北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこう

株式会社かぶしきがいしゃ北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこう
The Hokkaido Takushoku Bank, Ltd.

旧きゅう北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこう本店ほんてん
種類しゅるい	株式会社かぶしきがいしゃ
市場いちば情報じょうほう	東証とうしょう1部ぶ 8312 1949年ねん5月16日にち - 1998年ねん8月がつ27日にち 大証だいしょう1部ぶ（廃止はいし） 8312 1961年ねん10月2日にち - 1998年ねん8月がつ27日にち 札さつ証しょう 8312 1950年ねん4月がつ1日にち - 1998年ねん8月がつ27日にち
略称りゃくしょう	拓つぶせ銀ぎん、北きた拓たく
本社ほんしゃ所在地しょざいち	日本にっぽん 〒060-0042 北海道ほっかいどう札幌さっぽろ市し中央ちゅうおう区く大通西おおどおりにし3丁目ちょうめ7番地ばんち
設立せつりつ	1900年ねん（明治めいじ33年ねん）4月がつ1日にち
業種ぎょうしゅ	銀行ぎんこう業ぎょう
金融きんゆう機関きかんコード	0012
SWIFTコード	HTAKJPJT
事業じぎょう内容ないよう	銀行ぎんこう
代表だいひょう者しゃ	河谷こうだに禎ただし昌あきら（頭取とうどり）
資本しほん金きん	1,237億おく円えん
従業じゅうぎょう員数いんずう	2,950名めい
外部がいぶリンク	北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこう - ウェイバックマシン
特記とっき事項じこう：1997年ねん11月17日にちに経営けいえい破綻はたんし、倒産とうさん。基礎きそ情報じょうほうおよび経営けいえい指標しひょうは全すべて同年どうねん11月時点じてんのもの。

北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこうのデータ
英名えいめい	Hokkaido Takushoku Bank
統一とういつ金融きんゆう機関きかんコード	0012
SWIFTコード	HTAKJPJT
店舗てんぽ数すう	195店てん （道内どうない132店てん、道外みちそと63店てん）
貸かし出金しゅっきん残高ざんだか	5兆ちょう9,838億おく円えん
預金よきん残高ざんだか	5兆ちょう9,006億おく円えん
特記とっき事項じこう： 経営けいえい指標しひょうは、全すべて1997年ねん（平成へいせい9年ねん）11月17日にち時点じてんでの数値すうち。 2006年ねん（平成へいせい18年ねん）2月がつ6日にちに法人ほうじん格かく抹消まっしょう。

株式会社かぶしきがいしゃ北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこう（ほっかいどうたくしょくぎんこう、英語えいご: The Hokkaido Takushoku Bank, Ltd.）は、かつて存在そんざいした日本にっぽんの銀行ぎんこう。第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん終戦しゅうせんまでの特殊とくしゅ銀行ぎんこうであり、その業務ぎょうむを継承けいしょうして1997年ねん（平成へいせい9年ねん）まで存在そんざいした都市とし銀行ぎんこうでもある。

概要がいよう

北海道ほっかいどうを地盤じばんとする唯一ゆいいつの都市とし銀行ぎんこうとして道みちの経済けいざいを支ささえ、地元じもと財界ざいかいにも絶大ぜつだいな影響えいきょう力りょくを有ゆうしていたが、都市とし銀行ぎんこうの中なかでは最もっとも小規模しょうきぼであったため、その焦あせりからバブル期きに積極せっきょく的てきな拡大かくだい路線ろせんをとったことが仇かたきとなって負債ふさいを重かさね、1997年ねんに経営けいえい破綻はたん。事業じぎょうは北洋銀行ほくようぎんこう等ひとしに引ひき継つがれた。都市とし銀行ぎんこうとしては戦後せんご初はつ、かつ現在げんざいでも唯一ゆいいつの破綻はたん事例じれいである。通称つうしょうは道外みちそとのマスコミや業界ぎょうかい内ないでは北きた拓たく（ほくたく）とも呼よばれていたが、一般いっぱんには拓つぶせ銀ぎん（たくぎん）と呼よばれ、道民どうみんの間あいだでも「拓つぶせ銀ぎんさん」と呼よばれており、生活せいかつの中なかで親したしまれていたほか、ノベルティ等とうにも積極せっきょく的てきにたくぎんの名なを使用しようしていた。

特徴とくちょう

札幌さっぽろ市しに本店ほんてんを置おき、北海道ほっかいどうを地盤じばんとしていた。道外みちそとでは東京とうきょう・埼玉さいたま・千葉ちば・神奈川かながわ・宮城みやぎ・愛知あいち・大阪おおさか・京都きょうと・兵庫ひょうごの各かく都府県とふけんに支店してんを置おき、香港ほんこん、ニューヨークにも海外かいがい支店してんを置おく大手おおて銀行ぎんこうの一ひとつであったが、都市とし銀行ぎんこうとしては一番いちばん小規模しょうきぼな銀行ぎんこうでもあった。

1997年ねん（平成へいせい9年ねん）11月17日にちに経営けいえい破綻はたん、1998年ねん（平成へいせい10年ねん）11月に北洋銀行ほくようぎんこうおよび中央信託銀行ちゅうおうしんたくぎんこう（中央ちゅうおう三井信託銀行みついしんたくぎんこうを経へて現げん：三井みつい住友信託銀行すみともしんたくぎんこう）へ事業じぎょうを譲渡じょうとした。1999年ねん（平成へいせい11年ねん）に法人ほうじん解散かいさん、2006年ねん（平成へいせい18年ねん）に清算せいさん結ゆい了りょう。

経営けいえい破綻はたんするまでは、東京とうきょう証券しょうけん取引とりひき所しょ一部いちぶと札幌さっぽろ証券しょうけん取引とりひき所しょに株式かぶしきを上場じょうじょうしていた。

沿革えんかく

特殊とくしゅ銀行ぎんこうとして発足ほっそく

明治めいじ期きの北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこう

北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこう東京とうきょう支店してん

北海道ほっかいどう開拓かいたくが進すすめられていた明治めいじ初期しょき、既すでに北海道ほっかいどうには中小ちゅうしょうの民間みんかん銀行ぎんこう（釧路くしろ銀行ぎんこう、根室ねむろ銀行ぎんこう等ひとし）があったが、多おおくは小規模しょうきぼな水産すいさん業ぎょうや商業しょうぎょうへの融資ゆうしにとどまり、高利貸こうりがしが幅はばを利きかす地域ちいきもあった。1896年ねん（明治めいじ29年ねん）公布こうふの農工のうこう銀行ぎんこう法ほうにより全国ぜんこく46府県ふけんに農工のうこう銀行ぎんこうが設置せっちされたが、これは土地とちを担保たんぽに融資ゆうしを行おこなうものであり、開拓かいたく途上とじょうで資本しほん蓄積ちくせきの乏とぼしい北海道ほっかいどうには、これに代かわる特別とくべつの国策こくさく銀行ぎんこうが必要ひつようであるとされた。

このため1899年ねん（明治めいじ32年ねん）に北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこう法ほう（拓つぶせ銀ぎん法ほう）を制定せいてい、これに基もとづく特殊とくしゅ銀行ぎんこうとして1900年ねん（明治めいじ33年ねん）2月がつ16日にちに北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこうが設立せつりつされた（初代しょだい頭取とうどり曽根そね静夫しずお）。当時とうじの資本しほん金きんは政府せいふ・道外みちそと資本しほんを含ふくむ300万まん円えん、職員しょくいん26名めい、本店ほんてんは現在げんざい北海道電力ほっかいどうでんりょく本社ほんしゃがある札幌さっぽろ市し中央ちゅうおう区く大通東おおどおりひがし1丁目ちょうめ。拓つぶせ銀ぎんには金融きんゆう債さい発行はっこうによる資金しきん調達ちょうたつが認みとめられ、道外みちそとの潤沢じゅんたくな資金しきんを供給きょうきゅうする窓口まどぐちとなった。

こうして道内どうない産業さんぎょうに長期ちょうき・低利ていりの融資ゆうしを行おこなったが、この目的もくてきは「北海道ほっかいどうノ拓殖たくしょく事業じぎょうニ資本しほんヲ供給きょうきゅうスル」（拓つぶせ銀ぎん法ほう第だい1条じょう）という広範囲こうはんいなもので、拓つぶせ銀ぎんは日本にっぽん勧業かんぎょう銀行ぎんこう・日本興業銀行にほんこうぎょうぎんこうに代かわる役割やくわりも果はたしていた（ゆえに、農工のうこう銀行ぎんこうの役割やくわりも果はたしていたことから47都道府県とどうふけん中ちゅう、北海道ほっかいどうにのみ設置せっちされなかった。当然とうぜん、勧すすむ銀ぎんが受うけ皿ざら支店してんを開設かいせつするということもなかった）。このため、勧すすむ銀ぎん・興銀こうぎんの北海道ほっかいどう進出しんしゅつが行おこなわれたのは実じつに戦後せんごのことである。とは言いえ、道内どうないの商しょう工業こうぎょうは未み成熟せいじゅくであり、やはり農業のうぎょうへの融資ゆうしがその大半たいはんを占しめていた。大正たいしょう中期ちゅうきには水田すいでん造成ぞうせいへの融資ゆうしが拡大かくだいした反面はんめん、冷害れいがいによる凶作きょうさくで延滞えんたい債権さいけんが増加ぞうかし、昭和しょうわ初期しょきまでに1万まんヘクタールもの農地のうちを担保たんぽとして取得しゅとくしていた。

樺太からふとのユジノサハリンスク（豊原とよはら）に現存げんそんする旧きゅう北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこう豊原とよはら支店してん（現げんサハリン州立しゅうりつ美術館びじゅつかん）

1939年ねん（昭和しょうわ14年ねん）の拓つぶせ銀ぎん法ほう改正かいせいで、それまで債券さいけん発行はっこうによる資金しきん調達ちょうたつに基もとづく長期ちょうき金融きんゆうが中心ちゅうしんだったのを、広ひろく一般いっぱんから預金よきんを取とり扱あつかった上うえで短期たんき金融きんゆうの上限じょうげんも撤廃てっぱいされた。同年どうねんには普通ふつう銀行ぎんこうだった北門きたもん銀行ぎんこうを合併がっぺいし、更さらに貯蓄ちょちく銀行ぎんこう業務ぎょうむの兼営けんえいで地元じもとでの業務ぎょうむ規模きぼを拡大かくだい。第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんに突入とつにゅうすると、一いち県けん一いち行ぎょう主義しゅぎに伴ともなう統合とうごうで樺太からふと銀行ぎんこう（1941年ねん＝昭和しょうわ16年ねん）・北海道銀行ほっかいどうぎんこう（1944年ねん＝昭和しょうわ19年ねん）・北海ほっかい貯蓄ちょちく銀行ぎんこう（1945年ねん＝昭和しょうわ20年ねん）を合併がっぺいして道下みちしたにおける普通ふつう銀行ぎんこう・貯蓄ちょちく銀行ぎんこう業務ぎょうむを独占どくせんするばかりか、豊原とよはら支店してんを中枢ちゅうすうとして全ぜん資産しさんの3割わり以上いじょうを樺太からふとに有ゆうしていた。北海道ほっかいどう炭礦たんこう汽船きせんや北海道ほっかいどう配電はいでん（北きた電でんの前身ぜんしん）などの軍需ぐんじゅ産業さんぎょうへのシンジケートローンにも加くわわるようになった。

戦後せんご1946年ねん（昭和しょうわ21年ねん）、GHQにより一時いちじ業務ぎょうむ停止ていしを宣告せんこくされ、1950年ねん（昭和しょうわ25年ねん）の拓つぶせ銀ぎん法ほう廃止はいしにより特殊とくしゅ銀行ぎんこうとしての使命しめいを終おえた。

普通ふつう銀行ぎんこうへの転換てんかん

拓つぶせ銀ぎん法ほう廃止はいしを控ひかえた1949年ねん（昭和しょうわ24年ねん）には、政府せいふ保有ほゆう株式かぶしきを放出ほうしゅつし東京とうきょう証券しょうけん取引とりひき所しょに上場じょうじょうしていた（証券しょうけんコード：8312）。翌よく1950年ねん（昭和しょうわ25年ねん）、旧きゅう拓つぶせ銀ぎんの普通ふつう銀行ぎんこう業務ぎょうむを継承けいしょうし、正式せいしきに民間みんかん銀行ぎんこうとして再さい発足ほっそく。1952年ねん（昭和しょうわ27年ねん）をもって開業かいぎょう以来いらいの拓殖たくしょく債券さいけん（金融きんゆう債さい）の発行はっこうを停止ていしし、この機能きのうは日本長期信用銀行にっぽんちょうきしんようぎんこうへ移うつった。1955年ねん（昭和しょうわ30年ねん）には発行済はっこうずみ債券さいけんをすべて償還しょうかん、同時どうじに全国ぜんこく地方銀行ちほうぎんこう協会きょうかいを脱退だったいし都市とし銀行ぎんこうの仲間入なかまいりを果はたした。

この中なかで本州ほんしゅうへの出店しゅってんや海外かいがい拠点きょてんの整備せいびを進すすめつつも、やはり拓ひらけ銀ぎんは北海道ほっかいどうにおける密接みっせつな地域ちいき的てき基盤きばんに成なり立たつ銀行ぎんこうであり、北海道ほっかいどうの大だい多数たすうの家庭かてい・企業きぎょうが「拓つぶせ銀ぎんさん」に預金よきん口座こうざを持もち、金額きんがくや内容ないようを問とわず「拓つぶせ銀ぎんから融資ゆうしを受うけている」「拓つぶせ銀ぎんに当座とうざ預金よきん口座こうざを持もっている」ことがその企業きぎょうの信用度しんようどを測はかるバロメーターであると同時どうじに経営けいえい者しゃのステータスとなるほどだった。北海道ほっかいどう・札幌さっぽろ市しを始はじめとする道内どうない市町村しちょうそんのほとんどから指定してい金融きんゆう機関きかんの指名しめいを受うけ、都銀とぎん13行ぎょう中ちゅう最小さいしょうの規模きぼながら「道民どうみん銀行ぎんこう」としての地位ちいを確立かくりつ、1965年ねん（昭和しょうわ40年ねん）3月がつまで、北海道ほっかいどう宝たからくじの発行はっこうも受託じゅたくしていた。

戦時せんじ中ちゅうに着手ちゃくしゅした重厚じゅうこう長大ちょうだい産業さんぎょうへの融資ゆうしも引ひき続つづき斡旋あっせんされ、産さん炭ずみ・製紙せいし・製糖せいとうなど、その後ご主要しゅような取引とりひき先さきとなる企業きぎょうへの融資ゆうしも増ふえた。貸かし出金しゅっきんの4割わりを法人ほうじん部門ぶもんが占しめた時期じきもあり、普通ふつう銀行ぎんこう・都市とし銀行ぎんこうへの転換てんかんとともに営業えいぎょう基盤きばんは拡大かくだい。製造せいぞう業ぎょうの弱よわい北海道ほっかいどう経済けいざいを支ささえる存在そんざいとなっていた。このため北海道ほっかいどう財界ざいかいに絶大ぜつだいな影響えいきょう力りょくを持もち、北海道ほっかいどう経済けいざい連合れんごう会かいの歴代れきだい事務じむ局長きょくちょうを輩出はいしゅつ、北海道ほっかいどう経済同友会けいざいどうゆうかい代表だいひょう幹事かんじや北海道ほっかいどう商工しょうこう会議かいぎ所しょ会頭かいとうには拓ひらけ銀ぎん頭取とうどりが幾度いくども就任しゅうにんした。

北海道ほっかいどう財界ざいかいが共同きょうどうで出資しゅっし・寄付きふする話はなしが持もち上あがると、拓つぶせ銀ぎん・北きた電でんが負担ふたん割合わりあいを決定けっていした上うえで、残のこりを他たの企業きぎょうに割わり振ふるのが慣例かんれいとなっていた。金融きんゆう機関きかん同士どうしの案件あんけんの場合ばあいも、拓つぶせ銀ぎん4 : 北海道銀行ほっかいどうぎんこう3 : 北洋銀行ほくようぎんこう2 : 札幌銀行さっぽろぎんこう1の負担ふたん比率ひりつとするのが暗黙あんもくの了解りょうかいだった。

高度こうど経済けいざい成長せいちょう期き以降いこう、首都しゅと圏けん（主おもに東京とうきょう・埼玉さいたま）へ支店してんを多数たすう出店しゅってんするようになるが、東京とうきょう都心としん部ぶ以外いがいは郊外こうがい住宅じゅうたく地ちの駅近えきちかくに店舗てんぽを構かまえるパターンが多おおかった。

1962年ねん（昭和しょうわ37年ねん）頃ごろから、ヒグマをモチーフにした「たくちゃん」をキャラクターに制定せいてい。1989年ねん（平成へいせい元年がんねん）からサンリオの「みんなのたあ坊ぼう」をキャラクターに採用さいよう、1990年代ねんだいには菅野かんの美穂みほや渡辺わたなべ満里奈まりな、北海道ほっかいどうが舞台ぶたいのテレビドラマ『北きたの国くにから』に出演しゅつえんした吉岡よしおか秀隆ひでたか、北海道ほっかいどう出身しゅっしんの益田ますだ喜き頓とみらをCMキャラクターに採用さいようしていた。テレビCMにおけるキャッチコピーは「あなたの夢ゆめ お預あずかりいたします」「あなたの物語ものがたり、お預あずかりします」であったが、印刷物いんさつぶつにおいては70年代ねんだいより破綻はたん時じまで「こまやかな　おつきあい」をキャッチコピーとしていた。

バブル景気けいき

不動産ふどうさん開発かいはつ路線ろせん

拓つぶせ銀ぎんでは長ながらく大蔵省おおくらしょう出身しゅっしんの頭取とうどりが続つづいていたが、1977年ねん（昭和しょうわ52年ねん）に五味ごみ彰あきらが生はえ抜ぬきとして2人ふたり目めの頭取とうどりに、1983年ねん（昭和しょうわ58年ねん）に鈴木すずき茂しげるが3人にん目めの頭取とうどりに就任しゅうにんした。生はえ抜ぬきの頭取とうどりが二に代だい続つづけて誕生たんじょうしたことで、行内こうないは業容ぎょうよう拡大かくだいへの盛もり上あがりを見みせる。邦銀ほうぎんは1985年ねん（昭和しょうわ60年ねん）頃ごろより、バブル景気けいきに乗のって不動産ふどうさん融資ゆうしに注力ちゅうりょくし、地価ちかの高騰こうとうは首都しゅと圏けんから三さん大都市だいとし圏けんを中心ちゅうしんとして日本にっぽん全国ぜんこくへ広ひろまっていった。

だが北海道ほっかいどうは、景気けいきの波なみは都市とし圏けんよりも遅おくれてたどり着つく。他たの都銀とぎん同様どうよう、拓つぶせ銀ぎんも道外みちそとの拠点きょてんだった東京とうきょう営業えいぎょう部ぶや大阪おおさか支店してんを通つうじて不動産ふどうさん融資ゆうしを始はじめたが、これが本格ほんかく化かしたのは1988年ねん（昭和しょうわ63年ねん）頃ごろのことで、一足いっそく出遅でおくれた格好かっこうとなった。既すでに収益しゅうえき競争きょうそうに突入とつにゅうしていた他ほかの都銀とぎんとの差さは広ひろがり、もはや横浜銀行よこはまぎんこうや千葉銀行ちばぎんこうなどの上位じょうい地方銀行ちほうぎんこうにまで追おい上あげられ、拓つぶせ銀ぎんの焦あせりが募つのっていた。そこで、鈴木すずき頭取とうどりは拡大かくだい路線ろせんをとった。

通常つうじょうの銀行ぎんこう業務ぎょうむなら、土地とちの評価ひょうか額がくの70%程度ていどしか融資ゆうしを行おこなわないが、バブル期きは今後こんごの地価ちか高騰こうとうも見越みこして、その時ときの評価ひょうか額がくの120～130%もの融資ゆうしを行おこなっていた。当時とうじの金融きんゆう機関きかんの多おおくも同様どうようの融資ゆうし形態けいたいを取とっていたが、拓つぶせ銀ぎんは進出しんしゅつが後発こうはつだったため、融資ゆうしの際さい、他たの金融きんゆう機関きかんがすでに担保たんぽとしている土地とちに、劣後れつご順位じゅんいで担保たんぽ設定せっていせざるを得えなかった。これは、借かり手ての不動産ふどうさん会社かいしゃが破綻はたんした際さい、回収かいしゅう可能かのう分ぶんが減へることを意味いみし、後のちに現実げんじつのものとなる。

これらの背景はいけいにあったのは、1989年ねん（平成へいせい元年がんねん）から構想こうそうされ、1990年ねん（平成へいせい2年ねん）に策定さくていされた「たくぎん21世紀せいきビジョン」である。1989年ねんに頭取とうどりに就任しゅうにんした山内やまうち宏ひろしが、鈴木すずきの拡大かくだい路線ろせんを受うけ継つぎ、米国べいこくのコンサルティング会社かいしゃマッキンゼーに依頼いらいしたもので、当初とうしょは「道内どうないでのリーディングバンク」、「本州ほんしゅうでのニューリテール（富裕ふゆう層そう向むけ資産しさん運用うんよう）」、「アジアでの海外かいがい戦略せんりゃく」を三さん本ほん柱ばしらとするものだったが、拓つぶせ銀ぎん幹部かんぶの提案ていあんにより「企業きぎょう成長せいちょう・不動産ふどうさん開発かいはつ支援しえん（インキュベーター）」が最終さいしゅう案あんに付つけ加くわえられた。頭取とうどり時代じだいに拡大かくだい路線ろせんを決定けっていした鈴木すずき会長かいちょう、80年代ねんだい後半こうはんにインキュベーター路線ろせんの陣頭じんとう指揮しきをとった佐藤さとう安彦やすひこ副ふく頭取とうどり、「たくぎん21世紀せいきビジョン」がスタートした1990年ねんに陣頭じんとう指揮しきをとった海道かいどう弘司ひろし常務じょうむの3人にんは「SSKトリオ」と呼よばれた。この「SSKトリオ」が事実じじつ上じょう行内こうないの人事じんじ権けんを掌握しょうあくしてトロイカ体制たいせいを作つくり上あげ、拓つぶせ銀ぎんの企業きぎょう体力たいりょくを明あきらかに上回うわまわる無理むりな拡大かくだい路線ろせんを推おし進すすめていった。

総合そうごう開発かいはつ部ぶの融資ゆうし

「21世紀せいきビジョン」で付つけ足たしに過すぎなかったはずのインキュベーター戦略せんりゃくは、北海道ほっかいどうへのバブル到達とうたつとともに主役しゅやくと見みなされるようになり、これを担になう「総合そうごう開発かいはつ部ぶ」が拓ひらけ銀ぎんに新設しんせつされた。総合そうごう開発かいはつ部ぶには渉外しょうがい・契約けいやくを担当たんとうする業務ぎょうむ推進すいしんグループと、融資ゆうしが適正てきせいかを検査けんさする審査しんさグループがあった。しかし人員じんいん配置はいちは業務ぎょうむ推進すいしん8名めいに対たいし審査しんさ2名めいと、審査しんさ機能きのうが極きわめて軽視けいしされていた。

また、総合そうごう開発かいはつ部ぶは第だい1部ぶと第だい2部ぶに分わかれ、それぞれ札幌さっぽろと東京とうきょうを受うけ持もっていた。既すでに総量そうりょう規制きせいの通達つうたつが出だされ、地価ちかも日経にっけい平均へいきん株価かぶかも下落げらくに転てんじており、東京とうきょうの第だい2部ぶは肌身はだみにバブルの終焉しゅうえんを感かんじていた。第だい2部ぶは不動産ふどうさん融資ゆうしの凍結とうけつを決定けっていしたが、第だい1部ぶには危機きき感かんが通つうじず、第だい2部ぶは1991年ねん（平成へいせい3年ねん）10月に設置せっち1年ねんで廃止はいし。一方いっぽうの第だい1部ぶは、ますます勢いきおいに乗のって乱脈らんみゃく融資ゆうしを広ひろげる。特とくにカブトデコムとソフィアの2社しゃへの融資ゆうしはその後ご、巨大きょだいな不良ふりょう債権さいけんへと変貌へんぼうする。

経営けいえい破綻はたん

不良ふりょう債権さいけんの急増きゅうぞう

1990年代ねんだいに入はいり、バブル崩壊ほうかいが起おき、拓つぶせ銀ぎんの不良ふりょう債権さいけんも急増きゅうぞうする。

カブトとソフィアへの融資ゆうしで建たてられたホテルは採算さいさん性せいが皆無かいむで、加くわえてホテルマンとしては素人しろうとである拓つぶせ銀行ぎんこう員いんが従業じゅうぎょう員いんに加くわわっていたため、営業えいぎょうするだけ赤字あかじは拡大かくだいしていった。目立めだった客きゃくは「拓つぶせ銀ぎん○○支店してんご家族かぞく一いち行ぎょう様さま」といった関係かんけい者しゃばかりであり、1994年ねん（平成へいせい6年ねん）の宿泊しゅくはく者しゃ数すうは、目標もくひょうの半分はんぶんに過すぎない5万まん7,000人にんであった。拓つぶせ銀ぎんはすぐに潰つぶして償却しょうきゃくするという選択せんたくをせず、延命えんめい資金しきんを追加ついか注入ちゅうにゅうし、不良ふりょう債権さいけんはさらに増加ぞうかしていった。

拓つぶせ銀ぎんからカブトへの直接ちょくせつの融資ゆうしは500億おく円えん程度ていどとされていたが、傘下さんか企業きぎょう同士どうしを含ふくめる総体そうたいは数すう千せん億おく円えん規模きぼに膨ふくらんでいた。1992年ねん（平成へいせい4年ねん）3月がつ末すえには、500億おく円えんの追加ついか融資枠ゆうしわくが設定せっていされ、第三者だいさんしゃ割当わりあて増資ぞうしの引受ひきうけもあり、最終さいしゅう的てきにカブトへの融資ゆうしは2,803億おく円えん、カブトによる関連かんれん会社かいしゃへの債務さいむ保証ほしょうも1,000億おく円えんを超こえていた。拓つぶせ銀側ぎんがわも「実質じっしつ的てきにカブトは債務さいむ超過ちょうか」と認みとめたが、融資ゆうしの中なかにはペーパーカンパニーを通とおしたものもあり、すぐにカブトに倒産とうさんされては不正ふせいの実態じったいが明あかるみに出でてしまう。この責任せきにん問題もんだいを恐おそれた拓つぶせ銀ぎんは、表面ひょうめん上じょうは再建さいけん支援しえんを装よそおいつつ、自みずからへの悪影響あくえいきょうを減へらしながらカブトを数すうか月げつかけて倒産とうさんに導みちびく方向ほうこうで動うごき出だす。

1992年ねん（平成へいせい4年ねん）には、拡大かくだい路線ろせんを進すすめてきた「SSKトリオ」の最もっとも下したであった海道かいどう常務じょうむが乱脈らんみゃく融資ゆうしの責任せきにんをとらされる形かたちで退任たいにんし、関連かんれん会社かいしゃタクトの社長しゃちょうに就任しゅうにんした。同年どうねんに、頭取とうどり時代じだいに拡大かくだい路線ろせんを採用さいようし、SSKトリオの長ちょうとして長ながらく人事じんじ権けんを掌握しょうあくしていた鈴木すずき会長かいちょうも取締役とりしまりやく相談役そうだんやくに退しりぞいた。SSKトリオは崩壊ほうかいし、行内こうないでの影響えいきょう力りょくを失うしなった。

不良ふりょう債権さいけん処理しょり

1992年ねん（平成へいせい4年ねん）10月に山内やまうち宏ひろし頭取とうどりらが集あつまって拓つぶせ銀ぎん本社ほんしゃで開ひらかれた経営けいえい会議かいぎで、カブトを倒産とうさんに追おい込こむことが決定けっていされた。1993年ねん（平成へいせい5年ねん）3月がつの年度ねんど末まつを挟はさんだ前後ぜんごに、拓つぶせ銀ぎんから傘下さんかのペーパーカンパニーを通つうじた巨額きょがくの資金しきん移動いどうがなされている。総額そうがく400億おく円えんにも上のぼる融資ゆうしは、ペーパーカンパニーを素通すどおりし、即日そくじつカブトのグループ企業きぎょうへ流ながされた。これはカブトへの支援しえんにも見みえるが、最終さいしゅう的てきにこれらはカブトグループによる拓つぶせ銀ぎん系けいノンバンクからの借入かりいれ返済へんさいに充あてられ、系列けいれつノンバンクの経営けいえい危機ききは覆おおい隠かくされることとなった。こうして不良ふりょう債権さいけんの飛とばしを行おこなうと同時どうじに、ペーパーカンパニーはカブト保有ほゆう不動産ふどうさんも買かい漁あさっていた。数すうか月げつ後ごのカブト倒産とうさんに備そなえて、優良ゆうりょう資産しさんを拓ひらけ銀ぎんのものにする狙ねらいがあった。1992年ねんに「アワジ商会しょうかい」、「ミッテル」、「もりに商事しょうじ」、「ローレイ」などの商号しょうごうで設立せつりつされた拓つぶせ銀ぎん傘下さんかのペーパーカンパニーは、30社しゃ前後ぜんこうもあったとされる。

6月がつになると、拓つぶせ銀ぎんとカブトの断絶だんぜつは鮮明せんめいとなる。カブトグループの中なかでも収益しゅうえき力りょくのある甲かぶと観光かんこうおよび兜かぶとビル開発かいはつの2社しゃを実質じっしつ的てきに乗のっ取とり、傘下さんかに収おさめていた。この2社しゃの取締役とりしまりやくを全員ぜんいん追おい出だした上うえ、担保たんぽ権けんを行使こうししカブト保有ほゆうの2社しゃの株式かぶしきを拓ひらけ銀ぎん名義めいぎに書かき換かえ、極きわめつけはカブトの佐藤さとう社長しゃちょうを約束やくそく手形てがたの偽造ぎぞうを理由りゆうとして札幌さっぽろ地方ちほう検察庁けんさつちょうに告訴こくそし逮捕たいほさせた。拓つぶせ銀ぎんは告訴こくその取とり下さげと引ひき換かえに、カブトに社長しゃちょう退陣たいじんなどの全面ぜんめん降伏ごうぶくを迫せまった。

社長しゃちょうの刑事けいじ告訴こくそは大おおきなダメージであり、拓つぶせ銀ぎんの資金しきん援助えんじょ無なしでは存続そんぞくが危あやういという劣勢れっせいにあったカブトは、やむなくこの条件じょうけんを飲のむ。これを受うけて拓つぶせ銀ぎんは、札幌さっぽろ地検ちけんに告訴こくそ取とり下さげを申もうし出でるが認みとめられず、地検ちけんは「告訴こくそを取とり下さげるなら拓ひらけ銀ぎん首脳しゅのうの特別とくべつ背任はいにん罪ざいを立件りっけんする」という趣旨しゅしを伝つたえた。つまり拓つぶせ銀ぎんは、カブトを上手うまく誘導ゆうどうし支配しはい下かに置おいたつもりでいたが、自身じしんも検察けんさつにマークされていたのである。

一方いっぽうで、1994年ねん（平成へいせい6年ねん）9月の大蔵省おおくらしょう検査けんさで、ソフィアグループ向むけ融資ゆうしに関かんしての指摘してきを受うけたものの、その後ごも100億おく円えんの融資ゆうしを続つづけるなど、不良ふりょう債権さいけん処理しょりには一貫いっかん性せいがなかった。このソフィアグループ向むけ融資ゆうしのうち87億おく円えん分ぶんに関かんしては、拓つぶせ銀ぎん破綻はたん後ご、山内やまうち頭取とうどりと経営けいえい破綻はたん時じの頭取とうどりだった河谷こうだに禎ただし昌あきらが商法しょうほう違反いはん（特別とくべつ背任はいにん罪ざい）容疑ようぎで告発こくはつされている。

経営けいえい危機ききの表面ひょうめん化か

1994年ねん（平成へいせい6年ねん）1月がつの『週刊しゅうかん現代げんだい』に「拓つぶせ銀ぎん解体かいたいの衝撃しょうげきシナリオ」と題だいする記事きじが掲載けいさいされ、初はじめてマスコミから「危あぶない銀行ぎんこう」として明確めいかくに名指なざしされた。北海道ほっかいどうからもバブル景気けいきの波なみが完全かんぜんに退潮たいちょうとなったこの年とし、拓つぶせ銀ぎんが信用しんよう回復かいふくに乗のり出だそうとした矢先やさき、本州ほんしゅうでは数すう十じゅう億おく円えん単位たんいで預金よきんを下おろす企業きぎょうも現あらわれた。同年どうねん4月がつ、乱脈らんみゃく融資ゆうしの中心ちゅうしんとなっていた総合そうごう開発かいはつ部ぶを廃止はいしする。

同年どうねん末まつには、大蔵省おおくらしょうから「決算けっさん承認しょうにん銀行ぎんこう」の指定していをい渡いわたされ、金融きんゆう当局とうきょくの強つよい管理かんり下かに置おかれることとなる。この事実じじつは極秘ごくひ事項じこうとなり、顧客こきゃく・株主かぶぬしは勿論もちろんのこと、行員こういんにも上層じょうそう部ぶを除のぞいてほとんど知しらされていなかった。翌よく1995年ねん（平成へいせい7年ねん）5月に発表はっぴょうした3月がつ期き決算けっさんでは、設立せつりつ以来いらい95年ねんで初はつの赤字あかじに転落てんらく。夏なつにはムーディーズから、「非常ひじょうに弱よわい財務ざいむ内容ないよう・何なんらかの外部がいぶの支援しえんを要ようする」とされるEランクの格付かくづけを与あたえられた。

1996年ねん（平成へいせい8年ねん）末まつ、報道ほうどう機関きかんの間あいだには「大納会だいのうかいの後のちに拓ひらけ銀ぎんが重大じゅうだい発表はっぴょうをする」、「近ちかく業務ぎょうむ停止ていし命令めいれいが出でる」など、不穏ふおんな噂うわさが流ながれ始はじめた。

1997年ねん（平成へいせい9年ねん）1月がつ下旬げじゅん、銀行株ぎんこうかぶは軒並のきなみ安値やすねを更新こうしんし、特とくに拓ひらけ銀ぎん株かぶは外資がいし系けい証券しょうけん会社かいしゃから大量たいりょうの空売からうりを浴あびせられ、18年ねんぶりに株価かぶか200円えんを割わった。大口おおぐちの機関きかん投資とうし家かを中心ちゅうしんとした預金よきん解約かいやくが始はじまるようになる。同年どうねん3月がつの日曜日にちようびの午前ごぜん10時じからのテレビ朝日てれびあさひ系列けいれつの報道ほうどう・政治せいじ討論とうろん番組ばんぐみ「サンデープロジェクト」において、銀行ぎんこう名めいは伏ふせながらも「株価かぶかからみると実質じっしつ的てきに破綻はたんしています。」という発言はつげんが放送ほうそうされると、不安ふあんは小口こぐちの一般いっぱん利用りよう者しゃにまで広ひろがり、翌よく月曜日げつようびだけで10億おく円えん以上いじょうの預金よきんが解約かいやくされる取とり付つけ騒さわぎとなった。預金よきん流出りゅうしゅつと経営けいえい不安ふあんが負まけのスパイラルとなっていた。

北海道銀行ほっかいどうぎんこうとの合併がっぺい構想こうそうの破談はだん

1997年ねん（平成へいせい9年ねん）3月がつ、拓つぶせ銀ぎんは貸かし出金しゅっきん総額そうがくに対たいする不良ふりょう債権さいけんの割合わりあいが13.4%と、都銀とぎんの中なかで飛とびぬけて多おおいことが分わかり、経営けいえい不安ふあんと共ともに資金しきん調達ちょうたつ難なんが生しょうじた。「大手おおて20行ぎょうは潰つぶさない」との方針ほうしんを持もっていた大蔵省おおくらしょうは、拓つぶせ銀ぎんを北海道ほっかいどう第だい2の銀行ぎんこうであり、藤田ふじた恒郎つねお（元もと大蔵省おおくらしょう証券しょうけん局長きょくちょう）が頭取とうどりを務つとめる北海道銀行ほっかいどうぎんこう（道みち銀ぎん）と合併がっぺいさせる方針ほうしんをとった。道みち銀ぎんもバブル崩壊ほうかいで、また道内どうない第だい3位いの北洋銀行ほくようぎんこうとの競合きょうごうもあり、経営けいえいが苦くるしかったため、拓つぶせ銀ぎんが存続そんぞく会社かいしゃになり「新しん北海道銀行ほっかいどうぎんこう」として翌年よくねん4月がつに合併がっぺいするという計画けいかくが発表はっぴょうされた。

1997年ねん（平成へいせい9年ねん）3月15日にち、道みち銀ぎんの藤田ふじた頭取とうどりは地銀協ちぎんきょうの例会れいかいで東京とうきょうに向むかい、同日どうじつ夜よるに宿泊しゅくはく先さきのウェスティンホテル東京とうきょう501号ごう室しつで拓ひらけ銀ぎんの河谷こうだに禎ただし昌あきら頭取とうどりと会談かいだんをもった。藤田ふじた頭取とうどりは合併がっぺい素案そあんを記しるしたメモを差さし出だし、河谷こうだに頭取とうどりもこれを了承りょうしょう。同席どうせき者しゃはおらず、トップ2人にんだけの一いち晩ばんの会談かいだんで銀行ぎんこう同士どうしの合併がっぺいが決定けっていされた。半月はんつき後ごの4月がつ1日にちに札幌さっぽろグランドホテルで記者きしゃ会見かいけんを開ひらき、素案そあんメモとほぼ同様どうようの合併がっぺい趣意しゅい書しょが発表はっぴょうされた。新しん銀行ぎんこうの肩書かたがきは都銀とぎんでも地銀ちぎんでもない「スーパーリージョナルバンク」と言葉ことばを濁にごらせるも、「今回こんかいの合併がっぺいは相思相愛そうしそうあいの恋愛れんあい結婚けっこん」と両りょう頭取とうどりらは胸むねを張はった。また、地元じもと有力ゆうりょく紙しの北海道新聞ほっかいどうしんぶんも両行りょうこうの合併がっぺいに賛成さんせいの立場たちばを取とり、道内どうない経済けいざい界かいに対たいし強つよく支援しえんを呼よびかけた。

しかし、不良ふりょう債権さいけんの認識にんしきの相違そういに対たいする不信ふしん感かんや、長年ながねんのライバルである拓つぶせ銀ぎんへの感情かんじょう論ろんもあり、道みち銀行ぎんこう員いんは合併がっぺいに強つよく反対はんたい。さらに、道みち銀ぎんが拓ひらけ銀ぎんに本州ほんしゅう営業えいぎょう撤退てったいによる強力きょうりょくな合理ごうり化かを求もとめたのに対たいし、拓つぶせ銀ぎんの営業えいぎょう基盤きばんは事実じじつ上じょう北海道ほっかいどうと東京とうきょうに分わかれており、営業えいぎょう利益りえきの4割わりの源泉げんせんである本州ほんしゅうからの撤退てったいに強つよく反発はんぱつしたことが決定的けっていてき要因よういんとなり合併がっぺいは凍結とうけつ。両行りょうこうは激はげしく衝突しょうとつし、9月12日にちになってからの合併がっぺいの半年はんとし延期えんきを発表はっぴょう、道みち銀側ぎんがわは白紙はくし撤回てっかいしたものと受うけ取とっていた。

拓つぶせ銀ぎんは道みち銀ぎん以外いがいにも日本興業銀行にほんこうぎょうぎんこうや日本長期信用銀行にっぽんちょうきしんようぎんこうに対たいしても業務ぎょうむ・資本しほん提携ていけいを打診だしんし、また、親密しんみつな関係かんけいにあった明治生命めいじせいめいや朝日生命あさひせいめいにも増資ぞうしを持もちかけたが、あまりに悪化あっかした拓つぶせ銀ぎんの財務ざいむ状況じょうきょうや、道みち銀ぎんとの合併がっぺい破談はだんが噂うわさされたことで、いずれも相手あいてにされなかった。

資金しきん調達ちょうたつの難航なんこう

1994年ねん（平成へいせい6年ねん）の預金よきん額がく8兆ちょう7,000億おく円えんをピークに、経営けいえい不安ふあんの拡大かくだいにより、本州ほんしゅう方面ほうめんを中心ちゅうしんに解約かいやく・流出りゅうしゅつが進すすんだ。1997年ねん（平成へいせい9年ねん）9月末すえには、預金よきん額がくが5兆ちょう9,000億おく円えんにまで落おち込こんでいた。道みち銀ぎんとの合併がっぺい破談はだん以降いこうは再ふたたび経営けいえい不安ふあんが広ひろがり、株価かぶかも倒産とうさん警戒けいかい水準すいじゅんといわれる100円えんを割わってしまった。さらに資金しきん調達ちょうたつが難むずかしくなり、他行たぎょうに比くらべて極きわめて高たかい金利きんりを付つけていた大口おおぐち定期ていき預金よきんや、コール市場いちばより資金しきんを集あつめることなどで何なにとかしのいでいた。末期まっきの拓つぶせ銀ぎんに資金しきんを供給きょうきゅうしていた金融きんゆう機関きかんには、主しゅ幹事かんじの山一證券やまいちしょうけんも含ふくまれていたが、山一やまいちも同様どうように経営けいえいは苦くるしく、拓つぶせ銀ぎんの味方みかたは消きえていった。

1,000万まん円えん以上いじょうの大口おおぐち定期ていき預金よきんは、各かく顧客こきゃくの取引とりひき状じょう況きょうなどを勘案かんあんして、窓口まどぐちに掲示けいじしてある金利きんりに上乗うわのせした金利きんりを提示ていじして預あずかっているが、当時とうじは拓ひらけ銀ぎんがあまりの高金利こうきんりで大口おおぐち定期ていき預金よきんを集あつめており、各かく金融きんゆう機関きかんの資金しきん運用うんよう部門ぶもんからは各かく支店してんに「獲得かくとくを巡めぐって金利きんりで拓ひらけ銀ぎんとは争あらそうな」との厳命げんめいが下くだされていたという。その金利きんりの高たかさは北海道ほっかいどう財務局ざいむきょくの担当たんとう者しゃが「拓つぶせ銀ぎんさん、こんな高だかレートで大丈夫だいじょうぶですか?」と資金しきん証券しょうけん部長ぶちょうに声こえをかけるほどだったという。

1997年ねん（平成へいせい9年ねん）11月4日にち、三洋証券さんようしょうけんの経営けいえい破綻はたんにより、群馬ぐんま中央ちゅうおう信用金庫しんようきんこが貸付かしつけていた無む担保たんぽコール資金しきん約やく10億おく円えんがデフォルトする。これにより無む担保たんぽコこール市場るしじょうが大だい混乱こんらんに陥おちいり、各かく金融きんゆう機関きかんのクレジットラインは急速きゅうそくに縮小しゅくしょう、拓つぶせ銀ぎんはコこール市場るしじょうでの資金しきん調達ちょうたつが極きわめて難むずかしくなった。同日どうじつ、拓つぶせ銀ぎんは北海道庁ほっかいどうちょうに緊急きんきゅう支援しえんを求もとめ、道みちは全国ぜんこく信用金庫しんようきんこ連合れんごう会かいから500億おく円えんの融資ゆうしを受うけ、それを拓ひらけ銀ぎんに預金よきんするという手段しゅだんで資金繰しきんぐりをなんとか乗のり切きるという有様ありさまだった。その後ご株価かぶかは一時いちじ59円えんと額面がくめん50円えん割われ寸前すんぜんにまでなり、末端まったんの支店してんにまでも融資ゆうし回収かいしゅう・預金よきん調達ちょうたつの指令しれいが飛とんだ。日銀にちぎんは拓ひらけ銀ぎんの資金しきん担当たんとうに毎日まいにち5-6回かい電話でんわし、資金繰しきんぐりを確認かくにんしたという。11月13日にちに日本銀行にっぽんぎんこう札幌さっぽろ支店してんから「もう支援しえんできない。営業えいぎょう譲渡じょうとを決断けつだんしてほしい」と電話でんわで迫せまられ、金融きんゆう当局とうきょくにも見放みはなされるかたちとなった。

11月14日にち、日経にっけい平均へいきん株価かぶかが約やく2年ねん半はんぶりに15,000円えんを割わり込こんだ。これを受うけ、欧米おうべいの政府せいふ金融きんゆう当局とうきょく者しゃが、相次あいついで日本にっぽんの金融きんゆうに対たいする懸念けねんを表明ひょうめいし、金融きんゆう機関きかんの不良ふりょう債権さいけん処理しょりが進すすまず、景気けいきが好転こうてんしない日本にっぽん経済けいざいに対たいする不信ふしん感かんが強つよまった。この結果けっか、日本にっぽんの銀行ぎんこうが資金しきん調達ちょうたつする際さいの金利きんりが、欧米おうべいの銀行ぎんこうよりも押おし並なべて高たかくなるジャパン・プレミアムが発生はっせい。日本にっぽんの金融きんゆう当局とうきょくは、信用しんよう回復かいふく措置そちを取とらねばならなくなり、水面すいめん下かで拓ひらけ銀ぎんの処理しょり策さくが検討けんとうされ始はじめる。これまで拓ひらけ銀ぎんは一いち日にちあたり400億おく円えんを無む担保たんぽコこール市場るしじょうで調達ちょうたつしており、遅おそくとも午前ごぜん11時じ頃ごろには必要ひつよう量りょうを確保かくほしていたが、この日ひは12時じを過すぎても確保かくほできず、かろうじて確保かくほ出来できたのは61億おく円えんに留とどまっていた。

この日ひは、日銀にちぎんが金融きんゆう機関きかんの預金よきんの一部いちぶを強制きょうせい的てきに預あづけ入いれさせる「準備じゅんび預金よきん」の積立つみたて最終さいしゅう日びにも重かさなっていた。拓つぶせ銀ぎんは調達ちょうたつした資金しきんを各種かくしゅ決済けっさいに優先ゆうせんして充あてたため、この準備じゅんび預金よきんが目標もくひょう額がくに達たっさず、過怠かたい金きん約やく300万まん円えんを日銀にちぎんに支払しはらった。一部いちぶの幹部かんぶはこれで急場きゅうばを凌しのいだと考かんがえていたが、東京とうきょう資金しきん証券しょうけん部ぶはもはや限界げんかいだった。

営業えいぎょう譲渡じょうと先さきの模索もさく

11月14日にち午後ごご、東京とうきょうの企画きかく部ぶから資金繰しきんぐりの難航なんこうについて連絡れんらくを受うけた河谷こうだに頭取とうどりは、新しん千歳空港ちとせくうこうから羽田空港はねだくうこうへ飛とび、丸まるの内うちのパレスホテルに向むかった。ホテルの一室いっしつに集たかった他ほかの取締役とりしまりやくから、最悪さいあくの場合ばあい、翌週よくしゅう11月17日にちの月曜日げつようびには資金しきんがショートし、決済けっさい資金しきんを用意よういできない取引とりひき企業きぎょうが現あらわれる可能かのう性せいが説明せつめいされ、現実げんじつとなれば北海道ほっかいどう経済けいざいは大だい混乱こんらんに陥おちいる恐おそれが出でた。

パレスホテルから大蔵省おおくらしょうに連絡れんらくが入はいり、同省どうしょうを交まじえた根回ねまわしが始はじまった。前述ぜんじゅつの経緯けいいから、拓つぶせ銀ぎんの道内どうない営業えいぎょう譲渡じょうとについて同省どうしょうが当初とうしょ薦すすめた相手あいては道みち銀ぎんだった。しかし、合併がっぺい話はなしの経緯けいいにみる感情かんじょう論ろんがあり頓挫とんざした。次つぎに薦すすめた相手あいては、当時とうじ札幌さっぽろに本店ほんてんがあった第だい二に地方銀行ちほうぎんこうの札幌銀行さっぽろぎんこう（札さつ銀ぎん）だった。道内どうない第だい4位いの小規模しょうきぼ行ぎょうではあったが、吉野よしの次郎じろうを除のぞく札さつ銀ぎんの歴代れきだいトップが、ほぼ全員ぜんいん拓ひらけ銀ぎんの元もと役員やくいん出身しゅっしんで、最近さいきんでは多数たすうのOBを受うけ入いれていた事ことから行風こうふうも似にており、人事じんじ交流こうりゅうも盛さかんであったことに加くわえ、これまで札さつ銀ぎんが閉鎖へいさした店舗てんぽを拓ひらけ銀ぎんが引ひき受うけた実績じっせきがあった。このため、大蔵省おおくらしょうは札さつ銀ぎんへの営業えいぎょう譲渡じょうとを打診だしんし、札さつ銀側ぎんがわも受うけ入いれに意欲いよく的てきな姿勢しせいを見みせた。

一方いっぽう、拓つぶせ銀ぎん首脳しゅのうは札幌さっぽろ銀行ぎんこうを営業えいぎょう譲渡じょうと先さきに選えらぶことを極端きょくたんなまでに拒絶きょぜつした。背景はいけいには元もと拓つぶせ銀ぎん役員やくいんで、当時とうじ札さつ銀ぎん会長かいちょうを兼任けんにんしていた潮田うしおだ隆たかし頭取とうどりの存在そんざいがあったためである。潮田うしおだ頭取とうどりは拓ひらけ銀ぎん在職ざいしょく中ちゅうに「個人こじん融資ゆうし取引とりひきを推進すいしんすべきである」との持論じろんを展開てんかいし、「融資ゆうしによる資金しきん運用うんようは企業きぎょう先さきで」と考かんがえていた拓つぶせ銀ぎん首脳しゅのう陣じんとの間あいだで意見いけんが真まっ向こうから対立たいりつ。その結果けっか、北海道ほっかいどう相互そうご銀行ぎんこう（通称つうしょう: 道みち相銀そうぎん=どーそーぎん。札幌さっぽろ銀行ぎんこうの前身ぜんしん）への出向しゅっこうを命めいぜられ、事実じじつ上じょう更迭こうてつ（今いまで言いう報復ほうふく人事じんじ）された経緯けいいがあった。道みち相銀そうぎんに移うつった潮田うしおだ頭取とうどりは持論じろんだった個人こじん融資ゆうし取引とりひきを大々的だいだいてきに推進すいしん。悲願ひがんだった普通ふつう銀行ぎんこう転換てんかんを果はたし、小規模しょうきぼ銀行ぎんこうながら消費しょうひ者しゃローンの各種かくしゅノウハウを蓄積ちくせきして大おおきな収益しゅうえき源げんとして確立かくりつしたことから、「消費しょうひ者しゃローンのパイオニア」として業界ぎょうかいをリードするまでに成長せいちょうしていた。

こうした経緯けいいから、拓つぶせ銀ぎん首脳しゅのうは潮田うしおだ頭取とうどりからの報復ほうふくを恐おそれていたため、「札さつ銀ぎんへの譲渡じょうとだけは」と頑かたくなに拒否きょひした。事実じじつ、後のちに北洋ほくようへの営業えいぎょう譲渡じょうとが決きまった際さい、潮田うしおだ頭取とうどりは自みずからの側近そっきんに「あの時とき奴やつらが俺おれの言いうことを聞きいていれば（=拓つぶせ銀ぎん時代じだいに個人こじん融資ゆうしの提案ていあんが受うけいれられていれば）こんなことにはならなかった筈はずだ」と語かたっている。

他たに複数ふくすうの金融きんゆう機関きかんへ支店してんをバラ売うりする案あんもあったと言いわれているが、道みち銀ぎん・札さつ銀ぎん・複数ふくすうの金融きんゆう機関きかんへバラ売うりのいずれにせよ、大蔵省おおくらしょうサイドには拓ひらけ銀ぎんに縁えんもゆかりも無ない北洋銀行ほくようぎんこうに営業えいぎょう譲渡じょうとを行おこなう考かんがえは全まったく無なかった。

北洋銀行ほくようぎんこうへの営業えいぎょう譲渡じょうと

このころ大蔵省おおくらしょうとは別べつに日銀にちぎんサイドが、元もと日銀にちぎん考査こうさ局きょく次長じちょうの武井たけい正直まさなおが当時とうじ頭取とうどりを務つとめていた北洋銀行ほくようぎんこうへの譲渡じょうとを促うながしたことが後押あとおしとなり、最終さいしゅう的てきに拓ひらけ銀ぎんは北洋ほくように営業えいぎょう譲渡じょうとすることを決定けっていした。大蔵省おおくらしょうと日銀にちぎんの縄張なわばり争あらそい、そして拓つぶせ銀ぎん首脳しゅのうの浅あさましい見栄みえと意地いじが北海道ほっかいどう経済けいざいの先行さきゆきを決定けっていするかたちとなった。すなわち、武井たけい頭取とうどりの「鶴づるの一声いっせい」で、北洋銀行ほくようぎんこうが北海道ほっかいどう経済けいざいを漁夫ぎょふの利りで得えたことになる。

11月15日にち午後ごご3時じ30分ふんより、拓つぶせ銀ぎんはパレスホテルにて臨時りんじ取締役とりしまりやく会かいを開催かいさいし、営業えいぎょう継続けいぞく断念だんねんを全会ぜんかい一致いっちで決定けっていした。その結果けっか、1998年ねん（平成へいせい10年ねん）11月10日にちをもって営業えいぎょうを終了しゅうりょうし、従業じゅうぎょう員いん・行員こういん数すうは拓ひらけ銀ぎんの1/3、総そう資産しさん額がくは1/5、資本しほん金きんに至いたっては1/10程度ていどしかない北海道ほっかいどうで第だい3位いの銀行ぎんこうだった第だい二に地銀ちぎんの北洋銀行ほくようぎんこうに道内どうない営業えいぎょうを譲渡じょうとすることとなった。なお、この時点じてんでは本州ほんしゅうの店舗てんぽについての具体ぐたい的てきな決定けっていはなされていない。

北洋銀行ほくようぎんこうサイドに営業えいぎょう譲渡じょうとの件けんが伝つたえられたのは、東京とうきょうにて拓ひらけ銀ぎん取締役とりしまりやく会かいが開催かいさいされるのに先立さきだつ11月15日にちの昼前ひるまえだった。最初さいしょにコンタクトを受うけた高向たこう巖いわお副ふく頭取とうどり（後ごの頭取とうどり・札幌さっぽろ北洋ほくようHD社長しゃちょうを経へて、2012年ねんまで北きた洋銀ようぎん・札幌さっぽろ北洋ほくようHD会長かいちょう）は、土曜日どようびで休日きゅうじつだったことから妻つまと連つれ立だって自宅じたくから外出がいしゅつ間際まぎわだった。一報いっぽうを受うけるなり、高向たこうはすぐに札幌さっぽろ市内しないで開催かいさいされる講演こうえん会かいの開会かいかい挨拶あいさつに向むかっていた武井たけい頭取とうどりの自動車じどうしゃ電話でんわにコンタクトを取とり、講演こうえん会場かいじょうに急行きゅうこうした。武井たけい頭取とうどりは挨拶あいさつを終おえるなり、直ただちに会場かいじょうの公衆こうしゅう電話でんわから4,500円えん分ぶんのテレホンカードを使つかって日銀にちぎんに連絡れんらくを取とったというエピソードが、いかに切迫せっぱくした状況じょうきょうだったかを物語ものがたっている。武井たけいら北洋ほくよう首脳しゅのう陣じんが拓ひらけ銀ぎん営業えいぎょう譲受じょうじゅを決断けつだんしたのはその夕方ゆうがた、北洋銀行ほくようぎんこう本店ほんてん4階かいの役員やくいん応接おうせつ室しつでのことだった。

武井たけいは拓ひらけ銀ぎんの営業えいぎょう譲受じょうじゅに際さいして、「法人ほうじん格かくとしての拓つぶせ銀ぎんとの合併がっぺいはしないこと」、「日銀にちぎん特とく融とおる及および預金保険機構よきんほけんきこうの資金しきん供給きょうきゅうによる取とり付つけ騒さわぎへの対応たいおう」、「北洋銀行ほくようぎんこうの引受ひきうけは道内どうないのみ」を条件じょうけんとした。

11月17日にち午前ごぜん8時じ、道内どうない分ぶんの拓つぶせ銀ぎん営業えいぎょう譲受じょうじゅを機関きかん決定けっていする北洋銀行ほくようぎんこうの取締役とりしまりやく会かいが開催かいさいされた。拓つぶせ銀ぎんの営業えいぎょう譲渡じょうと発表はっぴょうは目前もくぜんに迫せまっており、時間じかん的てき余裕よゆうは全まったくなかった。第だい二に地銀ちぎんが都市とし銀行ぎんこうを救済きゅうさいするという前代未聞ぜんだいみもんの事態じたいにあたり、武井たけい頭取とうどりは取締役とりしまりやく会かい開会かいかいにおいて「議事ぎじ録ろくに反対はんたい意見いけんが記録きろくされていれば株主かぶぬし代表だいひょう訴訟そしょうでは免責めんせきされる。反対はんたいするなら正直しょうじきに反対はんたいして欲ほしい」と述のべ、役員やくいんひとりひとりに意見いけんを求もとめたが、反対はんたい意見いけんは皆無かいむだったとされる。また、後のちに拓ひらけ銀ぎん営業えいぎょう譲受じょうじゅを不安ふあんがる行員こういん向むけの説明せつめい会かいで、武井たけい頭取とうどりは「相手あいてが都銀とぎんだったからといって（第だい二に地銀ちぎんである）自分じぶんたちを卑下ひげする必要ひつようは全まったくない。何故なぜなら拓ひらけ銀ぎんは無能むのうだから潰つぶれたんだ」と語かたっている。

破綻はたんの日ひ

11月15日にち（土曜日どようび）、東京とうきょう都と千代田ちよだ区くのパレスホテルでの取締役とりしまりやく会かい決定けっていが札幌さっぽろ市しの本店ほんてんに伝つたわると、来きたる11月17日にち（月曜日げつようび）への対策たいさくが始はじまった。取とり付つけ騒さわぎに備そなえるため、日銀にちぎんは拓ひらけ銀ぎんの預金よきんの2%に当あたる現金げんきん800億おく円えんを用意よういするよう指示しじ。しかし、拓つぶせ銀ぎんが準備じゅんびできたのは360億おく円えんで、不足ふそく分ぶんは日銀にちぎん特とく融とおるを利用りようし、事前じぜんに道内どうない134の拓つぶせ銀ぎん本ほん・支店してんへと運はこび込こんでおく必要ひつようがあった。

拓つぶせ銀ぎんの経営けいえい不安ふあんがマスコミで報ほうじられるようになった頃ころから、日銀にちぎんの道内どうない支店してんには平時へいじより多おおめの日本銀行にっぽんぎんこう券けんが用意よういされていた。ただ、日銀にちぎんとしても都銀とぎんの破綻はたんは経験けいけんが無なく、既すでに破綻はたんした兵庫銀行ひょうごぎんこう、太平洋たいへいよう銀行ぎんこうや阪和はんわ銀行ぎんこうのケースはいずれも参考さんこうにならなかったからである。

そこで、道内どうない各かく支店してんから資金しきん母はは店てん、資金しきん母はは店てんから日銀にちぎん支店してんへの所要しょよう時間じかんを逆算ぎゃくさんして現金げんきん輸送ゆそうのスケジュールを組くみ、それに合あわせて日銀にちぎん各かく支店してんでは、各かく支店してんごとに必要ひつような資金しきんを推測すいそくし、現金げんきんを用意よういするという綿密めんみつな計画けいかくを作成さくせいし、異例いれいとも言いえる休日きゅうじつ返上へんじょうの不眠ふみん不休ふきゅうでの突貫とっかん作業さぎょうが行おこなわれた。

11月16日にち（日曜日にちようび）夕方ゆうがたから現金げんきん輸送ゆそうが始はじまり、各かく支店してんにも通達つうたつがなされ、作業さぎょうが終おわったのは21時じ。同時どうじに本店ほんてん勤務きんむ行員こういんの各かく自宅じたくに連絡れんらくが入はいり、翌朝よくあさ7時じまでに支店してんの応援おうえんに向むかうよう伝つたえられた。深夜しんやの拓つぶせ銀ぎん本店ほんてんでは、取引とりひき先さきへの配布はいふ文書ぶんしょ・店頭てんとうポスター・記者きしゃ会見かいけんの想定そうてい問答もんどう集しゅうなどの準備じゅんびが整ととのいつつあった。

11月17日にちの朝あさを迎むかえる。午前ごぜん8時じ20分ふん、拓つぶせ銀ぎん本店ほんてんの記者きしゃ会見かいけん場ばに経営けいえい陣じんが現あらわれた。リストラを進すすめつつも信用しんよう不安ふあん報道ほうどうが続つづき、道みち銀ぎんとの合併がっぺい延期えんきで預金よきん流出りゅうしゅつが止とまらなかったことなど、苦くるしい営業えいぎょう譲渡じょうとへの経緯けいいを述懐じゅっかいした後のち、「明日あした以降いこうの資金繰しきんぐりの目処めどが立たたなくなりましたので、株式会社かぶしきがいしゃ北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこうは当行とうこうの北海道ほっかいどう地区ちくにおける業務ぎょうむを他たの地元じもと金融きんゆう機関きかんの協力きょうりょくを得えつつ、株式会社かぶしきがいしゃ北洋銀行ほくようぎんこう殿どのに承継しょうけい願ねがうことを決定けってい致いたしましたのでお知しらせ致いたします」と述のべ、最後さいごに河谷こうだに頭取とうどりの「大変たいへん本当ほんとうに皆様みなさま方かたにはご迷惑めいわくをおかけ致いたしまして、本当ほんとうに申もうし訳わけございません」との声こえと同時どうじに、同席どうせきした全ぜん役員やくいんが起立きりつし、深々ふかぶかとお辞儀じぎして謝罪しゃざいした。これとほぼ同どう時刻じこくに、北洋銀行ほくようぎんこう本店ほんてんでも先程さきほど決定けっていしたばかりの拓つぶせ銀ぎん営業えいぎょう譲受じょうじゅを発表はっぴょうした。

大蔵省おおくらしょうでも三塚みつづか博ひろし大蔵おおくら大臣だいじんによる会見かいけんが開ひらかれ、「預金よきん・貸出かしだしは引ひき継つがれるので利用りよう者しゃは安心あんしんするように。くれぐれも落おち着ついた行動こうどうを取とって欲ほしい」との説明せつめいがなされた。会見かいけんを終おえた河谷こうだに頭取とうどりから、道みち銀ぎんに簡単かんたんな電話でんわ連絡れんらくが入はいり、合併がっぺい撤回てっかいがここで正式せいしきに決定けっていした。拓つぶせ銀ぎんの会見かいけんに出席しゅっせきした専務せんむ以上いじょうの役員やくいん5人にんは全員ぜんいん退任たいにんした。

都銀とぎん初はつの破綻はたんのニュースは、早朝そうちょうからテレビでも報ほうじられ、新聞しんぶん社しゃは街頭がいとうで号外ごうがいを配くばった。室蘭むろらん支店してんには開店かいてん30分ふんで100人にんが、釧路くしろ支店してんには200人にんが詰つめ掛かけ、混乱こんらんに備そなえて北海道ほっかいどう警察けいさつの警察官けいさつかんも動員どういんされた。店頭てんとうには今後こんごの預金よきん保護ほごについて問とう客きゃく、融資ゆうし契約けいやくを確認かくにんする客きゃく、拓つぶせ銀ぎんを批判ひはんする客きゃくなどさまざまだった。

いずれにせよ、北海道ほっかいどう民みんへの心理しんり的てき不安ふあんは大おおきく、この日ひだけで解約かいやくされた預金よきんは600億おく円えん、11月19日にちまでの3日間にちかんで4,900億おく円えんに上のぼり、支店してんによっては預金よきん解約かいやくの際さいに使つかわれる伝票でんぴょうや払はらい戻もど請求せいきゅう書しょが底そこをついてしまい、近隣きんりん支店してんからの融通ゆうずうも利きかず、止やむなく複写ふくしゃ機きで複写ふくしゃした帳票ちょうひょうを使つかって対応たいおうせざるをえない状況じょうきょうだった。

営業えいぎょう譲渡じょうと処理しょり

1998年ねん（平成へいせい10年ねん）6月28日にち、拓つぶせ銀ぎん解散かいさんを決議けつぎする、事業じぎょう会社かいしゃとしては最後さいごの定時ていじ株主かぶぬし総会そうかいが真駒内まこまないアイスアリーナで開ひらかれた。出席しゅっせき株主かぶぬしは過去かこ最多さいたの1,000人にんを超こえ、真駒内まこまない駅えきから30台だい以上いじょうの貸切かしきりバスがピストン運行うんこうされた。鷲田わしだ秀光ひでみつ頭取とうどり代行だいこうは50分ふんにわたって用意よういされた原稿げんこうを読よみ上あげ、株主かぶぬしからの批判ひはんの質疑しつぎにも想定そうてい問答もんどうを答こたえるだけだった。午後ごご0時じ40分ふん過すぎ、採決さいけつの動議どうぎが出だされる。反対はんたいの声こえを叫さけぶ株主かぶぬしもいたが、拓つぶせ銀ぎんはこの総会そうかいに備そなえて1か月げつ余あまり、電話でんわや戸別こべつ訪問ほうもん・土下座どげざによる説得せっとくで株主かぶぬしからの委任いにん状じょう取とり付つけを行おこなっており、結果けっかは既すでに分わかりきっていた。

整理せいりポストに割わり当あてられていた拓つぶせ銀ぎん株かぶ (8312) は、1998年ねん（平成へいせい10年ねん）8月がつ27日にちに上場じょうじょう廃止はいしとなった。株主かぶぬし総会そうかいでの議決ぎけつに基もとづき、同年どうねん11月13日にちをもって拓つぶせ銀ぎんとしての営業えいぎょうは終了しゅうりょうし、1999年ねん（平成へいせい11年ねん）3月31日にち付づけで法人ほうじんは解散かいさんし、清算せいさん法人ほうじんとなった。2006年ねん（平成へいせい18年ねん）1月がつ31日にちの臨時りんじ株主かぶぬし総会そうかいをもって清算せいさんを終おえたことから、2月がつ6日にち付づけで登記とうき簿ぼの閉鎖へいさ（法人ほうじん格かく抹消まっしょう）がされ、これをもって法人ほうじん「株式会社かぶしきがいしゃ北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこう」は、名実めいじつともに106年ねんの歴史れきしに幕まくを下おろした。

破綻はたんの原因げんいんとされる融資ゆうし先さき

カブトデコム

詳細しょうさいは「カブトデコム」を参照さんしょう

もとは兜かぶと建設けんせつとして創業そうぎょうされたカブトデコム（カブト）は、1988年ねん（昭和しょうわ63年ねん）に現げん商号しょうごうに変更へんこう。その名なの通とおり本来ほんらいは建設けんせつ業ぎょうだったが、土木どぼく工事こうじから不動産ふどうさんの売買ばいばい・賃貸ちんたいへと年としを追おって業態ぎょうたいが変化へんかしていった。率ひきいていたのは44歳さいの若わかき社長しゃちょう・佐藤さとう茂しげるで、1984年ねん頃ころから拓つぶせ銀ぎんとの人脈じんみゃくを形成けいせいしていた。北海道ほっかいどうの建設けんせつ業者ぎょうしゃがもっぱら公共こうきょう事業じぎょうの受注じゅちゅうを収益しゅうえきの柱はしらとする中なか、カブトは「民間みんかん物件ぶっけんの開発かいはつ提案ていあん企業きぎょう」を掲かかげ、急きゅう成長せいちょうを遂とげていた。1989年ねんに154億おく円えんだった売上うりあげ高だかは、1990年ねん（平成へいせい2年ねん）には418億おく円えん、1991年ねん（平成へいせい3年ねん）には1,009億おく円えんと千せん億おくの大台おおだいに乗のせ、株式かぶしきの店頭てんとう公開こうかいも実現じつげん。1989年ねんの初値はつねが2,300円えんだったカブト株かぶは、1990年ねん（平成へいせい2年ねん）に4万まん1,400円えんにまで上昇じょうしょうした。

同どう時期じきに進すすめられていたのが、カブトの総力そうりょくをかけた総そう事業じぎょう費ひ1,000億おく円えんのリゾート計画けいかく「ホテルエイペックス洞爺とうや」であり、拓つぶせ銀ぎんの全面ぜんめん的てきなバックアップがついていた。拓つぶせ銀ぎんは単純たんじゅんな資金しきん提供ていきょうに留とまらず、計画けいかく段階だんかいから行員こういんを派遣はけんし、リゾート会員かいいん権けんを拓ひらけ銀ぎん傘下さんかの「たくぎん保証ほしょう」が販売はんばい保証ほしょうするなど、密接みっせつな関係かんけいにあった。

ソフィア

ソフィアの創業そうぎょう者しゃは理容りよう師しの中村なかむら揚よう一いちである。倶知安くっちゃん町まちに生うまれ、貧まずしい家庭かていで育そだった中村なかむらは旺盛おうせいな向上心こうじょうしんを持もち、1972年ねん（昭和しょうわ47年ねん）、札幌さっぽろ駅えき近ちかくのホテルに「サウナのある理容りよう室しつ」を開業かいぎょう。奇抜きばつな店舗てんぽ展開てんかいで、道内どうない外がいに30店てんを構かまえる「ソフィア中村なかむらチェーン」を築きずいた。

1980年代ねんだいの半なかば、拓つぶせ銀ぎんは中村なかむらと接触せっしょくしている。拓つぶせ銀ぎんは道内どうないの成長せいちょう企業きぎょう発掘はっくつを進すすめており、ソフィアの評判ひょうばんを聞きいて近ちかづいたのだった。ソフィアのメインバンクは当初とうしょ北洋ほくよう相互そうご銀行ぎんこうだったが、急きゅう拡大かくだいを続つづけるソフィアに北洋ほくよう側がわが懸念けねんを示しめしていた。拓つぶせ銀ぎん・ソフィア両者りょうしゃの思惑おもわくは一致いっちし、ソフィアのプロジェクトに拓ひらけ銀ぎんは潤沢じゅんたくな融資ゆうしを行おこなった。

特とくに札幌さっぽろ市し北きた区くにおける大だい規模きぼ再さい開発かいはつ事業じぎょうを打うち出だし、まず1988年ねん（昭和しょうわ63年ねん）にドイツのクアハウスをモデルとした健康けんこうリゾートホテル「札幌さっぽろテルメ（現げん・シャトレーゼ ガトーキングダム サッポロ）」を開業かいぎょう。1991年ねん（平成へいせい3年ねん）には、隣接りんせつ地ちに地上ちじょう11階かい建だての「テルメインターナショナルホテル札幌さっぽろ」の建設けんせつに着手ちゃくしゅ、1993年ねん（平成へいせい5年ねん）に開業かいぎょう。さらには、静岡しずおか県けんのスーパーマーケットヤオハン (現げん・マックスバリュ東海とうかい) と共同きょうどうで巨大きょだいショッピングセンター建設けんせつを計画けいかくするが、こちらはヤオハンの撤退てったいにより1994年ねん（平成へいせい6年ねん）に凍結とうけつ。いずれも拓ひらけ銀ぎんグループが資金しきんを捻出ひねりだし、総そう事業じぎょう費ひ1,000億おく円えん前後ぜんこう、総そう面積めんせきは90ヘクタールに及およんだ。

イージー・キャピタル・アンド・コンサルタンツ

イージー・キャピタル・アンド・コンサルタンツは焼やき鳥とり屋やチェーン「五ごえんや」の創業そうぎょう者しゃ、垣かき端はし（中岡なかおか）信栄しんえいが1983年ねん（昭和しょうわ58年ねん）に設立せつりつした会社かいしゃである。

実際じっさいの融資ゆうしは、拓つぶせ銀ぎん関連かんれん会社かいしゃのノンバンクであるエスコリースが行おこなう形かたちで融資ゆうしがなされていた。同社どうしゃは中小ちゅうしょう企業きぎょうに融資ゆうしし、コンサルタントも行おこなう会員かいいん制せい中小ちゅうしょう企業きぎょう金融きんゆうという仕組しくみでコンサルタント料りょうと貸付かしつけ業務ぎょうむで利益りえきを得える会社かいしゃであった。

しかし、垣かき端はしは付つき合あいのある人間にんげんに金かねをばら撒まき、結果けっか的てきに370億おく円えんもの使途しと不明ふめい金きんが発生はっせいしたほか、本業ほんぎょうの中小ちゅうしょう企業きぎょう向むけ融資ゆうしもバブル経済けいざいがあってこその企業きぎょうばかりで、融資ゆうしも焦こげ付つくようになり、1993年ねん（平成へいせい5年ねん）12月に和議わぎを申請しんせいし、その後ごは貸付かしつけ債権さいけんの回収かいしゅう業務ぎょうむに専念せんねんしていたものの、2001年ねん（平成へいせい13年ねん）3月がつには強制きょうせい和議わぎによる再建さいけんを断念だんねんし、自己じこ破産はさんを申請しんせいした。負債ふさい総額そうがくは3,200億おく円えんで、うちエスコリース向むけの債務さいむは3,000億おく円えんであった。

三貴みき

詳細しょうさいは「三貴みき」を参照さんしょう

三貴みきは、宝飾ほうしょく品ひん・婦人ふじん服ふく・子供こども服ふくの製造せいぞう小売こうり業ぎょうとして1965年ねん（昭和しょうわ40年ねん）に設立せつりつ。早稲田大学わせだだいがく大学院だいがくいんの大学院生だいがくいんせいであった木村きむら和かず巨きょが自宅じたくで開業かいぎょうした宝石ほうせき販売はんばい業ぎょうが起源きげんで、木村きむらの融資ゆうし要請ようせいに唯一ゆいいつ応おうじたのが北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこう神田かんだ支店してんであった縁えんで、同社どうしゃのメインバンクとなる。バブル景気けいきに乗じょうじて急きゅう成長せいちょうした背景はいけいには、拓つぶせ銀ぎんの支援しえんがあったことが極きわめて大おおきい。また、拓つぶせ銀ぎん出身しゅっしんの役員やくいんが多数たすう派遣はけんされており、極きわめて緊密きんみつな関係かんけいにあった。しかし、バブル崩壊ほうかい後ご経営けいえいは悪化あっかし、1997年ねん（平成へいせい9年ねん）にはアパレル部門ぶもんから完全かんぜん撤退てったい。その後ご宝石ほうせき小売こうりに特とく化かしたものの業績ぎょうせきを回復かいふくすることができず、拓つぶせ銀ぎんの破綻はたんに伴ともない致命ちめい的てきな打撃だげきを受うける。 2009年ねん（平成へいせい21年ねん）1月がつ21日にちに東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょに民事みんじ再生さいせい法ほうの適用てきよう申請しんせいを行おこない、負債ふさい総額そうがく約やく117億おく円えんを残のこして経営けいえい破綻はたん。

興隆こうりゅう富士ふじ商しょう

株式会社かぶしきがいしゃ興隆こうりゅう富士ふじ商しょうは、札幌さっぽろ市しで不動産ふどうさん分譲ぶんじょう・賃貸ちんたい、ラブホテル経営けいえいを主おもな業務ぎょうむとして1974年ねん（昭和しょうわ49年ねん）に設立せつりつ。最盛さいせい期きには29億おく円えんを売上うりあげたが、バブル崩壊ほうかい後ごは多額たがくの金利きんり負担ふたんから資金繰しきんぐりに行いき詰づまり、2000年ねん（平成へいせい12年ねん）5月がつ9日にちに二に回かい目めの不渡ふわたりを出だして銀行ぎんこう取引とりひき停止ていし処分しょぶんとなり、2002年ねん（平成へいせい14年ねん）9月がつ26日にちに札幌さっぽろ地裁ちさいから破産はさん宣告せんこくを受うけ倒産とうさんした。負債ふさい総額そうがくは230億おく円えんであった。

興隆こうりゅう富士ふじ商しょうの社長しゃちょうは、拓つぶせ銀ぎんの関連かんれん会社かいしゃ、たくぎんファイナンスサービスからの融資ゆうしを返済へんさいする際さいに、担保たんぽ物件ぶっけんの任意にんい売却ばいきゃく額がくを偽いつわり、根抵当ねていとう権けんを不法ふほうに抹消まっしょうさせたとして、2000年ねん2月がつに詐欺さぎの疑うたがいで逮捕たいほされた。また同社どうしゃは、かつての拓つぶせ銀ぎん首脳しゅのうの個人こじん的てきスキャンダルを把握はあくしたことにより、これをネタに拓ひらけ銀ぎんからの巨額きょがくの不明朗ふめいろうな無む担保たんぽ融資ゆうしを引ひき出だしたとされ、道内どうない金融きんゆう関係かんけい者しゃの間あいだでは「拓つぶせ銀ぎん破綻はたんの源流げんりゅう」とも呼よばれた。

ミヤシタ

株式会社かぶしきがいしゃミヤシタは、帯広おびひろ市しに本社ほんしゃを置おき、内装ないそう、看板かんばん工事こうじを主おもな業務ぎょうむとして1971年ねん（昭和しょうわ46年ねん）3月がつに設立せつりつ。1978年ねん（昭和しょうわ53年ねん）からは、長崎屋ながさきやの北海道ほっかいどうにおける指定してい事業じぎょう者しゃになり、道内どうないの長崎屋ながさきやおよび関連かんれん会社かいしゃの内装ないそう工事こうじをほとんど受注じゅちゅうする関係かんけいとなった。拓つぶせ銀ぎんは1987年ねん（昭和しょうわ62年ねん）11月、ミヤシタから長崎屋ながさきや株かぶの仕手して戦せんの資金しきんとして、20億おく円えんの借かり入いれ申もうし込こみを要請ようせいされたものの、仕手して株かぶの融資ゆうしは社会しゃかい的てきに問題もんだいがあるとの理由りゆうで、直接ちょくせつの融資ゆうしは行おこなわなかった。しかし、その際さいに既存きそん借入かりいれの実績じっせきを理由りゆうに、7億おく円えん（翌年よくねんには9億おく円えんに拡大かくだいされる）の運転うんてん資金しきん限度げんど枠わくを設もうける事ことにより、事実じじつ上じょう、仕手して戦せんの資金しきんとされることを容認ようにんした。

平成へいせいに入はいってからは、子会社こがいしゃである有限ゆうげん会社かいしゃコウシン商事しょうじが1988年ねん（昭和しょうわ63年ねん）以降いこうに行おこなっていた小豆あずき相場そうば取引とりひきを本格ほんかく化かするために、1989年ねん1月がつから2月がつにかけて、拓つぶせ銀ぎんに対たいし小豆しょうず相場そうば運転うんてん資金しきんの融資ゆうしを申もうし込こみ、合計ごうけい27億おく5000万まん円えんの融資ゆうしを実行じっこうしたが、翌年よくねんの1990年ねん3月がつまでに小豆あずき相場そうばの損失そんしつ16億おく5000万まん円えんが発生はっせいする事こととなる。

10月には、小豆しょうず相場そうばでの損失そんしつを挽回ばんかいするために乾繭かんけん（かんけん）現物げんぶつ取引とりひきを画策かくさくし、その必要ひつよう資金しきんとして15億おく円えん（その後ご24億おくまで拡大かくだいされる）の融資ゆうしを依頼いらいしたが、直接ちょくせつの融資ゆうしは不可能ふかのうとされ、子会社こがいしゃのたくぎんファイナンスサービスが融資ゆうしをする事こととなったが、これも失敗しっぱいに終おわり、1992年ねん（平成へいせい4年ねん）に事実じじつ上じょう倒産とうさんした。

破綻はたん後ご

破綻はたん後ご、1999年ねん（平成へいせい11年ねん）に発表はっぴょうされた拓つぶせ銀ぎんの1998年ねん（平成へいせい10年ねん）3月がつ期き決算けっさんでは、米国べいこく基準きじゅんでの公表こうひょう不良ふりょう債権さいけん総額そうがくは貸かし出金しゅっきん残高ざんだか5兆ちょう9,290億おく円えんの約やく4割わりに及およぶ2兆ちょう3,433億おく円えんにのぼった。破綻はたん後ご、優良ゆうりょう貸出かしだし先さきが減へり貸出かしだし資産しさんの劣化れっかが進すすんだこともあるが、旧きゅう基準きじゅんでの1997年ねん（平成へいせい9年ねん）9月中ちゅう間あいだ期き実績じっせきに比くらべ倍増ばいぞうであった。さらに、預金よきんも前年ぜんねん比ひで3兆ちょう2,922億おく円えんも流出りゅうしゅつした。この結果けっか、経常けいじょう損失そんしつは1兆ちょう4,743億おく円えんとなり債務さいむ超過ちょうか額がくは1兆ちょう1,725億おく円えんにのぼった。

なお、拓つぶせ銀ぎんの主しゅ幹事かんじを務つとめていた山一證券やまいちしょうけんも、拓つぶせ銀ぎんの破綻はたん後ごまもなく11月24日にちに自主じしゅ廃業はいぎょうを決定けってい。翌よく1998年ねん（平成へいせい10年ねん）には拓ひらけ銀ぎんが設立せつりつに協力きょうりょくし、大だい株主かぶぬしでもあった日本長期信用銀行にっぽんちょうきしんようぎんこうも連鎖れんさ倒産とうさんしている。

道内どうない店舗てんぽ

札幌さっぽろ市し中央ちゅうおう区く大通西おおどおりにし3丁目ちょうめの旧きゅう拓つぶせ銀ぎん本店ほんてんは「北洋ほくよう大通だいつうビル」と改称かいしょうし（清算せいさん法人ほうじんの事務じむ局きょくもあった）、1階かいは「北洋銀行ほくようぎんこう大通だいつう支店してん」と名なを変かえて営業えいぎょうしていたが、拓つぶせ銀ぎんが完全かんぜん消滅しょうめつした後のちの2006年ねん（平成へいせい18年ねん）11月に建たて替かえのため解体かいたいが開始かいしされた。2010年ねん（平成へいせい22年ねん）5月6日にちに「北洋ほくよう大通だいつうセンター（大通だいつうビッセ）」が竣工しゅんこう。併あわせて至近しきんに所在しょざいする本店ほんてんも、同どうセンター内ないへ2011年ねん（平成へいせい23年ねん）1月がつ11日にち付づけで移転いてんした。これに伴ともない、大通だいつう支店してんが本店ほんてん営業えいぎょう部ぶに統合とうごうされ、営業えいぎょう店てんとしての旧きゅう拓つぶせ銀ぎん本店ほんてんが名実めいじつともに消滅しょうめつすることになった。

道内どうない店舗てんぽは、北洋銀行ほくようぎんこう店舗てんぽと重複じゅうふくする店名てんめいは全すべて旧きゅう拓つぶせ銀ぎん店舗てんぽが店名てんめい変更へんこうされたが、統合とうごう時じの存続そんぞく店舗てんぽについては、規模きぼ・立地りっち条件じょうけん、建物たてものの構造こうぞうや老朽ろうきゅう化かの度合どあい等とうを勘案かんあんし決定けっていされた。その結果けっか、旧きゅう拓つぶせ銀ぎん店舗てんぽを存続そんぞく店てんとする事例じれいや北洋銀行ほくようぎんこう店舗てんぽが継承けいしょう店てんであるが、統合とうごう時じに旧きゅう拓つぶせ銀ぎん店舗てんぽ所在地しょざいちに移転いてんする事例じれいが多おおくみられ、北洋銀行ほくようぎんこう店舗てんぽに統合とうごうされたのは、森もり中央ちゅうおう、深川ふかがわ中央ちゅうおう、江差えさし中央ちゅうおう、余市よいち中央ちゅうおう、中標津なかしべつ中央ちゅうおう、豊平とよひら中央ちゅうおう、東区役所前ひがしくやくしょまえ、北広島きたひろしま団地だんち支店してんの8店てんに止とまった。

旧きゅう拓つぶせ銀ぎん店舗てんぽが存続そんぞく店てん（北洋銀行ほくようぎんこう店舗てんぽを統合とうごう）　　

札幌さっぽろ駅えき南口みなみぐち支店してん

北きた七なな条じょう支店してん

北五条きたごじょう通どおり支店してん

円山公園まるやまこうえん支店してん

琴似ことに中央ちゅうおう支店してん

江別えべつ中央ちゅうおう支店してん

千歳ちとせ中央ちゅうおう支店してん

函館はこだて中央ちゅうおう支店してん

五稜郭ごりょうかく公園こうえん支店してん

美原みはら支店してん

小樽おたる中央ちゅうおう支店してん

岩内いわうち中央ちゅうおう支店してん

室蘭むろらん中央ちゅうおう支店してん

中島なかじま町まち支店してん

苫小牧とまこまい中央ちゅうおう支店してん

岩見沢いわみざわ中央ちゅうおう支店してん

旭川あさひかわ中央ちゅうおう支店してん

大雪通たいせつどおり支店してん

永山ながやま中央ちゅうおう支店してん

春光しゅんこう支店してん

帯広おびひろ中央ちゅうおう支店してん

釧路くしろ中央ちゅうおう支店してん

北見きたみ中央ちゅうおう支店してん

澄川すみかわ中央ちゅうおう支店してん

新発寒しんはつさむ支店してん

新川しんかわ中央ちゅうおう支店してん

恵庭えにわ中央ちゅうおう支店してん

真駒内まこまない中央ちゅうおう支店してん

白石しらいし中央ちゅうおう支店してん

月寒つきさむ中央ちゅうおう支店してん

西町にしまち支店してん

北きた十じゅう五ご条じょう支店してん

平岸ひらぎし中央ちゅうおう支店してん

厚別あしべつ中央ちゅうおう支店してん

手稲ていね中央ちゅうおう支店してん

花川北はなかわきた支店してん

藻も岩がん支店してん

野幌のっぽろ中央ちゅうおう支店してん

清田きよた区役所くやくしょ前ぜん支店してん

北洋銀行ほくようぎんこう店舗てんぽが業務ぎょうむ継承けいしょう店てんであるが、旧きゅう拓つぶせ銀ぎん店舗てんぽ所在地しょざいちに移転いてん

業務ぎょうむ継承けいしょう店てん	移転いてん先さき
本店ほんてん営業えいぎょう部ぶ	大通だいつう支店してん
旭ヶ丘あさひがおか支店してん	北きた円山まるやま出張所しゅっちょうしょ
八雲やくも支店してん	八雲やくも中央ちゅうおう支店してん
倶知安くっちゃん支店してん	倶知安くっちゃん中央ちゅうおう支店してん
伊達だて支店してん	伊達だて中央ちゅうおう支店してん
静内しずない支店してん	静内しずない中央ちゅうおう支店してん
浦河うらかわ支店してん	浦河うらかわ中央ちゅうおう支店してん
栗山くりやま支店してん	栗山くりやま中央ちゅうおう支店してん
美唄びばい支店してん	美唄びばい中央ちゅうおう支店してん
滝川たきがわ支店してん	滝川たきがわ中央ちゅうおう支店してん
砂川すなかわ支店してん	砂川すなかわ中央ちゅうおう支店してん
富良野ふらの支店してん	富良野ふらの中央ちゅうおう支店してん
留萌るもい支店してん	留萌るもい中央ちゅうおう支店してん
名寄なよろ支店してん	名寄なよろ中央ちゅうおう支店してん
稚内わっかない支店してん	稚内わっかない中央ちゅうおう支店してん
根室ねむろ支店してん	根室ねむろ中央ちゅうおう支店してん
網走あばしり支店してん	網走あばしり中央ちゅうおう支店してん
美幌びほろ支店してん	美幌びほろ中央ちゅうおう支店してん
遠軽えんがる支店してん	遠軽えんがる中央ちゅうおう支店してん
紋別もんべつ支店してん	紋別もんべつ中央ちゅうおう支店してん

その他た、以下いかのように変化へんかした例れいもある。

• 深川ふかがわ支店してん（深川ふかがわ市し）→北洋銀行ほくようぎんこう深川ふかがわ中央ちゅうおう支店してん→深川ふかがわ支店してんに統合とうごう後ご、土地とちと建物たてものを市しに譲渡じょうと。建物たてもの外観がいかんは歴史れきし的てき建造けんぞう物ぶつとして保存ほぞんされ、公共こうきょう施設しせつとバス待合まちあい所しょを兼かねた「プラザ深川ふかがわ」として利用りよう

道外みちそと店舗てんぽ

破綻はたん時じに北海道ほっかいどう外がいの資産しさん・預金よきんについては、本州ほんしゅうの金融きんゆう機関きかんに営業えいぎょう譲渡じょうとすることとされていたが、1998年ねん2月がつ17日にちに中央信託銀行ちゅうおうしんたくぎんこうに北海道ほっかいどう外がいの営業えいぎょう権けんを譲渡じょうとすることが合意ごういされた。中央信託銀行ちゅうおうしんたくぎんこうでは拓ひらけ銀ぎんの顧客こきゃくを取とり込こむことで営業えいぎょう基盤きばんを拡大かくだいし、信託しんたく業務ぎょうむの展開てんかいに活用かつようすることや営業えいぎょう譲渡じょうとの受うけ皿ざらとなることで公的こうてき資金しきん注入ちゅうにゅうを得えて、財務ざいむ基盤きばんを強つよめる思惑おもわくがあった。破綻はたん時じの北海道ほっかいどう外がいの店舗てんぽ数すうは63店てん（支店してん62、出張所しゅっちょうしょ1）。4店てんが営業えいぎょう譲渡じょうとを前まえに統廃合とうはいごうされ、11月16日にちに59店てんと店舗てんぽ外がいATM6店てんと一部いちぶ要注意ようちゅうい債権さいけんを含ふくむ資産しさん、行員こういん約やく1200人にんが継承けいしょうされ、預金保険機構よきんほけんきこうから467億おく円えんが贈与ぞうよされた。

中央信託銀行ちゅうおうしんたくぎんこうは2000年ねん4月がつ1日にちに三井信託銀行みついしんたくぎんこうと合併がっぺいし、中央ちゅうおう三井信託銀行みついしんたくぎんこうとなった。合併がっぺい後ご、旧きゅう三井信託銀行みついしんたくぎんこうが経営けいえいを主導しゅどうしたため、収益しゅうえき力りょくに劣おとる旧きゅう拓つぶせ銀ぎん店舗てんぽのほとんどが統廃合とうはいごうの対象たいしょうとなり、2002年ねん5月7日にちまでに6店てん、2004年ねん4月がつ9日にちまでに2店てんに整理せいりされた。さらに2012年ねん4月がつ1日にちには住友信託銀行すみともしんたくぎんこうと合併がっぺいし、三井みつい住友信託銀行すみともしんたくぎんこうとなっている。

営業えいぎょう譲渡じょうと店てん一覧いちらん

店番みせばん	拓つぶせ銀ぎん	中央ちゅうおう信託しんたく	中央ちゅうおう三井みつい信託しんたく	廃止はいし日び
201	東京とうきょう営業えいぎょう部ぶ	東京とうきょう中央ちゅうおう	東京とうきょう中央ちゅうおう	2003/2/17
202	丸ノ内まるのうち	丸ノ内まるのうち	丸ノ内まるのうち	2001/2/4
203	築地つきじ	築地つきじ	築地つきじ	2002/5/7
204	馬喰ばくろ町まち	馬喰ばくろ町まち	馬喰ばくろ町まち	2001/2/4
205	虎ノ門とらのもん	東ひがし虎ノ門とらのもん	東ひがし虎ノ門とらのもん	2002/5/7
206	神田かんだ	神田かんだ	神田かんだ	2002/5/7
207	上野うえの	上野うえの駅前えきまえ	上野うえの駅前えきまえ	2002/5/7
209	横浜よこはま	横浜よこはま中央ちゅうおう	横浜よこはま中央ちゅうおう	2002/5/7
210	新宿しんじゅく	新宿しんじゅく東ひがし	新宿しんじゅく東ひがし	2002/5/7
211	佐倉さくら	佐倉さくら	佐倉さくら	2001/3/12
212	渋谷しぶや	渋谷しぶや中央ちゅうおう	渋谷しぶや中央ちゅうおう	2003/2/17
213	池袋いけぶくろ	東池袋ひがしいけぶくろ	東池袋ひがしいけぶくろ	2002/5/7
215	池尻いけじり	池尻いけじり	池尻いけじり	2002/5/7
216	西小山にしこやま	西小山にしこやま	西小山にしこやま	2002/5/7
217	西新宿にししんじゅく	西新宿にししんじゅく	西新宿にししんじゅく	2001/6/11
218	荻窪おぎくぼ	荻窪おぎくぼ	荻窪おぎくぼ南口みなみぐち	2002/5/7
219	永代えいたい橋きょう	永代えいたい橋きょう	深川ふかがわ	2002/5/7
220	赤羽あかはね	赤羽西あかばねにし	赤羽西あかばねにし	2002/5/7
221	千葉ちば	千葉ちば駅前えきまえ	千葉ちば駅前えきまえ	2002/5/7
222	千住せんじゅ	千住せんじゅ	千住せんじゅ	2002/5/7
225	五反田ごたんだ	五反田ごたんだ	五反田ごたんだ	2002/5/7
226	中野なかの	中野なかの	中野北なかのきた	2002/5/7
228	蒲田かまた	西蒲田にしかまた	西蒲田にしかまた	2002/5/7
229	阿佐谷北あさがやきた	阿佐谷北あさがやきた	阿佐谷北あさがやきた	2002/5/7
230	世田谷せたがや	世田谷せたがや	世田谷せたがや	2002/5/7
231	栗橋くりはし	栗橋くりはし	栗橋くりはし	2002/5/7
232	西にし永福えいふく	西にし永福えいふく	西にし永福えいふく	2002/5/7
233	つつじが丘おか	つつじが丘おか	つつじが丘おか	2004/2/13
234	武たけ蔵関くらせき	武たけ蔵関くらせき	武たけ蔵関くらせき	2002/5/7
235	国分寺こくぶんじ	国分寺こくぶんじ	国分寺こくぶんじ	2004/4/9
236	新小岩しんこいわ	新小岩しんこいわ	新小岩しんこいわ	2002/5/7
237	小石川こいしかわ	小石川こいしかわ	小石川こいしかわ	2002/5/7
238	日野ひの	日野ひの	日野ひの	2002/5/7
239	石神井しゃくじい	石神井しゃくじい	石神井しゃくじい	現存げんそん。ただし店舗てんぽは移転いてん
240	武蔵境むさしさかい	武蔵境むさしさかい	武蔵境むさしさかい	2002/5/7
241	大網おおあみ	大網おおあみ	大網おおあみ	2001/3/26
242	松戸まつど	松戸まつど	松戸まつど東ひがし	2002/5/7
244	狭山さやま	狭山さやま	狭山さやま	2002/5/7
245	杉戸すぎと	杉戸すぎと	杉戸すぎと	現存げんそん
247	東村山ひがしむらやま	東村山ひがしむらやま	東村山ひがしむらやま	2002/5/7
248	鶴間つるま	鶴間つるま	鶴間つるま	2002/5/7
249	北本きたもと	北本きたもと	北本きたもと	2002/5/7
251	名古屋なごや	栄さかえ	名古屋なごや中央ちゅうおう	2002/5/7
261	大阪おおさか	御堂筋みどうすじ	御堂筋みどうすじ	2002/5/7
264	神戸こうべ	神戸こうべ元町もとまち	神戸こうべ元町もとまち	2002/5/7
265	京都きょうと	烏丸からすま通とおる	烏丸からすま通とおる	2002/5/7
271	仙台せんだい	仙台せんだい中央ちゅうおう	仙台せんだい中央ちゅうおう	2002/5/7
272	草加そうか新田しんでん	草加そうか新田しんでん	草加そうか新田しんでん	2002/5/7
273	小作こさく	小作こさく	小作こさく	2002/5/7
274	高尾たかお	高尾たかお	高尾たかお	2002/5/7
275	鴨居かもい	鴨居かもい	鴨居かもい	2002/5/7
276	東川口ひがしかわぐち	東川口ひがしかわぐち	東川口ひがしかわぐち	2002/5/7
277	市川大野いちかわおおの	市川大野いちかわおおの	市川大野いちかわおおの	2002/5/7
278	市いちが尾お	市いちが尾お	市いちが尾お	2002/5/7
279	保谷ほや	保谷ほや	保谷ほや	2002/5/7
280	座間ざま	座間ざま	座間ざま	2002/5/7
281	六ろく会かい	六ろく会かい	六ろく会かい	2002/5/7
283	豊春とよはる	豊春とよはる	豊春とよはる	2001/11/12
284	生田いくた	生田いくた	生田いくた	2002/5/7

なお渋谷しぶや支店してんのビルは破綻はたん後ご売却ばいきゃくされ、2022年ねん現在げんざいでは東急とうきゅうグループが所有しょゆうしているが、渋谷しぶやたくぎんビルの名称めいしょうはそのまま残のこされている。

システム統合とうごう

拓つぶせ銀ぎん救済きゅうさいに際さいして北洋ほくよう側がわは、拓つぶせ銀ぎんシステム（ベンダーは日本にっぽんIBM）へ全面ぜんめん的てきに移行いこうするという極きわめて異例いれいの判断はんだんを下くだしている。

これは、既存きそんの北洋ほくよう側がわシステムが旧式きゅうしきで更新こうしん時期じきに差さし掛かかっていたこと、総そう資産しさんが5倍ばいもある拓つぶせ銀ぎんの情報じょうほう量りょうは負荷ふかが高たかすぎることから、システム担当たんとう者しゃが「システム変更へんこうに伴ともなう設備せつび導入どうにゅう費用ひようや改修かいしゅう費用ひようを始はじめオペレーターの再さい教育きょういくにかかる費用ひよう等とうを考慮こうりょしても、日本にっぽんで一番いちばん進すすんでいる拓つぶせ銀ぎんのシステムに乗のり換かえた方ほうがベター」と全面ぜんめん的てきに乗のり換かえる案あんを推奨すいしょうし、これを経営けいえい陣じんが了承りょうしょうしたことに依よっている。

金融きんゆう機関きかんのオンラインシステム、特とくに中核ちゅうかくとなる勘定かんじょう系けいシステムは業務ぎょうむそのものと同義どうぎであり、行員こういんの各種かくしゅ事務じむ処理しょりや預金よきん通帳つうちょうの継続けいぞく使用しよう可否かひを左右さゆうする。このため、対等たいとう合併がっぺい・吸収きゅうしゅう合併がっぺいなどの区別くべつにかかわらず「オンラインシステムが存続そんぞくする銀行ぎんこう＝当面とうめんの経営けいえい主導しゅどう権けんを取とる」と解ほぐされることが多おおい。このため、北洋ほくようの行員こういんに「旧きゅう拓つぶせ銀ぎんに乗のっ取とられるのでは？」との不安ふあん・不快ふかい感かんが広ひろがった。これに対たいし武井たけい頭取とうどりは「コンピュータシステムが旧きゅう拓つぶせ銀ぎんの物ものに変かわっても、ウチのやり方かたはなんら変かわらない。融資ゆうしの審査しんさ能力のうりょくを始はじめ、事務じむシステムはウチの方ほうが遥はるかに優すぐれている。何なにも恐おそれることは無ない」と説明せつめいし、移行いこうを実行じっこうした。

後のちに、システム統合とうごうの困難こんなんさ、業務ぎょうむ継続けいぞくにおけるリスクを考かんがえる上うえで、この決断けつだんはまさに英断えいだんであったとビジネス書籍しょせきなどで賞賛しょうさんされている。

元もと行員こういんの再さい就職しゅうしょく

道内どうないに勤務きんむしていた行員こういんは3,357名めいいたが、2,000人にん規模きぼの北洋銀行ほくようぎんこうが自みずからを上回うわまわる大量たいりょうの人員じんいんを雇用こようできるはずもなく、北洋銀行ほくようぎんこうに移うつったのは1,903人にんに留とまる。同おなじく道外みちそと勤務きんむ者しゃ約やく1,200名めいは中央信託銀行ちゅうおうしんたくぎんこうに、整理せいり回収かいしゅう機構きこうも約やく350名めいを引ひき受うけた。システム技術ぎじゅつ者しゃ114名めいについては、1987年ねん（昭和しょうわ62年ねん）6月がつから日本にアイ・ビー・エムが出資しゅっししていた拓つぶせ銀ぎん関連かんれん会社かいしゃシステムフロンティア（207名めい）に1998年ねん（平成へいせい10年ねん）4月がつたくぎんコンピューター（277名めい）を統合とうごうし、日本にっぽんアイビーエム・ソリューション・サービス（システム・フロンティアが存続そんぞく会社かいしゃ）となった際さいに採用さいようされた。

一方いっぽう、自主じしゅ的てきに退職たいしょくした行員こういんも1,200名めいおり、うち金融きんゆう機関きかんに再さい就職しゅうしょくした者ものが約やく100名めい、道庁どうちょうや市町村しちょうそん役所やくしょ、北海道ほっかいどう警察けいさつが募集ぼしゅうしていた金融きんゆう・財務ざいむ捜査そうさ官かんなどの公的こうてき機関きかんに再さい就職しゅうしょくした者ものが約やく50名めい、他たは一般いっぱん民間みんかん企業きぎょうに再さい就職しゅうしょくしたり、脱だつサラ、家業かぎょうを継つぐなどした。

道内どうない企業きぎょうへの影響えいきょう

拓つぶせ銀ぎん破綻はたんは拓ひらけ銀ぎんをメインバンクとしていた多おおくの道内どうない企業きぎょうを連鎖れんさ破綻はたんに追おい込こむなど、北海道ほっかいどう経済けいざい全体ぜんたいの信用しんよう収縮しゅうしゅくが加速かそくし大おおきな打撃だげきをもたらした。これは今日きょうまで続つづく深刻しんこくな北海道ほっかいどう経済けいざい不振ふしんの一因いちいんとなっており、一連いちれんの経済けいざいへの影響えいきょうは「拓つぶせ銀ぎんショック」とも呼よばれている。

この背景はいけいには、道内どうない企業きぎょう関係かんけい者しゃの間あいだで大勢おおぜいを占しめていた「都市とし銀行ぎんこうは破綻はたんしない」という楽観らっかん論ろんに基もとづく見通みとおしの甘あまさが、大おおきな要因よういんとなっている。また、北海道新聞ほっかいどうしんぶんを筆頭ひっとうとした地元じもとメディアの大だい部分ぶぶんが、拓つぶせ銀ぎんを主要しゅようスポンサーとしていた関係かんけい上じょう、同行どうこうの経営けいえい実態じったいを伝つたえることを極力きょくりょく避さける傾向けいこうにあったことも、破綻はたん後ごの道内どうない経済けいざいや社会しゃかいの混乱こんらんにさらに拍車はくしゃをかける結果けっかとなったという指摘してきもある。

拓つぶせ銀ぎん破綻はたん後ご、道内どうないの特とくに地方ちほう都市としで、巨額きょがくな設備せつび投資とうしや長期ちょうき資金しきんの貸付かしつけを行おこなう銀行ぎんこうがなくなったことで、道内どうないの多おおくの企業きぎょうにおける中長期ちゅうちょうきの設備せつび投資とうしの伸のびを鈍化どんかさせ、地方ちほう都市としの衰退すいたいを促うながし、北海道ほっかいどう経済けいざい発展はってんの足あしを引ひっ張ぱる結果けっかとなった。

一般いっぱん企業きぎょう(たくぎん経営けいえい破綻はたんにより影響えいきょうを受うけた企業きぎょう)

• そうご電器でんき - 道内どうない大手おおての家電かでん量販りょうはん店てんだったが拓ひらけ銀ぎん破綻はたんの年としをピークに売うり上あげが低迷ていめい。2001年ねんに破綻はたんした。
• ニトリ（ニトリホールディングス） - 拓つぶせ銀ぎんをメインバンクにしており、保証ほしょう会社かいしゃを拓ひらけ銀ぎんとする転換てんかん社債しゃさいの形かたちで、スイス銀行ぎんこうより約やく50億おく円えんの融資ゆうしを受うけていた。保証ほしょう会社かいしゃの拓つぶせ銀ぎんの経営けいえい破綻はたんに続つづき、拓つぶせ銀ぎんの主しゅ幹事かんじでもあり、共同きょうどう保証ほしょう会社かいしゃだった山一證券やまいちしょうけんも同どう時期じきに倒産とうさんしたことからスイス銀行ぎんこうより残ざん債さいを一括いっかつ請求せいきゅうされ、住友信託銀行すみともしんたくぎんこう（現げん三井みつい住友信託銀行すみともしんたくぎんこう）から高金利こうきんりで追加ついか借入かりいれをせざるを得えなくなった経験けいけんから、以後いごは銀行ぎんこうの融資ゆうしを前提ぜんていにしない「無む借金しゃっきん経営けいえい」を貫つらぬくこととなる。しかし、創業そうぎょう者しゃで社長しゃちょうの似鳥にたどり昭雄あきおや経営けいえい陣じんの尽力じんりょくもあって軌道きどうに乗のり、現在げんざいも経営けいえいを続つづけている。
• 井原いはら水産すいさん - 北海道ほっかいどう留萌るもい市しに本社ほんしゃを構かまえる数かずの子この生産せいさん大手おおて。カナダでの事業じぎょう拡大かくだいを考かんがえており、拓つぶせ銀ぎんへ融資ゆうしの依頼いらいをしたところ、断ことわられていた。その後ご、同おなじ道内どうないに本店ほんてんを構かまえる第だい二に地銀ちぎんの北洋銀行ほくようぎんこうに融資ゆうしを依頼いらいし、成立せいりつ。その数すうか月げつ後ごに拓ひらけ銀ぎんは破綻はたんした。
• ナシオ - もとは北見きたみ市しに本社ほんしゃを置おいていたが、拓つぶせ銀ぎん破綻はたんの影響えいきょうもあって北見きたみから撤退てったいし、札幌さっぽろに本社ほんしゃを移転いてんした。
• 角すみ幡はた商店しょうてん - 芦別あしべつ市しに本社ほんしゃを置おいていた老舗しにせスーパー。拓つぶせ銀ぎん破綻はたんの影響えいきょうで道北みちきたラルズ（現げん・道北みちきたアークス）に身売みうりした。
• そごう - 興銀こうぎんや長銀ちょうぎん、三和さんわ（当時とうじ、みどり会かいメンバー企業きぎょう）らに次つぐ大口おおぐち融資ゆうし元もとであったが、長銀ちょうぎん破綻はたんによる瑕疵かし担保たんぽ条項じょうこうの影響えいきょうから金融きんゆう支援しえんに行いき詰づまり、2000年ねんに民事みんじ再生さいせい法ほうを申請しんせいし経営けいえい破綻はたん。札幌さっぽろエスタ内うちに「札幌さっぽろそごう」を擁ようしていたが、不ふ採算さいさん店てんとして閉店へいてんし、2001年ねんにはビックカメラが入居にゅうきょし、その後ごもユニクロやニトリ等ひとしが開店かいてんしていった。
• ハドソン - 札幌さっぽろ市し豊平とよひら区く平岸ひらぎしに本社ほんしゃを置おいていたゲームメーカー。拓つぶせ銀ぎんがメインバンクであったが、拓つぶせ銀ぎん破綻はたん後ご経営けいえいが悪化あっか。コナミ（後ごのコナミホールディングス）子会社こがいしゃとなって、本社ほんしゃを東京とうきょうに移うつす。2012年ねん、コナミデジタルエンタテインメントに吸収きゅうしゅう合併がっぺいされて消滅しょうめつ。

このほか土屋つちやホーム、地崎工業ちざきこうぎょう、伊藤組土建いとうぐみどけん、三愛石油さんあいせきゆ、北海道放送ほっかいどうほうそう、北海道ほっかいどうリース（現げんジャックス翼下よくか）、北海道ほっかいどうテレビ、札幌さっぽろテレビおよび三井観光開発みついかんこうかいはつ（いずれも元もと萩原はぎはらグループ関連かんれん）、東芝とうしばホクト電子でんし（東芝とうしば子会社こがいしゃ）、合同酒精ごうどうしゅせい（旧きゅう）、札幌通運さっぽろつううん（旧きゅう）、ラルズ（旧きゅう）などが主要しゅような融資ゆうし関係かんけい先さきと言いわれた。

金融きんゆう機関きかん

信用組合しんようくみあい

• 北央ほくおう信用組合しんようくみあい - 拓つぶせ銀ぎん破綻はたんから2年ねん後ごの1999年ねん（平成へいせい11年ねん）12月、専せん和わ信用組合しんようくみあい（札幌さっぽろ市し）が、同年どうねん11月に経営けいえい破綻はたんした千歳信用組合ちとせしんようくみあい（千歳ちとせ市し）と共同きょうどう信用組合しんようくみあい（札幌さっぽろ市し）を救済きゅうさい合併がっぺいして発足ほっそくした。記者きしゃ会見かいけんでは「拓つぶせ銀ぎん破綻はたんにつきる」と発表はっぴょうしている。

拓つぶせ銀ぎんの破綻はたん後ご、道内どうないでは先述せんじゅつの2信組しんそを含ふくむ信用組合しんようくみあいの経営けいえい破綻はたんが相次あいついだ。いずれも拓ひらけ銀ぎん破綻はたん後ごの信用しんよう収縮しゅうしゅくにともなう貸かし付つけ先さき企業きぎょうの債務さいむ超過ちょうか化かによって、不良ふりょう債権さいけんを爆発ばくはつ的てきにふくらませた結果けっか、破綻はたんにいたった点てんが共通きょうつうしている。

• 2000年ねん（平成へいせい12年ねん）12月 - 道みち央ひさし信用組合しんようくみあい（滝川たきがわ市し）
• 2001年ねん（平成へいせい13年ねん）6月がつ - 旭川あさひかわ商工しょうこう信用組合しんようくみあい（旭川あさひかわ市し）
• 2001年ねん（平成へいせい13年ねん）7月がつ - 小樽おたる商工しょうこう信用組合しんようくみあい（小樽おたる市し）
• 2001年ねん（平成へいせい13年ねん）11月 - 網走信用組合あばしりしんようくみあい（網走あばしり市し）

信用金庫しんようきんこ

拓つぶせ銀ぎんの破綻はたん後ご、道内どうないの信用金庫しんようきんこが破綻はたんに至いたったケースはない。 ただ、2005年ねん（平成へいせい17年ねん）までに北海信用金庫ほっかいしんようきんこ（余市よいち町まち）が、道内どうないの5つの信金しんきんを合併がっぺいしたほか、道東どうとうでは根室ねむろ信用金庫しんようきんこ・厚岸信用金庫あつけししんようきんこが合併がっぺいし大地だいちみらい信用金庫しんようきんこが発足ほっそくした。

北海道ほっかいどう経済けいざいの急速きゅうそくな悪化あっかは、道内どうないの金融きんゆう機関きかんのいずれもが国債こくさい購入こうにゅうによって資金しきん運用うんようするという預あずか貸かし率りつ低下ていかの要因よういんになっている。預あずか貸かし率りつの低下ていかは金融きんゆう機関きかんの審査しんさ能力のうりょくの低下ていかにつながった。単たんに資本しほん回転かいてん率りつと売上うりあげの伸のび、税ぜいの滞納たいのうがないことをもって融資ゆうしするという姿勢しせいが詐欺さぎまがいの融資ゆうし先さきに融資ゆうしし不良ふりょう債権さいけん拡大かくだいの要因よういんとなっている。

責任せきにん追及ついきゅう

その後ごの捜査そうさで、当時とうじの拓つぶせ銀ぎん歴代れきだい頭取とうどり2名めい及および融資ゆうし先さきの元もと社長しゃちょう1名めいの計けい3名めいが商法しょうほう上うえの特別とくべつ背任はいにんで逮捕たいほ・起訴きそされた。これに対たいして、2003年ねん（平成へいせい15年ねん）2月がつ27日にち、札幌さっぽろ地方裁判所ちほうさいばんしょ（小池こいけ勝まさる雅みやび裁判さいばん長ちょう）は全員ぜんいんを無罪むざいとする一いち審しん判決はんけつをい渡いわたした。しかし、控訴こうそ審しんとなる札幌さっぽろ高等こうとう裁判所さいばんしょ（長島ながしま孝太郎こうたろう裁判さいばん長ちょう）は、2006年ねん（平成へいせい18年ねん）8月がつ31日にち、全員ぜんいんに対たいして破棄はき自じ判はんの実刑じっけい判決はんけつをい渡いわたした。最高さいこう裁判所さいばんしょ第だい三さん小しょう法廷ほうてい（那須なす弘ひろし平たいら裁判さいばん長ちょう）は、2009年ねん（平成へいせい21年ねん）11月9日にち、被告人ひこくにん側がわの上告じょうこくを棄却ききゃく、2審しん判決はんけつが確定かくていした。懲役ちょうえき2年ねん6か月げつとなった74歳さいの河谷こうだに禎ただし昌あきら元もと頭取とうどりは収監しゅうかんを受うけ入いれる意向いこうで、執行しっこう停止ていしの請求せいきゅうは行おこなわず、2009年ねん（平成へいせい21年ねん）12月7日にち札幌さっぽろ刑務所けいむしょに収監しゅうかんされた。同どう22日にち、懲役ちょうえき1年ねん6か月げつとなった69歳さいの融資ゆうし先さきの元もと社長しゃちょう1名めいが札幌さっぽろ刑務所けいむしょに収監しゅうかんされた。一方いっぽう、札幌さっぽろ市し内うちの病院びょういんに入院にゅういん中ちゅうの懲役ちょうえき2年ねん6カ月かげつとなった84歳さいの山内やまうち宏ひろし元もと頭取とうどりは、検察けんさつに執行しっこう停止ていしを求もとめ、同どう25日にち、健康けんこう状態じょうたい及および高齢こうれいを理由りゆうに執行しっこう停止ていしが決定けっていされ、ほっとした様子ようすを見みせたが、その僅わずか4日にち後ごの11月29日にちに死去しきょした。

整理せいり回収かいしゅう機構きこう (RCC) は、拓つぶせ銀ぎん旧きゅう経営けいえい陣じんに対たいして、当時とうじの経営けいえい責任せきにんを追及ついきゅうすべく損害そんがい賠償ばいしょうを請求せいきゅうする訴訟そしょうを5件けん起おこした。2006年ねん（平成へいせい18年ねん）3月2日にち、二に審しん・札幌さっぽろ高等こうとう裁判所さいばんしょは一部いちぶ経営けいえい陣じんの責任せきにんを退しりぞけ、3件けんにつき約やく41億おく円えんの賠償ばいしょうを命めいじる判決はんけつを下くだした（ただし5件けん中ちゅう4件けんでの経営けいえい責任せきにんを認定にんてい）。原告げんこく・被告ひこく双方そうほうが上告じょうこくした最高裁判所さいこうさいばんしょ（中川なかがわ了りょう滋しげる裁判さいばん長ちょう）は、2008年ねん（平成へいせい20年ねん）1月がつ28日にち、そのRCCが不正ふせい融資ゆうしと主張しゅちょうした全額ぜんがくを「破綻はたん時期じきを数すうか月げつ遅おくらせるに過すぎず、担保たんぽ評価ひょうかも実態じったいと掛かけ離はなれ著いちじるしく不合理ふごうりな判断はんだんだった」と指摘してきし、RCCの請求せいきゅうする全額ぜんがく計けい60億おく円えんの支払しはらいを命めいじる判決はんけつを下くだした。この結果けっか、RCCが求もとめていた山内やまうち宏ひろし元もと頭取とうどりら元もと役員やくいん13名めいに対たいする損害そんがい賠償ばいしょう請求せいきゅう5件けんはすべて確定かくていし、賠償ばいしょう請求せいきゅう額がくは合計ごうけい約やく101億おく円えんとなった。

歴代れきだい頭取とうどり

戦前せんぜん

代だい	氏名しめい	在任ざいにん期間きかん	出身しゅっしん地ち	出身しゅっしん校こう	前まえ職しょく・備考びこうなど
1	曾根そね静夫しずお	1900年ねん2月がつ16日にち - 1903年ねん5月31日にち	千葉ちば県けん鋸南きょなん町まち		大蔵省おおくらしょう国債こくさい局長きょくちょう 台湾たいわん総督そうとく府ふ民政みんせい局長きょくちょう 山形やまがた県知事けんちじ
2	美濃部みのべ俊吉しゅんきち	1903年ねん7月がつ30日にち - 1916年ねん11月2日にち	兵庫ひょうご県けん高砂たかさご町まち	帝国ていこく大学だいがく法科ほうか大学だいがく	大蔵省おおくらしょう理財りざい局きょく書記官しょきかん 朝鮮ちょうせん銀行ぎんこう総裁そうさい 法学ほうがく博士はかせ美濃部みのべ達吉たつきちの兄あに
3	水越みずこし理さとし庸いさお	1916年ねん11月24日にち - 1924年ねん8月がつ22日にち	愛知あいち県けん	明治大学めいじだいがく中退ちゅうたい	大蔵省おおくらしょう官僚かんりょう 朝鮮ちょうせん銀行ぎんこう理事りじ
4	加藤かとう敬たかし三郎さぶろう	1924年ねん9月16日にち - 1927年ねん12月8日にち	愛知あいち県けん	日本にっぽん法律ほうりつ学校がっこう	逓信ていしん省しょう九州きゅうしゅう逓信ていしん局長きょくちょう 朝鮮ちょうせん銀行ぎんこう総裁そうさい
5	松本まつもと脩おさむ	1928年ねん1月がつ13日にち - 1936年ねん2月がつ15日にち	奈良なら県けん	帝国ていこく大学だいがく法科ほうか大学だいがく	大蔵省おおくらしょう銀行局ぎんこうきょく長なが
6	岡田おかだ信しん	1936年ねん2月がつ17日にち - 1941年ねん1月がつ5日にち	滋賀しが県けん守山もりやま市し	帝国ていこく大学だいがく法科ほうか大学だいがく	大蔵省おおくらしょう銀行ぎんこう局きょく特別とくべつ銀行ぎんこう課長かちょう 台湾たいわん総督そうとく府ふ財務局ざいむきょく長なが 満州まんしゅう興業こうぎょう銀行ぎんこう総裁そうさい
7	永田ながた昌あきら綽	1941年ねん1月がつ5日にち - 1947年ねん4月がつ9日にち			初はつの北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこう出身しゅっしん頭取とうどり 北海道ほっかいどう曹達そうだ社長しゃちょう

戦後せんご

特記とっきなき場合ばあい『日本にっぽん官僚かんりょう制せい総合そうごう事典じてん : 1868-2000』による。

• 広瀬ひろせ経けい一いち：1947年ねん4月がつ - 1962年ねん3月がつ
• 東条とうじょう猛たけし猪いのしし：1962年ねん3月がつ - 1977年ねん10月がつ
• 五味ごみ彰あきら：1977年ねん10月がつ - 1983年ねん4月がつ
• 鈴木すずき茂しげる：1983年ねん4月がつ - 1989年ねん4月がつ
• 山内やまうち宏ひろし：1989年ねん4月がつ - 1994年ねん6月がつ
• 河谷こうだに禎ただし昌あきら：1994年ねん6月がつ - 1997年ねん11月（破綻はたん）

スポーツ事業じぎょう

野球やきゅう・スキー・バレーボール・卓球たっきゅう部ぶと複数ふくすうのチームが活動かつどうしていた。

社会しゃかい人じん野球やきゅう

チーム名めい・たくぎんで社会しゃかい人じん野球やきゅうチームを擁ようしていた。都市とし対抗たいこう野球やきゅう大会たいかい（都市とし対抗たいこう）に20回かい、社会しゃかい人じん野球やきゅう日本にっぽん選手権せんしゅけん大会たいかい（日本にっぽん選手権せんしゅけん）に10回かいの出場しゅつじょう実績じっせきを持もつ。中なかでも、1976年ねん（昭和しょうわ51年ねん）の第だい47回かい都市とし対抗たいこうでは準じゅん優勝ゆうしょう、1978年ねん（昭和しょうわ53年ねん）の第だい5回かい日本にっぽん選手権せんしゅけんでは優勝ゆうしょうという成績せいせきを残のこしており、社会しゃかい人じん野球やきゅう北海道ほっかいどう5強きょうの1つに数かぞえられた。

1996年ねん（平成へいせい8年ねん）の都市とし対抗たいこう野球やきゅうを最後さいごに「休部きゅうぶ」することを発表はっぴょう。同どう大会たいかいの北海道ほっかいどう予選よせんでたくぎん野球やきゅう部ぶは予選よせん敗退はいたいして本ほん大会たいかい出場しゅつじょうはならず、活動かつどうを休止きゅうし。翌よく1997年ねん（平成へいせい9年ねん）11月に拓ひらけ銀ぎん本体ほんたいが経営けいえい破綻はたんした。営業えいぎょう譲渡じょうと先さきの北洋銀行ほくようぎんこう・中央ちゅうおう三井信託銀行みついしんたくぎんこうのいずれにも社会しゃかい人じん野球やきゅうチームは存在そんざいせず、野球やきゅう部ぶ復ふく部ぶの可能かのう性せいは絶たたれた。

スキージャンプ

北海道ほっかいどうという土地とち柄がらにふさわしく、社会しゃかい人じん野球やきゅうと同おなじく「たくぎん」チームとしてスキージャンプ選手せんしゅ団だんがいた。 在籍ざいせき選手せんしゅは#在職ざいしょくした著名ちょめい人じんを参照さんしょう。

在職ざいしょくした著名ちょめい人じん

• 守分もりわけ十じゅう - 元もと中国銀行ちゅうごくぎんこう頭取とうどり。同行どうこうの“中興ちゅうこうの祖そ”とされる。
• 内田うちだ正ただし練ねり - 水練すいれん師範しはん、日本にっぽん初はつのオリンピック競泳きょうえい選手せんしゅ。
• 小林こばやし多喜二たきじ - 小説しょうせつ家か
• 岡部おかべ孝信たかのぶ - 1998年ねん長野ながのオリンピックスキージャンプ金きむメダリスト
• 金野こんの昭次しょうじ - 1972年ねん札幌さっぽろオリンピックスキージャンプ70m級きゅう・銀ぎんメダリスト。「日ひの丸まる飛行ひこう隊たい」のうちの一人ひとり。
• 八木やぎ弘和ひろかず - 1980年ねんレークプラシッドオリンピックスキージャンプ70m級きゅう・銀ぎんメダリスト
• 佐藤さとう真一しんいち - 元もとプロ野球やきゅう選手せんしゅ（外野がいや手しゅ）。ヤクルトスワローズ、現げん東京とうきょうヤクルトスワローズ2軍ぐんコーチ。
• 吉田よしだ修司しゅうじ - 元もとプロ野球やきゅう選手せんしゅ（投手とうしゅ）。読売よみうりジャイアンツ、福岡ふくおかダイエーホークス→福岡ふくおかソフトバンクホークス）、オリックス。現げん野球やきゅう解説かいせつ者しゃ。
• 島田しまだ俊平しゅんぺい - 石屋いしや製菓せいか、サザエ食品さざえしょくひん社長しゃちょうを歴任れきにんした（元もと・北洋銀行ほくようぎんこう常務じょうむ取締役とりしまりやく）
• 石井いしい純二じゅんじ - 元もと北洋銀行ほくようぎんこう頭取とうどり。元もと第だい二に地方銀行ちほうぎんこう協会きょうかい会長かいちょう。

備考びこう

• 北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこうのロゴはしばしばスギをイメージしたと言いわれているが、北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこう百ひゃく年ねん物語ものがたりには「北斗七星ほくとしちせいが上昇じょうしょうするイメージと、大地だいちにねざした大樹たいじゅをモチーフに表現ひょうげんしました」とあり、北斗七星ほくとしちせい（★のマーク）と大地だいちに根ねづく大樹たいじゅのイメージを掛かけ合あわせたものである。また、赤あかの背景はいけいに白しろいひらがなで「たくぎん」と書かかれたロゴも使用しようしていた。
• 北海道神宮ほっかいどうじんぐうの境内けいだい末社まっしゃとして、拓つぶせ銀ぎんに永年えいねん勤務きんむ功労こうろうのあった物故ぶっこ役やく職員しょくいんを祀まつった「穂ほ多た木き神社じんじゃ」がある。名称めいしょうは「ほっかいどうたくしょくぎんこう」の頭文字かしらもじに当あて字じをしたもの。1938年ねんに拓ひらけ銀ぎん本店ほんてん内ないに建立こんりゅうされ、1950年ねんに現在地げんざいちに遷座せんざした。

参考さんこう文献ぶんけん

• 『北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこう五ご十じゅう年ねん史し』（北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこう　北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこう五ご十じゅう周年しゅうねん記念きねん事業じぎょう委員いいん会かい 1950）
• 北海道新聞社ほっかいどうしんぶんしゃ『拓つぶせ銀ぎんはなぜ消滅しょうめつしたか』（北海道新聞社ほっかいどうしんぶんしゃ、1999年ねん） ISBN 4-89453-004-X
• 斎藤さいとう仁ひとし『旧きゅう北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこう論ろん』（日本にっぽん経済けいざい評論ひょうろん社しゃ、1999年ねん） ISBN 4-8188-1059-2
• 北海道新聞社ほっかいどうしんぶんしゃ『解明かいめい・拓つぶせ銀ぎんを潰つぶした「戦犯せんぱん」』（北海道新聞社ほっかいどうしんぶんしゃ、2000年ねん） ISBN 4-06-273038-3
• 服部はっとり泰彦やすひこ「拓つぶせ銀ぎんの経営けいえい破綻はたんとコーポレート・ガバナンス」 (PDF) （2015年ねん5月がつ1日にち時点じてんのアーカイブ）『立たて命いのち館かん経済けいざい学がく』第だい41巻かん第だい5号ごう（立命館大学りつめいかんだいがく経済けいざい学会がっかい、2003年ねん）
• 「北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこうの本州ほんしゅう地区ちく営業えいぎょうの譲受ゆずりうけ」 (PDF) （2003年ねん3月がつ20日はつか時点じてんのアーカイブ）『1999年版ねんばんディスクロージャー誌し（2002年ねん6月がつ24日にち時点じてんのアーカイブ）』中央信託銀行ちゅうおうしんたくぎんこう株式会社かぶしきがいしゃ
• 秦はた郁いく彦 編へん『日本にっぽん官僚かんりょう制せい総合そうごう事典じてん : 1868-2000』東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱん会かい、2001年ねん。ISBN 4130301217。 
• 北海道新聞社ほっかいどうしんぶんしゃ『検証けんしょう　拓つぶせ銀ぎん破綻はたん10年ねん』北海道新聞社ほっかいどうしんぶんしゃ、2008年ねん6月がつ。ISBN 978-4-89453-460-5。 

関連かんれん項目こうもく

• 樺太からふと銀行ぎんこう - 北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこうへ吸収きゅうしゅうされた。
• 北洋銀行ほくようぎんこう
• 三井みつい住友信託銀行すみともしんたくぎんこう
• 絲屋いとや銀行ぎんこう
• ザ・ウィンザーホテル洞爺とうやリゾート&スパ - 北海道ほっかいどう洞爺湖とうやこ町まちに位置いちするリゾートホテル。第だい34回かい主要しゅよう国こく首脳しゅのう会議かいぎの会場かいじょうになったが、かつてはホテルエイペックス洞爺とうやとして営業えいぎょうし、拓つぶせ銀ぎんの乱脈らんみゃく経営けいえいの舞台ぶたいとなった。

外部がいぶリンク

• 北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこう経営けいえい破綻はたん - 北海道ほっかいどう雑学ざつがく百科ひゃっかぷっちがいど内ないの解説かいせつページ。
• 日本銀行にっぽんぎんこう総裁そうさい談話だんわ・北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこうについて 1997年ねん11月17日にち - 拓つぶせ銀ぎんの経営けいえい破綻はたんに関かんするコメント。
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• 拓殖たくしょく銀行ぎんこう 破綻はたん
• 山一証券やまいちしょうけん・拓つぶせ銀ぎん 経営けいえい破はたん - NHK放送ほうそう史し
• 【朝日新聞あさひしんぶん×HTB 北海道ほっかいどう150年ねん あなたと選えらぶ重大じゅうだいニュース】北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこうが経営けいえい破綻はたん 都銀とぎん初はつの破綻はたんで、道内どうないで連鎖れんさ倒産とうさんが相次あいついだ - YouTube
• 拓つぶせ銀ぎん破綻はたん20年ねん…道内どうない金融きんゆう界かいの今いまとこれから①2017年ねん11月18日にち放送ほうそう - YouTube テレビ北海道てれびほっかいどう「けいざいナビ」
• 『北海道拓殖銀行ほっかいどうたくしょくぎんこう』 - コトバンク