^ 『佐久さく口碑こうひ伝説でんせつ集しゅう南佐久みなみさく編へん限定げんてい復刻ふっこく版ばん』発行はっこう者しゃ長野ながの県けん佐久さく市し教育きょういく委員いいん会かい、全ぜん332頁ぺーじ中ちゅう 105頁ぺーじ、昭和しょうわ53年ねん9月がつ20日はつか発行はっこう。
^ 今こん瀬せら文也ふみや「「ダイダラ坊ぼう」考こう」『茨城いばらきの民俗みんぞく』第だい31号ごう、茨城いばらき民俗みんぞく学会がっかい、1992年ねん12月、36-46頁ぺーじ。

参考さんこう文献ぶんけん

柳田やなぎだ, 国男くにお『妖怪ようかい談義だんぎ』講談社こうだんしゃ、1977年ねん。ISBN 406158135X。 NCID BN04293132。OCLC 33519725。

@@ 1行ぎょう目め: / 1行ぎょう目め: @@
+{{otheruses}}
-{{Otheruseslist|日本にっぽんの巨人きょじん妖怪ようかい|小惑星しょうわくせい|ダイダラボッチ (小惑星しょうわくせい)|音楽おんがくユニット|ダイダラボッチ (ユニット)|[[RADWIMPS]]の楽曲がっきょく|絶体絶命ぜったいぜつめい (アルバム)|エビ|ヨコエビ#おもな種類しゅるい}}
-[[ファイル:Daidarabocchi 1.jpg|thumb|[[勝川かちがわ春はる章あきら]]・[[勝川かちがわ春はる英えい]]画が『[[異い魔ま話ばなし武ぶ可か誌し|怪談かいだん百ひゃく鬼おに図会ずえ]]』より「[[大入道おおにゅうどう]]」。ダイダラボッチのイメージに近ちかいものと考かんがえられている<ref>{{Cite book|和書わしょ|author=宮本みやもと幸枝ゆきえ・熊谷くまがいあづさ|title=日本にっぽんの妖怪ようかいの謎なぞと不思議ふしぎ|year=2007|publisher=[[学研がっけんホールディングス|学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ]]|series=GAKKEN MOOK|ncid=BA81963861|isbn=978-4-05-604760-8|pages=89頁ぺーじ}}</ref>。]]
+[[ファイル:Daidarabocchi 1.jpg|thumb|[[勝川かちがわ春はる章あきら]]・[[勝川かちがわ春はる英えい]]画が『[[異い魔ま話ばなし武ぶ可か誌し|怪談かいだん百ひゃく鬼おに図会ずえ]]』より「[[大入道おおにゅうどう]]」。ダイダラボッチのイメージに近ちかいものと考かんがえられている<ref>{{Cite book|和書わしょ|author=宮本みやもと幸枝ゆきえ・熊谷くまがいあづさ|title=日本にっぽんの妖怪ようかいの謎なぞと不思議ふしぎ|year=2007|publisher=[[学研がっけんホールディングス|学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ]]|series=GAKKEN MOOK|ncid=BA81963861|isbn=978-4-05-604760-8|page=89}}</ref>。]]
-'''ダイダラボッチ'''は、[[日本にっぽん]]の各地かくちで伝承でんしょうされる[[巨人きょじん (伝説でんせつの生物せいぶつ)|巨人きょじん]]。類似るいじの名称めいしょうが数多かずおおく存在そんざいするが、以下いか<!-- 本ほん記事きじ -->では便宜べんぎ的てきにダイダラボッチと呼称こしょうする。山さんや湖沼こしょうを作つくったという伝承でんしょうが多おおく、元々もともとは[[大国たいこく主ぬしの国くにづくり|国くにづくり]]の神かみに対たいする巨人きょじん信仰しんこうがダイダラボッチ伝承でんしょうを生うんだと考かんがえられている（[[鬼おに]]や大男おおおとこなどの[[妖怪ようかい]]伝承でんしょうが巨人きょじん伝承でんしょうになったという説せつもある。）<ref name="Y">『妖怪ようかいの本ほん』 学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ、1999年ねん、92,98頁ぺーじ。92頁ぺーじの挿絵さしえ（加賀かが国こく河北かほく郡ぐん木越きごしの光林寺こうりんじ跡あとで大だい太ふとし法師ほうしの足跡あしあとを見物けんぶつする人々ひとびと）の出典しゅってんは『古今ここん角かく偉えら談だん』巻まき之の二にの「大だい足跡あしあとと大だい足跡あしあととの角かく偉えら」</ref>。
+'''ダイダラボッチ'''は、[[日本にっぽん]]の各地かくちで伝承でんしょうされる[[巨人きょじん (伝説でんせつの生物せいぶつ)|巨人きょじん]]。類似るいじの名称めいしょうが数多かずおおく存在そんざいするが、以下いか<!-- 本ほん記事きじ -->では便宜べんぎ的てきにダイダラボッチと呼称こしょうする。山さんや湖沼こしょうを作つくったという伝承でんしょうが多おおく、元々もともとは[[大国たいこく主ぬしの国くにづくり|国くにづくり]]の神かみに対たいする巨人きょじん信仰しんこうがダイダラボッチ伝承でんしょうを生うんだと考かんがえられている（[[鬼おに]]や大男おおおとこなどの[[妖怪ようかい]]伝承でんしょうが巨人きょじん伝承でんしょうになったという説せつもある。）<ref name="Y">『妖怪ようかいの本ほん』学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ、1999年ねん、92,98頁ぺーじ。92頁ぺーじの挿絵さしえ（加賀かが国こく河北かほく郡ぐん木越きごしの光林寺こうりんじ跡あとで大だい太ふとし法師ほうしの足跡あしあとを見物けんぶつする人々ひとびと）は『[[北越ほくえつ奇談きだん]]』のものと書かかれているが、正確せいかくには『古今ここん角かく偉えら談だん』巻まき之の二にの「大だい足跡あしあとと大だい足跡あしあととの角かく偉えら」である。</ref>。
 == 概要がいよう ==
-[[柳田やなぎだ國男くにお]]が「ダイダラ坊ぼうの足跡あしあと」（[[1927年ねん]]（[[昭和しょうわ]]2年ねん）[[4月がつ]]、『[[中央公論ちゅうおうこうろん]]』）<ref>[http://www.h7.dion.ne.jp/~musashi/daidarabo.htm 「ダイダラ坊ぼうの足跡あしあと」]</ref>で日本にっぽん各地かくちから集あつめたダイダラボッチ伝説でんせつを考察こうさつしており<ref group="*">{{harv|柳田やなぎだ|1977}}の「じんだら沼ぬま記事きじ」（『妖怪ようかい談義だんぎ』所収しょしゅう）にて[[相模原さがみはら市し]]大沼おおぬまに調査ちょうさに行いったとの記述きじゅつあり。その地ちではダイダラボッチの伝説でんせつは無なかったと落胆らくたんしているが、ダイダラボッチ伝説でんせつがあるのは北きたに5キロメートルほどずれた鹿沼かぬまであった。</ref>、ダイダラボッチは「大だい人ひと（おおひと）」を意味いみする「大だい太ふとし郎ろう」に[[法師ほうし]]を付加ふかした「'''大だい太郎たろう法師ほうし'''」で、[[一寸法師いっすんぼうし]]の反対はんたいの意味いみであるとしている。
+[[柳田やなぎだ國男くにお]]が「ダイダラ坊ぼうの足跡あしあと」（[[1927年ねん]]〈[[昭和しょうわ]]2年ねん〉[[4月がつ]]、『[[中央公論ちゅうおうこうろん]]』）<ref>[https://dl.ndl.go.jp/pid/1444010/1/193 「ダイダラ坊ぼうの足跡あしあと」]</ref>で日本にっぽん各地かくちから集あつめたダイダラボッチ伝説でんせつを考察こうさつしている<ref group="*">{{harv|柳田やなぎだ|1977}}の「じんだら沼ぬま記事きじ」（『妖怪ようかい談義だんぎ』所収しょしゅう）にて[[相模原さがみはら市し]]大沼おおぬまに調査ちょうさに行いったとの記述きじゅつあり。その地ちではダイダラボッチの伝説でんせつは無なかったと落胆らくたんしているが、ダイダラボッチ伝説でんせつがあるのは北きたに5キロメートルほどずれた鹿沼かぬまであった。</ref>。江戸えど後期こうきの[[柳やなぎ亭てい種彦たねひこ]]による随筆ずいひつ、『用捨ようしゃ箱ばこ』には「大だい太ふとし発意はつい（だいだぼっち）は大男おおおとこを謗そしりいひしにて、一寸法師いっすんぼうしの反対はんたいなり」とある<ref>[https://kotobank.jp/word/%E5%A4%A7%E5%A4%AA%E6%B3%95%E5%B8%AB-91604#E7.B2.BE.E9.81.B8.E7.89.88.20.E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.9B.BD.E8.AA.9E.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E5.85.B8 「大だい太ふとし法師ほうし」 - 精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてん]、小学しょうがく館かん。</ref>。[[南方みなかた熊楠くまぐす]]は「大だい太ふとしボッチ」の「大だい太ふとし」を「'''大だい太郎たろう'''」の略りゃくであると推測すいそくしている<ref>南方みなかた熊楠くまぐす『[https://dl.ndl.go.jp/pid/3559277/1/31 ダイダラボウシの足跡あしあと]』（東洋とうよう學藝がくげい雜誌ざっし 25(319)、東京とうきょう社しゃ [編へん]、東京とうきょう社しゃ、1908-04、pp.182-185）</ref>。
 == 名称めいしょう ==
-「でいだらぼっち<ref>{{Cite web|url=http://www.snsagami.org/hyakusen/j_so/minwa/deidara.htm |title=でいだらぼっち|work=[http://www.snsagami.org/hyakusen/hyakusen.htm さがみはら百ひゃく選せん]|publisher=[http://www.snsagami.org/index.php シニアネット相模原さがみはら] |accessdate=2011年ねん2月がつ13日にち }}</ref>」、「ダイランボウ<ref>{{Cite journal|和書わしょ|author=井ノ口いのぐち章次しょうじ他た編へん|year=1955|title=静岡しずおか県けん[[庵原いはら郡ぐん]][[両りょう河内かわち村むら]]|journal=民俗みんぞく採訪さいほう|issue=昭和しょうわ29年度ねんど号ごう|id={{NCID|BN13889905}}|pages=109頁ぺーじ|publisher=[[國學院大學こくがくいんだいがく]]民俗みんぞく学がく研究けんきゅう会かい}}</ref>」、「だいだらぼう<ref>{{Cite book|和書わしょ|author=[[村上むらかみ健司けんじ]]編著へんちょ|title=日本にっぽん妖怪ようかい大だい事典じてん|year=2005|publisher=[[角川書店かどかわしょてん]]|series=Kwai books|isbn=978-4-04-883926-6|pages=195-196頁ぺーじ}}</ref>」、「でいらんぼう<ref>{{Cite web|author=和田わだ孝たかし弌|url=http://deiranbou.s43.xrea.com/ |title=「信濃しなのでぃらんぼう音おん舞まい」普及ふきゅう保存ほぞん会かいホームページ|publisher=信濃しなのでぃらんぼう音おん舞まい普及ふきゅう保存ほぞん |accessdate=2011年ねん2月がつ13日にち }}</ref>」、「だいらぼう<ref name="宮田みやた1993">{{Cite book|和書わしょ|author=[[宮田みやた登のぼる]]|editor=斉藤さいとう滋しげる与あずか史し他ほか編へん|title=静岡しずおか県けん史し24民俗みんぞく2|year=1993|publisher=[[静岡しずおか県けん]]|pages=957-964|chapter=諸国しょこくの富士ふじと巨人きょじん伝説でんせつ}}</ref>」、「デエダラボッチ<ref>{{Cite journal|和書わしょ|author=竹川たけかわ義徳よしのり|year=1940|month=3|title=節分せつぶんの行事ぎょうじ|journal=民間みんかん伝承でんしょう|volume=5巻かん|issue=6号ごう|pages=5|publisher=民間みんかん伝承でんしょうの会かい}}</ref>」、「デイラボッチ{{r|宮田みやた1993}}」、「デイラボッチャ<ref name="高木たかぎ他た1990">{{Cite book|和書わしょ|author=高木たかぎ直子なおこ他た|editor=塚田つかだ正ただし朋とも他ほか編へん|title=長野ながの県けん史し民俗みんぞく編へん|year=1990|publisher=[[長野ながの県けん]]|volume=3巻かん3号ごう|pages=483-484|chapter=その他たの伝説でんせつ}}</ref>」、「デーラボッチャ{{r|高木たかぎ他た1990}}」、「デエラボッチ<ref>{{Cite journal|和書わしょ|author=中村なかむら成文せいぶん|year=1916|month=10|title=大だい太ふとし法師ほうし伝説でんせつ四よん種しゅ|journal=郷土きょうど研究けんきゅう|volume=4巻かん|issue=7号ごう|pages=50-51|publisher=郷土きょうど研究けんきゅう社しゃ}}</ref>」、「デーラボッチ<ref name="井田いだ1982">{{Cite book|和書わしょ|author=井田いだ安雄やすお|editor=志村しむら彦衛他ほか編へん|title=群馬ぐんま県けん史し資料しりょう編へん27民俗みんぞく3|year=1982|publisher=[[群馬ぐんま県けん]]|pages=773|chapter=群馬ぐんまの伝説でんせつの代表だいひょう例れい}}</ref>」、「タイタンボウ{{r|Y}}」（藤澤ふじさわ衛彦もりひこ「巨人きょじん伝説でんせつ考こう」、『日本にっぽん伝説でんせつ研究けんきゅう第だい三さん巻かん』所収しょしゅう。ただし、石川いしかわ県立けんりつ図書館としょかんの調査ちょうさによれば、能登のと地方ちほうに「たいたん坊ぼう」という呼称こしょうは見みつかっていない。藤澤ふじさわの創作そうさくの可能かのう性せいがある）、「デエデエボウ<ref name="YJ">村上むらかみ健司けんじ 『妖怪ようかい事典じてん』 毎日新聞社まいにちしんぶんしゃ、2000年ねん、206,207,226頁ぺーじ。</ref>」、「デイデンボメ{{r|YJ}}」（高木たかぎ敏雄としお『日本にっぽん伝説でんせつ集しゅう』）（柳田やなぎだ国男くにお「ダイダラ坊ぼうの足跡あしあと」には「デンデンボメ」とあるが、出典しゅってんは『日本にっぽん伝説でんせつ集しゅう』であり、明白めいはくな誤記ごきである。従したがって、「デンデンボメ」は実在じつざいしない呼称こしょうである。『定本ていほん柳田やなぎだ国男くにお集しゅう５』３１１頁ぺーじ参照さんしょう）、「ダイトウボウシ{{r|YJ}}」、「レイラボッチ{{r|YJ}}」、「ダダ星ぼし{{r|YJ}}」、「おおきいぼちゃぼちゃ」<ref>『佐久さく口碑こうひ伝説でんせつ集しゅう南佐久みなみさく編へん限定げんてい復刻ふっこく版ばん』発行はっこう者しゃ長野ながの県けん佐久さく市し教育きょういく委員いいん会かい　全ぜん332頁ぺーじ中ちゅう105～7頁ぺーじ　昭和しょうわ53年ねん9月がつ20日はつか発行はっこう
+「でいだらぼっち<ref>{{Cite web|和書わしょ|url=http://www.snsagami.org/hyakusen/j_so/minwa/deidara.htm |title=でいだらぼっち|work=[http://www.snsagami.org/hyakusen/hyakusen.htm さがみはら百ひゃく選せん]|publisher=[http://www.snsagami.org/index.php シニアネット相模原さがみはら] |accessdate=2011年ねん2月がつ13日にち }}</ref>」、「ダイランボウ<ref>{{Cite journal|和書わしょ|author=井ノ口いのぐち章次しょうじ他た編へん|year=1955|title=静岡しずおか県けん[[庵原いはら郡ぐん]][[両りょう河内かわち村むら]]|journal=民俗みんぞく採訪さいほう|issue=昭和しょうわ29年度ねんど号ごう|id={{NCID|BN13889905}}|pages=109頁ぺーじ|publisher=[[國學院大學こくがくいんだいがく]]民俗みんぞく学がく研究けんきゅう会かい}}</ref>」、「だいだらぼう<ref>{{Cite book|和書わしょ|author=村上むらかみ健司けんじ編著へんちょ|authorlink=村上むらかみ健司けんじ|title=日本にっぽん妖怪ようかい大だい事典じてん|year=2005|publisher=[[角川書店かどかわしょてん]]|series=Kwai books|isbn=978-4-04-883926-6|pages=195-196}}</ref>」、「でいらんぼう<ref>{{Cite web|和書わしょ|author=和田わだ孝たかし弌|url=http://deiranbou.s43.xrea.com/ |title=「信濃しなのでぃらんぼう音おん舞まい」普及ふきゅう保存ほぞん会かいホームページ|publisher=信濃しなのでぃらんぼう音おん舞まい普及ふきゅう保存ほぞん |accessdate=2011年ねん2月がつ13日にち }}</ref>」、「だいらぼう<ref name="宮田みやた1993">{{Cite book|和書わしょ|author=宮田みやた登のぼる|authorlink=宮田みやた登のぼる|editor=斉藤さいとう滋しげる与あずか史し他た|title=静岡しずおか県けん史し24民俗みんぞく2|year=1993|publisher=[[静岡しずおか県けん]]|pages=957-964|chapter=諸国しょこくの富士ふじと巨人きょじん伝説でんせつ}}</ref>」、「デエダラボッチ<ref>{{Cite journal|和書わしょ|author=竹川たけかわ義徳よしのり|year=1940|month=3|title=節分せつぶんの行事ぎょうじ|journal=民間みんかん伝承でんしょう|volume=5巻かん|issue=6号ごう|pages=5|publisher=民間みんかん伝承でんしょうの会かい}}</ref>」、「デイラボッチ{{r|宮田みやた1993}}」、「デイラボッチャ<ref name="高木たかぎ他た1990">{{Cite book|和書わしょ|author=高木たかぎ直子なおこ他た|editor=塚田つかだ正ただし朋とも他た|title=長野ながの県けん史し民俗みんぞく編へん|year=1990|publisher=[[長野ながの県けん]]|volume=3巻かん3号ごう|pages=483-484|chapter=その他たの伝説でんせつ}}</ref>」、「デーラボッチャ{{r|高木たかぎ他た1990}}」、「デエラボッチ<ref>{{Cite journal|和書わしょ|author=中村なかむら成文せいぶん|year=1916|month=10|title=大だい太ふとし法師ほうし伝説でんせつ四よん種しゅ|journal=郷土きょうど研究けんきゅう|volume=4巻かん|issue=7号ごう|pages=50-51|publisher=郷土きょうど研究けんきゅう社しゃ}}</ref>」、「デーラボッチ<ref name="井田いだ1982">{{Cite book|和書わしょ|author=井田いだ安雄やすお|editor=志村しむら彦衛他た|title=群馬ぐんま県けん史し資料しりょう編へん27民俗みんぞく3|year=1982|publisher=[[群馬ぐんま県けん]]|page=773|chapter=群馬ぐんまの伝説でんせつの代表だいひょう例れい}}</ref>」、「タイタンボウ{{r|Y}}<ref group="*">藤澤ふじさわ衛彦もりひこ「巨人きょじん伝説でんせつ考こう」、『日本にっぽん伝説でんせつ研究けんきゅう第だい三さん巻かん』所収しょしゅう。ただし、石川いしかわ県立けんりつ図書館としょかんの調査ちょうさによれば、能登のと地方ちほうに「たいたん坊ぼう」という呼称こしょうは見みつかっておらず、藤澤ふじさわの創作そうさくの可能かのう性せいがある。</ref>」、「デエデエボウ<ref name="YJ">村上むらかみ健司けんじ 『妖怪ようかい事典じてん』 毎日新聞社まいにちしんぶんしゃ、2000年ねん、206,207,226頁ぺーじ。</ref>」、「デイデンボメ{{r|YJ}}<ref group="*">高木たかぎ敏雄としお『日本にっぽん伝説でんせつ集しゅう』より。柳田やなぎだ国男くにおの「ダイダラ坊ぼうの足跡あしあと」には「デンデンボメ」とあるが、元もとの出典しゅってんである『日本にっぽん伝説でんせつ集しゅう』には「デイデンボメ」とあり、誤記ごきである。『定本ていほん柳田やなぎだ国男くにお集しゅう5』311頁ぺーじ参照さんしょう。</ref>」、「ダイトウボウシ{{r|YJ}}」、「レイラボッチ{{r|YJ}}」、「ダダ星ぼし{{r|YJ}}」、「おおきいぼちゃぼちゃ」<ref>『佐久さく口碑こうひ伝説でんせつ集しゅう南佐久みなみさく編へん限定げんてい復刻ふっこく版ばん』発行はっこう者しゃ長野ながの県けん佐久さく市し教育きょういく委員いいん会かい、全ぜん332頁ぺーじ中ちゅう105～7頁ぺーじ、昭和しょうわ53年ねん9月がつ20日はつか発行はっこう
-</ref>。　等ひとし様々さまざまな呼よび名ながある。'''大だい太ふとし法師ほうし'''（だいだらぼっち）{{r|kyoto-np}}、'''大だい太郎坊たろぼう'''（だいだらぼう）とも表記ひょうきし、九州きゅうしゅうでは'''[[弥五郎やごろうどん|大人おとな弥五郎やごろう]]'''（おおひとやごろう）と呼よばれる{{r|Y}}。
+</ref>等とう様々さまざまな呼よび名ながある。'''大だい太ふとし法師ほうし'''（だいだらぼっち）{{r|kyoto-np}}、'''大だい太郎坊たろぼう'''（だいだらぼう）とも表記ひょうきし、九州きゅうしゅうでは'''[[弥五郎やごろうどん|大人おとな弥五郎やごろう]]'''（おおひとやごろう）と呼よばれる{{r|Y}}。
 == 文献ぶんけん ==
 === 常陸ひたち国こく風土記ふどき ===
 {{Anchors|『常陸ひたち国こく風土記ふどき』那賀なか郡ぐん条じょう|平津ひらつ駅えき家か条じょう|大櫛おおくし之の岡おか|大串おおぐし貝塚かいづか}}
-[[奈良なら時代じだい]]に成立せいりつした『[[常陸ひたち国こく風土記ふどき]]』のうち、[[常陸ひたち国こく]]の那賀なか郡ぐん（{{small|なかのこおり}}<ref>[http://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/fuudo/hitachi/hitachi03.htm 衣ころも袖そで漬づけ常陸ひたち國こく風土記ふどき 香が島しま郡ぐん／那賀なか郡ぐん]</ref>）（現在げんざいの[[茨城いばらき県けん]][[那珂なか郡ぐん]]〈{{small|なかぐん}}〉）について記しるされた「那賀なが略記りゃっき」には、以下いかのとおり、大昔おおむかしの「大櫛おおくし之の岡おか（おおくしのおか）」にいたという長大ちょうだいな人ひとについての記述きじゅつ（平津ひらつ駅えき家か条じょう）がある。<ref name="関東かんとう農政のうせい局きょく_大串おおぐし巨人きょじん">{{Cite web |url=http://www.maff.go.jp/kanto/nouson/sekkei/kokuei/nakagawa/rekishi/01_1.html |title=さらに詳くわしく  大串おおぐし貝塚かいづかと巨人きょじん伝説でんせつ  |author=那珂川なかがわ沿岸えんがん農業のうぎょう水利すいり事業じぎょう所しょ |date= |work=公式こうしきウェブサイト |publisher=[[関東かんとう農政のうせい局きょく]] |accessdate=2019-05-20 }}</ref><ref name="Kb_大串おおぐし貝塚かいづか">{{Cite web |url=https://kotobank.jp/word/大串おおぐし貝塚かいづか |title=大串おおぐし貝塚かいづか |work= |publisher=[[コトバンク]] |accessdate=2019-05-20 }}</ref><ref name="THM-鷹野たかの講座こうざ3">{{Cite web |url=http://www.thm.pref.miyagi.jp/event/media_files/cms/upfile/839/%E7%AC%AC3%E5%9B%9E%E9%A4%A8%E9%95%B7%E8%AC%9B%E5%BA%A7.pdf |title=第だい3回かい館長かんちょう講座こうざ『縄なわ紋もん時代じだいの研究けんきゅう史し 明治めいじ時代じだい以前いぜんと大森おおもり貝塚かいづか』 |author=鷹野たかの光行みつゆき（博物館はくぶつかん学者がくしゃ、東北とうほく歴史れきし博物館はくぶつかん館長かんちょう） |date= |page=1 |format=PDF |work=公式こうしきウェブサイト |publisher=[[東北とうほく歴史れきし博物館はくぶつかん]]、[[宮城みやぎ県けん]] |accessdate=2019-05-20 }}</ref><ref name="Mie-U_平津ひらつ駅えき家か">古典こてんのテキストについて : 文学ぶんがく研究けんきゅうにおけるテキ スト論ろん [PDF] 三重大学みえだいがく学がく術じゅつ機関きかんリポジトリ研究けんきゅう教育きょういく成果せいかコレクション</ref><ref name="Google_上古じょうこ有人ゆうじん">小田おだ勝まさる『日本語にほんご史し要よう講こう』2008年ねん - Google "[https://books.google.co.jp/books?id=nSG62C5WHWMC&pg=PA26&lpg=PA26&dq=%E4%B8%8A%E5%8F%A4%E6%9C%89%E4%BA%BA&source=bl&ots=Lp3WS2iaP3&sig=ACfU3U0-wD1fy1IC2HMH6XpETizBzJfatQ&hl=ja&sa=X&ved=2ahUKEwjzvLLWwajiAhUG77wKHQc_C-gQ6AEwBXoECAYQAQ#v=onepage&q=%E4%B8%8A%E5%8F%A4%E6%9C%89%E4%BA%BA&f=false 上古じょうこ有人ゆうじん]"</ref>
+[[奈良なら時代じだい]]に成立せいりつした『[[常陸ひたち国こく風土記ふどき]]』のうち、[[常陸ひたち国こく]]の那賀なか郡ぐん（{{small|なかのこおり}}<ref>[http://miko.org/~uraki/kuon/furu/text/fuudo/hitachi/hitachi03.htm 衣ころも袖そで漬づけ常陸ひたち國こく風土記ふどき 香が島しま郡ぐん／那賀なか郡ぐん]</ref> 現在げんざいの[[茨城いばらき県けん]][[那珂なか郡ぐん]]〈{{small|なかぐん}}〉）について記しるされた「那賀なが略記りゃっき」には、大昔おおむかしの「大櫛おおくし之の岡おか（おおくしのおか）」にいたという長大ちょうだいな人ひとについての記述きじゅつ（平津ひらつ駅えき家か条じょう）が以下いかのようにある。<ref name="関東かんとう農政のうせい局きょく_大串おおぐし巨人きょじん">{{Cite web|和書わしょ|url=http://www.maff.go.jp/kanto/nouson/sekkei/kokuei/nakagawa/rekishi/01_1.html |title=さらに詳くわしく  大串おおぐし貝塚かいづかと巨人きょじん伝説でんせつ  |author=那珂川なかがわ沿岸えんがん農業のうぎょう水利すいり事業じぎょう所しょ |date= |work=公式こうしきウェブサイト |publisher=[[関東かんとう農政のうせい局きょく]] |accessdate=2019-05-20 }}</ref><ref name="Kb_大串おおぐし貝塚かいづか">{{Cite web|和書わしょ|url=https://kotobank.jp/word/大串おおぐし貝塚かいづか |title=大串おおぐし貝塚かいづか |work= |publisher=[[コトバンク]] |accessdate=2019-05-20 }}</ref><ref name="THM-鷹野たかの講座こうざ3">{{Cite web|和書わしょ|url=http://www.thm.pref.miyagi.jp/wp-content/uploads/2016/08/868f9d73e4a3259cab3432af1a18b435.pdf |title=第だい3回かい館長かんちょう講座こうざ『縄なわ紋もん時代じだいの研究けんきゅう史し 明治めいじ時代じだい以前いぜんと大森おおもり貝塚かいづか』 |author=鷹野たかの光行みつゆき（博物館はくぶつかん学者がくしゃ、東北とうほく歴史れきし博物館はくぶつかん館長かんちょう） |date= |page=1 |format=PDF |work=公式こうしきウェブサイト |publisher=[[東北とうほく歴史れきし博物館はくぶつかん]]、[[宮城みやぎ県けん]] |accessdate=2019-05-20 }}</ref><ref name="Mie-U_平津ひらつ駅えき家か">{{Cite journal|和書わしょ|author=廣岡ひろおか義隆よしたか |title=古典こてんのテキストについて:文学ぶんがく研究けんきゅうにおけるテキスト論ろん |journal=三重大学みえだいがく日本語にほんご学がく文学ぶんがく |ISSN=09184449 |publisher=三重大学みえだいがく日本語にほんご学がく文ぶん学がく研究けんきゅう室しつ |year=2006 |month=jun |issue=17 |pages=13-21 |naid=120000947942 |url=https://hdl.handle.net/10076/6639}}</ref><ref name="Google_上古じょうこ有人ゆうじん">小田おだ勝まさる『日本語にほんご史し要よう講こう』2008年ねん - Google "[https://books.google.co.jp/books?id=nSG62C5WHWMC&pg=PA26&lpg=PA26&dq=%E4%B8%8A%E5%8F%A4%E6%9C%89%E4%BA%BA&source=bl&ots=Lp3WS2iaP3&sig=ACfU3U0-wD1fy1IC2HMH6XpETizBzJfatQ&hl=ja&sa=X&ved=2ahUKEwjzvLLWwajiAhUG77wKHQc_C-gQ6AEwBXoECAYQAQ#v=onepage&q=%E4%B8%8A%E5%8F%A4%E6%9C%89%E4%BA%BA&f=false 上古じょうこ有人ゆうじん]"</ref>
 {{Quotation|《[[原文げんぶん|　原はら　文ぶん　]]》　{{small|※縮小しゅくしょう文字もじは原本げんぽん上じょうの補足ほそく。※[[和字わじ間隔かんかく]]は現代げんだいの補足ほそく。}}<br />平津ひらつ驛えき家西いえにし一いち二に里さと 有岡ありおか 名めい曰 大櫛おおくし 上古じょうこ有人ゆうじん 體たい極ごく長大ちょうだい 身み居きょ丘おか壟之上じょう 手て摎海濱之はまの蜃 {{small|大だい蛤はまぐり也}} 其所食しょく貝かい 積せき聚成岡なるおか 時人じじん 取と大だい朽くち之これ義ぎ 今いま謂いい大だい櫛くし之の岡おか 其踐跡あと {{small|長ちょう卌餘歩ふ 廣こう廿にじゅう餘よ歩ほ 尿にょう穴あな徑みち可か廿にじゅう餘よ歩ほ許もと}}|『常陸ひたち國こく風土記ふどき』那賀なが略記りゃっき}}
 {{Quotation|《[[原文げんぶん#書かき下おろし|書かき下くだし文ぶん]]》　{{small|※[[振ふり仮名がな]]は[[文語ぶんご体たい]]。}}<br />{{ruby|平津ひらつ駅えき家か|ひらつのうまや}}の西にし{{ruby|一二かずじ|いちに}}{{ruby|里さと|り}}に{{ruby|岡おか|をか}}あり。名なを{{ruby|大櫛おおくし|おほくし}}と{{ruby|曰|い}}ふ。{{ruby|上古じょうこ|いにしへ}}、人ひとあり。{{ruby|體からだ|かたち}}は{{ruby|極きょく|きは}}めて{{ruby|長大ちょうだい|たけたか}}く、{{ruby|身み|み}}は{{ruby|丘おか壟|をか}}の{{ruby|上うえ|うへ}}に{{ruby|居きょ|ゐ}}ながら、手ては{{ruby|海浜かいひん|うみべた}}の{{ruby|蜃|うむき}}を{{ruby|摎|くじ}}りぬ。{{ruby|大だい蛤はまぐり|おほうむき}} {{ruby|也|なり}}。{{ruby|其|そ}}の{{ruby|食しょく|く}}らひし{{ruby|貝かい|かひ}}、{{ruby|積せき聚|つも}}りて{{ruby|岡おか|をか}}と{{ruby|成しげる|なり}}き。{{ruby|時人じじん|ときのひと}}、{{ruby|大だい朽くち|おほくち}}の{{ruby|義よし|こころ}}を{{ruby|取と|と}}りて、今いまは{{ruby|大櫛おおくし之の岡おか|おほくしのをか}}と{{ruby|謂いい|い}}ふ。その{{ruby|践|ふ}}みし{{ruby|跡あと|あと}}は、長ながさ{{ruby|卌|しじふ}} {{ruby|歩あゆみ|あし}}{{ruby|余あまり|あまり}}、広ひろさ{{ruby|廿にじゅう|にじふ}} {{ruby|歩あゆみ|あし}}{{ruby|余あまり|あまり}}、{{ruby|尿にょう穴あな|ゆまりのあな}}の{{ruby|径みち|わたり}} {{ruby|廿にじゅう|にじふ}} {{ruby|歩あゆみ|あし}}{{ruby|余あまり|あまり}} {{ruby|許もと|ばかり}}なり。}}
-{{Quotation|《[[原文げんぶん#現代げんだい日本語にほんご訳やく|口語こうご解釈かいしゃく]]例れい》　{{small|※振ふり仮名がなは[[口語こうご]]体からだ。［ ］内ないは文意ぶんいを整ととのえるための補足ほそく文ぶん。（ ）内ないの※に続つづく記述きじゅつは注釈ちゅうしゃく。}}<br />［{{ruby|[[常陸ひたち国こく]]|ひたちのくに}}の{{ruby|[[那珂なか郡ぐん|那賀なか郡ぐん]]|なかのこおり}}にある交通こうつうの要衝ようしょう・］{{ruby|平津ひらつ駅えき家か|ひらつのうまや}}から西にしへ{{ruby|一二かずじ|いちに}}{{ruby|[[里さと]]|り}}もしくは1里り・2里さとほど行いった所ところ<ref group="*">「一いち二に（いちに）」は「わずか」の意い。従したがって「一いち二に里さと」は「里さとの単位たんいでわずかな距離きょり」の意い。しかし「一いち二に里さと」を「1・2里さと」の意いで捉とらえれば、具体ぐたい的てき距離きょりを示しめすものとなり、古代こだい日本にっぽんの1里りは約やく5.3[[キロメートル|km]]<!--約やく533.5m-->、2里りは約やく10.7km<!--約やく10677.9m-->と、数値すうちを割わり出だすことができる。</ref>に{{ruby|岡おか|おか}}（[[丘おか]]）があり、名なを「大櫛おおくし（おおくし）」という。大昔おおむかし、［この地ちに］人にんがいた。［その人ひとの］{{ruby|体からだ|からだ}}は極きわめて{{ruby|長大ちょうだい|ちょうだい}}で、岡おかの上うえにいながらにして手ては[[海浜かいひん]]の{{ruby|蜃|うむき}}を掘ほり起おこしてしまう。［それほどの[[巨人きょじん (伝説でんせつの生物せいぶつ)|巨人きょじん]]であった。］［ここでいう{{ruby|蜃|うむき}}とは］{{ruby|大だい蛤はまぐり|おおうむき}}である（※『うむき（蜃、蛤はまぐり）』は[[ハマグリ]]の[[古語こご]]）<ref group="*">市井しせいの娯楽ごらく本ほんやインターネット上じょうの記述きじゅつで、本文ほんぶん中ちゅうの「蜃」を[[妖怪ようかい]]の「[[蜃]]（しん）」と関連付かんれんづけるものが見みられるが、ここで語かたられている「蜃（うむき、うむぎ）」は実体じったいがあって食用しょくようにされる[[貝類かいるい]]の「蛤はまぐり（うむき、うむぎ）」、すなわち「蛤はまぐり（はまぐり）」のことであって、妖怪ようかいではない。</ref>。その［巨人きょじんの］食たべた[[貝かい]]［の[[貝殻かいがら|殻から]]］は、積つもり積つもって岡おかになった。当時とうじの人ひと（※現代げんだい〈すなわち、奈良なら時代じだい〉の我々われわれから見みて大昔おおむかしの人々ひとびと）は［“大量たいりょうの貝かいが朽くちている”意いをもって、この岡おかを］「大だい朽くち（おおくち）」と呼よんだが、［それが[[転訛てんか|訛なまって]]］今いまは「大櫛おおくし之の岡おか（おおくしのおか）」という（※比定ひてい地ちは{{ruby|[[大串おおぐし貝塚かいづか]]|おおぐし かいづか}}。その所在地しょざいちは、現在げんざいの茨城いばらき県けん[[水戸みと市し]]塩崎しおがさき町まち1064-1<ref group="*">水戸みと市し塩崎しおがさき町まち1064-1（{{googlemap|水戸みと市し塩崎しおがさき町まち1064-1}}</ref>、かつての[[東茨城ひがしいばらき郡ぐん]][[常澄つねずみ村むら]]塩崎しおざき{{r|Kb_大串おおぐし貝塚かいづか}}<ref group="*">[[江戸えど時代じだい]]における[[常陸ひたち国こく]][[茨城いばらき郡ぐん]]塩しおヶ崎さき村むら、[[幕まく藩はん体制たいせい]]下したの[[常陸ひたち国こく|常つね州しゅう]][[水戸みと藩はん]][[地方ちほう知行ちぎょう|知行ちぎょう]]等とう塩しおヶ崎さき村むら。</ref>）。その［巨人きょじんの］足跡あしあとは、おおよそ、長ながさ40[[歩ふ (尺貫法しゃっかんほう)|歩ふ]]あまり、幅はば20[[歩ふ (尺貫法しゃっかんほう)|歩ふ]]あまりで、[[尿にょう]]の穴あな（※[[排尿はいにょう#立たち小便しょうべん|立たち小便しょうべん]]によって穿うがたれた穴あな）は直径ちょっけい20[[歩ふ (尺貫法しゃっかんほう)|歩ふ]]あまりであった。}}
+{{Quotation|《[[原文げんぶん#現代げんだい日本語にほんご訳やく|口語こうご解釈かいしゃく]]例れい》　{{small|※振ふり仮名がなは[[口語こうご]]体からだ。［ ］内ないは文意ぶんいを整ととのえるための補足ほそく文ぶん。（ ）内ないの※に続つづく記述きじゅつは注釈ちゅうしゃく。}}<br />［{{ruby|[[常陸ひたち国こく]]|ひたちのくに}}の{{ruby|[[那珂なか郡ぐん|那賀なか郡ぐん]]|なかのこおり}}にある交通こうつうの要衝ようしょう・］{{ruby|平津ひらつ駅えき家か|ひらつのうまや}}から西にしへ{{ruby|一二かずじ|いちに}}{{ruby|[[里さと (尺貫法しゃっかんほう)|里さと]]|り}}もしくは1里り・2里さとほど行いった所ところ<ref group="*">「一いち二に（いちに）」は「わずか」の意い。従したがって「一いち二に里さと」は「里さとの単位たんいでわずかな距離きょり」の意い。しかし「一いち二に里さと」を「1・2里さと」の意いで捉とらえれば、具体ぐたい的てき距離きょりを示しめすものとなり、古代こだい日本にっぽんの1里りは約やく5.3[[キロメートル|km]]<!--約やく533.5m-->、2里りは約やく10.7km<!--約やく10677.9m-->と、数値すうちを割わり出だすことができる。</ref>に{{ruby|岡おか|おか}}（[[丘おか]]）があり、名なを「大櫛おおくし（おおくし）」という。大昔おおむかし、［この地ちに］人にんがいた。［その人ひとの］{{ruby|体からだ|からだ}}は極きわめて{{ruby|長大ちょうだい|ちょうだい}}で、岡おかの上うえにいながらにして手ては[[海浜かいひん]]の{{ruby|蜃|うむき}}を掘ほり起おこしてしまう。［それほどの[[巨人きょじん (伝説でんせつの生物せいぶつ)|巨人きょじん]]であった。］［ここでいう{{ruby|蜃|うむき}}とは］{{ruby|大だい蛤はまぐり|おおうむき}}である（※『うむき（蜃、蛤はまぐり）』は[[ハマグリ]]の[[古語こご]]）<ref group="*">市井しせいの娯楽ごらく本ほんやインターネット上じょうの記述きじゅつで、本文ほんぶん中ちゅうの「蜃」を[[妖怪ようかい]]の「[[蜃]]（しん）」と関連付かんれんづけるものが見みられるが、ここで語かたられている「蜃（うむき、うむぎ）」は実体じったいがあって食用しょくようにされる[[貝類かいるい]]の「蛤はまぐり（うむき、うむぎ）」、すなわち「蛤はまぐり（はまぐり）」のことであって、妖怪ようかいではない。</ref>。その［巨人きょじんの］食たべた[[貝かい]]［の[[貝殻かいがら|殻から]]］は、積つもり積つもって岡おかになった。当時とうじの人ひと（※現代げんだい〈すなわち、奈良なら時代じだい〉の我々われわれから見みて大昔おおむかしの人々ひとびと）は［“大量たいりょうの貝かいが朽くちている”意いをもって、この岡おかを］「大だい朽くち（おおくち）」と呼よんだが、［それが[[転訛てんか|訛なまって]]］今いまは「大櫛おおくし之の岡おか（おおくしのおか）」という（※比定ひてい地ちは{{ruby|[[大串おおぐし貝塚かいづか]]|おおぐし かいづか}}。その所在地しょざいちは、現在げんざいの茨城いばらき県けん[[水戸みと市し]]塩崎しおがさき町まち1064-1<ref group="*">水戸みと市し塩崎しおがさき町まち1064-1（{{googlemap|水戸みと市し塩崎しおがさき町まち1064-1}}</ref>、かつての[[東茨城ひがしいばらき郡ぐん]][[常澄つねずみ村むら]]塩崎しおざき{{r|Kb_大串おおぐし貝塚かいづか}}<ref group="*">[[江戸えど時代じだい]]における[[常陸ひたち国こく]][[茨城いばらき郡ぐん]]塩しおヶ崎さき村むら、[[幕まく藩はん体制たいせい]]下したの[[常陸ひたち国こく|常つね州しゅう]][[水戸みと藩はん]][[地方ちほう知行ちぎょう|知行ちぎょう]]等とう塩しおヶ崎さき村むら。</ref>）。その［巨人きょじんの］足跡あしあとは、おおよそ、長ながさ40[[歩ふ (尺貫法しゃっかんほう)|歩ふ]]あまり、幅はば20[[歩ふ (尺貫法しゃっかんほう)|歩ふ]]あまりで、[[尿にょう]]の穴あな（※[[排尿はいにょう#立たち小便しょうべん|立たち小便しょうべん]]によって穿うがたれた穴あな）は直径ちょっけい20[[歩ふ (尺貫法しゃっかんほう)|歩ふ]]あまりであった。}}
 {{Anchors|大櫛おおくし之の岡おか_史上しじょう評価ひょうか}}
-[[考古学こうこがく]]等とうの諸しょ分野ぶんやにおいても、係かかる「大櫛おおくし之の岡おかの巨人きょじん伝説でんせつ」とその比定ひてい地ち・大串おおぐし貝塚かいづかは相当そうとうに重要じゅうようで、'''[[縄文じょうもん時代じだい]]の[[貝塚かいづか]][[遺跡いせき]]が[[文献ぶんけん]]に記しるされている最古さいこの例れい'''<ref name="Kb_Nipponica">{{Cite web |url=https://kotobank.jp/word/大串おおぐし貝塚かいづか |title=大串おおぐし貝塚かいづか |work=[[小学館しょうがくかん]]『[[日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ]]：ニッポニカ』 |publisher=コトバンク |accessdate=2019-05-20 }}</ref><ref name="Kb_史跡しせきG">{{Cite web |url=https://kotobank.jp/word/大串おおぐし貝塚かいづか |title=大串おおぐし貝塚かいづか |work=[[講談社こうだんしゃ]]『国くに指定してい史跡しせきガイド』 |publisher=コトバンク |accessdate=2019-05-20 }}</ref>、もっと言いえば、'''[[石器せっき時代じだい]]遺跡いせきの[[記録きろく]]された日本にっぽん最古さいこの例れい'''<ref name="Kb_Brit">{{Cite web |url=https://kotobank.jp/word/大串おおぐし貝塚かいづか |title=大串おおぐし貝塚かいづか |work=『[[ブリタニカ国際こくさい大だい百科ひゃっか事典じてん]] 小しょう項目こうもく事典じてん』 |publisher=コトバンク |accessdate=2019-05-20 }}</ref><ref name="Kb_精選せいせん国語こくご">{{Cite web |url=https://kotobank.jp/word/大串おおぐし貝塚かいづか |title=大串おおぐし貝塚かいづか |work=小学館しょうがくかん『精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてん』 |publisher=コトバンク |accessdate=2019-05-20 }}</ref>として知しられている。
+[[考古学こうこがく]]等とうの諸しょ分野ぶんやにおいても、係かかる「大櫛おおくし之の岡おかの巨人きょじん伝説でんせつ」とその比定ひてい地ち・[[大串おおぐし貝塚かいづか]]は相当そうとうに重要じゅうようで、'''[[縄文じょうもん時代じだい]]の[[貝塚かいづか]][[遺跡いせき]]が[[文献ぶんけん]]に記しるされている最古さいこの例れい'''<ref name="Kb_Nipponica">{{Cite web|和書わしょ|url=https://kotobank.jp/word/大串おおぐし貝塚かいづか |title=大串おおぐし貝塚かいづか |work=[[小学館しょうがくかん]]『[[日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ]]：ニッポニカ』 |publisher=コトバンク |accessdate=2019-05-20 }}</ref><ref name="Kb_史跡しせきG">{{Cite web|和書わしょ|url=https://kotobank.jp/word/大串おおぐし貝塚かいづか |title=大串おおぐし貝塚かいづか |work=[[講談社こうだんしゃ]]『国くに指定してい史跡しせきガイド』 |publisher=コトバンク |accessdate=2019-05-20 }}</ref>、もっと言いえば、'''[[石器せっき時代じだい]]遺跡いせきの[[記録きろく]]された日本にっぽん最古さいこの例れい'''<ref name="Kb_Brit">{{Cite web|和書わしょ|url=https://kotobank.jp/word/大串おおぐし貝塚かいづか |title=大串おおぐし貝塚かいづか |work=『[[ブリタニカ国際こくさい大だい百科ひゃっか事典じてん]] 小しょう項目こうもく事典じてん』 |publisher=コトバンク |accessdate=2019-05-20 }}</ref><ref name="Kb_精選せいせん国語こくご">{{Cite web|和書わしょ|url=https://kotobank.jp/word/大串おおぐし貝塚かいづか |title=大串おおぐし貝塚かいづか |work=小学館しょうがくかん『精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてん』 |publisher=コトバンク |accessdate=2019-05-20 }}</ref>として知しられている。
 === 播磨はりま国こく風土記ふどき ===
@@ 29行ぎょう目め: / 29行ぎょう目め: @@
 == 各地かくちの伝承でんしょう ==
-=== 山やまを作つくる・運はこぶ ===
+=== 山やま ===
-* [[富士山ふじさん]]を作つくるため、甲州こうしゅうの土どを取とって土盛どもりした。そのため甲州こうしゅうは盆地ぼんちになった<ref name="fushigitaizen">{{Cite book|和書わしょ|author=安部あべ晃司こうじ他た|editor=人文じんぶん社しゃ編集へんしゅう部ぶ編へん|title=日本にっぽんの謎なぞと不思議ふしぎ大全たいぜん 東日本ひがしにっぽん編へん|edition=|year=2006|publisher=[[人文じんぶん社しゃ]]|series=ものしりミニシリーズ|isbn=978-4-7959-1986-0|pages=122頁ぺーじ}}</ref>。
+* [[富士山ふじさん]]を作つくるため、甲州こうしゅうの土どを取とって土盛どもりした。そのため甲州こうしゅうは盆地ぼんちになった<ref name="fushigitaizen">{{Cite book|和書わしょ|author=安部あべ晃司こうじ他た|editor=人文じんぶん社しゃ編集へんしゅう部ぶ|title=日本にっぽんの謎なぞと不思議ふしぎ大全たいぜん 東日本ひがしにっぽん編へん|edition=|year=2006|publisher=[[人文じんぶん社しゃ]]|series=ものしりミニシリーズ|isbn=978-4-7959-1986-0|page=122}}</ref>。
 * 富士山ふじさんを作つくるため[[近江おうみ国こく|近江おうみ]]の土どを掘ほり、その掘ほった跡地あとちが[[琵琶湖びわこ]]となった<ref name="kyoto-np">{{Cite news|url=http://kyoto-np.jp/shiga/article/20140724000050|title=富士山ふじやまへ注そそぐ琵琶湖びわこの水みずくむ　滋賀しが・近江八幡おうみはちまん、伝説でんせつが結むすぶ|newspaper =[[京都きょうと新聞しんぶん]]|date=2014-07-24|accessdate=2014-07-25}}</ref>。この伝説でんせつの縁えんで[[1968年ねん]]に[[富士宮ふじのみや市し]]と[[近江八幡おうみはちまん市し]]は夫婦ふうふ都市としとなっている{{r|kyoto-np}}。
-* 上うえ州しゅうの[[榛名山はるなさん|榛名富士はるなふじ]]を土盛どもりして作つくり、掘ほった後のちは[[榛名湖はるなこ]]となった。榛名富士はるなふじが富士山ふじさんより低ひくいのは、もう少すこし土どを運はこぼうとしたが夜よるが明あけ、途中とちゅうでやめたためである<ref>『日本にっぽんの民話みんわ20上うえ州しゅうの民話みんわ第だい一いち集しゅう』1959年ねん、140～4頁ぺーじ（榛名はるなの大男おおおとこ） [[未來社みらいしゃ]]</ref>。
+* 上うえ州しゅうの[[榛名山はるなさん|榛名富士はるなふじ]]を土盛どもりして作つくり、掘ほった後のちは[[榛名湖はるなこ]]となった。榛名富士はるなふじが富士山ふじさんより低ひくいのは、もう少すこし土どを運はこぼうとしたが夜よるが明あけ、途中とちゅうでやめたためである<ref>『日本にっぽんの民話みんわ20上うえ州しゅうの民話みんわ第だい一いち集しゅう』1959年ねん、140～4頁ぺーじ（榛名はるなの大男おおおとこ）[[未來社みらいしゃ]]</ref>。
 * [[浅間山あさまやま]]が、自分じぶんより背せの高たかい妹いもうとの富士山ふじさんに嫉妬しっとし、土どを自分じぶんにわけろといった。富士山ふじさんは了解りょうかいし、だいだらぼっちが自分じぶんの前掛まえかけで土どを運はこんだ。しかし浅間あさま山さんは土どの量りょうが足たりないと怒いかり、彼かれを叩たたいた。その際さいにこぼれた土どが前掛山まえかけさんとなった。怒いかりだした浅間山あさまやまはついに噴火ふんかしてしまった。
 * 西にしの富士ふじ、東ひがしの筑波つくばと呼よばれる関東かんとうの名山めいざんの重おもさを量はかろうとし天秤棒てんびんぼうに2つの山やまを結ゆわえつけ持もち上あげると、[[筑波つくば山さん]]のほうは持もち上あがったが富士山ふじさんは持もち上あがらない。そのうちに結ゆわえていたつるが切きれ、筑波つくば山さんが地上ちじょうに落おちてしまった。その衝撃しょうげきでもともと1つの峰みねだった筑波山つくばさんは、2峰ほうになってしまったという。
-*[[信濃しなの国こく|信州しんしゅう]][[佐久さく郡ぐん]]で[[土ど]]を運はこんでいた時とき、[[もっこ]]の[[綱つな]]が切きれ、[[平尾ひらお山さん]]と糠塚山ぬかづかやまができた<ref>『佐久さく口碑こうひ伝説でんせつ集しゅう北佐久きたさく編へん限定げんてい復刻ふっこく版ばん』発行はっこう者しゃ長野ながの県けん佐久さく市し教育きょういく委員いいん会かい　全ぜん434頁ぺーじ中ちゅう　219頁ぺーじ　昭和しょうわ53年ねん11月15日にち発行はっこう</ref>。
+* [[信濃しなの国こく|信州しんしゅう]][[佐久さく郡ぐん]]で[[土ど]]を運はこんでいた時とき、[[もっこ]]の[[ロープ|綱つな]]が切きれ、[[平尾ひらお山さん]]と糠塚山ぬかづかやまができた<ref>『佐久さく口碑こうひ伝説でんせつ集しゅう北佐久きたさく編へん限定げんてい復刻ふっこく版ばん』発行はっこう者しゃ長野ながの県けん佐久さく市し教育きょういく委員いいん会かい、全ぜん434頁ぺーじ中ちゅう、219頁ぺーじ、昭和しょうわ53年ねん11月15日にち発行はっこう</ref>。
-*富士ふじ山さんと[[八ヶ岳やつがたけ]]が背せ比くらべをして、八ヶ岳やつがたけが勝かったが、それを妬ねたましく思おもった富士山ふじさんに蹴けられ、山やまが八やっつに割われた。それを治なおそうとデエダラボッチが茅ちがやで出来できたもっこで土どを運はこび、線香せんこうを杖つえにしたら折おれてしまい、暫しばらく置おいておいたら大泉おおいずみ山さんと小泉こいずみ山さんが出来できた([[諏訪すわ地方ちほう]]、[[茅野ちの市し]])。
+* 富士山ふじさんと[[八ヶ岳やつがたけ]]が背せ比くらべをして、八ヶ岳やつがたけが勝かったが、それを妬ねたましく思おもった富士山ふじさんに蹴けられ、山やまが八やっつに割われた。それを治なおそうとデエダラボッチが茅ちがやで出来できたもっこで土どを運はこび、線香せんこうを杖つえにしたら折おれてしまい、暫しばらく置おいておいたら大泉おおいずみ山さんと小泉こいずみ山さんが出来できた（[[諏訪すわ地方ちほう]]、[[茅野ちの市し]]）。
-*信州しんしゅう[[安曇あずみ郡ぐん]]で西側にしがわの[[飛騨山脈ひださんみゃく]]から削けずり取とった土どを東側ひがしがわの山地さんちに運はこんでいた時とき、もっこの綱つなが切きれ、室山むろやまができた。
+* 信州しんしゅう[[安曇あずみ郡ぐん]]で西側にしがわの[[飛騨山脈ひださんみゃく]]から削けずり取とった土どを東側ひがしがわの山地さんちに運はこんでいた時とき、もっこの綱つなが切きれ、室山むろやまができた。
-=== 足あしあと・手てのあとを残のこす ===
+=== 足あし跡あと ===
-* 上うえ州しゅうの[[赤城山あかぎやま]]に腰掛こしかけて踏ふん張ばったときに窪くぼんで出来できた足跡あしあとが[[水みずたまり]]になった。木部きべの赤沼あかぬまがそれである{{r|fushigitaizen}}。
+* 上うえ州しゅうの[[赤城山あかぎやま]]に腰掛こしかけて踏ふん張ばったときに窪くぼんでできた足跡あしあとが[[水みずたまり]]になり、木部きべの赤沼あかぬまができあがった{{r|fushigitaizen}}。
-* [[長野ながの県けん]][[大町おおまち市し]]北部ほくぶの[[青木湖あおきこ]]、[[中綱湖なかつなこ]]、[[木崎湖きざきこ]]からなる[[仁科にしな三さん湖こ]]はいずれもダイダラボッチの足あしあとである。
+* [[長野ながの県けん]][[大町おおまち市し]]北部ほくぶの[[青木湖あおきこ]]、[[中綱湖なかつなこ]]、[[木崎湖きざきこ]]からなる[[仁科にしな三さん湖こ]]はいずれもダイダラボッチの足あし跡あとである。
 * 遠とお州しゅうの山奥やまおくに住すんでいたダイダラボッチが子供こどもたちを手てにのせて歩あるいている時ときに、腰こしくらいの高たかさの山やまをまたいだ拍子ひょうしに子供こどもたちを手てから投なげ出だしてしまった。びっくりした子供こどもたちとダイダラボッチは泣なき出だしてしまい、手てをついてできた窪くぼみに涙なみだが流ながれ込こんで[[浜名湖はまなこ]]となった。
+* 東京とうきょう都と[[武蔵村山むさしむらやま市し]]には大多羅おおだら法師ほうしが藤ふじづるで丸山まるやまを背負せおい歩あるいた足跡あしあとが井戸いどになったという伝説でんせつがあり、「でびいしゃら井戸いど」の名なで現在げんざいも井戸いどが残のこっているほか<ref>{{Cite web|和書わしょ|title=大多羅おおだら法師ほうしの井戸いど – 武蔵村山むさしむらやま観光かんこうまちづくり協会きょうかい |url=https://m-murayama-kanko.or.jp/spot/%e5%a4%a7%e5%a4%9a%e7%be%85%e6%b3%95%e5%b8%ab%e3%81%ae%e4%ba%95%e6%88%b8/ |access-date=2022-10-12 |language=ja}}</ref>、毎年まいとし秋あきに「デエダラボッチ」の山車だしが登場とうじょうするデエダラまつりが開催かいさいされている<ref>{{Cite web|和書わしょ|title=デエダラボッチ、現げんる。村山むらやまデエダラまつりオフィシャルサイト |url=http://www.dedara.com/ |website=www.dedara.com |access-date=2022-10-12}}</ref>。
-* 現在げんざい、[[東京とうきょう都と]][[世田谷せたがや区く]]にある地名ちめい「[[代田しろた (世田谷せたがや区く)|代田しろた]]」（だいた）や{{r|Y}}、[[さいたま市し]]の「[[太田窪だいたくぼ]]」（だいたくぼ）は、ダイタ坊ぼう（ダイダラボッチ、ダーダラボッチ）の足跡あしあとに由来ゆらいすると言いわれている。<ref>『代田しろたのダイダラボッチ』（きむらけん著ちょ）北沢きたざわ川がわ文化ぶんか遺産いさん保存ほぞんの会かい紀要きよう第だい５号ごう　2017年ねん／『浦和うらわ市し史し民俗みんぞく編へん』浦和うらわ市し総務そうむ部ぶ市し史し編へんさん室しつ　昭和しょうわ55年ねん、793頁ぺーじ。</ref>　なお、代田しろたのダイダラボッチについては2021.3.28日にちに[[小田急おだきゅう線せん]]世田谷せたがや代田だいだ駅前えきまえにダイダラボッチをかたどった駅前えきまえ広場ひろばが完成かんせいした。これを記念きねんして当日とうじつづけで「巨人きょじん伝説でんせつ読本とくほん　代田しろたのダイダラボッチ」（著作ちょさく　きむらけん　発行はっこう　世田谷せたがや代田だいだ駅えき　駅前えきまえ広場ひろば記念きねん事業じぎょう委員いいん会かい）が発行はっこうされた。「代田しろたダイダラボッチ音頭おんど」も作曲さっきょくされた。<ref>{{Cite web |title =代田しろたダイダラボッチ音頭おんど=|accessdate=2021-03-28| url =https://www.youtube.com/watch?v=liKqjjoN218}}</ref>
+[[file:daita_footprint_a.jpg|thumb|世田谷せたがや代田だいだ駅前えきまえ広場ひろば]]
+* 現在げんざい、[[東京とうきょう都と]][[世田谷せたがや区く]]にある地名ちめい「[[代田しろた (世田谷せたがや区く)|代田しろた]]」（だいた）や{{r|Y}}、[[さいたま市し]]の「[[太田窪だいたくぼ]]」（だいたくぼ）は、ダイタ坊ぼう（ダイダラボッチ、ダーダラボッチ）の足跡あしあとに由来ゆらいすると言いわれている<ref>『代田しろたのダイダラボッチ』（きむらけん著ちょ）北沢きたざわ川がわ文化ぶんか遺産いさん保存ほぞんの会かい紀要きよう第だい5号ごう、2017年ねん／『浦和うらわ市し史し民俗みんぞく編へん』浦和うらわ市し総務そうむ部ぶ市し史し編へんさん室しつ、昭和しょうわ55年ねん、793頁ぺーじ。</ref>。なお、代田しろたのダイダラボッチについては2021.3.28日にちに[[小田急おだきゅう小田原おだわら線せん]]世田谷せたがや代田だいだ駅前えきまえにダイダラボッチをかたどった駅前えきまえ広場ひろばが完成かんせいした。これを記念きねんして当日とうじつづけで『巨人きょじん伝説でんせつ読本とくほん　代田しろたのダイダラボッチ』（著作ちょさく:きむらけん、発行はっこう:世田谷せたがや代田だいだ駅えき 駅前えきまえ広場ひろば記念きねん事業じぎょう委員いいん会かい）が発行はっこうされた。「代田しろたダイダラボッチ音頭おんど」も作曲さっきょくされた。<ref>{{Cite web|和書わしょ|title =代田しろたダイダラボッチ音頭おんど=|accessdate=2021-03-28| url =https://www.youtube.com/watch?v=liKqjjoN218}}</ref>
+[[ファイル:160430 Daizahoushi-ike Nagano Japan01s3.jpg|thumb|大座法師池だいざほうしいけ]]
 * 長野ながの県けん[[戸隠山とがくしやま]]の[[大座法師池だいざほうしいけ]]、[[三重みえ県けん]][[志摩しま郡ぐん (三重みえ県けん)|志摩しま郡ぐん]]の[[大王だいおう町まち]]はダイダラボッチに由来ゆらいする地名ちめいである{{r|YJ}}。
-* [[静岡しずおか市し]]のだいらぼう山頂さんちょうには全長ぜんちょう150mほどの窪くぼみがあるが、ダイダラボッチが左足ひだりあしを置おいた跡あとと伝つたえられている。[[琵琶湖びわこ]]から富士山ふじさんへ土どを運はこぶ途中とちゅうに遺のこしたものであるという。
+* [[静岡しずおか市し]]の[[ダイラボウ]]山頂さんちょうには全長ぜんちょう150mほどの窪くぼみがあるが、ダイダラボッチが左足ひだりあしを置おいた跡あとと伝つたえられている。[[琵琶湖びわこ]]から富士山ふじさんへ土どを運はこぶ途中とちゅうに遺のこしたものであるという。
+* 相模原さがみはら市しの伝説でんせつでは「でいらぼっち」と呼よばれている。巨人きょじんが[[富士山ふじさん]]を背負せおって運はこぶ途中とちゅう、[[大山おおやま (神奈川かながわ県けん)|大山おおやま]]に腰こしかけて一休ひとやすみした。再度さいど持もち上あげようとしたが持もち上あがらず、悔くやしがった挙句あげくあきらめた。その際さい、踏ふん張ばった左足ひだりあしの跡あとがJR淵野辺ふちのべ駅えきの南口みなみぐち側がわの鹿沼かぬま公園こうえん内ないの白鳥はくちょう池ちであり、北口きたぐち側がわのかつて菖蒲しょうぶ沼ぬまと呼よばれていた場所ばしょ（2022年ねん現在げんざいのエスポット淵野辺ふちのべ店てん前まえに碑いしぶみが残のこる）が右足みぎあしを踏ふん張ばった跡あとだと言いわれている。また[[神奈川かながわ県けん道どう・東京とうきょう都道とどう57号ごう相模原さがみはら大蔵おおくら町まち線せん]]の鹿沼台かぬまだい2丁目ちょうめ24番ばん付近ふきんには「じんだら沼ぬま」の標識ひょうしき看板かんばんがあり、これはでいらぼっちが「地団駄じだんだ」を踏ふんだという伝説でんせつの名残なごりといわれている。相模原さがみはら市し南みなみ区くに「大沼おおぬま・小沼おぬま」の地名ちめいが残のこるが、かつて実在じつざいしたこの二ふたつの沼ぬまはデイラボッチが尻餅しりもちをついた跡あとであり、その間あいだに「ふんどし窪くぼ」という溝みぞ状じょうのくぼ地ちがあったという伝承でんしょうもある<ref>{{Cite book|和書わしょ|author=座間ざま美都みと治ち|title=相模原さがみはら民話みんわ伝説でんせつ集しゅう|publisher=座間ざま美都みと治ち|date=1978-11|page=44-45|isbn=}}</ref><ref>{{Cite book|和書わしょ|author=山主やまぬし敏子としこ|title=さがみはらのふるさと絵本えほん|publisher=相模原さがみはら市し教育きょういく委員いいん会かい|date=1999-11|page=52|isbn=}}</ref><ref>{{Cite web|和書わしょ|title=巨人きょじんの足跡あしあとがある!？相模原さがみはら市しに残のこる巨人きょじん伝説でんせつ「でいらぼっち」とは？ - かなっぺ相模さがみ版ばん｜出でかけよう！かながわの地域ちいきポータルサイト for Smartphone |url=https://kanape-sagami.com/spn/tips/141/ |website=kanape-sagami.com |access-date=2022-08-28}}</ref>。相模原さがみはら市しでは「でいらぼっち伝説でんせつ伝承でんしょう地ち」として2001年ねんに鹿沼かぬま公園こうえん内ないの一部いちぶを市し登録とうろく史跡しせきとしている<ref>{{Cite web|和書わしょ|title=11.でいらぼっち伝説でんせつ伝承でんしょう地ち（でいらぼっちでんせつでんしょうち） |url=https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kurashi/kyouiku/bunkazai/list/1010204/1010216.html |website=相模原さがみはら市し |access-date=2022-08-28 |language=ja}}</ref>。
-* [[相模原さがみはら市し]]の伝説でんせつではデイラボッチと呼よばれ、[[富士山ふじさん]]を持もち上あげ違ちがう場所ばしょに運はこぶ途中とちゅう、疲つかれたので、富士山ふじさんに乗のっかり休やすんだところそこにまた根ねが生はえてしまいもちあげようとするが、持もち上あがらずそのときふんばった所ところが今いまの[[鹿沼かぬま公園こうえん]]であるという。また、相模原さがみはら市し南みなみ区くに「大沼おおぬま・小沼おぬま」の地名ちめいが残のこるが、かつて実在じつざいしたこの二ふたつの沼ぬまはデイラボッチが尻餅しりもちをついた跡あとであり、その間あいだに「ふんどし窪くぼ」という溝みぞ状じょうのくぼ地ちがあったという伝承でんしょうもある。
+<gallery>
+File:菖蒲しょうぶ沼ぬま碑ひ.jpg|かつてあった菖蒲しょうぶ沼ぬまの位置いちを表あらわす碑いしぶみ
+File:鹿沼かぬま公園こうえん白鳥はくちょう池ち.jpg|鹿沼かぬま公園こうえん内ない白鳥はくちょう池ち。でいらぼっち伝説でんせつの碑いしぶみがある
+File:じんだら沼ぬま標識ひょうしき.jpg|地団駄じだんだを踏ふんだといわれている場所ばしょの標識ひょうしき
+</gallery>
 * 小便しょうべんをしようと[[飯野山いいのやま]]（[[香川かがわ県けん]]中部ちゅうぶ）に足あしをかけた際さいに山頂さんちょう付近ふきんに足跡あしあとが付ついた（現在げんざいもその跡あとであるという伝説でんせつの足跡あしあとが残のこっているが非常ひじょうに小ちいさい）。なお、その小便しょうべんの際さいに出来できたのが[[大束川だいそくがわ]]といわれる。
-* [[愛知あいち県けん]][[東海とうかい市し]]の南側みなみがわに加木屋かぎや町まち陀々法師ほうし（だだぼうし）という地名ちめいがあり、ダイダラボッチが歩あるいて移動いどうする際さいに出来できた足跡あしあとが池いけになったとして伝説でんせつが残のこっている。この「足跡あしあと池ち」（「陀々法師ほうし池ち」ともいう）は[[名古屋なごや鉄道てつどう]][[八幡新田はちまんしんでん駅えき]]の南方なんぽう１００ｍ辺あたりにあったが、1986～7年とし（昭和しょうわ61～62年ねん）頃ごろに埋うめ立たてられ（ゼンリン住宅じゅうたく地図ちず「東海とうかい市し」1986年ねん発行はっこうの1986年版ねんばん、1987年ねん発行はっこうの1988年版ねんばんによる）、[[2000年ねん]]（平成へいせい12年ねん）頃ごろにモータースが出来できて、現在げんざいその形跡けいせきはない（「ものがたり通信つうしん」の「１８．ダイダラボッチの足跡あしあと」参照さんしょう）。
+* [[愛知あいち県けん]][[東海とうかい市し]]の南側みなみがわに加木屋かぎや町まち陀々法師ほうし（だだぼうし）という地名ちめいがあり、ダイダラボッチが歩あるいて移動いどうする際さいに出来できた足跡あしあとが池いけになったとして伝説でんせつが残のこっている。この「足跡あしあと池ち」（「陀々法師ほうし池ち」ともいう）は[[名古屋なごや鉄道てつどう]][[八幡新田はちまんしんでん駅えき]]の南方なんぽう100m辺あたりにあったが、1986～1987年とし（昭和しょうわ61～62年ねん）頃ごろに埋うめ立たてられ（ゼンリン住宅じゅうたく地図ちず「東海とうかい市し」1986年ねん発行はっこうの1986年版ねんばん、1987年ねん発行はっこうの1988年版ねんばんによる）、[[2000年ねん]]（平成へいせい12年ねん）頃ごろにモータースが出来できて、現在げんざいその形跡けいせきはない（「ものがたり通信つうしん」の「18.ダイダラボッチの足跡あしあと」参照さんしょう）。
-*[[長野ながの県けん]][[佐久さく市し]]安原やすはらにある二ふたつの丸まるい[[水田すいでん]]は、デーラン坊ぼうの足跡あしあとだと言いわれる<ref>『佐久さく口碑こうひ伝説でんせつ集しゅう北佐久きたさく編へん限定げんてい復刻ふっこく版ばん』発行はっこう者しゃ長野ながの県けん佐久さく市し教育きょういく委員いいん会かい、全ぜん434頁ぺーじ中ちゅう 218頁ぺーじ、昭和しょうわ53年ねん11月15日にち発行はっこう。</ref>。
+* [[長野ながの県けん]][[佐久さく市し]]安原やすはらにある二ふたつの丸まるい[[水田すいでん]]は、デーラン坊ぼうの足跡あしあとだと言いわれる<ref>『佐久さく口碑こうひ伝説でんせつ集しゅう北佐久きたさく編へん限定げんてい復刻ふっこく版ばん』発行はっこう者しゃ長野ながの県けん佐久さく市し教育きょういく委員いいん会かい、全ぜん434頁ぺーじ中ちゅう 218頁ぺーじ、昭和しょうわ53年ねん11月15日にち発行はっこう。</ref>。
+* [[比叡山ひえいざん]]につまづいて怒おこって蹴けっ飛とばした地面じめんに空あいた穴あなが[[琵琶湖びわこ]]、飛とんで行いった土塊つちくれが[[淡路島あわじしま]]になった<ref>https://u5h.jp/one-panel/2707/</ref>。
-=== 休やすむ・洗あらう・食たべる ===
+=== 行動こうどう ===
-* 赤城山あかぎやまに腰掛こしかけて、[[利根川とねがわ]]で足あしを洗あらった<ref>草野くさの巧たくみ 『幻想げんそう動物どうぶつ事典じてん』 [[新しん紀元きげん社しゃ]]、1997年ねん、190頁ぺーじ。</ref>。
+* 赤城山あかぎやまに腰掛こしかけて、[[利根川とねがわ]]で足あしを洗あらった<ref>草野くさの巧たくみ『幻想げんそう動物どうぶつ事典じてん』[[新しん紀元きげん社しゃ]]、1997年ねん、190頁ぺーじ。</ref>。
 * [[羽黒山はぐろさん (栃木とちぎ県けん)|羽黒山はぐろさん]]には[[人間にんげん]]がまだ誕生たんじょうしない大昔おおむかし、でいだらぼっちが羽はね黒山くろやまに腰掛こしかけて[[鬼怒川きぬがわ]]で[[足あし]]を洗あらったというい伝いつたえがある。
 * 長野ながの県けん[[塩尻しおじり市し]]の[[高ボッチ山たかぼっちやま|高こうボッチ高原こうげん]]はダイダラボッチが腰こしを下おろして一休ひとやすみした場所ばしょであるという（諸説しょせつあり）。
-* 「[[常陸ひたち国こく風土記ふどき]]」によると、茨城いばらき県けん水戸みと市し東部とうぶにある[[大串おおぐし貝塚かいづか]]は、ダイダラボッチが貝かいを食たべて、その貝殻かいがらを捨すてた場所ばしょだと言いわれている。そのい伝いつたえから、近ちかくにダイダラボッチの巨大きょだいな石像せきぞうが創つくられている。<ref>{{Cite web |title =大串おおぐし貝塚かいづかふれあい公園こうえん（埋蔵まいぞう文化財ぶんかざいセンター） |publisher =水戸みと市し |date =2013-4-2 | url =http://www.city.mito.lg.jp/000271/000273/000294/001005/maizoubunka/p001478.html | accessdate =2017-4-17 }}</ref>
+* 「[[常陸ひたち国こく風土記ふどき]]」によると、茨城いばらき県けん水戸みと市し東部とうぶにある[[大串おおぐし貝塚かいづか]]は、ダイダラボッチが貝かいを食たべて、その貝殻かいがらを捨すてた場所ばしょだと言いわれている。そのい伝いつたえから、近ちかくにダイダラボッチの巨大きょだいな石像せきぞうが創つくられている<ref>{{Cite web|和書わしょ|title =大串おおぐし貝塚かいづかふれあい公園こうえん（埋蔵まいぞう文化財ぶんかざいセンター） |publisher =水戸みと市し |date =2013-4-2 | url =http://www.city.mito.lg.jp/000271/000273/000294/001005/maizoubunka/p001478.html | accessdate =2017-4-17 }}</ref>。
-*[[碓氷峠うすいとうげ]]で休やすんでいる時ときに、[[足あし]]が[[妙義山みょうぎさん]]まで届とどき、その足あしの[[指ゆび]]を猪いのししが芋いもと間違まちがえかじったので、猪いのししを握にぎり潰つぶして[[浅間山あさまやま]]で[[猪いのしし鍋なべ]]を煮にた。なお、鍋なべをこぼした場所ばしょから塩気しおけのある[[温泉おんせん]]が湧わいたと言げんう<ref>『佐久さく口碑こうひ伝説でんせつ集しゅう北佐久きたさく編へん限定げんてい復刻ふっこく版ばん』発行はっこう者しゃ長野ながの県けん佐久さく市し教育きょういく委員いいん会かい、全ぜん434頁ぺーじ中ちゅう 216頁ぺーじ、昭和しょうわ53年ねん11月15日にち発行はっこう。</ref>。
+* [[碓氷峠うすいとうげ]]で休やすんでいる時ときに、[[足あし]]が[[妙義山みょうぎさん]]まで届とどき、その足あしの[[指ゆび]]を猪いのししが芋いもと間違まちがえかじったので、猪いのししを握にぎり潰つぶして[[浅間山あさまやま]]で[[猪いのしし鍋なべ]]を煮にた。なお、鍋なべをこぼした場所ばしょから塩気しおけのある[[温泉おんせん]]が湧わいたという<ref>『佐久さく口碑こうひ伝説でんせつ集しゅう北佐久きたさく編へん限定げんてい復刻ふっこく版ばん』発行はっこう者しゃ長野ながの県けん佐久さく市し教育きょういく委員いいん会かい、全ぜん434頁ぺーじ中ちゅう、216頁ぺーじ、昭和しょうわ53年ねん11月15日にち発行はっこう。</ref>。
-=== 人間にんげんを助すけける ===
+=== 人間にんげんの救すくい助じょ ===
 * [[秋田あきた県けん]]の[[横手盆地よこてぼんち]]が湖みずうみであったので[[鳥とりの海うみの干拓かんたく|干拓かんたく事業じぎょう]]を行おこなった際さい、ダイダラボッチが現あらわれて水みずをかき、泥どろを掬すくったため工事こうじがはかどった（鳥とりの海うみの干拓かんたく伝説でんせつ）<ref name="A">[http://namahage.is.akita-u.ac.jp/monogatari/show_detail.php?serial_no=1869 秋田あきたの昔話むかしばなし・伝説でんせつ・世間せけん話ばなし 口承こうしょう文芸ぶんげい検索けんさくシステム 鳥とりの海うみの干拓かんたく]</ref>。このダイダラボッチは[[秋田あきた市し]]の[[太平山たいへいざん三吉みつよし神社じんじゃ]]の化身けしんと考かんがえられている{{r|A}}。[[太平山たいへいざん (秋田あきた県けん)|太平山たいへいざん]]及および山麓さんろくの[[太平たいへい (秋田あきた市し)|太平たいへい]]地区ちくの名なは現在げんざい「たいへい」と読よまれるが、[[明治めいじ]]期きまでは「おいだら」と読よまれており、由来ゆらいを巨きょ人じん「オイダラボッチ」であるとする説せつ（秋田あきたの今いまと昔むかし）がある。
 * 昔むかし、[[東あずま信しん地方ちほう|東ひがし信濃しなの]]は[[湖みずうみ]]の底そこだったが、デイラボッチは「[[岩鼻いわはな (長野ながの県けん)|岩鼻いわはな]]」という山やまを砕くだき水すいを排出はいしゅつし、[[平地ひらち]]を作つくった。それから後ご、その土地とちを、大佐おおさ久ひさ（南北なんぼく佐久さく）と小佐しょうさ久ひさし（小しょう県けん）と言いうようになった<ref>『佐久さく口碑こうひ伝説でんせつ集しゅう南佐久みなみさく編へん限定げんてい復刻ふっこく版ばん』発行はっこう者しゃ長野ながの県けん佐久さく市し教育きょういく委員いいん会かい、全ぜん332頁ぺーじ中ちゅう 105頁ぺーじ、昭和しょうわ53年ねん9月がつ20日はつか発行はっこう。</ref><ref group="*">大だい鼠ねずみが岩鼻いわはなを食くい破やぶったことで湖水こすいが排水はいすいされたとする伝説でんせつもある（『日本にっぽん伝説でんせつ叢書そうしょ 信濃しなのの巻まき』[{{NDLDC|953569/106}} 157] - [{{NDLDC|953569/107}} 159ページ]）。</ref>。
 * [[茨城いばらき県けん]][[水戸みと市し]]大足おおあし（おおだら）は、土地とちの西南せいなんにあった山やまのおかげで村むらは一いち日にちの半分はんぶんは日陰ひかげになり、日にちが早はやく暮くれてしまい困こまっていた。そこでダイダラボッチ（この地方ちほうではダイダラボウと呼称こしょう）は村人むらびとのために山やまをどけてあげた。しかし、山やまをどけた跡あとの土地とちがえぐれてしまい、雨あめが溜たまるようになったので、川かわをつくり沼ぬま底そこをさらって水みずが流ながれるようにした。どけた山やまは水戸みと市し・[[笠間かさま市し]]・[[東茨城ひがしいばらき郡ぐん]][[城しろ里さと町まち]]に跨またがる朝房山あさぼうやま、作つくった川かわと沼ぬまは桜川さくらがわ、[[千波湖せんばこ]]である<ref>{{cite journal|和書わしょ|title=「ダイダラ坊ぼう」考こう|author=今こん瀬せら文也ふみや|journal=茨城いばらきの民俗みんぞく|issue=31|date=1992-12|pages=36-46|publisher=茨城いばらき民俗みんぞく学会がっかい}}</ref>。
-== 参考さんこう文献ぶんけん ==
-* {{Cite book|和書わしょ |last=柳田やなぎだ |first=国男くにお |year=1977 |title=妖怪ようかい談義だんぎ |publisher=講談社こうだんしゃ |ncid=BN04293132|oclc=33519725 |isbn=406158135X|ref=harv}}
 == 脚注きゃくちゅう ==
@@ 75行ぎょう目め: / 78行ぎょう目め: @@
 === 出典しゅってん ===
 {{Reflist|2}}
+== 参考さんこう文献ぶんけん ==
+* {{Cite book|和書わしょ |last=柳田やなぎだ |first=国男くにお |year=1977 |title=妖怪ようかい談義だんぎ |publisher=講談社こうだんしゃ |ncid=BN04293132|oclc=33519725 |isbn=406158135X|ref=harv}}
 == 関連かんれん項目こうもく ==
@@ 80行ぎょう目め: / 86行ぎょう目め: @@
 * [[わらじ曳ひき]]
 * [[おじょも (香川かがわ県けん)]]
+* [[ダイダラボッチ (端はし脚あし類るい)]] - 和名わみょうは妖怪ようかいのダイダラボッチから命名めいめいされた。
 {{DEFAULTSORT:たいたらほつち}}
 [[category:日本にっぽんの神かみ]]